JP2005036210A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

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Abstract

【課題】 吐出安定性が優れたインクジェット記録用水系インクの提供。
【解決手段】 マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するインクジェット記録用系水インクであって、水不溶性ビニルポリマー中、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位が、0〜5重量%であり、フッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜への前記水系インクの親和率が25%未満であり、かつ、下記式から求められる親和安定性が125未満であるインクジェット記録用系水インクを提供する。
親和安定性=(〔保存後の撥水膜のインク親和率〕/〔保存前の撥水膜のインク親和率〕)×100(式中、保存後のインクの親和率は、水系インク中に撥水膜を完全に浸漬し、60℃の雰囲気中で1週間保存後の親和率を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水系インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式は、その装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、また記録部材として普通紙を使用することができるという利点がある。
インクジェット記録方式では、印刷信頼性の確保は重要な課題の一つである。例えばインク吐出面(以下、吐出面と略す)のノズル孔周辺部にインクが付着すると、インク滴の吐出方向が曲がったり、インク滴の大きさにバラツキが生じたり、インク滴の飛翔速度が不安定になる等の不都合が生じる。そのため、吐出面に撥水処理を施し、吐出面にインクが付着しないようにして、吐出安定性を高めることが知られている。
吐出面の撥水処理方法としては、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等の撥水剤を塗布する方法(特許文献1参照)、フロロアルコキシシラン等で表面処理する方法(特許文献2参照)、フッ素系化合物やシラン系化合物のプラズマ重合膜を形成する方法(特許文献3参照)、フロロシリコーンコーティング剤で処理する方法(特許文献4参照)、フッ素系高分子共析メッキで撥水膜を形成する方法(特許文献5、特許文献6参照)等がある。また、顔料粒子の粒子径と撥水膜厚みを規定する方法(特許文献7)等がある。
しかし、このような撥水処理を施した場合でも、連続かつ長期間、高周波駆動、高印字速度、高負荷で記録を実行する場合、吐出面にインクが付着して溜ることがあり、そのまま放置すると、印字乱れや記録媒体へのぼた落ち等の原因となる。
特に耐水性を向上させる水不溶性ポリマーを使用した水系インクの場合、吐出面にインク(固形物)の付着が起こりやすく、一度付着するとワイピング等の操作を行なっても付着したインク(固形物)を取り除くことが困難である。
特開昭55−65564号公報 特開昭56−89569号公報 特開昭64−87359号公報 特開平2−39944号公報 特開昭63−3963号公報 特開平4−294145号公報 特開2000−273378号公報
本発明は、水系インクの吐出安定性を向上させ、更に高印字濃度、高光沢性、耐光性、耐水性、耐擦過性及び分散安定性に優れたインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とする。
本発明者等は、マゼンタ顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子を用いた際に、撥水処理された吐出面にその付着性を低減させるための課題の解決手段として、マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するインクジェット記録用系水インクであって、前記水不溶性ビニルポリマー中、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位が、0〜5重量%であり、
フッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜への前記水系インクの親和率が25%未満であり、かつ、下記式から求められる親和安定性が125未満であるインクジェット記録用系水インクを提供する。
親和安定性=(〔保存後の該撥水膜への前記水系インクの親和率〕/〔保存前の該撥水膜への前記水系インクの親和率〕)×100
(式中、保存後の該撥水膜への前記水系インクの親和率は、上記水系インク中に撥水膜を完全に浸漬し、60℃の雰囲気中での1週間保存した後における親和率を示す。)
本発明のインクジェット記録用水系インクにおいて「水系」とは、インクに含有された溶媒中、水が最大割合を占めていることを意味するものであり、水100%でも良いし、前記要件を満たすものであれば、水と1種又は2種以上の有機溶媒との混合物も含まれる。
本発明において、「アルキル(メタ)アクリレート」は、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート又はそれらの混合物を意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意味する。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、フッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜への親和率が低く、親和安定性が優れているので、インクジェット記録方式に適用した場合でも、インクの吐出面にインクが付着して滞留したり、固化したりすることがなく、印刷時において、印字物のヨレが無く、安定した吐出が可能となり、高印字濃度及び高光沢性を付与することができる。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するものである。
マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子は、少なくともマゼンタ顔料と水不溶性ビニルポリマーにより粒子が形成されているものであれば粒子形態は特に制限されるものではなく、例えば、水不溶性ビニルポリマーにマゼンタ顔料が内包された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーにマゼンタ顔料が均一に分散された粒子形態、水不溶性ビニルポリマーにマゼンタ顔料が内包されているが、粒子表面に一部のマゼンタ顔料が露出された粒子形態等が含まれる。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、下記の親和率を求める式において、親和率が25%未満であり、好ましくは23%未満、より好ましくは20%未満であり、前記式から求められる親和安定性が125未満、好ましくは120未満、より好ましくは115未満である。この範囲内では、吐出性に問題無く、インクジェット用水系インクとして好適に用いることができる。
親和率(%)=[テフロン(R)シート表面(一面側のみ)を被覆しているインクの面積/テフロン(R)シート(一面側のみ)の面積]×100
ここで、フッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜とは、テフロン(R)であるポリテトラフルオロエチレンのことをいう。
<マゼンタ顔料>
マゼンタ顔料としては、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・レッド 48, 57, 122, 184, 188,C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
マゼンタ顔料は、他の顔料に比較して、微細粒径に分散させることが困難なため、吐出性に課題を有することが多い。このような顔料は、吐出性を向上させる本発明には好適に用いることができる。
<水不溶性ビニルポリマー>
水不溶性ビニルポリマーとしては、マクロマー(A)、ノニオン性の親水性モノマー(B)、塩生成基含有モノマー(C)、並びに前記したマクロマー(A)、ノニオン性の親水性モノマー(B)及び塩生成基含有モノマー(C)と共重合可能な疎水性モノマー(D)を含有するモノマー混合物を重合させてなる水不溶性ビニルポリマーが挙げられる。
〔マクロマー(A)〕
マクロマー(A)としては、数平均分子量 500 〜 100,000、好ましくは 1,000〜10,000 の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。マクロマー(A)の数平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
マクロマー(A)として、シリコーンマクロマー及びスチレン系マクロマーが挙げられ、 これらは単独で用いてもよく、併用してもよい。
シリコーンマクロマーの中では、一般式(I):
X(Y)qSi(R13-r(Z)r (I)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R3はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基、Zは500以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、qは0又は1、rは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーは、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から、好適に使用しうるものである。
一般式(I)で表されるシリコーンマクロマーにおいて、Xは、CH2=CH−、CH2=C(CH3)−等の炭素数2〜6の1価の不飽和炭化水素基が挙げられる。Yとしては、−COO−基、−COO(CH2a−(aは1〜5の整数を示す)、フェニレン基等の2価の結合基が挙げられ、−COOC36−が好ましい。R1としては、水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基;フェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、メトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が好ましい。Zは、好ましくは数平均分子量500 〜5000のジメチルシロキサンポリマーの1価の残基である。qは0又は1であるが、好ましくは1である。rは1〜3の整数であるが、好ましくは1である。
シリコーンマクロマーの代表例としては、下記の一般式(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)で表されるシリコーンマクロマー等が挙げられる。
CH2=CR2−COOC3H6−[Si(R3)2−O]b−Si(R3)3 (I-1)
CH2=CR2−COO−[Si(R3)2−O]b−Si(R3)3 (I-2)
CH2=CR2−Ph−[Si(R3)2−O]b−Si(R3)3 (I-3)
CH2=CR2−COOC3H6−Si(OE)3 (I-4)
〔式中の各記号の意味は次のとおり;
2:水素原子又はメチル基
3:それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基
b:5〜60の数
Ph:フェニレン基
E:−[Si(R2)20]c−Si(R2)3基(R2は前記と同じ。cは5〜65の数を示す)〕
これらの中では、式(I-1)で表されるシリコーンマクロマーが好ましく、特に、一般式(I-1a):
CH2=C(CH3)−COOC3H6−[Si(CH3)2−O]d−Si(CH3)3 (I-1a)
(式中、dは8〜40の数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーが好ましい。その具体例として、FM-0711〔チッソ(株)製、商品名〕等が挙げられる。
スチレン系マクロマーは、水不溶性ビニルポリマーにマゼンタ顔料を十分に含有させる観点から、好適に使用しうるものである。
スチレン系マクロマーの代表例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体又はスチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。これらの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するものが好ましい。
スチレンと他のモノマーとの共重合体におけるスチレン含量は、マゼンタ顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。他のモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
〔ノニオン性の親水性モノマー(B)〕
ノニオン性の親水性モノマー(B)を用いることにより、印刷画像の光沢に優れ、低粘度かつ吐出性が優れた水系インクを得ることができるという利点がある。これは、モノマー(B)が有する親水性の高いオキシエチレン基やオキシプロピレン基等の親水性水和層が、水系インクの中で広がることに基づくものと考えられる。
ノニオン性の親水性モノマー(B)としては、下記一般式(II)で表されるモノマーである。
CH2=CR5COO(R4O)p6 (II)
(式中、R4は、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R5は水素原子又はメチル基、pは平均付加モル数を示し、1〜30の数、R6は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。)
p個のオキシアルキレン基は、同一でも異なってもよく、オキシエチレン基、オキシプロピレン基又はオキシブチレン基を示すが、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が好ましく、オキシエチレン基とオキシプロピレン基を両方有する場合は、ブロック付加、ランダム付加、交互付加のいずれでもよい。
pは、好ましくは1〜25である。R6のアルキル基として、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基、(イソ)ブチル基、(イソ)ペンチル基、(イソ)ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基などが挙げられる。
モノマー(B)としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
商業的に入手しうるモノマー(B)の具体例としては、新中村化学(株)製のNKエステル M-20G,40G,90G,230G, 日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ、PME- 100, 200,400,1000,PP-1000,PP-500,PP-800,AP-150,AP-400,AP-550,AP-800,50PEP-300, 70PEP-350B, AEPシリーズ,30PPT-800,50PPT-800,70PPT-800, APTシリーズ,10PPB-500B, 10APB-500B, 50POEP-800B, 50AOEP-800B, ASEPシリーズ,PNEPシリーズ, PNPEシリーズ, 43ANEP-500, 70ANEP-550等が挙げられる。
〔塩生成基含有モノマー(C)〕
塩生成基含有モノマーCとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられる。水不溶性ビニルポリマーをアニオン性ポリマーにするためには、塩生成基含有モノマー(C)としてアニオン性モノマーを用いることが好ましく、水不溶性ビニルポリマーをカチオン性ポリマーにするためには、塩生成基含有モノマー(C)としてカチオン性モノマーを用いることが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸系モノマー〔無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸モノアミド、又はそれらうちの2種類以上の混合物〕、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、2-(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2- アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等が挙げられる。これらの中では、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、中でもアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル-2- アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル-2- メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2- アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2- メタクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーの具体例としては、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-(N',N'- ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート等が挙げられる。これらの中では、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
〔マクロマー(A)、ノニオン性の親水性モノマー(B)及び塩生成基含有モノマー(C)と共重合可能な疎水性モノマー(D)〕
疎水性モノマー(D)としては、芳香環含有モノマー、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、芳香環含有モノマーを必須モノマーとすることが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。疎水性モノマー(D)には、耐水性及び耐擦過性を向上させる観点から、芳香環含有モノマーから選ばれた1種以上が好ましい。
芳香環含有モノマーは、耐水性を向上させる観点から、炭素数6〜22の芳香環を有するビニルモノマーが好ましく、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4-ビニルビフェニル、1,1-ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-メタクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。これらの中ではスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上が、耐水性、耐擦過性、フッ素原子を含む有機成分かならる撥水膜へのインクの親和性を低減させ、親和安定性を維持する観点からより好ましい。
疎水性モノマー(D)としてアルキル(メタ)アクリレートを使用した場合、専用紙に印字した際に光沢度が高くなるという利点はあるが、後述する親和率が高くなり、親和安定性が悪くなることから、使用しないことが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキルエステル部分として炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜22、更に好ましくは炭素数1〜18、特に好ましくは炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を有するものが挙げられる。
なお、本明細書中、(イソ又はターシャリー)及び(イソ)は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位は、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する、アルキル(メタ)アクリレートマクロマーにも含有される。
アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位は、次の一般式で表される。
Figure 2005036210
(式中、R7は、炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示し、R8は水素原子又はメチル基を示す。)
7は、好ましくは炭素数1〜22、更に好ましくは炭素数1〜18、特に好ましくは炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基である。
水不溶性ビニルポリマーにおけるアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位(特に炭素数4以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単位)の含有量(原料基準である)は、フッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜へのインクの親和率を低減させ、親和安定性を損なわせないため、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0〜3重量%、特に好ましくは0〜1重量%である。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、水不溶性ポリマー粒子を用いているため、インクジェットプリンターの吐出面に、付着しやすく、印字物のよれ等を引き起こす原因となる。しかし、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を低減した前記水不溶性ポリマー粒子を用いることで、吐出面への親和性を減少させ、付着量を低減でき、吐出性を向上できるので好ましい。
なお、本発明の課題を解決できるものであれば、上記した以外のモノマーが少量だけ含まれていても良い。
水不溶性ビニルポリマーを重合するに用いられるモノマー混合物(以下、モノマー混合物という)中、マクロマー(A)の含有量は、バブルジェット(R)のインクジェットプリンターにおいて、ヒーター面の焦げ付きを抑制する観点及び分散安定性の観点から、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。
モノマー混合物中、ノニオン性の親水性モノマー(B)の含有量は、吐出安定性及び印字濃度の観点から、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。
モノマー混合物中、塩生成基含有モノマー(C)の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、更に好ましくは3〜40重量%である。
モノマー混合物中、疎水性モノマー(D)の含有量は、印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは5〜93重量%、より好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは15〜75重量%である。
芳香環含有モノマーは、吐出面への親和性に悪影響を与えないため、好適に用いることができる。モノマー混合物中、芳香環含有モノマーの含有量は、印字濃度及び分散安定性の観点から、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは15〜80重量%、更に好ましくは20〜75重量%である。
アルキル(メタ)アクリレートと芳香環含有モノマーを併用することもできる。その場合、アルキル(メタ)アクリレートと芳香環含有モノマーの重量割合(アルキル(メタ)アクリレート/芳香環含有モノマー)は、分散安定性を高める観点から、0/10〜5/10が好ましく、0/10〜3/10が更に好ましく、0/10〜1/10が特に好ましく、0/10〜1/20が最も好ましい。
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は、マゼンタ顔料の分散安定性及びインク粘度への影響を考慮して、好ましくは3,000〜500,000、より好ましくは5,000〜400,000である。水不溶性ポリマーの重量平均分子量は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定したときの値である。
水不溶性ビニルポリマーは、中和されていることが好ましい。中和度は、分散安定性が良好であればよく、特に限定がない。水不溶性ビニルポリマーを構成している塩生成基含有モノマー(C)中の塩生成基1モルあたり、中和剤を20〜200 モル%添加することが好ましい。
中和の際に用いられる中和剤としては、水不溶性ビニルポリマーの塩生成基の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、水不溶性ビニルポリマーにカチオン性モノマーを用いた場合は、中和剤として酢酸、メトキシ酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等を用いることができる。水不溶性ビニルポリマーにアニオン性モノマーが用いた場合は、中和剤として、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等を用いることができる。
水不溶性ビニルポリマーは、塩生成基に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で 100% 中和後に 25℃の水 100 gに対する溶解度が1g以下のポリマーであることが好ましい。
<水不溶性ビニルポリマーにマゼンタ顔料を含有させた水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体>
本発明のインクジェット記録用水系インクに含まれる水分散体について説明する。
水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法により、上記したマクロマー(A)、ノニオン性の親水性モノマー(B)、塩生成基含有モノマー(C)及び疎水性モノマー(D)を重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法に用いられる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性有機溶媒である場合には、水と混合して用いることもできる。
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、(イソ)プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、2, 2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’- アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビスブチレート、2,2’- アゾビス(2- メチルブチロニトリル)、1,1’- アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物、t-ブチルペルオキシオクトエート、ジ-t- ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物が挙げられる。
重合開始剤の量は、モノマーの合計量100 重量部あたり、好ましくは0.001 〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部である。
重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2-エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジテルペン、α−メチルスチレンダイマー、9,10- ジヒドロアントラセン、1,4-ジヒドロナフタレン、インデン、1,4-シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5-ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
モノマーの重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー及び溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は30〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間である。重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガスであることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法によってポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去することにより、精製することができる。
マゼンタ顔料を含有する水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体は、例えば、水不溶性ビニルポリマーを有機溶媒に溶解させ、得られた溶液にマゼンタ顔料、水、中和剤及び必要に応じ界面活性剤を加えて混練し、ペーストとした後、該ペーストを必要に応じて水で希釈し、有機溶媒を留去して水系にすることによって得ることができる。
マゼンタ顔料と水不溶性ビニルポリマーの割合は、普通紙に印字した際の印字濃度を向上させること、及び水不溶性ビニルポリマー中への含有させ易さの観点から、水不溶性ビニルポリマー100 重量部に対して、マゼンタ顔料は、好ましくは20〜1200重量部、より好ましくは30〜1000 重量部、更に好ましくは40〜800重量部である。
<インクジェット記録用水系インク>
本発明の水系インクにおけるマゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜13重量%、更に好ましくは1.0〜11重量%である。
本発明の水系インクにおける水分量は、好ましくは40〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%である。
本発明の水系インクには、更に、有機溶媒、各種添加剤、例えば、多価アルコール類用の湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤及び/又はキレート剤、pH調整剤等を適量で添加することができる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、炭素数4〜8のアルキルジオール類、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリセリンモノn-ブチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N-メチル-2- ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン等の含窒素化合物等が挙げられる。水系インク中における湿潤剤の量は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%である。
分散剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性系の分散剤を用いることができる。
本発明の水系インクにおいては、アニオン性の水系インク又はカチオン性の水系インクにすることができるが、アニオン性の水系インクは、マゼンタ顔料を含有させたアニオン性の水不溶性ビニルポリマーを含有する水系インク、カチオン性の水系インクは、マゼンタ顔料を含有させたカチオン性の水不溶性ビニルポリマーを含有する水系インクであることが好ましい。
本発明で用いられるアニオン性の水系インクのpH(20℃) は、7〜11が好ましく、8〜11がより好ましく、カチオン性の水系インクのpH(20℃) は、3以上7未満が好ましく、3〜6がより好ましい。
アニオン性の水系インクに酸を添加してpHを調整することにより、カチオン性の水系インクとして用いたり、カチオン性の水系インクにアルカリを添加してpHを調整することにより、アニオン性の水系インクとして用いることもできる。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、マゼンタ顔料を含有させた水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子の水分散体を含有するものであるため、低粘度のインクに設計することができるので、吐出性がよくなり、また、耐水性及び耐擦過性に優れた印字物を得ることができるので好ましい。本発明のインクジェット記録用水系インクは、優れた各種の印刷特性を維持したまままで、例えば粘度を 5.0 mPa・s以下の範囲のものに設計することができる。
製造例1〜6及び比較製造例1〜3
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部及び重合連鎖移動剤(2-メルカプトエタノール)0.03重量部、表1に示す各モノマーの10重量%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの残りの90重量%を仕込み、重合連鎖移動剤(2-メルカプトエタノール)0.27重量部、メチルエチルケトン60重量部及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.2重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.3重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離した。標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/L のリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1に示す化合物の詳細は、以下のとおりである;
・スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AS-6S 、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド付加モル数=9):新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM-90G
・イソブチルメタクリレートマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AW-6S 、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
Figure 2005036210
実施例1
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー6重量部をメチルエチルケトン45重量部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を中和し、更にキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・レッド122 、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:ファーストゲン・スーパー・マゼンタR)18重量部を加え、3本ロールミルで1時間混練した。
得られた混練物に、イオン交換水120 重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた顔料含有水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体40重量部、グリセリン10重量部、2-ピロリドン5重量部、イソプロピルアルコール2重量部及びイオン交換水43重量部を混合し、得られた混合液を0.5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ(株)製)で濾過し、粗大粒子を除去し、表2に記載の組成となるように添加剤及び水を含有させて、表2に示す水系インクを得た。
実施例2
実施例1において、製造例1で得られたポリマー溶液の代わりに、製造例2で得られたポリマー溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
実施例3
実施例1において、製造例1で得られたポリマー溶液の代わりに、製造例3で得られたポリマー溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
実施例4
実施例1において、製造例1で得られたポリマー溶液の代わりに、製造例4で得られたポリマー溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
実施例5
実施例1において、製造例1で得られたポリマー溶液の代わりに、製造例5で得られたポリマー溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
実施例6
実施例1において、製造例1で得られたポリマー溶液の代わりに、製造例6で得られたポリマー溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
比較例1
実施例1において、製造例1で得られたポリマーの代わりに、比較製造例1で得られたポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
比較例2
実施例1において、製造例1で得られたポリマーの代わりに、比較製造例2で得られたポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
比較例3
実施例1において、製造例1で得られたポリマーの代わりに、比較製造例3で得られたポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして、表2に示す水系インクを得た。
次に、各実施例及び各比較例で得られたインクの性能を以下の方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
(1)親和率
テフロン(R)シート(縦3.0cm,横3.0cm;商品名:ナフトンテープTOMBO9001、ニチアス株式会社製)を1分間、水系インク中に完全に浸漬させ、取り出したテフロン(R)シートを1分間放置し、下記式から親和率を求めた。テフロン(R)シートは、片側だけ用いて評価した。
親和率(%)=[テフロン(R)シート表面(一面側のみ)を被覆しているインクの面積/テフロン(R)シート(一面側のみ)の面積]×100
(2)親和安定性
上記したテフロン(R)シートをインクに浸漬させ、60℃の雰囲気中で1週間保存した。室温まで冷却した後、インク中よりテフロン(R)シートを取り出して1分間放置したときの親和率を求め、下記式から親和安定性を求めた。
親和安定性=(〔保存後のテフロン(R)シートへの水系インクの親和率〕/〔保存前のテフロン(R)シートへの水系インクの親和率〕)×100
(3)印字濃度
市販のインクジェットプリンター(エプソン(株)製、型番:EM-900C)を用いて、市販の普通紙(上質普通紙、エプソン(株)製、商品名:KA4250NT)にベタ印字し〔印字条件=用紙種類:普通紙、モード設定:速い〕、25℃で1時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914)で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:印字濃度が1.20以上
○:印字濃度が1.10以上1.20未満
△:印字濃度が1.00以上1.10未満
×:印字濃度が1.00未満。
(4)光沢性
前記プリンターを用い、市販の専用紙(MC光沢紙、エプソン(株)製、商品名:KA420MK)にベタ印字し〔印字条件=用紙種類:専用光沢フィルム、モード設定:フォト〕、25℃で1時間放置後、60°の光沢を光沢計(日本電飾(株)製、商品名:HANDY GLOSSMETER 、品番:PG-1)で測定し、以下の基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:光沢が50以上
○:光沢が45以上50未満
△:光沢が40以上45未満
×:光沢が40未満。
(5)耐光性
前記印字濃度を測定したベタ印字物に、キセノンフェードメーター(ATLAS 社製、商品名) で10000 カウント照射し続けた後、再びマクベス濃度計RD914で照射前における測定と同じ印字箇所の印字濃度を測定した。照射前の印字濃度に対する照射後の印字濃度の残存率を下記式から求め、以下の評価基準に基づいて耐光性を評価した。
残存率(%)=〔照射後の印字濃度〕/〔照射前の印字濃度〕×100
〔評価基準〕
◎:残存率が95%以上
○:残存率が80%以上95%未満
△:残存率が60%以上80%未満
×:残存率が60%未満。
(6)耐水性
前記プリンターを用い、前記市販の普通紙にベタ印字し、25℃で1時間乾燥させた試料の特定の印字箇所の印字濃度を測定後、静水中に垂直に10秒間浸漬し、そのまま垂直に引き上げた。25℃で24時間自然乾燥させた後、浸漬前と同じ箇所の印字濃度を測定し、浸漬前の印字濃度に対する浸漬後の印字濃度の残存率を下記式から求め、以下の評価基準に基づいて耐水性を評価した。
残存率(%)=〔浸漬後の印字濃度〕/〔浸漬前の印字濃度〕×100
〔評価基準〕
◎:残存率が95%以上
○:残存率が80%以上95%未満
△:残存率が60%以上80%未満
×:残存率が60%未満。
(7)耐擦過性
前記プリンターを用い、前記市販の普通紙にベタ印字し、25℃で24時間乾燥させた後、指で強く印字面を擦った。その印字のとれ具合を以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:印字は全くとれない
○:ほとんど印字はとれず、周りが汚れない
△:少し印字が擦りとられ、周りが少し汚れ、指も少し汚れる
×:かなり印字が擦りとられ、周りがかなりひどく汚れ、指も相当汚れる。
(8)分散安定性
インクを密閉容器に入れ、60℃の恒温槽に1ヵ月保存後、前記レーザー粒子解析システムを用いて平均粒径(以下、「保存後の平均粒径」という)を測定した。分散安定性の指標として、分散安定度を下記式から求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
分散安定度(%)=〔保存後の平均粒径〕/〔平均粒径〕×100
〔評価基準〕
◎:分散安定度が95%以上105 %未満
○:分散安定度が90%以上95%未満、又は105 %以上110 %未満
△:分散安定度が70%以上90%未満、又は110 %以上130 %未満
×:分散安定度が70%未満又は130 %以上。
(9)印字物のヨレ
前記プリンターを用い、前記市販の普通紙に罫線を印刷したときのヨレの度合いを目視にて観察し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:ヨレなし
○:殆どヨレなし
△:少しヨレあり
×:ヨレあり
Figure 2005036210
表2に示された結果から、各実施例で得られたインクは、いずれもフッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜への親和率が低く、吐出安定性に優れるため印字物のヨレが少なく、普通紙に高印字濃度を形成することができ、印字は高い光沢性を有していることがわかる。また、各実施例で得られたインクは、耐光性、耐水性、耐擦過性、保存安定性に優れた印字物を与えるものであることがわかる。

Claims (5)

  1. マゼンタ顔料を含む水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インクであって、
    前記水不溶性ビニルポリマー中、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位が、0〜5重量%であり、
    フッ素原子を含む有機成分からなる撥水膜への前記水系インクの親和率が25%未満であり、かつ、下記式から求められる親和安定性が125未満であるインクジェット記録用水系インク。
    親和安定性=(〔保存後の該撥水膜への前記水系インクの親和率〕/〔保存前の該撥水膜への前記水系インクの親和率〕)×100
    (式中、保存後の該撥水膜への前記水系インクの親和率は、上記水系インク中に撥水膜を完全に浸漬し、60℃の雰囲気中での1週間保存した後における親和率を示す。)
  2. 水不溶性ビニルポリマーが、マクロマー1〜25重量%、ノニオン性の親水性モノマー0〜40重量%、塩生成基含有モノマー2〜45重量%、並びに前記したマクロマー、ノニオン性の親水性モノマー及び塩生成基含有モノマーと共重合可能な疎水性モノマー10〜80重量%を含むモノマー混合物を重合させてなるものである請求項1記載のインクジェット記録用水系インク。
  3. 疎水性モノマーが、芳香環含有モノマーを必須モノマーとし、アルキル(メタ)アクリレートと芳香環含有モノマーの重量割合(アルキル(メタ)アクリレート/芳香環含有モノマー)が、0/10〜5/10である請求項2記載のインクジェット記録用水系インク。
  4. 水不溶性ビニルポリマー中、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位が0〜3重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。
  5. 水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量が3,000〜500,000である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水系インク。


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