JP2005036276A - 複合構造薄膜製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる機能を持つ材料を堆積してより多様な複合構造薄膜を作製する方法と装置を提供する。
【解決手段】化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか2個の物質堆積法のひとつをそれぞれ実行する2個のプロセス室3,4を隣接して備え、被処理物を支持する基板ホルダー5を備え、この基板ホルダー5の被処理物13を2個のプロセス室3,4内の処理位置に交互に導きながらそれぞれの物質堆積方法で処理して、被処理物の上に2種類の堆積物が交互に重なり複合的な機能を備える多層薄膜を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか2個の物質堆積法のひとつをそれぞれ実行する2個のプロセス室3,4を隣接して備え、被処理物を支持する基板ホルダー5を備え、この基板ホルダー5の被処理物13を2個のプロセス室3,4内の処理位置に交互に導きながらそれぞれの物質堆積方法で処理して、被処理物の上に2種類の堆積物が交互に重なり複合的な機能を備える多層薄膜を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、2種以上の機能を複合した機能性薄膜を形成する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体薄膜、超伝導薄膜、光学薄膜、磁性薄膜、硬質薄膜などのいわゆる機能性薄膜は、パソコン、携帯電話、家電、自動車、工具・金具など、あらゆる産業分野の製品におけるコア技術となっている。
これらの機能性薄膜を形成する手段として、化学的気相蒸着法(CVD法)や物理的気相蒸着法(PVD法)といった真空を利用したドライプロセスが広く利用されている。CVD法には、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法など、PVD法には真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などがある。また、近年、新しい方法として、ガス中蒸発法により生成した微粒子やエアロゾル中の微粒子を高速で真空中の被処理物に吹き付けることにより、微粒子が凝集した薄膜を形成するガスデポジション法が開発されている。
【0003】
様々な機能を持つ材料を組み合わせて複合化することにより、機能性薄膜の高性能化や多機能化を図ることは、現在広く行われている。複合化により、それぞれの材料が持つ機能を兼備するようになった薄膜や全く新しい機能を発現させた薄膜を得ることができる。
複合により得られる薄膜には、ミクロンからナノオーダーの厚みを持った2種以上の薄膜を交互に積層した構造を有する積層構造薄膜や、ミクロンからナノオーダーの粒径を持った微粒子がマトリックス材料中に分散した構造を有する微粒子分散薄膜などがある。
【0004】
積層構造薄膜には、真空蒸着法の1種である分子線エピタキシー法により形成される薄膜で、2種類の半導体材料の超格子構造が持つ量子井戸を利用した半導体レーザやLEDがよく知られている。
特許文献1には、複数の蒸発源を1つの真空容器内に配置しシャッターでそれぞれの材料を交互に供出させるようにした分子線エピタキシー装置により、超格子構造を形成することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、光CVD法の1種であるレーザー気相薄膜形成法を用いて、金属と誘電体の配線パターンを交互に積層し、所望の多層配線構造を形成することにより、半導体デバイス用の集積回路や三次元機能デバイスを作製する技術が開示されている。特許文献2には、空間的に隔離された異なる原料ガスに基板を順次晒すようにして積層構造を形成させるために使用する試料基板の回転手段を開示している。
また、機械部品、工具、金型などに耐摩耗性のコーティングを施す技術として、イオンプレーティング法によって2種類の材料をメゾスケール(10−7mから10−3mの範囲をいう)で交互に積層する方法が用いられている。さらに、最近は、窒化チタンと窒化アルミニウムをナノスケールで積層した超格子薄膜が開発され、切削工具の耐摩耗性被膜として実用に供されている。
【0006】
微粒子分散薄膜については、セラミックス粒子を金属被膜中に分散させるウエットプロセスである粒子分散メッキが開発され工業的に広く利用されているが、ドライプロセスを用いて微粒子を分散させた薄膜を作製した例は、ガスデポジション法により微粒子を凝集した薄膜以外に知られていない。
これらの複合構造薄膜形成方法は、いずれの場合も、分子線エピタキシー法、光CVD法、イオンプレーティング法など単一の手法を用いて、装置構成や成膜条件を工夫して異なる種類の機能性薄膜を積層して複合化するものである。
【0007】
しかし、単一の手法においては、使用可能な材料の種類が限定されるので、形成できる複合構造薄膜のバリエーションに限界がある。たとえば、特許文献1に開示された手法により多機能性薄膜を作製しようとすると、光CVD法で分解して薄膜堆積が可能なガスに制約があるため、希望の複合構造薄膜を形成することができない場合がある。また、微粒子分散薄膜を得ることは基本的に困難である。
【0008】
最近は、PVD法とCVD法を組み合わせた複合プロセスを用いて、単一の手法に頼るのと比較すると、より多様な複合構造を得たり、より多くの種類の材料を用いた複合化を行う試みがなされている。このような複合プロセスは、たとえな耐摩耗性の向上のための熱処理の複合化や、熱処理後にPVD法による硬質薄膜を形成させる方法が、工具や金型などに利用されている。
しかし、機能性薄膜の作製に利用されるPVD法、CVD法、ガスデポジション法は、それぞれの手法によって装置構成や運転条件が大きく異なるため、これらを混在して利用する複合化には、様々な困難があり実用化の障害となっている。
【0009】
たとえば、1つの真空容器でCVD法とPVD法の複合プロセスを行おうとすると、CVD法に使用するガスとPVD法で発生するスパッタ粒子など、各プロセスで使用する材料が混在することになり、高品質な複合構造を作製することができない。また、プロセスごとに最適な動作圧力が異なるため1つの真空容器で薄膜堆積を行うには障害が大きく、さらにプロセス同士が互いに干渉するためそれぞれの手法におけるパフォーマンスを最適化することが難しい。
なお、プロセスごとに設けた別々のプロセス室でそれぞれの処理を行う場合には、異なる薄膜形成の度に処理途中の基板材料を搬送しなければならないため、堆積が円滑に進まず、作製時間が長大になるばかりか製品品質が低下する。特にナノレベルの積層構造や微粒子分散構造の形成は基本的に困難である。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−87688号公報
【特許文献2】
特開昭60−189926号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、異なる機能を持つ材料を堆積してより多様な複合構造薄膜を作製する方法と装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の複合構造薄膜製造方法は、化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか2個の物質堆積法のひとつをそれぞれ実行する2個のプロセス室を隣接して備え、被処理物を支持する基板ホルダーを備え、この基板ホルダーの被処理物を2個のプロセス室内の処理位置に交互に導きながらそれぞれの物質堆積方法で処理して、被処理物の上に2種類の堆積物が交互に重なり複合的な機能を備える多層薄膜を形成することを特徴とする。
【0013】
本発明の複合構造薄膜製造方法は、2つのプロセス室内で別々の物質堆積法を実行するようにして、基板ホルダーに支持された被処理物を隣接したプロセス室に交互に導いて、それぞれの物質堆積法で処理することにより、被処理物表面にそれぞれの物質を交代で堆積させることができる。したがって、それぞれの物質堆積法において堆積材料を適宜選択すれば、きわめて多様な複合構造薄膜を作製することができる。
【0014】
本発明の複合構造薄膜製造方法では、隔壁を挟んで隣接する2個のプロセス室が基板ホルダーが出入りする開口のみで連絡するようにすれば、2つのプロセス室が基板ホルダーの周囲にできる小さな隙間で繋がることになるが2つのプロセス室内の物質の交流は無視ができ、異なる物質堆積法をそれぞれのプロセス室中で同時に実施していても相互に干渉が起こらない。さらに、たとえばPVD法とCVD法が隣り合って実施されているときには、アルゴンガス雰囲気下でPVD法を実施しているプロセス室のアルゴンガス圧力を高くして、CVD法で使用する反応ガスが混入しないようにすれば、CVD法を行うプロセス室のアルゴン濃度は多少変化するが、いずれのプロセス室においてもそれぞれの堆積作用が支障なく行われるようになる。
【0015】
本発明の複合構造薄膜製造方法に使用する基板ホルダーは、隔壁面に回転軸を有し隔壁に填め込まれた回転円柱あるいは回転正多角形柱であることが好ましい。
円柱あるいは角柱の表面に被処理物を支持して回転させると、2つのプロセス室に交互に被処理物が導入されるので、それぞれの物質堆積法により異なる物質が交替で堆積される。基板ホルダーの周囲から漏れる物質量が制約するため、基板ホルダーが填め込まれる隔壁の開口を、基板ホルダーが回転できるだけの大きさにすることが好ましい。
【0016】
ただし、回転円柱を用いるときには、被処理物が平面であれば円柱表面に被処理物を填め込める平面を形成して使用する。複数の被処理物を1度に扱うときには、その数に見合う数のセット面を準備しておくことはいうまでもない。なお、基板ホルダーにセットする被処理物は1個に限らず、2個以上としてもよい。セットされた被処理物は基板ホルダーの回転により互いの同一の薄膜形成が行われるので、セットする被処理物の数が多ければ生産性が向上する。
【0017】
基板ホルダーは、隔壁面に回転軸を有する枠体であってもよい。被処理物は枠体に填め込んで回転させ、2個のプロセス室内の処理位置に交互に導入する。
枠体に被処理物が填め込まれていれば、隔壁に設けられる開口は殆ど遮蔽されるので、2つのプロセス室の間で内容物の交流は制約され、それぞれの物質堆積作用を独立的に行うことができる。
また、基板ホルダーは円盤にしてもよい。隔壁内に回転軸を設けて円盤面が壁から垂直に突出するようにする。円盤面に被処理物を支持して回転すると、被処理物は2つのプロセス室内の処理位置に交互に到達して、それぞれの物質を交互に堆積して、複合構造薄膜を形成する。
【0018】
基板ホルダーは連続的に回転させるようにして、その回転速度を調整することにより、それぞれのプロセス室内における処理時間を調整して、膜厚あるいは微粒子堆積量などを調整することができる。
また、基板ホルダーの回転をステップ状に行って、処理位置における被処理物の滞留時間を確保するようにしてもよい。移動時間に対して停止時間を多くすることにより効率的な製膜が可能になる。また、基板ホルダーを回転させるときには開口における隙間が大きくなるが、移動を急速に行うことにより大きな隙間ができる時間が短くなるので、プロセス室相互間の物質の交流を抑制する効果もある。
【0019】
CVD法を実施するプロセス室とPVD法を実施するプロセス室を隣接させて、いずれも薄膜を形成するようにすれば、2種類の薄膜を交互に積層した複合構造薄膜を作製することができる。
たとえば、CVD法で低摩擦性の水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H膜)を形成し、PVD法で高硬度の水素を含まないアモルファスカーボン膜(a−C膜)を形成すると、耐摩耗性と低摩擦性を兼ね備えた複合構造薄膜を得ることができる。
【0020】
また、CVD法とPVD法のどちらかで薄膜を形成し、どちらかで微粒子を堆積するようにしてもよい。微粒子と薄膜を交互に堆積させると、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を製造することができる。
さらに、CVD法で薄膜を堆積し、PVD法でドロップレットを堆積するようにしてもよい。ドロップレットと薄膜を交互に堆積させることにより、ドロップレットが膜中に分散した複合構造薄膜を製造することができる。
【0021】
また、ガスデポジション法を実施するプロセス室と、PVD法又はCVD法を実施するプロセス室を隣接して設備して、基板ホルダーで交互に被処理物を暴露させるようにしてもよい。たとえば、PVD法又はCVD法で薄膜を堆積させ、ガスデポジション法で微粒子を堆積させることにより、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を作製することができる。
【0022】
また、上記課題を解決するため、本発明の複合構造薄膜製造装置は、化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか1つの物質堆積法を実施する機構を備えた第1プロセス室と、第1プロセス室で実施する以外のもう1つの物質堆積法を実施する機構を備えた第2プロセス室を備え、第1プロセス室と第2プロセス室は隔壁を介して隣接し、その隔壁に開口を設け、回転軸を隔壁位置に設けて回転する基板ホルダーを開口に備えたものであって、基板ホルダーは被処理物を把持して回転し、被処理物を第1プロセス室と第2プロセス室における各処理位置に交互に導くようになっている。
【0023】
本発明の複合構造薄膜製造装置によって、CVD法で堆積する各種材料と、PVD法で堆積する各種材料と、ガスデポジション法で堆積する各種材料のいずれかを組み合わせて得られる極めて多様な複合構造薄膜を作製することができる。また、物質堆積条件は、プロセス室ごとに比較的独立的に決めることができるので、良質な機能性薄膜を得ることができる。
【0024】
また、プロセス室は2個に限らず、円周上に3個以上設置して、円の中心位置に回転する基板ホルダーを備えるようにしてもよい。基板ホルダーは、回転するに従って、被処理物を次々に異なるプロセス室の物質堆積位置に当たるように搬送する。すると、被処理物の表面にプロセス室の数だけの異なる材料が順次堆積して複合構造を形成し、さらにバラエティに富んだ複合構造薄膜を得ることができる。
【0025】
基板ホルダーは、回転円柱や正多角形柱であってよい。また、回転軸に垂直に固定された円盤であってもよい。さらに2個のプロセス室が隔壁を介して隣接する場合は、回転枠体であってもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の複合構造薄膜製造方法と製造装置について、図面を用い実施の形態に基づいて説明する。
【0027】
【実施例1】
図1は、本発明第1実施例の複合構造薄膜製造装置を説明する構成図、図2はその装置で作製できる複合構造薄膜の断面の模式図である。
本実施例の複合構造薄膜製造装置は、1個の真空容器1を隔壁2によって2つの隣接するプロセス室3,4に分割し、隔壁2に正八角柱形状の基板ホルダー5を取り付けたものである。基板ホルダー5は隔壁2の面内に回転軸6を有し図示しないステッピングモータにより回転する。
【0028】
第1のプロセス室3には電子ビーム励起プラズマ発生用電子ビームガン7を設備し、第2のプロセス室4には基板ホルダー5に向けてスパッタリングを行うためのスパッタ源8を設置した。
プロセス室3,4内のガスはターボポンプ9とロータリーポンプ10を直列に連結した真空系により真空排気される。プロセス室3,4の真空はそれぞれ独立に設けられたコンダクタンスバルブ11,12により独立に設定することができる。
【0029】
基板ホルダー5の側面に被処理物としてシリコン基板13を取り付け、基板ホルダー5を3rpmで回転させ、基板13の表面が第1プロセス室3と第2プロセス室4に交互に露出されるようにした。
次に、第1プロセス室3にメタンガスCH4を、第2プロセス室4にアルゴンガスArを導入し、コンダクタンスバルブ11,12により圧力がそれぞれ0.8Pa、10Paになるようにした。プロセス室間の圧力差によりアルゴンガスは第2プロセス室4から第1プロセス室3に流れるが、第1プロセス室3のメタンガスは第2プロセス室4に流れない。
また、基板ホルダー5には図示しないRF電源により−50Vのバイアス電圧を印加した。
その後、第1プロセス室3においてプラズマCVD、第2プロセス室4においてPVDとしてスパッタリングを同時に開始した。
【0030】
すると、第1プロセス室3に基板13が露出しているときには水素を含む水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H膜)が堆積し、第2プロセス室4に基板13が露出しているときには水素フリーのアモルファスカーボン膜(a−C膜)が堆積し、基板ホルダー5が回転するためシリコン基板13上には2つの異なる成分が交互に積層した複合構造薄膜が形成された。1時間の成膜時間で、膜厚は約1μmとなった。
【0031】
図2は、こうして得られた複合構造薄膜の模式図である。シリコン基板21上に堆積した積層薄膜22は、数nm厚のa−C:H膜23とa−C膜24が交互に積層した構造になっている。
このように、高硬度のa−C膜と低摩擦のa−C:H膜を積層化したことにより、耐摩耗性と低摩擦性を兼備した複合構造薄膜を得ることができた。
なお、本実施例の複合構造薄膜製造装置は、真空容器である2個のプロセス室が1個の真空容器を簡単な隔壁で仕切ることで構成されているため、それぞれ独立の真空容器として製作する場合と比較して経済的である。
【0032】
【実施例2】
図3は、本発明第2実施例の複合構造薄膜製造装置を説明する構成図、図3はその装置で作製できる複合構造薄膜の断面の模式図である。
本実施例の複合構造薄膜製造装置は、1個の真空容器31を隔壁32によって2つの隣接するプロセス室33,34に分割し、隔壁32の端部に設けたスリットに円盤形状の基板ホルダー35を取り付けたものである。基板ホルダー35は上面に被処理物を搭載し隔壁32の面内に回転軸36を有し図示しないステッピングモータにより回転する。
【0033】
第1プロセス室33には基板ホルダー35上の被処理物の位置に向けてスパッタリングを行うためのスパッタ源38を設置し、第2プロセス室34にはガスデポジション用にエアロゾル化室44からアルゴンガスで搬送されてくる超微粒子を噴射する超微粒子吹き付けノズル45を設備した。
プロセス室33,34内のガスはターボポンプ39とロータリーポンプ40を直列に連結した真空系により真空排気される。プロセス室33,34の真空はそれぞれ独立に設けられたコンダクタンスバルブ41,42により独立に設定することができる。
【0034】
スパッタ源38にはグラファイト46をセットし、エアロゾル化室44にはシリコン超微粒子47を仕込んだ。
そして、基板ホルダー35の上面にシリコン基板43を取り付け、基板ホルダー35を3rpmで回転させ、シリコン基板43の表面が第1プロセス室33と第2プロセス室34に交互に露出されるようにした。
【0035】
次に、第1プロセス室33にアルゴンガスArを導入し、コンダクタンスバルブ41により圧力が10Paになるようにした。また、基板ホルダー35には図示しないRF電源により−50Vのバイアス電圧を印加した。なお、超微粒子の種類によっては、その帯電状態に応じて基板に正のバイアス電圧を印加することで超微粒子が基板に付着する効率を向上させることができる場合もある。
その後、エアロゾル化室44にアルゴンガスを供給し、エアロゾル化した超微粒子をアルゴンガスで第2プロセス室34に導入すると共に、第1プロセス室33においてスパッタリングを開始した。
【0036】
第1プロセス室33にシリコン基板43が露出しているときにはアモルファスカーボン膜(a−C膜)が堆積し、第2プロセス室34にシリコン基板43が露出しているときにはシリコン超微粒子が付着し、基板ホルダー35が回転してシリコン基板43が第1プロセス室と第2プロセス室を交互に巡るので、シリコン基板43上にはアモルファスカーボンと超微粒子が交互に堆積し、1時間の成膜時間で、膜厚が約1μmの複合構造薄膜が生成した。
【0037】
図4は、こうして得られた複合構造薄膜の模式図である。シリコン基板51上に堆積した超微粒子分散薄膜52は、マトリックスであるa−C膜53の中にシリコン超微粒子47が分散した構造となっている。
このように、高硬度のa−C膜にシリコン超微粒子が混入することにより、a−C膜と同等の高い硬度を持ちながら低摩擦特性を示すことが確認された。
【0038】
上記実施例では、基板ホルダーの加熱を行わないが、形成する膜によっては基板加熱を行うことも有効であるので、基板ホルダーにヒーターを内蔵して、適宜温度調整ができるようにしておいてもよい。
また、上記実施例では、プラズマCVD法として電子ビーム励起プラズマを使用した方法を使用したが、たとえば、容量結合型プラズマ、誘導結合型プラズマ、マイクロ波プラズマ、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマなど他のプラズマ発生方法を利用してもよい。また、プラズマCVD法に代えて、熱CVD法、光CVD法などを採用することもできる。
【0039】
さらに、上記実施例ではスパッタリング法を使用したが、真空蒸着法、イオンプレーティング法など他のPVD法を利用することもできる。
また、上記実施例では摺動特性を向上させた複合構造薄膜を作製したが、これ以外の、たとえば半導体、磁性体、超伝導体、光学薄膜などにおいても、本願発明を用いた複合構造化による機能向上を達成することができることはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合構造薄膜製造方法及び製造装置により、異なる機能を持つ材料をより多様に組み合わせて、より高性能の機能性薄膜を得ることができるので、広く各産業分野に有用な薄膜材料を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の複合構造薄膜制動装置を示す構成図である。
【図2】第1実施例の装置で得られる複合構造薄膜の構造を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の複合構造薄膜制動装置を示す構成図である。
【図4】第2実施例の装置で得られる複合構造薄膜の構造を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1,31 真空容器
2.32 隔壁
3,33 第1プロセス室
4,34 第2プロセス室
5,35 基板ホルダー
6,36 回転軸
7 電子ビーム励起プラズマ発生用電子ビームガン
8,38 スパッタ源
9,39 ターボポンプ
10,40 ロータリーポンプ
11,12,41,42 コンダクタンスバルブ
13,43 シリコン基板
21,51 シリコン基板
22 積層薄膜
23 a−C:H膜
24 a−C膜
44 エアロゾル化室
45 超微粒子吹き付けノズル
46 グラファイト
47 シリコン超微粒子
52 超微粒子分散薄膜
53 マトリックスであるa−C膜
【発明の属する技術分野】
この発明は、2種以上の機能を複合した機能性薄膜を形成する方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体薄膜、超伝導薄膜、光学薄膜、磁性薄膜、硬質薄膜などのいわゆる機能性薄膜は、パソコン、携帯電話、家電、自動車、工具・金具など、あらゆる産業分野の製品におけるコア技術となっている。
これらの機能性薄膜を形成する手段として、化学的気相蒸着法(CVD法)や物理的気相蒸着法(PVD法)といった真空を利用したドライプロセスが広く利用されている。CVD法には、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法など、PVD法には真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などがある。また、近年、新しい方法として、ガス中蒸発法により生成した微粒子やエアロゾル中の微粒子を高速で真空中の被処理物に吹き付けることにより、微粒子が凝集した薄膜を形成するガスデポジション法が開発されている。
【0003】
様々な機能を持つ材料を組み合わせて複合化することにより、機能性薄膜の高性能化や多機能化を図ることは、現在広く行われている。複合化により、それぞれの材料が持つ機能を兼備するようになった薄膜や全く新しい機能を発現させた薄膜を得ることができる。
複合により得られる薄膜には、ミクロンからナノオーダーの厚みを持った2種以上の薄膜を交互に積層した構造を有する積層構造薄膜や、ミクロンからナノオーダーの粒径を持った微粒子がマトリックス材料中に分散した構造を有する微粒子分散薄膜などがある。
【0004】
積層構造薄膜には、真空蒸着法の1種である分子線エピタキシー法により形成される薄膜で、2種類の半導体材料の超格子構造が持つ量子井戸を利用した半導体レーザやLEDがよく知られている。
特許文献1には、複数の蒸発源を1つの真空容器内に配置しシャッターでそれぞれの材料を交互に供出させるようにした分子線エピタキシー装置により、超格子構造を形成することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、光CVD法の1種であるレーザー気相薄膜形成法を用いて、金属と誘電体の配線パターンを交互に積層し、所望の多層配線構造を形成することにより、半導体デバイス用の集積回路や三次元機能デバイスを作製する技術が開示されている。特許文献2には、空間的に隔離された異なる原料ガスに基板を順次晒すようにして積層構造を形成させるために使用する試料基板の回転手段を開示している。
また、機械部品、工具、金型などに耐摩耗性のコーティングを施す技術として、イオンプレーティング法によって2種類の材料をメゾスケール(10−7mから10−3mの範囲をいう)で交互に積層する方法が用いられている。さらに、最近は、窒化チタンと窒化アルミニウムをナノスケールで積層した超格子薄膜が開発され、切削工具の耐摩耗性被膜として実用に供されている。
【0006】
微粒子分散薄膜については、セラミックス粒子を金属被膜中に分散させるウエットプロセスである粒子分散メッキが開発され工業的に広く利用されているが、ドライプロセスを用いて微粒子を分散させた薄膜を作製した例は、ガスデポジション法により微粒子を凝集した薄膜以外に知られていない。
これらの複合構造薄膜形成方法は、いずれの場合も、分子線エピタキシー法、光CVD法、イオンプレーティング法など単一の手法を用いて、装置構成や成膜条件を工夫して異なる種類の機能性薄膜を積層して複合化するものである。
【0007】
しかし、単一の手法においては、使用可能な材料の種類が限定されるので、形成できる複合構造薄膜のバリエーションに限界がある。たとえば、特許文献1に開示された手法により多機能性薄膜を作製しようとすると、光CVD法で分解して薄膜堆積が可能なガスに制約があるため、希望の複合構造薄膜を形成することができない場合がある。また、微粒子分散薄膜を得ることは基本的に困難である。
【0008】
最近は、PVD法とCVD法を組み合わせた複合プロセスを用いて、単一の手法に頼るのと比較すると、より多様な複合構造を得たり、より多くの種類の材料を用いた複合化を行う試みがなされている。このような複合プロセスは、たとえな耐摩耗性の向上のための熱処理の複合化や、熱処理後にPVD法による硬質薄膜を形成させる方法が、工具や金型などに利用されている。
しかし、機能性薄膜の作製に利用されるPVD法、CVD法、ガスデポジション法は、それぞれの手法によって装置構成や運転条件が大きく異なるため、これらを混在して利用する複合化には、様々な困難があり実用化の障害となっている。
【0009】
たとえば、1つの真空容器でCVD法とPVD法の複合プロセスを行おうとすると、CVD法に使用するガスとPVD法で発生するスパッタ粒子など、各プロセスで使用する材料が混在することになり、高品質な複合構造を作製することができない。また、プロセスごとに最適な動作圧力が異なるため1つの真空容器で薄膜堆積を行うには障害が大きく、さらにプロセス同士が互いに干渉するためそれぞれの手法におけるパフォーマンスを最適化することが難しい。
なお、プロセスごとに設けた別々のプロセス室でそれぞれの処理を行う場合には、異なる薄膜形成の度に処理途中の基板材料を搬送しなければならないため、堆積が円滑に進まず、作製時間が長大になるばかりか製品品質が低下する。特にナノレベルの積層構造や微粒子分散構造の形成は基本的に困難である。
【0010】
【特許文献1】
特開平6−87688号公報
【特許文献2】
特開昭60−189926号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、異なる機能を持つ材料を堆積してより多様な複合構造薄膜を作製する方法と装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の複合構造薄膜製造方法は、化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか2個の物質堆積法のひとつをそれぞれ実行する2個のプロセス室を隣接して備え、被処理物を支持する基板ホルダーを備え、この基板ホルダーの被処理物を2個のプロセス室内の処理位置に交互に導きながらそれぞれの物質堆積方法で処理して、被処理物の上に2種類の堆積物が交互に重なり複合的な機能を備える多層薄膜を形成することを特徴とする。
【0013】
本発明の複合構造薄膜製造方法は、2つのプロセス室内で別々の物質堆積法を実行するようにして、基板ホルダーに支持された被処理物を隣接したプロセス室に交互に導いて、それぞれの物質堆積法で処理することにより、被処理物表面にそれぞれの物質を交代で堆積させることができる。したがって、それぞれの物質堆積法において堆積材料を適宜選択すれば、きわめて多様な複合構造薄膜を作製することができる。
【0014】
本発明の複合構造薄膜製造方法では、隔壁を挟んで隣接する2個のプロセス室が基板ホルダーが出入りする開口のみで連絡するようにすれば、2つのプロセス室が基板ホルダーの周囲にできる小さな隙間で繋がることになるが2つのプロセス室内の物質の交流は無視ができ、異なる物質堆積法をそれぞれのプロセス室中で同時に実施していても相互に干渉が起こらない。さらに、たとえばPVD法とCVD法が隣り合って実施されているときには、アルゴンガス雰囲気下でPVD法を実施しているプロセス室のアルゴンガス圧力を高くして、CVD法で使用する反応ガスが混入しないようにすれば、CVD法を行うプロセス室のアルゴン濃度は多少変化するが、いずれのプロセス室においてもそれぞれの堆積作用が支障なく行われるようになる。
【0015】
本発明の複合構造薄膜製造方法に使用する基板ホルダーは、隔壁面に回転軸を有し隔壁に填め込まれた回転円柱あるいは回転正多角形柱であることが好ましい。
円柱あるいは角柱の表面に被処理物を支持して回転させると、2つのプロセス室に交互に被処理物が導入されるので、それぞれの物質堆積法により異なる物質が交替で堆積される。基板ホルダーの周囲から漏れる物質量が制約するため、基板ホルダーが填め込まれる隔壁の開口を、基板ホルダーが回転できるだけの大きさにすることが好ましい。
【0016】
ただし、回転円柱を用いるときには、被処理物が平面であれば円柱表面に被処理物を填め込める平面を形成して使用する。複数の被処理物を1度に扱うときには、その数に見合う数のセット面を準備しておくことはいうまでもない。なお、基板ホルダーにセットする被処理物は1個に限らず、2個以上としてもよい。セットされた被処理物は基板ホルダーの回転により互いの同一の薄膜形成が行われるので、セットする被処理物の数が多ければ生産性が向上する。
【0017】
基板ホルダーは、隔壁面に回転軸を有する枠体であってもよい。被処理物は枠体に填め込んで回転させ、2個のプロセス室内の処理位置に交互に導入する。
枠体に被処理物が填め込まれていれば、隔壁に設けられる開口は殆ど遮蔽されるので、2つのプロセス室の間で内容物の交流は制約され、それぞれの物質堆積作用を独立的に行うことができる。
また、基板ホルダーは円盤にしてもよい。隔壁内に回転軸を設けて円盤面が壁から垂直に突出するようにする。円盤面に被処理物を支持して回転すると、被処理物は2つのプロセス室内の処理位置に交互に到達して、それぞれの物質を交互に堆積して、複合構造薄膜を形成する。
【0018】
基板ホルダーは連続的に回転させるようにして、その回転速度を調整することにより、それぞれのプロセス室内における処理時間を調整して、膜厚あるいは微粒子堆積量などを調整することができる。
また、基板ホルダーの回転をステップ状に行って、処理位置における被処理物の滞留時間を確保するようにしてもよい。移動時間に対して停止時間を多くすることにより効率的な製膜が可能になる。また、基板ホルダーを回転させるときには開口における隙間が大きくなるが、移動を急速に行うことにより大きな隙間ができる時間が短くなるので、プロセス室相互間の物質の交流を抑制する効果もある。
【0019】
CVD法を実施するプロセス室とPVD法を実施するプロセス室を隣接させて、いずれも薄膜を形成するようにすれば、2種類の薄膜を交互に積層した複合構造薄膜を作製することができる。
たとえば、CVD法で低摩擦性の水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H膜)を形成し、PVD法で高硬度の水素を含まないアモルファスカーボン膜(a−C膜)を形成すると、耐摩耗性と低摩擦性を兼ね備えた複合構造薄膜を得ることができる。
【0020】
また、CVD法とPVD法のどちらかで薄膜を形成し、どちらかで微粒子を堆積するようにしてもよい。微粒子と薄膜を交互に堆積させると、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を製造することができる。
さらに、CVD法で薄膜を堆積し、PVD法でドロップレットを堆積するようにしてもよい。ドロップレットと薄膜を交互に堆積させることにより、ドロップレットが膜中に分散した複合構造薄膜を製造することができる。
【0021】
また、ガスデポジション法を実施するプロセス室と、PVD法又はCVD法を実施するプロセス室を隣接して設備して、基板ホルダーで交互に被処理物を暴露させるようにしてもよい。たとえば、PVD法又はCVD法で薄膜を堆積させ、ガスデポジション法で微粒子を堆積させることにより、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を作製することができる。
【0022】
また、上記課題を解決するため、本発明の複合構造薄膜製造装置は、化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか1つの物質堆積法を実施する機構を備えた第1プロセス室と、第1プロセス室で実施する以外のもう1つの物質堆積法を実施する機構を備えた第2プロセス室を備え、第1プロセス室と第2プロセス室は隔壁を介して隣接し、その隔壁に開口を設け、回転軸を隔壁位置に設けて回転する基板ホルダーを開口に備えたものであって、基板ホルダーは被処理物を把持して回転し、被処理物を第1プロセス室と第2プロセス室における各処理位置に交互に導くようになっている。
【0023】
本発明の複合構造薄膜製造装置によって、CVD法で堆積する各種材料と、PVD法で堆積する各種材料と、ガスデポジション法で堆積する各種材料のいずれかを組み合わせて得られる極めて多様な複合構造薄膜を作製することができる。また、物質堆積条件は、プロセス室ごとに比較的独立的に決めることができるので、良質な機能性薄膜を得ることができる。
【0024】
また、プロセス室は2個に限らず、円周上に3個以上設置して、円の中心位置に回転する基板ホルダーを備えるようにしてもよい。基板ホルダーは、回転するに従って、被処理物を次々に異なるプロセス室の物質堆積位置に当たるように搬送する。すると、被処理物の表面にプロセス室の数だけの異なる材料が順次堆積して複合構造を形成し、さらにバラエティに富んだ複合構造薄膜を得ることができる。
【0025】
基板ホルダーは、回転円柱や正多角形柱であってよい。また、回転軸に垂直に固定された円盤であってもよい。さらに2個のプロセス室が隔壁を介して隣接する場合は、回転枠体であってもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の複合構造薄膜製造方法と製造装置について、図面を用い実施の形態に基づいて説明する。
【0027】
【実施例1】
図1は、本発明第1実施例の複合構造薄膜製造装置を説明する構成図、図2はその装置で作製できる複合構造薄膜の断面の模式図である。
本実施例の複合構造薄膜製造装置は、1個の真空容器1を隔壁2によって2つの隣接するプロセス室3,4に分割し、隔壁2に正八角柱形状の基板ホルダー5を取り付けたものである。基板ホルダー5は隔壁2の面内に回転軸6を有し図示しないステッピングモータにより回転する。
【0028】
第1のプロセス室3には電子ビーム励起プラズマ発生用電子ビームガン7を設備し、第2のプロセス室4には基板ホルダー5に向けてスパッタリングを行うためのスパッタ源8を設置した。
プロセス室3,4内のガスはターボポンプ9とロータリーポンプ10を直列に連結した真空系により真空排気される。プロセス室3,4の真空はそれぞれ独立に設けられたコンダクタンスバルブ11,12により独立に設定することができる。
【0029】
基板ホルダー5の側面に被処理物としてシリコン基板13を取り付け、基板ホルダー5を3rpmで回転させ、基板13の表面が第1プロセス室3と第2プロセス室4に交互に露出されるようにした。
次に、第1プロセス室3にメタンガスCH4を、第2プロセス室4にアルゴンガスArを導入し、コンダクタンスバルブ11,12により圧力がそれぞれ0.8Pa、10Paになるようにした。プロセス室間の圧力差によりアルゴンガスは第2プロセス室4から第1プロセス室3に流れるが、第1プロセス室3のメタンガスは第2プロセス室4に流れない。
また、基板ホルダー5には図示しないRF電源により−50Vのバイアス電圧を印加した。
その後、第1プロセス室3においてプラズマCVD、第2プロセス室4においてPVDとしてスパッタリングを同時に開始した。
【0030】
すると、第1プロセス室3に基板13が露出しているときには水素を含む水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H膜)が堆積し、第2プロセス室4に基板13が露出しているときには水素フリーのアモルファスカーボン膜(a−C膜)が堆積し、基板ホルダー5が回転するためシリコン基板13上には2つの異なる成分が交互に積層した複合構造薄膜が形成された。1時間の成膜時間で、膜厚は約1μmとなった。
【0031】
図2は、こうして得られた複合構造薄膜の模式図である。シリコン基板21上に堆積した積層薄膜22は、数nm厚のa−C:H膜23とa−C膜24が交互に積層した構造になっている。
このように、高硬度のa−C膜と低摩擦のa−C:H膜を積層化したことにより、耐摩耗性と低摩擦性を兼備した複合構造薄膜を得ることができた。
なお、本実施例の複合構造薄膜製造装置は、真空容器である2個のプロセス室が1個の真空容器を簡単な隔壁で仕切ることで構成されているため、それぞれ独立の真空容器として製作する場合と比較して経済的である。
【0032】
【実施例2】
図3は、本発明第2実施例の複合構造薄膜製造装置を説明する構成図、図3はその装置で作製できる複合構造薄膜の断面の模式図である。
本実施例の複合構造薄膜製造装置は、1個の真空容器31を隔壁32によって2つの隣接するプロセス室33,34に分割し、隔壁32の端部に設けたスリットに円盤形状の基板ホルダー35を取り付けたものである。基板ホルダー35は上面に被処理物を搭載し隔壁32の面内に回転軸36を有し図示しないステッピングモータにより回転する。
【0033】
第1プロセス室33には基板ホルダー35上の被処理物の位置に向けてスパッタリングを行うためのスパッタ源38を設置し、第2プロセス室34にはガスデポジション用にエアロゾル化室44からアルゴンガスで搬送されてくる超微粒子を噴射する超微粒子吹き付けノズル45を設備した。
プロセス室33,34内のガスはターボポンプ39とロータリーポンプ40を直列に連結した真空系により真空排気される。プロセス室33,34の真空はそれぞれ独立に設けられたコンダクタンスバルブ41,42により独立に設定することができる。
【0034】
スパッタ源38にはグラファイト46をセットし、エアロゾル化室44にはシリコン超微粒子47を仕込んだ。
そして、基板ホルダー35の上面にシリコン基板43を取り付け、基板ホルダー35を3rpmで回転させ、シリコン基板43の表面が第1プロセス室33と第2プロセス室34に交互に露出されるようにした。
【0035】
次に、第1プロセス室33にアルゴンガスArを導入し、コンダクタンスバルブ41により圧力が10Paになるようにした。また、基板ホルダー35には図示しないRF電源により−50Vのバイアス電圧を印加した。なお、超微粒子の種類によっては、その帯電状態に応じて基板に正のバイアス電圧を印加することで超微粒子が基板に付着する効率を向上させることができる場合もある。
その後、エアロゾル化室44にアルゴンガスを供給し、エアロゾル化した超微粒子をアルゴンガスで第2プロセス室34に導入すると共に、第1プロセス室33においてスパッタリングを開始した。
【0036】
第1プロセス室33にシリコン基板43が露出しているときにはアモルファスカーボン膜(a−C膜)が堆積し、第2プロセス室34にシリコン基板43が露出しているときにはシリコン超微粒子が付着し、基板ホルダー35が回転してシリコン基板43が第1プロセス室と第2プロセス室を交互に巡るので、シリコン基板43上にはアモルファスカーボンと超微粒子が交互に堆積し、1時間の成膜時間で、膜厚が約1μmの複合構造薄膜が生成した。
【0037】
図4は、こうして得られた複合構造薄膜の模式図である。シリコン基板51上に堆積した超微粒子分散薄膜52は、マトリックスであるa−C膜53の中にシリコン超微粒子47が分散した構造となっている。
このように、高硬度のa−C膜にシリコン超微粒子が混入することにより、a−C膜と同等の高い硬度を持ちながら低摩擦特性を示すことが確認された。
【0038】
上記実施例では、基板ホルダーの加熱を行わないが、形成する膜によっては基板加熱を行うことも有効であるので、基板ホルダーにヒーターを内蔵して、適宜温度調整ができるようにしておいてもよい。
また、上記実施例では、プラズマCVD法として電子ビーム励起プラズマを使用した方法を使用したが、たとえば、容量結合型プラズマ、誘導結合型プラズマ、マイクロ波プラズマ、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマなど他のプラズマ発生方法を利用してもよい。また、プラズマCVD法に代えて、熱CVD法、光CVD法などを採用することもできる。
【0039】
さらに、上記実施例ではスパッタリング法を使用したが、真空蒸着法、イオンプレーティング法など他のPVD法を利用することもできる。
また、上記実施例では摺動特性を向上させた複合構造薄膜を作製したが、これ以外の、たとえば半導体、磁性体、超伝導体、光学薄膜などにおいても、本願発明を用いた複合構造化による機能向上を達成することができることはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合構造薄膜製造方法及び製造装置により、異なる機能を持つ材料をより多様に組み合わせて、より高性能の機能性薄膜を得ることができるので、広く各産業分野に有用な薄膜材料を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の複合構造薄膜制動装置を示す構成図である。
【図2】第1実施例の装置で得られる複合構造薄膜の構造を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の複合構造薄膜制動装置を示す構成図である。
【図4】第2実施例の装置で得られる複合構造薄膜の構造を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1,31 真空容器
2.32 隔壁
3,33 第1プロセス室
4,34 第2プロセス室
5,35 基板ホルダー
6,36 回転軸
7 電子ビーム励起プラズマ発生用電子ビームガン
8,38 スパッタ源
9,39 ターボポンプ
10,40 ロータリーポンプ
11,12,41,42 コンダクタンスバルブ
13,43 シリコン基板
21,51 シリコン基板
22 積層薄膜
23 a−C:H膜
24 a−C膜
44 エアロゾル化室
45 超微粒子吹き付けノズル
46 グラファイト
47 シリコン超微粒子
52 超微粒子分散薄膜
53 マトリックスであるa−C膜
Claims (18)
- 化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか2個の物質堆積法のひとつをそれぞれ実行する2個のプロセス室を隣接して備え、被処理物を支持する基板ホルダーを備え、該基板ホルダーが支持した被処理物を前記2個のプロセス室内の処理位置に交互に導きながらそれぞれの物質堆積方法で処理して、被処理物の上に2種類の堆積物が交互に重なり複合的な機能を備える多層薄膜を形成することを特徴とする複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室が隔壁で隔てられ、前記基板ホルダーが該隔壁面に回転軸を有し該隔壁に填め込まれた回転円柱であって、円柱面に前記被処理物を支持して回転させながら処理することを特徴とする請求項1記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室が隔壁で隔てられ、前記基板ホルダーが該隔壁面に回転軸を有する回転円盤であって、該回転円盤の面に前記被処理物を支持して回転させながら処理することを特徴とする請求項1記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室が隔壁で隔てられ、前記基板ホルダーが該隔壁面に回転軸を有する枠体であって、該枠体に前記被処理物を填め込んで回転させながら処理することを特徴とする請求項1記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記基板ホルダーの回転速度を制御することにより前記被処理物の前記2個のプロセス室における滞留時間を調整することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記基板ホルダーの回転をステップ状に行うことを特徴とする請求項5記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室がそれぞれCVD法とPVD法を実施するもので、CVD法とPVD法のいずれも薄膜を形成して、2種の薄膜を交互に積層した複合構造薄膜を製造することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室がそれぞれCVD法とPVD法を実施するもので、CVD法とPVD法のどちらかが薄膜を形成し、どちらかが微粒子を堆積するものであって、微粒子と薄膜を交互に堆積させて、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を製造することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室がそれぞれCVD法とPVD法を実施するもので、CVD法で薄膜を堆積し、PVD法でドロップレットを堆積するものであって、ドロップレットと薄膜を交互に堆積させることにより、ドロップレットが膜中に分散した複合構造薄膜を製造することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室がそれぞれPVD法とCVD法を実施するもので、前記PVD法を実施するプロセス室内のガス圧を前記CVD法を実施するプロセス室のガス圧より高くして、該PVD法を実施するプロセス室に該CVD法を実施するプロセス室内のガスが侵入しないようにすることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室がそれぞれCVD法とガスデポジション法を実施するもので、CVD法で薄膜を堆積し、ガスデポジション法で微粒子を堆積するものであって、微粒子と薄膜を交互に堆積させることにより、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を製造することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 前記2個のプロセス室がそれぞれPVD法とガスデポジション法を実施するもので、PVD法で薄膜を堆積し、ガスデポジション法で微粒子を堆積するものであって、微粒子と薄膜を交互に堆積させることにより、微粒子が膜中に分散した複合構造薄膜を製造することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合構造薄膜製造方法。
- 化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか1つの物質堆積法を実施する機構を備えた第1プロセス室と、前記第1プロセス室で実施する以外の1つの物質堆積法を実施する機構を備えた第2プロセス室を備え、前記第1プロセス室と第2プロセス室は隔壁を介して隣接し、該隔壁に開口を設け該開口に回転軸を隔壁位置に設けて回転する基板ホルダーを備え、該基板ホルダーは被処理物を把持して回転し、該被処理物を前記第1プロセス室と第2プロセス室における各処理位置に交互に導くようになっている複合構造薄膜製造装置。
- 化学的気相蒸着法(CVD法)、物理的気相蒸着法(PVD法)、ガスデポジション法のいずれか1つの物質堆積法を実施する機構を備えた複数のプロセス室を円周上に配置し、該円周の中心に回転軸を有して回転する基板ホルダーを備え、該基板ホルダーは被処理物を把持して回転し、該被処理物を前記プロセス室における各処理位置に順次導くようになっている複合構造薄膜製造装置。
- 前記基板ホルダーは回転円柱であって円柱面に前記被処理物を支持することを特徴とする請求項13または14記載の複合構造薄膜製造装置。
- 前記基板ホルダーは正多角形柱であって、該正多角形柱の側面板に前記被処理物を支持することを特徴とする請求項13または14記載の複合構造薄膜製造装置。
- 前記基板ホルダーが前記回転軸に垂直な回転円盤であって、該回転盤の面に前記被処理物を支持するものであることを特徴とする請求項13または14記載の複合構造薄膜製造装置。
- 前記基板ホルダーが回転する枠体であって、該枠体に前記被処理物を填め込んで支持するものであることを特徴とする請求項13記載の複合構造薄膜製造装置。
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