JP2005031417A - 光ファイバテープ心線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一次元的な位置合せのみで簡単に一括被覆を行なって光ファイバテープ心線を作製することができ、また心線数が増加しても、様々な構造の光ファイバテープ心線を安定して作製することのできる光ファイバテープ心線の製造方法を提供する。
【解決手段】複数本の光ファイバ心線を一括被覆して光ファイバテープ心線を製造する方法において、複数本の光ファイバ心線を二次元平面上に整列して載置する工程と、二次元平面上に被覆材料を塗布して複数本の光ファイバ心線をも含めて二次元平面を被覆材料で被覆する工程と、被覆された複数本の光ファイバ心線を二次元平面から剥離して、光ファイバ心線上の被覆材料を二次元平面上の被覆材料から分離する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数本の光ファイバ心線を一括被覆して光ファイバテープ心線を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】特許第2839691号公報。
【特許文献2】特開2002−90590号公報。
【特許文献3】特開2002−174759号公報。
【特許文献4】特開2003−35851号公報。
【0004】
従来から、複数本の光ファイバ心線を並列に配置し、これらを被覆して複数本の光ファイバ心線の束を一体化した光ファイバテープ心線が知られている。この光ファイバテープ心線は、多数の光ファイバ心線をまとめて取り扱うことができ、また複数本の光ファイバ心線を一括に接続できるという利点のために、光通信システムの光伝送媒体として幅広く使用されている。また、通信網の増加により、一括被覆する光ファイバ心線の本数も増大している。
【0005】
このような用途に用いられる光ファイバテープ心線の製造は、一般的に図8に示す装置で行なっている。即ち、心線供給装置15より複数の光ファイバ心線1a〜1hを心線整列器16に導き、各光ファイバ心線を平行かつ一列に並べる。次いで、整列した各光ファイバ心線を、被覆材料3が充填されている塗布冶具17内に導き、光ファイバ心線の周囲に被覆材料を一括被覆する。その後、塗布冶具の出口に設けた孔より搬出しながら被覆材料を成形し、更に被覆材料を紫外線照射機等の硬化装置18により硬化し、光ファイバテープ心線を製造している。なお、このような場合に用いられる代表的な塗布冶具17を図9に示す。図9において、塗布治具17は、光ファイバ心線が挿入される孔17aと、被覆材料を充填する被覆材料溜め17bと、光ファイバ心線を搬出し、被覆材料を二次元的に成形する孔17cとで構成されている。
【0006】
また、用途に応じて、様々な構造の光ファイバテープ心線の開発が進められている。例えば、特許文献1、特許文献2等には、より高い強度、あるいはより高い単心分離性を有する光ファイバテープ心線を得るために、複数本の光ファイバ心線を一括被覆して作成した、多心ユニットを、更に別の被覆材料で被覆して一体化した2層構造の光ファイバテープ心線が記載されている。このような構成の光ファイバテープ心線においては、強度や単心分離性を持たせるために、一般的に複数本の光ファイバ心線を被覆する被覆材料と多心ユニットを被覆する被覆材料とをそれぞれ硬さや強度の異なる材料で構成している。同様に、特許文献3には、分離を促進する部分と強度を持たせた部分を設けるために、分割したい位置の光ファイバ心線間の近傍領域に柔らかい材料の第1テープ化層を、これ以外の領域に硬い第2テープ化層を設けた光ファイバテープ心線が記載されている。また、特許文献4には、偏波分散(PMD)特性を改善するために、複数本の光ファイバ心線が、相互に接触することなく一括被覆されたものが記載されている。
【0007】
しかしながら、従来の製造方法においては、成形部である孔(光ファイバ搬出孔)17cにおいて、送り込む光ファイバ心線の線速や被覆層中の光ファイバ心線の位置合わせ等、被覆材料の成形を行なうための微妙なアライメント調整が必要であり、特に、成形部の孔17cの内壁と光ファイバ心線の位置のバランスを取るための二次元的な位置合わせが必要となり、光ファイバテープ心線の製造を開始するまでに微調整のための長時間の作業を要した。また新しく光ファイバ心線を装着したときにも同様に長時間の作業が必要となり、作業効率が悪く、光ファイバ心線及び被覆材料の歩留まりの悪化も引き起こしていた。そして、作製する光ファイバテープ心線の心線数が増加するに従い、塗布冶具内で各々の光ファイバ心線のアライメント調整が益々困難になり、光ファイバテープ心線の製造が不安定になっていた。
【0008】
しかも、上記のような様々な構造の多層からなる光ファイバテープ心線を作製するには、その光ファイバテープ心線の本数、ピッチ間隔、形状に合わせた塗布冶具が必要となり、一種類の光ファイバテープ心線に対して、専用の製造装置で作製するか、あるいは製造作業毎に、塗布冶具を付け替えなければならなかった。そのため、仕様変更のたびに製造装置、あるいは塗布冶具を作製する必要があり、製造コストがかかってしまうという問題があった。そこで、整列した複数本の光ファイバ心線のテープ化だけでなく、上記のような様々な構造の光ファイバテープ心線の製造においても、同一の製造装置で作製ができる製造方法が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記のような問題を解決することを目的としてなされたものである。即ち、本発明の目的は、被覆材料の塗布、成形において、従来の技術のような光ファイバ心線と塗布成形装置との二次元的な位置合わせを行なう必要がなく、一次元的な位置合せのみで簡単に一括被覆を行なって光ファイバテープ心線を作製することができ、また心線数が増加しても、様々な構造の光ファイバテープ心線を安定して作製することのできる光ファイバテープ心線の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数本に光ファイバ心線を一括被覆する光ファイバテープ心線の製造方法であって、その製造方法は、複数本の光ファイバ心線を二次元平面上に整列して載置する工程と、二次元平面上に被覆材料を塗布して複数本の光ファイバ心線をも含めて二次元平面を被覆材料で被覆する工程と、被覆された複数本の光ファイバ心線を二次元平面から剥離して、光ファイバ心線上の被覆材料を二次元平面上の被覆材料から分離する工程を有することを特徴とする。この場合、被覆された複数本の光ファイバ心線のうちの一部を二次元平面から剥離してもよい。また、二次元平面上に光ファイバ心線を仮固定するための接着層が設けられているのが好ましい。さらにまた、二次元平面上に光ファイバ心線を整列するための溝が設けられていてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光ファイバテープ心線の製造方法を説明する工程図である。図1において、二次元平面を有する基板4上に複数の光ファイバ心線1a〜1dを整列して配置し、この基板の二次元平面に被覆材料3を塗布して、これらの光ファイバ心線1a〜1dの所望の範囲が被覆されるようにする(図1(a))。次に、被覆を施していない複数の光ファイバ心線の端部を保持し、光ファイバ心線を基板から剥離する(図1(b))。このとき、最外縁の光ファイバ心線1a、1dの側面にある被覆材料と基板上の被覆材料との間で、被覆材料が光ファイバ心線の軸方向に沿って分裂して分離し、被覆された光ファイバテ−プ心線5が形成される。(図1(c))。
【0012】
上記の方法によれば、光ファイバ心線は、二次元平面上に単に整列して載置し、その上に被覆材料を塗布すればよいから、塗布操作に際して光ファイバ心線の二次元的な位置合わせの必要がなく、また、心線数が増えても光ファイバ心線の厚み方向のばらつきが起こることがなく、光ファイバテープ心線を安定して製造することができる。更に、塗布範囲は限定されるものではなく、非常に短い距離であっても光ファイバ心線表面に被覆材料を塗布すればよいので、コネクタ付の光ファイバ心線のテープ化や短距離の光ファイバテープ心線の作製も可能である。
【0013】
なお、本発明において、光ファイバ心線の整列とは、各光ファイバ心線を所望の位置に設置し並べることを意味し、各光ファイバ心線同士の間隔は、互いに等しくても等しくなくてもよく、作製する光ファイバテープ心線の仕様によって適宜設定してもよい。さらにまた、光ファイバ心線の被覆は、少なくともテープ化を行なう光ファイバ心線の表面が被覆材料で被覆されればよく、被覆される範囲は特に限定されない。また、光ファイバ心線の束を並列させて載置し、同時に光ファイバ心線の複数の束を塗布しても構わない。また、光ファイバ心線の剥離とは、光ファイバ心線と二次元平面とが相対的に離れることを意味し、光ファイバ心線及び二次元平面のどちらを移動させて行ってもよい。更に、本発明において、二次元平面上に整列して配置される各光ファイバ心線は、その少なくとも一部分が同一平面上に整列して配置されていればよく、光ファイバ心線が交差する部分があってもよい。更にまた、二次元平面上に配置された光ファイバ心線の本数に関しても、何等限定されず、2、4、8、12、16本またはそれ以外の本数であっても構わない。
【0014】
本発明において、二次元平面上を被覆材料で被覆する工程においては、光ファイバ心線の表面に一定の厚みで被覆材料の被覆が形成されるように被覆すればよく、その被覆方法は何等限定されるものではない。例えば、図2で示されるように、まず、基板4の二次元平面に整列して配置された複数本の光ファイバ心線に被覆材料を塗布しておき(図2(a))、次いで、成形治具2を成形開始位置Aから成形終了位置Bに移動させ、成形治具の底面によって光ファイバ心線表面の被覆材料の厚みを一定に成形する(図2(b))。成形冶具の底面は平面になっているのが好ましく、それにより均一の厚みで被覆材料を被覆することができる。また、成形治具の高さを調整して、被覆材料の厚みが所望の値になるようにしてもよい。また、予め被覆材料を光ファイバ心線上に厚く塗布しておき、成形冶具を移動させることにより、光ファイバ心線を含めて基板の二次元平面上に被覆材料を押し広げてもよい。さらに、被覆材料の塗布と成形冶具の移動を連動させてもよく、また塗布と成形を同時に行なう治具を用いることにより、塗布と成形を同時に行なっても構わない。
【0015】
本発明における複数の光ファイバ心線を二次元平面より剥離する工程において、剥離時の移動速度及び移動方向、光ファイバ心線と基板のなす角度は、移動によって被覆形状が変形しないように剥離が行われるように設定すればよく、その方法は特に限定されるものではない。しかしながら、被覆形状を一定に保持するためには、剥離中の移動速度を一定にするのが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、上記のように複数本の光ファイバ心線の表面を被覆材料で被覆した後、そのうちの一部を剥離して光ファイバテープ心線を作製してもよい。例えば、図3に示すように、複数本の光ファイバ心線1a〜1hを載置した基板4の二次元平面に被覆材料3を塗布して光ファイバ心線の表面を被覆した後(図3(a))、一部の光ファイバ心線1a、1bを二次元平面から剥離して光ファイバ心線を形成してもよい(図3(b)。さらに、光ファイバ心線1c、1dを剥離して、他の光ファイバテープ心線を作製することも可能である(図3(c))。
【0017】
塗布した被覆材料は、必要に応じて硬化・乾燥させるが、その処理は、光ファイバ心線を二次元平面から剥離する前後のいずれであってもよく、また、硬化・乾燥を行っている最中に光ファイバ心線を剥離してもよい。すなわち、硬化・乾燥処理は、光ファイバ心線の整列に影響のない段階で行えばよい。なお、硬化方法は被覆材料の種類によって適宜選択して行なえばよい。例えば、紫外線硬化性樹脂を用いた場合は、塗布後に紫外線照射によって硬化させればよく、熱硬化性樹脂を用いた場合は、乾燥機等の加熱器によって硬化させればよい。
【0018】
本発明において、被覆された光ファイバテープ心線の断面形状は、例えば、図4(a)〜(c)に示されるように、被覆材料の種類、剥離時の硬化状態等により、種々の形態のものとなる。
【0019】
また、本発明で用いられる被覆材料は、本発明の製造方法を適用することができれば、特に限定されるものではなく、ゴム状樹脂材料、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等の硬化前または硬化後に縦裂きが容易で、可撓性を有する硬化性樹脂、及び可撓性を有する熱可塑性樹脂等があげられる。特に、硬化後、剥離し易く、かつ成形の容易なシリコーン系ゴムやブチルゴム等が好ましいものとして挙げられる。
【0020】
本発明において、光ファイバテープ心線の被覆は、多層構造になっていてもよい。図5は、2層構造の被覆を有する光ファイバテープ心線を作製する工程図を示している。図2に示すようにして作製された光ファイバテープ心線5a、5bを二次元平面上に配置し(図5(a))、それらの上に被覆材料3を塗布した後(図5(b))、成形治具2を矢印方向に移動させることによって光ファイバ心線表面の被覆材料を一様の厚さに成形し(図5(c))、次いで、これらの光ファイバ心線を二次元平面から剥離する。それによって2層構造の被覆を有する光ファイバテープ心線5が形成される(図5(d))。
【0021】
本発明において、二次元平面の上には、接着層が設けられていてもよい。光ファイバ心線を二次元平面の上に載置すると、接着層によって仮固定される。したがって、光ファイバ心線について、塗布・成形の際に、整列のための位置合わせを必要とせず、光ファイバ心線のセッティングをより短時間で簡単に行うことができる。また、接着層が存在することにより、被覆材料に対する接着力が増大し、したがって、光ファイバ心線の剥離が容易になり、製品の歩留まりを向上させることもできる。更に各光ファイバ心線のピッチ間隔を調節することも容易になる。
【0022】
接着層に用いる接着剤としては、光ファイバ心線の形状を維持し、かつ接着により光ファイバ心線が応力ひずみを受けず、更に剥離時に光ファイバ心線が破損することのない程度の接着力を有するものであれば如何なるものでも使用でき、例えば、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ナイロン系、フェノール系、ポリイミド系、ビニル系、シリコーン系、ゴム系、フッ素化エポキシ系、フッ素化アクリル系等各種の感圧接着剤(粘着剤)、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤を使用することができる。光ファイバ心線の配線の容易さからは、感圧接着剤及び熱可塑性接着剤が好ましく使用される。なお、接着層上に複数本の光ファイバ心線を貼り付ける方法は如何なる方法を用いてもよく、一定の圧力で接着層に貼り付けることができる自動配線装置を用いてもよい。また、接着層には、剥離するときには接着力を失活する効果を与えてもよく、例えば溶剤を塗布、あるいは光照射等を用いて光ファイバ心線を接着層から剥離し易くさせても構わない。
【0023】
本発明において、二次元平面上には、光ファイバ心線を整列するための溝が設けられていてもよい。図6は、溝を設けた基板を用いて光ファイバテープ心線を製造する場合の一例を説明するための図である。二次元平面を有する基板4上には、光ファイバ心線を整列させる溝4aが設けられており、その溝に複数本の光ファイバ心線(1a〜1d)を配置させる(図6(a))。次いで、被覆材料3を塗布し、所望に応じて上記と同様な成形治具によって被覆材料を成形する。(図6(b))。その後、光ファイバ心線を基板より剥離して(図6(c))、被覆された光ファイバテープ心線5を形成する(図6(d))。この方法により、二次元平面の溝に複数本の光ファイバ心線を位置させるだけで、光ファイバ心線の横方向を規制し整列・固定ができるので、より簡単に隙間なく複数本の光ファイバ心線を整列した状態で被覆、成形することができる。
【0024】
なお、二次元平面の溝は、光ファイバ心線を整列、固定できればよく、溝の幅、及び深さは作製する光ファイバテープ心線の仕様に合わせたものにすればよい。また、溝の断面形状も特に限定されるものではなく、矩形以外にもV字型や半円形が連なった形態のものであっても構わない。
【0025】
本発明で用いられる光ファイバ心線は何等限定されるものではなく、その用途等に応じて、適宜選択すればよく、例えば、石英、プラスチック等の材料からなる光ファイバ心線を用いることができる。なお、その外径も何等限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
長さ40cmの光ファイバ心線(古河電工社製、石英系シングルモード光ファイバ、外径0.25mm)を4本用い、長さ30cmの光ファイバテープ心線を作製した。本実施例の製造に使用した塗布装置は、図7に示す構造のものであった。即ち、光ファイバ心線を設置する基板4を配置する平面板7と、一端に駆動モータ8と他端に軸受け9が設けられているボールネジ軸10を有する一軸制御ロボット13で構成されている。成形冶具2は、幅40mm、長さ30mm、高さ40mmのサイズで、底面が平面であり、ボールネジ軸10に取り付けられた可動ユニット11に、基板に対して垂直方向に設置されているものであった。したがって、可動ユニット11は、成形冶具を上下及び左右方向に移動することができるようになっていた。なお、被覆材料の塗布、及び光ファイバ心線の基板に対する移動は手動にて行ない、また被覆材料は、常温硬化性シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、SE9186L)を用いた。
【0027】
まず、基板4上に、4本の光ファイバ心線1a〜1dを並列に整列させ、光ファイバ心線の被覆を施さない両端部を粘着テープ14で留めて固定し、基板4の二次元平面上に配置した(図7(a))。次にテープ化を行なう30cmの範囲にある4本の光ファイバ心線の表面に被覆材料3を塗布した。そして、可動ユニット11を成形冶具2の底面が4本の光ファイバ心線の表面から0.1mmの高さに配置するように移動させて、移動速度を50mm/secで、光ファイバ心線の軸方向(矢印)に移動させた(図7(b))。次に、成形された被覆材料を、常温で硬化時間30分の条件で半硬化させた。次いで、片端の光ファイバ心線を手に保持し、上方向に引き上げることにより、光ファイバ心線を基板から剥離した(図7(c))。得られた光ファイバテープ心線を、更に常温1時間の条件で処理して、被覆材料を完全に硬化させ、4心の光ファイバテープ心線を得た。
【0028】
上記の場合、非常に簡単に光ファイバテープ心線の成形を行なうことができるため、従来の製造方法よりも製造時間を短縮することができた。また、二次元的なアライメント調整が必要ないことから、光ファイバテープ心線を無駄なく作製できるため、光ファイバ心線及び被覆材料の歩留まりが良好であった。更に、得られた光ファイバテープ心線は、厚み0.35mmの均一な厚さを有するものであった。
【0029】
実施例2
実施例1で作製した光ファイバテープ心線を2本用い、これを並列に並べ、被覆材料として熱硬化性シリコーンゴム(GE東芝シリコーン社製、TSE3281−G)を用いて一括被覆して一体化した2層構造の長さ30cmの8心光ファイバテープ心線を作製した。成形装置及び成形冶具は実施例1と同一のものを用いた。
【0030】
まず、基板上に、実施例1と同様にして得られた2本の光ファイバテープ心線を並列に配置させた。次に2本の光ファイバテープ心線の表面に被覆材料を塗布した。そして、可動ユニットを成形冶具の底面が2本の光ファイバテープ心線の表面から0.05mmの高さに配置するように移動させて、移動速度を50mm/secで、光ファイバ心線の軸方向に移動させた。成形した被覆材料は、硬化温度150℃、硬化時間30分の条件で、半硬化させた。次いで、片端の光ファイバ心線を手で保持し、上方向に引き上げることによって、光ファイバ心線を基板から剥離した。得られた8心の光ファイバテープ心線を150℃、1時間の条件で処理し、被覆材料を完全に硬化させて、2層構造の8心光ファイバテープ心線を得た。
【0031】
この実施例の場合、実施例1と同一の装置および方法によって2層構造の光ファイバテープ心線を作製することができ、従来のように製造に用いる冶具を付け替える必要がないため、作業効率がよく、低コストで製造することができた。また、得られた光ファイバテープ心線は、厚み0.4mmの均一な厚さを有するものであった。
【0032】
実施例3
深さ0.1mm、幅1.1mmの断面矩形の溝を有する基板を用いた以外は、実施例1と同様に長さ40cmの光ファイバ心線を4本用いて、光ファイバテープ心線を作製した。光ファイバ心線を溝に載置させるのみで光ファイバ心線の整列が行なえるため、精密な位置合わせをすることなく光ファイバ心線のセッティングができ、作業時間を短縮することができた。また、作業も簡単に行なえるため、作業効率が向上した。
【0033】
実施例4
両端にMTコネクタが取り付けられた長さ40cmの4本の光ファイバ心線について、その中央部の35cmの部分をテープ化して、4心MTコネクタ付光ファイバテープ心線を作製した。二次元平面を有する基板としては、500mm×100mmのサイズで厚さ125μmのポリイミドフィルムを用い、その一面に膜厚100μmの接着層を形成した。この基板の接着層上に、4本の光ファイバ心線を手で貼り付けて、整列、固定させた。以下、実施例1に記載の場合と同様に操作して、4心光ファイバテープ心線を作製した。
【0034】
この実施例の場合、両端MTコネクタ付光ファイバ心線を予め接着層上に配置して仮固定しているので、被覆材料の塗布、成形を簡単に、かつ均一に行うことができた。また、成形冶具の位置合わせも簡単に実施できるので、作業時間を短縮することができ、作業効率も向上した。更に、このMTコネクタ付光ファイバテープ心線を用いて装置内の光部品との接続を行ったところ、中央部がテープ化されているために、光ファイバ心線の取り扱いが容易で、簡単に光学部品との接続ができ、接続作業の効率が向上した。
【0035】
【発明の効果】
本発明の光ファイバテープ心線の製造方法によれば、二次元平面上に載置し、被覆材料で被覆した複数の光ファイバ心線を、二次元平面から剥離することにより、最外縁にある光ファイバ心線によって側面が形成されるので、簡単かつ短時間で光ファイバテープ心線を作製することができる。
【0036】
また、光ファイバ心線は二次元平面上に整列して載置するので、被覆材料の塗布に際して、二次元的なアライメント調整が必要なく、また、心線数が増えても光ファイバ心線の厚み方向のばらつきが起こることがなく、安定して光ファイバテープ心線を製造することができる。また、多層構造の光ファイバテープ心線であっても、同一の装置・方法で作製することができ、製造作業毎に異なる冶具を必要としないため、作業効率がよく、低コストで製造することができる。
【0037】
さらにまた、二次元平面上に接着層を設けた場合には、光ファイバ心線を貼り付けて仮固定することができ、また、二次元平面上に溝を設けた場合には、複数本の光ファイバ心線を、簡単に整列させることができるので、光ファイバテープ心線のテープ化がより一層を容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバテープ心線の製造方法を説明する工程図である。
【図2】本発明の光ファイバテープ心線の製造方法の他の一例を説明する工程図である。
【図3】本発明の光ファイバテープ心線の製造方法の他の一例を説明する工程図である。
【図4】本発明の光ファイバテープ心線の製造方法により作製した光ファイバテープ心線の断面図である。
【図5】本発明の光ファイバテープ心線の製造方法の他の一例を説明する工程図である。
【図6】本発明の光ファイバテープ心線の製造方法の他の一例を説明する工程図である。
【図7】実施例1の光ファイバテープ心線の製造方法を説明する工程図である。
【図8】従来の光ファイバテープ心線の製造方法を説明する図である。
【図9】従来の塗布(成形)冶具の斜視図、及び断面図である。
【符号の説明】
1,1a〜1h…光ファイバ心線、2…成形冶具、3…被覆材料、4…基板、4a…溝、5,5a,5b…光ファイバテープ心線、7…平面板、8…駆動モータ、9…軸受け、10…ボールネジ軸、11…可動ユニット、12…側壁、13…一軸制御ロボット、14…粘着テープ、15…心線供給装置、16…心線整列器、17…塗布冶具、17a…光ファイバ挿入孔、17b…被覆材料溜め、17c…光ファイバ搬出孔、18…硬化装置、A…成形開始位置、B…成形終了位置。

Claims (4)

  1. 複数本の光ファイバ心線を一括被覆して光ファイバテープ心線を製造する方法において、複数本の光ファイバ心線を二次元平面上に整列して載置する工程と、二次元平面上に被覆材料を塗布して複数本の光ファイバ心線をも含めて二次元平面を被覆材料で被覆する工程と、被覆された複数本の光ファイバ心線を二次元平面から剥離して、光ファイバ心線上の被覆材料を二次元平面上の被覆材料から分離する工程とを有することを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
  2. 被覆された複数本の光ファイバ心線のうちの一部を二次元平面から剥離することを特徴とする請求項1記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
  3. 二次元平面上に光ファイバ心線を仮固定するための接着層が設けられている請求項1記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
  4. 二次元平面上に光ファイバ心線を整列するための溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバテープ心線の製造方法。
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JP2010091730A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバテープ及びその単心分離方法

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