JP2005065738A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数存在する可変表示部の内最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を遅くなるように制御し、プレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】フリーゲームトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいて、3つの左リールR、中リールR及び右リールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度を図8に示す抽選テーブルに基づいて決定する際に、可変速度1(65回転/分)、可変速度2(70回転/分)、又は可変速度3(75回転/分)が選択された場合には、最後に停止される中リールRにて図柄列47の図柄が遅く回転されるように制御する。
【選択図】 図13
【解決手段】フリーゲームトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいて、3つの左リールR、中リールR及び右リールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度を図8に示す抽選テーブルに基づいて決定する際に、可変速度1(65回転/分)、可変速度2(70回転/分)、又は可変速度3(75回転/分)が選択された場合には、最後に停止される中リールRにて図柄列47の図柄が遅く回転されるように制御する。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数列の可変表示部における図柄が有効入賞ラインに沿って停止した場合に一定の特典を付与する遊技機に関し、特に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を遅くするようにしたスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外周面に各種の図柄を形成した複数のリールを回転可能に設けておき、各リールにおける図柄が有効入賞ラインに沿って所定の組合せで停止表示された場合に、メダル等を払い出すように構成された各種のスロットマシンが提案されている。
また、海外で多く普及しているスロットマシンでは、SPINボタンの押下後、リール毎に停止図柄を決定した後、各リールを回転させるとともに一定時間経過した時点で各リールにつき決定した停止図柄で各リールを自動的に停止させるものであり、一方、遊技者(プレイヤ)は自動的に停止される図柄の組合せがどのような組合せになるか期待してゲームを行っている。この点で、プレイヤにとって受け身的なゲームになってしまう傾向がある。特に、ゲームに関与する所定回数のフリースピン(新たにメダルを投入することなしに、リールが自動的に回転するとともに一定時間経過後に停止し、停止した図柄の組合せに対応してメダル等の払出を行う動作)を行うことが可能なフリーゲームに移行した場合、プレイヤがゲームに関与できない状態(停止図柄の組合せを見るだけの状態)が長く続くこともある。そのため、プレイヤのゲームに対する興味を持続させるべく様々な工夫がなされている。
例えば、特開平11−244453号公報には、ゲームを開始した後に、3つの各リールに形成されたシンボルマークの組合せ抽選を行うとともに、有効ラインの抽選を行うように構成されたスロットマシンが記載されている。かかるスロットマシンでは、抽選により決定されて停止表示されたシンボルマークの組合せに対して、有効ラインの位置や数を可変とすることができ、プレイヤのゲームに対する興味をゲームの終了まで持続することが可能となるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−244453号公報(第2頁〜第5頁、図2、図4、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたスロットマシンにおいては、3つの各リールの停止ポジション又は窓に表示させるシンボルマークのランダム抽選の結果に基づいて各リールのシンボルマークを停止させる場合に、特別の停止制御は行われておらず、一律に停止させるように構成されている。
かかる場合においても、抽選により有効ライン数が増加するので、ゲームの興味を持続することが可能ではあるが、3つの各リールの停止制御を行うについてその演出性に乏しいものであり、ゲームに対するプレイヤの興趣を高く維持するにはまだなお工夫の余地がある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、複数存在する可変表示部の内最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を遅くなるように制御し、プレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る遊技機は、複数列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25、左中及び右リールR)を有するとともに、各列の可変表示部の図柄が有効入賞ライン(例えば、有効入賞ラインL)に沿って所定の組合せで停止した場合に特典を付与する遊技機(例えば、スロットマシン1)において、前記図柄の停止態様を抽選により決定する図柄抽選手段(例えば、CPU50、S2、S9)と、前記可変表示部における図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御手段(例えば、CPU50、S6、S12)と、前記複数列の可変表示部の内最後に停止される可変表示部(例えば、可変表示部23、中リールR)における図柄の可変速度を、他の可変表示部(例えば、可変表示部21、22、24、25、左及び右リールR)における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定する可変速度決定手段(例えば、CPU50、S11)と、前記最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度が、前記可変速度決定手段により決定された可変速度となるように前記可変表示手段を制御する制御手段(例えば、CPU50、S12)と、前記制御手段により可変速度が制御されている図柄の停止指示を行う停止指示手段(例えば、ストップボタン28)と、前記停止指示手段からの停止指示に基づいて前記図柄抽選手段により決定された停止態様に対応する図柄で停止するように可変表示制御手段の停止制御を行う停止制御手段(例えば、CPU50、S7、S14)とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る遊技機は、請求項1の遊技機において、前記可変速度の抽選テーブルと、前記抽選テーブルに基づいて可変速度を抽選する可変速度抽選手段(例えば、CPU50、S11)とを備え、前記可変速度決定手段は、前記抽選手段により抽選された可変速度に基づいて前記最後に停止される可変表示部の図柄の可変速度を決定することを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3に係る遊技機は、請求項1又は請求項2の遊技機において、前記可変速度決定手段(例えば、CPU50、S11)は、前記最後に停止される可変表示部(例えば、可変表示部23、中リールR)以外の他の可変表示部(例えば、可変表示部21、22、24、25、左及び右リールR)にて有効入賞ライン(例えば、有効入賞ラインL)に沿って所定の図柄が停止されている場合に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る遊技機は、請求項1乃至請求項3のいずれかの遊技機において、前記停止制御手段(例えば、CPU50、S7、S14)は、前記停止指示手段(例えば、ストップボタン28)からの停止指示のタイミングに応じて最後に停止される可変表示部における図柄のナッジ又はリスピンを行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機について、本発明をスロットマシンに具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るスロットマシンの概略構成について図1に基づき説明する。図1はスロットマシンの斜視図である。
【0011】
図1において、スロットマシン1はその全体を形成するキャビネット2を有しており、かかるキャビネット2の前面上部には上側液晶ディスプレイ3が配設され、また、キャビネット2の前面中央部には下側液晶ディスプレイ4が配設されている。ここに、上側液晶ディスプレイ3は一般に汎用されている液晶ディスプレイから構成されており、また、下側液晶ディスプレイ4は、所謂、透明液晶ディスプレイから構成されている。上側液晶ディスプレイ3には、ゲーム方法、当選役の種類とその配当、ゲームに関する各種演出等ゲームに関する情報が表示される。また、下側液晶ディスプレイ4には、図1に示されているように、基本的に、5つの可変表示部21、22、23、24及び25が表示されるとともに、各可変表示部21乃至25において後述する各種の図柄を上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示する。尚、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造については後述する。
【0012】
下側液晶ディスプレイ4の下側には、手前側に突出された操作テーブル5が設けられており、かかる操作テーブル5には、最も左側から両替(CHANGE)ボタン6、払い戻し(CHASHOUT)ボタン7、ヘルプ(HELP)ボタン8が配置されており、また、ヘルプボタン8の右側には、コイン投入部9、紙幣投入部10が設けられている。また、操作テーブル5の手前側にて左側から、1−BETボタン11、SPIN/REPEAT BETボタン12、3−BETボタン13、及び、5−BETボタン14が配置されている。
ここに、両替ボタン6は、紙幣投入部10に投入した紙幣を両替する際に押下されるボタンであり、両替されたコインは、キャビネット2の下部に設けられたコイン払出口15からコイン受け部16に払い出される。かかる両替ボタン6には、後述する両替(CHANGE)スイッチ62が付設されており、両替ボタン6の押下に基づき両替スイッチ62からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0013】
払い戻しボタン7は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン7が押下されると、ゲームにて獲得したコインがコイン払出口15からコイン受け部16に払い戻される。尚、払い戻しボタン7には、後述する払い戻し(CASHOUT)スイッチ63が付設されており、払い戻しボタン7の押下に基づきスイッチ信号がCPU50に出力される。
ヘルプボタン8は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8が押下されると、上側液晶ディスプレイ3や下側液晶ディスプレイ4に各種のヘルプ情報が表示される。かかるヘルプボタン8には、後述するヘルプ(HELP)スイッチ64が付設されており、ヘルプボタン8の押下に基づきヘルプスイッチ64からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0014】
コイン投入部9には、後述するコインセンサ65が配置されており、コイン投入部9にコインが投入されると、コインセンサ65を介してコイン検出信号がCPU50に出力される。また、紙幣投入部10には、紙幣センサ66が配置されており、紙幣投入部10に紙幣が投入されると、紙幣センサ66を介して紙幣検出信号がCPU50に出力される。
1−BETボタン11は、1回押下する毎に1ずつベットされるボタンである。この1−BETボタン11には、後述する1−BETスイッチ59が付設されており、1−BETボタン11が押下されると、その押下に基づき1−BETスイッチ59からCPU50にスイッチ信号が出力される。
スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12は、押下されることに基づき現在のベット数又は前回のベット数でゲームを開始すべく、下側液晶ディスプレイ4の各可変表示部21乃至25にて各図柄の変動表示が開始されるボタンである。スピンボタン12には、後述するスピンスイッチ58が付設されており、スピンボタン12が押下されると、その押下に基づきスピンスイッチ58からスイッチ信号がCPU50に出力される。尚、スピンボタン12の押下により、賭けることが可能なベット数としては、1、2、3、5ベットが存在し得る。
【0015】
3−BETボタン13は、その押下に基づき3ベットでゲームを開始するためのボタンである。かかる3−BETボタン13には、後述する3−BETスイッチ60が付設されており、その押下時には3−BETスイッチ60からスイッチ信号がCPU50に出力される。また、5−BETボタン14は、その押下に基づき5ベットでゲームを開始するためのボタンである。5−BETボタン14には、後述する5−BETスイッチ61が付設されており、その押下に基づき5−BETスイッチ61からスイッチ信号がCPU50に出力される。
また、キャビネット2の下部には、コイン払出口15が形成されるとともに、コイン払出口15から払い出されたコインを受けるコイン受け部16が設けられている。コイン払出口15の内部には、センサ等より構成されるコイン検出部73が配置されており、コイン検出部73はコイン払出口15から払い出されるコインの枚数を検出する。
【0016】
また、操作テーブル5における最も手前側には、前記各可変表示部21乃至25のそれぞれに対応して、ストップボタン26乃至30が設けられている。これらの各ストップボタンは、後述するように、その対応する可変表示部でスクロールされている図柄を停止表示させる際に押下操作されるものであるが、その押下操作のタイミングで図柄を停止表示させることができるものではない。各ストップボタン26乃至30の押下操作に基づきストップボタンスイッチ67から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部にてスクロールされている図柄を停止表示させる際のトリガとして使用されるだけのものである。
【0017】
更に、キャビネット2の側面(図1中右側面)には、スタートレバー17が所定角度範囲で回動自在に取り付けられている。かかるスタートレバー17にはスタートスイッチ57が付設されており、スタートレバー17の回動時にスタートスイッチ57から発せられるスイッチ信号はCPU50に出力される。
【0018】
続いて、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造及び下側液晶ディスプレイ4の背面側においてキャビネット2内部で回転自在に設けられたリールについて、図2及び図3に基づき説明する。図2は下側液晶ディスプレイ及びリールの縦断面図、図3は下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
図2及び図3において、下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1のキャビネット2の前面中央部に設けられた機器前面パネル20の表示窓部Wの内側に配置されており、また、下側液晶ディスプレイ4の背面側(図2中右側)には、前記した可変表示部22乃至24のそれぞれに対応して3つのリールR(図2には1つのリールRのみを示す)が並列状態で、且つ、それぞれ独立して回転自在に支持されている。
【0019】
ここで、各リールRについて説明すると、3つのリールRの内、スロットマシン1の正面から見て左側の左リールRは、下側液晶ディスプレイ4に表示される可変表示部22(図1参照)に対向しており、中央の中リールRは、同様に下側液晶ディスプレイ4に表示される可変表示部23(図1参照)に対向しており、また、右側の右リールRは、同様に下側液晶ディスプレイ4に表示される可変表示部24(図1参照)に対向している。尚、各リールR周面には、後述する図7に示すような、図柄列が形成されている。各リールRの周面に図柄列を形成するについては、各リールRの幅・周長に合致する長尺状のシールに図柄列を印刷しておき、かかるシールを各リールRの周面に貼付することにより形成するのが一般的であるが、この方法以外の方法でシンボルを形成することは勿論可能である。前記各リールRは、後述するフリーゲームが行われる際に使用される。
【0020】
また、下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1の前面側から、リールガラスベース31、ベゼル金属枠32、液晶パネル33、液晶ホルダ34、拡散シート35、導光板36、白色のリフレクタ37、リアホルダ38、及び、帯電防止シート39が配置されて構成されている。拡散シート35には、開口部35A、35B、35Cが形成されており、同様に、導光板36、リフレクタ37及びリアホルダ38には、開口部35A〜35Cに一致するように、それぞれ開口部36A、36B、36C、開口部37A、37B、37C、開口部38A、38B、38Cが形成されている。各開口部35A〜38Aは、相互に一致するように重ねられて可変表示部22(図1参照)に対応し、各開口部35B〜38Bは同様に可変表示部23(図1参照)に対応し、また、各開口部35C〜38Cは同様に可変表示部24(図1参照)に対応する。
ここに、拡散シート35の開口部35A〜35C及び導光板36の開口部36A〜36Cは、各可変表示部22〜24の視認性を確保する透過領域を構成している。
【0021】
機器前面パネル20の表示窓部Wに下側液晶ディスプレイ4を取り付けるには、図2に示すように、リールガラスベース31の上下方向に突出して設けられた各ブラケット40をネジ410により機器前面パネル20の背面にネジ止めすることにより行われている。
また、導光板36の上下端には、液晶パネル33の光源として一対の陰極線管420が設けられている。また、リアホルダ38の各開口部38A〜38Cの背面側上下には、一対の冷陰極線管430が設けられている。
液晶パネル33は、各リールRの前面に配置されて各リールRが透視可能なITO等からなる透明な電気的表示パネルであり、その表示部の周囲の背面側は液晶ホルダ34によって保持されている。導光板36は、光透過性の樹脂パネルからなり、側部に位置する冷陰極線管420から出射された光を液晶表示パネル33の背面側に導くレンズカットが形成されている。拡散シート35は、光透過性の樹脂シートからなり、導光板36で導かれた光を拡散して、液晶表示パネル33に照射される光を均一化する。液晶表示パネル33を保持する液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、一体化されてその周囲がベゼル金属枠32に挿入されている。この挿入により、液晶パネル33における表示部の前面側はベゼル金属枠32によって保持される。
【0022】
ベゼル金属枠32に嵌められて一体化された液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、その周囲が更にリールガラスベース31に挿入されており、液晶パネル33の表示前面を開口した状態でリールガラスベース31によって保持されている。
リアホルダ38は、白色の樹脂板からなり、リールガラスベース31に支持されたベゼル金属枠32、液晶パネル33を保持した液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36を背後からリールガラスベース31に保持している。このリアホルダ38は、冷陰極線管420から導光板36に出射された光を液晶パネル33側へ反射する反射板としても機能している。帯電防止シート39は、透明で、リアホルダ38の背面に両面テープで接着されており、リアホルダ38に形成された各開口部38A〜38Cの背面を覆っている。
【0023】
続いて、図4に基づき、通常ゲームにおいて、各可変表示部21乃至25にてスクロールしながら可変表示される図柄例について説明する。図4において、図柄列41は可変表示部21にて可変表示される図柄列、図柄列42は可変表示部22にて可変表示される図柄列、図柄列43は可変表示部23にて可変表示される図柄列、図柄列44は可変表示部24にて可変表示される図柄列、また、図柄列45は可変表示部25にて可変表示される図柄列である。
ここに、図柄列41、42、44及び45は、共に同一図柄配列を有しており、これらの各図柄列は、トリプルBAR91、チェリー92、ダブルBAR93、セブン94、シングルBAR95及びブランク(図柄が存在していない領域)96が適宜組み合わされて11個の図柄から構成されている。
【0024】
また、図柄列43は、トリプルBAR91、チェリー92、ダブルBAR93、セブン94、シングルBAR95及びブランク96が組み合わされている点で前記各図柄列41、42、44、45と同様であるが、更に、ジョーカー97が1個配列されている。かかるジョーカー97は、後述するように、フリーゲームに移行するためのトリガーシンボルであり、可変表示部23における有効入賞ライン(後述する)上で停止表示された場合にフリーゲームに移行することができる。
尚、各可変表示部21乃至25においてスクロールされている各図柄列41乃至45が停止表示される場合、3つの図柄がそれぞれの可変表示部で停止表示される。
また、前記各図柄の複数種類の組合せに基づき各種の当選役が予め設定されており、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ラインL(図1参照)上で停止した際に、当選役に応じてコインがコイン払出口15から払い出される点については従来のスロットマシンと同様であり、ここではその説明を省略する。
ここに、本実施形態では、図1に示すように、有効ラインLはセンターラインのみとされており、かかる有効ラインLは、SPIN/REPEAT BETボタン12、3−BETボタン13、及び、5−BETボタン14の押下又はスタートレバー17の回動に基づき各可変表示部21乃至25にて各図柄の可変表示・停止による通常ゲームを行う際、及び、後述するフリーゲームを行う際に、下側液晶ディスプレイ4に表示される。
【0025】
次に、スロットマシン1の制御系に係る構成について図5に基づき説明する。図5はスロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
図5において、スロットマシン1の制御系は、基本的に、CPU50を核として構成されており、CPU50にはROM51及びRAM52が接続されている。ROM51は、後述するメイン処理プログラム、通常ゲーム処理プログラム、フリーゲーム処理プログラム、ゲームの進行に伴って上側液晶ディスプレイ3及び下側液晶ディスプレイ4に各種の演出を行うための各種演出プログラム、通常ゲームにて使用される当選役を抽選するための抽選テーブル、フリーゲームにて使用される当選役を抽選するための抽選テーブル、その他スロットマシン1の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM52は、CPU50で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0026】
また、CPU50には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路53及び分周器54が接続されており、また、乱数を発生する乱数発生器55及び乱数サンプリング回路56が接続されている。乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数は、当選役、演出等の各種の抽選に使用される。更に、CPU50には、スタートレバー17に付設されるスタートスイッチ57、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12に付設されるスピンスイッチ58、1−BETボタン11に付設される1−BETスイッチ59、3−BETボタン13に付設される3−BETスイッチ60、5−BETボタン14に付設される5−BETスイッチ61、両替ボタン6に付設される両替(CHANGE)スイッチ62、払い戻しボタン7に付設される払い戻し(CASHOUT)スイッチ63、及び、ヘルプボタン8に付設されるヘルプ(HELP)スイッチ64が、それぞれ接続されている。CPU50は、各ボタンの押下により各スイッチから出力されるスイッチ信号に基づき、各ボタンに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0027】
更に、CPU50には、コイン投入部9に配置されるコインセンサ65及び紙幣投入部10に配置される紙幣センサ66が、それぞれ接続されている。コインセンサ65はコイン投入部9から投入されたコインを検出し、CPU50はコインセンサ65から出力されるコイン検出信号に基づき投入されたコイン枚数を演算する。紙幣センサ66は、紙幣投入部10から投入された紙幣の種類・額を検出し、CPU50は紙幣センサ66から出力される紙幣検出信号に基づき紙幣の額と等価なコイン枚数を演算する。また、CPU50には、各ストップボタン26乃至30に付設されるストップボタンスイッチ67が接続されている。各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われると、ストップボタンスイッチ67からはスイッチ信号が出力され、そのスイッチ信号に基づきCPU50は各可変表示部21乃至25にてスクロールされている図柄の停止表示を行う。
【0028】
CPU50には、モータ駆動回路68Aを介して各リールRの回転を行う3つのステップモータ68が接続されており、また、リール位置検出回路69が接続されている。CPU50からモータ駆動信号がモータ駆動回路67に出力されると、各ステップモータ68はモータ駆動回路67により回転駆動される。これにより各リールRの回転が行われる。
このとき、各リールRの回転が開始された後、ステップモータ68の各々に供給される駆動パルス数が計算され、その計算値はRAM52の所定エリアに書き込まれる。また、各リールRからは1回転毎にリセットパルスが出力され、かかるリセットパルスはリール位置検出回路69を介してCPU50に入力される。このようにリセットパルスがCPU50に入力されると、RAM52に書き込まれている計算値は「0」にクリアされ、CPU50は、各リールRの1回転の範囲内における回転位置に対応する計算値と、ROM51に格納された各リールRの回転位置と各リールRの周面に形成された図柄とを対応させた図柄テーブルとに基づき、各リールRにおける図柄の回転位置を認識する。
【0029】
CPU50には、ホッパー駆動回路70を介してホッパー71が接続されている。CPU50から駆動信号がホッパー駆動回路70に出力されると、ホッパー71は、所定枚数のコインをコイン払出口15から払い出す。
また、CPU50には、払出完了信号回路72を介してコイン検出部73が接続されている。コイン検出部73はコイン払出口15の内部に配置されており、コイン払出口15から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部73からコイン払出検出信号が払出完了信号回路72に出力され、これに基づき払出完了信号回路72は、CPU50に対して払出完了信号を出力する。更に、CPU50には、液晶駆動回路74を介して上側液晶ディスプレイ3が接続され、また、液晶駆動回路75を介して下側液晶ディスプレイ4が接続されている。
この点、液晶駆動回路75は、図18に示すように、プログラムROM81、画像ROM82、画像制御CPU83、ワークRAM84、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)85及びビデオRAM86などで構成されている。そして、プログラムROM81には、下側液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROM82には、例えば、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)で表示される図4の図柄列41〜45など、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPU83は、CPU50で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM81内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM82内に予め記憶されたドットデータの中から下側液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAM84は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU83で実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDP85は、画像制御CPU83で決定された表示内容に応じた画像を形成し、下側液晶ディスプレイ4に出力するものである。これにより、例えば、図4の図柄列41〜45などが、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)でスクロール表示される。尚、ビデオRAM86は、VDP85で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0030】
また、CPU50には、LED駆動回路77を介してLED78が接続されている。LED78は、スロットマシン1の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU50からの駆動信号に基づきLED駆動回路77により点灯制御されるものである。更に、音出力回路79及びスピーカ80がCPU50に接続されており、スピーカ80は、音出力回路79からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0031】
ここで、スロットマシン1にてゲームを行うに際して、5つの可変表示部21乃至25を使用して通常ゲームを行う場合に、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図6に基づき説明する。図6は通常ゲームを行う場合における当選役の抽選テーブルである。
図6において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜121の範囲にある場合には、フリーゲームのトリガーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ラインL上に停止表示され、後述するフリーゲームに移行することができる。ここに、フリーゲームとは、通常のゲームが行われた後に行われるゲームであり、一般にプレイヤに有利なゲームとなっている場合が多い。例えば、フリーゲームに移行すると、コイン等をベットすることなく、フリーゲームのランクに応じて10ゲーム、20ゲーム又は30ゲーム連続してゲームが行われる。このとき、フリーゲームでは、各種の当選役に当選確率が高く設定されているのが一般的であり、従って、プレイヤは多量のコイン等を獲得できることが多い。尚、フリーゲームには、通常ゲーム(第1ゲーム)の後に行われるプレイヤに有利なゲーム、例えば、ボーナスゲーム、セカンドゲーム等各種のゲームが含まれる。
【0032】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、122〜353の範囲にある場合には、セブン(7)の当選役に当選する。かかる当選役は、5つのセブン94の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、セブン94が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が354〜427の範囲にある場合には、トリプルBARの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのトリプルBAR91の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が428〜473の範囲にある場合には、ダブルBARの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのダブルBAR93の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、ダブルBAR93が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が474〜825の範囲にある場合には、シングルBARの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのシングルBAR95の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が826〜1025の範囲にある場合には、チェリーの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのチェリー92の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ラインL上に停止表示される。
【0033】
尚、サンプリングされた乱数値が1026〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ラインL上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
【0034】
続いて、前記したように、通常ゲームにおいて、可変表示部23における有効入賞ラインL上でジョーカー97が停止表示された場合に通常ゲームから移行するフリーゲームについて説明する。尚、フリーゲームにおいては、前記可変表示部22乃至24に対応して配設されている3つの左リールR、中リールR、右リールRが使用される。
先ず、フリーゲームにおいて、各リールRの回転に従って可変表示される図柄列について図7に基づき説明する。図7において、図柄列46は左リールRにて可変表示される図柄列、図柄列47は中リールRにて可変表示される図柄列、また、図柄列48は右リールRにて可変表示される図柄列である。
【0035】
ここに、図柄列46と47は、3個の赤7と2つのBLANK(図柄が存在していない領域)が適宜組み合わされて5個の図柄から構成されている。但し、図柄列46と47の図柄配列は、異なっている。また、図柄列48は、2つの赤7、2つのBLANK及び1つのダブル(DOUBLE)が適宜組み合わされて5個の図柄から構成されている。
【0036】
次に、フリーゲームにおいて、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図8に基づき説明する。図8はフリーゲームにおける当選役抽選テーブルを示す説明図である。
図8において、当選役抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜127であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜8の範囲にある場合には、赤7−赤7−DO(ダブル)の停止図柄の組合せから構成される当選役に当選する。この場合、左、中及び右リールRにおいて、赤7−赤7−DOUBLEが有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、乱数サンプリング回路56によりサンプリングされた乱数値が9〜27の範囲にある場合には、赤7−赤7−赤7の停止図柄の組合せから構成される当選役に当選する。この場合、左、中及び右リールRにおいて赤7−赤7−赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、乱数サンプリング回路56によりサンプリングされた乱数値が28〜127の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、左、中及び右リールRにおいて、有効入賞ラインL上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
【0037】
次に、フリーゲームにおいて、3つのリールRの内、最後に停止表示されるリールR(本実施形態では、3つのリールRの内、中央の中リールRが最後に停止表示されるリールとして予め設定されている)にて図柄列を回転してスクロールする可変速度を抽選するための抽選テーブルについて図9に基づき説明する。図9はフリーゲームにおけるリールRの可変速度の抽選テーブルである。
図9において、可変速度抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜127であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜15の範囲にある場合には、可変速度1として65回転/分が選択される。この場合、最後に停止表示される中リールRにおいて、後述する条件下で、図柄列の各図柄の可変速度が65回転/分で回転される。かかる可変速度は、最後に停止表示される中リールR以外の他の左及び右リールRにおける図柄列の各図柄の可変速度(80回転/分)よりも1分当たり15回転遅くされている。
【0038】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が16〜63の範囲にある場合には、可変速度2として70回転/分が選択される。この場合、最後に停止表示される中リールRにおいて、後述する条件下で、図柄列の各図柄の可変速度が70回転/分で回転される。かかる可変速度は、最後に停止表示される中リールR以外の他の左及び右リールRにおける図柄列の各図柄の可変速度(80回転/分)よりも1分当たり10回転遅くされている。
【0039】
更に、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が64〜127の範囲にある場合には、可変速度3として75回転/分が選択される。この場合、最後に停止表示される中リールRにおいて、後述する条件下で、その図柄列の各図柄の可変速度が75回転/分で回転される。尚、かかる可変速度は、最後に停止表示される中リールR以外の他の左及び右リールRにおける図柄列の各図柄の可変速度(80回転/分)よりも1分当たり5回転遅くされている。
【0040】
続いて、スロットマシン1で行われるメイン処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10はメイン処理プログラムのフローチャートである。図10において、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、スタート受付処理が行われる。この処理は、スタートレバー17の操作、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作に、に基づいてスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号を受け付ける処理である。各スイッチから出力されたスイッチ信号を受け付けた時点で、ゲームが開始される。
【0041】
続くS2においては、前記したスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、全ての可変表示部21乃至25を使用して行われる通常ゲームにおける当選役の抽選が図6の抽選テーブルを使用して行れる。
【0042】
S3においては、通常ゲーム処理が行われる。また、S4においては、前記S2における抽選の結果、フリーゲームのトリガー(ジョーカー97)に当選したかどうか判断される。かかる判断は、前記した各種のスイッチ信号を受け付けたタイミングで、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜121の範囲にあるかどうかに基づき行われる(図6参照)。
フリーゲームのトリガーに当選しなかった場合(S4:NO)には、メイン処理を終了し、一方、フリーゲームのトリガーに当選した場合(S4:YES)には、連続して遊技可能なフリーゲーム数を決定した後フリーゲーム処理が行われる(S5)。かかるフリーゲーム処理の後、メイン処理を終了する。
尚、フリーゲーム数としては、一般に、10ゲーム、20ゲーム、30ゲームのように予め設定されている。
【0043】
ここで、前記S3にて行われる通常ゲーム処理について図11のフローチャートに基づき説明する。図11は通常ゲーム処理プログラムのフローチャートである。
図11において、先ず、S6においては、前記S1にて受け付けられたスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、各可変表示表示部21乃至25にて各図柄のスクロールが行われる。
そして、S7において、図柄がスクロールしている可変表示部に対応するストップボタン26乃至30がプレイヤによって押下操作された場合、その押下操作されたストップボタンから出力されるスイッチ信号をトリガとして可変表示部における各図柄のスクロールが停止される。
ここに、通常ゲームにおける各可変表示表示部21乃至25の図柄のスクロール・停止は次のように行われる。尚、当選役としてセブン(7)に当選しているものとする。
即ち、各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われた場合(基本的に、その押下操作の順序は問わない)、先ず、可変表示部21、22、24及び25における図柄が、前記S2で抽選された当選役に従って停止表示される。従って、所定の当選役(セブン)に当選している場合には、可変表示部23以外の各可変表示部21、22、24、25にて当選役を構成するシンボルが有効入賞ラインLに停止表示される。この状態において、図12に示すように、所謂、リーチ状態となる。かかるリーチ状態では、中央の可変表示部23における図柄のスクロール速度は、80回転/分から1分当たり5回転遅い75回転/分のスクロール速度でスクロールされ、このスクロール速度は、図12に示すように、下側液晶ディスプレイ4にて可変表示部23の上側に設けられた7セグメントで構成される速度表示部85に表示される。図12には、可変表示部23においてスクロールされている図柄のスクロール速度が75回転/分として表示されている。このような表示が一定時間行われた後、可変表示部23の図柄は、前記当選役に従って有効入賞ラインL上に停止表示される。
ここに、前記したように、所定の当選役に当選して各可変表示部21、22、24及び25にて当選役に対応する図柄が有効入賞ラインLに停止表示された時点で、中央の可変表示部23で通常のスクロール速度(80回転/分)よりも遅いスクロール速度(75回転/分)でスクロールされるようにしているので、最終的に可変表示23で停止表示される図柄に関してプレイヤの期待感を増大してゲームに対する興趣を盛り上げることができる。
【0044】
尚、本実施形態において、各ストップボタン26乃至30は、所謂、プレイヤの技術介入を目的として行われる「目押し操作」とは関係がなく、各ストップボタン26乃至30から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部にてスクロールされている各図柄を停止表示する際のトリガとなるだけのものである。従って、各可変表示部の図柄は、前記S2で抽選された結果だけに基づいて停止表示される。
【0045】
続くS8においては、S7で各可変表示部にて停止表示された当選役の図柄組合せに従って、予め設定されている配当に相当するコイン等が払い出される。かかるS8の処理の後、通常ゲーム処理は終了する。
【0046】
次に、前記S5にて行われるフリーゲーム処理について図13に示すフローチャートに基づき説明する。図13はフリーゲーム処理プログラムのフローチャートである。
図13において、先ず、フリーゲームにおける当選役の抽選が図8に示す抽選テーブルに基づき行われる。また、S10では、S9で抽選された抽選結果に基づき当選役の判定処理が行われる。具体的には、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜8の範囲にある場合には赤7−赤7−DOUBLEの当選役に当選したものとされ、乱数値が9〜27の範囲にある場合には赤7−赤7−赤7の当選役に当選したものとされ、また、乱数値が28〜127の範囲にある場合にははずれに当選したものとされる。
【0047】
そして、S11においては、最後に停止表示される中リールRにて、その図柄列の図柄を回転する際の可変速度が図9に示す抽選テーブルに基づいて決定される。具体的には、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜15の範囲にある場合には可変速度1として65回転/分が選択され、乱数値が16〜63の範囲にある場合には可変速度2として70回転/分が選択され、また、乱数値が64〜127の範囲にある場合には可変速度3として75回転/分が選択される。これらの各可変速度1乃至3は、いずれも通常ゲームにおいて各可変表示部で図柄がスクロールされる可変速度よりも遅く設定されている。
【0048】
続くS12においては、先ず、フリーゲームで使用される3つのリールRのそれぞれにて図柄列46乃至48の各図柄が通常可変速度(80回転/分)で回転される。このように各リールRの回転を通常可変速度で開始した後、左リールRにて図柄列46の図柄の停止表示が行われ、また、右リールRにて図柄列48の図柄の停止表示行われる。
これと同時に、中リールRの図柄列47については、次のような回転制御が行われる。
先ず、通常可変速度(80回転/分)で回転されている中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成する図柄が、可変表示部23に対応する表示領域(有効入賞ラインLを中心として上下方向に3つの図柄が表示される)内に回転表示されているかどうか判定される。かかる判定は、前記したように、中リールRの1回転の範囲内における回転位置に対応する計算値と、ROM51に格納された中リールRの回転位置とリールRの周面に形成された図柄とを対応させた図柄テーブルとに基づき認識された図柄の回転位置が、表示領域内に存在しているかどうかにより行われる。
例えば、当選役が、赤7−赤7−赤7である場合や赤7−赤7−DOUBLEである場合には、中リールRの図柄列47における赤7の図柄が表示領域内に入ってきたかどうか判定される。そして、中リールRにおける図柄列47の赤7の図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された可変速度に制御される。具体的には、通常可変速度で回転している中リールRは、通常可変速度よりも遅い可変速度に回転制御される。また、赤7の図柄が更に回転されて表示領域から外れた場合には、中リールRは再度通常可変速度に戻って回転されていく。
このように、中リールRの図柄列47における各図柄の内、当選役を構成する図柄(例えば、赤7の図柄)が、可変表示部23に対応する表示領域にて回転表示されている場合には、図柄列47における図柄の可変速度が遅くなるように中リールRの回転速度を変化させるので、プレイヤは、中リールRにおける図柄の可変速度の変化を視認することにより、赤7−赤7−赤7(この場合左及び右リールRにて有効入賞ラインLにそれぞれ赤7の図柄が停止している)や赤7−赤7−DOUBLE(この場合左リールRの有効入賞ラインLに赤7の図柄が停止し、右リールRの有効入賞ラインLにDOUBLEの図柄が停止している)に当選するかも知れないという期待感が高くなり、ゲームにおける遊技状態の判断を行うことが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持した状態でゲームを行うことができる。
尚、前記の例では、中リールRの図柄列47において、当選役を構成する図柄が表示領域内で回転表示されているかどうかを判定しているが、これに限らず、当選役を構成する図柄が有効入賞ラインLにオーバーラップする位置まで回転された時点で、中リールRの回転速度を遅く制御するように構成してもよい。
また、前記したように、中リールRの可変速度につきS11にて決定された可変速度が、下側液晶ディスプレイ4に表示される。具体的には、図14に示すように、中央の中リールRの上側に設けられた速度表示部85において、図柄列47の回転速度が70(回転/分)と表示される。かかる場合、前記S11における抽選で可変速度2が選択されたこととなる。
かかる時点で、プレイヤは、速度表示部85に表示された図柄列47の回転速度を視認することができ、中リールRにおける図柄列47の回転速度が70回転/分のように通常のスクロール速度に比して遅くなったことに基づき、フリーゲームにおける遊技状態を判断することが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0049】
S13では、下側液晶ディスプレイ4上でプレイヤに対してストップボタンの押下操作を促すガイダンスが表示される。かかるガイダンスとしては、例えば、最後に停止表示される可変表示部23に対応するストップボタン28を押下操作を促すメッセージを表示したり、その他の補助的メッセージを表示したりするものが考えられる。
【0050】
S14においては、プレイヤが、可変表示部23に対応するストップボタン28の押下操作を行った場合、その押下操作されたストップボタン28に対応するストップボタンスイッチ67から出力されるスイッチ信号をトリガとして、可変表示部23における中リールRの図柄列47の図柄が停止される。このとき、プレイヤは、中リールRの図柄列47のスクロール速度が変化した状態を視認した状態で期待感を持ちながらストップボタン28の押下操作を行うことができる。
【0051】
具体的に、例えば、前記S9及びS10の処理において、赤7−赤7−赤7の当選役に当選した場合には、S11にて中リールRにおける図柄列47の図柄の回転速度が決定された後、S12において左リールRの図柄列46中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示され、また、右リールRの図柄列48中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。この状態で、図14に示すように、所謂、リーチ状態となる。このリーチ状態においては、最後に停止表示される中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成する赤7の図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内で回転表示されているかどうか判定され、中リールRにおける図柄列47の赤7の図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された可変速度で回転されるとともに、その回転速度が速度表示85に表示される。そして、S13において下側液晶ディスプレイ4に表示されるガイダンスに基づき、プレイヤが中リールRに対応するストップボタン28を押下操作すると、S14にて中リールRにおける図柄列47中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。
【0052】
また、例えば、前記S9及びS10の処理において、赤7−BLANK−赤7のはずれに当選した場合には、S11にて中リールRにおける図柄列47の図柄の回転速度が決定された後、S12において左リールRの図柄列46中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示され、また、右リールRの図柄列48中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。この状態で、前記の場合と同様、所謂、リーチ状態となる。このリーチ状態においては、前記の場合と同様に、最後に停止表示される中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成するBLANKの図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内に回転表示されているかどうか判定され、中リールRにおける図柄列47のBLANKの図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された可変速度で回転されるとともに、その回転速度が速度表示部85に表示される。そして、S13において下側液晶ディスプレイ4に表示されるガイダンスに基づき、プレイヤが中リールRに対応するストップボタン28を押下操作すると、中リールRにおける図柄列47中のBLANKが有効入賞ラインL上に停止表示される。
【0053】
尚、最後に停止表示される中リールRにおける図柄列47の停止表示は、プレイヤからのストップボタン28の押下操作をトリガとして行っているが、中リールRの停止制御にとって常に適切なタイミングでストップボタン28が押下されるとは限らない。従って、ストップボタン28の押下操作のタイミングによっては、中リールRにおける図柄列の図柄をかなり移動させなければないらない場合があり得る。かかる場合に、中リールRにおける図柄列を回転する速度を遅くすると、ストップボタン28が押下されてから中リールRにて図柄列が停止表示されるまでの時間が長くなってしまい、不自然な動きになってしまう場合がある。
これに対処するため、本実施形態に係るスロットマシン1では、中リールRにおいて図柄列を回転すべき量に応じて、図柄列のナッジ処理やリスピン処理を行っている。これにより、ストップボタン28の押下操作から中リールRにて図柄列が停止表示されるまでに長い時間が経過することを防止し、不自然な動きを解消することができる。
ここに、「ナッジ処理」とは、通常回転方向に対して逆方向に図柄列を若干戻す処理を行うことをいい、また、「リスピン処理」とは、通常回転方向と同一方向に図柄列を略1周期回転することをいう。
【0054】
前記S14の後S15において、前記S2にて決定したフリーゲーム数が終了したかどうか判断される。所定数のフリーゲーム数が終了していない場合(S15:NO)にはS9に戻って再度フリーゲームが行われる。一方、所定数のフリーゲームが終了した場合(S15:YES)には、フリーゲーム処理を終了する。
【0055】
以上説明した通り本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーゲームのトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいて、3つのリールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度を図9に示す抽選テーブルに基づいて決定する際に、可変速度1(65回転/分)、可変速度2(70回転/分)、又は可変速度3(75回転/分)が選択された場合には、最後に停止される中リールRにて図柄列47の図柄が、通常ゲームにおける図柄の可変速度(80回転/分)よりも遅く回転されるように制御されるので、プレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることができる。このとき、中リールRに対応するストップボタン28を押下操作するタイミングの如何に拘わらず中リールRでは、抽選により決定された当選役に従って所定の図柄が停止表示されるものではあるが、中リールRにおける図柄列47のスクロール速度は遅く制御されることから、適切なタイミングでストップボタン28を押下することができたという満足感をプレイヤに与えることができる。
【0056】
また、最後に停止される中リールRにて、図柄列47の図柄を回転する可変速度を決定するについては、図9に示す抽選テーブルに基づいて抽選し、その抽選結果に基づいて可変速度を決定するようにしているので、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速に可変速度を決定することができる。
【0057】
更に、フリーゲームで使用される3つのリールRのそれぞれにて図柄列46乃至48の各図柄を通常可変速度(80回転/分)で回転を開始した後、左リールRにて図柄列46の図柄の停止表示が行われるとともに、右リールRにて図柄列48の図柄の停止表示行われ、これと同時に、中リールRにて図柄列47の図柄が、前記S11において決定された可変速度で回転するようにしているので、当選役の抽選処理において所定の当選役に当選した場合には、最後に停止される中リールR以外の他の左リールR及び右リールRにて有効入賞ラインL上で所定の図柄を停止表示した、所謂、リーチ状態において最後に停止される中リールRにおける図柄列47を回転する可変速度を遅く制御することができる。従って、適切なタイミングでストップボタン28を押下することにより当選役を揃えることができたいう満足感をプレイヤに与えることができ、また、各リールRに停止表示された当選役に対応する所定図柄の組合せに基づきコイン等の遊技媒体の払出を行うことができる。
【0058】
また、最後に停止表示される中リールRにおける図柄列47の停止表示を、プレイヤからのストップボタン28の押下操作をトリガとして行うに際して、中リールRの停止制御にとって不適切なタイミングでストップボタン28が押下された場合においても、中リールRにて図柄列を回転すべき量に応じて、図柄列のナッジ処理やリスピン処理を行っているので、ストップボタン28の押下操作から中リールRにて図柄列が停止表示されるまでに長い時間が経過することを防止し、不自然な動きを解消することができる。
【0059】
更に、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーゲームのトリガーが不成立である場合に行われる通常ゲームでは、最後に停止表示される可変表示部23において図柄をスクロールする可変速度(80回転/分)が速度表示部85に表示され、また、フリーゲームのトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいて、3つのリールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度が図9に示す抽選テーブルに基づいて決定されるとともに、その決定された可変速度が速度表示部85に表示されるようにしているので、プレイヤは、速度表示部85に表示された図柄列47の回転速度を視認することができ、中リールRにおける図柄列47のスクロール速度が70回転/分のように通常の回転速度に比して遅くなったことに基づき、フリーゲームにおける遊技状態を判断することが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0060】
また、最後に停止される中リールRにて、図柄列47の図柄を回転する可変速度を速度表示部85に表示するについては、図9に示す抽選テーブルに基づいて抽選し、その抽選結果に基づいて決定した可変速度を速度表示部85に表示するようにしているので、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速に可変速度を決定して速度表示部85に表示することができる。
更に、前記のように抽選により決定された可変速度が速度表示部85上で変化して表示されることから、プレイヤは中リールRにて図柄列47が可変表示されている間においても、楽しんでゲームを行うことができる。
また、プレイヤは、中リールRにおける図柄列47の回転速度が変化した状態を視認しつつ期待感を持ちながらストップボタン28の押下操作を行うことができる。
【0061】
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーゲームのトリガーが成立しない場合に行われる通常ゲームにおいては、可変表示部における図柄の可変速度を通常のスクロール速度(例えば、80回転/分)に制御するとともに、フリーゲームのトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいては、3つのリールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度を図9に示す抽選テーブルに基づいて決定するとともに、中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成する赤7の図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内に回転表示されているかどうか判定され、中リールRにおける図柄列47の赤7の図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された遅い可変速度に制御されるので、プレイヤは、中リールRにおける図柄の可変速度の変化を視認することにより、赤7−赤7−赤7や赤7−赤7−DOUBLEに当選したかも知れないという期待感が高くなり、ゲームにおける遊技状態の判断を行うことが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持した状態でゲームを行うことができる。
【0062】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、前記実施形態に係るスロットマシン1においては、通常ゲームでは下側液晶ディスプレイ4上で5つの可変表示部21乃至25にて図3に示す各図柄列41乃至45をスクロール表示し、また、フリーゲームでは3つのリールRにて図7に示す各図柄列46乃至48を回転してゲームを行うように構成していたが、これに限らず、例えば、通常ゲームは従来のスロットマシンと同様に、周面に図3に示すような図柄配列を形成した5つのリールを使用してゲームを行い、フリーゲームでは前記のように下側液晶ディスプレイ4上でゲームを行うようにしてもよく、また、通常ゲーム及びフリーゲームの双方を下側液晶ディスプレイ4の可変表示部にて行うようにしてもよい。
【0063】
また、通常ゲームにおいて、ストップボタン26乃至30は、各可変表示部21乃至25に対応して設け、図柄がスクロールされている可変表示部に対応するストップボタンを押下操作してトリガ信号を出力するように構成していたが、ゲームにて使用される複数の可変表示部の内1つを残して自動的に図柄の停止表示を行い、最後に残された可変表示部に対応するストップボタンからのスイッチ信号のみを受け付けるように構成してもよい。また、一定時間各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われない場合には、タイムアウトとして自動的に各可変表示部21乃至25の図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0064】
更に、フリーゲームにおいて使用される3つのリールRの内、中央の中リールRを最後に停止されるリールとして予め設定し、両側の左リールR及び右リールRにつき図柄を停止表示した後に、プレイヤからのストップボタン28の押下操作をトリガとして中リールRの図柄を停止表示するように構成していたが、最後に停止するリールを抽選により決定し、他の2つのリールにて図柄の停止表示を行った後にプレイヤからのストップボタンの押下操作を待って抽選により決定したリールにて図柄の停止表示を行うようにしてもよい。
また、フリーゲームにおいて、中リールRの図柄列47における各図柄の内、当選役を構成する図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内に回転表示されているかどうか判定し、中リールRにおける図柄列47の当選役に係る図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRを、通常可変速度(80回転/分)よりも遅い可変速度に制御するようにしていたが、これに限らず、左及び右リールRについて同様の処理を行ってもよい。
【0065】
また、通常ゲームにおいては、図6に示す抽選テーブルに基づき当選役の抽選を行うようにしていたが、通常ゲームで使用される可変表示部毎に停止図柄の抽選を行うようにしてもよい。かかる場合には、以下のように抽選を行うことができる。
先ず、図15に示すように、ゲームで使用可能な5つの可変表示部21乃至25に可変表示される図柄列41乃至45における各図柄とコード番号との対応テーブルを設けておく。また、図16に示すように、各図柄列における図柄のコード番号と乱数値とを対応させた抽選テーブルを設ける。尚、図16に示す抽選テーブルは、各図柄列における図柄は、均等な確率で偏ることなく選択されるように構成されている。
【0066】
そして、ゲームで使用される可変表示部21乃至25の数に応じて、各可変表示部毎に図15のコードテーブル及び図16の抽選テーブルを使用して停止図柄の抽選が行われる。例えば、ゲームで5つの可変表示部21乃至25が使用される場合には5つの可変表示部21乃至25について5回の抽選が行われ、使用される可変表示部の数が3つの場合には3つの可変表示部22乃至24について3回の抽選が行われ、使用される可変表示部が2つの場合には可変表示部22及び23について2回の抽選が行われ、また、使用される可変表示部が1つの場合には、可変表示部23について1回の抽選が行われる。
【0067】
具体的に、5つの可変表示部がゲームで使用される場合には、先ず、可変表示部21にて停止表示される図柄の抽選が行われる。例えば、取得された乱数値が4の場合には、図16の抽選テーブルに基づき図柄列41におけるコード番号4に対応するセブン(7)が停止される。尚、残り4つの各図柄列42乃至45についても同様に抽選が行われる。また、ゲームで使用される可変表示部の数が3つの場合、2つの場合、1つの場合についても、それぞれ前記同様にして各可変表示部における停止図柄の抽選が行われる。
【0068】
ここに、本実施形態において、ジョーカー97を含む可変表示部23は、ゲームで常に使用されるが、図16に示す抽選テーブルでは、ジョーカー97も他の図柄も均等な確率で選択されてフリーゲームに移行し易くなることから、各図柄の選択確率に偏りを持たせるべく図17に示す抽選テーブルを使用することもできる。図17に示す抽選テーブルでは、乱数値の範囲は0〜127であり、特に、ジョーカー97が停止される確率は、1/128となり、フリーゲームに移行し難く設定されている。また、他の図柄が選択される確率についても、それぞれ偏りが設定されている。
【0069】
また、フリーゲームにおいて、2つの左リールR、右リールRにおいて図柄を停止表示した後に、最後に停止する中リールRにて回転される図柄の可変速度を遅くするように制御していたが、これに限らず、図柄の可変速度が早くなるように制御してもよい。尚、この場合においても、前記S9及びS10にて決定されるフリーゲームの当選役に基づき各可変表示部におけるリールRの図柄が停止表示されるので、プレイヤからのストップボタンによる停止指示のタイミングに拘わらず、当選役に対応する所定の図柄の組合せで図柄の停止表示が行われる。従って、ストップボタンを適切に押下操作したという優越感をプレイヤに与えることができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る遊技機では、複数存在する可変表示部内最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定するようにしたので、最後に停止される可変表示部にて図柄列の図柄が遅くなるように制御され、これによりプレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることができる。従って、適切なタイミングで停止指示手段を介して停止指示することができという満足感をプレイヤに与えることができる。
【0071】
また、最後に停止される可変表示部にて、図柄列における図柄の可変速度を決定するについては、抽選テーブルに基づいて抽選し、その抽選結果に基づいて可変速度を決定するようにしているので、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速に可変速度を決定することができる。
【0072】
更に、複数の可変表示部のそれぞれにて、図柄列の各図柄の可変表示を開始した後、最後に停止される可変表示部以外の他の可変表示部にて有効入賞ライン上で所定の図柄が停止表示されている場合に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定しているので、所謂、リーチ状態において最後に停止される可変表示部における図柄列の可変速度を遅く制御することができる。従って、適切なタイミングで停止指示手段から停止指示を行うことができたという満足感をプレイヤに与えることができ、また、各可変表示部に停止表示された当選役に対応する所定図柄の組合せに基づきコイン等の遊技媒体の払出を行うことができる。
【0073】
また、最後に停止表示される可変表示部における図柄列の停止表示を、プレイヤからの停止指示手段の操作をトリガとして行うに際して、可変表示部の停止制御にとって不適切なタイミングで停止指示手段の操作が行われた場合においても、停止指示手段からの停止指示のタイミングに応じて図柄列のナッジ処理やリスピン処理を行っているので、停止指示手段が操作されてから可変表示部にて図柄列が停止表示されるまでに長い時間が経過することを防止し、不自然な動きを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの斜視図である。
【図2】下側液晶ディスプレイ及びリールの縦断面図である。
【図3】下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
【図4】可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図5】スロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図6】5つの可変表示部を使用してゲームを行う場合における当選役の抽選テーブルである。
【図7】フリーゲームにおいて使用されるリールの図柄列を模式的に示す説明図である。
【図8】フリーゲームにおける当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図9】フリーゲームにおけるリールの可変速度の抽選テーブルである。
【図10】メイン処理プログラムのフローチャートである。
【図11】通常ゲーム処理プログラムのフローチャートである。
【図12】通常ゲームにて最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を速度表示部に表示する状態を示す説明図である。
【図13】フリーゲーム処理プログラムのフローチャートである。
【図14】フリーゲームにて最後に停止されるリールにおける図柄の可変速度を速度表示部に表示する状態を示す説明図である。
【図15】各図柄とコード番号とを対応させたコードテーブルである。
【図16】各図柄列における図柄のコード番号と乱数値とを対応させた抽選テーブルである。
【図17】各図柄の選択確率に偏りを持たせた抽選テーブルである。
【図18】下側液晶ディスプレイの液晶駆動回路を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
4 下側液晶ディスプレイ
5 操作テーブル
21〜25 可変表示部
26〜30 ストップボタン
33 液晶パネル
50 CPU
51 ROM
52 RAM
85 速度表示部
L 有効入賞ライン
R リール
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数列の可変表示部における図柄が有効入賞ラインに沿って停止した場合に一定の特典を付与する遊技機に関し、特に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を遅くするようにしたスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外周面に各種の図柄を形成した複数のリールを回転可能に設けておき、各リールにおける図柄が有効入賞ラインに沿って所定の組合せで停止表示された場合に、メダル等を払い出すように構成された各種のスロットマシンが提案されている。
また、海外で多く普及しているスロットマシンでは、SPINボタンの押下後、リール毎に停止図柄を決定した後、各リールを回転させるとともに一定時間経過した時点で各リールにつき決定した停止図柄で各リールを自動的に停止させるものであり、一方、遊技者(プレイヤ)は自動的に停止される図柄の組合せがどのような組合せになるか期待してゲームを行っている。この点で、プレイヤにとって受け身的なゲームになってしまう傾向がある。特に、ゲームに関与する所定回数のフリースピン(新たにメダルを投入することなしに、リールが自動的に回転するとともに一定時間経過後に停止し、停止した図柄の組合せに対応してメダル等の払出を行う動作)を行うことが可能なフリーゲームに移行した場合、プレイヤがゲームに関与できない状態(停止図柄の組合せを見るだけの状態)が長く続くこともある。そのため、プレイヤのゲームに対する興味を持続させるべく様々な工夫がなされている。
例えば、特開平11−244453号公報には、ゲームを開始した後に、3つの各リールに形成されたシンボルマークの組合せ抽選を行うとともに、有効ラインの抽選を行うように構成されたスロットマシンが記載されている。かかるスロットマシンでは、抽選により決定されて停止表示されたシンボルマークの組合せに対して、有効ラインの位置や数を可変とすることができ、プレイヤのゲームに対する興味をゲームの終了まで持続することが可能となるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−244453号公報(第2頁〜第5頁、図2、図4、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたスロットマシンにおいては、3つの各リールの停止ポジション又は窓に表示させるシンボルマークのランダム抽選の結果に基づいて各リールのシンボルマークを停止させる場合に、特別の停止制御は行われておらず、一律に停止させるように構成されている。
かかる場合においても、抽選により有効ライン数が増加するので、ゲームの興味を持続することが可能ではあるが、3つの各リールの停止制御を行うについてその演出性に乏しいものであり、ゲームに対するプレイヤの興趣を高く維持するにはまだなお工夫の余地がある。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、複数存在する可変表示部の内最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を遅くなるように制御し、プレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る遊技機は、複数列の可変表示部(例えば、可変表示部21乃至25、左中及び右リールR)を有するとともに、各列の可変表示部の図柄が有効入賞ライン(例えば、有効入賞ラインL)に沿って所定の組合せで停止した場合に特典を付与する遊技機(例えば、スロットマシン1)において、前記図柄の停止態様を抽選により決定する図柄抽選手段(例えば、CPU50、S2、S9)と、前記可変表示部における図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御手段(例えば、CPU50、S6、S12)と、前記複数列の可変表示部の内最後に停止される可変表示部(例えば、可変表示部23、中リールR)における図柄の可変速度を、他の可変表示部(例えば、可変表示部21、22、24、25、左及び右リールR)における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定する可変速度決定手段(例えば、CPU50、S11)と、前記最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度が、前記可変速度決定手段により決定された可変速度となるように前記可変表示手段を制御する制御手段(例えば、CPU50、S12)と、前記制御手段により可変速度が制御されている図柄の停止指示を行う停止指示手段(例えば、ストップボタン28)と、前記停止指示手段からの停止指示に基づいて前記図柄抽選手段により決定された停止態様に対応する図柄で停止するように可変表示制御手段の停止制御を行う停止制御手段(例えば、CPU50、S7、S14)とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る遊技機は、請求項1の遊技機において、前記可変速度の抽選テーブルと、前記抽選テーブルに基づいて可変速度を抽選する可変速度抽選手段(例えば、CPU50、S11)とを備え、前記可変速度決定手段は、前記抽選手段により抽選された可変速度に基づいて前記最後に停止される可変表示部の図柄の可変速度を決定することを特徴とする。
【0008】
更に、請求項3に係る遊技機は、請求項1又は請求項2の遊技機において、前記可変速度決定手段(例えば、CPU50、S11)は、前記最後に停止される可変表示部(例えば、可変表示部23、中リールR)以外の他の可変表示部(例えば、可変表示部21、22、24、25、左及び右リールR)にて有効入賞ライン(例えば、有効入賞ラインL)に沿って所定の図柄が停止されている場合に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る遊技機は、請求項1乃至請求項3のいずれかの遊技機において、前記停止制御手段(例えば、CPU50、S7、S14)は、前記停止指示手段(例えば、ストップボタン28)からの停止指示のタイミングに応じて最後に停止される可変表示部における図柄のナッジ又はリスピンを行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機について、本発明をスロットマシンに具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るスロットマシンの概略構成について図1に基づき説明する。図1はスロットマシンの斜視図である。
【0011】
図1において、スロットマシン1はその全体を形成するキャビネット2を有しており、かかるキャビネット2の前面上部には上側液晶ディスプレイ3が配設され、また、キャビネット2の前面中央部には下側液晶ディスプレイ4が配設されている。ここに、上側液晶ディスプレイ3は一般に汎用されている液晶ディスプレイから構成されており、また、下側液晶ディスプレイ4は、所謂、透明液晶ディスプレイから構成されている。上側液晶ディスプレイ3には、ゲーム方法、当選役の種類とその配当、ゲームに関する各種演出等ゲームに関する情報が表示される。また、下側液晶ディスプレイ4には、図1に示されているように、基本的に、5つの可変表示部21、22、23、24及び25が表示されるとともに、各可変表示部21乃至25において後述する各種の図柄を上方向から下方向に向かってスクロールしながら変動表示する。尚、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造については後述する。
【0012】
下側液晶ディスプレイ4の下側には、手前側に突出された操作テーブル5が設けられており、かかる操作テーブル5には、最も左側から両替(CHANGE)ボタン6、払い戻し(CHASHOUT)ボタン7、ヘルプ(HELP)ボタン8が配置されており、また、ヘルプボタン8の右側には、コイン投入部9、紙幣投入部10が設けられている。また、操作テーブル5の手前側にて左側から、1−BETボタン11、SPIN/REPEAT BETボタン12、3−BETボタン13、及び、5−BETボタン14が配置されている。
ここに、両替ボタン6は、紙幣投入部10に投入した紙幣を両替する際に押下されるボタンであり、両替されたコインは、キャビネット2の下部に設けられたコイン払出口15からコイン受け部16に払い出される。かかる両替ボタン6には、後述する両替(CHANGE)スイッチ62が付設されており、両替ボタン6の押下に基づき両替スイッチ62からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0013】
払い戻しボタン7は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン7が押下されると、ゲームにて獲得したコインがコイン払出口15からコイン受け部16に払い戻される。尚、払い戻しボタン7には、後述する払い戻し(CASHOUT)スイッチ63が付設されており、払い戻しボタン7の押下に基づきスイッチ信号がCPU50に出力される。
ヘルプボタン8は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン8が押下されると、上側液晶ディスプレイ3や下側液晶ディスプレイ4に各種のヘルプ情報が表示される。かかるヘルプボタン8には、後述するヘルプ(HELP)スイッチ64が付設されており、ヘルプボタン8の押下に基づきヘルプスイッチ64からスイッチ信号がCPU50に出力される。
【0014】
コイン投入部9には、後述するコインセンサ65が配置されており、コイン投入部9にコインが投入されると、コインセンサ65を介してコイン検出信号がCPU50に出力される。また、紙幣投入部10には、紙幣センサ66が配置されており、紙幣投入部10に紙幣が投入されると、紙幣センサ66を介して紙幣検出信号がCPU50に出力される。
1−BETボタン11は、1回押下する毎に1ずつベットされるボタンである。この1−BETボタン11には、後述する1−BETスイッチ59が付設されており、1−BETボタン11が押下されると、その押下に基づき1−BETスイッチ59からCPU50にスイッチ信号が出力される。
スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12は、押下されることに基づき現在のベット数又は前回のベット数でゲームを開始すべく、下側液晶ディスプレイ4の各可変表示部21乃至25にて各図柄の変動表示が開始されるボタンである。スピンボタン12には、後述するスピンスイッチ58が付設されており、スピンボタン12が押下されると、その押下に基づきスピンスイッチ58からスイッチ信号がCPU50に出力される。尚、スピンボタン12の押下により、賭けることが可能なベット数としては、1、2、3、5ベットが存在し得る。
【0015】
3−BETボタン13は、その押下に基づき3ベットでゲームを開始するためのボタンである。かかる3−BETボタン13には、後述する3−BETスイッチ60が付設されており、その押下時には3−BETスイッチ60からスイッチ信号がCPU50に出力される。また、5−BETボタン14は、その押下に基づき5ベットでゲームを開始するためのボタンである。5−BETボタン14には、後述する5−BETスイッチ61が付設されており、その押下に基づき5−BETスイッチ61からスイッチ信号がCPU50に出力される。
また、キャビネット2の下部には、コイン払出口15が形成されるとともに、コイン払出口15から払い出されたコインを受けるコイン受け部16が設けられている。コイン払出口15の内部には、センサ等より構成されるコイン検出部73が配置されており、コイン検出部73はコイン払出口15から払い出されるコインの枚数を検出する。
【0016】
また、操作テーブル5における最も手前側には、前記各可変表示部21乃至25のそれぞれに対応して、ストップボタン26乃至30が設けられている。これらの各ストップボタンは、後述するように、その対応する可変表示部でスクロールされている図柄を停止表示させる際に押下操作されるものであるが、その押下操作のタイミングで図柄を停止表示させることができるものではない。各ストップボタン26乃至30の押下操作に基づきストップボタンスイッチ67から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部にてスクロールされている図柄を停止表示させる際のトリガとして使用されるだけのものである。
【0017】
更に、キャビネット2の側面(図1中右側面)には、スタートレバー17が所定角度範囲で回動自在に取り付けられている。かかるスタートレバー17にはスタートスイッチ57が付設されており、スタートレバー17の回動時にスタートスイッチ57から発せられるスイッチ信号はCPU50に出力される。
【0018】
続いて、下側液晶ディスプレイ4の詳細な構造及び下側液晶ディスプレイ4の背面側においてキャビネット2内部で回転自在に設けられたリールについて、図2及び図3に基づき説明する。図2は下側液晶ディスプレイ及びリールの縦断面図、図3は下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
図2及び図3において、下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1のキャビネット2の前面中央部に設けられた機器前面パネル20の表示窓部Wの内側に配置されており、また、下側液晶ディスプレイ4の背面側(図2中右側)には、前記した可変表示部22乃至24のそれぞれに対応して3つのリールR(図2には1つのリールRのみを示す)が並列状態で、且つ、それぞれ独立して回転自在に支持されている。
【0019】
ここで、各リールRについて説明すると、3つのリールRの内、スロットマシン1の正面から見て左側の左リールRは、下側液晶ディスプレイ4に表示される可変表示部22(図1参照)に対向しており、中央の中リールRは、同様に下側液晶ディスプレイ4に表示される可変表示部23(図1参照)に対向しており、また、右側の右リールRは、同様に下側液晶ディスプレイ4に表示される可変表示部24(図1参照)に対向している。尚、各リールR周面には、後述する図7に示すような、図柄列が形成されている。各リールRの周面に図柄列を形成するについては、各リールRの幅・周長に合致する長尺状のシールに図柄列を印刷しておき、かかるシールを各リールRの周面に貼付することにより形成するのが一般的であるが、この方法以外の方法でシンボルを形成することは勿論可能である。前記各リールRは、後述するフリーゲームが行われる際に使用される。
【0020】
また、下側液晶ディスプレイ4は、スロットマシン1の前面側から、リールガラスベース31、ベゼル金属枠32、液晶パネル33、液晶ホルダ34、拡散シート35、導光板36、白色のリフレクタ37、リアホルダ38、及び、帯電防止シート39が配置されて構成されている。拡散シート35には、開口部35A、35B、35Cが形成されており、同様に、導光板36、リフレクタ37及びリアホルダ38には、開口部35A〜35Cに一致するように、それぞれ開口部36A、36B、36C、開口部37A、37B、37C、開口部38A、38B、38Cが形成されている。各開口部35A〜38Aは、相互に一致するように重ねられて可変表示部22(図1参照)に対応し、各開口部35B〜38Bは同様に可変表示部23(図1参照)に対応し、また、各開口部35C〜38Cは同様に可変表示部24(図1参照)に対応する。
ここに、拡散シート35の開口部35A〜35C及び導光板36の開口部36A〜36Cは、各可変表示部22〜24の視認性を確保する透過領域を構成している。
【0021】
機器前面パネル20の表示窓部Wに下側液晶ディスプレイ4を取り付けるには、図2に示すように、リールガラスベース31の上下方向に突出して設けられた各ブラケット40をネジ410により機器前面パネル20の背面にネジ止めすることにより行われている。
また、導光板36の上下端には、液晶パネル33の光源として一対の陰極線管420が設けられている。また、リアホルダ38の各開口部38A〜38Cの背面側上下には、一対の冷陰極線管430が設けられている。
液晶パネル33は、各リールRの前面に配置されて各リールRが透視可能なITO等からなる透明な電気的表示パネルであり、その表示部の周囲の背面側は液晶ホルダ34によって保持されている。導光板36は、光透過性の樹脂パネルからなり、側部に位置する冷陰極線管420から出射された光を液晶表示パネル33の背面側に導くレンズカットが形成されている。拡散シート35は、光透過性の樹脂シートからなり、導光板36で導かれた光を拡散して、液晶表示パネル33に照射される光を均一化する。液晶表示パネル33を保持する液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、一体化されてその周囲がベゼル金属枠32に挿入されている。この挿入により、液晶パネル33における表示部の前面側はベゼル金属枠32によって保持される。
【0022】
ベゼル金属枠32に嵌められて一体化された液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36は、その周囲が更にリールガラスベース31に挿入されており、液晶パネル33の表示前面を開口した状態でリールガラスベース31によって保持されている。
リアホルダ38は、白色の樹脂板からなり、リールガラスベース31に支持されたベゼル金属枠32、液晶パネル33を保持した液晶ホルダ34、拡散シート35及び導光板36を背後からリールガラスベース31に保持している。このリアホルダ38は、冷陰極線管420から導光板36に出射された光を液晶パネル33側へ反射する反射板としても機能している。帯電防止シート39は、透明で、リアホルダ38の背面に両面テープで接着されており、リアホルダ38に形成された各開口部38A〜38Cの背面を覆っている。
【0023】
続いて、図4に基づき、通常ゲームにおいて、各可変表示部21乃至25にてスクロールしながら可変表示される図柄例について説明する。図4において、図柄列41は可変表示部21にて可変表示される図柄列、図柄列42は可変表示部22にて可変表示される図柄列、図柄列43は可変表示部23にて可変表示される図柄列、図柄列44は可変表示部24にて可変表示される図柄列、また、図柄列45は可変表示部25にて可変表示される図柄列である。
ここに、図柄列41、42、44及び45は、共に同一図柄配列を有しており、これらの各図柄列は、トリプルBAR91、チェリー92、ダブルBAR93、セブン94、シングルBAR95及びブランク(図柄が存在していない領域)96が適宜組み合わされて11個の図柄から構成されている。
【0024】
また、図柄列43は、トリプルBAR91、チェリー92、ダブルBAR93、セブン94、シングルBAR95及びブランク96が組み合わされている点で前記各図柄列41、42、44、45と同様であるが、更に、ジョーカー97が1個配列されている。かかるジョーカー97は、後述するように、フリーゲームに移行するためのトリガーシンボルであり、可変表示部23における有効入賞ライン(後述する)上で停止表示された場合にフリーゲームに移行することができる。
尚、各可変表示部21乃至25においてスクロールされている各図柄列41乃至45が停止表示される場合、3つの図柄がそれぞれの可変表示部で停止表示される。
また、前記各図柄の複数種類の組合せに基づき各種の当選役が予め設定されており、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ラインL(図1参照)上で停止した際に、当選役に応じてコインがコイン払出口15から払い出される点については従来のスロットマシンと同様であり、ここではその説明を省略する。
ここに、本実施形態では、図1に示すように、有効ラインLはセンターラインのみとされており、かかる有効ラインLは、SPIN/REPEAT BETボタン12、3−BETボタン13、及び、5−BETボタン14の押下又はスタートレバー17の回動に基づき各可変表示部21乃至25にて各図柄の可変表示・停止による通常ゲームを行う際、及び、後述するフリーゲームを行う際に、下側液晶ディスプレイ4に表示される。
【0025】
次に、スロットマシン1の制御系に係る構成について図5に基づき説明する。図5はスロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
図5において、スロットマシン1の制御系は、基本的に、CPU50を核として構成されており、CPU50にはROM51及びRAM52が接続されている。ROM51は、後述するメイン処理プログラム、通常ゲーム処理プログラム、フリーゲーム処理プログラム、ゲームの進行に伴って上側液晶ディスプレイ3及び下側液晶ディスプレイ4に各種の演出を行うための各種演出プログラム、通常ゲームにて使用される当選役を抽選するための抽選テーブル、フリーゲームにて使用される当選役を抽選するための抽選テーブル、その他スロットマシン1の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM52は、CPU50で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0026】
また、CPU50には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路53及び分周器54が接続されており、また、乱数を発生する乱数発生器55及び乱数サンプリング回路56が接続されている。乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数は、当選役、演出等の各種の抽選に使用される。更に、CPU50には、スタートレバー17に付設されるスタートスイッチ57、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12に付設されるスピンスイッチ58、1−BETボタン11に付設される1−BETスイッチ59、3−BETボタン13に付設される3−BETスイッチ60、5−BETボタン14に付設される5−BETスイッチ61、両替ボタン6に付設される両替(CHANGE)スイッチ62、払い戻しボタン7に付設される払い戻し(CASHOUT)スイッチ63、及び、ヘルプボタン8に付設されるヘルプ(HELP)スイッチ64が、それぞれ接続されている。CPU50は、各ボタンの押下により各スイッチから出力されるスイッチ信号に基づき、各ボタンに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0027】
更に、CPU50には、コイン投入部9に配置されるコインセンサ65及び紙幣投入部10に配置される紙幣センサ66が、それぞれ接続されている。コインセンサ65はコイン投入部9から投入されたコインを検出し、CPU50はコインセンサ65から出力されるコイン検出信号に基づき投入されたコイン枚数を演算する。紙幣センサ66は、紙幣投入部10から投入された紙幣の種類・額を検出し、CPU50は紙幣センサ66から出力される紙幣検出信号に基づき紙幣の額と等価なコイン枚数を演算する。また、CPU50には、各ストップボタン26乃至30に付設されるストップボタンスイッチ67が接続されている。各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われると、ストップボタンスイッチ67からはスイッチ信号が出力され、そのスイッチ信号に基づきCPU50は各可変表示部21乃至25にてスクロールされている図柄の停止表示を行う。
【0028】
CPU50には、モータ駆動回路68Aを介して各リールRの回転を行う3つのステップモータ68が接続されており、また、リール位置検出回路69が接続されている。CPU50からモータ駆動信号がモータ駆動回路67に出力されると、各ステップモータ68はモータ駆動回路67により回転駆動される。これにより各リールRの回転が行われる。
このとき、各リールRの回転が開始された後、ステップモータ68の各々に供給される駆動パルス数が計算され、その計算値はRAM52の所定エリアに書き込まれる。また、各リールRからは1回転毎にリセットパルスが出力され、かかるリセットパルスはリール位置検出回路69を介してCPU50に入力される。このようにリセットパルスがCPU50に入力されると、RAM52に書き込まれている計算値は「0」にクリアされ、CPU50は、各リールRの1回転の範囲内における回転位置に対応する計算値と、ROM51に格納された各リールRの回転位置と各リールRの周面に形成された図柄とを対応させた図柄テーブルとに基づき、各リールRにおける図柄の回転位置を認識する。
【0029】
CPU50には、ホッパー駆動回路70を介してホッパー71が接続されている。CPU50から駆動信号がホッパー駆動回路70に出力されると、ホッパー71は、所定枚数のコインをコイン払出口15から払い出す。
また、CPU50には、払出完了信号回路72を介してコイン検出部73が接続されている。コイン検出部73はコイン払出口15の内部に配置されており、コイン払出口15から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、コイン検出部73からコイン払出検出信号が払出完了信号回路72に出力され、これに基づき払出完了信号回路72は、CPU50に対して払出完了信号を出力する。更に、CPU50には、液晶駆動回路74を介して上側液晶ディスプレイ3が接続され、また、液晶駆動回路75を介して下側液晶ディスプレイ4が接続されている。
この点、液晶駆動回路75は、図18に示すように、プログラムROM81、画像ROM82、画像制御CPU83、ワークRAM84、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)85及びビデオRAM86などで構成されている。そして、プログラムROM81には、下側液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROM82には、例えば、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)で表示される図4の図柄列41〜45など、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPU83は、CPU50で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM81内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM82内に予め記憶されたドットデータの中から下側液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAM84は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU83で実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDP85は、画像制御CPU83で決定された表示内容に応じた画像を形成し、下側液晶ディスプレイ4に出力するものである。これにより、例えば、図4の図柄列41〜45などが、下側液晶ディスプレイ4(又は可変表示部21乃至25)でスクロール表示される。尚、ビデオRAM86は、VDP85で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0030】
また、CPU50には、LED駆動回路77を介してLED78が接続されている。LED78は、スロットマシン1の前面にて多数配設されて各種の演出を行う際に、CPU50からの駆動信号に基づきLED駆動回路77により点灯制御されるものである。更に、音出力回路79及びスピーカ80がCPU50に接続されており、スピーカ80は、音出力回路79からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。
【0031】
ここで、スロットマシン1にてゲームを行うに際して、5つの可変表示部21乃至25を使用して通常ゲームを行う場合に、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図6に基づき説明する。図6は通常ゲームを行う場合における当選役の抽選テーブルである。
図6において、当選役の抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜16383であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜121の範囲にある場合には、フリーゲームのトリガーに当選する。この場合、可変表示部23においてジョーカー97が有効入賞ラインL上に停止表示され、後述するフリーゲームに移行することができる。ここに、フリーゲームとは、通常のゲームが行われた後に行われるゲームであり、一般にプレイヤに有利なゲームとなっている場合が多い。例えば、フリーゲームに移行すると、コイン等をベットすることなく、フリーゲームのランクに応じて10ゲーム、20ゲーム又は30ゲーム連続してゲームが行われる。このとき、フリーゲームでは、各種の当選役に当選確率が高く設定されているのが一般的であり、従って、プレイヤは多量のコイン等を獲得できることが多い。尚、フリーゲームには、通常ゲーム(第1ゲーム)の後に行われるプレイヤに有利なゲーム、例えば、ボーナスゲーム、セカンドゲーム等各種のゲームが含まれる。
【0032】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が、122〜353の範囲にある場合には、セブン(7)の当選役に当選する。かかる当選役は、5つのセブン94の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、セブン94が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が354〜427の範囲にある場合には、トリプルBARの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのトリプルBAR91の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、トリプルBAR91が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が428〜473の範囲にある場合には、ダブルBARの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのダブルBAR93の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、ダブルBAR93が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が474〜825の範囲にある場合には、シングルBARの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのシングルBAR95の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、シングルBAR95が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、サンプリングされた乱数値が826〜1025の範囲にある場合には、チェリーの当選役に当選する。かかる当選役は、5つのチェリー92の停止図柄から構成される。この場合、各可変表示部21乃至25において、チェリー92が有効入賞ラインL上に停止表示される。
【0033】
尚、サンプリングされた乱数値が1026〜16383の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、各可変表示部21乃至25における有効入賞ラインL上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
【0034】
続いて、前記したように、通常ゲームにおいて、可変表示部23における有効入賞ラインL上でジョーカー97が停止表示された場合に通常ゲームから移行するフリーゲームについて説明する。尚、フリーゲームにおいては、前記可変表示部22乃至24に対応して配設されている3つの左リールR、中リールR、右リールRが使用される。
先ず、フリーゲームにおいて、各リールRの回転に従って可変表示される図柄列について図7に基づき説明する。図7において、図柄列46は左リールRにて可変表示される図柄列、図柄列47は中リールRにて可変表示される図柄列、また、図柄列48は右リールRにて可変表示される図柄列である。
【0035】
ここに、図柄列46と47は、3個の赤7と2つのBLANK(図柄が存在していない領域)が適宜組み合わされて5個の図柄から構成されている。但し、図柄列46と47の図柄配列は、異なっている。また、図柄列48は、2つの赤7、2つのBLANK及び1つのダブル(DOUBLE)が適宜組み合わされて5個の図柄から構成されている。
【0036】
次に、フリーゲームにおいて、当選役を抽選する際に使用される抽選テーブルについて図8に基づき説明する。図8はフリーゲームにおける当選役抽選テーブルを示す説明図である。
図8において、当選役抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜127であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜8の範囲にある場合には、赤7−赤7−DO(ダブル)の停止図柄の組合せから構成される当選役に当選する。この場合、左、中及び右リールRにおいて、赤7−赤7−DOUBLEが有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、乱数サンプリング回路56によりサンプリングされた乱数値が9〜27の範囲にある場合には、赤7−赤7−赤7の停止図柄の組合せから構成される当選役に当選する。この場合、左、中及び右リールRにおいて赤7−赤7−赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。同様に、乱数サンプリング回路56によりサンプリングされた乱数値が28〜127の範囲にある場合には、はずれに当選することとなり、この場合、左、中及び右リールRにおいて、有効入賞ラインL上に、はずれとなる図柄の組合せが停止表示される。
【0037】
次に、フリーゲームにおいて、3つのリールRの内、最後に停止表示されるリールR(本実施形態では、3つのリールRの内、中央の中リールRが最後に停止表示されるリールとして予め設定されている)にて図柄列を回転してスクロールする可変速度を抽選するための抽選テーブルについて図9に基づき説明する。図9はフリーゲームにおけるリールRの可変速度の抽選テーブルである。
図9において、可変速度抽選テーブルで使用される乱数値の範囲は、0〜127であり、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜15の範囲にある場合には、可変速度1として65回転/分が選択される。この場合、最後に停止表示される中リールRにおいて、後述する条件下で、図柄列の各図柄の可変速度が65回転/分で回転される。かかる可変速度は、最後に停止表示される中リールR以外の他の左及び右リールRにおける図柄列の各図柄の可変速度(80回転/分)よりも1分当たり15回転遅くされている。
【0038】
また、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が16〜63の範囲にある場合には、可変速度2として70回転/分が選択される。この場合、最後に停止表示される中リールRにおいて、後述する条件下で、図柄列の各図柄の可変速度が70回転/分で回転される。かかる可変速度は、最後に停止表示される中リールR以外の他の左及び右リールRにおける図柄列の各図柄の可変速度(80回転/分)よりも1分当たり10回転遅くされている。
【0039】
更に、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が64〜127の範囲にある場合には、可変速度3として75回転/分が選択される。この場合、最後に停止表示される中リールRにおいて、後述する条件下で、その図柄列の各図柄の可変速度が75回転/分で回転される。尚、かかる可変速度は、最後に停止表示される中リールR以外の他の左及び右リールRにおける図柄列の各図柄の可変速度(80回転/分)よりも1分当たり5回転遅くされている。
【0040】
続いて、スロットマシン1で行われるメイン処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10はメイン処理プログラムのフローチャートである。図10において、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、スタート受付処理が行われる。この処理は、スタートレバー17の操作、スピン(SPIN/REPEAT BET)ボタン12の操作、1−BETボタン11の操作、3−BETボタン13の操作又は5−BETボタン14の操作に、に基づいてスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号を受け付ける処理である。各スイッチから出力されたスイッチ信号を受け付けた時点で、ゲームが開始される。
【0041】
続くS2においては、前記したスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、各種の抽選処理が行われる。具体的には、全ての可変表示部21乃至25を使用して行われる通常ゲームにおける当選役の抽選が図6の抽選テーブルを使用して行れる。
【0042】
S3においては、通常ゲーム処理が行われる。また、S4においては、前記S2における抽選の結果、フリーゲームのトリガー(ジョーカー97)に当選したかどうか判断される。かかる判断は、前記した各種のスイッチ信号を受け付けたタイミングで、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜121の範囲にあるかどうかに基づき行われる(図6参照)。
フリーゲームのトリガーに当選しなかった場合(S4:NO)には、メイン処理を終了し、一方、フリーゲームのトリガーに当選した場合(S4:YES)には、連続して遊技可能なフリーゲーム数を決定した後フリーゲーム処理が行われる(S5)。かかるフリーゲーム処理の後、メイン処理を終了する。
尚、フリーゲーム数としては、一般に、10ゲーム、20ゲーム、30ゲームのように予め設定されている。
【0043】
ここで、前記S3にて行われる通常ゲーム処理について図11のフローチャートに基づき説明する。図11は通常ゲーム処理プログラムのフローチャートである。
図11において、先ず、S6においては、前記S1にて受け付けられたスタートスイッチ57、スピンスイッチ58、1−BETスイッチ59、3−BETスイッチ60又は5−BETスイッチ61から出力されたスイッチ信号に基づいて、各可変表示表示部21乃至25にて各図柄のスクロールが行われる。
そして、S7において、図柄がスクロールしている可変表示部に対応するストップボタン26乃至30がプレイヤによって押下操作された場合、その押下操作されたストップボタンから出力されるスイッチ信号をトリガとして可変表示部における各図柄のスクロールが停止される。
ここに、通常ゲームにおける各可変表示表示部21乃至25の図柄のスクロール・停止は次のように行われる。尚、当選役としてセブン(7)に当選しているものとする。
即ち、各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われた場合(基本的に、その押下操作の順序は問わない)、先ず、可変表示部21、22、24及び25における図柄が、前記S2で抽選された当選役に従って停止表示される。従って、所定の当選役(セブン)に当選している場合には、可変表示部23以外の各可変表示部21、22、24、25にて当選役を構成するシンボルが有効入賞ラインLに停止表示される。この状態において、図12に示すように、所謂、リーチ状態となる。かかるリーチ状態では、中央の可変表示部23における図柄のスクロール速度は、80回転/分から1分当たり5回転遅い75回転/分のスクロール速度でスクロールされ、このスクロール速度は、図12に示すように、下側液晶ディスプレイ4にて可変表示部23の上側に設けられた7セグメントで構成される速度表示部85に表示される。図12には、可変表示部23においてスクロールされている図柄のスクロール速度が75回転/分として表示されている。このような表示が一定時間行われた後、可変表示部23の図柄は、前記当選役に従って有効入賞ラインL上に停止表示される。
ここに、前記したように、所定の当選役に当選して各可変表示部21、22、24及び25にて当選役に対応する図柄が有効入賞ラインLに停止表示された時点で、中央の可変表示部23で通常のスクロール速度(80回転/分)よりも遅いスクロール速度(75回転/分)でスクロールされるようにしているので、最終的に可変表示23で停止表示される図柄に関してプレイヤの期待感を増大してゲームに対する興趣を盛り上げることができる。
【0044】
尚、本実施形態において、各ストップボタン26乃至30は、所謂、プレイヤの技術介入を目的として行われる「目押し操作」とは関係がなく、各ストップボタン26乃至30から出力されるスイッチ信号は、あくまでも可変表示部にてスクロールされている各図柄を停止表示する際のトリガとなるだけのものである。従って、各可変表示部の図柄は、前記S2で抽選された結果だけに基づいて停止表示される。
【0045】
続くS8においては、S7で各可変表示部にて停止表示された当選役の図柄組合せに従って、予め設定されている配当に相当するコイン等が払い出される。かかるS8の処理の後、通常ゲーム処理は終了する。
【0046】
次に、前記S5にて行われるフリーゲーム処理について図13に示すフローチャートに基づき説明する。図13はフリーゲーム処理プログラムのフローチャートである。
図13において、先ず、フリーゲームにおける当選役の抽選が図8に示す抽選テーブルに基づき行われる。また、S10では、S9で抽選された抽選結果に基づき当選役の判定処理が行われる。具体的には、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜8の範囲にある場合には赤7−赤7−DOUBLEの当選役に当選したものとされ、乱数値が9〜27の範囲にある場合には赤7−赤7−赤7の当選役に当選したものとされ、また、乱数値が28〜127の範囲にある場合にははずれに当選したものとされる。
【0047】
そして、S11においては、最後に停止表示される中リールRにて、その図柄列の図柄を回転する際の可変速度が図9に示す抽選テーブルに基づいて決定される。具体的には、乱数サンプリング回路56を介してサンプリングされた乱数値が0〜15の範囲にある場合には可変速度1として65回転/分が選択され、乱数値が16〜63の範囲にある場合には可変速度2として70回転/分が選択され、また、乱数値が64〜127の範囲にある場合には可変速度3として75回転/分が選択される。これらの各可変速度1乃至3は、いずれも通常ゲームにおいて各可変表示部で図柄がスクロールされる可変速度よりも遅く設定されている。
【0048】
続くS12においては、先ず、フリーゲームで使用される3つのリールRのそれぞれにて図柄列46乃至48の各図柄が通常可変速度(80回転/分)で回転される。このように各リールRの回転を通常可変速度で開始した後、左リールRにて図柄列46の図柄の停止表示が行われ、また、右リールRにて図柄列48の図柄の停止表示行われる。
これと同時に、中リールRの図柄列47については、次のような回転制御が行われる。
先ず、通常可変速度(80回転/分)で回転されている中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成する図柄が、可変表示部23に対応する表示領域(有効入賞ラインLを中心として上下方向に3つの図柄が表示される)内に回転表示されているかどうか判定される。かかる判定は、前記したように、中リールRの1回転の範囲内における回転位置に対応する計算値と、ROM51に格納された中リールRの回転位置とリールRの周面に形成された図柄とを対応させた図柄テーブルとに基づき認識された図柄の回転位置が、表示領域内に存在しているかどうかにより行われる。
例えば、当選役が、赤7−赤7−赤7である場合や赤7−赤7−DOUBLEである場合には、中リールRの図柄列47における赤7の図柄が表示領域内に入ってきたかどうか判定される。そして、中リールRにおける図柄列47の赤7の図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された可変速度に制御される。具体的には、通常可変速度で回転している中リールRは、通常可変速度よりも遅い可変速度に回転制御される。また、赤7の図柄が更に回転されて表示領域から外れた場合には、中リールRは再度通常可変速度に戻って回転されていく。
このように、中リールRの図柄列47における各図柄の内、当選役を構成する図柄(例えば、赤7の図柄)が、可変表示部23に対応する表示領域にて回転表示されている場合には、図柄列47における図柄の可変速度が遅くなるように中リールRの回転速度を変化させるので、プレイヤは、中リールRにおける図柄の可変速度の変化を視認することにより、赤7−赤7−赤7(この場合左及び右リールRにて有効入賞ラインLにそれぞれ赤7の図柄が停止している)や赤7−赤7−DOUBLE(この場合左リールRの有効入賞ラインLに赤7の図柄が停止し、右リールRの有効入賞ラインLにDOUBLEの図柄が停止している)に当選するかも知れないという期待感が高くなり、ゲームにおける遊技状態の判断を行うことが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持した状態でゲームを行うことができる。
尚、前記の例では、中リールRの図柄列47において、当選役を構成する図柄が表示領域内で回転表示されているかどうかを判定しているが、これに限らず、当選役を構成する図柄が有効入賞ラインLにオーバーラップする位置まで回転された時点で、中リールRの回転速度を遅く制御するように構成してもよい。
また、前記したように、中リールRの可変速度につきS11にて決定された可変速度が、下側液晶ディスプレイ4に表示される。具体的には、図14に示すように、中央の中リールRの上側に設けられた速度表示部85において、図柄列47の回転速度が70(回転/分)と表示される。かかる場合、前記S11における抽選で可変速度2が選択されたこととなる。
かかる時点で、プレイヤは、速度表示部85に表示された図柄列47の回転速度を視認することができ、中リールRにおける図柄列47の回転速度が70回転/分のように通常のスクロール速度に比して遅くなったことに基づき、フリーゲームにおける遊技状態を判断することが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0049】
S13では、下側液晶ディスプレイ4上でプレイヤに対してストップボタンの押下操作を促すガイダンスが表示される。かかるガイダンスとしては、例えば、最後に停止表示される可変表示部23に対応するストップボタン28を押下操作を促すメッセージを表示したり、その他の補助的メッセージを表示したりするものが考えられる。
【0050】
S14においては、プレイヤが、可変表示部23に対応するストップボタン28の押下操作を行った場合、その押下操作されたストップボタン28に対応するストップボタンスイッチ67から出力されるスイッチ信号をトリガとして、可変表示部23における中リールRの図柄列47の図柄が停止される。このとき、プレイヤは、中リールRの図柄列47のスクロール速度が変化した状態を視認した状態で期待感を持ちながらストップボタン28の押下操作を行うことができる。
【0051】
具体的に、例えば、前記S9及びS10の処理において、赤7−赤7−赤7の当選役に当選した場合には、S11にて中リールRにおける図柄列47の図柄の回転速度が決定された後、S12において左リールRの図柄列46中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示され、また、右リールRの図柄列48中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。この状態で、図14に示すように、所謂、リーチ状態となる。このリーチ状態においては、最後に停止表示される中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成する赤7の図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内で回転表示されているかどうか判定され、中リールRにおける図柄列47の赤7の図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された可変速度で回転されるとともに、その回転速度が速度表示85に表示される。そして、S13において下側液晶ディスプレイ4に表示されるガイダンスに基づき、プレイヤが中リールRに対応するストップボタン28を押下操作すると、S14にて中リールRにおける図柄列47中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。
【0052】
また、例えば、前記S9及びS10の処理において、赤7−BLANK−赤7のはずれに当選した場合には、S11にて中リールRにおける図柄列47の図柄の回転速度が決定された後、S12において左リールRの図柄列46中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示され、また、右リールRの図柄列48中の赤7が有効入賞ラインL上に停止表示される。この状態で、前記の場合と同様、所謂、リーチ状態となる。このリーチ状態においては、前記の場合と同様に、最後に停止表示される中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成するBLANKの図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内に回転表示されているかどうか判定され、中リールRにおける図柄列47のBLANKの図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された可変速度で回転されるとともに、その回転速度が速度表示部85に表示される。そして、S13において下側液晶ディスプレイ4に表示されるガイダンスに基づき、プレイヤが中リールRに対応するストップボタン28を押下操作すると、中リールRにおける図柄列47中のBLANKが有効入賞ラインL上に停止表示される。
【0053】
尚、最後に停止表示される中リールRにおける図柄列47の停止表示は、プレイヤからのストップボタン28の押下操作をトリガとして行っているが、中リールRの停止制御にとって常に適切なタイミングでストップボタン28が押下されるとは限らない。従って、ストップボタン28の押下操作のタイミングによっては、中リールRにおける図柄列の図柄をかなり移動させなければないらない場合があり得る。かかる場合に、中リールRにおける図柄列を回転する速度を遅くすると、ストップボタン28が押下されてから中リールRにて図柄列が停止表示されるまでの時間が長くなってしまい、不自然な動きになってしまう場合がある。
これに対処するため、本実施形態に係るスロットマシン1では、中リールRにおいて図柄列を回転すべき量に応じて、図柄列のナッジ処理やリスピン処理を行っている。これにより、ストップボタン28の押下操作から中リールRにて図柄列が停止表示されるまでに長い時間が経過することを防止し、不自然な動きを解消することができる。
ここに、「ナッジ処理」とは、通常回転方向に対して逆方向に図柄列を若干戻す処理を行うことをいい、また、「リスピン処理」とは、通常回転方向と同一方向に図柄列を略1周期回転することをいう。
【0054】
前記S14の後S15において、前記S2にて決定したフリーゲーム数が終了したかどうか判断される。所定数のフリーゲーム数が終了していない場合(S15:NO)にはS9に戻って再度フリーゲームが行われる。一方、所定数のフリーゲームが終了した場合(S15:YES)には、フリーゲーム処理を終了する。
【0055】
以上説明した通り本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーゲームのトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいて、3つのリールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度を図9に示す抽選テーブルに基づいて決定する際に、可変速度1(65回転/分)、可変速度2(70回転/分)、又は可変速度3(75回転/分)が選択された場合には、最後に停止される中リールRにて図柄列47の図柄が、通常ゲームにおける図柄の可変速度(80回転/分)よりも遅く回転されるように制御されるので、プレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることができる。このとき、中リールRに対応するストップボタン28を押下操作するタイミングの如何に拘わらず中リールRでは、抽選により決定された当選役に従って所定の図柄が停止表示されるものではあるが、中リールRにおける図柄列47のスクロール速度は遅く制御されることから、適切なタイミングでストップボタン28を押下することができたという満足感をプレイヤに与えることができる。
【0056】
また、最後に停止される中リールRにて、図柄列47の図柄を回転する可変速度を決定するについては、図9に示す抽選テーブルに基づいて抽選し、その抽選結果に基づいて可変速度を決定するようにしているので、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速に可変速度を決定することができる。
【0057】
更に、フリーゲームで使用される3つのリールRのそれぞれにて図柄列46乃至48の各図柄を通常可変速度(80回転/分)で回転を開始した後、左リールRにて図柄列46の図柄の停止表示が行われるとともに、右リールRにて図柄列48の図柄の停止表示行われ、これと同時に、中リールRにて図柄列47の図柄が、前記S11において決定された可変速度で回転するようにしているので、当選役の抽選処理において所定の当選役に当選した場合には、最後に停止される中リールR以外の他の左リールR及び右リールRにて有効入賞ラインL上で所定の図柄を停止表示した、所謂、リーチ状態において最後に停止される中リールRにおける図柄列47を回転する可変速度を遅く制御することができる。従って、適切なタイミングでストップボタン28を押下することにより当選役を揃えることができたいう満足感をプレイヤに与えることができ、また、各リールRに停止表示された当選役に対応する所定図柄の組合せに基づきコイン等の遊技媒体の払出を行うことができる。
【0058】
また、最後に停止表示される中リールRにおける図柄列47の停止表示を、プレイヤからのストップボタン28の押下操作をトリガとして行うに際して、中リールRの停止制御にとって不適切なタイミングでストップボタン28が押下された場合においても、中リールRにて図柄列を回転すべき量に応じて、図柄列のナッジ処理やリスピン処理を行っているので、ストップボタン28の押下操作から中リールRにて図柄列が停止表示されるまでに長い時間が経過することを防止し、不自然な動きを解消することができる。
【0059】
更に、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーゲームのトリガーが不成立である場合に行われる通常ゲームでは、最後に停止表示される可変表示部23において図柄をスクロールする可変速度(80回転/分)が速度表示部85に表示され、また、フリーゲームのトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいて、3つのリールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度が図9に示す抽選テーブルに基づいて決定されるとともに、その決定された可変速度が速度表示部85に表示されるようにしているので、プレイヤは、速度表示部85に表示された図柄列47の回転速度を視認することができ、中リールRにおける図柄列47のスクロール速度が70回転/分のように通常の回転速度に比して遅くなったことに基づき、フリーゲームにおける遊技状態を判断することが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持することができる。
【0060】
また、最後に停止される中リールRにて、図柄列47の図柄を回転する可変速度を速度表示部85に表示するについては、図9に示す抽選テーブルに基づいて抽選し、その抽選結果に基づいて決定した可変速度を速度表示部85に表示するようにしているので、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速に可変速度を決定して速度表示部85に表示することができる。
更に、前記のように抽選により決定された可変速度が速度表示部85上で変化して表示されることから、プレイヤは中リールRにて図柄列47が可変表示されている間においても、楽しんでゲームを行うことができる。
また、プレイヤは、中リールRにおける図柄列47の回転速度が変化した状態を視認しつつ期待感を持ちながらストップボタン28の押下操作を行うことができる。
【0061】
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーゲームのトリガーが成立しない場合に行われる通常ゲームにおいては、可変表示部における図柄の可変速度を通常のスクロール速度(例えば、80回転/分)に制御するとともに、フリーゲームのトリガーが成立することに基づき通常ゲームに連続して行われるフリーゲームにおいては、3つのリールRの内最後に停止される中リールRにおける図柄の可変速度を図9に示す抽選テーブルに基づいて決定するとともに、中リールRの図柄列47における各図柄の内、前記S9、S10にて判定された当選役を構成する赤7の図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内に回転表示されているかどうか判定され、中リールRにおける図柄列47の赤7の図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRは、通常可変速度(80回転/分)から前記S11にて決定された遅い可変速度に制御されるので、プレイヤは、中リールRにおける図柄の可変速度の変化を視認することにより、赤7−赤7−赤7や赤7−赤7−DOUBLEに当選したかも知れないという期待感が高くなり、ゲームにおける遊技状態の判断を行うことが可能となる。これにより、ゲームに対する興趣を高く維持した状態でゲームを行うことができる。
【0062】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、前記実施形態に係るスロットマシン1においては、通常ゲームでは下側液晶ディスプレイ4上で5つの可変表示部21乃至25にて図3に示す各図柄列41乃至45をスクロール表示し、また、フリーゲームでは3つのリールRにて図7に示す各図柄列46乃至48を回転してゲームを行うように構成していたが、これに限らず、例えば、通常ゲームは従来のスロットマシンと同様に、周面に図3に示すような図柄配列を形成した5つのリールを使用してゲームを行い、フリーゲームでは前記のように下側液晶ディスプレイ4上でゲームを行うようにしてもよく、また、通常ゲーム及びフリーゲームの双方を下側液晶ディスプレイ4の可変表示部にて行うようにしてもよい。
【0063】
また、通常ゲームにおいて、ストップボタン26乃至30は、各可変表示部21乃至25に対応して設け、図柄がスクロールされている可変表示部に対応するストップボタンを押下操作してトリガ信号を出力するように構成していたが、ゲームにて使用される複数の可変表示部の内1つを残して自動的に図柄の停止表示を行い、最後に残された可変表示部に対応するストップボタンからのスイッチ信号のみを受け付けるように構成してもよい。また、一定時間各ストップボタン26乃至30の押下操作が行われない場合には、タイムアウトとして自動的に各可変表示部21乃至25の図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0064】
更に、フリーゲームにおいて使用される3つのリールRの内、中央の中リールRを最後に停止されるリールとして予め設定し、両側の左リールR及び右リールRにつき図柄を停止表示した後に、プレイヤからのストップボタン28の押下操作をトリガとして中リールRの図柄を停止表示するように構成していたが、最後に停止するリールを抽選により決定し、他の2つのリールにて図柄の停止表示を行った後にプレイヤからのストップボタンの押下操作を待って抽選により決定したリールにて図柄の停止表示を行うようにしてもよい。
また、フリーゲームにおいて、中リールRの図柄列47における各図柄の内、当選役を構成する図柄が、可変表示部23に対応する表示領域内に回転表示されているかどうか判定し、中リールRにおける図柄列47の当選役に係る図柄が表示領域内に入って回転表示されていると判定された場合には、中リールRを、通常可変速度(80回転/分)よりも遅い可変速度に制御するようにしていたが、これに限らず、左及び右リールRについて同様の処理を行ってもよい。
【0065】
また、通常ゲームにおいては、図6に示す抽選テーブルに基づき当選役の抽選を行うようにしていたが、通常ゲームで使用される可変表示部毎に停止図柄の抽選を行うようにしてもよい。かかる場合には、以下のように抽選を行うことができる。
先ず、図15に示すように、ゲームで使用可能な5つの可変表示部21乃至25に可変表示される図柄列41乃至45における各図柄とコード番号との対応テーブルを設けておく。また、図16に示すように、各図柄列における図柄のコード番号と乱数値とを対応させた抽選テーブルを設ける。尚、図16に示す抽選テーブルは、各図柄列における図柄は、均等な確率で偏ることなく選択されるように構成されている。
【0066】
そして、ゲームで使用される可変表示部21乃至25の数に応じて、各可変表示部毎に図15のコードテーブル及び図16の抽選テーブルを使用して停止図柄の抽選が行われる。例えば、ゲームで5つの可変表示部21乃至25が使用される場合には5つの可変表示部21乃至25について5回の抽選が行われ、使用される可変表示部の数が3つの場合には3つの可変表示部22乃至24について3回の抽選が行われ、使用される可変表示部が2つの場合には可変表示部22及び23について2回の抽選が行われ、また、使用される可変表示部が1つの場合には、可変表示部23について1回の抽選が行われる。
【0067】
具体的に、5つの可変表示部がゲームで使用される場合には、先ず、可変表示部21にて停止表示される図柄の抽選が行われる。例えば、取得された乱数値が4の場合には、図16の抽選テーブルに基づき図柄列41におけるコード番号4に対応するセブン(7)が停止される。尚、残り4つの各図柄列42乃至45についても同様に抽選が行われる。また、ゲームで使用される可変表示部の数が3つの場合、2つの場合、1つの場合についても、それぞれ前記同様にして各可変表示部における停止図柄の抽選が行われる。
【0068】
ここに、本実施形態において、ジョーカー97を含む可変表示部23は、ゲームで常に使用されるが、図16に示す抽選テーブルでは、ジョーカー97も他の図柄も均等な確率で選択されてフリーゲームに移行し易くなることから、各図柄の選択確率に偏りを持たせるべく図17に示す抽選テーブルを使用することもできる。図17に示す抽選テーブルでは、乱数値の範囲は0〜127であり、特に、ジョーカー97が停止される確率は、1/128となり、フリーゲームに移行し難く設定されている。また、他の図柄が選択される確率についても、それぞれ偏りが設定されている。
【0069】
また、フリーゲームにおいて、2つの左リールR、右リールRにおいて図柄を停止表示した後に、最後に停止する中リールRにて回転される図柄の可変速度を遅くするように制御していたが、これに限らず、図柄の可変速度が早くなるように制御してもよい。尚、この場合においても、前記S9及びS10にて決定されるフリーゲームの当選役に基づき各可変表示部におけるリールRの図柄が停止表示されるので、プレイヤからのストップボタンによる停止指示のタイミングに拘わらず、当選役に対応する所定の図柄の組合せで図柄の停止表示が行われる。従って、ストップボタンを適切に押下操作したという優越感をプレイヤに与えることができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した通り請求項1に係る遊技機では、複数存在する可変表示部内最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定するようにしたので、最後に停止される可変表示部にて図柄列の図柄が遅くなるように制御され、これによりプレイヤに対して目押し操作を行い易い状態にすることができる。従って、適切なタイミングで停止指示手段を介して停止指示することができという満足感をプレイヤに与えることができる。
【0071】
また、最後に停止される可変表示部にて、図柄列における図柄の可変速度を決定するについては、抽選テーブルに基づいて抽選し、その抽選結果に基づいて可変速度を決定するようにしているので、簡単なテーブル制御を行うことにより迅速に可変速度を決定することができる。
【0072】
更に、複数の可変表示部のそれぞれにて、図柄列の各図柄の可変表示を開始した後、最後に停止される可変表示部以外の他の可変表示部にて有効入賞ライン上で所定の図柄が停止表示されている場合に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定しているので、所謂、リーチ状態において最後に停止される可変表示部における図柄列の可変速度を遅く制御することができる。従って、適切なタイミングで停止指示手段から停止指示を行うことができたという満足感をプレイヤに与えることができ、また、各可変表示部に停止表示された当選役に対応する所定図柄の組合せに基づきコイン等の遊技媒体の払出を行うことができる。
【0073】
また、最後に停止表示される可変表示部における図柄列の停止表示を、プレイヤからの停止指示手段の操作をトリガとして行うに際して、可変表示部の停止制御にとって不適切なタイミングで停止指示手段の操作が行われた場合においても、停止指示手段からの停止指示のタイミングに応じて図柄列のナッジ処理やリスピン処理を行っているので、停止指示手段が操作されてから可変表示部にて図柄列が停止表示されるまでに長い時間が経過することを防止し、不自然な動きを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの斜視図である。
【図2】下側液晶ディスプレイ及びリールの縦断面図である。
【図3】下側液晶ディスプレイの分解斜視図である。
【図4】可変表示部に可変表示される図柄列を模式的に示す説明図である。
【図5】スロットマシンの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図6】5つの可変表示部を使用してゲームを行う場合における当選役の抽選テーブルである。
【図7】フリーゲームにおいて使用されるリールの図柄列を模式的に示す説明図である。
【図8】フリーゲームにおける当選役抽選テーブルを示す説明図である。
【図9】フリーゲームにおけるリールの可変速度の抽選テーブルである。
【図10】メイン処理プログラムのフローチャートである。
【図11】通常ゲーム処理プログラムのフローチャートである。
【図12】通常ゲームにて最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を速度表示部に表示する状態を示す説明図である。
【図13】フリーゲーム処理プログラムのフローチャートである。
【図14】フリーゲームにて最後に停止されるリールにおける図柄の可変速度を速度表示部に表示する状態を示す説明図である。
【図15】各図柄とコード番号とを対応させたコードテーブルである。
【図16】各図柄列における図柄のコード番号と乱数値とを対応させた抽選テーブルである。
【図17】各図柄の選択確率に偏りを持たせた抽選テーブルである。
【図18】下側液晶ディスプレイの液晶駆動回路を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
4 下側液晶ディスプレイ
5 操作テーブル
21〜25 可変表示部
26〜30 ストップボタン
33 液晶パネル
50 CPU
51 ROM
52 RAM
85 速度表示部
L 有効入賞ライン
R リール
Claims (4)
- 複数列の可変表示部を有するとともに、各列の可変表示部の図柄が有効入賞ラインに沿って所定の組合せで停止した場合に特典を付与する遊技機において、
前記図柄の停止態様を抽選により決定する図柄抽選手段と、
前記可変表示部における図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御手段と、
前記複数列の可変表示部の内最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定する可変速度決定手段と、
前記最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度が、前記可変速度決定手段により決定された可変速度となるように前記可変表示手段を制御する制御手段と、
前記制御手段により可変速度が制御されている図柄の停止指示を行う停止指示手段と、
前記停止指示手段からの停止指示に基づいて前記図柄抽選手段により決定された停止態様に対応する図柄で停止するように可変表示制御手段の停止制御を行う停止制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記可変速度の抽選テーブルと、
前記抽選テーブルに基づいて可変速度を抽選する可変速度抽選手段とを備え、
前記可変速度決定手段は、前記抽選手段により抽選された可変速度に基づいて前記最後に停止される可変表示部の図柄の可変速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記可変速度決定手段は、前記最後に停止される可変表示部以外の他の可変表示部にて有効入賞ラインに沿って所定の図柄が停止されている場合に、最後に停止される可変表示部における図柄の可変速度を、他の可変表示部における図柄の可変速度よりも遅くなるように決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
- 前記停止制御手段は、前記停止指示手段からの停止指示のタイミングに応じて最後に停止される可変表示部における図柄のナッジ又はリスピンを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機。
Priority Applications (1)
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JP2003208801A JP2005065738A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 遊技機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9076308B2 (en) | 2010-09-29 | 2015-07-07 | Aristocrat Technologies Australia Pty Limited | Gaming system and a method of gaming |
-
2003
- 2003-08-26 JP JP2003208801A patent/JP2005065738A/ja active Pending
Cited By (1)
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US9076308B2 (en) | 2010-09-29 | 2015-07-07 | Aristocrat Technologies Australia Pty Limited | Gaming system and a method of gaming |
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