JP2005033882A - 電気接続箱の回路構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造によりバスバー同士の交差を可能とし、バスバーパターンの制約を軽減する。
【解決手段】所要の回路パターンに導電性金属板を打ち抜いて形成したバスバーを絶縁板を介在させて積層する電気接続箱の回路構造11において、同一回路として連続させるバスバー11、12の中間部13を分断し、その分断端に同一方向に屈曲させたタブ11a、12aを設けると共に、この分断端の間に他回路のバスバー14を絶縁空間をあけて配置している一方、絶縁板15を挟んで他層に分断部分の長さを備えると共に両側にタブ孔21を設けた補完用バスバー20aを配置し、タブ11a、12aを補完用バスバー20aのタブ孔21に挿入してタブ片21aにより弾性挟持し、バスバー11、12を電気接続している。
【選択図】 図1
【解決手段】所要の回路パターンに導電性金属板を打ち抜いて形成したバスバーを絶縁板を介在させて積層する電気接続箱の回路構造11において、同一回路として連続させるバスバー11、12の中間部13を分断し、その分断端に同一方向に屈曲させたタブ11a、12aを設けると共に、この分断端の間に他回路のバスバー14を絶縁空間をあけて配置している一方、絶縁板15を挟んで他層に分断部分の長さを備えると共に両側にタブ孔21を設けた補完用バスバー20aを配置し、タブ11a、12aを補完用バスバー20aのタブ孔21に挿入してタブ片21aにより弾性挟持し、バスバー11、12を電気接続している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接続箱の回路構造に関し、詳しくは、バスバーと絶縁板を積層してなる回路構造において、バスバーの回路パターンの取り回しを改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁板上に積層するバスバーは1枚の導電性金属板を打抜加工して形成しており、図7に示すように、第1回路1と第2回路2とは、第1回路中に一点鎖線で示すように直線状に形成できるが、第2回路2と交差するため、第1回路1は第2回路2を回避する迂回部分1aを設けて形成している。
【0003】
しかしながら、図7に示すように迂回部分1aを設けると、バスバーの層が大型化し、該バスバーを収容する電気接続箱も大型化する問題があると共に、該バスバーを形成するための導電性金属板も大きなサイズが必要となり、無駄なスペースが増えて材料コストが高くなる問題がある。
【0004】
そこで、本出願人は、特開平11−220823号において、図8に示す回路構造を提供している。該回路構造は、同一回路のバスバー5a、5bを分断して間隔をあけて配置し、被覆電線6の両端から被覆をそれぞれ剥離した両芯線端部7a、7bをバスバー5a、5bに設けた挿入孔5c、5dに挿入した後、レーザ溶接してバスバー5a、5bを電気接続している。該バスバー5a、5bの間には他回路のバスバー(図示せず)を配置して、バスバー同士を交差させている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−220823号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−220823号で提供している回路構造であると、所要長さに切断した被覆電線の両端の被覆を剥離して両端の芯線を露出させ、該露出させた芯線をバスバーに溶接しなければならず作業工数が多いという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造によりバスバー同士の交差を可能とし、バスバーパターンの制約を軽減することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、所要の回路パターンに導電性金属板を打ち抜いて形成したバスバーを絶縁板を介在させて積層する電気接続箱の回路構造において、
同一回路として連続させるバスバーの中間部を分断し、その分断端に同一方向に屈曲させたタブを設けると共に、この分断端の間に他回路のバスバーを絶縁空間をあけて配置している一方、
上記絶縁板を挟んで他層に配置するバスバーに、上記分断部分の長さを備えると共に少なくとも両側にタブ孔を設けた補完用バスバーを配置し、上記分断した回路を上記タブと補完用バスバーとで連続させていることを特徴とする電気接続箱の回路構造を提供している。
【0009】
上記構成とすると、分断させた同一回路のバスバーの分断端にタブを設け、該タブを他層で補完用バスバーにより連続させているため、上記分断端の間に他回路のバスバーを配置してバスバー同士を交差させることができ、一方のバスバーを迂回させる必要もなくバスバーパターンの制約を軽減することができる。
また、補完用バスバーは絶縁板を挟んで他層に配置しているため、交差するバスバーと短絡するおそれもない。
【0010】
上記補完用バスバーに設けるタブ孔は、貫通孔の対向する内周面よりバネ片を突設した形状とし、該タブ孔に挿入される上記タブを上記バネ片で弾性挟持して電気接続させている。
上記構成とすると、上記タブを補完用バスバーのタブ孔に挿入するとタブ孔に設けたバネ片により弾性挟持されるため、タブを補完用バスバーのタブ孔に挿入するだけで分断させた同一回路のバスバーを電気接続することができる。
なお、上記バネ片は半円形状や四角形状等、タブを弾性挟持できればどのような形状でもよく、また、貫通孔を設ける際に生じたバリをバネ片としてもよい。また、補完用バスバーに貫通孔に替えてスリットを設け、該スリットの内周面でタブを挟持する構成としてもよい。
【0011】
上記補完用バスバーは共用部材とし、該補完用バスバーに設けるタブ孔は一定ピッチで設ける一方、該ピッチと同一幅で上記バスバーを分断して分断端からタブを突設させ、該タブを上記共用部材の補完用バスバーのタブ孔に挿入して接続している。
上記構成とすると、分断端間の間隔に対応した補完用バスバーをそれぞれ設ける必要がなくコストを低減することができる。
なお、上記共用部材は、そのまま用いてもよいし、分断端間の間隔に合わせて切断して用いてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態の回路構造体10を示す。
該回路構造体10は、図2に示す1枚の導電性金属板9より打ち抜かれた1層のバスバーを絶縁板15上に固定し、これらバスバーのうち、1つの連続回路とするバスバー11と12とは、絶縁板15の下層に配置する共用部品からなる補完用バスバー20でジョイントして連続回路としている。
【0013】
上記絶縁板15上に固定する1層のバスバーは、図2に示すように、1枚の導電性金属板9から打ち抜き加工する時、図中、クロス斜線で示す1つの連続した回路を構成するバスバー11と12とは、中間部13で分断し、分断箇所の先端にそれぞれタブ11a 12aとなる部分を直交方向に突出させて形成している。分断された中間部13には図中、斜線で示す他回路のバスバー14をバスバー11、12と絶縁空間をあけて、かつ、バスバー11、12と直交方向に形成している。
【0014】
上記のように、導電性金属板9を打ち抜いた後に、図1に示すように、上記中間部13を挟む両側では下向きに折り曲げ加工してタブ11a、12aを並列状に形成している。一方、バスバー11、12の他端は上向きに折り曲げ加工してタブ11b、12bを形成している。また、バスバー14の両端も上向きに折り曲げ加工してタブ14aを形成している。
なお、本実施形態では、バスバー11、12共に、板厚0.64mm、幅2.0mmとし、バスバー11、12を分断した中間部13の間隔を2.0mmとしている。また、バスバー14は板厚をバスバー11、12と同様0.64mmとし、中間部13にバスバー11、12と絶縁空間をあけて配置できるよう幅1.5mmとしている。
【0015】
上記バスバー11、12から下方へ屈曲させたタブ11a、12aは、図3に示すように、バスバー11、12と積層する絶縁板15に設けた貫通孔15aを貫通させて、絶縁板15の下方の他層側へ突出させ、この突出させたタブ11a、12aを上記補完用バスバー20aのタブ孔21に挿入し、バスバー11、12を電気接続している。
【0016】
補完用バスバー20aは、図4(A)に示すように、長さ方向の両側にタブ孔21を設け、該タブ孔21の対向する内周面よりバネ片21aを内方に向けて突設している。該タブ孔21とバネ片21aは打ち抜き加工により一体的に設けている。本実施形態では、1つのタブ孔21に4つのバネ片21aを設け、バネ片21aの形状を凸状とし、バネ片21aの端面21a−1が挿入されたタブ11a、12aに当接して弾性挟持し、バスバー11、12が電気接続される。
なお、本実施形態では、タブ孔21の幅L1を0.7mm、バネ片21aの端面21a−1の間隔L2を0.6mm、タブ孔21のピッチL3を4.0mm、補完用バスバー20aの幅L4を3.0mm、板厚を0.25mmとしている。
【0017】
上記補完用バスバー20aとしては、図4(B)に示すように、一定ピッチL3で複数のタブ孔21を設けた連続材20をタブ11a、12aの間隔に合わせて図中の破線に沿って切断したものを用いている。そのため、上記バスバー11と12との中間部13の幅寸法は上記ピッチL3に同一幅をあけて分断している。
【0018】
上記構成とすると、分断させた同一回路のバスバー11、12の分断端に設けたタブ11a、12aを他層に配置した補完用バスバー20aのタブ孔21に挿入するだけで、バネ片21aにより弾性挟持され、ワンタッチで電気接続することができる。
また、連続した回路となるバスバー11、12の間に分断部分を設けているため、この間の中間部13に他回路のバスバー14を直交して形成することができる。その結果、該バスバーを迂回させる必要がなく、1層のバスバーの面積を小さくでき、該バスバーと絶縁板とを積層した回路構造体10を収容する電気接続箱を小型化することができる。
【0019】
また、バスバーの分断幅を常に一定寸法としておくと、補完用バスバー20aは連続材20を切断して使用でき、補完用バスバーを共用品とすることができる。 なお、補完用バスバーに複数のタブ孔を設け、切断せずにそのまま使用し、所要箇所のタブ孔に他のバスバーのタブを挿入して、他のバスバーとのジョイント用としても利用することができる。
さらに、補完用バスバーを連続材により形成しない場合には、補完用バスバーの端部を屈曲してタブを設け、別回路の端子と接続してもよい。
【0020】
図5は、補完用バスバーのタブ孔の形状の変形例を示す。
図5(A)に示す補完用バスバー30は、第1実施形態の補完用バスバーと略同様のタブ孔31を設けているが、バネ片31aを半円形状としている。
図5(B)に示す補完用バスバー40は、タブ孔41を打ち抜き加工したときに生じるバリ41aをバネ片として利用し該バリ41aの先端を挿入するタブに当接させて弾性挟持する構成としている。
図5(C)に示す補完用バスバー50は、タブを挿入する貫通孔に替えてI型スリット51を設け、タブを挿入することによりI型スリット51を開けて、I型スリット51の内周面によりタブを挟持している。
【0021】
図6は、本発明の第2実施形態の回路構造10’を示す。
該回路構造10’では、同一回路のバスバー11’、12’をそれぞれ異なる層S1、S2に配置し、さらに異なる層S3に配置した第1実施形態と同様の補完用バスバー20a’のタブ孔21’にバスバー11’、12’のタブ11a’、12a’を挿入してバスバー11’、12’を電気接続している。また、本実施形態では、バスバー11’、12’の中間部に配置するバスバー14’は、バスバー11’と同一の層S1に配置しているが、バスバー12’と同一の層S2に配置してもよい。
【0022】
上記構成とすると、バスバー11’、12’をそれぞれ異なる層に配置することにより、さらにバスバーパターンの制約が軽減され、多様な回路構造を構成することができる。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、分断させた同一回路のバスバーの分断端にそれぞれタブを設け、該タブを他層に配置した補完用バスバーにより連続させているため、上記分断端の間に他回路のバスバーを配置してバスバー同士を交差させることができ、一方のバスバーを迂回させる必要もなくバスバーパターンの制約を軽減することができる。
また、補完用バスバーは絶縁板を挟んで他層に配置しているため、交差するバスバーと短絡するおそれもない。
【0024】
上記補完用バスバーに設けるタブ孔の内周面よりバネ片を突設し、該タブ孔に挿入されるタブを上記バネ片で弾性挟持する構成とすると、上記タブを補完用バスバーのタブ孔に挿入するだけで分断させた同一回路のバスバーを電気接続することができる。
また、上記補完用バスバーは共用部材とし、該補完用バスバーに設けるタブ孔を一定ピッチで複数設けると、該共用部材を切断せずに、もしくは、所要長さに切断して用いることができるため、バスバーの分断端間の間隔に対応した補完用バスバーをそれぞれ設ける必要がなくコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の回路構造の分解斜視図である。
【図2】導電性金属板からのバスバーの打ち抜き形状を示す図面である。
【図3】タブと補完用バスバーの接続状態を示す断面図である。
【図4】(A)は補完用バスバーの平面図、(B)は補完用バスバーを切断する前の連続材の平面図である。
【図5】(A)〜(C)は第1実施形態の変形例を示す図面である。
【図6】本発明の第2実施形態の回路構造の断面図である。
【図7】従来例を示す図面である。
【図8】他の従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 回路構造
11、12 同一回路を構成するバスバー
11a、12a タブ
13 中間部
14 他回路のバスバー
15 絶縁板
20 連続材
20a、30、40、50 補完用バスバー
21 タブ孔
21a バネ片
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接続箱の回路構造に関し、詳しくは、バスバーと絶縁板を積層してなる回路構造において、バスバーの回路パターンの取り回しを改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、絶縁板上に積層するバスバーは1枚の導電性金属板を打抜加工して形成しており、図7に示すように、第1回路1と第2回路2とは、第1回路中に一点鎖線で示すように直線状に形成できるが、第2回路2と交差するため、第1回路1は第2回路2を回避する迂回部分1aを設けて形成している。
【0003】
しかしながら、図7に示すように迂回部分1aを設けると、バスバーの層が大型化し、該バスバーを収容する電気接続箱も大型化する問題があると共に、該バスバーを形成するための導電性金属板も大きなサイズが必要となり、無駄なスペースが増えて材料コストが高くなる問題がある。
【0004】
そこで、本出願人は、特開平11−220823号において、図8に示す回路構造を提供している。該回路構造は、同一回路のバスバー5a、5bを分断して間隔をあけて配置し、被覆電線6の両端から被覆をそれぞれ剥離した両芯線端部7a、7bをバスバー5a、5bに設けた挿入孔5c、5dに挿入した後、レーザ溶接してバスバー5a、5bを電気接続している。該バスバー5a、5bの間には他回路のバスバー(図示せず)を配置して、バスバー同士を交差させている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−220823号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−220823号で提供している回路構造であると、所要長さに切断した被覆電線の両端の被覆を剥離して両端の芯線を露出させ、該露出させた芯線をバスバーに溶接しなければならず作業工数が多いという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造によりバスバー同士の交差を可能とし、バスバーパターンの制約を軽減することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、所要の回路パターンに導電性金属板を打ち抜いて形成したバスバーを絶縁板を介在させて積層する電気接続箱の回路構造において、
同一回路として連続させるバスバーの中間部を分断し、その分断端に同一方向に屈曲させたタブを設けると共に、この分断端の間に他回路のバスバーを絶縁空間をあけて配置している一方、
上記絶縁板を挟んで他層に配置するバスバーに、上記分断部分の長さを備えると共に少なくとも両側にタブ孔を設けた補完用バスバーを配置し、上記分断した回路を上記タブと補完用バスバーとで連続させていることを特徴とする電気接続箱の回路構造を提供している。
【0009】
上記構成とすると、分断させた同一回路のバスバーの分断端にタブを設け、該タブを他層で補完用バスバーにより連続させているため、上記分断端の間に他回路のバスバーを配置してバスバー同士を交差させることができ、一方のバスバーを迂回させる必要もなくバスバーパターンの制約を軽減することができる。
また、補完用バスバーは絶縁板を挟んで他層に配置しているため、交差するバスバーと短絡するおそれもない。
【0010】
上記補完用バスバーに設けるタブ孔は、貫通孔の対向する内周面よりバネ片を突設した形状とし、該タブ孔に挿入される上記タブを上記バネ片で弾性挟持して電気接続させている。
上記構成とすると、上記タブを補完用バスバーのタブ孔に挿入するとタブ孔に設けたバネ片により弾性挟持されるため、タブを補完用バスバーのタブ孔に挿入するだけで分断させた同一回路のバスバーを電気接続することができる。
なお、上記バネ片は半円形状や四角形状等、タブを弾性挟持できればどのような形状でもよく、また、貫通孔を設ける際に生じたバリをバネ片としてもよい。また、補完用バスバーに貫通孔に替えてスリットを設け、該スリットの内周面でタブを挟持する構成としてもよい。
【0011】
上記補完用バスバーは共用部材とし、該補完用バスバーに設けるタブ孔は一定ピッチで設ける一方、該ピッチと同一幅で上記バスバーを分断して分断端からタブを突設させ、該タブを上記共用部材の補完用バスバーのタブ孔に挿入して接続している。
上記構成とすると、分断端間の間隔に対応した補完用バスバーをそれぞれ設ける必要がなくコストを低減することができる。
なお、上記共用部材は、そのまま用いてもよいし、分断端間の間隔に合わせて切断して用いてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4は、本発明の第1実施形態の回路構造体10を示す。
該回路構造体10は、図2に示す1枚の導電性金属板9より打ち抜かれた1層のバスバーを絶縁板15上に固定し、これらバスバーのうち、1つの連続回路とするバスバー11と12とは、絶縁板15の下層に配置する共用部品からなる補完用バスバー20でジョイントして連続回路としている。
【0013】
上記絶縁板15上に固定する1層のバスバーは、図2に示すように、1枚の導電性金属板9から打ち抜き加工する時、図中、クロス斜線で示す1つの連続した回路を構成するバスバー11と12とは、中間部13で分断し、分断箇所の先端にそれぞれタブ11a 12aとなる部分を直交方向に突出させて形成している。分断された中間部13には図中、斜線で示す他回路のバスバー14をバスバー11、12と絶縁空間をあけて、かつ、バスバー11、12と直交方向に形成している。
【0014】
上記のように、導電性金属板9を打ち抜いた後に、図1に示すように、上記中間部13を挟む両側では下向きに折り曲げ加工してタブ11a、12aを並列状に形成している。一方、バスバー11、12の他端は上向きに折り曲げ加工してタブ11b、12bを形成している。また、バスバー14の両端も上向きに折り曲げ加工してタブ14aを形成している。
なお、本実施形態では、バスバー11、12共に、板厚0.64mm、幅2.0mmとし、バスバー11、12を分断した中間部13の間隔を2.0mmとしている。また、バスバー14は板厚をバスバー11、12と同様0.64mmとし、中間部13にバスバー11、12と絶縁空間をあけて配置できるよう幅1.5mmとしている。
【0015】
上記バスバー11、12から下方へ屈曲させたタブ11a、12aは、図3に示すように、バスバー11、12と積層する絶縁板15に設けた貫通孔15aを貫通させて、絶縁板15の下方の他層側へ突出させ、この突出させたタブ11a、12aを上記補完用バスバー20aのタブ孔21に挿入し、バスバー11、12を電気接続している。
【0016】
補完用バスバー20aは、図4(A)に示すように、長さ方向の両側にタブ孔21を設け、該タブ孔21の対向する内周面よりバネ片21aを内方に向けて突設している。該タブ孔21とバネ片21aは打ち抜き加工により一体的に設けている。本実施形態では、1つのタブ孔21に4つのバネ片21aを設け、バネ片21aの形状を凸状とし、バネ片21aの端面21a−1が挿入されたタブ11a、12aに当接して弾性挟持し、バスバー11、12が電気接続される。
なお、本実施形態では、タブ孔21の幅L1を0.7mm、バネ片21aの端面21a−1の間隔L2を0.6mm、タブ孔21のピッチL3を4.0mm、補完用バスバー20aの幅L4を3.0mm、板厚を0.25mmとしている。
【0017】
上記補完用バスバー20aとしては、図4(B)に示すように、一定ピッチL3で複数のタブ孔21を設けた連続材20をタブ11a、12aの間隔に合わせて図中の破線に沿って切断したものを用いている。そのため、上記バスバー11と12との中間部13の幅寸法は上記ピッチL3に同一幅をあけて分断している。
【0018】
上記構成とすると、分断させた同一回路のバスバー11、12の分断端に設けたタブ11a、12aを他層に配置した補完用バスバー20aのタブ孔21に挿入するだけで、バネ片21aにより弾性挟持され、ワンタッチで電気接続することができる。
また、連続した回路となるバスバー11、12の間に分断部分を設けているため、この間の中間部13に他回路のバスバー14を直交して形成することができる。その結果、該バスバーを迂回させる必要がなく、1層のバスバーの面積を小さくでき、該バスバーと絶縁板とを積層した回路構造体10を収容する電気接続箱を小型化することができる。
【0019】
また、バスバーの分断幅を常に一定寸法としておくと、補完用バスバー20aは連続材20を切断して使用でき、補完用バスバーを共用品とすることができる。 なお、補完用バスバーに複数のタブ孔を設け、切断せずにそのまま使用し、所要箇所のタブ孔に他のバスバーのタブを挿入して、他のバスバーとのジョイント用としても利用することができる。
さらに、補完用バスバーを連続材により形成しない場合には、補完用バスバーの端部を屈曲してタブを設け、別回路の端子と接続してもよい。
【0020】
図5は、補完用バスバーのタブ孔の形状の変形例を示す。
図5(A)に示す補完用バスバー30は、第1実施形態の補完用バスバーと略同様のタブ孔31を設けているが、バネ片31aを半円形状としている。
図5(B)に示す補完用バスバー40は、タブ孔41を打ち抜き加工したときに生じるバリ41aをバネ片として利用し該バリ41aの先端を挿入するタブに当接させて弾性挟持する構成としている。
図5(C)に示す補完用バスバー50は、タブを挿入する貫通孔に替えてI型スリット51を設け、タブを挿入することによりI型スリット51を開けて、I型スリット51の内周面によりタブを挟持している。
【0021】
図6は、本発明の第2実施形態の回路構造10’を示す。
該回路構造10’では、同一回路のバスバー11’、12’をそれぞれ異なる層S1、S2に配置し、さらに異なる層S3に配置した第1実施形態と同様の補完用バスバー20a’のタブ孔21’にバスバー11’、12’のタブ11a’、12a’を挿入してバスバー11’、12’を電気接続している。また、本実施形態では、バスバー11’、12’の中間部に配置するバスバー14’は、バスバー11’と同一の層S1に配置しているが、バスバー12’と同一の層S2に配置してもよい。
【0022】
上記構成とすると、バスバー11’、12’をそれぞれ異なる層に配置することにより、さらにバスバーパターンの制約が軽減され、多様な回路構造を構成することができる。
なお、他の構成および作用効果は第1実施形態と同様のため同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、分断させた同一回路のバスバーの分断端にそれぞれタブを設け、該タブを他層に配置した補完用バスバーにより連続させているため、上記分断端の間に他回路のバスバーを配置してバスバー同士を交差させることができ、一方のバスバーを迂回させる必要もなくバスバーパターンの制約を軽減することができる。
また、補完用バスバーは絶縁板を挟んで他層に配置しているため、交差するバスバーと短絡するおそれもない。
【0024】
上記補完用バスバーに設けるタブ孔の内周面よりバネ片を突設し、該タブ孔に挿入されるタブを上記バネ片で弾性挟持する構成とすると、上記タブを補完用バスバーのタブ孔に挿入するだけで分断させた同一回路のバスバーを電気接続することができる。
また、上記補完用バスバーは共用部材とし、該補完用バスバーに設けるタブ孔を一定ピッチで複数設けると、該共用部材を切断せずに、もしくは、所要長さに切断して用いることができるため、バスバーの分断端間の間隔に対応した補完用バスバーをそれぞれ設ける必要がなくコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の回路構造の分解斜視図である。
【図2】導電性金属板からのバスバーの打ち抜き形状を示す図面である。
【図3】タブと補完用バスバーの接続状態を示す断面図である。
【図4】(A)は補完用バスバーの平面図、(B)は補完用バスバーを切断する前の連続材の平面図である。
【図5】(A)〜(C)は第1実施形態の変形例を示す図面である。
【図6】本発明の第2実施形態の回路構造の断面図である。
【図7】従来例を示す図面である。
【図8】他の従来例を示す図面である。
【符号の説明】
10 回路構造
11、12 同一回路を構成するバスバー
11a、12a タブ
13 中間部
14 他回路のバスバー
15 絶縁板
20 連続材
20a、30、40、50 補完用バスバー
21 タブ孔
21a バネ片
Claims (3)
- 所要の回路パターンに導電性金属板を打ち抜いて形成したバスバーを絶縁板を介在させて積層する電気接続箱の回路構造において、
同一回路として連続させるバスバーの中間部を分断し、その分断端に同一方向に屈曲させたタブを設けると共に、この分断端の間に他回路のバスバーを絶縁空間をあけて配置している一方、
上記絶縁板を挟んで他層に配置するバスバーに、上記分断部分の長さを備えると共に少なくとも両側にタブ孔を設けた補完用バスバーを配置し、上記分断した回路を上記タブと補完用バスバーとで連続させていることを特徴とする電気接続箱の回路構造。 - 上記補完用バスバーに設けるタブ孔は、貫通孔の対向する内周面よりバネ片を突設した形状とし、該タブ孔に挿入される上記タブを上記バネ片で弾性挟持して電気接続させている請求項1に記載の電気接続箱の回路構造。
- 上記補完用バスバーは共用部材とし、該補完用バスバーに設けるタブ孔は一定ピッチで設ける一方、該ピッチと同一幅で上記バスバーを分断して分断端からタブを突設させ、該タブを上記共用部材の補完用バスバーのタブ孔に挿入して接続している請求項1または請求項2に記載の電気接続箱の回路構造。
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