JP2004115305A - 窒化ガリウム単結晶基板、その製造方法、窒化ガリウム系半導体素子および発光ダイオード - Google Patents

窒化ガリウム単結晶基板、その製造方法、窒化ガリウム系半導体素子および発光ダイオード Download PDF

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Abstract

【課題】転位密度が低く結晶品質に優れ、且つ大口径の珪素(Si)単結晶を基板として利用し、その表面上に積層した窒化ガリウム単結晶層から結晶欠陥密度の小さい大面積の窒化ガリウム単結晶基板を製造する方法とその方法により製造された窒化ガリウム単結晶基板を提供する。
【解決手段】珪素単結晶基板の表面に、硼素とリンとを含む非晶質層を形成し、次に、非晶質層上にリン化硼素単結晶層を形成し、次に、リン化硼素単結晶層上に、第1の窒化ガリウム(GaN)単結晶層を成長させ、その後、上記の珪素単結晶基板、非晶質層およびリン化硼素単結晶層を除去して、第1の窒化ガリウム単結晶層を分離し、その後、第1の窒化ガリウム単結晶層の表面上に、第2の窒化ガリウム単結晶層を積層させて窒化ガリウム単結晶基板を製造する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、珪素(Si)単結晶基板の表面上に、リン化硼素単結晶層を介して形成した窒化ガリウム単結晶層からなる窒化ガリウム単結晶基板とその製造方法、及びそれを用いて作製した窒化ガリウム系半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化ガリウム(GaN)、窒化ガリウム・インジウム(GaInN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)等のIII族窒化物半導体結晶層は、近紫外帯、青色帯或いは緑色帯の短波長光を放射する発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)を構成する機能層として利用されている。或いは、ショットキー(Schottky)接合型電界効果トランジスタ(MESFET)やヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)等の高周波電子デバイスを構成するに利用されている。
【0003】
従来より、窒化ガリウム系半導体素子を構成するための積層構造体をなすIII族窒化物半導体結晶層は、もっぱらサファイア(α−Al単結晶)或いは炭化珪素(SiC)単結晶を基板に用いて、その表面に気相成長を行っていた。例えば、有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法、ハイドライド(hydride)気相成長(VPE)法や分子線エピタキシャル(MBE)法等の気相成長手段に依り形成されていた。しかしながら、例えばサファイア(sapphire)と窒化ガリウムとの格子ミスマッチ度は、約14%と大である。従って、サファイア基板上に気相成長させた窒化ガリウム単結晶層は、内部におよそ1010cm−2或いはそれ以上の密度で転位を含む結晶品質に劣る結晶層となっている。
【0004】
このため、最近では、窒化ガリウムとの格子整合性に優れる結晶材料、例えば、窒化ガリウム単結晶を基板に用いて、窒化ガリウム単結晶層が形成されている。基板として利用できる数十〜数百μmの厚さの窒化ガリウム単結晶を得る技術手段として、例えば、10ギガパスカル(単位:GPa)程度の高圧環境下に於いて、ガリウム(Ga)とアンモニア(NH)とを化合させて窒化ガリウムを合成する高圧合成法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。また、サファイア基板の表面に気相成長させた窒化ガリウム単結晶層を下地層とし、その上にハイドライド気相成長(hydride VPE)法に依り、数十μm程度の窒化ガリウムの厚膜を成長させた後、サファイア基板を除去し、残存させた窒化ガリウム単結晶層を基板として利用する技術手段も開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0005】
【非特許文献1】シルベスター ポロスキー(Sylwester Porowski)、「ジャーナル オブ クリスタル グロース(Journal ofCrystal Growth)」、オランダ、1998年、第189/190巻、p.153〜158
【非特許文献2】ジェイ・エイ・フレイタス・ジュニア(J.A.FREITAS,JR)、外7名、「フィジカ ステイタス ソリディ(エイ)(physica status solidi(a))」、ドイツ、2001年、第188巻、第1号、p.457−461
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、窒化ガリウム単結晶基板を得るための従来技術、例えば、上記の高圧合成法で得られる窒化ガリウム単結晶の大きさは、現状に於いて数ミリメートル(mm)から数センチメーチル(cm)の小片である。従って、例えば、LEDを廉価で多量に製造するに寄与できない。また、従来のハイドライドVPE法で得られる窒化ガリウム単結晶基板は、格子不整合性の大きなサファイアを下地として成長させているため、ミスフィット(misfit)転位等の結晶欠陥が多量に含まれ、結晶品質の向上が望まれている。
【0007】
本発明は、これらの従来技術の欠点を克服すべく成されたもので、転位密度が低く結晶品質に優れ、且つ大口径の珪素(Si)単結晶を基板として利用し、その表面上に積層した窒化ガリウム単結晶層から結晶欠陥密度の小さい大面積の窒化ガリウム単結晶基板を製造する方法とその方法により製造された窒化ガリウム単結晶基板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、
(1)珪素(Si)単結晶基板の表面に、250℃以上1200℃以下の基板温度で硼素(B)とリン(P)とを含む非晶質層を形成し、次に、非晶質層上に750℃以上1200℃以下の基板温度でリン化硼素(BP)単結晶層を形成し、次に、リン化硼素単結晶層上に、第1の窒化ガリウム(GaN)単結晶層を成長させ、その後、上記の珪素単結晶基板、非晶質層およびリン化硼素単結晶層を除去して、第1の窒化ガリウム単結晶層を分離し、その後、第1の窒化ガリウム単結晶層の表面上に、第2の窒化ガリウム単結晶層を積層させることを特徴とする窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(2)リン化硼素単結晶層上に、非晶質からなる窒化ガリウム薄膜層を形成し、該窒化ガリウム薄膜層上に第1の窒化ガリウム単結晶層を堆積させることを特徴とする上記(1)に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(3)窒化ガリウム薄膜層の層厚が、1nm以上50nm以下であることを特徴とする上記(2)に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(4)窒化ガリウム薄膜層を、有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法により250℃〜750℃の範囲の温度で形成することを特徴とする上記(2)または(3)に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(5)基板に{111}結晶面を表面とする珪素単結晶基板を用いることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(6)硼素とリンとを含む非晶質層の厚さを1nm以上50nm以下とすることを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(7)硼素とリンとを含む非晶質層とリン化硼素単結晶層とを、ともにMOCVD法で成長することを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(8)第1の窒化ガリウム単結晶層および第2の窒化ガリウム単結晶層を、ともにハイドライド気相成長法により800℃以上1150℃以下の温度で成長させることを特徴とする上記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
(9)第1の窒化ガリウム単結晶層上に、第1の窒化ガリウム単結晶層の層厚以上の第2の窒化ガリウム単結晶層を堆積することを特徴とする上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
である。
【0009】
また本発明は、
(10)上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の方法に依り製造された窒化ガリウム単結晶基板。
(11)上記(10)に記載の窒化ガリウム単結晶基板を備えていることを特徴とする窒化ガリウム系半導体素子。
(12)上記(1)ないし(9)のいずれか1項に記載の方法に依り製造された窒化ガリウム単結晶基板上に、III族窒化物半導体からなる発光層を含む機能層が形成され、機能層の表面と窒化ガリウム単結晶基板の裏面にそれぞれオーミック電極が形成されていることを特徴とする発光ダイオード。
である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の珪素(Si)単結晶基板としては、例えば、{100}、{110}或いは{111}等の低いミラー(Miller)指数の結晶面を表面とする珪素単結晶(シリコン)を用いることができる。或いはそれらの結晶面より角度にして数度から十数度傾斜した、所謂、オフカット(off−cut)結晶面を表面とする珪素単結晶を基板として利用できる。ダイヤモンド(diamond)構造型の単結晶であるが故に、珪素原子が最も密に充填されている{111}結晶面を表面とする珪素単結晶は、特に好ましく使用できる。珪素単結晶表面上に設ける上層を構成する元素が、珪素単結晶表面からその内部へ侵入し拡散するのを抑制して、珪素単結晶の規則的な結晶構造が乱雑となるのを防止するに効果を上げられるからである。また、上層との間で平坦な接合界面を形成するに優位となるからである。また、転位密度の低い珪素単結晶基板は、上層へ貫通して伝搬する転位を減ずるに有効である。特に、転位密度を1×10cm−2以下、更には1×10cm−2以下とする低転位密度の珪素単結晶基板は、貫通転位の密度の低い上層を得るに効果を奏する。
【0011】
珪素単結晶基板としては、高抵抗の結晶やn形またはp形の伝導形を呈する導電性の結晶の何れでも使用できるが、「反り」を抑制して、珪素単結晶基板を均一な温度に保持しつつ、窒化ガリウム単結晶層の成長を達成するためには、珪素単結晶基板の厚さは数百μm程度とするのが適する。直径50mmの珪素単結晶基板にあっては、およそ250μm〜400μmの厚さであるのが好適である。直径100mmの珪素単結晶基板にあっては、概して400μm〜700μmの厚さであるのが適する。基板の厚さの約1/3〜約1/2の相当する深さの溝を裏面に設けた珪素単結晶基板は、窒化ガリウム単結晶層等の上層に亀裂(crack)が発生するのを防止できる有益な基板として利用できる。
【0012】
本発明では、珪素単結晶基板上に第1の窒化ガリウム単結晶層及び第2の窒化ガリウム単結晶層を堆積するに際し、先ず硼素とリンとを含む非晶質層を設ける。この非晶質層は、硼素とリンとを構成元素として含むリン化硼素系材料から構成する。リン化硼素系材料には、例えばBαAlβGaγIn1− α β γ1− δAsδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)、BαAlβGaγIn1− α β γ1− δδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)等がある。より具体的には、単量体のリン化硼素(BP)やリン化硼素・ガリウム(BαGaγP:0<α≦1、0≦γ<1、α+γ=1)或いは窒化リン化硼素(BP1− δδ:0≦δ<1)、窒化砒化硼素(BαAs1− δδ)等の複数のV族元素を含む混晶を例示できる。
【0013】
リン化硼素系材料からなる非晶質層は、例えば、三塩化硼素(BCl)や三塩化リン(PCl)を出発原料とするハロゲン(halogen)法に依り気相成長できる。また、ボラン(BH)またはジボラン(B)とホスフィン(PH)等を原料とするハイドライド法や分子線エピタキシャル法で気相成長させられる。また、有機硼素化合物とリンの水素化合物を原料とする有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法に依り気相成長させられる。特に、MOCVD法はトリエチル硼素((CB)等の易分解性の物質を硼素源としているため、低温で非晶質層を気相成長させるに有利な成長手段となる。
【0014】
非晶質層は、その成長を妨害する酸化珪素膜或いは窒化珪素膜を、珪素単結晶基板の表面に形成させないために、酸素や窒素を多量に含まない雰囲気中で成長させる。例えば、水素(H)雰囲気中或いは水素とアルゴン(Ar)等の単原子不活性ガスとの混合雰囲気中で成長させるのが好適である。非晶質層は、例えば、トリエチル硼素((CB)/ホスフィン(PH)/水素(H)反応系常圧(略大気圧)或いは減圧MOCVD法に依り、珪素単結晶基板の温度を250℃以上1200℃以下として成長させる。750℃を超える高温では硼素とリンとを含む単結晶層或いは多結晶層が形成され易い傾向にあるが、この様な高温領域の成長では、硼素源に対しリン源の供給量、所謂、V/III比率を低くすると非晶質層を形成できる。例えば、上記の反応系を利用するMOCVD法にあって、V/III比率(=PH/(CB供給濃度比率)を0.2〜50の低比率とすると、上記の高温領域でも非晶質層を安定して形成できる。非晶質層の厚さは、珪素単結晶の表面を充分に一様に被覆するに足る1nm以上50nm以下とするのが好ましい。更に、5nm〜20nmの層厚とするのが好適である。非晶質層の層厚は、成長領域への硼素源の供給時間を調整して制御する。非晶質層の層厚は、例えば、透過電子顕微鏡(TEM)に依る断面TEM技法等で実測できる。また、TEMを利用した非晶質層からの電子線回折像はハロー(halo)なものとなる。
【0015】
硼素とリンとを含む非晶質層上には、単量体のリン化硼素単結晶層を堆積する。リン化硼素単結晶層も非晶質層の場合と同じ成長手段に依り成長させるのが好ましい。成長温度としては、B13等の多量体のリン化硼素結晶の発生を抑止できる1200℃以下が適する。また、単結晶のリン化硼素層を得るに珪素単結晶の温度を750℃以上として成長させるのが適する。ところで、珪素単結晶の格子定数は0.543nmであり、立方晶閃亜鉛鉱型のリン化硼素単結晶のそれは0.454nmである。従って、珪素とリン化硼素との格子ミスマッチ度は約16.5%と大きい。ここで上記の非晶質層は、この大きな格子ミスマッチを緩和して、ミスフィット転位等の結晶欠陥密度の低い良質のリン化硼素単結晶層をもたらす作用を有する。非晶質層とリン化硼素単結晶層の各々は異なる成長手段で形成できるが、非晶質層を形成したのと同一のMOCVD成長装置を使用して、非晶質層の成長に引き続き、同一のMOCVD法でリン化硼素単結晶層を成長させる手段が簡便にリン化硼素単結晶層を得るに最も有効となる。
【0016】
閃亜鉛鉱(zinc−blende)結晶型のリン化硼素単結晶の格子定数は、0.454nmであり、立方晶(cubic)の窒化ガリウム単結晶の格子定数0.451nmと略同等である。また、リン化硼素単結晶の{110}結晶面の格子面間隔は、約0.320nmである。この格子面間隔はウルツ鉱結晶型(wurtzite)の窒化ガリウムのa軸の格子定数である0.319nmに略一致する。即ち、単量体のリン化硼素単結晶層は、立方晶または六方晶(hexagonal)の窒化ガリウム単結晶層を堆積させるに際し、ミスマッチ度の極めて矮小な下地層(被堆積層)として有効に作用する。このため、窒化ガリウム単結晶層と接合する表面はリン化硼素単結晶層とするのが好適である。特に、六方晶の窒化ガリウム単結晶層を堆積するためには、リン化硼素単結晶層は、{111}結晶面、{110}結晶面、または{100}結晶面等を表面とする単結晶層から構成するのが望ましい。これらの低ミラー指数の結晶表面では、表面に直角に交差する{110}結晶面が存在するからである。リン化硼素単結晶層の表面の面方位は、例えば、X線回折法(XRD)や電子線回折法等の手段により調査できる。
【0017】
リン化硼素単結晶層の層厚は数十nmから数百nmとする。概して、3000nm未満とするのが好適である。リン化硼素単結晶層は、導電性を付与する不純物を添加(doping)しつつ成長させても構わない。n形の伝導を付与できる不純物には、元素周期律の第VI族の硫黄(S)やセレン(Se)がある。p形不純物には、第II族のベリリウム(Be)等がある。また、リン化硼素単結晶層はアンドープ層であっても構わない。不純物を故意に添加しなくとも、成長温度如何に依ってアンドープでp形のリン化硼素単結晶層を得ることができる。約1000℃未満の成長温度では、n形の伝導を呈するアンドープのリン化硼素単結晶層が得られる。これらアンドープのリン化硼素単結晶層を下地層とすれば、窒化ガリウム単結晶層への不純物の拡散、侵入を抑制するに効果を上げられる。窒化ガリウム単結晶層の内部の不純物の濃度は、例えば、2次イオン質量分析法(SIMS)等の分析手段に依り定量できる。
【0018】
リン化硼素単結晶層上には、第1の窒化ガリウム単結晶層及び第2の窒化ガリウム単結晶層を成長させる。第1の窒化ガリウム単結晶層及び第2の窒化ガリウム単結晶層は何れも、昇華(sublimation)法やハイドライドVPE法、ハロゲンVPE法或いはMOCVD法等の気相成長法に依り成長できる。特に、ハイドライドVPE法は毎時数μmから数十μmの大きな速度で窒化ガリウム単結晶層の成長を果たせるため、厚膜の窒化ガリウム単結晶層を成長させるに好適に利用できる。ハイドライドVPE法に依り窒化ガリウム単結晶層を成長させる温度は、800℃〜1150℃とするのが望ましい。ハイドライドVPE法に依り窒化ガリウム単結晶層を成長させるに際し、窒素源にはアンモニア(NH)やジメチルヒドラジン((CH)等を使用できる。アンモニア(NH)を窒素源とするハイドライドVPE法にあって、窒化ガリウム単結晶層を気相成長させるに好適な温度は約950℃〜約1150℃の範囲である。より低温の約800℃〜約1000℃での窒化ガリウム単結晶層の成長には、熱分解し易い非対称な分子構造のジメチルヒドラジンを窒素源とするのが適する。立方晶(cubic)の窒化ガリウム単結晶層を得るには、ジメチルヒドラジン等の易熱分解性の窒素源を用いて比較的低温で成長するのが適する。
【0019】
第1の窒化ガリウム単結晶層を設けるに際し、リン化硼素単結晶層上に予め、窒化ガリウムの薄膜層を「種」(seed)結晶層として設ければ、第1の窒化ガリウム単結晶層の堆積を促進するに効果が奏される。この「種」結晶層は、第1の窒化ガリウム単結晶層の堆積にあたり、成長核を提供する作用を有する。従って、リン化硼素単結晶層の表面の全面で均一な第1の窒化ガリウム単結晶層の成長を促進させるには、窒化ガリウム薄膜層は、リン化硼素単結晶層の表面の全面を均等に被覆できる厚さである必要がある。窒化ガリウム薄膜層は具体的には、1nm以上とするのが望ましい。更には、5nm以上の層厚とするのが好適である。窒化ガリウム薄膜層は、リン化硼素単結晶層と第1の窒化ガリウム単結晶層との間で熱膨張率の差異に因り発生する熱応力を緩和するに有効となる非晶質層から構成するのが最適である。非晶質の窒化ガリウム薄膜層は、例えば、トリエチルガリウム((CGa)/アンモニア(NH)/水素(H)反応系常圧(略大気圧)或いは減圧MOCVD法に依り、250℃〜750℃の範囲の温度で形成できる。特に、750℃を超える高温で成長させた層厚を50nmを超える窒化ガリウム薄膜層は、多結晶層となり、熱応力を充分に緩和できないことから好ましく利用できない。1nm以上50nm以下の好適な層厚の非晶質層からなる窒化ガリウム薄膜層は、リン化硼素単結晶層から第1の窒化ガリウム単結晶層が剥離するのを防止するにも有効に作用する。窒化ガリウム薄膜層の層厚は、成長領域へのガリウム源の供給時間を調整して制御でき、その膜厚は例えば、透過電子顕微鏡(TEM)に依る断面TEM技法等で実測できる。また、非晶質層であれば、電子線回折像はハロー(halo)なものとなる。
【0020】
第1の窒化ガリウム単結晶層及び第2の窒化ガリウム単結晶層の合計の層厚は、直径50mmの珪素単結晶基板を用いた場合は、約80μm以上で約450μm以下とするのが望ましい。また、直径100mmの珪素単結晶基板を用いた場合では、約300μm以上で約700μm以下とするのが望ましい。この様な合計の層厚の窒化ガリウム単結晶層は、本発明では複数回に分割して堆積する。例えば、2回の堆積を反復して、所望の層厚の窒化ガリウム単結晶層を得ることとする。例えば、リン化硼素単結晶層上への、層厚を80μmとする第1の窒化ガリウム単結晶層の堆積を終了した時点で、一旦、堆積を停止する。然る後、気相成長装置より取り出し、この時点で珪素単結晶基板と非晶質層とリン化硼素単結晶層を除去して、第1の窒化ガリウム単結晶層を分離し、残存させる。次に、残存させた第1の窒化ガリウム単結晶層を気相成長装置の内部に再び載置して、層厚が例えば、約120μmの第2の窒化ガリウム単結晶層を第1の窒化ガリウム単結晶層上に堆積させる。これより、2回の気相成長をもって層厚を200μmとする厚膜の窒化ガリウム単結晶層を製造する。
【0021】
上記に例示した如く、第1の窒化ガリウム単結晶層上に反復して窒化ガリウム単結晶層を堆積させて所望の層厚の窒化ガリウム単結晶層を得るにあって、リン化硼素単結晶層上に接合させて設ける第1の窒化ガリウム単結晶層の層厚は、窒化ガリウムと珪素単結晶基板との熱膨張率との差異に因り、珪素単結晶基板に然したる「反り」を発生させない層厚未満に留めておく。例えば、直径50mmの珪素単結晶基板については、第1の窒化ガリウム単結晶層の層厚は、望ましくは約30μmを超え、約100μm未満とする。珪素単結晶基板、非晶質層およびリン化硼素単結晶層を除去した後に機械的強度を維持するためには、第1の窒化ガリウム単結晶層は約30μmを超える層厚とする必要がある。更には、約50μm〜約80μm程度とするのが好適である。
【0022】
第1の窒化ガリウム単結晶層の堆積を終了した時点で珪素単結晶基板、非晶質層およびリン化硼素単結晶層を除去してしまえば、以後の窒化ガリウム単結晶層の堆積時に於ける「反り」を抑制するに効果的である。珪素単結晶基板は例えば、フッ化水素酸(HF)と硝酸(HNO)との混合液を用いる湿式エッチング法に依り好適に除去できる。フッ化水素酸(HF)−硝酸(HNO)混合液に依る珪素単結晶の概略のエッチング速度は公知例より知れる。また、ドライ(dry)エッチング手段等に依り除去できる。例えば、三塩化硼素(BCl)などのハロゲン化物を使用するプラズマ(plasma)エッチング手段に依り除去できる。または、ダイヤモンド(diamond)、炭化珪素(SiC)、窒化硼素(BN)或いは酸化物からなる高硬度の砥粒を使用して機械的な研磨に依り研削して除去できる。硼素とリンとを含む非晶質及びリン化硼素単結晶層は化学的な安定性が高いため、化学薬品に依る湿式エッチング手段よりも、プラズマエッチング手段や研削手段を利用して除去する手段が便宜である。
【0023】
残存させた第1の窒化ガリウム単結晶層を新たに基板として、第2の窒化ガリウム単結晶層を堆積する手段に依れば、同種(homo)接合の関係に基づき、熱膨張率の差異に因る顕著な「反り」も無く、窒化ガリウムの厚膜結晶を得ることができる。残存させた第1の窒化ガリウム単結晶層上に設ける第2の窒化ガリウム単結晶層の場合、熱膨張率を相違する珪素単結晶基板上に設ける第1の窒化ガリウム単結晶層の場合とは相違し、層厚の制限は加わらない。従って、第2の窒化ガリウム単結晶層の層厚を、第1の窒化ガリウム単結晶層以上として堆積することとすれば、省力的に所望の層厚の厚膜の窒化ガリウム単結晶基板を得るに有効となる。第1の窒化ガリウム単結晶層上に、第2の窒化ガリウム単結晶層を堆積成長させるにあって、第1の窒化ガリウム単結晶層の結晶性は、その上層の第2の窒化ガリウム単結晶層等の結晶性に当然の事ながら影響を与える。転位密度等の結晶欠陥の少ない第1の窒化ガリウム単結晶層は、結晶性に優れる厚膜の窒化ガリウム単結晶基板を得るに貢献できる。転位密度の少ない良質の第1の窒化ガリウム単結晶層を得るには、本発明に係わる硼素とリンとを含む非晶質層とリン化硼素単結晶層とを下地とするのが得策となる。
【0024】
第1の窒化ガリウム単結晶層上に、第2の窒化ガリウム単結晶層を接合させるに際し、第2の窒化ガリウム単結晶層は、通常、リン化硼素単結晶層が接合していたのとは反対側の表面、即ち、第1の窒化ガリウム単結晶層の表面上に設けることとする。リン化硼素単結晶層との接合界面の近傍の領域よりも、第1の窒化ガリウム単結晶層の成長表面側での結晶欠陥密度は低濃度となっており、結晶欠陥密度の小さな第2の窒化ガリウム単結晶層を得るに優位となるからである。第2の窒化ガリウム単結晶層をハイドライドVPE法に依り成長させる際の温度は、第1の窒化ガリウム単結晶層の成長温度と略同一とするのが望ましい。具体的には、800℃〜1150℃の温度とするのが望ましい。約800℃未満の低温では、例え、易分解性の窒素源を利用しても、第2の窒化ガリウム単結晶層は多結晶となり易く、単結晶層を得るに難を来す。また、第2の窒化ガリウム単結晶層を1150℃を超える高温で成長させると、ドナー(donor)として作用する窒素の空孔(vacancy)が顕著に発生することとなり、第1の窒化ガリウム単結晶層と同程度のドナー濃度の第2の窒化ガリウム単結晶層を得るのが困難となる。第2の窒化ガリウム単結晶層は、800℃〜1150℃の温度範囲に於いて、第1の窒化ガリウム単結晶層の成長温度に対し大凡、±25℃以内の成長温度で成長するのが望ましい。
【0025】
また、第1の窒化ガリウム単結晶層と第2の窒化ガリウム単結晶層の伝導形は一致させるのが好ましい。第1の窒化ガリウム単結晶層と第2の窒化ガリウム単結晶層とで、不純物種は相違しても構わないが、各単結晶層間でキャリア濃度や抵抗率は略同一とするのが望ましい。結果として、厚膜方向にキャリア濃度を略均一とする厚膜の窒化ガリウム単結晶基板を得るためである。所望する導電率或いは抵抗率の窒化ガリウム単結晶層を得るのは、成長時に導電性を付与する不純物を堆積環境へ添加(doping)する手段に依る。例えば、調整された量の両性(amphoteric)不純物である珪素(Si)を堆積環境に添加すればn形またはp形の伝導性の窒化ガリウム単結晶層を成長できる。窒化ガリウム単結晶層のキャリア濃度や抵抗率等は、一般的なホール(Hall)効果測定法や電解C−V(容量−電圧)法等に依り測定できる。
【0026】
上記のようにして、第1の窒化ガリウム単結晶層と第2の窒化ガリウム単結晶層とからなる本発明に係る窒化ガリウム単結晶基板を製造することができる。この窒化ガリウム単結晶基板を利用すれば、電気的特性に優れる化合物半導体素子を形成できる。例えば、導電性の厚膜の窒化ガリウム単結晶基板の裏面に一方の極性のオーミック(Ohmic)電極を設け、表面上の、発光部を備えた積層構造体の構成層上に他方の極性のオーミック電極を配置してLED或いはLDを構成できる。また、高抵抗である厚膜の窒化ガリウム単結晶基板を利用して、当該基板表面上に堆積された窒化ガリウム・インジウム混晶層(GaIn1−XN:0≦X≦1)を電子走行層とする電界効果型トランジスタ(FET)を形成できる。珪素単結晶基板上に硼素とリンとを含む非晶質層とリン化硼素単結晶層とを介在させて設けた窒化ガリウム単結晶層は、転位密度が小さい等の結晶性に優れている。このため、本発明に記載の方法に依り形成した厚膜の窒化ガリウム単結晶層からなる窒化ガリウム単結晶基板は、局所的な耐圧不良の少ないLED等の発光素子、或いは暗電流(dark current)が低減されたアバランシェ(avalanche)型またはPIN接合型受光素子を形成するに貢献できる。また、ショットキー(Schottky)型ゲート(gate)電極の漏洩(leak)電流を抑制するに効果を挙げられ、ゲートピンチオフ(gate pinch−off)特性に優れ、高い相互コンダクタンス(所謂、g)のショットキー接合型FETを形成するに有利となる。
【0027】
【作用】
珪素単結晶基板と窒化ガリウム単結晶層との中間に設ける、硼素とリンとを含む非晶質層は、上層のリン化硼素単結晶層と珪素単結晶基板との格子ミスマッチを緩和して、ミスフィット転位等の結晶欠陥の少ないリン化硼素単結晶層をもたらす作用を有する。結晶性に優れるリン化硼素単結晶層は、窒化ガリウム単結晶との良好なマッチング性から、しいては、転位等の結晶欠陥の少ない第1の窒化ガリウム単結晶層及び第2の窒化ガリウム単結晶層をもたらす作用を発揮する。
【0028】
リン化硼素単結晶層上に設ける窒化ガリウム薄膜層は、上層として第1の窒化ガリウム単結晶層を堆積するに際し、第1の窒化ガリウム単結晶層の堆積を促進する成長核を提供する種結晶層として作用すると共に、熱膨張率の相違に因る熱応力を緩和して、リン化硼素単結晶層からの第1の窒化ガリウム単結晶層の剥離を防止する作用を有する。
【0029】
【実施例】
(第1実施例)
珪素単結晶基板上に、単量体のリン化硼素単結晶層を介して成長させた第1の窒化ガリウム単結晶層及び第2の窒化ガリウム単結晶層を利用して、窒化ガリウム単結晶基板を製造する場合を例にして、本発明の内容を具体的に説明する。
【0030】
図1に、本第1実施例に係る窒化ガリウム単結晶基板を得るために形成した積層体10の断面模式図を示す。珪素単結晶基板101には、硼素(B)を添加したp形の(111)面を有する直径2インチの珪素単結晶を用いた。この珪素単結晶の室温での比抵抗(抵抗率)は約1×10−3オーム・センチメートル(Ω・cm)であった。また、表面が鏡面(mirror)に研磨され、裏面が粗研磨状態(as−lapping)の珪素単結晶基板101の厚さは約350μmであった。
【0031】
珪素単結晶基板101の表面上には、常圧(略大気圧)有機金属気相成長(MOCVD)手段を利用して、硼素(B)とリン(P)とを含む非晶質層102を堆積した。非晶質層102は、トリエチル硼素((CB)を硼素源とし、また、ホスフィン(PH)をリン源として、450℃で堆積した。硼素源に対するリン源のMOCVD反応系への単位時間に於ける供給比率(PH/(CB濃度比率;V/III比率)は、約30に設定した。非晶質層102の層厚は約10nmとした。非晶質層102上には、上記と同一のMOCVD手段に依り、リン化硼素(BP)単結晶層103を堆積させた。リン化硼素単結晶層103は、トリエチル硼素((CB)を硼素源とし、また、ホスフィン(PH)をリン源として、1025℃で堆積した。硼素源に対するリン源の供給比率(V/III比率)は、約1260に設定した。キャリアガスとして用いた水素ガスの流量は16リットル/分とした。リン化硼素単結晶層103の層厚は約500nmとした。不純物を故意に添加しない、所謂、アンドープ状態で形成したリン化硼素単結晶層103はp形の伝導を呈した。そのキャリア濃度は室温で約2×1019cm−3であった。
【0032】
リン化硼素単結晶層103上には、MOCVD手段に依り、窒化ガリウム(GaN))薄膜層104を堆積させた。窒化ガリウム薄膜層104は、トリメチルガリウム((CHGa)をガリウム源とし、また、アンモニア(NH)を窒素源として、350℃で堆積した。ガリウム源に対する窒素源の供給比率(V/III比率)は、約300に設定した。キャリアガスとして用いた水素ガスの流量は16リットル/分とした。後のハイドライドVPE手段に依り、厚膜の窒化ガリウム単結晶層を堆積する際の種(seed)結晶とするための窒化ガリウム薄膜層104の層厚は20nmとした。
【0033】
窒化ガリウム薄膜層104上には、ガリウム(Ga)/アンモニア(NH)/水素(H)反応系ハイドライドVPE手段により、第1の窒化ガリウム(GaN)単結晶層105を堆積した。第1の窒化ガリウム単結晶層105は、1050℃で堆積した。第1の窒化ガリウム単結晶層105の層厚が約50μmに到達した時点で、第1の窒化ガリウム単結晶層105の堆積を終了させた。約550℃の温度迄、アンモニアを堆積環境内に流通しつつ、第1の窒化ガリウム単結晶層105の温度を降下させた。さらにアンモニアの流通を停止し室温近傍の温度まで冷却した後、基板をハイドライドVPE装置より外部へ取り出した。
【0034】
電子線回折法に依る解析から、リン化硼素単結晶層103は、閃亜鉛鉱型のリン化硼素結晶の{111}結晶面から構成されているのが示された。また、断面TEM技法に依る観察では、リン化硼素単結晶層103の内部には、珪素単結晶基板101とリン化硼素単結晶層103との格子不整合に起因するミスフィット転位は殆ど視認され無かった。一方で、リン化硼素の(111)結晶方位に沿った積層欠陥(stacking faults)または(111)結晶面を双晶面とする双晶(twinning)の存在が認められた。この事より、積層欠陥のミスフィット転位の吸収作用に依り、ミスフィット転位が視認されないと想到された。また、第1の窒化ガリウム単結晶層105は、リン化硼素単結晶層103の{111}表面に直角に交差する{110}結晶面の格子間隔と略同等の格子定数を有する{0001}結晶面から構成されるものとなっていた。また、リン化硼素単結晶層103表面の略全面を被覆する様に設けた窒化ガリウム薄膜層104を介して第1の窒化ガリウム単結晶層105を堆積させたため、窒化ガリウム薄膜層104と第1の窒化ガリウム単結晶層105の接合界面には空洞(void)の発生は認められず、また、第1の窒化ガリウム層105のリン化硼素単結晶層103からの剥離も生じていなかった。
【0035】
その後、窒化ガリウム単結晶層105とは格子定数及び熱膨張率を異にする珪素単結晶基板101を、フッ化水素酸(HF)と硝酸(HNO)との混合液でエッチングして除去した。超純水により洗浄した後、さらにダイアモンド(diamond)砥粒を用いて、非晶質層102とリン化硼素単結晶層103とを研削し、除去した。これより、窒化ガリウム薄膜層104及び第1の窒化ガリウム単結晶層105を残存させた。
【0036】
残存させた窒化ガリウム薄膜層104及び第1の窒化ガリウム単結晶層105からなる接合体を、ハイドライドVPE装置の内部に再び載置して、第1の窒化ガリウム単結晶層105上に、第2の窒化ガリウム単結晶層106を堆積した。第2の窒化ガリウム単結晶層106は、第1の窒化ガリウム単結晶層105と同じく1050℃で堆積した。第2の窒化ガリウム単結晶層106も、第1の窒化ガリウム単結晶層105と同じく亀裂の無い連続した{0001}面を有する単結晶層となった。第2の窒化ガリウム単結晶層106の層厚は、約200μmとした。従って、第1の窒化ガリウム単結晶層105および第2の窒化ガリウム単結晶層106の合計の層厚は約250μmとなった。第2の窒化ガリウム単結晶層106の堆積を終了した後、アンモニア(NH)ガスをハイドライドVPE反応系に通流しつつ、第1の窒化ガリウム単結晶層105及び第2の窒化ガリウム単結晶層106からなる窒化ガリウム単結晶基板を、約550℃の温度まで降温した。その後、アンモニアの通流を停止し室温近傍の温度に徐冷した後、窒化ガリウム単結晶基板をハイドライドVPE装置より外部へ取り出した。第1の窒化ガリウム単結晶層105及び第2の窒化ガリウム単結晶層106の何れにも亀裂(crack)は認められかった。
【0037】
次に、第1の窒化ガリウム単結晶層105の裏面(窒化ガリウム薄膜層104が接合していた側の面)をダイヤモンド(diamond)砥粒を使用して機械的に研磨した。一方の第2の窒化ガリウム単結晶層106の表面は、ダイヤモンド砥粒及び酸化セリウムの細粒で鏡面に研磨した。研磨により、第2の窒化ガリウム単結晶層106の表層部の深さ約5nmの領域が研削され除去された。その後、フッ化水素酸と硝酸との混合液を用いて、研磨した第1の窒化ガリウム単結晶層105及び第2の窒化ガリウム単結晶層106の表面をフッ化水素酸及び硝酸の混酸で化学的に処理を施した。
【0038】
厚膜の第1の窒化ガリウム単結晶層105及び第2の窒化ガリウム単結晶層106が接合してなる窒化ガリウム単結晶基板の転位密度は、約2×10cm−2と従来に無く低密度であった。また、「反り」はワープ(warp)にして8.6×10−4cmと少なかった。一般のホール(Hall)効果測定法で判別される伝導形はn形で、キャリア濃度は約7×1017cm−3であった。これより、本発明に依れば、低転位密度の窒化ガリウム単結晶基板が製造できるのが示された。
【0039】
(第2実施例)
本発明により製造した窒化ガリウム単結晶基板を用いて窒化ガリウム系発光ダイオード(LED)を製造した例を用いて、本発明の内容を具体的に説明する。
【0040】
図2に本第2実施例に係わるLED12の断面構造を模式的に示す。基板107には、上記の第1実施例で得られたものと同じn形の窒化ガリウム単結晶基板を使用した。窒化ガリウム単結晶基板107上には、次の(1)〜(4)に記載の材料からなる各機能層を順次MOCVD法で気相成長させて、LED用途の積層構造体11を形成した。
(1)珪素(Si)ドープのn形窒化ガリウム層からなる下部クラッド層108
(2)Siドープのn形窒化ガリウム・インジウム(Ga0.85In0.15N)層からなる発光層109
(3)アンドープでn形の単量体リン化硼素層からなる蒸発防止層110
(4)マグネシウム(Mg)ドープp形窒化ガリウム層からなる上部クラッド層111。
下部クラッド層108をなすn形GaN層のキャリア濃度は約3×1018cm−3で、層厚は400nmとした。発光層109はキャリア濃度が約6×1017cm−3で層厚が約120nmのGa0.80In0.20N層から構成した。蒸発防止層110はキャリア濃度が約1×1019cm−3で層厚が約15nmのBP層とした。また、上部クラッド層111をなすp形GaN層は、キャリア濃度が約5×1017cm−3で層厚が110nmとした。
【0041】
積層構造体11の最表層の上部クラッド層111の中央部に、台座(pad)電極として直径を約1.3×10−2cmとするp形オーミック電極112を配置した。p形オーミック電極112は、上部クラッド層111に接触する側を酸化ニッケルとしたNiO/金(Au)からなる2層重層構造から構成した。また、n形の窒化ガリウム単結晶基板107の裏面の略全面には、n形オーミック電極113を形成した。n形オーミック電極113は、基板107に接する側をアルミニウム(Al)としたAl/チタン(Ti)/金(Au)の3層構造から構成した。次に積層構造体11を、一辺を約3.0×10−2cmとする正方形のチップに裁断し、図2に示すような、窒化ガリウム単結晶基板上にIII族窒化物半導体からなる発光層を含む機能層が形成され、機能層の表面と窒化ガリウム結晶基板の裏面にそれぞれオーミック電極が形成されているLED12を形成した。
【0042】
p形オーミック電極112とn形オーミック電極113と間に順方向に20ミリアンペア(mA)の順方向電流を通流し、LED12を発光させた。得られた発光特性を以下に纏める。
(a)発光波長:約430nm
(b)発光スペクトル半値幅(FWHM): 約0.3eV
(c)発光強度(チップ状態):約1.4×10−2ワット(W)
(d)順方向電圧(順方向電流20mA時):約3.6ボルト(V)
(e)逆方向電圧(逆方向電流10μA時):約14V
特に、約2×10cm−2と転位密度の低い厚膜のGaN単結晶基板を利用したために、局所的な耐圧不良(local breakdown)は殆ど無く、安定して良好な整流性が発揮され、順方向及び逆方向電圧共々、均一なLEDが提供された。
【0043】
【発明の効果】
本発明に依れば、珪素単結晶基板上に、硼素とリンとを含む非晶質層およびリン化硼素単結晶層を介して第1の窒化ガリウム単結晶層を堆積した時点で、窒化ガリウム結晶とは格子定数及び熱膨張率とを異にする珪素単結晶基板を除去して、改めて第1の窒化ガリウム単結晶層上に第2の窒化ガリウム単結晶層を堆積するため、珪素単結晶と窒化ガリウム結晶との熱膨張率の差異に因って生ずる「反り」を回避することができるので、第1の窒化ガリウム単結晶層上にそれよりも厚膜の第2の窒化ガリウム単結晶層を問題無く堆積でき、亀裂も無い低転位密度の窒化ガリウム単結晶基板を製造することができる。
【0044】
特に本発明では、リン化硼素単結晶層上に窒化ガリウム薄膜層を介在させて、第1の窒化ガリウム単結晶層を堆積することとしたので、窒化ガリウム薄膜層の「種」結晶層としての作用に因り、空洞が無く、連続性のある第1の窒化ガリウム単結晶層を形成するに効果を挙げられ、しいては「反り」の少ない、低転位密度の第2の窒化ガリウム単結晶層をもたらすに貢献できる。
【0045】
また、本発明の低転位密度の窒化ガリウム単結晶基板を利用すれば、耐圧不良の少ない安定した整流性を呈するLED等の窒化ガリウム系半導体素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る積層体の断面模式図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るLEDの断面模式図である。
【符号の説明】
10 積層体
11 積層構造体
12 LED
101 珪素単結晶基板
102 非晶質層
103 リン化硼素単結晶層
104 窒化ガリウム薄膜層
105 第1の窒化ガリウム単結晶層
106 第2の窒化ガリウム単結晶層
107 窒化ガリウム単結晶基板
108 下部クラッド層
109 発光層
110 蒸発防止層
111 上部クラッド層
112 p形オーミック電極
113 n形オーミック電極

Claims (12)

  1. 珪素(Si)単結晶基板の表面に、250℃以上1200℃以下の基板温度で硼素(B)とリン(P)とを含む非晶質層を形成し、次に、非晶質層上に750℃以上1200℃以下の基板温度でリン化硼素(BP)単結晶層を形成し、次に、リン化硼素単結晶層上に、第1の窒化ガリウム(GaN)単結晶層を成長させ、その後、上記の珪素単結晶基板、非晶質層およびリン化硼素単結晶層を除去して、第1の窒化ガリウム単結晶層を分離し、その後、第1の窒化ガリウム単結晶層の表面上に、第2の窒化ガリウム単結晶層を積層させることを特徴とする窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  2. リン化硼素単結晶層上に、非晶質からなる窒化ガリウム薄膜層を形成し、該窒化ガリウム薄膜層上に第1の窒化ガリウム単結晶層を堆積させることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  3. 窒化ガリウム薄膜層の層厚が、1nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  4. 窒化ガリウム薄膜層を、有機金属化学的気相堆積(MOCVD)法により250℃〜750℃の範囲の温度で形成することを特徴とする請求項2または3に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  5. 基板に{111}結晶面を表面とする珪素単結晶基板を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  6. 硼素とリンとを含む非晶質層の厚さを1nm以上50nm以下とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  7. 硼素とリンとを含む非晶質層とリン化硼素単結晶層とを、ともにMOCVD法で成長することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  8. 第1の窒化ガリウム単結晶層および第2の窒化ガリウム単結晶層を、ともにハイドライド気相成長法により800℃以上1150℃以下の温度で成長させることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  9. 第1の窒化ガリウム単結晶層上に、第1の窒化ガリウム単結晶層の層厚以上の第2の窒化ガリウム単結晶層を堆積することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶基板の製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法に依り製造された窒化ガリウム単結晶基板。
  11. 請求項10に記載の窒化ガリウム単結晶基板を備えていることを特徴とする窒化ガリウム系半導体素子。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法に依り製造された窒化ガリウム単結晶基板上に、III族窒化物半導体からなる発光層を含む機能層が形成され、機能層の表面と窒化ガリウム単結晶基板の裏面にそれぞれオーミック電極が形成されていることを特徴とする発光ダイオード。
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