JP4524630B2 - Hemt用エピタキシャルウェハの製造方法 - Google Patents

Hemt用エピタキシャルウェハの製造方法 Download PDF

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本発明は、エピタキシャルウェハ及びその製造方法に係り、特に、Si基板上に良質なIII−V族窒化物半導体薄膜結晶を成長し、従来品よりも特性に優れた窒化物半導体デバイス用エピタキシャルウェハの供給を実現する技術に関するものである。
GaN、AlN、InN、及びこれらの混晶を最適な構造で積層成長させたIII−V族窒化物結晶エピタキシャルウェハは、すでに青色発光ダイオード(LED)用エピタキシャルウェハとして市場に出回っており、さらには青色レーザダイオード(LD)用エピタキシャルウェハや紫外LED用エピタキシャルウェハなども開発されつつある。しかし、高出力トランジスタの需要に伴い、光デバイスだけでなく電子デバイスとしても期待されるようになってきている。そのため近年、GaN−HEMTの開発が各研究機関で盛んに行われている。
これら光・電子デバイス用エピタキシャルウェハの基板として、実用レベルにあり市場に流通している基板は、サファイア基板とSiC基板だけである。
しかし、最近はSi基板上へのIII−V族窒化物半導体薄膜の結晶成長の研究が盛んになりつつある。それは、Si基板が、サファイア基板やSiC基板と比べて低価格なため、エピタキシャルウェハのさらなる低コスト化が可能であるためである。さらには大口径化が容易、且つ既存のSiデバイス用プロセスラインの適用が可能なため、デバイスの低コスト化も望める。
しかし、Si基板上に良質なIII−V族窒化物半導体薄膜を成長することは困難である。その主な原因として、
(i) 基板との格子定数差による薄膜結晶の表面状態の劣化、および転位の増大、
(ii) 熱膨張係数差によるウェハの反りおよびクラックの発生、
の2つが挙げられる。
成長条件を選び、数μm程度の厚さを成長することによって、上記(i) の問題の解決は可能である。しかし膜厚が厚くなることによって上記(ii) の問題が顕著になる。また上記(ii) の問題は基板が大口径化するほど深刻になる。
この問題を解決するために、以前より様々な歪み緩和バッファー層構造が提案されており、金属Ti、ZnO、表面炭化によるSiCなどのヘテロバッファーの報告もなされている。
しかし、既に述べたように、基板としてSi基板を用いるのは、既存製品よりもさらなる低コスト化を実現するためであり、バッファー層形成→窒化物薄膜成長と一つの装置内で一括して行いたい。そのため通常は、AlNもしくはAlを含んだ窒化物結晶を第一のバッファー層としてSi基板上に成長した後、III−V族結晶にて必要とするバッファー層構造を成長する方法がとられている。
例えば、シリコンから成る基板の上にAlNから成る第1の層とGaNから成る第2の層とを交互に複数積層した構造のバッファー層を設け、その上にHEMT素子用の窒化ガリウム系半導体領域を形成する構造が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1は、サファイア基板のときの低温バッファー層に比較して高温でバッファー層を結晶成長させることにより平坦性を良くする、という考えの下に、AlNから成る第1の層とGaNから成る第2の層をそれぞれ1120℃にて成長させる。
特開2003−59948号公報(段落番号0010、0023)
ところで、一般に提案されている歪み緩和バッファー層構造のほとんどは、LED用のエピタキシャル層を成長することを主な目的にしている。そのため2インチ基板の上に、III−V族結晶薄膜を数μmオーダー成長して、歪み緩和を実現している。しかし、その歪み緩和も完全ではないため、基板が2インチ以上に大口径化していくにつれ、反りやクラックの問題は周辺部で顕著になっていく。
これに対し、HEMT用エピタキシャル層の成長の場合は、数μmもの厚さは必要とせず、チャネル層となるGaNの上にキャリア供給層が数十nm存在するだけで十分である。バッファー層上に理想的なGaN層が成長できるなら、チャネル層として数十nm程度成長するだけでよく、歪み緩和を考える必要がないレベルまでIII−V族結晶薄膜の膜厚を薄くすることができる。
しかしながら、前述したように、基板と薄膜の格子定数差および基板の無極性により、1μm以下の膜厚で理想なGaN層を成長することは非常に困難である。それはSi基板上のAlNは粒状の塊が集まったように成長されるためである。AlNは粒塊の状態から成長が開始され、成長が進んでも平坦な膜とはならず、逆に粒の一つ一つが拡大するように表面ラフネスが拡大する。そのため、このバッファー層の上にGaN層を成長しても、1μm以下の膜厚では、表面平坦性、配向性、転位密度の向上は望めない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、AlN単層バッファーを介したSi基板上のGaN薄膜結晶が、1μm以下の膜厚において、表面平坦、高配向性、低転位密度を実現することのできる構造のエピタキシャルウェハ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
第1の発明に係るエピタキシャルウェハは、シリコン基板上に、膜厚1μm以下の平坦
な窒化アルミニウム層から成るバッファー層を有することを特徴とする。
第2の発明に係るエピタキシャルウェハは、シリコン基板上に、平坦な窒化アルミニウム層から成るバッファー層を有し、該バッファー層上に、これに隣設して配置した膜厚1μm以下の平坦な窒化物系化合物半導体層を含んでいる半導体素子用半導体領域を備えることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明のエピタキシャルウェハにおいて、上記半導体素子用半導体領域が、少なくとも電界効果トランジスタ用のチャネル層、電子供給層を有することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明のエピタキシャルウェハにおいて、上記チャネル層がGaN又はInGaNからなり、上記電子供給層がAlGaNからなることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明のエピタキシャルウェハにおいて、上記チャネル層よりも上記電子供給層の方が電子親和力が小さいことを特徴とする。
第6の発明に係るエピタキシャルウェハの製造方法は、気相成長法を用いて、シリコン基板上にバッファー層としての窒化アルミニウム層を形成した後、該バッファー層上に少なくとも1つの窒化物系化合物半導体層を含んでいる半導体素子用半導体領域を形成する
エピタキシャルウェハの製造方法において、上記気相成長法によりシリコン基板上にバッファー層としての窒化アルミニウム層を形成する際の成長温度を1150℃〜1200℃の温度範囲、好ましくはほぼ1200℃の温度とすることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明のエピタキシャルウェハの製造方法において、上記バッファー層としての窒化アルミニウム層を、膜厚1μm以下で平坦な膜として形成することを特徴とする。
第8の発明は、第6又は第7の発明のエピタキシャルウェハの製造方法において、気相成長法により上記バッファー層としての窒化アルミニウム層を成長する際に用いる原料ガスのV族原料とIII族原料の供給量比であるV/III比を、50以上500以下の範囲、好ましくは230程度に設定することを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明のエピタキシャルウェハの製造方法において、上記V/III
比を、上記バッファー層としての窒化アルミニウム層を成長する際の成膜速度が0.2nm/sec以下になるように設定することを特徴とする。
第10の発明は、第6〜第9の発明のエピタキシャルウェハの製造方法において、気相成長法により上記バッファー層としての窒化アルミニウム層を形成する際の成長圧力を200Torr(約267hPa)以下にすることを特徴とする。
第11の発明は、第6〜第10の発明のエピタキシャルウェハの製造方法において、気相成長法により上記バッファー層としての窒化アルミニウム層を成長した後に、炉内をその後に成長する窒化物系化合物半導体層の成長に適した温度条件に設定した後(例えばチャネル層成長に最適な温度まで下げた後)、その後に目的とする窒化物系化合物半導体層を成長することを特徴とする。
第12の発明は、第11の発明のエピタキシャルウェハの製造方法において、上記その後に成長する窒化物系化合物半導体層が電界効果トランジスタのチャネル層であることを特徴とする。
<発明の要点>
本発明の要点は、Si基板上に、バッファー層としてAlN層を、GaN成長で一般に用いられる条件よりも、より高温、且つ低V/III比で成長することである。
Si基板上((0001)面のSi面上)のAlNの成長においては、供給されたIII
族原料は表面到達前に分解しきって、結晶表面上ではIII族原子単体(この場合はAl原
子)で拡散し、この原子が雰囲気中の窒素ラジカルと反応すると、任意の場所にAlN結晶核として定着する。このように基板面内にランダムにAlNの核が形成された後、その核が横方向に成長して拡大し、隣り合った核同士が融合を繰り返していく。このような2次元状成長を行いながら、最終的には全ての島が融合仕切って、AlN結晶は平坦な膜となる(図4を参照)。
しかし、Si基板上の場合は、基板とAlNの格子定数差が大き過ぎて島の横方向成長が促進されず、成長初期時には島が全体的に拡大する3次元状成長となる。
基板表面が平坦な膜状のAlNで覆われているならば、ホモエピタキシーと同じ状況になり、その上に成長されるAlNは平坦な膜となる。しかし、無数のAlN粒に覆われた基板上に成長すると、原子の表面拡散は粒同士をまたいで行われることは困難になり、結果的には一つの粒がどんどん拡大していくように成長が進むようになる。
しかしこの段階でも、原子の拡散が粒同士をまたいで行われるぐらい表面拡散長を伸ばせば、3次元状成長から2次元状成長に変えることができ、最終的にはAlN表面を平坦な膜状にすることが可能となる。この表面拡散長を伸ばすには、成長温度の高温化および低V族濃度化が有効である。
拡散とは表面上の原子のランダムウォークの結果として生まれる平均的な原子の流れのため、平均的な拡散長は温度に大きく依存する。またこの原子が分解した窒素ラジカルと反応すると、拡散の途中で任意の場所に定着してしまう。供給するV族濃度を減らすことによりIII族とV族の反応確率を減らし、III族原子の表面拡散を促進することが可能となる。
そこで、本発明においては、上記AlN層(AlNバッファー層)の成長温度を、これに隣接するチャネル層などの成長温度よりも高くすると共に、上記AlNバッファー層の成長時のV族原料とIII族原料の供給量比であるV/III比を、AlN反応種の吸着と離脱の速度が等しくなる程度に低くする。
この特徴によれば、AlNバッファー層の成長温度を上げて、隣接する上記チャネル層の成長温度(ほぼ1100℃)よりも高くすることで、AlN反応種の離脱が容易になる。またAlNバッファー層の成長時のV/III比を下げて成膜速度を遅くし、V/III比をAlN反応種の吸着と離脱の速度が等しくなる低い値とすることで、AlN反応種が表面を動きやすい平衡状態に近い状況が作り出される。このため、Si基板直上での横方向成長(二次元核成長)が促進されるだけでなく、AlN結晶が膜化した後のピット埋め込みが促進される。よって、欠陥の少ないAlNバッファー層の成長が実現される。
具体的には、気相成長法によりシリコン基板上にバッファー層としての窒化アルミニウム層を形成する際の成長温度を、GaN成長で一般に用いられる温度(1100℃)よりも高温であるところの1150℃〜1200℃の温度範囲、好ましくはほぼ1200℃の温度とする。AlNバッファー層の成長温度を、一般的な成長温度である1100℃よりも高い1100℃超〜1200℃の範囲に設定することで、AlN反応種が活性化される。特に、ほぼ1200℃に設定することで、AlNバッファー層の平坦性が最良となる。
また、気相成長法によりバッファー層としての窒化アルミニウム層を成長する際に用いる原料ガスのV/III比を、50以上500以下の範囲、好ましくは230程度に設定する。AlNバッファー層成長時のV/III比を50以上500以下の範囲にすることで、AlNバッファー層の成膜速度が一般的な成膜速度よりも低く抑えられて、AlN反応種の二次元核成長が促進され、またAlN結晶が膜化した後のピットの埋め込み作用が促進される。これによりAlNバッファー層の良好な平坦性が得られる。特に、V/III比を230程度に設定することで、AlNバッファー層の平坦性が最良となる。
成膜速度の制御は、例えば窒素原料としてアンモニア(V族原料)、アルミニウム原料としてTMA(III族原料)を用い、TMA供給量で成膜速度を制御するか、又はNH3流量を変えて、トリメチルアルミニウム(TMA)とアンモニア(NH3)のアダクト反応を意図的に促進することにより、成膜速度を制御できる。そこで、本発明においては、上記V/III比を、上記AlNバッファー層成長時の成膜速度が0.2nm/sec以下になるように設定する。このAlNバッファー層成長時の成膜速度が0.2nm/sec以下という値は、例えば上記AlNバッファー層成長時のV/III比を50以上500以下の範囲にすることで達成することができる。
なお、特許文献1では、低温バッファー層に比較して高温でAlNバッファー層を結晶成長させることにより平坦性を良くするものであるのに対し、本発明では、AlNバッファー層の成長温度を、その隣の窒化物系化合物半導体層の成長温度より高くして平坦性を高めるものである点で大きく相違する。
本発明によれば、シリコン基板上に膜厚1μm以下の平坦な窒化アルミニウム層を有するエピタキシャルウェハを入手できる。従って、この膜厚1μm以下の平坦な窒化アルミニウム層をバッファー層とし、その上にGaN層などの窒化物系化合物半導体層を1μm以下の膜厚の平坦な膜として配置することができ、特性の優れた窒化物系半導体素子用のエピタキシャルウェハを実現することができる。
すなわち、本発明によれば、大口径Si基板上に、反りやクラックのないGaN−HEMT用エピタキシャルウェハを比較的簡易に実現することができる。このエピタキシャルウェハを用いれば、プロセス技術を大きく変えることなく、従来よりも低コストなGaN−HEMTデバイスの実現が期待できる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図2に示すように、単結晶Si基板1上に、バッファー層として高純度のAlN層2を形成し、その上に、膜厚1μm以下のGaN層(図示せず)を有機金属気相成長法(MOVPE法)にて成長する。このSi基板1上にAlN層2を形成するときのシーケンス を図1に示す。
図1に示すように、基板を加熱して室温からAlN層2の成長温度T1(図1のa点)まで昇温させる。この昇温過程では、水素雰囲気のみとする。この成長温度T1の設定値は、このAlN層2をバッファー層としてその上に成長するGaN層の成長温度(T2、図9参照)である1100℃より高い1150℃〜1200℃の温度範囲とする。
次に、成長温度T11200℃に達し温度が安定化した適当な時点(例えば10分間の空焼き後)(図1のb点)にて、水素雰囲気中にAlNの原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)とアンモニア(NH3)を同時に流して、AlN層2の成長を開始する。これら原料ガスのV/III比は、50以上500以下の範囲、好ましくは230程度に設定する。

その後、AlN層2が所定の厚さ例えば200nmまで成長した時点(図1のc点)で、TMAの供給を停止して、AlN層2の成長を停止すると共に、炉の降温を開始する。そして、NH3の雰囲気下で降温し、所定の温度T3、例えば600℃まで基板の温度が降温した時点(図1のf点)で、NH3の供給を停止する。
上記のように、AlN層2の成長温度T1をGaN層の成長温度T2(1100℃)より高い1150℃〜1200℃の温度範囲とすることで、AlN層2の表面の平坦性が向上する。すなわち、Si基板1上に、膜厚1μm以下の平坦なAlN層2から成るバッファー層が得られる。従って、このAlNバッファー層上に膜厚1μm以下で形成されるGaN等のIII−V族窒化物半導体薄膜も良質なものとなる。
本発明の効果を確認するため、試作例(サンプル)として、図2に示すように、単結晶のSi基板1上に、高純度のAlN層2を形成し、そのAlN層2の特性の変化、およびその上に成長したGaN層の特性の比較を行った。
Si基板は<111>方向にon−Axisの仕様を用いた。また薄膜成長前に表面のRCA洗浄を行い、有機、無機の不純物、および酸化膜の除去を行った。
本発明を適用して図2のサンプルを成長したときのシーケンス(実施例1)を図1に 、また従来法にて図2のサンプルを成長したときのシーケンス(比較例1)を図3に示す。前者は、AlN層の成長を1200℃で行ったエピタキシャルウェハ(本発明適用品)の成長シーケンスであり、後者はAlN層の成長を1100℃で行ったエピタキシャルウェハ(従来成長品)の成長シーケンスである。
測定したサンプルは図2に示すように、Si基板1上にAlN層2を200nm成長した単純な構造である。従来成長品と本発明適用品共に、水素雰囲気中にトリメチルアルミニウム(TMA)とアンモニア(NH3)同時に流してAlN層2を成長した。
このときの炉内圧力は135Torrにて成長を行っている。このときの従来法と実施例(本発明法)の成長条件の違いを、表1に比較して示す。
本実施例の場合、TMAとNH3の流量はそれぞれ2.00×10-5mol/min、4.5×10-3mol/minとし、成長速度0.12nm/secとした。これに対し、従来例の場合、TMAとNH3の流量はそれぞれ1.00×10-4mol/min、4.5×10-2mol/minとし、成長速度0.27nm/secとした。
従来成長と本発明適用AlNのAFM表面観察の比較を図5に、またX線の(002)面回折のロッキングカーブの比較を図6に示す。
AFMの結果より、従来成長品の表面は球状の粒子が寄り集まっている形状であるのに対し、本発明適用品はナノスケールの穴が開いているものの、一つの膜となっていることがわかる。また図6から分かるように、本発明適用品は回折ピークの半値幅も小さい。これより薄膜の配向性は、本発明を適用したことにより圧倒的に向上したことが確認された。
上記の従来成長法と本発明適用法で得られたエピタキシャルウェハ、つまりSi基板1上のAlN層2の上に、GaN層3を0.5μm成長してその特性を比較した。このときのサンプル構造を図7に示す。またそれぞれの成長シーケンスを図8と図9に示す。
AlN層2の成長条件は、図1及び図3で説明したものと同じである(表1参照)。
次に、上記AlN層2上へのGaN層3の成長は、従来法と本発明法と共に、水素雰囲気中にトリメチルガリウム(TMG)とNH3を同時に流して行った。このときのGaN層3の成長温度は1100℃とした。また炉内圧力は135Torr、TMAとNH3の流量はそれぞれ1.00×10-4mol/min、4.5×10-1mol/minとした。
上記GaN層3を成長するに際し、本実施例2の場合は基板温度を1200℃から降温させる(図8のc−d区間)。そして、従来成長の場合も本発明適用の成長の場合も、いずれも成長温度T2である1100℃に達した時点(図8、図9のd点)でGaN層3の成長を開始し、所定の厚さにGaN層3を成長させた時点(図8、図9のe点)で、TMGの供給を停止する。そして、NH3の雰囲気下で温度T3の600℃(図8、図9のf点)まで降温した。
従来成長と本発明適用AlN上のGaN層のAFM表面観察の比較を図10に、またX線の(002)面回折のロッキングカーブの比較を図11に示す。図10のAFM観察の結果より、GaN層の表面欠陥は本発明適用品の方が格段に低減していることがわかる。また、図11のX線の(002)面回折のロッキングカーブの比較から分かるように、本発明適用品のGaN層は回折ピークの半値幅も小さい。これよりGaN層3の薄膜の配向性は、本発明を適用したことにより圧倒的に向上したことが確認された。
上記GaN層3は、これを半導体素子用半導体領域の一部として備えることにより、HEMT用エピタキシャルウェハを構成することができる。この構造のエピタキシャルウェハの製造に際してしては、例えば、上記GaN層3をチャネル層として1100℃の成長温度の下で0.5μm成長させ、続いて、同じ1100℃の成長温度の下で、電子供給層として、un−AlGaN層を3nm、そしてn−AlGaN層を30nm成長することで構築できる。
このエピタキシャルウェハ上に電極を形成し、切り分けることにより電界効果トランジスタ(HEMT)を作製する。
本発明において、AlNバッファー層を成長する時の温度、V/III比、成長速度、成長圧力は、使用する装置により異なるため、試行錯誤をしておさえなくてはならない。
上記実施例では、窒素原料としてアンモニア、アルミニウム原料としてTMAを用いたが、これらより分解温度の低いヒドラジンやトリエチルアルミニウムを用いても同様な効果を得ることができる。また成膜速度はTMA供給量で制御していたが、NH3流量を変えて、TMAとNH3のアダクト反応を意図的に促進することにより、成膜速度を制御することも可能である。
本発明を適用して図2の試作例(サンプル)を成長したときのシーケンスを示す図である。 本発明のSi基板上のAlN層の変化を調べたときのサンプル構造を示す図である。 従来法にて図2の試作例(サンプル)を成長したときのシーケンスを示す図である。 Si基板上のAlN層の表面状態を示した図面代用写真である。 試作例のAlN層表面のAFM観察結果を示したもので、(a)は従来成長品、(b)は本発明適用品の図面代用写真である。 本発明適用品のAlN層(002)面のX線回折ピークを、従来成長品と対比して示した図である。 本発明のSi基板上のGaN層の変化を調べたときのサンプル構造を示す図である。 従来法にて図7の試作例(サンプル)を成長したときのシーケンスを示す図である。 本発明を適用して図7の試作例(サンプル)を成長したときのシーケンスを示す図である。 試作例のGaN層表面のAFM観察結果を示したもので、(a)は従来成長品、(b)は本発明適用品の図面代用写真である。 GaN層(002)面のX線回折ピークを、従来成長品と対比して示した図である。
符号の説明
1 Si基板
2 AlN層
3 GaN層

Claims (1)

  1. 気相成長法を用いて、シリコン基板上にバッファー層としての窒化アルミニウム層を形成した後、該バッファー層上に少なくとも1つの窒化物系化合物半導体層を含んでいる半導体素子用半導体領域を形成するHEMT用エピタキシャルウェハの製造方法において、
    上記シリコン基板は、<111>方向にon−Axis仕様であり、上記シリコン基板の表面を、半導体層の成長前に有機、無機の不純物、および酸化膜の除去のためのRCA洗浄し、
    上記窒化アルミニウム層を単層で形成し、その際、炉内圧力が135Torr、TMAとNH 3 の流量はそれぞれ2.00×10 -5 mol/min、4.5×10 -3 mol/min、水素雰囲気で加熱して室温から窒化アルミニウム層の成長温度1200℃とし、且つ成膜速度を0.12nm/secと設定し、上記窒化アルミニウム層を200nm形成した後、チャネル層となる窒化ガリウム半導体素子用半導体領域を、上記窒化アルミニウム層の成長温度よりも低い1100℃、炉内圧力135Torrで、膜厚0.5μmに形成することを特徴とするHEMT用エピタキシャルウェハの製造方法。
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