JP2001174680A - テープ状光ファイバ心線及びその製造方法 - Google Patents

テープ状光ファイバ心線及びその製造方法

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JP2001174680A
JP2001174680A JP35879099A JP35879099A JP2001174680A JP 2001174680 A JP2001174680 A JP 2001174680A JP 35879099 A JP35879099 A JP 35879099A JP 35879099 A JP35879099 A JP 35879099A JP 2001174680 A JP2001174680 A JP 2001174680A
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optical fiber
tape
coating
shaped optical
fiber core
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Tomoyuki Hattori
知之 服部
Toshihisa Sato
登志久 佐藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テープ状光ファイバ心線の一括被覆用紫外線
硬化型樹脂に表面凹凸発生の原因になりやすいシリカ微
粒子等の添加剤を加えずに、テープ状光ファイバ心線を
ボビンに巻き取った時の巻き層間のくっつきを無くしボ
ビンからスムーズに繰出せるようにする。 【解決手段】 ガラスファイバ1上に被覆2を施してな
る光ファイバ3を複数本平行に並べてそれらを覆うよう
に紫外線硬化型樹脂からなる一括被覆4を施したテープ
状光ファイバ心線5、又はテープ状光ファイバ心線5を
更に複数条平行にしてそれらを覆うように紫外線硬化型
樹脂からなる外部一括被覆6を施した連結型のテープ状
光ファイバ心線7であって、一括被覆4と外部一括被覆
6のうち少なくとも外部に露出した方の被覆は、紫外線
照射後電子線を照射することによってその表面部分を内
側部分よりも硬い一体層で形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として光ファイ
バケーブルの中に収容されて使用されるテープ状光ファ
イバ心線及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1(A)(B)はそれぞれ、光ファイ
バケーブルの主要部材として広く用いられているテープ
状光ファイバ心線の横断面図である。図1において、1
はガラスファイバ、2は被覆、3は光ファイバ、4は一
括被覆、5はテープ状光ファイバ心線、6は外部一括被
覆、7は連結型のテープ状光ファイバ心線である。図1
(A)に示すテープ状光ファイバ心線5は、石英ガラス
を主成分とするガラスファイバ1上に紫外線硬化型樹脂
の被覆2を施してなる光ファイバ3を複数本平行に並べ
て、それらを覆うように紫外線硬化型樹脂からなる一括
被覆4を施したものである。
【0003】また、図1(B)の連結型のテープ状光フ
ァイバ心線7は、上記のテープ状光ファイバ心線と同様
のテープ状光ファイバ心線5を更に複数条平行に並べ
て、それらを覆うように紫外線硬化型樹脂からなる外部
一括被覆6を施したものであって、複数条の図1(A)
に示すテープ状光ファイバ心線が幅方向に連結されてい
るものである。この連結型のテープ状光ファイバ心線7
は、使用時にはその端末部において複数条のテープ状光
ファイバ心線に分割することが多いので、分割型テープ
状光ファイバ心線とも呼ばれることもある。ここでは、
特にことわらない限り、テープ状光ファイバ心線とは図
1(A)の形態のもの及び図1(B)の形態のものの両
方を指すものとする。
【0004】また、図1(A)及び図1(B)では、ガ
ラスファイバ1上の被覆2は1層として描いているが、
被覆2は一般に、比較的柔らかい紫外線硬化型樹脂から
なる層の上に比較的硬い紫外線硬化型樹脂からなる層を
設け更に着色層を設けて構成する。また、着色層は設け
ない場合もある。また、被覆2の層数は2又は3に限ら
れるものではない。
【0005】また、光ファイバケーブルに上記のテープ
状光ファイバ心線を用いるに当たって多くの場合は、抗
張力体の周囲にプラスチック成形体を設けてそのプラス
チック成形体の周囲に溝を形成したスロット部材又はス
ペーサ部材等と呼ばれる収容体の溝内に複数条のテープ
状光ファイバ心線を積層して収容する。
【0006】また、テープ状光ファイバ心線の一括被覆
あるいは外部一括被覆は、並列した光ファイバ上又は並
列したテープ状光ファイバ心線上に、紫外線硬化型樹脂
を塗布してその樹脂に紫外線を照射して硬化させること
によって形成される。この被覆形成工程においては、紫
外線硬化型樹脂を塗布した後、紫外線照射装置に入るま
で未硬化の樹脂が空気に曝されるが、その時樹脂の表面
には酸素が吸収され、その酸素の存在によって紫外線を
照射しても樹脂の硬化促進が抑えられる。従って、樹脂
層の内面は完全に硬化しても樹脂の表面は一部未硬化の
状態で残ることがある。またそれに伴って、通常被覆層
の表面部分は被覆層の内側部分よりも柔らかいことがあ
る。
【0007】製造されたテープ状光ファイバ心線は、通
常ボビンに層状に巻き取られる。その時、紫外線硬化型
樹脂からなる被覆層の表面部分は柔らかくて粘着性があ
るため、次工程でそのボビンからテープ状光ファイバ心
線を繰出す時に、巻き各層のテープ状光ファイバ心線同
士が互いに粘着してスムーズに繰出せないといったタッ
ク現象が起きることがある。著しい場合は、各層のテー
プ状光ファイバ心線の一括被覆又は外部一括被覆同士が
粘着して無理に引出すと一括被覆又は外部一括被覆が破
れるということも起きる。
【0008】そこで、テープ状光ファイバ心線の一括被
覆又は外部一括被覆を滑り易くして粘着性を軽減する方
法が採られている。特開平7−209564号公報に記
載された方法は、紫外線硬化型樹脂にフッ素含有有機化
合物を添加するものである。また、特開平8−2174
95号公報に記載された方法は、紫外線硬化型樹脂中に
シリコーン構造を含ませるか、樹脂材料中にシリカ微粒
子を添加する方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フッ素系有
機化合物あるいはシリコーン構造を含む有機化合物は、
一般に紫外線硬化型樹脂として使用されるウレタンアク
リレート樹脂あるいはエポシキアクリレート樹脂との相
溶性が悪く、保存中に相分離を起こし易い。また、テー
プ状光ファイバ心線の紫外線硬化型樹脂の塗布及び紫外
線照射の製造工程における製造線速を早くすると、塗布
装置内のダイス部分で剪断力が樹脂に加わり相分離を起
こし易い。
【0010】相分離を起こしたまま光ファイバ上に樹脂
を塗布し紫外線を照射すると、ベース樹脂とフッ素系有
機化合物等の添加物との表面エネルギーが異なり一括被
覆又は外部一括被覆の表面に凹凸が形成される。このよ
うな一括被覆又は外部一括被覆の表面に凹凸は生じたテ
ープ状光ファイバ心線を積層して収容し光ファイバケー
ブルとすると、光ファイバに不均一な側圧が作用して光
ファイバの伝送損失等の特性が悪化する。
【0011】また、シリカ微粒子を添加した場合は、硬
化後の樹脂表面にシリカ微粒子による凹凸が形成され
る。テープ状光ファイバ心線を積層して溝内に収容して
光ファイバケーブルとした時、樹脂表面の凹凸によって
光ファイバに不均一な微少な曲げを生じさせ、光ファイ
バの伝送損失を悪化させるという問題がある。
【0012】本発明は、上述した従来技術による問題
点、即ち被覆表面の粘着性に基づくタック減少と紫外線
硬化型樹脂の相分離に伴う被覆表面を凹凸形成という問
題点を解消したテープ状光ファイバ心線及びその製造方
法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のテープ状光ファ
イバ心線は、ガラスファイバ上に紫外線硬化型樹脂の被
覆を施してなる光ファイバを複数本平行に並べてそれら
を覆うように紫外線硬化型樹脂からなる一括被覆を施し
たテープ状光ファイバ心線、又は該テープ状光ファイバ
心線を更に複数条平行にしてそれらを覆うように紫外線
硬化型樹脂からなる外部一括被覆を施した連結型のテー
プ状光ファイバ心線であって、前記一括被覆と前記外部
一括被覆のうち少なくとも外部に露出した方の被覆は、
その表面部分が内側部分よりも硬い一体層で形成された
ものである。
【0014】また、このテープ状光ファイバ心線の一括
被覆又は外部一括被覆は、複数本光ファイバを平行に並
べるかテープ状光ファイバ心線を複数条平行に並べて、
それらを覆うように紫外線硬化型樹脂を塗布して該樹脂
に紫外線を照射し、続いて電子線を該樹脂に照射するこ
とによって形成することが出来る。
【0015】上述したように一括被覆と外部一括被覆の
うち少なくとも外部に露出した方の被覆を、その表面部
分を内側部分よりも硬い一体層で形成することによっ
て、ボビン巻きしたテープ状光ファイバ心線は、それら
のボビン巻き各層の間が滑り易くなり、一括被覆層同士
又は外部一括被覆層同士が粘着することが少なくなるの
で、ボビンからのテープ状光ファイバ心線等の繰出しを
スムーズに行なうことが出来る。また、本発明のテープ
状光ファイバ心線は、一括被覆又は外部一括被覆の表面
部分のみが硬いので、被覆層全体の硬化時の収縮が大き
くならず、硬化時に光ファイバに無理な力を与えること
がなく良好な伝送特性の製品とすることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のテープ状光ファイバ心線
は、先に示した図1(A)又は図1(B)と同様の横断
面を有するものであるが、従来技術によるものと異な
り、一括被覆4と外部一括被覆6のうち少なくとも外部
に露出した方の被覆は、その表面部分が内側部分よりも
硬い一体層となっている。図1(B)の場合、通常は外
部一括被覆6のみを表面部分を内側部分よりも硬くし
て、一括被覆4の方は特にそのような条件を設けない被
覆層とするが、一括被覆4と外部一括被覆6の両方をそ
れぞれ、その表面部分を内側部分よりも硬い一体の被覆
層とすることも可能である。
【0017】また、上記のテープ状光ファイバ心線5又
は連結型のテープ状光ファイバ心線7は、次のようにし
て製造することが出来る。図2は、その製造工程の主要
部を示す図であって、11は供給ボビン、12は光ファ
イバ、13はダンサーローラ、14はガイドローラ、1
5は集線装置、16は樹脂供給装置、17は塗布装置、
18は紫外線照射装置、19はテープ状光ファイバ心
線、20は樹脂供給装置、21は塗布装置、22は紫外
線照射装置、23は電子線照射装置、24は連結型テー
プ状光ファイバ心線、25は引取り機、26はダンサー
ローラ、27は巻取りボビンである。
【0018】複数個設置した供給ボビン11からそれぞ
れ繰出された光ファイバ12は、ダンサーローラ13及
びガイドローラ14を経て集線装置15に至る。図1
(B)の連結型のテープ状光ファイバ心線を製造する場
合、供給ボビン11を8個とし、繰出された8本の光フ
ァイバ12を集線装置15に集める。集線装置15では
8本の光ファイバ12を4本ずつ2群に分けて、それぞ
れ光ファイバ12を平行に並べて塗布装置17に向かわ
せる。塗布装置17には2つのダイス孔を有するダイス
がありそれぞれの光ファイバの群を別のダイス孔に通し
て群毎に樹脂供給装置16から紫外線硬化型樹脂を供給
して塗布を行なう。
【0019】塗布装置17の2つのダイス孔をそれぞれ
4本の光ファイバ12が通過する間に、それぞれ4本の
光ファイバ12上に紫外線硬化型樹脂が塗布され、続い
て紫外線照射装置18に入って紫外線が照射されて樹脂
が硬化し一括被覆が形成される。そして2条のテープ状
光ファイバ心線19が出来る。なお、図2においては、
集線装置15から塗布装置21に至る間の8本の光ファ
イバ12及び2条のテープ状光ファイバ心線19は、紙
面に対して垂直方向に配列されているので、1本の如く
描いている。
【0020】次に2条のテープ状光ファイバ心線19
は、平行に並べられて塗布装置21に入り、樹脂供給装
置20から供給された外部一括被覆となる紫外線硬化型
樹脂が2条のテープ状光ファイバ心線19の上に一括し
て覆うように塗布され、続いて紫外線照射装置22に入
って樹脂に紫外線が照射され樹脂が硬化する。更に続い
て、電子線照射装置23に入って電子線が照射されるこ
とで、外部一括被覆の表面部分のみの硬化が促進され表
面部分は内側部分よりも硬くなる。また、電子線照射装
置23を出た連結型のテープ状光ファイバ心線24は、
引取り機25及びダンサローラ26を通って巻取りボビ
ン27に巻き取られる。
【0021】また、図1(A)に示すテープ状光ファイ
バ心線を製造する場合は、集線装置15にて複数本の光
ファイバ12を平行に並べて塗布装置17に供給する。
なお、塗布装置17は1つのダイス孔を有するものを使
用する。そして、塗布装置21及び紫外線照射装置22
は取り外して、紫外線照射装置18を出たテープ状光フ
ァイバ心線19を、直接電子線照射装置23に導くこと
によって図1(A)に示すテープ状光ファイバ心線の製
造を行なうことが出来る。
【0022】
【実施例】実施例として、4本の光ファイバを有する図
1(A)に示す形態のテープ状光ファイバ心線を製造し
た。外径125μmの石英ガラスを主成分とするシング
ルモード型ガラスファイバにウレタンアクリレート樹脂
からなる紫外線硬化型樹脂を2層被覆し、更に紫外線硬
化型樹脂からなる着色層を形成し外径250μmの光フ
ァイバを製造した。その光ファイバを4本平行に並べて
それらを覆うように塗布装置にて一括被覆となる紫外線
硬化樹脂を塗布し、紫外線照射装置にて紫外線を塗布さ
れた樹脂に照射して硬化させた。続いて、電子線照射装
置にて加速電圧80kVの電子線を樹脂に照射し、厚さ
400μmのテープ状光ファイバ心線を得た。なお、巻
取りボビンに巻取る時の巻取り張力は1.5Nとした。
【0023】また、一括被覆の紫外線硬化型樹脂は、P
PG(ポリプロピレングリコール)、TDI(トリレン
ジイソシアネート)、HEA(ヒドロキシエチルアクリ
レート)を共重合させたウレタンアクリレート系オリゴ
ノマーをベースオリゴノマーとし、希釈性モノマーとし
てテトラエチレングリコール、トリアヌルイソシアヌレ
ートを用い、光開始剤としてチバガイギー社製イルガキ
ュア184を配合したものを用いた。
【0024】また比較のため、比較例として電子線照射
を施さないテープ状光ファイバ心線を前記の実施例と同
じ材料、同じ寸法で製造した。
【0025】実施例、比較例のテープ状光ファイバ心線
について、一括被覆の表面部分及び内側部分の硬度、一
括被覆の摩擦係数、巻取りボビンに巻いたテープ状光フ
ァイバ心線の巻き層間のくっつき具合を調べた。その結
果は表1の通りであった。
【0026】
【表1】
【0027】なお、硬度の測定方法は次の通りである。
島津製作所製「島津ダイナミック超微少硬度計DUHー
50」を使い、三角圧子は対稜角65°のものを用い
る。図3は三角圧子を説明する図で、図3(A)は対稜
角を説明する斜視図、図3(B)は三角圧子の正面図及
び側面図である。図3(A)に示すように、対稜角65
°の三角圧子では、硬度測定の被対象物に押付ける三角
錐の先端をOとし、Oを通る3つの稜を、OA、OB、
OCとした時、対稜角は∠AOC=∠BOA=∠COB
=65°となっている。
【0028】また、図3(B)に示すように三角圧子
は、三角錐からなる先端を備えた先端部28を円柱状の
支持部29の端に固定したものである。硬度測定に当た
っては、この三角圧子の先端部28の先端を被対象物に
押付け、その変位(押込み深さ)H(μm)と押込み時
の荷重P(mN)から次式で硬度(DH65)を求め
る。なお、実施例及び比較例の測定では荷重は、9.8
mNとした。 硬度(DH65)(mN/μm2)=450.16×P
÷H2
【0029】図4は、一括被覆の硬度の測定位置を示す
断面図であって、図4(A)は一括被覆の表面部分の硬
度の測定位置を、図4(B)は一括被覆の内側部分の硬
度を測定位置を示す。一括被覆の表面部分の硬度は、複
数本の光ファイバ3上に一括被覆4を施したテープ状光
ファイバ心線5の大きな幅の方の側面が基板30に接す
るようにして平面状の上面を有する基板30上に載置し
て、一括被覆4の表面に三角圧子の先端部28を押付け
て測定する。なお、先端部28の押付け位置は、隣接す
る光ファイバ3の間に位置するようにする。また、一括
被覆の内側部分の硬度は、テープ状光ファイバ心線の一
括被覆を剥がして、その一括被覆をその表面側を基板側
にして基板30上に載置し、光ファイバを取除いて出来
た断面半円状の凹部に三角圧子の先端部28を押付けて
測定する。
【0030】また、摩擦係数の測定方法は次の通りであ
る。図5は、摩擦係数の試験方法を説明する図であっ
て、31、33は被測定体であるテープ状光ファイバ心
線、32はマンドレル、34は重り、35は張力計、3
6は引取りキャプスタンである。中心軸を水平にして固
定したマンドレル32の円形の周面に、被測定体である
テープ状光ファイバ心線33を1層に巻付けて固定す
る。次いで、そのテープ状光ファイバ心線33の上に1
/4周だけ重なるように被測定体のテープ状光ファイバ
心線31を巻付ける。
【0031】そして、テープ状光ファイバ心線31の一
方の端には質量W(g)の重り34を連結して吊るす。
また、テープ状光ファイバ心線31の他方の端側は水平
にして張力計35及び引取りキャプスタン36を配置し
て、引取りキャプスタン36にて張力計35を通してテ
ープ状光ファイバ心線31の他端を水平方向に一定速度
で引張る。テープ状光ファイバ心線31がテープ状光フ
ァイバ心線33上を滑って移動する時の張力計35で測
定した最大張力をT(mN)とすれば、被測定体のテー
プ状光ファイバ心線33の表面の摩擦係数は、下記の式
で算出出来る。 摩擦係数μ=(2/π)・ln(T/9.8W) なお実施例及び比較例の測定では、マンドレル32の直
径は50mm、重り34の質量は50g、引取りキャプ
スタン36の引張り速度は、1mm/分とした。
【0032】また、テープ状光ファイバ心線の巻き層間
のくっつき具合は次のようにして調べた。テープ状光フ
ァイバ心線を巻き取ったボビンからそのテープ状光ファ
イバ心線を繰出し、スムーズに繰出されるか否かを調べ
た。スムーズに繰出される場合を「巻き層間のくっつき
無し」、巻き層間で部分的にくっついており振動しなが
らき繰出される場合を「巻き層間のくっつき有り」とし
た。
【0033】表1に示す結果から次のことが分かる。一
括被覆の硬度については、実施例の方は表面部分の硬度
が内側部分の硬度よりも大きく、表面部分は内側部分よ
りも硬くなっているのに対し、比較例の方は表面部分の
硬度が内側部分の硬度よりも小さく、表面部分は内側部
分よりも柔らかい。また、一括被覆の表面の摩擦係数
は、比較例に比べて実施例の方が摩擦係数が小さく、実
施例の方が比較例のものよりも表面が滑り易い。また、
ボビン巻きしたテープ状光ファイバ心線の繰出し作業は
実施例の方が比較例のものに比べてスムーズで巻き層間
が粘着してくっつくことはない。
【0034】
【発明の効果】本発明のテープ状光ファイバ心線は、一
括被覆と外部一括被覆のうち少なくとも外部に露出した
方の被覆は、その表面部分の硬度を内側部分の硬度より
も大きくした一体層で形成して表面部分のみを内側部分
よりも硬くすることによって、ボビン巻きしたテープ状
光ファイバ心線の巻き各層の間が滑り易くなり、一括被
覆層同士又は外部一括被覆層同士が粘着することが少な
くなるので、ボビンからのテープ状光ファイバ心線等の
繰出しをスムーズに行なうことが出来る。
【0035】また、本発明のテープ状光ファイバ心線
は、一括被覆又は外部一括被覆となる紫外線硬化型樹脂
を塗布して紫外線を照射した後、電子線を照射すること
によって製造出来るもので、シリコーン樹脂等の相分離
のし易い添加物を添加しなくても製造が可能で、テープ
状光ファイバ心線の表面を凹凸のない平滑性の高い表面
にすることが出来る。そのため、光ファイバケーブル中
に積層して収容しても表面の凹凸による伝送損失の悪化
をもたらすことがない。また、表面部分のみが硬い一体
層で形成されているので、被覆層全体の硬化時の収縮が
大きくならず、硬化時に光ファイバに無理な力を与える
ことがなく良好な伝送特性の製品とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)は、それぞれテープ状光ファイバ
心線の横断面図である。
【図2】テープ状光ファイバ心線の製造工程の主要部を
示す図である。
【図3】硬度測定に使用する三角圧子を説明する図で、
(A)は対稜角を説明する斜視図、(B)は三角圧子の
正面図及び側面図である。
【図4】一括被覆の硬度の測定位置を示す断面図であっ
て、(A)は一括被覆の表面部分の硬度の測定位置を、
(B)は一括被覆の内側部分の硬度を測定位置を示す。
【図5】摩擦係数の試験方法を説明する図である。
【符号の説明】
1:ガラスファイバ 2:被覆 3:光ファイバ 4:一括被覆 5:テープ状光ファイバ心線 6:外部一括被覆 7:連結型のテープ状光ファイバ心線 11:供給ボビン 12:光ファイバ 13:ダンサーローラ 14:ガイドローラ 15:集線装置 16:樹脂供給装置 17:塗布装置 18:紫外線照射装置 19:テープ状光ファイバ心線 20:樹脂供給装置 21:塗布装置 22:紫外線照射装置 23:電子線照射装置 24:連結型のテープ状光ファイバ心線 25:引取り機 26:ダンサーローラ 27:巻取りボビン 28:先端部 29:支持部 30:基板 31、33:被測定体であるテープ状光ファイバ心線 32:マンドレル 34:重り 35:張力計 36:引取りキャプスタン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスファイバ上に紫外線硬化型樹脂の
    被覆を施してなる光ファイバを複数本平行に並べてそれ
    らを覆うように紫外線硬化型樹脂からなる一括被覆を施
    したテープ状光ファイバ心線、又は該テープ状光ファイ
    バ心線を更に複数条平行にしてそれらを覆うように紫外
    線硬化型樹脂からなる外部一括被覆を施した連結型のテ
    ープ状光ファイバ心線において、前記一括被覆と前記外
    部一括被覆のうち少なくとも外部に露出した方の被覆
    は、その表面部分が内側部分よりも硬い一体層で形成さ
    れていることを特徴とするテープ状光ファイバ心線。
  2. 【請求項2】 ガラスファイバ上に紫外線硬化型樹脂の
    被覆を施してなる光ファイバを複数本平行に並べてそれ
    らを覆うように紫外線硬化型樹脂からなる一括被覆を施
    したテープ状光ファイバ心線の製造方法、又は該テープ
    状光ファイバ心線を更に複数条平行にしてそれらを覆う
    ように紫外線硬化型樹脂からなる外部一括被覆を施した
    連結型のテープ状光ファイバ心線の製造方法において、
    複数本平行に並べた光ファイバ上又は複数条平行に並べ
    たテープ状光ファイバ心線上に、それらを覆うように紫
    外線硬化型樹脂を塗布して該樹脂に紫外線を照射し、続
    いて電子線を該樹脂に照射して一括被覆又は外部一括被
    覆とすることを特徴とするテープ状光ファイバ心線の製
    造方法。
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