JP2005033425A - アンテナ取付装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮止め状態で、取付ネジ12に対してナット30の横ずれを規制し、取付ネジ12にナット30が確実に螺合し得るアンテナ取付装置を提供する。
【解決手段】取付ネジ12に下端面よりネジ軸方向にスリット14を設け、ワッシャ56にスリット14に挿入されその先端部がワッシャ本体より上方に位置する係止用舌片58を設ける。スリット14のネジ軸方向の中間に位置して、幅方向に対向して幅方向に弾性変位するフック52を備えた係合部材50を設ける。フック52は、係止用舌片58の下方からの通過移動を弾性変位して許容し、通過した状態では下方への移動を規制して、仮止め状態とする。ワッシャ56とナット30をネジ軸回りに相対回転可能でネジ軸方向に分離しないように連結する。取付ネジ12の下端部にネジを螺切していない部分を設け、仮止め状態で、ネジを螺切していない部分で、取付ネジ12にナット30が螺合することなしに挿嵌させる。
【選択図】 図1
【解決手段】取付ネジ12に下端面よりネジ軸方向にスリット14を設け、ワッシャ56にスリット14に挿入されその先端部がワッシャ本体より上方に位置する係止用舌片58を設ける。スリット14のネジ軸方向の中間に位置して、幅方向に対向して幅方向に弾性変位するフック52を備えた係合部材50を設ける。フック52は、係止用舌片58の下方からの通過移動を弾性変位して許容し、通過した状態では下方への移動を規制して、仮止め状態とする。ワッシャ56とナット30をネジ軸回りに相対回転可能でネジ軸方向に分離しないように連結する。取付ネジ12の下端部にネジを螺切していない部分を設け、仮止め状態で、ネジを螺切していない部分で、取付ネジ12にナット30が螺合することなしに挿嵌させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のルーフ等にアンテナベースを取り付けるアンテナ取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用アンテナ装置を車体のルーフ等に取り付ける従来のアンテナ取付装置の構造は、ルーフ等に穿設した取付孔に、自動車用アンテナ装置のアンテナベースから下方に突出する取付ネジを挿通し、ルーフ等から下方に突出した取付ネジに、下方から爪付きワッシャを嵌挿し、さらにナットを螺合して固定するものである。そこで、作業性を良くするために、爪付きワッシャとナットがネジ軸回りに相対回転可能でしかもネジ軸方向に分離しないように連結することで一体化されていた。さらに、作業性を向上する目的で、特許第2751146号にて、取付ネジに爪付きワッシャを介してナットを仮止めすることができ、この仮止め後は、作業者がナットから手を離しても取付ネジから脱落しないようにする技術も提案されている。この特許第2751146号にて提案された技術は、取付ネジにネジ軸方向にスリットを形成し、このスリットに圧入しまたは弾性変形して挿入し得る嵌合片を爪付きワッシャに設けたものである。そして、この爪付きワッシャに、ナットが連結されている。
【0003】
この、特許第2751146号で提案された技術は、取付ネジに爪付きワッシャを介してナットを仮止めでき、作業性が向上する。しかしながら、取付ネジに設けるスリットや嵌合片の幅に、製造の際の寸法バラツキがあると、仮止めのための圧入ができなくなったり、仮止めによりナットを取付ネジに保持する弾力が弱くなって脱落する、などの可能性が考えられる。そこで、取付ネジのスリットや爪付きナットの嵌合片の幅は、寸法精度良く製造されなければならない。
【0004】
そこで、特許出願人は、上記特許技術を改善する技術として、先に特願2002−359845の技術を提案した。この先に提案した技術を、図7ないし図9を参照して説明する。図7は、先に提案した技術の固定前の一部切り欠き断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のA−A矢視縦断面図である。図8は、図7における係止板の平面図である。図9は、図7における爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【0005】
まず、図7に示すごとく、アンテナベース10には下方に突出して取付ネジ12が設けられる。そして、取付ネジ12にその下面よりネジ軸方向にスリット14が設けられる。取付ネジ14の下端面には、図8に示す係止板16がカシメ等により適宜に固定される。この係止板16は、弾性を有する樹脂板で形成され、スリット14の一部を塞ぐとともにスリット14の深さ方向に切り込み18が設けられ、この切り込み18の幅方向に対向させてまた内側に突出させるようにして弾性舌片20,20,20が設けられる。これらの弾性舌片20,20,20は、ネジ軸方向に弾性変形可能である。また、図9に示す爪付きワッシャ22には、スリット14にネジ軸方向に下方から係止板16の弾性舌片20,20,29を弾性変形させて挿入でき、しかも挿入された状態では先端部が係止板16の弾性舌片20,20,20に当接して下方への移動が規制されるように係止用舌片24が設けられている。そして、従来技術と同様に、爪付きワッシャ22には、車のルーフ26に食い込んで電気的接続を図る爪28,28…が上方に向けて設けられる。また、この爪付きワッシャ22には、ナット30がネジ軸回りに相対回転可能であるとともにネジ軸方向に分離しないように連結される。さらに、アンテナベース10には、弾性を有する樹脂からなるホルダー32が、適宜にカシメなどにより一体的に固定される。このホルダー32は、外方に向けたフック34,34を先端部に備えたアームを弾性変形させて車体のルーフ26に穿設された取付孔36に挿入して抜けを規制するように形成される。なお、図7において、38は、アンテナベース10とルーフ26との間に介装されてゴムパッキンの作用を奏するゴムベース部材である。また、係止板16の弾性舌片20,20,20は、爪付きワッシャ22およびナット30の重量では弾性変形せず、爪付きワッシャ22などが重量のみによっては脱落しないように形成されている。そして、40はアンテナベース10がインサート成形される等で一体に成形されたハウジングであり、42はハウジング40に揺動自在であるとともに所定の姿勢で固定されるアンテナエレメントである。
【0006】
かかる構成の先に提案技術は、図7(a)に示すごとく、ルーフ26の取付孔36にアンテナベース10の取付ネジ12を挿通し、ホルダー34により上方への抜けをまず規制する。そして、取付ネジ12のスリット14に下方から爪付きワッシャ22の係止用舌片24を係止板16の弾性舌片20,20,20を弾性変形させて挿入し、係止用舌片24の先端部を弾性舌片20,20,20上に載置する。すると、係止板16により爪付きワッシャ22の下方への移動が規制されて仮止めがなされる。
【0007】
そこで、仮止め状態で、作業者が手を離してもナット30が下方に脱落することがなく、作業が容易である。また、このナット30を仮止め保持する力は、係止板16の弾性舌片20,20,20が爪付きワッシャ22とナット30の重量のみによっては弾性変形されないことによるものであり、寸法精度によって大きく影響されることがない。このために、寸法精度を必要とする部材がなく、それだけ製造が容易である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、先に提案した技術は、従来の特許第2751146号の技術に比較して、大幅に作業性および製造コストの点で改善されている。しかしながら、さらなる作業性の改善のために、以下のごとき改善すべき点が明らかとなった。まず、仮止め状態で取付ネジ12のネジ軸方向に対してナット30の遊びが大きく、ナット30を締め付け螺合させる際に、取付ネジ12とナット30のネジ軸がずれて斜めに食い込み易く、その分作業性を悪くしていた。また、係止板16の弾性舌片20,20,20上に装置される爪付きワッシャ22の係止用舌片24にスリット14から抜ける方向の横方向(スリット14の深さと反対方向)への力が作用すると、取付ネジ12に対してナット30がずれてしまう、という不具合があった。
【0009】
本発明は、上述の先に提案した技術を改善すべくなされたもので、仮止め状態で取付ネジに対してナットのずれを規制して、取付ネジにナットが確実に螺合し得るようにしたアンテナ取付装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明のアンテナ取付装置は、車体に穿設した取付孔に、アンテナベースから下方に突出する取付ネジを挿通し、下方から前記取付ネジにワッシャを嵌挿するとともにナットを螺合して、前記アンテナベースを前記車体に固定するアンテナ取付装置において、前記取付ネジに下端面よりネジ軸方向にスリットを設け、前記ワッシャに前記スリットに挿入される係止用舌片を設け、前記スリットにその幅方向に対向して前記幅方向に弾性変位する係止部を備えた係合部材を設け、前記係止部を前記スリットに挿入された前記係止用舌片が前記ネジ軸方向で下方からの通過移動を弾性変位して許容するとともに通過した状態では下方への移動を規制するようになし、前記ワッシャと前記ナットを前記ネジ軸回りに相対回転可能で前記ネジ軸方向に分離しないように連結して構成されている。
【0011】
また、前記係止部で前記係止用舌片が下方への移動を規制する位置を、前記スリットの前記ネジ軸方向の中間に位置するようにし、前記係止部で係止された前記係止用舌片の先端部を前記ワッシャの本体より上方に位置するように設けて構成しても良い。
【0012】
そして、前記係合部材を弾性を有する樹脂で形成し、前記係止部を一対のアームの先端部に前記スリットの前記幅方向に対向して突出するとともに先端部の対向する側が下方に拡がる斜面で突出部の上面がほぼ前記ネジ軸方向と直交するフックの形状に構成することも可能である。
【0013】
さらに、前記取付ネジの下端部または前記ナットの上端部の少なくともいずれか一方にネジを螺切していない部分を設け、前記係止部で前記係止用舌片の先端部が下方への移動が規制される状態で、前記ネジを螺切していない部分で、前記取付ネジに前記ナットが挿嵌した状態となるように構成することもできる。
【0014】
そしてまた、外方に向けて係止部を備えてこの係止部を弾性変形させて前記車体の前記取付孔に挿入して抜けを規制するホルダーを前記アンテナベースに固定し、前記ホルダーと前記係合部材を弾性を有する樹脂で一体成形して構成しても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図6を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ取付装置の一実施例で、固定前の一部切り欠き縦断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のB−B矢視縦断面図である。図2は、図1に示す一実施例の固定された一部切り欠き縦断面図である。図3は、係合部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のC−C矢視断面図である。図4は、アンテナベースを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のD−D矢視断面図である。図5は、爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。図6は、ナットを示し、(a)は縦断面図であり、(b)底面図である。図1ないし図6において、図7ないし図9に示す部材と同じまたは均等なものには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0016】
本発明のアンテナ取付装置において、先に提案した技術の構造と相違するところは、後述するごとく、爪付きワッシャの係止用舌片の構造と、これを係止する係合部材の構造にある。なお、先に提案した技術における取付ネジの下端面に配設された係止板は用いられていない。
【0017】
図3に示すごとく、外側に向けた係止部としてのフック34,34を先端部に備えたアームを有するホルダー32と一体成形されて弾性を有する樹脂で係合部材50が形成される。この係合部材50には、一対のアームの先端部にアンテナベース10のスリット14の幅方向に対向して突出する係止部としてのフック52,52が設けられる。アンテナベース10にホルダー32と一体の係合部材50がカシメなどにより固定され、フック52,52がスリット14内の両側部でネジ軸方向の中間に位置するように配設される。係止部材50のフック52,52は、先端部の対向する側が下方に拡がる斜面に形成され、スリット14に挿入できるように設けた爪付きワッシャ56の係止用舌片58が上方へ移動する力により、スリット14の幅方向に後退する力が作用して弾性変位するように形成される。また、フック52,52の突出部の上面は、ほぼネジ軸方向と直交する平面に形成されて、係止用舌片58を下方へ移動させる力に対して、フック52,52にスリット14の幅方向に後退する力が作用しないように形成される。
【0018】
なお、図4に示すごとく、スリット14の両側部には、係合部材50の一対のアームが幅方向に弾性変形し得るように凹部が形成され、また取付ネジ12の外側にはホルダー32の一対のアームが弾性変形し得るように凹部が形成され、結果的に取付ネジ12にはスリット14の幅方向に透孔が形成されている。図4において、54,54…は、ホルダー32と一体の係合部材50をアンテナベース10にカシメにより固定するための突起である。
【0019】
そして、図5に示すごとく、爪付きワッシャ56の係止用舌片58は、その先端部がワッシャ本体より上方に位置するように形成される。ナット30は、図6に示すごとく、先に提案した技術で用いたものと同様であり、爪付きワッシャ56にネジ軸回り相対回転可能であるとともにネジ軸方向に分離しないように連結される。また、取付ネジ12の下端部にネジを螺切していない部分を設け、取付ネジ12にナット30を螺合することなしに一部が挿嵌し得るように形成される。
【0020】
かかる構成で、ホルダー32と一体の係合部材50が固定配設されたアンテナベース10を、図1に示すごとく、ルーフ26の取付孔36に上から挿入して、ホルダー32のアームが弾性変形してフック34,34の挿通を許容し、取付孔36をフック34,34が通過するとアームが弾性復帰し、もって取付孔36の周辺にフック34,34が下側から係合して、アンテナベース10の上方への抜けが規制される。
【0021】
さらに、ナット30が連結された爪付きワッシャ56の係止用舌片58を、取付ネジ12のスリット14に下方から挿入移動させると、係止用舌片58の先端部に押圧されて係合部材50のフック52,52がスリット14の幅方向に後退するようにアームが弾性変形されて係止用舌片58の先端部の通過が許容される。この係止用舌片58の通過後は、アームが弾性復帰し、フック52,52がスリット14の幅方向に狭まる。そして、係止用舌片58の下方へ移動する力に対して、フック52,52には幅方向に後退する力が作用せず、下方への移動が規制される。
【0022】
この爪付きワッシャ56の係止用舌片58を、スリット14に下方から挿入移動させて係合部材50のフック52,52を通過させることで、爪付きワッシャ56はフック52,52により下方への脱落が規制されて仮止め状態となる。しかも、爪付きワッシャ56がフック52,52で下方への移動が規制される状態で、取付ネジ12の下端部のネジが螺切されていない部分にナット30の上端部が挿嵌するようになされる。すると、爪付きワッシャ56がフック52,52で下方への移動が規制される仮止め状態にあっては、取付ネジ12に対してナット30は横方向(スリット14の深さと反対側)に移動し得ない。もって、爪付きワッシャ56の係止用舌片58が取付ネジ12のスリット14から横方向に抜け出ることができず、仮止め状態でナット30が取付ネジ12から離脱するようなことがない。
【0023】
さらに、図2に示すごとく、ナット30を取付ネジ12に螺合してアンテナベース10をルーフ26に固定する際に、取付ネジ12の下端部にナット30の上端部が挿嵌されていることと、爪付きワッシャ56が上方にある係止用舌片58の先端部で吊り下げられる状態であって比較的にナット30のネジ軸が上下方向となることによって、取付ネジ12とナット30のネジ軸を簡単かつ確実に一致させて容易に螺合させることができる。
【0024】
なお、上記実施例では、ホルダー32と係合部材50を樹脂で一体成形することで、部品点数を増加させることなく爪付きワッシャ56の係止用舌片58を係止できるが、ホルダー32と係合部材50を別体としても良いことは勿論である。また、上記実施例では、スリット14のネジ軸方向の中間の位置で係止用舌片58の先端部を係止するようにもしたが、取付ネジ12の下端部で係止するものであっても良く、適宜に設定し得る。そして、係合部材50のフック52,52で係止用舌片58を係止した状態で、取付ネジ12の下端部にナット30の上端部を螺合することなしに挿嵌し得るようにするために、上記実施例では取付ネジ12の下端部にネジを螺切していない部分を設けているが、これに代えて、ナット30の上端部にネジを螺切していない部分を設けても良い。さらに、係合部材50のフック52,52は、スリット14内で爪付きワッシャ56の係止用舌片58の下方から上方への移動を許容するとともに下方への移動を規制できれば、いかなる構造であっても良い。例えば、スリット14の幅方向の両側に、下方から上方に向けて離間の狭くなる一対の弾性を有すアームを設け、係止用舌片58の上方への移動に対して一対のアームは弾性変形して移動を許容し、アームの先端を通過すると一対のアームが弾性復帰し、係止用舌片58の下方への移動は離間の狭い一対のアームの上部先端で阻止するものであっても良い。そしてさらに、本発明のアンテナ取付装置は、ルーフ26に固定されるものに限られず、トランク等に取付孔36を穿設してトランク等に固定しても良い。そしてまた、爪付きワッシャ56は、アンテナベース10とルーフ26が適宜に電気的接続され、またはアンテナベース10とルーフ26の電気的接続が必要ないならば、爪28,28…の無いワッシャであっても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のアンテナ取付装置は構成されているので、以下のごとき格別な作用効果を奏する。
【0026】
請求項1記載のアンテナ取付装置にあっては、取付ネジのスリットに設けた幅方向に弾性変形し得る係止部によって、ワッシャの係止用舌片がスリットに挿入されて下からの移動に対して通過を許容するとともに通過された状態では下方への移動を規制するようにしたので、ワッシャに連結されたナットを取付ネジに簡単に仮止め状態とすることができる。そして、係止部の弾性変形により係止用舌片の通過を許容するようにしたので、部品に寸法精度が必要とされない。
【0027】
請求項2記載のアンテナ取付装置にあっては、係止用舌片の先端部がワッシャ本体より上方のスリットのネジ軸方向の中間の位置で、下方への移動が規制されるので、この仮止め状態では、ナットが連結されたワッシャが上部から吊り下げられた状態となり、比較的にナットのネジ軸が上下方向となる。そこで、取付ネジとナットのネジ軸を簡単に一致させて螺合させることが容易である。
【0028】
請求項3記載のアンテナ取付装置にあっては、係止部を一対のアームの先端部に幅方向に対向して突出するフックで形成し、このフックの先端部の対向する側の下方に拡がる斜面と突出部のネジ軸方向とほぼ直交する面とによって、係止用舌片の下方からの移動には容易に通過を許容するとともに、下方への移動は確実に規制することができる。
【0029】
請求項4記載のアンテナ取付装置にあっては、仮止め状態で、取付ネジにナットの一部が挿嵌されるので、取付ネジに対してナットが横方向にずれることがなく、横方向にずれて脱落するようなことがない。また、仮止め状態で取付ネジとナットのネジ軸はほぼ一致した状態にあり、容易に取付ネジに対してナットを螺合させることができる。
【0030】
請求項5記載のアンテナ取付装置にあっては、取付孔からアンテナベースの抜けを阻止するホルダーとワッシャを仮止め状態とする係合部材を、弾性を有する樹脂で一体成形するので、仮止めするために部品点数が増加せず、それだけ安価に製造できる。しかも、係合部材は樹脂で成形され、大量生産に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ取付装置の一実施例で、固定前の一部切り欠き縦断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のB−B矢視縦断面図である。
【図2】図1に示す一実施例の固定された一部切り欠き縦断面図である。
【図3】係合部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のC−C矢視断面図である。
【図4】アンテナベースを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のD−D矢視断面図である。
【図5】爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【図6】ナットを示し、(a)は縦断面図であり、(b)底面図である。
【図7】先に提案した技術の固定前の一部切り欠き断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のA−A矢視縦断面図である。
【図8】図7における係止板の平面図である。
【図9】図7における爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【符号の説明】
10 アンテナベース
12 取付ネジ
14 スリット
22,56 爪付きナット
24,58 係止用舌片
26 ルーフ
30 ナット
32 ホルダー
34,52 フック
36 取付孔
50 係合部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体のルーフ等にアンテナベースを取り付けるアンテナ取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用アンテナ装置を車体のルーフ等に取り付ける従来のアンテナ取付装置の構造は、ルーフ等に穿設した取付孔に、自動車用アンテナ装置のアンテナベースから下方に突出する取付ネジを挿通し、ルーフ等から下方に突出した取付ネジに、下方から爪付きワッシャを嵌挿し、さらにナットを螺合して固定するものである。そこで、作業性を良くするために、爪付きワッシャとナットがネジ軸回りに相対回転可能でしかもネジ軸方向に分離しないように連結することで一体化されていた。さらに、作業性を向上する目的で、特許第2751146号にて、取付ネジに爪付きワッシャを介してナットを仮止めすることができ、この仮止め後は、作業者がナットから手を離しても取付ネジから脱落しないようにする技術も提案されている。この特許第2751146号にて提案された技術は、取付ネジにネジ軸方向にスリットを形成し、このスリットに圧入しまたは弾性変形して挿入し得る嵌合片を爪付きワッシャに設けたものである。そして、この爪付きワッシャに、ナットが連結されている。
【0003】
この、特許第2751146号で提案された技術は、取付ネジに爪付きワッシャを介してナットを仮止めでき、作業性が向上する。しかしながら、取付ネジに設けるスリットや嵌合片の幅に、製造の際の寸法バラツキがあると、仮止めのための圧入ができなくなったり、仮止めによりナットを取付ネジに保持する弾力が弱くなって脱落する、などの可能性が考えられる。そこで、取付ネジのスリットや爪付きナットの嵌合片の幅は、寸法精度良く製造されなければならない。
【0004】
そこで、特許出願人は、上記特許技術を改善する技術として、先に特願2002−359845の技術を提案した。この先に提案した技術を、図7ないし図9を参照して説明する。図7は、先に提案した技術の固定前の一部切り欠き断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のA−A矢視縦断面図である。図8は、図7における係止板の平面図である。図9は、図7における爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【0005】
まず、図7に示すごとく、アンテナベース10には下方に突出して取付ネジ12が設けられる。そして、取付ネジ12にその下面よりネジ軸方向にスリット14が設けられる。取付ネジ14の下端面には、図8に示す係止板16がカシメ等により適宜に固定される。この係止板16は、弾性を有する樹脂板で形成され、スリット14の一部を塞ぐとともにスリット14の深さ方向に切り込み18が設けられ、この切り込み18の幅方向に対向させてまた内側に突出させるようにして弾性舌片20,20,20が設けられる。これらの弾性舌片20,20,20は、ネジ軸方向に弾性変形可能である。また、図9に示す爪付きワッシャ22には、スリット14にネジ軸方向に下方から係止板16の弾性舌片20,20,29を弾性変形させて挿入でき、しかも挿入された状態では先端部が係止板16の弾性舌片20,20,20に当接して下方への移動が規制されるように係止用舌片24が設けられている。そして、従来技術と同様に、爪付きワッシャ22には、車のルーフ26に食い込んで電気的接続を図る爪28,28…が上方に向けて設けられる。また、この爪付きワッシャ22には、ナット30がネジ軸回りに相対回転可能であるとともにネジ軸方向に分離しないように連結される。さらに、アンテナベース10には、弾性を有する樹脂からなるホルダー32が、適宜にカシメなどにより一体的に固定される。このホルダー32は、外方に向けたフック34,34を先端部に備えたアームを弾性変形させて車体のルーフ26に穿設された取付孔36に挿入して抜けを規制するように形成される。なお、図7において、38は、アンテナベース10とルーフ26との間に介装されてゴムパッキンの作用を奏するゴムベース部材である。また、係止板16の弾性舌片20,20,20は、爪付きワッシャ22およびナット30の重量では弾性変形せず、爪付きワッシャ22などが重量のみによっては脱落しないように形成されている。そして、40はアンテナベース10がインサート成形される等で一体に成形されたハウジングであり、42はハウジング40に揺動自在であるとともに所定の姿勢で固定されるアンテナエレメントである。
【0006】
かかる構成の先に提案技術は、図7(a)に示すごとく、ルーフ26の取付孔36にアンテナベース10の取付ネジ12を挿通し、ホルダー34により上方への抜けをまず規制する。そして、取付ネジ12のスリット14に下方から爪付きワッシャ22の係止用舌片24を係止板16の弾性舌片20,20,20を弾性変形させて挿入し、係止用舌片24の先端部を弾性舌片20,20,20上に載置する。すると、係止板16により爪付きワッシャ22の下方への移動が規制されて仮止めがなされる。
【0007】
そこで、仮止め状態で、作業者が手を離してもナット30が下方に脱落することがなく、作業が容易である。また、このナット30を仮止め保持する力は、係止板16の弾性舌片20,20,20が爪付きワッシャ22とナット30の重量のみによっては弾性変形されないことによるものであり、寸法精度によって大きく影響されることがない。このために、寸法精度を必要とする部材がなく、それだけ製造が容易である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、先に提案した技術は、従来の特許第2751146号の技術に比較して、大幅に作業性および製造コストの点で改善されている。しかしながら、さらなる作業性の改善のために、以下のごとき改善すべき点が明らかとなった。まず、仮止め状態で取付ネジ12のネジ軸方向に対してナット30の遊びが大きく、ナット30を締め付け螺合させる際に、取付ネジ12とナット30のネジ軸がずれて斜めに食い込み易く、その分作業性を悪くしていた。また、係止板16の弾性舌片20,20,20上に装置される爪付きワッシャ22の係止用舌片24にスリット14から抜ける方向の横方向(スリット14の深さと反対方向)への力が作用すると、取付ネジ12に対してナット30がずれてしまう、という不具合があった。
【0009】
本発明は、上述の先に提案した技術を改善すべくなされたもので、仮止め状態で取付ネジに対してナットのずれを規制して、取付ネジにナットが確実に螺合し得るようにしたアンテナ取付装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明のアンテナ取付装置は、車体に穿設した取付孔に、アンテナベースから下方に突出する取付ネジを挿通し、下方から前記取付ネジにワッシャを嵌挿するとともにナットを螺合して、前記アンテナベースを前記車体に固定するアンテナ取付装置において、前記取付ネジに下端面よりネジ軸方向にスリットを設け、前記ワッシャに前記スリットに挿入される係止用舌片を設け、前記スリットにその幅方向に対向して前記幅方向に弾性変位する係止部を備えた係合部材を設け、前記係止部を前記スリットに挿入された前記係止用舌片が前記ネジ軸方向で下方からの通過移動を弾性変位して許容するとともに通過した状態では下方への移動を規制するようになし、前記ワッシャと前記ナットを前記ネジ軸回りに相対回転可能で前記ネジ軸方向に分離しないように連結して構成されている。
【0011】
また、前記係止部で前記係止用舌片が下方への移動を規制する位置を、前記スリットの前記ネジ軸方向の中間に位置するようにし、前記係止部で係止された前記係止用舌片の先端部を前記ワッシャの本体より上方に位置するように設けて構成しても良い。
【0012】
そして、前記係合部材を弾性を有する樹脂で形成し、前記係止部を一対のアームの先端部に前記スリットの前記幅方向に対向して突出するとともに先端部の対向する側が下方に拡がる斜面で突出部の上面がほぼ前記ネジ軸方向と直交するフックの形状に構成することも可能である。
【0013】
さらに、前記取付ネジの下端部または前記ナットの上端部の少なくともいずれか一方にネジを螺切していない部分を設け、前記係止部で前記係止用舌片の先端部が下方への移動が規制される状態で、前記ネジを螺切していない部分で、前記取付ネジに前記ナットが挿嵌した状態となるように構成することもできる。
【0014】
そしてまた、外方に向けて係止部を備えてこの係止部を弾性変形させて前記車体の前記取付孔に挿入して抜けを規制するホルダーを前記アンテナベースに固定し、前記ホルダーと前記係合部材を弾性を有する樹脂で一体成形して構成しても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図6を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ取付装置の一実施例で、固定前の一部切り欠き縦断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のB−B矢視縦断面図である。図2は、図1に示す一実施例の固定された一部切り欠き縦断面図である。図3は、係合部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のC−C矢視断面図である。図4は、アンテナベースを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のD−D矢視断面図である。図5は、爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。図6は、ナットを示し、(a)は縦断面図であり、(b)底面図である。図1ないし図6において、図7ないし図9に示す部材と同じまたは均等なものには同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0016】
本発明のアンテナ取付装置において、先に提案した技術の構造と相違するところは、後述するごとく、爪付きワッシャの係止用舌片の構造と、これを係止する係合部材の構造にある。なお、先に提案した技術における取付ネジの下端面に配設された係止板は用いられていない。
【0017】
図3に示すごとく、外側に向けた係止部としてのフック34,34を先端部に備えたアームを有するホルダー32と一体成形されて弾性を有する樹脂で係合部材50が形成される。この係合部材50には、一対のアームの先端部にアンテナベース10のスリット14の幅方向に対向して突出する係止部としてのフック52,52が設けられる。アンテナベース10にホルダー32と一体の係合部材50がカシメなどにより固定され、フック52,52がスリット14内の両側部でネジ軸方向の中間に位置するように配設される。係止部材50のフック52,52は、先端部の対向する側が下方に拡がる斜面に形成され、スリット14に挿入できるように設けた爪付きワッシャ56の係止用舌片58が上方へ移動する力により、スリット14の幅方向に後退する力が作用して弾性変位するように形成される。また、フック52,52の突出部の上面は、ほぼネジ軸方向と直交する平面に形成されて、係止用舌片58を下方へ移動させる力に対して、フック52,52にスリット14の幅方向に後退する力が作用しないように形成される。
【0018】
なお、図4に示すごとく、スリット14の両側部には、係合部材50の一対のアームが幅方向に弾性変形し得るように凹部が形成され、また取付ネジ12の外側にはホルダー32の一対のアームが弾性変形し得るように凹部が形成され、結果的に取付ネジ12にはスリット14の幅方向に透孔が形成されている。図4において、54,54…は、ホルダー32と一体の係合部材50をアンテナベース10にカシメにより固定するための突起である。
【0019】
そして、図5に示すごとく、爪付きワッシャ56の係止用舌片58は、その先端部がワッシャ本体より上方に位置するように形成される。ナット30は、図6に示すごとく、先に提案した技術で用いたものと同様であり、爪付きワッシャ56にネジ軸回り相対回転可能であるとともにネジ軸方向に分離しないように連結される。また、取付ネジ12の下端部にネジを螺切していない部分を設け、取付ネジ12にナット30を螺合することなしに一部が挿嵌し得るように形成される。
【0020】
かかる構成で、ホルダー32と一体の係合部材50が固定配設されたアンテナベース10を、図1に示すごとく、ルーフ26の取付孔36に上から挿入して、ホルダー32のアームが弾性変形してフック34,34の挿通を許容し、取付孔36をフック34,34が通過するとアームが弾性復帰し、もって取付孔36の周辺にフック34,34が下側から係合して、アンテナベース10の上方への抜けが規制される。
【0021】
さらに、ナット30が連結された爪付きワッシャ56の係止用舌片58を、取付ネジ12のスリット14に下方から挿入移動させると、係止用舌片58の先端部に押圧されて係合部材50のフック52,52がスリット14の幅方向に後退するようにアームが弾性変形されて係止用舌片58の先端部の通過が許容される。この係止用舌片58の通過後は、アームが弾性復帰し、フック52,52がスリット14の幅方向に狭まる。そして、係止用舌片58の下方へ移動する力に対して、フック52,52には幅方向に後退する力が作用せず、下方への移動が規制される。
【0022】
この爪付きワッシャ56の係止用舌片58を、スリット14に下方から挿入移動させて係合部材50のフック52,52を通過させることで、爪付きワッシャ56はフック52,52により下方への脱落が規制されて仮止め状態となる。しかも、爪付きワッシャ56がフック52,52で下方への移動が規制される状態で、取付ネジ12の下端部のネジが螺切されていない部分にナット30の上端部が挿嵌するようになされる。すると、爪付きワッシャ56がフック52,52で下方への移動が規制される仮止め状態にあっては、取付ネジ12に対してナット30は横方向(スリット14の深さと反対側)に移動し得ない。もって、爪付きワッシャ56の係止用舌片58が取付ネジ12のスリット14から横方向に抜け出ることができず、仮止め状態でナット30が取付ネジ12から離脱するようなことがない。
【0023】
さらに、図2に示すごとく、ナット30を取付ネジ12に螺合してアンテナベース10をルーフ26に固定する際に、取付ネジ12の下端部にナット30の上端部が挿嵌されていることと、爪付きワッシャ56が上方にある係止用舌片58の先端部で吊り下げられる状態であって比較的にナット30のネジ軸が上下方向となることによって、取付ネジ12とナット30のネジ軸を簡単かつ確実に一致させて容易に螺合させることができる。
【0024】
なお、上記実施例では、ホルダー32と係合部材50を樹脂で一体成形することで、部品点数を増加させることなく爪付きワッシャ56の係止用舌片58を係止できるが、ホルダー32と係合部材50を別体としても良いことは勿論である。また、上記実施例では、スリット14のネジ軸方向の中間の位置で係止用舌片58の先端部を係止するようにもしたが、取付ネジ12の下端部で係止するものであっても良く、適宜に設定し得る。そして、係合部材50のフック52,52で係止用舌片58を係止した状態で、取付ネジ12の下端部にナット30の上端部を螺合することなしに挿嵌し得るようにするために、上記実施例では取付ネジ12の下端部にネジを螺切していない部分を設けているが、これに代えて、ナット30の上端部にネジを螺切していない部分を設けても良い。さらに、係合部材50のフック52,52は、スリット14内で爪付きワッシャ56の係止用舌片58の下方から上方への移動を許容するとともに下方への移動を規制できれば、いかなる構造であっても良い。例えば、スリット14の幅方向の両側に、下方から上方に向けて離間の狭くなる一対の弾性を有すアームを設け、係止用舌片58の上方への移動に対して一対のアームは弾性変形して移動を許容し、アームの先端を通過すると一対のアームが弾性復帰し、係止用舌片58の下方への移動は離間の狭い一対のアームの上部先端で阻止するものであっても良い。そしてさらに、本発明のアンテナ取付装置は、ルーフ26に固定されるものに限られず、トランク等に取付孔36を穿設してトランク等に固定しても良い。そしてまた、爪付きワッシャ56は、アンテナベース10とルーフ26が適宜に電気的接続され、またはアンテナベース10とルーフ26の電気的接続が必要ないならば、爪28,28…の無いワッシャであっても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のアンテナ取付装置は構成されているので、以下のごとき格別な作用効果を奏する。
【0026】
請求項1記載のアンテナ取付装置にあっては、取付ネジのスリットに設けた幅方向に弾性変形し得る係止部によって、ワッシャの係止用舌片がスリットに挿入されて下からの移動に対して通過を許容するとともに通過された状態では下方への移動を規制するようにしたので、ワッシャに連結されたナットを取付ネジに簡単に仮止め状態とすることができる。そして、係止部の弾性変形により係止用舌片の通過を許容するようにしたので、部品に寸法精度が必要とされない。
【0027】
請求項2記載のアンテナ取付装置にあっては、係止用舌片の先端部がワッシャ本体より上方のスリットのネジ軸方向の中間の位置で、下方への移動が規制されるので、この仮止め状態では、ナットが連結されたワッシャが上部から吊り下げられた状態となり、比較的にナットのネジ軸が上下方向となる。そこで、取付ネジとナットのネジ軸を簡単に一致させて螺合させることが容易である。
【0028】
請求項3記載のアンテナ取付装置にあっては、係止部を一対のアームの先端部に幅方向に対向して突出するフックで形成し、このフックの先端部の対向する側の下方に拡がる斜面と突出部のネジ軸方向とほぼ直交する面とによって、係止用舌片の下方からの移動には容易に通過を許容するとともに、下方への移動は確実に規制することができる。
【0029】
請求項4記載のアンテナ取付装置にあっては、仮止め状態で、取付ネジにナットの一部が挿嵌されるので、取付ネジに対してナットが横方向にずれることがなく、横方向にずれて脱落するようなことがない。また、仮止め状態で取付ネジとナットのネジ軸はほぼ一致した状態にあり、容易に取付ネジに対してナットを螺合させることができる。
【0030】
請求項5記載のアンテナ取付装置にあっては、取付孔からアンテナベースの抜けを阻止するホルダーとワッシャを仮止め状態とする係合部材を、弾性を有する樹脂で一体成形するので、仮止めするために部品点数が増加せず、それだけ安価に製造できる。しかも、係合部材は樹脂で成形され、大量生産に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ取付装置の一実施例で、固定前の一部切り欠き縦断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のB−B矢視縦断面図である。
【図2】図1に示す一実施例の固定された一部切り欠き縦断面図である。
【図3】係合部材を示し、(a)は正面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のC−C矢視断面図である。
【図4】アンテナベースを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図であり、(c)は(a)のD−D矢視断面図である。
【図5】爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【図6】ナットを示し、(a)は縦断面図であり、(b)底面図である。
【図7】先に提案した技術の固定前の一部切り欠き断面図であり、(a)はアンテナエレメントの揺動面における縦断面図であり、(b)は(a)のA−A矢視縦断面図である。
【図8】図7における係止板の平面図である。
【図9】図7における爪付きワッシャを示し、(a)は縦断面図であり、(b)は底面図である。
【符号の説明】
10 アンテナベース
12 取付ネジ
14 スリット
22,56 爪付きナット
24,58 係止用舌片
26 ルーフ
30 ナット
32 ホルダー
34,52 フック
36 取付孔
50 係合部材
Claims (5)
- 車体に穿設した取付孔に、アンテナベースから下方に突出する取付ネジを挿通し、下方から前記取付ネジにワッシャを嵌挿するとともにナットを螺合して、前記アンテナベースを前記車体に固定するアンテナ取付装置において、前記取付ネジに下端面よりネジ軸方向にスリットを設け、前記ワッシャに前記スリットに挿入される係止用舌片を設け、前記スリットにその幅方向に対向して前記幅方向に弾性変位する係止部を備えた係合部材を設け、前記係止部を前記スリットに挿入された前記係止用舌片が前記ネジ軸方向で下方からの通過移動を弾性変位して許容するとともに通過した状態では下方への移動を規制するようになし、前記ワッシャと前記ナットを前記ネジ軸回りに相対回転可能で前記ネジ軸方向に分離しないように連結して構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
- 請求項1記載のアンテナ取付装置において、前記係止部で前記係止用舌片が下方への移動を規制する位置を、前記スリットの前記ネジ軸方向の中間に位置するようにし、前記係止部で係止された前記係止用舌片の先端部を前記ワッシャの本体より上方に位置するように設けて構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
- 請求項1または2記載のアンテナ取付装置において、前記係合部材を弾性を有する樹脂で形成し、前記係止部を一対のアームの先端部に前記スリットの前記幅方向に対向して突出するとともに先端部の対向する側が下方に拡がる斜面で突出部の上面がほぼ前記ネジ軸方向と直交するフックの形状に構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
- 請求項1ないし3記載のいずれかのアンテナ取付装置において、前記取付ネジの下端部または前記ナットの上端部の少なくともいずれか一方にネジを螺切していない部分を設け、前記係止部で前記係止用舌片の先端部が下方への移動が規制される状態で、前記ネジを螺切していない部分で、前記取付ネジに前記ナットが挿嵌した状態となるように構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
- 請求項1ないし4記載のいずれかのアンテナ取付装置において、外方に向けて係止部を備えてこの係止部を弾性変形させて前記車体の前記取付孔に挿入して抜けを規制するホルダーを前記アンテナベースに固定し、前記ホルダーと前記係合部材を弾性を有する樹脂で一体成形して構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
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