JP2002184320A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP2002184320A
JP2002184320A JP2000377276A JP2000377276A JP2002184320A JP 2002184320 A JP2002184320 A JP 2002184320A JP 2000377276 A JP2000377276 A JP 2000377276A JP 2000377276 A JP2000377276 A JP 2000377276A JP 2002184320 A JP2002184320 A JP 2002184320A
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JP
Japan
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cathode
color
ray tube
cathode support
grid
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JP2000377276A
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English (en)
Inventor
Toshio Shimaougi
利雄 島扇
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3色電子銃のカットオフ電圧は、各電子銃を
同一になるように構成することは難しく、各カソードの
特性に応じてバイアス電圧を調整することによって対応
していたが、各電極部品の熱的変形が平衡状態に達する
までのウォーミングアップ期間中は、一定にすることが
困難で、この期間は低画質状態で再生することを余儀な
くされていたが、この低画質状態を迅速に脱することが
できるカラー陰極線管を提供する。 【解決手段】 各カソードKB,KG、KRとカソード
支持体23との固定点を基準として、センタービーム用
のカソード支持体23とその外周に配置される金属筒2
4との固定点までの長さL2と、サイドビーム用のカソ
ード支持体23と金属筒24との固定点までの長さL1
とを、L1<L2なる関係に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インライン型電子
銃を有するカラー陰極線管に係り、特に各電子銃のカソ
ード電流値を動作開始から短時間で所定の一定値とする
ことができるカソード構体を備えたカラー陰極線管に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般的にカラーテレビジョン受像
機やカラー端末ディスプレイ等に使用されているカラー
陰極線管は、図4に示すように、画面が略矩形状を呈す
るフェースパネル51と、このフェースパネル51に一
体的に接合されたファンネル52を有する外囲器を備え
ており、このフェースパネル51の内面には、赤、青、
緑に発光する3色蛍光体層を有する蛍光体スクリーン5
3が形成されている。
【0003】この外囲器内には、この蛍光体スクリーン
53に対向して、その開孔54の内側を電子ビームが通
過し、色選別を行うためのシャドウマスク55が、フェ
ースパネル51の内側面にマスクフレーム(図示せず)
を介して取着されており、更にファンネル52のネック
56内には、水平方向に一列に配列された青、緑、赤用
の3つの電子ビームを放出するインライン型の電子銃5
7が配設され、この電子銃57から放出された電子ビー
ムを、ファンネル52の外側に装着された偏向ヨーク5
8の発生する磁界によって偏向し、電子ビームにて蛍光
体スクリーン53を水平、垂直方向に走査することによ
り、蛍光体スクリーン53上にカラー画像を再生するよ
うに構成されている。
【0004】この電子銃57は、水平方向に一列配置さ
れた青、緑、赤用の3個のカソードK(KB,KG,K
R)と、その各カソードKに内挿された3個のヒーター
Hと、前記カソードKから順次蛍光体スクリーン53方
向に、所定の間隔で同軸上に配列された一体構造の第1
乃至第7グリッドG1〜G7、及びその第7グリッドG7
の蛍光体スクリーン53側に固定されたコンバーゼンス
カップCとから構成されている。
【0005】その第1グリッドG1は、カップ状の電極
でなり、第2グリッドG2は、板状の電極から構成さ
れ、また第3乃至第7グリッドG3〜G7は、夫々複数個
のカップ状電極の組合わせからなり、それらカソード
K、ヒーターH及び第1乃至第7グリッドG1〜G7が、
一対の絶縁ガラス(図示せず)によって一体に固定され
た構造となっている。
【0006】また、ネック56には、外囲器内を真空状
態に封止するためのステム59が設けられ、このステム
59には、このステム59を気密に貫通する複数のステ
ムピン60が植設され、更に外囲器のファンネル52か
らネック56の隣接部内面にかけて内部導電膜61が塗
布形成されると共に、この内部導電膜61に圧接するバ
ルブスペーサ62がコンバーゼンスカップCに取付けら
れている。
【0007】この電子銃57の各電極に対する電圧の印
加は、第7グリッドG7以外の電極については、ステム
ピン60を介して印加され、第7グリッドG7について
は、外囲器のファンネル52に設けた陽極端子(図示せ
ず)に接続された内部導電膜61、及びこの内部導電膜
61に圧接するバルブスペーサ62を介して高電圧が印
加される。
【0008】一方、偏向ヨーク58の水平偏向磁界をピ
ンクッション型に、垂直偏向磁界をバレル型に構成する
ことによって、3電子ビームをセルフコンバーゼンスさ
せることにより、ダイナミックコンバーゼンス回路を省
略することが可能となり、消費電力を少なくしている。
【0009】このため、インライン型電子銃57を用い
たカラー陰極線管は、カラー陰極線管の品質及び性能の
向上に大きく貢献しており、現在一般用のカラー陰極線
管として広く採用されている。
【0010】このインライン型電子銃57、特にカソー
ドK部分は、図5及び図6に示すように構成されてい
る。図5は、カソード部分を垂直方向に切断して示す断
面図で、図6は、水平方向に切断して示す断面図であ
る。
【0011】即ち、ヒーターHを内挿する筒状のカソー
ドK(KB,KG,KR)と、このカソードKを保持す
る3個のカソード支持体63と、このカソード支持体6
3を一体的に保持する絶縁部材64と、この絶縁部材6
4の外周側を取囲み、第1グリッドG1の内周に取付け
られる金属筒65、及びカソードKから放射された電子
ビームを制御するカップ状の第1グリッドG1と、電子
ビームを加速する板状の第2グリッドG2とが同一軸上
で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁ガラス66によ
って固定されている。
【0012】この各カソード支持体63の管軸方向の長
さは、図5に示すように、3個のカソード支持体63共
に略同じ長さで構成されており、各カソードKとカソー
ド支持体63とは、図中×印の箇所(固定点)で固定され
ている。そして絶縁部材64の各陰極支持体63と固着
する面の厚さも、同じ厚さに構成されている。
【0013】このようなインライン型電子銃57を用い
たカラー陰極線管においては、良好な白色画面を得るた
めに、青、緑、赤の各電子銃57のカットオフ電圧が同
じになるように、即ち各カソードKのカソード電流値
(IK値)が所定の一定な値となるように設計されてい
る。
【0014】しかしながら、一般に各電子銃57のカッ
トオフ電圧は、部品のバラツキや熱膨張係数の相違等に
よって必ずしも同一とはならず、このため各IK値を所
定の一定値に設定すべく、カラー陰極線管をカラーテレ
ビジョン受像機等のカラー陰極線管装置に組込んだ後
に、各カソードKの特性に応じてバイアス電圧を調整す
ることにより、各IK値間の同等性を得ている。
【0015】このような対策を講じてIK値の同等性を
確保したとしても、カラー陰極線管のヒーターHに通電
してから、各電極部品の熱的変形が平衡状態に達するま
でのウォーミングアップ期間中においては、各IK値を
所定の一定値にすることはできない。つまり、バイアス
電圧の調整による設定では、ウォーミングアップ期間が
終了した後の設定になるためである。このウォーミング
アップに要する時間は、通電後約20分程度を必要とす
る。
【0016】即ち、ヒーターHに通電して各部材が熱的
平衡状態に達したとき、カソードKはカソード支持体6
3より高温域で動作し、またカソード支持体63は、絶
縁部材64よりも高温域で動作する。換言すれば、ウォ
ーミングアップ期間中の温度上昇速度は、カソード支持
体63を支持する絶縁部材64よりもカソード支持体6
3の方が早く、またカソード支持体63よりもカソード
Kの方が早いことになる。
【0017】この結果、電子銃57を構成する各電極部
品は、異なる温度上昇速度による熱膨張によって、夫々
異なる特性で変化することになる。この変化の状態を図
7及び図8を用いて説明する。図7は、3極部を構成す
る電極部品の熱膨張による伸長方向を示す垂直断面図で
あり、図中の矢印は、夫々対応する構成部品の伸長方向
を示しており、図8は、経時変化に対するカソードK各
部と第1グリッドG1の伸びを示す特性曲線であり、各
特性曲線に付した符号のうちA〜Cは、図7中の矢印に
付した符号と一致している。
【0018】図7中に矢印Aで示すように、カソードK
は、ウォーミングアップ期間中の温度上昇によって、第
1グリッドG1の方向に図8に曲線Aで示す特性で伸長
する。これに対してカソード支持体63は、図7中に矢
印Bで示すように第1グリッドG1から遠ざかる方向
に、図8に曲線Bで示す特性で伸長する。更に第1グリ
ッドG1は、図7中の矢印Cで示すようにカソードKか
ら遠ざかる方向に、図8に曲線Cで示す特性で伸長す
る。
【0019】ここで、カソードK、カソード支持体6
3、及びこれらを支持する絶縁部材64とを具備するカ
ソード構体における熱的変化は、カソードK及びカソー
ド支持体63が、ヒーターHに近接して配置されている
こと、及び薄板を用いて構成されていることから、カソ
ードKで通電してから約30秒、カソード支持体63で
約3分と比較的短時間で熱的平衡状態に到達する。
【0020】これに対して、第1グリッドG1が熱的平
衡状態に到達するのは、通電してから約15分程度経過
した後であり、ウォーミングアップ期間の最初の約3分
間を経過した後は、主に第1グリッドG1の変化に支配
されて、カソードKと第1グリッドG1間の間隔が変化
する。
【0021】従って、ウォーミングアップ期間中のカソ
ードK構体と第1グリッドG1の間隔は、上述した各部
品の熱膨張の影響を受けて、図8に曲線Dで示すように
変化する。このようにウォーミングアップ期間中は、カ
ソードKと第1グリッドG1との間隔が変化するため
に、各部品が動作温度の平衡状態に達するまでの時間
は、ヒーターHに通電してから約15分を要する。
【0022】また、ウォーミングアップ後、3個のカソ
ードKのIK値が等しく維持されるようにするために、
各電極間の不均一な間隔を補正するようにバイアス電圧
が調整されるが、カラー陰極線管装置に組込まれた後で
はカラー陰極線管装置を開蓋して再調整しない限り、設
定されたバイアス電圧を変化することができない。この
ため、この調整は一般ユーザーが行うことが難しく、一
度設定されたIK値の同等性は、動作温度の平衡状態に
到達するまでは、達成できないという不具合が生じる。
【0023】また、図9は、バイアス電圧調整後の通電
から各IK値が所定の一定値となるまでの経時変化を示
したIK値曲線である。同図は、ウォーミングアップ後
にバイアス電圧を調整して、中央のセンタービーム用カ
ソードKG、両外側のサイドビーム用カソードKR,K
Bの各カソード電流を10μAに設定し、その後、ヒー
ターH電圧のみをオフにした状態で、十分クーリングし
た後、ヒーターH通電後のカソードK電流の変化を示し
たものである。同図において、曲線Iは、インライン配
列された3個のカソードKのうち、中央に配置されたセ
ンタービーム用のカソードKGのIK値特性を示してお
り、曲線IIは、他のサイドビーム用の2個のカソードK
B,KRのIK値特性を示している。
【0024】このように、各IK値特性が曲線IとIIで
相違する理由は、上述のように各カソードKの周りの電
極部品等の配置によって、カソード構体を構成する電極
部品の温度及び熱膨張が、中央のセンタービーム用のカ
ソードKG部分と両外側のサイドビーム用のカソードK
B,KR部分とで異なることに基因している。
【0025】図9において、曲線I及び曲線II共に、ヒ
ーターHに通電後約30秒間におけるIK値の変化は、
カソードKが第1グリッドG1方向に伸長することに支
配されており、ヒーターHに通電後約30秒〜約3分の
間におけるIK値の変化は、カソード支持体63が第1
グリッドG1から遠ざかる方向に伸長することに支配さ
れ、ヒーターHに通電後約3分以降のIK値の変化は、
主に第1グリッドG1の熱的変形に支配されて変化す
る。
【0026】このように、ウォーミングアップ後に設定
したIK値に復帰するまでの状態が異なることから、3
個のカソードKのIK値の同等性を得て良好な白色画面
が得られるまでには、ウォーミングアップ期間と略同等
の時間が必要となる。
【0027】従って、カラー陰極線管の通電後に良好な
白色画面が得られるまでにはかなりの時間を必要とし、
また、ウォーミングアップ後に調整したバイアス電圧
は、それ以降では一般ユーザーが再調整することが困難
であるため、一度設定されたIK値間の同等性は、以後
各部品が動作温度の平衡状態に達した後でなければ得ら
れないので、良好な白色画面を得るのに長時間を要する
ということは、使用時における低画質時間がそれだけ長
いということを意味している。
【0028】このような問題を解決するためには、3個
のカソード支持体63の中央に配置されたカソード支持
体63と両側の2個のカソード支持体63に、夫々熱膨
張係数の異なる材料を使用する方法が理論上は考えられ
るが、カソード支持体63とこれを固定する絶縁部材6
4の熱膨張率が夫々異なると、両者の固着強度が低下
し、カソード支持体63を固定する絶縁部材64にクラ
ックが生じたり、最悪の場合にはカソード支持体64が
抜け落ちる等の不良が発生するので、実際の製品で実現
するのが困難であった。
【0029】そのために従来は、カソード支持体63の
材料とカソード支持体63を固定する絶縁部材64の材
料とを、略同等の熱膨張率を持つコバール材(29%N
i−17%Co−Fe)を使用して、全体として単一の
カソード支持体63として構成するしか方法がないため
に、3個のカソードK陰極のIK値の同等性を得ること
ができないでいた。
【0030】また、図10に示すように、カソード支持
体63の外周と絶縁部材64との間にコバール材から構
成される円筒状の金属筒67を介在させ、この金属筒6
7を図中×印で示す固定点でカソード支持体63と溶接
固定し、絶縁部材64と金属筒67とを絶縁部材64の
溶融による溶着によって固定させることで、カソード支
持体63を固定する方法も採用されている。
【0031】しかしながら、この方法を採用するために
は、カソード支持体63の使用材料を変更すると共に、
3個のカソードKのIK値の同等性を得るためには、夫
々熱膨張率が僅かに相違する材料を使用することが要求
される。しかしこの僅かに熱膨張率の相違する材料を夫
々のカソードKB,KG,KRに選定して使用する場合
には、カラー陰極線管に使用できる材料には、ガス放出
特性や硬度、成形性、磁性等の種々の制限があるため
に、現実問題としては、夫々異なる材料を選定しながら
使用することは不可能であって、同一材料を使用せざる
を得ず、従って3個のカソードKB,KG,KRのIK
値の同等性は得られていない。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、カ
ラー陰極線管の通電後に良好な白色画面が得られるまで
にはかなりの時間を要しており、この問題を解消するた
めの手段として、カソード支持体63の材料を夫々変更
することが考えられるが、絶縁部材64との機械的保持
強度の兼合いから、その実現は困難を極めている。
【0033】また、絶縁部材64とカソード支持体63
間にコバール材からなる金属筒67を介在させて、絶縁
部材64との機械的な保持強度を確保しつつカソード支
持体63の使用材料を変更することも考えられるが、3
個のカソードKB,KG,KRのIK値の同等性を得る
ための熱膨張率の微調整が難しく、理論的には可能であ
ったとしても、その実現は極めて困難な状況にあると言
わざるを得ない。
【0034】本発明は、かかる課題を解決すべくなされ
たもので、3個のカソードKB,KG,KRのカソード
支持体の材料を夫々個別に変更することなく、通電から
短時間で各IK値を所定の一定値として良好な白色画面
が得られることができるカラー陰極線管を提供すること
を目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、内面に3色蛍
光体層を配置した蛍光体スクリーンを有するフェースパ
ネルと、このフェースパネルに連接されたネックを有す
るファンネルと、このファンネルの外周部に装着される
偏向ヨークによって水平及び垂直方向に偏向されるセン
タービーム及び一対のサイドビームを蛍光体スクリーン
に放出するネック内に一列配置されるインライン型の電
子銃とを有し、電子銃を構成するセンタービーム用並び
にサイドビーム用のカソードとカソード支持体との固定
点を基準として、カソード支持体と絶縁部材間に介在さ
れカソード支持体に固定される金属筒との固定点までの
長さを、夫々異ならせるように設定した。
【0036】このように構成することによって、カソー
ド支持体の使用材料等を個別に変えることなく、最終的
な3個のカソードのIK値の同等性を、各カソードとカ
ソード支持体との固定点から、各カソード支持体と金属
筒との固定点までの距離を異ならせることによって調整
し、IK値の変化を3個のカソードで略等しくさせるこ
とにより、各カソードのIK値の一致時間を大幅に短縮
させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカラー陰極線管の
実施形態につき、図面を参照して詳細に説明する。
【0038】本発明に係るカラー陰極線管は、図1に示
すように、画面が略矩形状を呈するフェースパネル11
と、このフェースパネル11に一体的に接合されたファ
ンネル12を有する外囲器を備えており、このフェース
パネル11の内面には、赤、青、緑に発光する3色蛍光
体層を有する蛍光体スクリーン13が形成されている。
【0039】この外囲器内には、この蛍光体スクリーン
13に対向して、その開孔14の内側を電子ビームが通
過し、色選別を行うためのシャドウマスク15が、フェ
ースパネル11の内側面にマスクフレーム(図示せず)を
介して取着されており、更にファンネル12のネック1
6内には、水平方向に一列に配列された青、緑、赤用の
3つの電子ビームを放出するインライン型の電子銃17
が配設され、この電子銃17から放出された電子ビーム
を、ファンネル12の外側に装着された偏向ヨーク18
の発生する磁界によって偏向し、電子ビームにて蛍光体
スクリーン13を水平、垂直方向に走査することによ
り、蛍光体スクリーン13上にカラー画像を再生するよ
うに構成されている。
【0040】この電子銃17は、水平方向に一列配置さ
れた青、緑、赤用の3個のカソードK(KB,KG,K
R)と、その各カソードKに内挿された3個のヒーター
Hと、前記カソードKから順次蛍光体スクリーン13方
向に、所定の間隔で同軸上に配列された一体構造の第1
乃至第7グリッドG1〜G7、及びその第7グリッドG7
の蛍光体スクリーン13側に固定されたコンバーゼンス
カップCとから構成されている。
【0041】その第1グリッドG1は、カップ状の電極
でなり、第2グリッドG2は、板状の電極から構成さ
れ、また第3乃至第7グリッドG3〜G7は、夫々複数個
のカップ状電極の組合わせからなり、それらカソード
K、ヒーターH及び第1乃至第7グリッドG1〜G7が、
一対の絶縁ガラス(図示せず)によって一体に固定され
た構造となっている。
【0042】また、ネック16には、外囲器内を真空状
態に封止するためのステム19が設けられ、このステム
19には、このステム19を気密に貫通する複数のステ
ムピンが植設され、更に外囲器のファンネル12からネ
ック16の隣接部内面にかけて内部導電膜21が塗布形
成されると共に、この内部導電膜21に圧接するバルブ
スペーサ22がコンバーゼンスカップCに取付けられて
いる。
【0043】この電子銃17の各電極に対する電圧の印
加は、第7グリッドG7以外の電極については、ステム
ピン20を介して印加され、第7グリッドG7について
は、外囲器のファンネル12に設けた陽極端子(図示せ
ず)に接続された内部導電膜21及びこの内部導電膜2
1に圧接するバルブスペーサ22を介して高電圧が印加
される。
【0044】一方、偏向ヨーク18の水平偏向磁界をピ
ンクッション型に、垂直偏向磁界をバレル型に構成する
ことによって、3電子ビームをセルフコンバーゼンスさ
せている。
【0045】このインライン型電子銃17、特にカソー
ドK部分は、図2に示すように構成されている。
【0046】即ち、ヒーターHを内挿する筒状のカソー
ドK(KB,KG,KR)と、このカソードKを保持す
る3個のカソード支持体23と、このカソード支持体2
3の外周に配置され、カソード支持体23と図中×印に
て示す固定点で溶接固定されるコバール材からなる円筒
形状の金属筒24を設け、この金属筒24を介してカソ
ード支持体23を一体的に保持する絶縁部材25と、こ
の絶縁部材25の外周側を取囲み、第1グリッドG1の
内周に取付けられる金属筒26、及びカソードKから放
射された電子ビームを制御するカップ状の第1グリッド
G1と、電子ビームを加速する板状の第2グリッドG2
とが同一軸上で所定の間隔だけ離れて配置され、絶縁ガ
ラス27によって固定されている。
【0047】この各カソード支持体23の管軸方向の長
さは、3個のカソード支持体23共に略同じ長さとなっ
ており、各カソードKとカソード支持体23とは図中×
印にて示す固定点(基準点)で溶接固定されている。そ
して金属筒24とカソード支持体23との固定点は、中
央のセンタービーム用カソードKGを保持するカソード
支持体23と金属筒24との固定点に比較して、両外側
のサイドビーム用カソードKB,KRを保持するカソー
ド支持体23と金属筒24との固定点が、カソードKと
カソード支持体23との固定点側により近い位置で固定
されている。
【0048】このように各固定点を調整することによ
り、金属筒26の第1グリッドG1側端面から、金属筒
24とカソード支持体23との固定点までの管軸方向の
距離Dは、両外側のカソードKB,KRのカソード支持
体23と金属筒24との固定点までの距離D1に比較
し、中央のカソードKGの金属筒24とカソード支持体
23との固定点までの距離D2を短くなるように構成し
ている。
【0049】換言すれば、カソードKとカソード支持体
23との固定点を夫々同じ位置で固定したとして、その
固定点を基準に考えた場合には、この固定点から各カソ
ード支持体23と金属筒24との固定点までの距離は、
両外側の金属筒24の場合をL1とすると、中央のセン
タービーム用の金属筒24の固定点までの距離L2は、
L1<L2の関係となるように設定されている。
【0050】本実施形態においてはこの距離Lを、夫々
L1=3.0mm、L2=3.5mmに設定し、いずれ
のカソード支持体23共に、使用材料はコバール材を使
用しているが、金属筒24にコバール材を使用していれ
ば、カソード支持体23の材料としては、必ずしもコバ
ール材に特定されるものではない。
【0051】このような電子銃17構体を用いて、通常
一般の製造方法にて製作した本発明に係るカラー陰極線
管では、中央のカソードKGに対するカソード支持体2
3は、両外側のカソードKB,KR支持体23に比較し
て、カソード支持体23とカソードKの固定点を基準と
して、カソード支持体23と金属筒24との固定点まで
の管軸方向の距離を、L2>L1の関係になるように設
定することによって、L2がL1よりも長い分だけ、ウ
ォーミングアップによる中央カソードKGの方が、両外
側カソードKB,KRに比較して、第1グリッドG1か
らより遠ざかる方向に多く伸長することになる。
【0052】よって、ウォーミングアップ後のバイアス
電圧を、中央のカソードKG部分と両外側のカソードK
B,KR部分とで同一に設定した場合には、十分クーリ
ングした後のヒーターHに通電した直後は、第1グリッ
ドG1とカソードKとの距離は、両外側カソードKB,
KR部分に比べて中央のカソードKG部分の方が、狭い
状態になる。
【0053】即ち、十分クーリングした後にヒーターH
に通電した場合には、まだ第1グリッドG1、カソード
支持体23が動作するまでの間の通電から約30秒の間
は、カソードKの伸長に基づきカソードK電流が支配さ
れるために、両外側のカソードKB,KR部分の第1グ
リッドG1とカソードKB,KR間の距離に比べて、中
央のカソードKG部分の第1グリッドG1とカソードK
G間の距離は、相対的に小さくなり、このため中央のカ
ソードKG部分のカソード電流がより多く流れることに
なる。
【0054】この結果、図3に示すように、ウォーミン
グアップの後にバイアス電圧を調整して、中央のカソー
ドKG並びに両外側のカソードKB,KRの各カソード
K電流を10μAに設定し、その後にヒーターH電圧の
みをオフにした状態で十分クーリングした後、ヒーター
H通電後のカソードK電流の変化は、両外側のカソード
KB,KRのカソードKB,KR電流を、カソード支持
体23と金属筒24との固定点が、従来のものと同じ位
置に設定した場合には、このIK値は従来と同じ図中曲
線IIで示す値となり、中央のカソードKGのIK値特性
が図中曲線Iで示すように、ウォーミングアップ初期の
カソードKG電流値が、従来の中央のカソードKGのカ
ソード電流よりも多く流れることから、図中曲線Iで示
すように曲線IIで示す両外側のカソードKB,KRのI
K値特性と近似したものとすることができる。
【0055】従って、本発明のカラー陰極線管は、陰極
線管装置に組込んで通電をすると、画面が表示されると
共に低画質時間を大幅に短縮した良好な画像表示の再生
が可能となる。
【0056】なお、この距離L1,L2は、カソードK
とカソード支持体23との固定点を基準にしているの
で、上記実施形態の説明では、この固定点を3個のカソ
ードKB,KG,KR共に同じ位置で固定している場合
について説明しているが、中央のカソードKGとカソー
ド支持体23との固定点を、両外側のカソードKB,K
Rとカソード支持体23との固定点の位置と変えて設定
することも可能であって、距離L1とL2とが、L1<
L2の関係になるように設定されれば、同じ効果が得ら
れるものである。
【0057】また、一般に絶縁部材25の材質として
は、非結晶質ガラス及び結晶性ガラス、ホウケイ酸ガラ
スがあるが、非結晶質ガラスは機械的、熱的強度が低い
のに対し、化学的耐久性及び固定強度の強い結晶性ガラ
ス、ホウケイ酸ガラスを採用することで、カソード支持
体23及びカソードK、並びにこれらを取囲む金属筒2
6の保持強度の強いカソード構体を得ることができる。
【0058】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
ず、中央と両外側のカソード支持体23とを同じ材料で
形成した場合について説明したが、同一材料でカソード
支持体23を構成した際の中央カソード部分と両外側の
カソード部分とのIK値特性が大幅に異なるような場合
には、夫々に熱膨張率の異なるカソード支持体23用の
材料を使用することによって、まずおおまかにIK値を
調整し、IK値の微調整を本実施形態で説明した金属筒
24とカソード支持体23との固定点までの距離L1,
L2を調整することによって行うようにすることも可能
であって、また電子銃の各グリッド構成や形態について
も、実施形態とは別の構成とすることも可能であり、そ
の他種々の応用、変形が可能なことは言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、センタービーム用及び
サイドビーム用の各カソード間のIK値特性を近似させ
ることができるために、バイアス電圧調整後に短時間で
各IK値を所定の一定値とすることができ、カラー陰極
線管の通電後に良好な白色画面を得るまでの時間を大幅
に短縮できるので、低画質状態での再生時間を短くし、
迅速に高画質な再生画像が得られると共に、カラー陰極
線管及びこのカラー陰極線管を組込んだカラー陰極線管
装置の生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー陰極線管を示す断面図。
【図2】本発明に係るカラー陰極線管を構成するカソー
ド部分の構成例を示す断面図。
【図3】本発明に係るカラー陰極線管のカソード電流特
性を示す特性図。
【図4】従来のカラー陰極線管を示す断面図。
【図5】従来のカラー陰極線管を構成するカソード部分
の構成を垂直方向に切断して示す断面図。
【図6】同じくカソード部分の構成を水平方向に切断し
て示す断面図。
【図7】同じくカソード部分を構成する各電極部品の熱
膨張による伸長方向を説明するための断面図。
【図8】同じく経時変化に対する各電極部品の伸びを示
す特性図。
【図9】同じくカソード電流特性を示す特性図。
【図10】従来のカソード部分の他の構成例を示す断面
図。
【符号の説明】
11:フェースパネル 12:ファンネル 13:蛍光体スクリーン 16:ネック 17:電子銃 18:偏向ヨーク KG:センタービーム用カソード KB,KR:サイドビーム用カソード 23:カソード支持体 24:金属筒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に3色蛍光体層を配置した蛍光体ス
    クリーンを有するフェースパネルと、 このフェースパネルに連接されたネックを有するファン
    ネルと、 このファンネルの外周部に装着される偏向ヨークによっ
    て水平及び垂直方向に偏向されるセンタービーム及び一
    対のサイドビームを前記蛍光体スクリーンに放出する前
    記ネック内に一列配置されるインライン型の電子銃とを
    具備し、 前記電子銃を構成するセンタービーム用並びに一対のサ
    イドビーム用のカソードとカソード支持体との固定点を
    基準として、前記カソード支持体と絶縁部材間に介在さ
    れカソード支持体に固着される金属筒とカソード支持体
    との固定点までの長さを、センタービーム用とサイドビ
    ーム用とで夫々異ならせたことを特徴とするカラー陰極
    線管。
  2. 【請求項2】 前記カソード支持体と金属筒との固定点
    及び基準間の長さを、夫々サイドビーム用の長さをL1
    とし、センタービーム用の長さをL2とした際に、L1
    <L2の関係に設定したことを特徴とする請求項1記載
    のカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記金属筒は、コバール材から形成され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載のカラー
    陰極線管。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7088034B2 (en) 2003-07-16 2006-08-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Cathode-ray tube employing a separate grid structure to stabilize cathode current

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