JP2005035836A - セメントコンクリート用混和材 - Google Patents

セメントコンクリート用混和材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005035836A
JP2005035836A JP2003274257A JP2003274257A JP2005035836A JP 2005035836 A JP2005035836 A JP 2005035836A JP 2003274257 A JP2003274257 A JP 2003274257A JP 2003274257 A JP2003274257 A JP 2003274257A JP 2005035836 A JP2005035836 A JP 2005035836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
admixture
sio
cement concrete
content
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003274257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4057970B2 (ja
Inventor
Minoru Morioka
実 盛岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2003274257A priority Critical patent/JP4057970B2/ja
Publication of JP2005035836A publication Critical patent/JP2005035836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4057970B2 publication Critical patent/JP4057970B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】 中性化抑制効果に優れ、ひび割れの自己治癒能力も有するセメントコンクリート組成物のためのスラリー状のセメントコンクリート混和材を提供する。
【解決手段】γ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質と水とを含有するスラリー状のセメントコンクリート用混和材。中性化抑制効果に優れ、しかも、ひび割れの自己治癒能力も有するセメントコンクリート組成物が得られる。また、これまで有効な活用方法が見出されずにいた、製鋼スラグなどを有効利用でき、従来の粉体状混和材と異なり、各工程での粉塵問題が一気に解消され、現場での3K作業も軽減されるなど、作業環境の改善対策や作業効率の向上が図れ、分散性が良く、しかも、保管期間による製品劣化も小さいなどの効果を奏する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるスラリー状のセメントコンクリート用混和材に関する。なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。また、本発明におけるセメントコンクリートとは、モルタル及びコンクリートを総称するものである。
本発明者らはγ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質が、中性化抑制効果を有することを知見し、先に出願した(特許文献1〜2参照)。そして、上記のγ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有するためにセメント混和材用途などとしての利用率が低い水準にある、様々な製鋼スラグが利用可能であることも示した。
特許文献1や特許文献2に記載された発明は、セメントや高炉水砕スラグ微粉末と同様に、微粉末あるいは粉粒状の無機粉体である。これら、無機粉体をセメントやセメントコンクリートに混和する際、最も悩ましい問題が粉塵である。また、これらの無機粉体の圧送にも大きな負荷がかかるという問題がある。
例えば、生コン工場で、特許文献1〜2に記載されたセメント混和材やセメントコンクリート用混和材を解袋投入する場合、荷揚げ作業、解袋投入作業が必要であるが、これは、いわゆる3K作業(きつい、きたない、きけん)である。今日では、セメントコンクリート用混和材の荷揚げ作業や解袋投入作業は、作業員の高齢化や人手不足などから深刻な問題となってきている。
もし、混和材が液体になれば、ポンプ圧送で荷揚げから投入までを機械化できる上、粉塵も発生しないことになる。ところが、セメントや高炉水砕スラグは水硬性を持つため、スラリー状態を長く維持できないものである。
一方、特許文献1や特許文献2に記載されたγ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物(以下、単に「非水硬性化合物」ともいう)を含有する物質は、水硬性を持たない。本発明者はこの点に着目した。すなわち、スラリー化したものを長期保存できることを見出した。
そればかりでなく、非水硬性化合物を含有する物質の発生直後から、粉塵対策がとれ、かつ、スラリー状のセメントコンクリート用混和材として製造可能であることを見出したのである。
例えば、γ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質が製鋼スラグの場合、これらの製鋼スラグはストックヤードで保管されているが、粉粒状のため、粉塵問題が発生している。
このため、ストックヤードで保管されている粉粒状の製鋼スラグには散水がなされ、粉塵対策がとられている。このため、従来は、これを一度乾燥してから粉砕器を通して粉砕していた。つまり、余計なコストが負担となっていた。また、当然のことながら、粉砕過程でも多量の粉塵が発生しており、その対策も必要とされてきた。
そこで、本発明では、粉塵対策のために、散水を受け、湿分を多量に含む製鋼スラグなどに着目し、スラリー状のセメントコンクリート用混和材としての適用可能性を検討した。
本発明者はγ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質、殊に製鋼スラグの有効利用に鑑み、鋭意努力を重ねた結果、スラリー状にすることで、各工程での粉塵問題が一気に解消され、現場での3K作業も軽減されるなど、作業環境の改善対策や作業効率の向上が図れるばかりでなく、分散性が良く、しかも、保管期間による製品劣化も小さいなど、セメントコンクリート用混和材としても有効なものが得られることを、見出し本発明を完成するに至った。
国際公開第03/016234号パンフレット 特願2003-084495号
これまで副生物とされ、有効な用途が見出されていなかったγ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質、殊に製鋼スラグを有効利用する上で課題となっていた、混和材やセメントコンクリートの各工程での粉塵問題を解消して現場での3K作業を軽減し、作業環境の改善対策や作業効率の向上を図るとともに、中性化抑制効果に優れ、分散性が良く、ひび割れの自己治癒能力も有し、保管期間による製品劣化も小さいなどの優れた特性を有するスラリー状のセメントコンクリート用混和材を提供する。
即ち、本発明は、γ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質と水とを含有するセメントコンクリート用混和材であり、非水硬性化合物を含有する物質のフッ素の含有量が2%以下であり、かつ、12CaO・7Al2O3及び/又は11CaO・7Al2O3・CaF2の含有量が25%以下であることを特徴とする該セメントコンクリート用混和材であり、非水硬性化合物を含有する物質が製鋼スラグであることを特徴とする該セメントコンクリート用混和材であり、γ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートの含有量の合計が65%以上である該セメントコンクリート用混和材であり、γ-2CaO・SiO2の含有量が35%以上である該セメントコンクリート用混和材である。
本発明は、非水硬性化合物としてα型ワラストナイト(α-CaO・SiO2)、γ-2CaO・SiO2や、メルヴィナイト3CaO・MgO・2SiO2、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2、モンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケートを含有することを特徴の1つとする。また、本発明では、これらの非水硬性化合物を含む物質(以下、「非水硬性物質」という)として、製鋼スラグを用いることも可能である。
本発明で用いる製鋼スラグはいずれもγ-2CaO・SiO2、α型ワラストナイト、カルシウムマグネシウムシリケートを含有しているものであればよく、特に限定されるものではない。その具体例としては、例えば、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグ、電気炉還元期スラグ、ステンレススラグなどが挙げられる。製鋼スラグは単独でも使用できるが、2種以上併用することも可能である。
一方、製鋼スラグであっても、β-2CaO・SiO2を含有し、γ-2CaO・SiO2などの非水硬性化合物を含有しないものについては本発明の対象とはならず、α型ワラストナイトなどの本発明でいう非水硬性化合物を含有することが必要である。
本発明のセメントコンクリート用混和材(以下、本混和材という)は、非水硬性物質やその粉末と水などを混合し、スラリー状のセメントコンクリート用混和材として使用することを特徴の1つとする。本発明でいうスラリーとは、特に限定されるものではないが、非水硬性化合物と水の混合物を意味する。また、水の一部を非水系液体などで置換していても何ら差し支えない。非水系液体としては、例えば、アルコール類、油類、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、収縮低減剤、凝結促進剤、防凍剤などが挙げられる。
本発明では、粉塵対策のために、散水を受け、湿分を多量に含む製鋼スラグの粉末を水と混合してスラリー化することにより、あるいは湿式粉砕することなどにより、スラリー状のセメントコンクリート用混和材としてもよい。
さらに、スラリー化された非水硬性物質は、微粉末あるいは粉粒状のセメントコンクリート用混和材と比べて、分散性や良いこと、そして、保管期間による製品劣化も小さいという特徴を有するものである。
本発明の非水硬性物質中のγ-2CaO・SiO2の含有量は、35%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。また、γ-2CaO・SiO2の含有量の上限値は特に限定されない。製鋼スラグの中では、γ-2CaO・SiO2含有量が多い電気炉還元期スラグ又はステンレススラグが好ましい。
本発明の非水硬性物質に含まれる元素成分は特に限定されるものではないが、具体的には、CaO、SiO2、Al2O3、MnO2、F、及びMgOなどを主要な化学成分とし、その他、TiO2、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3などが挙げられる。
また、本発明の非水硬性物質に含まれる化合物としては、非水硬性化合物のほかに、β型やα型などのダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、β型のワラストナイト(β-CaO・SiO2)などのカルシウムシリケート、非晶質12CaO・7Al2O3、12CaO・7Al2O3とCaF2の固溶体、及び3CaO・Al2O3などのカルシウムアルミネート、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2などのカルシウムアルミノシリケート、並びに、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2とゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2の混晶であるメリライト、遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト2CaO・Fe2O3、カルシウムアルミノフェライト4CaO・Al2O3・Fe2O3、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4を含む場合がある。
ただし、本発明の非水硬性物質には、急結性あるいは急硬性を示す12CaO・7Al2O3あるいは12CaO・7Al2O3にフッ素が固溶した11CaO・7 Al2O3・CaF2を多く含むものが存在する。これらの化合物の含有量が高い場合は、凝結遅延剤を併用しなければ十分な流動性を確保するが困難となる場合や、十分な可使時間が確保できない場合があるため、好ましくない。
すなわち、本混和材中の12CaO・7Al2O3及び/又は11CaO・7Al2O3・CaF2の含有量は特に制限されないが、25%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。本混和材中の12CaO・7AlO及び/又は11CaO・7AlO・CaFの合計が25%を超えると、中性化抑制効果が小さくなったり、スラリーの粘度が高くなって取扱いが悪くなったり、ポンプ圧送性が確保できなくなる場合がある。
また、製鋼スラグには、フッ素含有量が多いものも存在する。フッ素を含む製鋼スラグでは、12CaO・7AlOはフッ素の固溶した11CaO・7AlO・CaFの形態で存在するほか、 γ-2CaO・SiOの一部はカスピディン(Cuspidine)(3CaO・2SiO・CaF)に変化する。また、12CaO・7AlOや11CaO・7AlO・CaFと、フッ素源として遊離CaFが共存するものもある。 γ-2CaO・SiOは顕著な中性化抑制効果を有するが、11CaO・7AlO・CaFやカスピディンなどのフッ素を含む化合物は中性化抑制効果を持たないため、フッ素含有量の多い製鋼スラグは中性化抑制効果が顕著でない場合がある。
また、フッ素はポルトランドセメントの凝結・硬化を阻害するために、凝結遅延や硬化不良を起こす場合がある。さらに、フッ素は、特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)の規制対象物質であり、フッ素含有量が少ないほうが環境保全の観点からも好ましい。
本混和材の総フッ素含有量は、その存在形態にかかわらず2.0%以下が好ましく、1.5%以下がより好ましい。総フッ素含有量が2.0%を超えると、充分な中性化抑制効果が得られない場合があり、また、凝結・硬化性状が悪くなる場合もある。さらには、前述の通り、これを用いたポルトランドセメント硬化体からのフッ素の溶出が懸念され、環境問題の観点からも、フッ素量が少ないほうが好ましい。
本混和材は、γ-2CaO・SiO2を含有し、かつ、非水硬性化合物を60%以上含有することが、中性化抑制効果が大きいために好ましく、非水硬性化合物の含有量が70%以上含有することがより好ましい。
本混和材の粒度は特に限定されるものではないが、通常、ブレーン比表面積で1,000cm2/gよりも大きい範囲にあり、2,000〜8,000cm2/g程度が好ましく、3,000〜6,000cm2/gがより好ましい。微粉末のものを用いることによって、少ない添加率でも優れた中性化抑制効果を得ることができ、また、スラリーの材料分離抵抗性も向上し、均一なスラリーを得ることができる。
本混和材においてスラリー水の使用量は特に限定されるものではないが、通常、本混和材100部中、25〜60部の範囲にあり、30〜50部の範囲が好ましい。25部未満では、スラリーの粘度が高くなって取扱い性が悪くなったり、ポンプ圧送性が確保できなくなる場合がある。逆に、60部を超えると、材料分離を生じてスラリーが不均一になる場合がある。なお、水の使用量が少ない場合には、(AE)減水剤や高性能(AE)減水剤などを併用することが好ましく、逆に、水の使用量が多い場合には、増粘剤などを併用することが流動性の確保や材料分離抵抗性付与の観点から好ましい。
本混和材の使用量は特に限定されるものではないが、非水硬性物質換算で、セメントコンクリートの単位水量の範囲内とすることが好ましい。例えば、単位水量170kg/m3、水/混和材比50%の本混和材を用いたセメントコンクリートを製造した場合を想定すると、非水硬性物換算で170kg/m3、すなわち本混和材を340kg/m3まで使用することが可能である。したがって、セメントコンクリートの単位水量が多い場合には、多くの本混和材が使用できることになる。
本発明において中性化抑制効果を得るためには、本混和材の使用量は、非水硬性物質換算で少なくとも単位量10kg/m3以上が好ましく、非水硬性物質換算で単位量30kg/m3以上がより好ましい。非水硬性物質換算の単位量が10kg/m3未満では、中性化抑制効果が得られない場合がある。
また、自己治癒効果を得る場合には、本混和材の使用量は非水硬性物質換算で少なくとも単位量30kg/m3以上が好ましく、単位量50kg/m3以上がより好ましい。非水硬性物質の単位量が30kg/m3未満では、ひびわれの自己治癒効果が得られない場合がある。
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱などの各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰などを原料として製造された廃棄物利用セメント、いわゆるエコセメント(R)、及び石灰石微粉末や高炉徐冷スラグ微粉末などを混合した各種フィラーセメントなどが挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。
セメントコンクリートに用いる粗骨材は特に限定されるものではないが、通常、ケイ石系や石灰石系の天然骨材、高炉徐冷スラグの粗骨材、及び再生骨材などが使用可能である。最近では電気炉酸化期スラグや転炉スラグなどを主体とし、粒径5mm以上の粗粒からなる製鋼スラグ系粗骨材も検討されているが、これらの製鋼スラグ系粗骨材を用いた場合、本発明の効果であるひび割れの自己治癒効果を阻害することがある。
本発明では、高炉水砕スラグ微粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、及びシリカフュームなどの混和材料、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、ポリマー、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体などの添加剤など、通常のセメント材料に用いられる公知公用の添加剤、混和材、及び骨材を1種類又は2種類以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
また、本発明は非水硬性物質及び水などからなるスラリー状の混和材を用いることを特徴とするが、それ以外の点においては本混和材をはじめとする各材料や水の混合方法も特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。本混和材の使用形態の1つとして、スラリーを圧送し、セメント又はセメントコンクリートと合流混合して施工現場に供給し、さらに水分を合流混合させて水分量を調整する方法が挙げられる。
本発明のセメントコンクリート用混和材を用いることにより、極めて中性化抑制効果に優れ、しかも、ひび割れの自己治癒能力も有するセメントコンクリート組成物が得られる。また、これまで有効な活用方法が見出されずにいた製鋼スラグなどを有効利用でき、従来の粉体状混和材と異なり、各工程での粉塵問題が一気に解消され、混合工程を自動化することなどにより現場での3K作業も軽減されるなど、作業環境の改善対策や作業効率の向上が図れるばかりでなく、分散性が良く、しかも、保管期間による製品劣化も小さいなどの効果を奏する。
表1に示す非水硬性物質100部と水50部を湿式混合粉砕してスラリー状のセメントコンクリート用混和材を調製した。セメントコンクリート用混和材中の非水硬性物質のブレーン比表面積が4,000cm2/gとなるまで湿式混合粉砕を行った。これらセメントコンクリート用混和材の単位量を100kg/m3、とし、コンクリートと混合して単位セメント量300kg/m3、単位水量175kg/m3、s/a(細骨材率)=42%、空気量4.5±1.5%のコンクリート組成物を生コンプラントにて調製した。ただし、コンクリート用混和材中の水は単位水量の一部と見なした。圧縮強度、中性化深さ、ひび割れの自己治癒能力を評価した。なお、非水硬性物質の粒度は、コンクリート用混和材を乾燥した後、非水硬性物質のブレーン比表面積を測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製、比重3.15。
非水硬性物質A:γ-2CaO・SiO2、2モルの炭酸カルシウムと1モルの二酸化ケイ素を配合して1,450℃で焼成して合成。比重3.01、ブレーン比表面積1,800cm2/g。
非水硬性物質B:α型ワラストナイト、合成品。比重2.93、ブレーン比表面積1,500cm2/g。
非水硬性物質C:メルヴィナイト、合成品。比重3.33、ブレーン比表面積1,500cm2/g。
非水硬性物質D:電気炉還元期スラグ、酸化物換算CaO含有量52%、酸化物換算SiO2含有量27%、Al2O3含有量11%、MgO含有量0.5%、フッ素含有量0.7%、S含有量0.5%。主な化合物相はγ-2CaO・SiO2含有量約45%、α型ワラストナイト約20%、及び12CaO・7Al2O3固溶体約25%、比重3.06、ブレーン比表面積1,200cm2/g。非水硬性化合物含有量はγ-2CaO・SiO2含有量45%とα型ワラストナイトの含有量20%の和で約65%。
非水硬性物質E:ステンレススラグ、CaO含有量52%、SiO2含有量28%、MgO含有量10%、Al2O3含有量7%、Na2O含有量0.5%、フッ素含有量0.5%。主な化合物相はγ-2CaO・SiO2含有量約35%、メルヴィナイト約44%、12CaO・7Al2O3固溶体約14%、及び遊離マグネシア約4%。比重3.14、ブレーン比表面積1,500cm2/g。非水硬性化合物含有量はγ-2CaO・SiO2含有量35%とメルヴィナイトの含有量44%の和で約79%。
非水硬性物質F:電気炉還元期スラグ、酸化物換算CaO含有量53%、酸化物換算SiO2含有量35%、Al2O3含有量4%、MgO含有量6%、フッ素含有量1.5%、S含有量0.5%。主な化合物相はγ-2CaO・SiO2含有量約40%、カスピディン14%、メルヴィナイト40%、比重3.04、ブレーン比表面積1,200cm2/g。非水硬性化合物含有量はγ-2CaO・SiO2含有量40%と、カスピディン含有量の14%と、メルヴィナイト含有量40%の和で約95%。
非水硬性物質G:電気炉還元期スラグ、酸化物換算CaO含有量53%、酸化物換算SiO2含有量26%、Al2O3含有量13%、MgO含有量5%、フッ素含有量2.0%、S含有量0.5%。主な化合物相はγ-2CaO・SiO2含有量約40%、カスピディン12%、メルヴィナイト18%、及び12CaO・7Al2O3固溶体約25%、比重3.03、ブレーン比表面積1,200cm2/g。非水硬性化合物含有量はγ-2CaO・SiO2含有量40%と、カスピディン含有量の12%と、メルヴィナイト含有量18%の和で約70%。
非水硬性物質H:石灰石粉、新潟県青海鉱山産の石灰石の粉砕物、比重2.71、ブレーン比表面積1,500cm2/g。
非水硬性物質I:ケイ石粉、7号ケイ砂の粉砕物、比重2.64、ブレーン比表面積1,500cm2/g。
炭酸カルシウム:試薬1級、市販品
二酸化ケイ素 :試薬1級、市販品
水 :水道水
細骨材 :新潟県姫川産、比重2.62、粒径5mm以下
粗骨材 :新潟県姫川産、比重2.64、粒径5mm超
<測定方法>
圧縮強度:材齢28日の圧縮強度をJIS A 1108に準じて測定した。
中性化深さ(促進中性化試験):10φ×20cmの円柱状のコンクリート供試体を作製し、材齢28日まで20℃水中養生を施した後、常圧、30℃・相対湿度60%・炭酸ガス濃度5%の環境で12週間促進中性化を行った。促進中性化後、コンクリート断面にフェノールフタレイン1%アルコール溶液を噴霧して赤変しなかった部分を中性化部分と見なし、ノギスで8点の中性化深さを測定して平均値を求め、中性化抵抗性を評価した。
ひび割れの自己治癒能力(自己治癒):10×10×40cmのコンクリート供試体を作製した。その際、両端からの中央に厚さ0.3mmのポリスチレンフィルムを深さ20mmまで挿入し、擬似的にひび割れを有するコンクリート供試体とした。この供試体を材齢7日まで水中養生を行い、以後、6日間期間養生、1日間水中養生を繰り返した。6ヶ月後にひび割れ幅を測定することによって自己治癒能力を評価した。評価基準は、◎は完全にひび割れが塞がった、○は0.1mm以下にひび割れ幅が縮小化した、△は0.2mm程度までひび割れ幅が縮小。×はひび割れ幅が縮小化されないか、あるいは逆に広がったことを示す。
Figure 2005035836
セメントとして高炉セメントを使用したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
<使用材料>
高炉セメント:高炉セメントB種、電気化学工業社製、比重3.06
Figure 2005035836
非水硬性物質A100部と水50部からなるスラリー状のコンクリート用混和材を使用し、コンクリート用混和材の使用量を表3に示すように変化したこと以外は実験例2と同様に行った。結果を表3に示す。
Figure 2005035836
注:(1)非水硬性物質は細骨材の一部と見なして配合した。
(2)表中の非水硬性物質は、コンクリート用混和材中に含まれる非水硬性物質Aの含有量。
非水硬性物質Aを使用し、非水硬性物質A100部に対する水の配合割合を表4に示すように変化したこと以外は実施例2と同様に行った。ただし、水の配合量を減じる場合には減水剤を、逆に、水の配合量を増す場合には増粘剤を、非水硬性物質A100部に対して表4に示す割合で併用した。結果を表4に示す。
<使用材料>
減水剤:市販のポリカルボン酸系高性能減水剤
増粘剤:市販のメチルセルロース系増粘剤
Figure 2005035836
注:本混和材中の水は、混和材100部中の部
非水硬性物質Aを未粉砕のまま水と混合したものと、湿式混合粉砕の程度を変化したものを用いて、非水硬性物質Aの粒度を表5に示すブレーン比表面積値としたこと以外は実施例2と同様に行った。結果を表5に示す。
Figure 2005035836
非水硬性物質Aを使用し、スラリー化した場合としなかった場合で比較検討したこと以外は実施例2と同様に行った。ここで、作業効率、混和材の分散性、保管期間による製品劣化について、比較例として非水硬性物質Aを粒度4,000cm2/gまで粉砕した後、水、セメント、及び骨材などを一括してミキサーに投入した混合試験を行い、実施例2の方法と比較検討した。なお、中性化深さについては、非水硬性物質の均一性の評価とするために、平均値と共に最大値と最小値についても比較した。
<測定方法>
製品劣化:本混和材やスラリー化していない従来の粉状混和材を2m3タンクに6ヶ月間貯蔵した後、中性化深さ(促進中性化試験)について同様の実験を行い、6ヶ月間貯蔵前後での中性化深さの差で評価した。
作業効率:3Kは、混合作業を実際に行い、作業者の着衣の汚れ(きたない)、作業者の疲労度(きつい)、危険度(きけん)を主観的に評価。また、粉塵発生量は、実際に混合作業を行い、発生する粉塵量を目視で評価。
分散性:混和材の投入のタイミングが遅れた場合にダマが発生した。
Figure 2005035836

Claims (5)

  1. γ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する物質と水とを含有するセメントコンクリート用混和材。
  2. 非水硬性化合物を含有する物質のフッ素の含有量が2%以下であり、かつ、12CaO・7Al2O3及び/又は11CaO・7Al2O3・CaF2の含有量が25%以下であることを特徴とする請求項1記載のセメントコンクリート用混和材。
  3. 非水硬性化合物を含有する物質が製鋼スラグであることを特徴とする請求項1〜2のうちの1項に記載のセメントコンクリート用混和材。
  4. γ-2CaO・SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートの含有量の合計が65%以上である請求項1〜3のうちの1項に記載のセメントコンクリート用混和材。
  5. γ-2CaO・SiO2の含有量が35%以上である請求項1〜4のうちの1項に記載のセメントコンクリート用混和材。
JP2003274257A 2003-07-14 2003-07-14 セメントコンクリート用混和材 Expired - Lifetime JP4057970B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003274257A JP4057970B2 (ja) 2003-07-14 2003-07-14 セメントコンクリート用混和材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003274257A JP4057970B2 (ja) 2003-07-14 2003-07-14 セメントコンクリート用混和材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005035836A true JP2005035836A (ja) 2005-02-10
JP4057970B2 JP4057970B2 (ja) 2008-03-05

Family

ID=34211269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003274257A Expired - Lifetime JP4057970B2 (ja) 2003-07-14 2003-07-14 セメントコンクリート用混和材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4057970B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009102025A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 The University Of Tokyo セメント混和材、これを含むセメント組成物及びコンクリート
JP2012111640A (ja) * 2010-11-19 2012-06-14 Denki Kagaku Kogyo Kk 防水性セメント混和材及びセメント組成物
KR101782343B1 (ko) * 2016-03-10 2017-09-28 원광대학교산학협력단 비정질 금속파우더 캡슐을 이용한 자기치유 시멘트 복합재 조성물
CN115321869A (zh) * 2022-08-17 2022-11-11 四川华西绿舍建材有限公司 一种易流型辅助胶凝材料、其制法及应用

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009102025A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 The University Of Tokyo セメント混和材、これを含むセメント組成物及びコンクリート
JP2009190937A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Univ Of Tokyo セメント混和材、これを含むセメント組成物及びコンクリート
CN101952217A (zh) * 2008-02-14 2011-01-19 国立大学法人东京大学 水泥外加剂、含有该外加剂的水泥组合物和混凝土
US8105433B2 (en) 2008-02-14 2012-01-31 The University Of Tokyo Cement admixture, and cement composition and concrete containing the cement admixture
KR101272408B1 (ko) * 2008-02-14 2013-06-07 도꾜 다이가꾸 시멘트 혼화재, 이것을 포함하는 시멘트 조성물 및 콘크리트
JP2012111640A (ja) * 2010-11-19 2012-06-14 Denki Kagaku Kogyo Kk 防水性セメント混和材及びセメント組成物
KR101782343B1 (ko) * 2016-03-10 2017-09-28 원광대학교산학협력단 비정질 금속파우더 캡슐을 이용한 자기치유 시멘트 복합재 조성물
CN115321869A (zh) * 2022-08-17 2022-11-11 四川华西绿舍建材有限公司 一种易流型辅助胶凝材料、其制法及应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4057970B2 (ja) 2008-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4267446B2 (ja) セメント混和材、セメント組成物、及びそれを用いた中性化抑制方法
WO2011108065A1 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP4607149B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP4382614B2 (ja) セメント混和材およびそれを用いたセメント組成物
JP2007153714A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP4057970B2 (ja) セメントコンクリート用混和材
JP5345821B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP6985177B2 (ja) 水硬性組成物及びコンクリート
JP3747988B2 (ja) 膨張材組成物及び膨張セメント組成物
JP2010100471A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP5030248B2 (ja) コンクリート構造物の補修工法
JP2004292201A (ja) コンクリート用混和材及びコンクリート組成物
JP4117215B2 (ja) 高炉徐冷スラグの品質管理方法
WO2022070685A1 (ja) 補修モルタル材料、補修モルタル組成物及び硬化体
JP2006327868A (ja) 防食性複合体およびその製法
JP2022176037A (ja) グラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体
JP4057971B2 (ja) セメント組成物
JP2005082440A (ja) 急硬性セメント混和材、セメント組成物、及びモルタル組成物
JP2007186372A (ja) 耐爆裂性セメント硬化体及びその製造方法
JP6577785B2 (ja) 塩害対策コンクリート硬化体およびその製造方法
JP6985547B1 (ja) グラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体
JP5313624B2 (ja) セメント組成物及びセメントコンクリート
JP5313623B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP2003206165A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
WO2022070684A1 (ja) 急硬補修モルタル材料、急硬補修モルタル組成物及び硬化体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4057970

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term