JP2005032766A - GaN半導体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単結晶Si基板1上に厚さ100nm〜1μm程度の3C−SiC単結晶層3及び厚さ1〜20nm程度のBGaN混晶層4を順に介在して厚さ1〜10μm程度のc−GaN単結晶膜5が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Si(シリコン)に比べて半導体機能に優れ、単結晶Si基板上に形成された単結晶膜からなり、短波長LED(発光ダイオード)や短波長半導体レーザー素子等に用いられるGaN(窒化ガリウム)半導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のGaN半導体としては、単結晶Si基板上に3C−SiC(立方晶炭化ケイ素)単結晶層をSiとGaNの格子不整合を緩和させるバッファ層として介在してc−GaN(立方晶窒化ガリウム)単結晶膜を形成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のGaN半導体においては、3C−SiCは、Si上に原子的に平坦なエピタキシャル膜が生成でき、かつ、非常に安定な物質であるため、アニールに対する耐性が大きい反面、c−GaNとの濡れ性が悪く、c−GaNの基板全面に亘る均質なエピタキシャル成長が困難であり、電子デバイスに使用できる程度に欠陥を抑制したc−GaN単結晶膜が得られていない。
【0004】
そこで、本発明は、電子デバイスに使用できる程度に欠陥を抑制し得るGaN半導体及びその製造方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1のGaN半導体は、単結晶Si基板上に厚さ100nm〜1μm程度の3C−SiC単結晶層及び厚さ1〜20nm程度のBGaN混晶層を順に介在して厚さ1〜10μm程度のc−GaN単結晶膜が形成されていることを特徴とする。
【0006】
又、第2のGaN半導体は、第1のものにおいて、前記単結晶Si基板と3C−SiC単結晶層との間に厚さ5〜50nm程度のSiC低温成長層が介在されていることを特徴とする。
【0007】
一方、第1のGaN半導体の製造方法は、単結晶Si基板上に3C−SiC単結晶層を800〜1350℃の温度で100nm〜1μm程度の厚さにエピタキシャル成長させた後、3C−SiC単結晶層上にBGaN混晶層を500〜1100℃の温度で1〜20nm程度の厚さにエピタキシャル成長させ、しかる後に、BGaN混晶層上にc−GaN単結晶膜を700〜1000℃の温度で1〜10μm程度の厚さにエピタキシャル成長させることを特徴とする。
【0008】
又、第2のGaN半導体の製造方法は、第1の製法において、前記3C−SiC単結晶層のエピタキシャル成長の前に、単結晶Si基板上にSiC低温成長層を700〜900℃の温度で5〜50nm程度の厚さに堆積させることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明の第1のGaN半導体及びその製造方法においては、3C−SiC単結晶層とc−GaN単結晶膜との濡れ性が、III−V族窒化物であるBGaN(窒化ボロンガリウム)混晶層によって良好となる。
【0010】
又、第2のGaN半導体及びその製造方法においては、第1のもの及びその製法による作用の他、単結晶Si基板と3C−SiC単結晶層との格子不整合がSiC低温成長層によって緩和される。
【0011】
3C−SiC単結晶層の厚さが、100nm未満であると、結晶欠陥が大量に残存する。一方、1μmを超過すると、異常成長粒が目立つようになる。
3C−SiC単結晶層の厚さは、400nm〜800nmがより好ましい。
BGaN混晶層の厚さが、1nm未満であると、c−GaN膜は多結晶となる。一方、20nmを超過すると、c−GaN単結晶膜表面が荒れる。
BGaN混晶層の厚さは、5〜20nmがより好ましい。
BGaN混晶層中のGaNは、イオン性が大きいので、その後に形成されるGaN単結晶膜が六方晶になり易いが、BN(窒化ボロン)は、GaNに比べればイオン性が約半分であり、GaN単結晶膜の六方晶化を抑制できるものと考えられる。
又、BGaN混晶層は、B(ボロン)の組成比を16%程度とすることで、3C−SiC単結晶層と格子整合できる。
c−GaN単結晶膜の厚さが、1μm未満であると、結晶欠陥が大量に残存する。一方、10μmを超過すると、クラックが生じる。
c−GaN単結晶膜の厚さは、1〜5μmがより好ましい。
又、SiC低温成長層(結晶成長しない温度で成膜したもの)の厚さが、5nm未満であると、結晶層は多結晶となる。一方、50nmを超過すると、結晶層表面が荒れる。
SiC低温成長層の厚さは、8〜20nmがより好ましい。
【0012】
一方、3C−SiC単結晶層のエピタキシャル成長温度が、800℃未満であると、3C−SiC層は多結晶となる。一方、1350℃を超過すると、単結晶Si基板のエッチングが著しくなる。
3C−SiC単結晶層のエピタキシャル成長用の原料としては、(CH3)SiH3(モノメチルシラン)、又はSiH4(シラン)とC3H8(プロパン)が用いられる。
BGaN混晶層のエピタキシャル成長温度が、500℃未満であると、BGaN層は多結晶となる。一方、1100℃を超過すると、六方晶となる。
BGaN混晶層のエピタキシャル成長温度は、700〜1000℃がより好ましい。
BGaN混晶層のエピタキシャル成長用の原料としては、B(CH3)3(トリメチルボロン)、Ga(CH3)3(トリメチルガリウム)、及び(CH3)2NNH2(ジメチルヒドラジン)が用いられる。
c−GaN単結晶膜のエピタキシャル成長温度が、700℃未満であると、多結晶となる。一方、1000℃を超過すると、六方晶となる。
c−GaN単結晶膜のエピタキシャル成長温度は、750〜950℃がより好ましい。
c−GaN単結晶膜のエピタキシャル成長用の原料としては、Ga(CH3)3、及び(CH3)2NNH2が用いられる。
又、SiC低温成長層の堆積温度が、700℃未満であると、多結晶となる。一方、900℃を超過すると、表面が荒れる。
SiC低温成長層の堆積温度は、750〜850℃がより好ましい。
SiC低温成長層の堆積用の原料としては、(CH3)SiH3、又はSiH4とC3H8が用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るGaN半導体の実施の形態の一例を示す概念的な断面図である。
【0014】
このGaN半導体は、(100)面の単結晶Si基板1上に厚さ5〜50nm程度のSiC低温成長層2、厚さ100nm〜1μm程度の3C−SiC単結晶層3、及び厚さ1〜20nm程度のBGaN混晶層4を順に介在して厚さ1〜10μm程度のc−GaN単結晶膜5が形成されているものである。
【0015】
上記GaN半導体においては、単結晶Si基板1と3C−SiC単結晶層3との格子不整合がSiC低温成長層2によって緩和され、かつ、3C−SiC単結晶層3とc−GaN単結晶膜5との濡れ性が、III−V族窒化物であるBGaN混晶層によって良好となる。
【0016】
上述したGaN半導体を製造するには、先ず、(100)面の単結晶Si基板1をH2(水素ガス)雰囲気において1000℃以上の温度で加熱することにより自然酸化膜を除去する(図2(a)参照)。
次に、SiC低温成長層2を設けるため、700〜900℃まで降温した後、(CH3)SiH3を供給して、SiC低温成長層2を5〜50nm程度の厚さに堆積させる(図2(b)参照)。
次いで、一旦、(CH3)SiH3の供給を止め、3C−SiC単結晶の成長温度である1050℃まで昇温した後、再び(CH3)SiH3、又はSiH4とC3H8を供給して、3C−SiC単結晶層3を100nm〜1μm程度の厚さにエピタキシャル成長させる(図2(c)参照)。
【0017】
次に、500℃以下に降温し、雰囲気ガスをN2+H2雰囲気とした後、BGaN混晶の成長温度である500〜1100℃とし、しかる後に、B(CH3)3、Ga(CH3)3、及び(CH3)2NNH2を供給し、BGaN混晶層4を1〜20nm程度のエピタキシャル成長させる(図2(d)参照)。
次いで、c−GaN単結晶の成長温度である700〜1000℃の温度とした後、Ga(CH3)3と(CH3)2NNH2を供給して、c−GaN単結晶膜5を1〜10μm程度の厚さにエピタキシャル成長させる(図2(e)参照)。
【0018】
なお、上述した実施の形態においては、単結晶Si基板1と3C−SiC単結晶層3との間にSiC低温成長層2を介在させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、SiC低温成長層を設けることなく、3C−SiC単結晶層3を単結晶Si基板1上に直に設けるようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1のGaN半導体及びその製造方法によれば、3C−SiC単結晶層とc−GaN単結晶膜との濡れ性が、III−V族窒化物であるBGaN(窒化ボロンガリウム)混晶層によって良好となるので、均質なc−GaN単結晶膜とすることができ、ひいては電子デバイスとして使用できる程度に欠陥を抑制したGaN半導体とすることができる。
【0020】
又、第2のGaN半導体及びその製造方法によれば、第1のもの及びその製法による作用効果の他、単結晶Si基板と3C−SiC単結晶層との格子不整合がSiC低温成長層によって緩和されるので、一層欠陥を抑制したGaN半導体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るGaN半導体の実施の形態の一例を示す概念的な断面図である。
【図2】(a)は本発明に係るGaN半導体の製造方法の実施の形態の一例を示す第1工程説明図、(b)は上記製造方法の第2工程説明図、(c)は上記製造方法の第3工程説明図、(d)は上記製造方法の第4工程説明図、(e)は上記製造方法の最終工程説明図である。
【符号の説明】
1 単結晶Si基板
2 SiC低温成長層
3 3C−SiC単結晶層
4 BGaN混晶層
5 c−GaN単結晶膜
Claims (4)
- 単結晶Si基板上に厚さ100nm〜1μm程度の3C−SiC単結晶層及び厚さ1〜20nm程度のBGaN混晶層を順に介在して厚さ1〜10μm程度のc−GaN単結晶膜が形成されていることを特徴とするGaN半導体。
- 前記単結晶Si基板と3C−SiC単結晶層との間に厚さ5〜50nm程度のSiC低温成長層が介在されていることを特徴とする請求項1記載のGaN半導体。
- 単結晶Si基板上に3C−SiC単結晶層を800〜1350℃の温度で100nm〜1μm程度の厚さにエピタキシャル成長させた後、3C−SiC単結晶層上にBGaN混晶層を500〜1100℃の温度で1〜20nm程度の厚さにエピタキシャル成長させ、しかる後に、BGaN混晶層上にc−GaN単結晶膜を700〜1000℃の温度で1〜10μm程度の厚さにエピタキシャル成長させることを特徴とするGaN半導体の製造方法。
- 前記3C−SiC単結晶層のエピタキシャル成長の前に、単結晶Si基板上にSiC低温成長層を700〜900℃の温度で5〜50nm程度の厚さに堆積させることを特徴とする請求項3記載のGaN半導体の製造方法。
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JP2003192980A JP2005032766A (ja) | 2003-07-07 | 2003-07-07 | GaN半導体及びその製造方法 |
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JP2018101721A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | 株式会社ニューフレアテクノロジー | 気相成長方法 |
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2003
- 2003-07-07 JP JP2003192980A patent/JP2005032766A/ja active Pending
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