JP2005034302A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の条件が成立した場合に、ゲームで使用される可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更することにより、特定の図柄の組合せを揃え易い状態にすることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】フリーゲームに移行した際には(S5:YES)、通常のゲームの開始時に行われた抽選結果により(S2)、各可変表示部でスクロール表示・停止表示される図柄の拡大倍数(形状)を変更可能に構成し、変更された図柄の形状に対応して当選役の抽選を行うように構成する(S7)。
【選択図】 図9
【解決手段】フリーゲームに移行した際には(S5:YES)、通常のゲームの開始時に行われた抽選結果により(S2)、各可変表示部でスクロール表示・停止表示される図柄の拡大倍数(形状)を変更可能に構成し、変更された図柄の形状に対応して当選役の抽選を行うように構成する(S7)。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数列の可変表示部における図柄が有効入賞ラインに沿って停止した場合に一定の特典を付与する遊技機に関し、特に、可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更可能としたスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スロットマシンでは、外周面に各種の図柄を形成した複数のリールを回転可能に設けておき、各リールにおける図柄が有効入賞ラインに沿って所定の組合せで停止表示された場合に、メダル等を払い出すように構成されていた。
【0003】
この点、海外で多く普及しているスロットマシンでは、SPINボタン押下後、リール毎に停止図柄を決定し、各リールを回転させ、一定時間経過した後に、各リール毎に決定された停止図柄に自動的に停止させていた。従って、遊技者は、SPINボタンを押下した後は、ゲーム操作をすることがなく、自動的に停止する図柄の組合せが所定の組合せになることを期待するのみであった。つまり、遊技者にとって受身的なゲームになりがちであった。
特に、ゲームに関与した所定回数のフリースピン(新たにメダルを投入することなしに、リールが自動的に回転し始め、一定時間経過後に停止し、停止した図柄の組合せに応じてメダル等を払出を行う動作)を行えるフリーゲームに移行した場合には、当該フリースピンの回数が多くなるほど、ゲームに関与できない状態(停止の組合せを見るだけ)が長く続くことになる。そこで、従来では、遊技者のゲームに対する興味を持たせるための様々な工夫がされていた。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、ゲームを開始した後に、3つの各リールに形成されたシンボルマークの組合せ抽選を行うとともに、有効入賞ラインの抽選を行うように構成されたスロットマシンが記載されており、かかるスロットマシンでは、抽選により決定されて停止表示されるシンボルマークの組合せに対して、有効入賞ラインの位置や数を可変とすることができるので、遊技者のゲームに対する興味をゲームの終了まで持続することが可能となる。そして、下記の特許文献1に記載されたスロットマシンでは、抽選により有効入賞ライン数が増加する場合には、シンボルマークの組合せの当選確率を高くすることも可能である。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−244453号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に記載されたスロットマシンであっても、有効入賞ラインに沿って自動的に停止表示された各リールの図柄について、あと一つ図柄が揃っていたならば、所定の組合せとなる場合、すなわち、もう一歩のところで当選に至らない場合は、依然として、多々あった。
また、そのような場合でも、遊技者は、自動的に停止する図柄の組合せが所定の組合せになることを期待するのみであり、受身的なゲームにはかわりわなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、特定の条件が成立した場合に、ゲームで使用される可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更することにより、特定の図柄の組合せを揃え易い状態にすることが可能な遊技機を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、複数列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)を有するとともに、各列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)の図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)が有効入賞ライン(例えば、L2)に沿って所定の組合せで停止した場合に特典を付与する遊技機(例えば、スロットマシン1)において、前記可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)における図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御手段(例えば、CPU50、S6)と、特定の条件が成立することに基づき、前記複数列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)で可変表示される図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状を制御する図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)と、前記図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)により制御された図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状に対応して当選役の抽選を行う当選役抽選手段(例えば、CPU50、S7)と、を備えたこと、を特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、前記図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)により制御される図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状に応じた複数の当選役抽選テーブル(例えば、図7、図8の当選役抽選テーブル)を有し、前記当選役抽選手段(例えば、CPU50、S7)は、複数の当選役抽選テーブル(例えば、図7、図8の当選役抽選テーブル)の内、前記図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)により制御される図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状に対応するもの(例えば、図7、図8の当選役抽選テーブル)を使用して当選役の抽選を行うこと、を特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載する遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、前記可変表示制御手段(例えば、CPU50、S6)を介して可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)にて可変表示されている図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の停止指示を行う停止指示手段(例えば、ストップボタン26乃至30)と、前記停止指示手段からの停止指示に基づき可変表示部の図柄を停止させる停止制御手段(例えば、CPU50、S8)と、を備えたこと、を特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機について、本発明をスロットマシンに具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るスロットマシンの概略構成について図1に基づき説明する。図1はスロットマシンの斜視図である。
【0012】
図1において、スロットマシン1はその全体を形成するキャビネット2を有しており、かかるキャビネット2の前面上部には上側液晶ディスプレイ3が配設され、また、キャビネット2の前面中央部には下側液晶ディスプレイ4が配設されている。ここに、上側液晶ディスプレイ3は一般に汎用されている液晶ディスプレイから構成されており、また、下側液晶ディスプレイ4は、所謂、透明液晶ディスプレイから構成されている。上側液晶ディスプレイ3には、ゲーム方法、当選役の種類とその配当、ゲームに関する各種演出等ゲームに関する情報が表示される。また、下側液晶ディスプレイ4には、図1に示されているように、基本的に、5つの可変表示部21、22、23、24及び25が表示されるとともに、各可変表示部21乃至25において後述する各種の図柄を上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示する。尚、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造については後述する。
【0013】
下側液晶ディスプレイ4の下側には、手前側に突出された操作テーブル5が設けられており、かかる操作テーブル5には、最も左側から両替(CHANGE)ボタン6、払い戻し(CHASHOUT)ボタン7、ヘルプ(HELP)ボタン8が配置されており、また、ヘルプボタン8の右側には、コイン投入部9、紙幣投入部10が設けられている。また、操作テーブル5の手前側にて左側から、1−BETボタン11、SPIN/REPEAT BETボタン12、3−BETボタン13、及び、5−BETボタン14が配置されている。
ここに、両替ボタン6は、紙幣投入部10に投入した紙幣を両替する際に押下されるボタンであり、両替されたコインは、キャビネット2の下部に設けられたコイン払出口15からコイン受け部16に払い出される。かかる両替ボタン6には、後述する両替(CHANGE)スイッチ62が付設されており、両替ボタン6の押下に基づき両替スイッチ62からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0014】
払い戻しボタン7は、通常のゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン7が押下されると、ゲームにて獲得したコインがコイン払出口15からコイン受け部16に払い戻される。尚、払い戻しボタン7には、後述する払い戻し(CASHOUT)スイッチ63が付設されており、払い戻しボタン7の押下に基づきスイッチ信号がCPU50に出力される。
ヘルプボタン8は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8が押下されると、上側液晶ディスプレイ3や下側液晶ディスプレイ4に各種のヘルプ情報が表示される。かかるヘルプボタン8には、後述するヘルプ(HELP)スイッチ64が付設されており、ヘルプボタン8の押下に基づきヘルプスイッチ64からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0015】
コイン投入部9には、後述するコインセンサ65が配置されており、コイン投入部9にコインが投入されると、コインセンサ65を介してコイン検出信号がCPU50に出力される。また、紙幣投入部10には、紙幣センサ66が配置されており、紙幣投入部10に紙幣が投入されると、紙幣センサ66を介して紙幣検出信号がCPU50に出力される。
1−BETボタン11は、1回押下する毎に1ずつベットされるボタンであり、この1−BETボタン11には、後述する1−BETスイッチ59が付設されており、1−BETボタン11が押下されると、その押下に基づき1−BETスイッチ59からCPU50にスイッチ信号が出力される。
スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12は、押下されることに基づき現在のベット数又は前回のベット数でゲームを開始すべく、下側液晶ディスプレイ4の各可変表示部21乃至25にて各図柄の変動表示が開始されるボタンである。スピンボタン12には、後述するスピンスイッチ58が付設されており、スピンボタン12が押下されると、その押下に基づきスピンスイッチ58からスイッチ信号がCPU50に出力される。尚、スピンボタン12の押下により、賭けることが可能なベット数としては、1、2、3、5ベットが存在し得る。
【0016】
3−BETボタン13は、その押下に基づき3ベットでゲームを開始するためのボタンである。かかる3−BETボタン13には、後述する3−BETスイッチ60が付設されており、その押下時には3−BETスイッチ60からスイッチ信号がCPU50に出力される。また、5−BETボタン14は、その押下に基づき5ベットでゲームを開始させるボタンである。尚、5−BETボタン14には、後述する5−BETスイッチ61が付設されており、その押下に基づき5−BETスイッチ61からスイッチ信号がCPU50に出力される。
また、キャビネット2の下部には、コイン払出口15が形成されるとともに、コイン払出口15から払い出されたコインを受けるコイン受け部16が設けられている。コイン払出口15の内部には、センサ等より構成される後述のコイン検出部73が配置されており、コイン検出部73はコイン払出口15から払い出されるコインの枚数を検出する。
【0017】
また、操作テーブル5における最も手前側には、前記各可変表示部21乃至25のそれぞれに対応して、ストップボタン26乃至30が設けられている。これらの各ストップボタンは、後述するように、その対応する可変表示部でスクロールされている図柄を停止表示させる際に押下操作されるものであるが、その押下操作のタイミングで図柄を停止表示させることができるものではない。各ストップボタン26乃至30の押下操作に基づきストップボタンスイッチ67から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部にてスクロールされている図柄を停止表示させる際のトリガとして使用されるだけのものである。
【0018】
更に、キャビネット2の側面(図1中右側面)には、スタートレバー17が所定角度範囲で回動自在に取り付けられている。かかるスタートレバー17には後述するスタートスイッチ57が付設されており、スタートレバー17の回動時にスタートスイッチ57から発せられるスイッチ信号はCPU50に出力される。
【0019】
続いて、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造について、図2に基づき説明する。図2は下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
図2において、下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1のキャビネット2の前面中央部に設けられた機器前面パネルの表示窓部の内側に配置されている。
【0020】
下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1の前面側から、リールガラスベース31、ベゼル金属枠32、液晶パネル33、液晶ホルダ34、拡散シート35、導光板36、白色のリフレクタ37、リアホルダ38、及び、帯電防止シート39が配置されて構成されている。拡散シート35には、開口部35A、35B、35C、35D、35Eが形成されており、同様に、導光板36、リフレクタ37及びリアホルダ38には、開口部35A〜35Eに一致するように、それぞれ開口部36A、36B、36C、36D、36E、開口部37A、37B、37C、37D、37E、開口部38A、38B、38C、38D、38Eが形成されている。各開口部35A〜38Aは、相互に一致するように重ねられて可変表示部21(図1参照)を構成し、各開口部35B〜38Bは同様に可変表示部22(図1参照)を構成し、各開口部35C〜38Cは同様に可変表示部23(図1参照)を構成し、各開口部35D〜38Dは同様に可変表示部24(図1参照)を構成し、また、各開口部35E〜38Eは同様に可変表示部25(図1参照)を構成する。
ここに、拡散シート35の開口部35A〜35E及び導光板36の開口部36A〜36Eは、各可変表示部21〜25の視認性を確保する透過領域を構成している。
【0021】
また、導光板36の上下端には、液晶パネル33の光源として一対の陰極線管(図示せず)が設けられている。また、リアホルダ38の各開口部38A〜38Dの背面側上下には、一対の冷陰極線(図示せず)が設けられている。
液晶パネル33は、ITO等からなる透明な電気的表示パネルであり、その表示部の周囲の背面側は液晶ホルダ34によって保持されている。導光板36は、光透過性の樹脂パネルからなり、側部に位置する冷陰極線管(図示せず)から出射された光を液晶表示パネル33の背面側に導くレンズカットが形成されている。拡散シート35は、光透過性の樹脂シートからなり、導光板36で導かれた光を拡散して、液晶表示パネル33に照射される光を均一化する。液晶表示パネル33を保持する液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、一体化されてその周囲がベゼル金属枠32に挿入されている。この挿入により、液晶パネル33における表示部の前面側はベゼル金属枠32によって保持される。
【0022】
ベゼル金属枠32に嵌められて一体化された液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、その周囲が更にリールガラスベース31に挿入されており、液晶パネル33の表示前面を開口した状態でリールガラスベース31によって保持されている。
リアホルダ38は、白色の樹脂板からなり、リールガラスベース31に支持されたベゼル金属枠32、液晶パネル33を保持した液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36を背後からリールガラスベース31に保持している。このリアホルダ38は、冷陰極線管42から導光板36に出射された光を液晶パネル33側へ反射する反射板としても機能している。帯電防止シート39は、透明で、リアホルダ38の背面に両面テープで接着されており、リアホルダ38に形成された各開口部38A〜38Eの背面を覆っている。
【0023】
続いて、図3に基づき、各可変表示部21乃至25にてスクロールしながら可変表示される図柄例について説明する。図3は、通常のゲームにおいて使用される図柄列を示すものであって、図柄列41は可変表示部21にて可変表示される図柄列、図柄列42は可変表示部22にて可変表示される図柄列、図柄列43は可変表示部23にて可変表示される図柄列、図柄列44は可変表示部24にて可変表示される図柄列、また、図柄列45は可変表示部25にて可変表示される図柄列である。
ここに、図柄列41、42、44及び45は、共に同一図柄配列を有しており、これらの各図柄列は、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95及びブランク(図柄が存在していない領域)96が適宜組み合わされて11個の図柄から構成されている。
【0024】
また、図柄列43は、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95及びブランク96が組み合わされている点で前記各図柄列41、42、44、45と同様であるが、更に、ジョーカー97が1個配列されている。かかるジョーカー97は、後述するように、通常のゲームにおいては、フリーゲームに移行するためのシンボルであり、可変表示部23における有効入賞ライン(後述する)上で停止表示された場合にフリーゲームに移行することができる。また、フリーゲームにおいては、配当を2倍にするシンボルとなる。
【0025】
尚、各可変表示部21乃至25においてスクロールされている各図柄列41乃至45が停止表示される場合、3つの図柄がそれぞれの可変表示部で停止表示される。
また、前記各図柄の複数種類の組合せに基づき各種の当選役が予め設定されており、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上で停止した際に、当選役に応じてコインがコイン払出口15から払い出される点については従来のスロットマシンと同様であり、ここではその説明を省略する。
【0026】
次に、スロットマシン1の制御系に係る構成について図4に基づき説明する。図4はスロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
図4において、スロットマシン1の制御系は、基本的に、CPU50を核として構成されており、CPU50にはROM51及びRAM52が接続されている。ROM51は、後述するメイン処理プログラム、ゲームの進行に伴って上側液晶ディスプレイ3及び下側液晶ディスプレイ4に各種の演出を行うための各種演出プログラム、通常のゲームの当選役を抽選するための抽選テーブル、フリーゲームの内容を抽選するための抽選テーブル、フリーゲームに対応して当選役を抽選するための抽選テーブル、その他スロットマシン1の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM52は、CPU50で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0027】
また、CPU50には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路53及び分周器54が接続されており、また、乱数を発生する乱数発生器55及び乱数サンプリング回路56が接続されている。乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数は、当選役、演出等の各種の抽選に使用される。更に、CPU50には、スタートレバー17に付設されるスタートスイッチ57、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12に付設されるスピンスイッチ58、1−BETボタン11に付設される1−BETスイッチ59、3−BETボタン13に付設される3−BETスイッチ60、5−BETボタン14に付設される5−BETスイッチ61、両替ボタン6に付設される両替(CHANGE)スイッチ62、払い戻しボタン7に付設される払い戻し(CASHOUT)スイッチ63、及び、ヘルプボタン8に付設されるヘルプ(HELP)スイッチ64が、それぞれ接続されている。CPU50は、各ボタンの押下により各スイッチから出力されるスイッチ信号に基づき、各ボタンに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0028】
更に、CPU50には、コイン投入部9に配置されるコインセンサ65及び紙幣投入部10に配置される紙幣センサ66が、それぞれ接続されている。コインセンサ65はコイン投入部9から投入されたコインを検出し、CPU50はコインセンサ65から出力されるコイン検出信号に基づき投入されたコイン枚数を演算する。紙幣センサ66は、紙幣投入部10から投入された紙幣の種類・額を検出し、CPU50は紙幣センサ66から出力される紙幣検出信号に基づき紙幣の額と等価なコイン枚数を演算する。また、CPU50には、各ストップボタン26乃至30に付設されるストップボタンスイッチ67が接続されている。各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われると、ストップボタンスイッチ67からはスイッチ信号が出力され、そのスイッチ信号に基づきCPU50は各可変表示部21乃至25にてスクロールされている図柄の停止表示を行う。
【0029】
CPU50には、ホッパー駆動回路70を介してホッパー71が接続されている。CPU50から駆動信号がホッパー駆動回路70に出力されると、ホッパー71は、所定枚数のコインをコイン払出口15から払い出す。
また、CPU50には、払出完了信号回路72を介してコイン検出部73が接続されている。コイン検出部73はコイン払出口15の内部に配置されており、コイン払出口15から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部73からコイン払出検出信号が払出完了信号回路72に出力され、これに基づき払出完了信号回路72は、CPU50に対して払出完了信号を出力する。更に、CPU50には、液晶駆動回路74を介して上側液晶ディスプレイ3が接続され、また、液晶駆動回路75を介して下側液晶ディスプレイ4が接続されている。
この点、液晶駆動回路75は、図18に示すように、プログラムROM81、画像ROM82、画像制御CPU83、ワークRAM84、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)85及びビデオRAM86などで構成されている。そして、プログラムROM81には、下側液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROM82には、例えば、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)で表示される図3の図柄列41〜45や、後述する図14及び図15の図柄列41〜45など、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPU83は、CPU50で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM81内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM82内に予め記憶されたドットデータの中から下側液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAM84は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU83で実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDP85は、画像制御CPU83で決定された表示内容に応じた画像を形成し、下側液晶ディスプレイ4に出力するものである。これにより、例えば、図3の図柄列41〜45や、後述する図14又は図15の図柄列41〜45などが、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)でスクロール表示される。尚、ビデオRAM86は、VDP85で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0030】
また、CPU50には、LED駆動回路77を介してLED78が接続されている。LED78は、スロットマシン1の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU50からの駆動信号に基づきLED駆動回路77により点灯制御されるものである。更に、音出力回路79及びスピーカ80がCPU50に接続されており、スピーカ80は、音出力回路79からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0031】
ここで、スロットマシン1にて通常のゲームを行うに際して、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図5に基づき説明する。図5は通常のゲーム時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【0032】
図5において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、以下、乱数値範囲1について説明する。すなわち、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜3の範囲にある場合には、フリーゲームのトリガーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、フリーゲームに移行することができる。ここに、フリーゲームとは、通常のゲームが行われた後に行われるゲームであり、一般に遊技者に有利なゲームとなっている場合が多い。例えば、フリーゲームに移行すると、コイン等をベットすることなく、フリーゲームのランクに応じて10ゲーム、20ゲーム又は30ゲーム連続してゲームが行われる。このとき、フリーゲームでは、各種の当選役に当選確率が高く設定されているのが一般的であり、従って、遊技者は多量のコイン等を獲得できることが多い。
尚、ここでは、フリーゲームとして、フリーゲーム1とフリーゲーム2とが用意されている。
【0033】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、4〜15の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、セブン94が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が16〜31の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が32〜255の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が256〜511の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0034】
尚、サンプリングされた乱数値が512〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
【0035】
また、乱数値範囲2について説明すると、すなわち、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜6の範囲にある場合には、フリーゲームのトリガーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、フリーゲームに移行することができる。
【0036】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、7〜55の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、セブン94が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が56〜265の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が266〜613の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が614〜1023の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0037】
尚、サンプリングされた乱数値が1024〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。ここで、乱数値範囲1と乱数値範囲2とを比較すると、はずれに当選する範囲が、乱数値範囲2よりも乱数値範囲1の方が広いことがわかる。
【0038】
次に、有効入賞ラインのパターンについて、図13に基づき説明する。図13は、有効入賞ラインを示す説明図である。ここでは、センターラインL2の入賞ラインのみが有効化される。
尚、図13に示す例では、可変表示部25を除き、センターラインL2に沿って、セブン94が停止表示された例を示している。
【0039】
次に、フリーゲームを抽選する際に使用される抽選テーブル及びそのフリーゲームにおいて使用される各可変表示部21乃至25の図柄例について、図6、図10、図11、図14及び図15に基づき説明する。図6はフリーゲームの抽選テーブルを示す説明図である。図10はフリーゲーム1において各可変表示部21乃至25で停止表示される図柄例を示す説明図である。図11はフリーゲーム2において各可変表示部21乃至25で停止表示される図柄例を示す説明図である。図14はフリーゲーム1において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。図15はフリーゲーム2において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
尚、ここでは、上述したように、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示されると、通常のゲームが行われた後にフリーゲームに移行することができるが、この点、フリーゲームとして、フリーゲーム1とフリーゲーム2とが用意されている。
【0040】
そして、図6に示すように、フリーゲームの抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜15であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜12の範囲にある場合には、通常のゲームが行われた後にフリーゲーム1に移行することができる。さらに、フリーゲーム1が行われるときは、図14に示す図柄列41乃至45が使用される。この点、図14に示す各図柄列41乃至45を、通常のゲームで使用される図3のものと比較すると、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に2倍に拡大されている。従って、各可変表示部21乃至25でセブン94が停止表示される際には、例えば、図10に示すように、縦方向に2倍に拡大されたセブン94が停止表示されることがあり、このとき、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、1個のセブン94が増加したことと同じとなる。
【0041】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が13〜15の範囲にある場合には、通常のゲームが行われた後にフリーゲーム2に移行することができる。さらに、フリーゲーム2が行われるときは、図15に示す図柄列41乃至45が使用される。この点、図15に示す各図柄列41乃至45を、通常のゲームで使用される図3のものと比較すると、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に3倍に拡大されている。従って、各可変表示部21乃至25でセブン94が停止表示される際には、例えば、図11に示すように、縦方向に3倍に拡大されたセブン94が停止表示されることがあり、このとき、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、2個のセブン94が増加したことと同じとなる。
【0042】
次に、スロットマシン1にてフリーゲーム1を行うに際して、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図7に基づき説明する。図7はフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【0043】
図7において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜3の範囲にある場合には、ジョーカーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が2倍となる。
【0044】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、4〜1256の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、縦2倍に拡大されたものも含めてセブン94が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が100となる。同様に、サンプリングされた乱数値が1257〜1272の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が40となる。同様に、サンプリングされた乱数値が1273〜1486の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が10となる。同様に、サンプリングされた乱数値が1487〜1742の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が5となる。
【0045】
尚、サンプリングされた乱数値が1743〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。尚、配当はない。
この点、図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブルと比べてみると、はずれに当選する乱数値の範囲が狭いことから、フリーゲーム1では、当選役に当選する確率が高く設定されている。特に、通常のゲーム時に比べて、セブン(7)に当選する確率が高くなっているが、これは、各可変表示部21乃至25でスクロール表示されるセブン94が実質的に1個増加することを踏まえたものである。なぜなら、フリーゲーム1が行われるときは、図14に示す図柄列41乃至45が使用されるが、図14に示す各図柄列41乃至45では、通常のゲームで使用される図3のものと比べると、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に2倍に拡大されているからである。以上より、フリーゲーム1に移行すれば、遊技者は多量のコイン等を獲得できる場合が多い。
【0046】
次に、スロットマシン1にてフリーゲーム2を行うに際して、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図8に基づき説明する。図8はフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【0047】
図8において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜3の範囲にある場合には、ジョーカーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、再びフリーゲームに移行することができる。
【0048】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、4〜4828の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、縦3倍に拡大されたものも含めてセブン94が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が4829〜4844の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が4845〜5068の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が5069〜5323の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0049】
尚、サンプリングされた乱数値が5324〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
また、配当については、前記図7のフリーゲーム1の当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルと同様である。
この点、図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブルと比べてみると、はずれに当選する乱数値の範囲が狭いことから、フリーゲーム2では、当選役に当選する確率が高く設定されている。特に、通常のゲーム時に比べて、セブン(7)に当選する確率が高くなっているが、これは、各可変表示部21乃至25でスクロール表示されるセブン94が実質的に2個増加することを踏まえたものである。なぜなら、フリーゲーム1が行われるときは、図15に示す図柄列41乃至45が使用されるが、図15に示す各図柄列41乃至45では、通常のゲームで使用される図3のものと比べると、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に3倍に拡大されているからである。以上より、フリーゲーム2に移行すれば、遊技者は多量のコイン等を獲得できる場合が多い。
【0050】
続いて、スロットマシン1で行われるメイン処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9はメイン処理プログラムのフローチャートである。図9において、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、スタート受付処理が行われる。この処理は、スタートレバー17の操作、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作に基づいてスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号を受け付ける処理である。各スイッチから出力されたスイッチ信号を受け付けた時点で、通常のゲームが開始される。
【0051】
続くS2においては、前記したスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、前記図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブル(乱数値範囲1)を使用して、通常のゲーム時の当選役の抽選が行われる。このとき、フリーゲームのトリガーに当選したことを条件として、前記図6のフリーゲームの抽選テーブルを使用することにより、フリーゲーム1又はフリーゲーム2の抽選が行われ、さらに、フリーゲームの連続実行回数が10ゲーム、20ゲーム、30ゲームの中から決定される。
【0052】
前記のようにS2の抽選処理が終了した後、S3においては、S1にて受け付けられたスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、可変表示表示部21乃至25にて各図柄(図3に示す各図柄列41乃至45)のスクロールが行われる。そして、図柄がスクロールしている可変表示部21乃至25に対応するストップボタン26乃至30が遊技者によって押下操作された場合、その押下操作されたストップボタンから出力されるスイッチ信号をトリガとして可変表示部21乃至25における各図柄のスクロールが停止される。
【0053】
尚、本実施形態において、各ストップボタン26乃至30は、所謂、遊技者の技術介入を目的として行われる「目押し操作」とは関係がなく、各ストップボタン26乃至30から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部21乃至25にてスクロールされている各図柄を停止表示する際のトリガとなるだけのものである。従って、各可変表示部21乃至25の図柄は、前記S2で抽選された結果だけに基づいて停止表示される。
【0054】
続くS4においては、S3で各可変表示部21乃至25にて停止表示された当選役の図柄組合せに従って、予め設定されている配当に相当するコイン等が払い出される。以上より、通常のゲームが行われる。
【0055】
そして、前記のようにS4の払出処理が終了すると、S5において、特定条件が成立したか否かを判断する。ここで、特定条件とは、具体的に言えば、S2の抽選処理においてフリーゲームのトリガーに当選したことをいう。このとき、特定条件が成立したと判断しない場合には(S5:NO)、メイン処理は終了する。一方、特定条件が成立したと判断した場合には(S5:YES)、S6に進んで、可変表示表示部21乃至25にて各図柄のスクロールが自動的に開始され、フリーゲームが開始される。このとき、前記S2でフリーゲーム1が当選した場合には、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図14に示す各図柄列41乃至45が使用される。一方、前記S2でフリーゲーム2が当選した場合には、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図15に示す各図柄列41乃至45が使用される。その後、可変表示表示部21乃至25における各図柄のスクロールを停止させるために、ストップボタン26乃至30の押下を行うことを、遊技者に対して、下側液晶ディスプレイ4に表示される文字(例えば、「switch on」)やストップボタン26乃至30の点滅によって促す。
【0056】
続くS7においては、当該S7に移行したタイミングに基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、このとき、既にフリーゲーム1が当選している場合には、前記図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム1時の当選役の抽選が行われる。一方、既にフリーゲーム2が当選している場合には、前記図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム2時の当選役の抽選が行われる。
【0057】
前記のようにS7の抽選処理が終了した後、S8においては、図柄がスクロールしている可変表示部21乃至25に対応するストップボタン26乃至30が遊技者によって押下操作された場合、その押下操作されたストップボタンから出力されるスイッチ信号をトリガとして可変表示部21乃至25における各図柄のスクロールが停止される。但し、このとき、前記S7でフリーゲーム1が当選した場合で、セブン(7)に当選したときは、例えば、図10に示すように停止表示される。一方、前記S7でフリーゲーム2が当選した場合で、セブン(7)に当選したときは、例えば、図11に示すように停止表示される。
【0058】
尚、本実施形態において、各ストップボタン26乃至30は、所謂、遊技者の技術介入を目的として行われる「目押し操作」とは関係がなく、各ストップボタン26乃至30から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部21乃至25にてスクロールされている各図柄を停止表示する際のトリガとなるだけのものである。従って、各可変表示部21乃至25の図柄は、前記S7で抽選された結果だけに基づいて停止表示される。
【0059】
続くS9においては、S8で各可変表示部21乃至25にて停止表示された当選役の図柄組合せに従って、予め設定されている配当に相当するコイン等が払い出される。以上より、フリーゲームが行われる。
【0060】
そして、前記のようにS9の払出処理が終了すると、S10において、フリーゲームの消化回数が、上記S2で決定された回数に到達したか否かを判断している。このとき、フリーゲームの消化回数が、上記S2で決定された回数に到達したと判断しない場合には(S10:NO)、S6に戻って、上述した処理を繰り返す一方、上記S2で決定された回数に到達したと判断した場合には(S10:YES)、メイン処理プログラムを終了させる。
【0061】
以上説明した通り本実施形態に係るスロットマシン1では、特定条件(フリーゲームのトリガーに当選したこと)が成立した後において(S2)、フリーゲーム1又はフリーゲーム2の抽選が行われ(S2)、このとき、フリーゲーム1が当選した場合には、図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム1時の当選役の抽選が行われ(S7)、さらに、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図14に示す図柄列41乃至45(セブン94の一部が縦方向に2倍に拡大されたもの)が使用されていることから、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、1個のセブン94が増加したことと同じとなり、また、フリーゲーム2が当選した場合には、図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム2時の当選役の抽選が行われ(S7)、さらに、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図15に示す図柄列41乃至45(セブン94の一部が縦方向に3倍に拡大されたもの)が使用されていることから、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、2個のセブン94が増加したことと同じとなる構成としたので、セブン(7)の当選役に当選し易くするとともに、可変表示表示部21乃至25においてスクロールされる図柄のセブン94について実質的に1個又は2個それぞれ増加させることが可能となり、これにより、可変表示部21乃至25において可変表示される図柄の形状に対応して当選役の抽選が行われることから、各種の当選役に当選し易くすることができる。従って、遊技者に対して特定の当選役が揃え易いという期待感を付与することができ、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0062】
また、図13に示すように、可変表示表示部21乃至24において有効入賞ライン上にセブン94が停止表示されると同時に可変表示表示部25において有効入賞ラインの下にセブン94が停止表示される場合には、もう一歩のところで当選に至らなかったと遊技者は印象を受けることになるが、フリーゲーム1の時のように、可変表示表示部21乃至25においてスクロールされる図柄のセブン94が実質的に1個増加された状態にあっては、図10に示すように、可変表示表示部25において縦2倍に拡大されたセブン94の図柄により、当選役の図柄組合せを有効入賞ライン上に停止表示させることができたように遊技者に印象付けることが可能となるので、遊技者の期待感を高めることができる。この点は、フリーゲーム2の時のように、可変表示表示部21乃至25においてスクロールされる図柄のセブン94が実質的に2個増加された状態にあっても同様であり、図11に示すように、可変表示表示部25において縦3倍に拡大されたセブン94の図柄により、当選役の図柄組合せを有効入賞ライン上に停止表示させることができたように遊技者に印象付けることができるので、遊技者の期待感を高めることができる。
【0063】
また、フリーゲーム1又はフリーゲーム2で使用する可変表示部21乃至25において縦に拡大される図柄のセブン94の倍数(形状)に応じて、前記図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブル及び前記図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを設けたので、図柄のセブン94の倍数(形状)が増加する等変化した場合においても、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速にゲーム処理を行うことができる。
【0064】
また、各可変表示部21乃至25にてスクロールされている図柄を停止表示させるトリガとなるストップボタン26乃至30を設けており、その押下操作のタイミングで各可変表示部21乃至25における図柄の停止を行うことができないものの、フリーゲーム1又はフリーゲーム2では、セブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用することにより、可変表示表示部21乃至25において図柄のセブン94が実質的に1個又は2個増加された見かけ上遊技者に有利な状態になるので、当選役の図柄組合せを停止表示させることができるかも知れないという期待感を遊技者に付与することが可能となる。
【0065】
さらに、フリーゲーム1が当選している場合には、図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを使用して、また、フリーゲーム2が当選している場合には、図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム1又はフリーゲーム2時の当選役の抽選が行われ(S7)、その後は、ストップボタン26乃至30による遊技者の停止指示をトリガーとして、当該抽選の結果通りに可変表示表示部21乃至25の図柄をスクロール停止させる(S8)。このとき、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているので、ストップボタン26乃至30のタイミングが不都合なものであっても、縦に2倍又は3倍に拡大されたセブン94の領域を利用して、可変表示表示部21乃至25における図柄の停止の際の動きの不自然さをカバーさせることができる。
【0066】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、前記実施形態に係るスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用することによって、図柄のセブン94が実質的に1個又は2個増加されることについて、図6に示すフリーゲームの抽選テーブルの抽選結果に基づき自動的に決定するように構成されているが、これに限らず、次のように構成してもよい。
【0067】
即ち、図6の抽選テーブルを、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するための抽選テーブルとして扱って、前記図9におけるS1にて受け付けられたスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値により、その選択の決定をしてもよい。
例えば、図6の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲の「0」〜「15」の中で、乱数値が「0」〜「12」のいずれかの場合には、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択し、乱数値が「13」〜「15」のいずれかの場合には、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択する。このとき、各可変表示部21乃至25毎に乱数値を取得して、各可変表示部21乃至25毎に、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列を選択してもよい。これによれば、フリーゲーム1やフリーゲーム2に加えて、通常のゲームでも、図柄のセブン94を実質的に1個又は2個増加させることができる。
【0068】
また、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するために、スロットマシン1に貯留されているクレジット(コインの貯留枚数)からコインの投入が可能な投入ボタンを設けておき、かかる投入ボタンの押下操作回数に応じて、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するように構成してもよい。この場合、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するための変更処理は、前記図9におけるS1にて投入ボタンの押下操作回数をカウントし、そのカウント数に応じて行うようにすればよい。例えば、投入ボタンを1回押下操作すると図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択し、2回押下操作すると図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択する。このとき、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択させるのに必要な投入コイン枚数は、例えば、100枚、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択させるのに必要な投入コイン枚数は300枚とのようにすることができる。
そして、前記のように、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかが選択された後は、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択した場合には、S2の抽選処理において、前記図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブル(乱数値範囲1)を使用して、通常のゲーム時の当選役の抽選が行われ、さらに、S3において、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を使用して、可変表示部21乃至25にて図柄のスクロール表示・停止表示が行われる。一方、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択した場合には、S2の抽選処理において、前記図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブル(乱数値範囲2)を使用して、通常のゲーム時の当選役の抽選が行われ、さらに、S3において、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を使用して、可変表示部21乃至25にて図柄のスクロール表示・停止表示が行われる。これによれば、フリーゲーム1やフリーゲーム2に加えて、通常のゲームでも、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用することによって、図柄のセブン94を実質的に1個又は2個増加させることができる。
尚、上述した点は、前記図9におけるS1にて行われるスタートレバー17の操作、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作によるベット数に対応させて、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択する制御をしても、同様である。
【0069】
また、前記実施形態では、図柄のセブン94を実質的に1個又は2個増加させるために、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を選択するように構成していたが、これに限らず従来のスロットマシンと同様に、周面に図3に示すような図柄配列を形成した5つのリールを可変表示部として回転可能に支持しておき、各リールの裏側にLEDなどの照明手段を設け、その照明手段で各リールの裏側を照らすことにより、各リールで縦に拡大された図柄を浮き出させるように構成することにより達成してもよい。
【0070】
また、ストップボタン16乃至30は、各可変表示部21乃至25に対応して設け、図柄がスクロールされている可変表示部21乃至25に対応するストップボタンを押下操作してトリガ信号を出力するように構成していたが、ゲームにて使用される複数の可変表示部21乃至25の内1つを残して自動的に図柄の停止表示を行い、最後に残された可変表示部に対応するストップボタンからのスイッチ信号のみを受け付けるように構成してもよい。また、一定時間各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われない場合には、タイムアウトとして自動的に各可変表示部21乃至25の図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0071】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図13に示すように、有効入賞ラインとして、センターラインL2のみを使用しているが、可変表示部21乃至25にて停止表示される図柄のセブン94の拡大倍数(形状)に応じて、有効入賞ラインの入賞ラインパターンを変更させてもよい。例えば、図12に示すように、センターラインL2に加えて、トップラインL1、ボトムラインL3、クロスダウンラインとクロスアップラインを組み合わせたクロスダウン・アップラインL4、及び、クロスアップラインとクロスダウンラインを組み合わせたクロスアップ・ダウンラインL5の5つの入賞ラインを備えておき、可変表示部21乃至25にて停止表示される図柄のセブン94の拡大倍数(形状)に応じて、有効化される入賞ラインを決めてもよい。尚、図12に示す例では、トップラインL1、センターラインL2及びクロスダウン・アップラインL4に沿ってセブン94が停止表示されてセブン(7)が成立した例を示しているので、センターラインL2に加えてトップラインL1とクロスダウン・アップラインL4までも有効化されていると、セブン(7)の当選役に当選し易くすることができる。従って、遊技者に対して特定の当選役が揃え易いという期待感を付与することができ、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
すなわち、可変表示部21乃至25にて停止表示される図柄のセブン94の拡大倍数(形状)に応じて、当選役の態様及び有効入賞ラインL1乃至L5を変化させることができ、これよりゲームのバリエーションの豊富化を図って多彩なゲームを行うことができる。
【0072】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているが、上又は下にブランク(図柄が存在していない領域)96が1個存在するセブン94については、当該セブン94及び当該ブランク(図柄が存在していない領域)96が可変表示部21乃至25に停止表示される際に、当該セブン94を上又下に2倍又は3倍に拡大させて停止表示させてもよい。
【0073】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値によって、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に停止表示される全ての図柄を決定していたが(図5、図7、図8参照)、この点、有効入賞ライン上に停止表示される図柄を各可変表示部21乃至25毎に決定してもよい。そのためには、例えば、図3に示された各可変表示部21乃至25毎の図柄列41乃至45に対し0〜10のコードを割り当てておき、図16に示すような抽選テーブルを備えればよい。そして、各可変表示部21乃至25毎に対応するように5つの乱数値をサンプリングし、例えば、このとき、可変表示部21に対応する乱数値が「1」の場合には、コード1が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部22に対応する乱数値が「2」の場合には、コード2が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部23に対応する乱数値が「3」の場合には、コード3が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部24に対応する乱数値が「4」の場合には、コード4が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部25に対応する乱数値が「5」の場合には、コード5が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0074】
尚、図14に示したように、各可変表示部21乃至25でスクロール表示・停止表示を行う図柄列として、一部のセブン94が縦2倍に拡大された図柄列41乃至45を使用する場合には、縦2倍に拡大されたセブン94に対しては、0〜10のコードのうち、2つのコードをを割り当てておく。
また、図15に示したように、各可変表示部21乃至25でスクロール表示・停止表示を行う図柄列として、一部のセブン94が縦3倍に拡大された図柄列41乃至45を使用する場合には、縦3倍に拡大されたセブン94に対しては、0〜10のコードのうち、3つのコードをを割り当てておく。
【0075】
もっとも、図16に示す抽選テーブルでは、各コードに対して乱数値が均等に振り分けられているが、例えば、フリーゲームに移行するためのジョーカー97を有効入賞ライン上に停止表示させにくくするためには、図17に示す抽選テーブルのように、各コードに対して乱数値が偏りをもって振り分けられたものを使用すればよい。
【0076】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているが、この点、ブランク(図柄が存在していない領域)96と上又は下で隣接しているのであれば、拡大対象は、セブン94以外のトリプルBAR91、チェリー92、シングルBAR95のいずれであってもよい。
【0077】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているが、この点、可変表示部21乃至25に渡って横方向に2倍〜5倍に拡大させた図柄列を使用してもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る遊技機では、特定の条件が成立した場合に、図柄の可変表示を行う複数列の可変表示部において可変表示される図柄の形状を図柄制御手段により決定するとともに、図柄制御手段により決定された図柄の形状に対応して当選役の抽選を行うように構成されているので、ゲームで使用する可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更させることが可能となり、これにより、可変表示部において可変表示される図柄の形状に対応して当選役の抽選が行われることから、各種の当選役に当選し易くすることができる。従って、遊技者に対して特定の当選役が揃え易いという期待感を付与することができ、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0079】
また、請求項2に係る遊技機では、図柄制御手段により制御される図柄の形状に応じた複数の当選役抽選テーブルを有し、当選役抽選手段は、複数の当選役抽選テーブルの内、図柄制御手段により制御される図柄の形状に対応するものを使用して当選役の抽選を行うように構成されているので、可変表示部において可変表示される図柄の形状が変更する等変化した場合においても、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速にゲーム処理を行うことができる。
【0080】
また、請求項3に係る遊技機では、可変表示制御手段を介して可変表示部にて可変表示されている図柄の停止指示を行う停止指示手段、及び、停止指示手段からの停止指示に基づき可変表示部の図柄を停止させる停止制御手段とを備えたので、可変表示部の図柄の形状が変更した状態で当選役の図柄組合せを停止表示させることができるかも知れないという期待感を遊技者に付与することが可能となる。
さらに、当選役の抽選を行った後、停止指示手段による遊技者の停止指示をトリガーとして、当該抽選の結果通りに可変表示部の図柄を停止制御手段で停止させる制御を行うと、当該指示停止のタイミングによっては、可変表示部における図柄の停止の際の動きが不自然となる場合も考えられる。しかし、請求項3に係る遊技機では、可変表示部で可変表示されている図柄の形状が変化するので、図柄の形状が変化した領域を利用して、可変表示部における図柄の停止の際の動きの不自然さをカバーさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの斜視図である。
【図2】下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
【図3】通常のゲームにおいて可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図4】スロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図5】通常のゲーム時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図6】フリーゲームの抽選テーブルを示す説明図である。
【図7】フリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図8】フリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図9】メイン処理プログラムのフローチャートである。
【図10】フリーゲーム1において各可変表示部で停止表示される図柄例を示す説明図である。
【図11】フリーゲーム2において使用される各可変表示部の図柄例を示す説明図である。
【図12】有効入賞ラインが増加した場合を示す説明図である。
【図13】有効入賞ラインを示す説明図である。
【図14】フリーゲーム1において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図15】フリーゲーム2において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図16】有効入賞ライン上で停止表示される図柄を各可変表示部毎に決定するための抽選テーブルを示す説明図である。
【図17】有効入賞ライン上で停止表示される図柄を各可変表示部毎に決定するための抽選テーブルを示す説明図である。
【図18】下側液晶ディスプレイの液晶駆動回路を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
4 下側液晶ディスプレイ
5 操作テーブル
33 液晶パネル
50 CPU
51 ROM
52 RAM
L1〜L5 有効入賞ライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数列の可変表示部における図柄が有効入賞ラインに沿って停止した場合に一定の特典を付与する遊技機に関し、特に、可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更可能としたスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スロットマシンでは、外周面に各種の図柄を形成した複数のリールを回転可能に設けておき、各リールにおける図柄が有効入賞ラインに沿って所定の組合せで停止表示された場合に、メダル等を払い出すように構成されていた。
【0003】
この点、海外で多く普及しているスロットマシンでは、SPINボタン押下後、リール毎に停止図柄を決定し、各リールを回転させ、一定時間経過した後に、各リール毎に決定された停止図柄に自動的に停止させていた。従って、遊技者は、SPINボタンを押下した後は、ゲーム操作をすることがなく、自動的に停止する図柄の組合せが所定の組合せになることを期待するのみであった。つまり、遊技者にとって受身的なゲームになりがちであった。
特に、ゲームに関与した所定回数のフリースピン(新たにメダルを投入することなしに、リールが自動的に回転し始め、一定時間経過後に停止し、停止した図柄の組合せに応じてメダル等を払出を行う動作)を行えるフリーゲームに移行した場合には、当該フリースピンの回数が多くなるほど、ゲームに関与できない状態(停止の組合せを見るだけ)が長く続くことになる。そこで、従来では、遊技者のゲームに対する興味を持たせるための様々な工夫がされていた。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、ゲームを開始した後に、3つの各リールに形成されたシンボルマークの組合せ抽選を行うとともに、有効入賞ラインの抽選を行うように構成されたスロットマシンが記載されており、かかるスロットマシンでは、抽選により決定されて停止表示されるシンボルマークの組合せに対して、有効入賞ラインの位置や数を可変とすることができるので、遊技者のゲームに対する興味をゲームの終了まで持続することが可能となる。そして、下記の特許文献1に記載されたスロットマシンでは、抽選により有効入賞ライン数が増加する場合には、シンボルマークの組合せの当選確率を高くすることも可能である。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−244453号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に記載されたスロットマシンであっても、有効入賞ラインに沿って自動的に停止表示された各リールの図柄について、あと一つ図柄が揃っていたならば、所定の組合せとなる場合、すなわち、もう一歩のところで当選に至らない場合は、依然として、多々あった。
また、そのような場合でも、遊技者は、自動的に停止する図柄の組合せが所定の組合せになることを期待するのみであり、受身的なゲームにはかわりわなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、特定の条件が成立した場合に、ゲームで使用される可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更することにより、特定の図柄の組合せを揃え易い状態にすることが可能な遊技機を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、複数列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)を有するとともに、各列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)の図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)が有効入賞ライン(例えば、L2)に沿って所定の組合せで停止した場合に特典を付与する遊技機(例えば、スロットマシン1)において、前記可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)における図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御手段(例えば、CPU50、S6)と、特定の条件が成立することに基づき、前記複数列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)で可変表示される図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状を制御する図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)と、前記図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)により制御された図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状に対応して当選役の抽選を行う当選役抽選手段(例えば、CPU50、S7)と、を備えたこと、を特徴としている。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、前記図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)により制御される図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状に応じた複数の当選役抽選テーブル(例えば、図7、図8の当選役抽選テーブル)を有し、前記当選役抽選手段(例えば、CPU50、S7)は、複数の当選役抽選テーブル(例えば、図7、図8の当選役抽選テーブル)の内、前記図柄制御手段(例えば、CPU50、S2)により制御される図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の形状に対応するもの(例えば、図7、図8の当選役抽選テーブル)を使用して当選役の抽選を行うこと、を特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載する遊技機(例えば、スロットマシン1)であって、前記可変表示制御手段(例えば、CPU50、S6)を介して可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25)にて可変表示されている図柄(例えば、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95)の停止指示を行う停止指示手段(例えば、ストップボタン26乃至30)と、前記停止指示手段からの停止指示に基づき可変表示部の図柄を停止させる停止制御手段(例えば、CPU50、S8)と、を備えたこと、を特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機について、本発明をスロットマシンに具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るスロットマシンの概略構成について図1に基づき説明する。図1はスロットマシンの斜視図である。
【0012】
図1において、スロットマシン1はその全体を形成するキャビネット2を有しており、かかるキャビネット2の前面上部には上側液晶ディスプレイ3が配設され、また、キャビネット2の前面中央部には下側液晶ディスプレイ4が配設されている。ここに、上側液晶ディスプレイ3は一般に汎用されている液晶ディスプレイから構成されており、また、下側液晶ディスプレイ4は、所謂、透明液晶ディスプレイから構成されている。上側液晶ディスプレイ3には、ゲーム方法、当選役の種類とその配当、ゲームに関する各種演出等ゲームに関する情報が表示される。また、下側液晶ディスプレイ4には、図1に示されているように、基本的に、5つの可変表示部21、22、23、24及び25が表示されるとともに、各可変表示部21乃至25において後述する各種の図柄を上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示する。尚、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造については後述する。
【0013】
下側液晶ディスプレイ4の下側には、手前側に突出された操作テーブル5が設けられており、かかる操作テーブル5には、最も左側から両替(CHANGE)ボタン6、払い戻し(CHASHOUT)ボタン7、ヘルプ(HELP)ボタン8が配置されており、また、ヘルプボタン8の右側には、コイン投入部9、紙幣投入部10が設けられている。また、操作テーブル5の手前側にて左側から、1−BETボタン11、SPIN/REPEAT BETボタン12、3−BETボタン13、及び、5−BETボタン14が配置されている。
ここに、両替ボタン6は、紙幣投入部10に投入した紙幣を両替する際に押下されるボタンであり、両替されたコインは、キャビネット2の下部に設けられたコイン払出口15からコイン受け部16に払い出される。かかる両替ボタン6には、後述する両替(CHANGE)スイッチ62が付設されており、両替ボタン6の押下に基づき両替スイッチ62からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0014】
払い戻しボタン7は、通常のゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン7が押下されると、ゲームにて獲得したコインがコイン払出口15からコイン受け部16に払い戻される。尚、払い戻しボタン7には、後述する払い戻し(CASHOUT)スイッチ63が付設されており、払い戻しボタン7の押下に基づきスイッチ信号がCPU50に出力される。
ヘルプボタン8は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8が押下されると、上側液晶ディスプレイ3や下側液晶ディスプレイ4に各種のヘルプ情報が表示される。かかるヘルプボタン8には、後述するヘルプ(HELP)スイッチ64が付設されており、ヘルプボタン8の押下に基づきヘルプスイッチ64からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0015】
コイン投入部9には、後述するコインセンサ65が配置されており、コイン投入部9にコインが投入されると、コインセンサ65を介してコイン検出信号がCPU50に出力される。また、紙幣投入部10には、紙幣センサ66が配置されており、紙幣投入部10に紙幣が投入されると、紙幣センサ66を介して紙幣検出信号がCPU50に出力される。
1−BETボタン11は、1回押下する毎に1ずつベットされるボタンであり、この1−BETボタン11には、後述する1−BETスイッチ59が付設されており、1−BETボタン11が押下されると、その押下に基づき1−BETスイッチ59からCPU50にスイッチ信号が出力される。
スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12は、押下されることに基づき現在のベット数又は前回のベット数でゲームを開始すべく、下側液晶ディスプレイ4の各可変表示部21乃至25にて各図柄の変動表示が開始されるボタンである。スピンボタン12には、後述するスピンスイッチ58が付設されており、スピンボタン12が押下されると、その押下に基づきスピンスイッチ58からスイッチ信号がCPU50に出力される。尚、スピンボタン12の押下により、賭けることが可能なベット数としては、1、2、3、5ベットが存在し得る。
【0016】
3−BETボタン13は、その押下に基づき3ベットでゲームを開始するためのボタンである。かかる3−BETボタン13には、後述する3−BETスイッチ60が付設されており、その押下時には3−BETスイッチ60からスイッチ信号がCPU50に出力される。また、5−BETボタン14は、その押下に基づき5ベットでゲームを開始させるボタンである。尚、5−BETボタン14には、後述する5−BETスイッチ61が付設されており、その押下に基づき5−BETスイッチ61からスイッチ信号がCPU50に出力される。
また、キャビネット2の下部には、コイン払出口15が形成されるとともに、コイン払出口15から払い出されたコインを受けるコイン受け部16が設けられている。コイン払出口15の内部には、センサ等より構成される後述のコイン検出部73が配置されており、コイン検出部73はコイン払出口15から払い出されるコインの枚数を検出する。
【0017】
また、操作テーブル5における最も手前側には、前記各可変表示部21乃至25のそれぞれに対応して、ストップボタン26乃至30が設けられている。これらの各ストップボタンは、後述するように、その対応する可変表示部でスクロールされている図柄を停止表示させる際に押下操作されるものであるが、その押下操作のタイミングで図柄を停止表示させることができるものではない。各ストップボタン26乃至30の押下操作に基づきストップボタンスイッチ67から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部にてスクロールされている図柄を停止表示させる際のトリガとして使用されるだけのものである。
【0018】
更に、キャビネット2の側面(図1中右側面)には、スタートレバー17が所定角度範囲で回動自在に取り付けられている。かかるスタートレバー17には後述するスタートスイッチ57が付設されており、スタートレバー17の回動時にスタートスイッチ57から発せられるスイッチ信号はCPU50に出力される。
【0019】
続いて、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造について、図2に基づき説明する。図2は下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
図2において、下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1のキャビネット2の前面中央部に設けられた機器前面パネルの表示窓部の内側に配置されている。
【0020】
下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1の前面側から、リールガラスベース31、ベゼル金属枠32、液晶パネル33、液晶ホルダ34、拡散シート35、導光板36、白色のリフレクタ37、リアホルダ38、及び、帯電防止シート39が配置されて構成されている。拡散シート35には、開口部35A、35B、35C、35D、35Eが形成されており、同様に、導光板36、リフレクタ37及びリアホルダ38には、開口部35A〜35Eに一致するように、それぞれ開口部36A、36B、36C、36D、36E、開口部37A、37B、37C、37D、37E、開口部38A、38B、38C、38D、38Eが形成されている。各開口部35A〜38Aは、相互に一致するように重ねられて可変表示部21(図1参照)を構成し、各開口部35B〜38Bは同様に可変表示部22(図1参照)を構成し、各開口部35C〜38Cは同様に可変表示部23(図1参照)を構成し、各開口部35D〜38Dは同様に可変表示部24(図1参照)を構成し、また、各開口部35E〜38Eは同様に可変表示部25(図1参照)を構成する。
ここに、拡散シート35の開口部35A〜35E及び導光板36の開口部36A〜36Eは、各可変表示部21〜25の視認性を確保する透過領域を構成している。
【0021】
また、導光板36の上下端には、液晶パネル33の光源として一対の陰極線管(図示せず)が設けられている。また、リアホルダ38の各開口部38A〜38Dの背面側上下には、一対の冷陰極線(図示せず)が設けられている。
液晶パネル33は、ITO等からなる透明な電気的表示パネルであり、その表示部の周囲の背面側は液晶ホルダ34によって保持されている。導光板36は、光透過性の樹脂パネルからなり、側部に位置する冷陰極線管(図示せず)から出射された光を液晶表示パネル33の背面側に導くレンズカットが形成されている。拡散シート35は、光透過性の樹脂シートからなり、導光板36で導かれた光を拡散して、液晶表示パネル33に照射される光を均一化する。液晶表示パネル33を保持する液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、一体化されてその周囲がベゼル金属枠32に挿入されている。この挿入により、液晶パネル33における表示部の前面側はベゼル金属枠32によって保持される。
【0022】
ベゼル金属枠32に嵌められて一体化された液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、その周囲が更にリールガラスベース31に挿入されており、液晶パネル33の表示前面を開口した状態でリールガラスベース31によって保持されている。
リアホルダ38は、白色の樹脂板からなり、リールガラスベース31に支持されたベゼル金属枠32、液晶パネル33を保持した液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36を背後からリールガラスベース31に保持している。このリアホルダ38は、冷陰極線管42から導光板36に出射された光を液晶パネル33側へ反射する反射板としても機能している。帯電防止シート39は、透明で、リアホルダ38の背面に両面テープで接着されており、リアホルダ38に形成された各開口部38A〜38Eの背面を覆っている。
【0023】
続いて、図3に基づき、各可変表示部21乃至25にてスクロールしながら可変表示される図柄例について説明する。図3は、通常のゲームにおいて使用される図柄列を示すものであって、図柄列41は可変表示部21にて可変表示される図柄列、図柄列42は可変表示部22にて可変表示される図柄列、図柄列43は可変表示部23にて可変表示される図柄列、図柄列44は可変表示部24にて可変表示される図柄列、また、図柄列45は可変表示部25にて可変表示される図柄列である。
ここに、図柄列41、42、44及び45は、共に同一図柄配列を有しており、これらの各図柄列は、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95及びブランク(図柄が存在していない領域)96が適宜組み合わされて11個の図柄から構成されている。
【0024】
また、図柄列43は、トリプルBAR91、チェリー92、セブン94、シングルBAR95及びブランク96が組み合わされている点で前記各図柄列41、42、44、45と同様であるが、更に、ジョーカー97が1個配列されている。かかるジョーカー97は、後述するように、通常のゲームにおいては、フリーゲームに移行するためのシンボルであり、可変表示部23における有効入賞ライン(後述する)上で停止表示された場合にフリーゲームに移行することができる。また、フリーゲームにおいては、配当を2倍にするシンボルとなる。
【0025】
尚、各可変表示部21乃至25においてスクロールされている各図柄列41乃至45が停止表示される場合、3つの図柄がそれぞれの可変表示部で停止表示される。
また、前記各図柄の複数種類の組合せに基づき各種の当選役が予め設定されており、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上で停止した際に、当選役に応じてコインがコイン払出口15から払い出される点については従来のスロットマシンと同様であり、ここではその説明を省略する。
【0026】
次に、スロットマシン1の制御系に係る構成について図4に基づき説明する。図4はスロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
図4において、スロットマシン1の制御系は、基本的に、CPU50を核として構成されており、CPU50にはROM51及びRAM52が接続されている。ROM51は、後述するメイン処理プログラム、ゲームの進行に伴って上側液晶ディスプレイ3及び下側液晶ディスプレイ4に各種の演出を行うための各種演出プログラム、通常のゲームの当選役を抽選するための抽選テーブル、フリーゲームの内容を抽選するための抽選テーブル、フリーゲームに対応して当選役を抽選するための抽選テーブル、その他スロットマシン1の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM52は、CPU50で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0027】
また、CPU50には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路53及び分周器54が接続されており、また、乱数を発生する乱数発生器55及び乱数サンプリング回路56が接続されている。乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数は、当選役、演出等の各種の抽選に使用される。更に、CPU50には、スタートレバー17に付設されるスタートスイッチ57、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12に付設されるスピンスイッチ58、1−BETボタン11に付設される1−BETスイッチ59、3−BETボタン13に付設される3−BETスイッチ60、5−BETボタン14に付設される5−BETスイッチ61、両替ボタン6に付設される両替(CHANGE)スイッチ62、払い戻しボタン7に付設される払い戻し(CASHOUT)スイッチ63、及び、ヘルプボタン8に付設されるヘルプ(HELP)スイッチ64が、それぞれ接続されている。CPU50は、各ボタンの押下により各スイッチから出力されるスイッチ信号に基づき、各ボタンに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0028】
更に、CPU50には、コイン投入部9に配置されるコインセンサ65及び紙幣投入部10に配置される紙幣センサ66が、それぞれ接続されている。コインセンサ65はコイン投入部9から投入されたコインを検出し、CPU50はコインセンサ65から出力されるコイン検出信号に基づき投入されたコイン枚数を演算する。紙幣センサ66は、紙幣投入部10から投入された紙幣の種類・額を検出し、CPU50は紙幣センサ66から出力される紙幣検出信号に基づき紙幣の額と等価なコイン枚数を演算する。また、CPU50には、各ストップボタン26乃至30に付設されるストップボタンスイッチ67が接続されている。各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われると、ストップボタンスイッチ67からはスイッチ信号が出力され、そのスイッチ信号に基づきCPU50は各可変表示部21乃至25にてスクロールされている図柄の停止表示を行う。
【0029】
CPU50には、ホッパー駆動回路70を介してホッパー71が接続されている。CPU50から駆動信号がホッパー駆動回路70に出力されると、ホッパー71は、所定枚数のコインをコイン払出口15から払い出す。
また、CPU50には、払出完了信号回路72を介してコイン検出部73が接続されている。コイン検出部73はコイン払出口15の内部に配置されており、コイン払出口15から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部73からコイン払出検出信号が払出完了信号回路72に出力され、これに基づき払出完了信号回路72は、CPU50に対して払出完了信号を出力する。更に、CPU50には、液晶駆動回路74を介して上側液晶ディスプレイ3が接続され、また、液晶駆動回路75を介して下側液晶ディスプレイ4が接続されている。
この点、液晶駆動回路75は、図18に示すように、プログラムROM81、画像ROM82、画像制御CPU83、ワークRAM84、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)85及びビデオRAM86などで構成されている。そして、プログラムROM81には、下側液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROM82には、例えば、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)で表示される図3の図柄列41〜45や、後述する図14及び図15の図柄列41〜45など、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPU83は、CPU50で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM81内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM82内に予め記憶されたドットデータの中から下側液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAM84は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU83で実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDP85は、画像制御CPU83で決定された表示内容に応じた画像を形成し、下側液晶ディスプレイ4に出力するものである。これにより、例えば、図3の図柄列41〜45や、後述する図14又は図15の図柄列41〜45などが、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)でスクロール表示される。尚、ビデオRAM86は、VDP85で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0030】
また、CPU50には、LED駆動回路77を介してLED78が接続されている。LED78は、スロットマシン1の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU50からの駆動信号に基づきLED駆動回路77により点灯制御されるものである。更に、音出力回路79及びスピーカ80がCPU50に接続されており、スピーカ80は、音出力回路79からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0031】
ここで、スロットマシン1にて通常のゲームを行うに際して、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図5に基づき説明する。図5は通常のゲーム時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【0032】
図5において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、以下、乱数値範囲1について説明する。すなわち、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜3の範囲にある場合には、フリーゲームのトリガーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、フリーゲームに移行することができる。ここに、フリーゲームとは、通常のゲームが行われた後に行われるゲームであり、一般に遊技者に有利なゲームとなっている場合が多い。例えば、フリーゲームに移行すると、コイン等をベットすることなく、フリーゲームのランクに応じて10ゲーム、20ゲーム又は30ゲーム連続してゲームが行われる。このとき、フリーゲームでは、各種の当選役に当選確率が高く設定されているのが一般的であり、従って、遊技者は多量のコイン等を獲得できることが多い。
尚、ここでは、フリーゲームとして、フリーゲーム1とフリーゲーム2とが用意されている。
【0033】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、4〜15の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、セブン94が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が16〜31の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が32〜255の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が256〜511の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0034】
尚、サンプリングされた乱数値が512〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
【0035】
また、乱数値範囲2について説明すると、すなわち、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜6の範囲にある場合には、フリーゲームのトリガーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、フリーゲームに移行することができる。
【0036】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、7〜55の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、セブン94が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が56〜265の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が266〜613の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が614〜1023の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0037】
尚、サンプリングされた乱数値が1024〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。ここで、乱数値範囲1と乱数値範囲2とを比較すると、はずれに当選する範囲が、乱数値範囲2よりも乱数値範囲1の方が広いことがわかる。
【0038】
次に、有効入賞ラインのパターンについて、図13に基づき説明する。図13は、有効入賞ラインを示す説明図である。ここでは、センターラインL2の入賞ラインのみが有効化される。
尚、図13に示す例では、可変表示部25を除き、センターラインL2に沿って、セブン94が停止表示された例を示している。
【0039】
次に、フリーゲームを抽選する際に使用される抽選テーブル及びそのフリーゲームにおいて使用される各可変表示部21乃至25の図柄例について、図6、図10、図11、図14及び図15に基づき説明する。図6はフリーゲームの抽選テーブルを示す説明図である。図10はフリーゲーム1において各可変表示部21乃至25で停止表示される図柄例を示す説明図である。図11はフリーゲーム2において各可変表示部21乃至25で停止表示される図柄例を示す説明図である。図14はフリーゲーム1において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。図15はフリーゲーム2において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
尚、ここでは、上述したように、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示されると、通常のゲームが行われた後にフリーゲームに移行することができるが、この点、フリーゲームとして、フリーゲーム1とフリーゲーム2とが用意されている。
【0040】
そして、図6に示すように、フリーゲームの抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜15であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜12の範囲にある場合には、通常のゲームが行われた後にフリーゲーム1に移行することができる。さらに、フリーゲーム1が行われるときは、図14に示す図柄列41乃至45が使用される。この点、図14に示す各図柄列41乃至45を、通常のゲームで使用される図3のものと比較すると、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に2倍に拡大されている。従って、各可変表示部21乃至25でセブン94が停止表示される際には、例えば、図10に示すように、縦方向に2倍に拡大されたセブン94が停止表示されることがあり、このとき、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、1個のセブン94が増加したことと同じとなる。
【0041】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が13〜15の範囲にある場合には、通常のゲームが行われた後にフリーゲーム2に移行することができる。さらに、フリーゲーム2が行われるときは、図15に示す図柄列41乃至45が使用される。この点、図15に示す各図柄列41乃至45を、通常のゲームで使用される図3のものと比較すると、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に3倍に拡大されている。従って、各可変表示部21乃至25でセブン94が停止表示される際には、例えば、図11に示すように、縦方向に3倍に拡大されたセブン94が停止表示されることがあり、このとき、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、2個のセブン94が増加したことと同じとなる。
【0042】
次に、スロットマシン1にてフリーゲーム1を行うに際して、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図7に基づき説明する。図7はフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【0043】
図7において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜3の範囲にある場合には、ジョーカーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が2倍となる。
【0044】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、4〜1256の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、縦2倍に拡大されたものも含めてセブン94が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が100となる。同様に、サンプリングされた乱数値が1257〜1272の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が40となる。同様に、サンプリングされた乱数値が1273〜1486の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が10となる。同様に、サンプリングされた乱数値が1487〜1742の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示され、配当が5となる。
【0045】
尚、サンプリングされた乱数値が1743〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。尚、配当はない。
この点、図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブルと比べてみると、はずれに当選する乱数値の範囲が狭いことから、フリーゲーム1では、当選役に当選する確率が高く設定されている。特に、通常のゲーム時に比べて、セブン(7)に当選する確率が高くなっているが、これは、各可変表示部21乃至25でスクロール表示されるセブン94が実質的に1個増加することを踏まえたものである。なぜなら、フリーゲーム1が行われるときは、図14に示す図柄列41乃至45が使用されるが、図14に示す各図柄列41乃至45では、通常のゲームで使用される図3のものと比べると、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に2倍に拡大されているからである。以上より、フリーゲーム1に移行すれば、遊技者は多量のコイン等を獲得できる場合が多い。
【0046】
次に、スロットマシン1にてフリーゲーム2を行うに際して、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図8に基づき説明する。図8はフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【0047】
図8において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜3の範囲にある場合には、ジョーカーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ライン上に停止表示され、再びフリーゲームに移行することができる。
【0048】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、4〜4828の範囲にある場合には、セブン(7)に当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、縦3倍に拡大されたものも含めてセブン94が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が4829〜4844の範囲にある場合には、トリプルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が4845〜5068の範囲にある場合には、シングルBARに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ライン上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が5069〜5323の範囲にある場合には、チェリーに当選する。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0049】
尚、サンプリングされた乱数値が5324〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
また、配当については、前記図7のフリーゲーム1の当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルと同様である。
この点、図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブルと比べてみると、はずれに当選する乱数値の範囲が狭いことから、フリーゲーム2では、当選役に当選する確率が高く設定されている。特に、通常のゲーム時に比べて、セブン(7)に当選する確率が高くなっているが、これは、各可変表示部21乃至25でスクロール表示されるセブン94が実質的に2個増加することを踏まえたものである。なぜなら、フリーゲーム1が行われるときは、図15に示す図柄列41乃至45が使用されるが、図15に示す各図柄列41乃至45では、通常のゲームで使用される図3のものと比べると、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96を利用して、1個のセブン94が縦方向に3倍に拡大されているからである。以上より、フリーゲーム2に移行すれば、遊技者は多量のコイン等を獲得できる場合が多い。
【0050】
続いて、スロットマシン1で行われるメイン処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9はメイン処理プログラムのフローチャートである。図9において、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、スタート受付処理が行われる。この処理は、スタートレバー17の操作、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作に基づいてスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号を受け付ける処理である。各スイッチから出力されたスイッチ信号を受け付けた時点で、通常のゲームが開始される。
【0051】
続くS2においては、前記したスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、前記図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブル(乱数値範囲1)を使用して、通常のゲーム時の当選役の抽選が行われる。このとき、フリーゲームのトリガーに当選したことを条件として、前記図6のフリーゲームの抽選テーブルを使用することにより、フリーゲーム1又はフリーゲーム2の抽選が行われ、さらに、フリーゲームの連続実行回数が10ゲーム、20ゲーム、30ゲームの中から決定される。
【0052】
前記のようにS2の抽選処理が終了した後、S3においては、S1にて受け付けられたスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、可変表示表示部21乃至25にて各図柄(図3に示す各図柄列41乃至45)のスクロールが行われる。そして、図柄がスクロールしている可変表示部21乃至25に対応するストップボタン26乃至30が遊技者によって押下操作された場合、その押下操作されたストップボタンから出力されるスイッチ信号をトリガとして可変表示部21乃至25における各図柄のスクロールが停止される。
【0053】
尚、本実施形態において、各ストップボタン26乃至30は、所謂、遊技者の技術介入を目的として行われる「目押し操作」とは関係がなく、各ストップボタン26乃至30から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部21乃至25にてスクロールされている各図柄を停止表示する際のトリガとなるだけのものである。従って、各可変表示部21乃至25の図柄は、前記S2で抽選された結果だけに基づいて停止表示される。
【0054】
続くS4においては、S3で各可変表示部21乃至25にて停止表示された当選役の図柄組合せに従って、予め設定されている配当に相当するコイン等が払い出される。以上より、通常のゲームが行われる。
【0055】
そして、前記のようにS4の払出処理が終了すると、S5において、特定条件が成立したか否かを判断する。ここで、特定条件とは、具体的に言えば、S2の抽選処理においてフリーゲームのトリガーに当選したことをいう。このとき、特定条件が成立したと判断しない場合には(S5:NO)、メイン処理は終了する。一方、特定条件が成立したと判断した場合には(S5:YES)、S6に進んで、可変表示表示部21乃至25にて各図柄のスクロールが自動的に開始され、フリーゲームが開始される。このとき、前記S2でフリーゲーム1が当選した場合には、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図14に示す各図柄列41乃至45が使用される。一方、前記S2でフリーゲーム2が当選した場合には、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図15に示す各図柄列41乃至45が使用される。その後、可変表示表示部21乃至25における各図柄のスクロールを停止させるために、ストップボタン26乃至30の押下を行うことを、遊技者に対して、下側液晶ディスプレイ4に表示される文字(例えば、「switch on」)やストップボタン26乃至30の点滅によって促す。
【0056】
続くS7においては、当該S7に移行したタイミングに基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、このとき、既にフリーゲーム1が当選している場合には、前記図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム1時の当選役の抽選が行われる。一方、既にフリーゲーム2が当選している場合には、前記図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム2時の当選役の抽選が行われる。
【0057】
前記のようにS7の抽選処理が終了した後、S8においては、図柄がスクロールしている可変表示部21乃至25に対応するストップボタン26乃至30が遊技者によって押下操作された場合、その押下操作されたストップボタンから出力されるスイッチ信号をトリガとして可変表示部21乃至25における各図柄のスクロールが停止される。但し、このとき、前記S7でフリーゲーム1が当選した場合で、セブン(7)に当選したときは、例えば、図10に示すように停止表示される。一方、前記S7でフリーゲーム2が当選した場合で、セブン(7)に当選したときは、例えば、図11に示すように停止表示される。
【0058】
尚、本実施形態において、各ストップボタン26乃至30は、所謂、遊技者の技術介入を目的として行われる「目押し操作」とは関係がなく、各ストップボタン26乃至30から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部21乃至25にてスクロールされている各図柄を停止表示する際のトリガとなるだけのものである。従って、各可変表示部21乃至25の図柄は、前記S7で抽選された結果だけに基づいて停止表示される。
【0059】
続くS9においては、S8で各可変表示部21乃至25にて停止表示された当選役の図柄組合せに従って、予め設定されている配当に相当するコイン等が払い出される。以上より、フリーゲームが行われる。
【0060】
そして、前記のようにS9の払出処理が終了すると、S10において、フリーゲームの消化回数が、上記S2で決定された回数に到達したか否かを判断している。このとき、フリーゲームの消化回数が、上記S2で決定された回数に到達したと判断しない場合には(S10:NO)、S6に戻って、上述した処理を繰り返す一方、上記S2で決定された回数に到達したと判断した場合には(S10:YES)、メイン処理プログラムを終了させる。
【0061】
以上説明した通り本実施形態に係るスロットマシン1では、特定条件(フリーゲームのトリガーに当選したこと)が成立した後において(S2)、フリーゲーム1又はフリーゲーム2の抽選が行われ(S2)、このとき、フリーゲーム1が当選した場合には、図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム1時の当選役の抽選が行われ(S7)、さらに、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図14に示す図柄列41乃至45(セブン94の一部が縦方向に2倍に拡大されたもの)が使用されていることから、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、1個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、1個のセブン94が増加したことと同じとなり、また、フリーゲーム2が当選した場合には、図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム2時の当選役の抽選が行われ(S7)、さらに、可変表示表示部21乃至25にてスクロールされる各図柄として、図15に示す図柄列41乃至45(セブン94の一部が縦方向に3倍に拡大されたもの)が使用されていることから、各可変表示部21乃至25では、実質的に言えば、2個のブランク(図柄が存在していない領域)96がセブン94にそれぞれ変更され、2個のセブン94が増加したことと同じとなる構成としたので、セブン(7)の当選役に当選し易くするとともに、可変表示表示部21乃至25においてスクロールされる図柄のセブン94について実質的に1個又は2個それぞれ増加させることが可能となり、これにより、可変表示部21乃至25において可変表示される図柄の形状に対応して当選役の抽選が行われることから、各種の当選役に当選し易くすることができる。従って、遊技者に対して特定の当選役が揃え易いという期待感を付与することができ、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0062】
また、図13に示すように、可変表示表示部21乃至24において有効入賞ライン上にセブン94が停止表示されると同時に可変表示表示部25において有効入賞ラインの下にセブン94が停止表示される場合には、もう一歩のところで当選に至らなかったと遊技者は印象を受けることになるが、フリーゲーム1の時のように、可変表示表示部21乃至25においてスクロールされる図柄のセブン94が実質的に1個増加された状態にあっては、図10に示すように、可変表示表示部25において縦2倍に拡大されたセブン94の図柄により、当選役の図柄組合せを有効入賞ライン上に停止表示させることができたように遊技者に印象付けることが可能となるので、遊技者の期待感を高めることができる。この点は、フリーゲーム2の時のように、可変表示表示部21乃至25においてスクロールされる図柄のセブン94が実質的に2個増加された状態にあっても同様であり、図11に示すように、可変表示表示部25において縦3倍に拡大されたセブン94の図柄により、当選役の図柄組合せを有効入賞ライン上に停止表示させることができたように遊技者に印象付けることができるので、遊技者の期待感を高めることができる。
【0063】
また、フリーゲーム1又はフリーゲーム2で使用する可変表示部21乃至25において縦に拡大される図柄のセブン94の倍数(形状)に応じて、前記図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブル及び前記図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを設けたので、図柄のセブン94の倍数(形状)が増加する等変化した場合においても、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速にゲーム処理を行うことができる。
【0064】
また、各可変表示部21乃至25にてスクロールされている図柄を停止表示させるトリガとなるストップボタン26乃至30を設けており、その押下操作のタイミングで各可変表示部21乃至25における図柄の停止を行うことができないものの、フリーゲーム1又はフリーゲーム2では、セブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用することにより、可変表示表示部21乃至25において図柄のセブン94が実質的に1個又は2個増加された見かけ上遊技者に有利な状態になるので、当選役の図柄組合せを停止表示させることができるかも知れないという期待感を遊技者に付与することが可能となる。
【0065】
さらに、フリーゲーム1が当選している場合には、図7のフリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを使用して、また、フリーゲーム2が当選している場合には、図8のフリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを使用して、フリーゲーム1又はフリーゲーム2時の当選役の抽選が行われ(S7)、その後は、ストップボタン26乃至30による遊技者の停止指示をトリガーとして、当該抽選の結果通りに可変表示表示部21乃至25の図柄をスクロール停止させる(S8)。このとき、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているので、ストップボタン26乃至30のタイミングが不都合なものであっても、縦に2倍又は3倍に拡大されたセブン94の領域を利用して、可変表示表示部21乃至25における図柄の停止の際の動きの不自然さをカバーさせることができる。
【0066】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、前記実施形態に係るスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用することによって、図柄のセブン94が実質的に1個又は2個増加されることについて、図6に示すフリーゲームの抽選テーブルの抽選結果に基づき自動的に決定するように構成されているが、これに限らず、次のように構成してもよい。
【0067】
即ち、図6の抽選テーブルを、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するための抽選テーブルとして扱って、前記図9におけるS1にて受け付けられたスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値により、その選択の決定をしてもよい。
例えば、図6の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲の「0」〜「15」の中で、乱数値が「0」〜「12」のいずれかの場合には、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択し、乱数値が「13」〜「15」のいずれかの場合には、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択する。このとき、各可変表示部21乃至25毎に乱数値を取得して、各可変表示部21乃至25毎に、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列を選択してもよい。これによれば、フリーゲーム1やフリーゲーム2に加えて、通常のゲームでも、図柄のセブン94を実質的に1個又は2個増加させることができる。
【0068】
また、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するために、スロットマシン1に貯留されているクレジット(コインの貯留枚数)からコインの投入が可能な投入ボタンを設けておき、かかる投入ボタンの押下操作回数に応じて、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するように構成してもよい。この場合、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択するための変更処理は、前記図9におけるS1にて投入ボタンの押下操作回数をカウントし、そのカウント数に応じて行うようにすればよい。例えば、投入ボタンを1回押下操作すると図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択し、2回押下操作すると図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択する。このとき、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択させるのに必要な投入コイン枚数は、例えば、100枚、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択させるのに必要な投入コイン枚数は300枚とのようにすることができる。
そして、前記のように、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかが選択された後は、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を選択した場合には、S2の抽選処理において、前記図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブル(乱数値範囲1)を使用して、通常のゲーム時の当選役の抽選が行われ、さらに、S3において、図柄のセブン94の一部が縦に2倍に拡大された図柄列41乃至45(図14)を使用して、可変表示部21乃至25にて図柄のスクロール表示・停止表示が行われる。一方、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を選択した場合には、S2の抽選処理において、前記図5の通常のゲーム時の当選役抽選テーブル(乱数値範囲2)を使用して、通常のゲーム時の当選役の抽選が行われ、さらに、S3において、図柄のセブン94の一部が縦に3倍に拡大された図柄列41乃至45(図15)を使用して、可変表示部21乃至25にて図柄のスクロール表示・停止表示が行われる。これによれば、フリーゲーム1やフリーゲーム2に加えて、通常のゲームでも、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用することによって、図柄のセブン94を実質的に1個又は2個増加させることができる。
尚、上述した点は、前記図9におけるS1にて行われるスタートレバー17の操作、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作によるベット数に対応させて、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)のいずれかを選択する制御をしても、同様である。
【0069】
また、前記実施形態では、図柄のセブン94を実質的に1個又は2個増加させるために、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を選択するように構成していたが、これに限らず従来のスロットマシンと同様に、周面に図3に示すような図柄配列を形成した5つのリールを可変表示部として回転可能に支持しておき、各リールの裏側にLEDなどの照明手段を設け、その照明手段で各リールの裏側を照らすことにより、各リールで縦に拡大された図柄を浮き出させるように構成することにより達成してもよい。
【0070】
また、ストップボタン16乃至30は、各可変表示部21乃至25に対応して設け、図柄がスクロールされている可変表示部21乃至25に対応するストップボタンを押下操作してトリガ信号を出力するように構成していたが、ゲームにて使用される複数の可変表示部21乃至25の内1つを残して自動的に図柄の停止表示を行い、最後に残された可変表示部に対応するストップボタンからのスイッチ信号のみを受け付けるように構成してもよい。また、一定時間各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われない場合には、タイムアウトとして自動的に各可変表示部21乃至25の図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0071】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図13に示すように、有効入賞ラインとして、センターラインL2のみを使用しているが、可変表示部21乃至25にて停止表示される図柄のセブン94の拡大倍数(形状)に応じて、有効入賞ラインの入賞ラインパターンを変更させてもよい。例えば、図12に示すように、センターラインL2に加えて、トップラインL1、ボトムラインL3、クロスダウンラインとクロスアップラインを組み合わせたクロスダウン・アップラインL4、及び、クロスアップラインとクロスダウンラインを組み合わせたクロスアップ・ダウンラインL5の5つの入賞ラインを備えておき、可変表示部21乃至25にて停止表示される図柄のセブン94の拡大倍数(形状)に応じて、有効化される入賞ラインを決めてもよい。尚、図12に示す例では、トップラインL1、センターラインL2及びクロスダウン・アップラインL4に沿ってセブン94が停止表示されてセブン(7)が成立した例を示しているので、センターラインL2に加えてトップラインL1とクロスダウン・アップラインL4までも有効化されていると、セブン(7)の当選役に当選し易くすることができる。従って、遊技者に対して特定の当選役が揃え易いという期待感を付与することができ、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
すなわち、可変表示部21乃至25にて停止表示される図柄のセブン94の拡大倍数(形状)に応じて、当選役の態様及び有効入賞ラインL1乃至L5を変化させることができ、これよりゲームのバリエーションの豊富化を図って多彩なゲームを行うことができる。
【0072】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているが、上又は下にブランク(図柄が存在していない領域)96が1個存在するセブン94については、当該セブン94及び当該ブランク(図柄が存在していない領域)96が可変表示部21乃至25に停止表示される際に、当該セブン94を上又下に2倍又は3倍に拡大させて停止表示させてもよい。
【0073】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値によって、各可変表示部21乃至25における有効入賞ライン上に停止表示される全ての図柄を決定していたが(図5、図7、図8参照)、この点、有効入賞ライン上に停止表示される図柄を各可変表示部21乃至25毎に決定してもよい。そのためには、例えば、図3に示された各可変表示部21乃至25毎の図柄列41乃至45に対し0〜10のコードを割り当てておき、図16に示すような抽選テーブルを備えればよい。そして、各可変表示部21乃至25毎に対応するように5つの乱数値をサンプリングし、例えば、このとき、可変表示部21に対応する乱数値が「1」の場合には、コード1が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部22に対応する乱数値が「2」の場合には、コード2が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部23に対応する乱数値が「3」の場合には、コード3が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部24に対応する乱数値が「4」の場合には、コード4が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させ、可変表示部25に対応する乱数値が「5」の場合には、コード5が割り当てられた図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0074】
尚、図14に示したように、各可変表示部21乃至25でスクロール表示・停止表示を行う図柄列として、一部のセブン94が縦2倍に拡大された図柄列41乃至45を使用する場合には、縦2倍に拡大されたセブン94に対しては、0〜10のコードのうち、2つのコードをを割り当てておく。
また、図15に示したように、各可変表示部21乃至25でスクロール表示・停止表示を行う図柄列として、一部のセブン94が縦3倍に拡大された図柄列41乃至45を使用する場合には、縦3倍に拡大されたセブン94に対しては、0〜10のコードのうち、3つのコードをを割り当てておく。
【0075】
もっとも、図16に示す抽選テーブルでは、各コードに対して乱数値が均等に振り分けられているが、例えば、フリーゲームに移行するためのジョーカー97を有効入賞ライン上に停止表示させにくくするためには、図17に示す抽選テーブルのように、各コードに対して乱数値が偏りをもって振り分けられたものを使用すればよい。
【0076】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているが、この点、ブランク(図柄が存在していない領域)96と上又は下で隣接しているのであれば、拡大対象は、セブン94以外のトリプルBAR91、チェリー92、シングルBAR95のいずれであってもよい。
【0077】
また、本実施の形態のスロットマシン1においては、図柄のセブン94の一部が縦に2倍又は3倍に拡大された図柄列41乃至45(図14又は図15)を使用しているが、この点、可変表示部21乃至25に渡って横方向に2倍〜5倍に拡大させた図柄列を使用してもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る遊技機では、特定の条件が成立した場合に、図柄の可変表示を行う複数列の可変表示部において可変表示される図柄の形状を図柄制御手段により決定するとともに、図柄制御手段により決定された図柄の形状に対応して当選役の抽選を行うように構成されているので、ゲームで使用する可変表示部において可変表示される図柄の形状を変更させることが可能となり、これにより、可変表示部において可変表示される図柄の形状に対応して当選役の抽選が行われることから、各種の当選役に当選し易くすることができる。従って、遊技者に対して特定の当選役が揃え易いという期待感を付与することができ、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0079】
また、請求項2に係る遊技機では、図柄制御手段により制御される図柄の形状に応じた複数の当選役抽選テーブルを有し、当選役抽選手段は、複数の当選役抽選テーブルの内、図柄制御手段により制御される図柄の形状に対応するものを使用して当選役の抽選を行うように構成されているので、可変表示部において可変表示される図柄の形状が変更する等変化した場合においても、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速にゲーム処理を行うことができる。
【0080】
また、請求項3に係る遊技機では、可変表示制御手段を介して可変表示部にて可変表示されている図柄の停止指示を行う停止指示手段、及び、停止指示手段からの停止指示に基づき可変表示部の図柄を停止させる停止制御手段とを備えたので、可変表示部の図柄の形状が変更した状態で当選役の図柄組合せを停止表示させることができるかも知れないという期待感を遊技者に付与することが可能となる。
さらに、当選役の抽選を行った後、停止指示手段による遊技者の停止指示をトリガーとして、当該抽選の結果通りに可変表示部の図柄を停止制御手段で停止させる制御を行うと、当該指示停止のタイミングによっては、可変表示部における図柄の停止の際の動きが不自然となる場合も考えられる。しかし、請求項3に係る遊技機では、可変表示部で可変表示されている図柄の形状が変化するので、図柄の形状が変化した領域を利用して、可変表示部における図柄の停止の際の動きの不自然さをカバーさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの斜視図である。
【図2】下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
【図3】通常のゲームにおいて可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図4】スロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図5】通常のゲーム時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図6】フリーゲームの抽選テーブルを示す説明図である。
【図7】フリーゲーム1時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図8】フリーゲーム2時の当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図9】メイン処理プログラムのフローチャートである。
【図10】フリーゲーム1において各可変表示部で停止表示される図柄例を示す説明図である。
【図11】フリーゲーム2において使用される各可変表示部の図柄例を示す説明図である。
【図12】有効入賞ラインが増加した場合を示す説明図である。
【図13】有効入賞ラインを示す説明図である。
【図14】フリーゲーム1において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図15】フリーゲーム2において可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図16】有効入賞ライン上で停止表示される図柄を各可変表示部毎に決定するための抽選テーブルを示す説明図である。
【図17】有効入賞ライン上で停止表示される図柄を各可変表示部毎に決定するための抽選テーブルを示す説明図である。
【図18】下側液晶ディスプレイの液晶駆動回路を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
4 下側液晶ディスプレイ
5 操作テーブル
33 液晶パネル
50 CPU
51 ROM
52 RAM
L1〜L5 有効入賞ライン
Claims (3)
- 複数列の可変表示部を有するとともに、各列の可変表示部の図柄が有効入賞ラインに沿って所定の組合せで停止した場合に特典を付与する遊技機において、
前記可変表示部における図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御手段と、
特定の条件が成立することに基づき、前記複数列の可変表示部で可変表示される図柄の形状を制御する図柄制御手段と、
前記図柄制御手段により制御された図柄の形状に対応して当選役の抽選を行う当選役抽選手段と、を備えたこと、を特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載する遊技機であって、
前記図柄制御手段により制御される図柄の形状に応じた複数の当選役抽選テーブルを有し、
前記当選役抽選手段は、複数の当選役抽選テーブルの内、前記図柄制御手段により制御される図柄の形状に対応するものを使用して当選役の抽選を行うこと、を特徴とする遊技機。 - 請求項1又は請求項2に記載する遊技機であって、
前記可変表示制御手段を介して可変表示部にて可変表示されている図柄の停止指示を行う停止指示手段と、
前記停止指示手段からの停止指示に基づき可変表示部の図柄を停止させる停止制御手段と、を備えたこと、を特徴とする遊技機。
Priority Applications (5)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007061423A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Aruze Corp | 遊技機 |
JP2008086500A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Samii Kk | パチンコ遊技機 |
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JPH0663229A (ja) * | 1992-08-12 | 1994-03-08 | Sophia Co Ltd | 遊技機 |
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JPH06335560A (ja) * | 1993-05-28 | 1994-12-06 | Sankyo Kk | 遊技機 |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199216A patent/JP2005034302A/ja active Pending
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