JP2005031208A - 画像記録媒体、それを用いた顔写真付きidカードおよび入館者識別管理システム - Google Patents

画像記録媒体、それを用いた顔写真付きidカードおよび入館者識別管理システム Download PDF

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伊久衞 川島
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
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成伸 平野
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Abstract

【課題】顔写真付きIDカードに利用した場合、単に人物の判別を容易にするフルカラーで書き換え可能な顔写真であるだけでなく、顔写真が撮影された時期が一目で判り、着用者が入館許可者本人であるかどうか、入館許可時間内の滞在者かどうか等を的確かつ即座に識別管理でき、また、有効期限内のIDカードや期限切れのIDカードが悪用されるのを防ぐことができる画像記録媒体、それを用いた顔写真付きIDカードおよび入館者識別管理システムを提供する。
【解決手段】光エネルギーによる書き換えが可能であって、且つ一定時間の屋内照明光の受光により消色状態へ変化するフルカラー画像記録層を有することを特徴とする画像記録媒体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録媒体、それを用いた顔写真付きIDカードおよび入館者識別管理システムに関する。さらに詳しくは、書き換えが可能であって、屋内照明光により、希望する一定時間内に確実に画像が消えることを約束されたフルカラー画像の記録媒体、それを用いた顔写真付きIDカード並びに入館者識別管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、限られた人のみが立ち入ることができる施設、特に館内施設で働く人々(以下、入館者という)の身分を証明する方法として、顔写真入のIDカードを胸部付近に取り付ける方法が広く用いられている。顔写真入りのIDカードは、誰にでも確認が可能で携帯性に優れている点で便利であるが、以下の問題点を抱えている。
第一の問題点は、一般にIDカードの顔写真の撮影時期が、入館直前もしくはそれに近い時期でなく、セキュリティ管理の面で問題があることである。人相や髪型、髪の色などは年数の経過により変化する。顔写真を撮影してIDカードに貼り付けまたは焼き付けした時点から月日・年数が経過するに従って、写真画像と実際が大きく異なることが往々にして起こり、本人であるか特定しにくい。
第二の問題点は、訪問者や施設工事者などの臨時入館者に対するセキュリティ管理面での問題である。臨時入館者にIDカードを発行する場合、多くの場合「Visitor」という表示がついている名札をつけてもらう程度に留まっており、この方法でも本人であるかの特定が十分に出来ない。
【0003】
そこで以上二つの問題点を解決する手段として、書換え可能な表示媒体を用いて、施設内で働く人や来客者の顔写真を書き換えるIDカードが特開2001−155202号公報(特許文献1参照。)、特開2002−207975号公報(特許文献2参照。)で提案されている。
しかし、特開2001−155202号公報で開示されている書換え可能な表示媒体は、白濁型、ロイコ型、磁気型などいずれも単色の可逆表示材料を用いており、カラー顔写真画像と比べると的確かつ瞬時に本人であることが確認しにくく、顔写真画像としては不向きである。
それに対し、特開2002−207975号公報では、カラー画像で、書換え可能なIDカード等のカード類を開示している。表示媒体としては、感熱式のコレステリック液晶化合物を用いる方式とフォトクロミック化合物を用いる方式とが提案されている。
しかし、コレステリック液晶を用いる方式は感熱式であるため、熱の拡散による画像のボケが大きく高精細の画像を形成する方式としては不向きである。また感熱式は画像を形成する際に表示媒体と感熱ヘッドを接触させる必要があるため、接触による感熱ヘッドや表示媒体の磨耗が起こり、耐久性の点で課題が多い。またIDカードがエンボス加工などカード表面に凹凸が存在する場合には感熱ヘッドを密着できず、エンボス加工されているカードには使えないなどの不具合が生じる。
また、フォトクロミック化合物を用いる方式は、有効期限後に、書き換えを行なうと、画像記録部の色または画像が変わることを特徴とするものであるが、この開示技術のみを用いたIDカードでは、例えば、カード着用者が入館許可時間内の滞在であるかどうかまでをも即座に識別管理することは難しく、時代の要請する高度のセキュリテイに対応したレベルにまでは至っていない。
【0004】
また、一方、特開平9−319877号公報で開示されている様に、監視カメラにより常に最新の顔写真が撮影され、モニターで照合するシステムにおいては、常に最新の顔画像を用いてモニター上で人物を照合できるというメリットはあるものの、モニターのある場所で、モニターを操作することによってしか照合ができないため、写真入りのIDカードを用いるような利便性が無い。
【0005】
上述したように、従来の顔写真つきのIDカードにおいては、写真がいつ撮影されたかについての情報をIDカードの写真を見て即座に判断することは困難である。また、入館許可者本人であるかどうかおよび入館許可時間内の滞在であるかどうか等を的確かつ即座に識別管理することも困難である。更にまた、例えば、臨時に顔写真つきのIDカードを発行した来客者や立ち入り期限が過ぎた人がカードを返却せずに持ち帰り、後日再利用する恐れも想定される。
このように従来の顔写真つきのIDカードは、高度なセキュリティーが必要な施設の要望に十分には応えていない現状にある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−155202号公報
【特許文献2】
特開2002−207975号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、顔写真付きIDカードに利用した場合、単に人物の判別を容易にするフルカラーで書き換え可能な顔写真であるだけでなく、顔写真が撮影された時期が一目で判り、着用者が入館許可者本人であるかどうか、入館許可時間内の滞在者かどうか等を的確かつ即座に識別管理でき、また、有効期限内のIDカードや期限切れのIDカードが悪用されるのを防ぐことができる画像記録媒体、それを用いた顔写真付きIDカードおよび入館者識別管理システムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討を重ねた際に、オフィス、研究室、工場等では、作業環境の照度がほぼ一定に確保されていることにおもい至った。そして、フォトクロミック化合物の有する可視光による消色性と作業環境の照明の光エネルギーによる消色性を結びつけ、そしてさらに研究を重ね、鮮明なカラー画像が屋内一定時間内に消色する画像記録媒体をつくり、それをIDカード化し、その有効性を確認し、かくして全体の発明の完成に至ったものである。
【0009】
即ち、本発明によれば、以下に示す画像記録媒体、それを用いた顔写真付きIDカードおよび入館者識別管理システムが提供される。
【0010】
(1)光エネルギーによる書き換えが可能であって、且つ一定時間の屋内照明光の受光により消色状態へ変化するフルカラー画像記録層を有することを特徴とする画像記録媒体。
(2)屋内照度と、消色状態への変化に要する時間(消色時間)との関係が設定されていることを特徴とする前記(1)に記載の画像記録媒体。
(3)該消色時間が、1時間から7日間の範囲内の特定時間であることを特徴とする前記(2)に記載の画像記録媒体。
(4)該消色時間が、1〜12時間の範囲内の特定時間であることを特徴とする前記(2)または(3)に記載の画像記録媒体。
(5)該屋内照度が、30〜3000 lxの範囲内の特定照度であることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の画像記録媒体。
(6)該屋内照度が、300 lxであることを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれかに記載の画像記録媒体。
(7)該フルカラー画像記録層が、紫外光で発色し、可視光で消色するフォトクロミック化合物からなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像記録媒体。
(8)該フォトクロミック化合物として、発色の色相が異なる3種類のフォトクロミック化合物を用いることを特徴とする前記(7)に記載の画像記録媒体。
(9)該3種類のフォトクロミック化合物が、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物とからなることを特徴とする前記(8)に記載の画像記録媒体。
(10)該3種類のフォトクロミック化合物の消色状態における極大吸収波長が400nm未満であることを特徴とする前記(8)または(9)に記載の画像記録媒体。
(11)エンボス加工が施されていることを特徴とする前記(1)〜(10)に記載の画像記録媒体。
(12)IDカードの少なくとも顔写真領域に、前記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像記録媒体を用いたことを特徴とする顔写真付きIDカード。
(13)着衣等の視認可能部分に着脱できる手段を有する前記(12)に記載の顔写真付きIDカード。
(14)入館許可者本人であるかどうか、および入館許可時間内の滞在であるかどうかを識別管理できるセキュリティ管理ための入館者用IDカードである前記(12)または(13)に記載の顔写真付きIDカード。
(15)入館者用IDカードが、臨時入館者用IDカードである前記(14)に記載の顔写真付きIDカード。
(16)前記(14)に記載の顔写真付きのIDカードを用いることにより入館者を識別管理することを特徴とする入館者識別管理システム。
(17)前記(15)に記載の顔写真付きのIDカードを用いることにより臨時の入館者を識別管理することを特徴とする臨時入館者識別管理システム。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、添付図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明の入館者用の写真付きIDカードの表側の概念図である。
IDカード1の表側は、入館者本人の名前や所属などの情報を書き込んだ情報領域2と、顔写真領域3で構成されている。情報領域2には、入館本人の認証番号領域4が改ざんが不可能な様にエンボス加工で施してある。顔写真領域3の画像は、図示してないが、フルカラーの鮮明な顔写真画像である。IDカード1の断面は、図示してないが、白色のポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂基板(厚さ約1mm)の上に、本発明の(1)〜(10)のいずれかに記載の画像記録媒体の層を設け、さらにその上を透明素材の樹脂などの保護層で覆った構成を有している。入館者のフルカラー顔写真画像と名前などの情報は、この画像記録媒体層に記録されたものである。又、図示してないが、IDカード1の裏面には、入館者の衣服の胸部や帽子などに着用しやすいように安全ピンなどの装着手段が設けられている。
【0013】
IDカード1に用いている画像記録媒体は、本発明(1)記載の、光エネルギーによる書き換えが可能であって、且つ一定時間の屋内照明光の受光により消色状態へ変化するフルカラー画像記録層を有する画像記録媒体を基本的に利用したものである。
【0014】
光エネルギーによる書き換えが可能であるとは、入館直前でも書き換え可能であることを意味する。光エネルギーは、紫外光、可視光、赤外光による照射エネルギーを用いることができる。書き換え手段、装置としては、公知のカードリーダ・ライタを、もしくはそれを改良したものを用いることができる。
【0015】
一定時間の屋内照明光の受光により消色状態へ変化するフルカラー画像記録層とは、例えば上記IDカードでは、その入館者が屋内照明光を受光した状態で一定時間が経過すると、フルカラーの写真画像が消色し、他人がIDカードを見た時に、即座に許可時間内の入館者であるかどうかを察知することが出来ることを意味するものである。
【0016】
何故このようなことが可能であるかその理由について述べる。
多くの国において、自国の経済状況、国民の安全や健康、作業能率等を考慮し、自国に適した屋内外の照度基準を定めている。日本では、日本工業規格によって照度基準が決められており、推奨値が設けられている(JIS Z9110参照)。
例えば、工場の制御室の計器盤は1500〜3000 lx、製図室、手術室は750〜1500 lx、受付、制御室、薬局は300〜750 lx、研究室、図書閲覧室は200〜750 lx、金庫室、育児室は150〜300 lx、工場の出入口、通路は75〜150 lxである。日本では、監視員が巡回チェックすることによって、通常この照度基準内に保たれている。
このことは、ある程度の幅はあるとしても、個々の場所では、ほぼ一定の照度の下に入館者はいることを意味している。
従って、屋内照明光の受光により確実に消色するように時間設定されている本発明の画像記録媒体の製品では、例えば上記IDカード1では、他人がIDカードを見た時に、即座に許可時間内の入館者であるかどうかを察知することが出来るものである。
【0017】
本発明(2)は、屋内照度と、消色状態への変化に要する時間(消色時間)との関係が設定されていることを特徴とする前記(1)に記載の画像記録媒体に関する。消色状態は、フルカラー画像の消色状態をいうが、どの状態が消色に至った状態であるかは適宜決めることができるが、本発明では、明らかに画像濃度および色相が初期の画像濃度および色相と異なることが判別できる状態に至った状態を意味する。IDカード管理者はこれを、本人と確認できなくなった実際の状態に換算し用いることができる。
【0018】
本発明(3)は、該消色時間が、1時間から7日間の範囲内の特定時間であることを特徴とする前記(2)に記載の画像記録媒体に関する。
IDカードに利用することを考慮するとこの程度の短期間が望ましい。
【0019】
本発明(4)は、該消色時間が、1〜12時間の範囲内の特定時間であることを特徴とする前記(2)または(3)に記載の画像記録媒体に関する。
訪問者などの臨時にIDカードに利用することを考慮すると、極めて短時間に画像が消色することが望ましい。許可時間を超過した場合には入館管理者に再度書き込みを頼むことになる。
【0020】
本発明(5)は、該屋内照度が、30〜3000 lxの範囲内の特定照度であることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれかに記載の画像記録媒体に関する。
この屋内照度は、前述した日本工業規格に対応した実用的範囲を示したものである。IDカード管理者は、これを目安に各職場、作業場に合ったカードを選択できる。
【0021】
本発明(6)は、該屋内照度が、300 lxであることを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれかに記載の画像記録媒体に関する。
この屋内照度は、研究室等の明るさに対応している。研究室のJIS推奨値は200〜750 lxである。研究室は極めて高いセキュリティが求められる屋内施設であり、300 lxはこれに対応する値として掲げたものである。
【0022】
本発明(7)は、該フルカラー画像記録層が、紫外光で発色し、可視光で消色するフォトクロミック化合物からなることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像記録媒体に関する。本発明(8)は、該フォトクロミック化合物として、発色の色相が異なる3種類のフォトクロミック化合物を用いることを特徴とする前記(7)に記載の画像記録媒体に関する。さらに、本発明(9)は、該3種類のフォトクロミック化合物が、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物とからなることを特徴とする前記(8)に記載の画像記録媒体に関する。さらに又、本発明(10)は、該3種類のフォトクロミック化合物の消色状態における極大吸収波長が400nm未満であることを特徴とする前記(8)または(9)に記載の画像記録媒体に関する。
これらの発明について、以下に纏めて説明する。
【0023】
フォトクロミック化合物は、紫外線で発色し、可視光で消色するという特徴を有している。従って、フォトクロミック化合物を画像記録媒体の記録材とすることによって、紫外線の光エネルギーによる書き換えが可能であって、且つ一定時間の屋内照明光の受光により消色状態へ変化する画像を記録することが出来る。また、フォトクロミック化合物を利用する画像記録媒体は、光で発色消色を制御できるという特徴を有しているため、熱記録や磁気記録の様に書きこみヘッドとカードを密着させる必要が無いという利点を有している。
また、フォトクロミック化合物として、発色時にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)をそれぞれ発色する少なくとも3種類のフォトクロミック化合物を発色材料として用いることにより、フルカラーの色を表示することが出来る。イエロー発色材料は、発色時に400nm以上500nm未満の範囲に極大吸収波長を持っている。またマゼンタ発色材料は発色時に500nm以上600nm未満の範囲に極大吸収波長を持っている。またシアン発色材料は、発色時に600nm以上700nm未満の範囲に極大吸収波長を持っている。
また、該3種類のフォトクロミック化合物は、消色状態において極大吸収波長が400nm以下の紫外領域にあることが消色時に白色を得るためには必要になる。3種類のフォトクロミック材料が全て発色した場合にはYMC全ての波長領域の光が吸収するため黒色の表示になる。イエロー発色材料のみが消色した場合には青色、マゼンタ発色材料のみが消色した場合には緑色、シアン発色材料のみが消色した場合には赤色の表示になる。また3種類全てのフォトクロミック材料が消色した場合には白色になり、これら3種類のフォトクロミック材料の消色程度を組み合わることによりフルカラーの色相が得られる特徴を有する。
【0024】
更にまた、本発明においては、記録された画像が、一定時間の屋内照明光の受光によって消色する必要があるので、本発明で用いられるフォトクロミック化合物は更に限定的なものになる。本発明で用いられるフォトクロミック化合物は、画像記録媒体を作製し、画像を記録し、それに屋内照明光により、30〜3000 lxの範囲にある特定照度の光を照射し、その消色時間を測定することによって、選択決定することが出来る。
【0025】
例えば、屋内照度300 lx下で、7日以内に消色状態に至るフォトクロミック化合物には以下のものがある。但し、これらに限られるものではない。
イエロー発色を示すフォトクロミック化合物としては、2−[1−(5−メチル−2−p−ピリジル−4−オキサゾリル)エチリデン]イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(3,5−ジメチル−4−イソオキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(2−フェニル−5−メチル−4−オキサゾリル)ステアリリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物が挙げられる。
マゼンタ発色を示すフォトクロミック化合物としては、2−[1−(2,5−ジメチル−3−チエニル)エチリデン]イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(2,5−ジメチル−1−フェニルピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(3−メトキシ−5−メチル−1−フェニル−4−ピラゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(2−メチル−5−スチリル−3−チエニル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物が挙げられる。
シアン発色を示すフォトクロミック化合物としては、2−[1−(1−フェニル−2,5−ジメチル−3−ピロリル)エチリデン]イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[1−(1,2,5−トリメチル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物、2−[2,6−ジメチル−3,5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ベンジリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸無水物が挙げられる。
【0026】
本発明(11)は、エンボス加工が施されていることを特徴とする前記(1)〜(10)に記載の画像記録媒体に関する。
画像記録媒体には、利用目的に沿って、保護層などにラベル、印刷、全層にわたるエンボス加工などが施されることがある。この中でエンボス加工は、改ざん防止に効果があり、よく行われている。本発明の画像記録媒体は、エンボス加工などが施されていても、書き換えと消色が可能であるという大きな利点を有している。
【0027】
本発明(12)は、IDカードの少なくとも顔写真画像領域に、前記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像記録媒体を用いたことを特徴とする顔写真付きIDカードに関する。本発明(13)は、着衣等の視認可能部分に着脱できる手段を有する前記(12)に記載の顔写真付きIDカードに関する。本発明(14)は、入館許可者本人であるかどうかおよび入館許可時間内の滞在であるかどうかを識別管理できるセキュリティ管理ための入館者用IDカードである前記(12)または(13)に記載の顔写真付きIDカードに関する。さらに本発明(15)は、入館者用IDカードが、臨時入館者用IDカードである前記(14)に記載の顔写真付きIDカードに関する。
これらの発明については、すでに図面によりその主要内容を説明した。以下に補足的に説明する。
【0028】
本発明(12)〜(15)の顔写真付きIDカードは、以下に述べるようなセキュリティーの観点からのメリットを有している。
画像記録媒体に用いられているフォトクロミック化合物は、可視光で消色する材料であるため、長時間室内照明に曝されると徐々に発色の色が薄くなる。薄くなる速度は化合物によって大きく異なり、300 lx下の照明下で、約10分で半分の色濃度まで消色する材料から1週間以上経ってもほとんど色濃度が変わらない材料まで様々に存在する。例えば12時間程度で色濃度が半減する材料を用いたとすると、顔写真つきのIDカードは、通常胸部の目立つ所にとりつけることが義務付けられるため、常に室内光に曝されることになる。従って、写真画像の更新を毎日行わないと写真画像が薄くなってしまい、特に当日に限定して発行する臨時のIDカードなどにおいては、翌日に使うことが不可能になり、セキュリティ管理上非常に有効な手段になる。また、常勤者であっても毎日出勤時にカメラにより撮影した顔写真をIDカードに表示させることにより、その日の髪型や髪の色、服装などに応じた写真を携帯させることが可能となり、非常にセキュリティの厳しい箇所のIDカードなどにおいては極めて有効になる。
【0029】
本発明(16)は、前記(14)に記載の顔写真付きのIDカードを用いることにより入館者を識別管理することを特徴とする入館者識別管理システムに関する。さらに本発明(17)は、前記(15)に記載の顔写真付きのIDカードを用いることにより臨時の入館者を識別管理することを特徴とする臨時入館者識別管理システムに関する。
本発明の顔写真付きのIDカードは、光記録分野で公知もしくは改良したコンピューターを用いたカードリーダ・ライタにより画像記録、情報記録の書き込みと消去が可能である。また、入館時、退館時のカード管理も公知もしくは改良したコンピューターを用いた管理システムを採用しうる。また、カードリーダ・ライタと管理システムを組み合わせると更に便利である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0031】
[実施例1]
イエロー発色を示すフォトクロミック化合物としては、2−[1−(5−メチル−2−p−ピリジル−4−オキサゾリル)エチリデン]イソプロピリデンコハク酸無水物(以下PC−Yと略す)を用いた。PC−Yは、発色状態において450nmに極大吸収波長を持ち、消色状態において紫外線領域に極大吸収波長を持っている。マゼンタ発色を示すフォトクロミック化合物としては、2−[1−(2,5−ジメチル−3−チエニル)エチリデン]イソプロピリデンコハク酸無水物(以下PC−Mと略す)を用いた。PC−Mは、発色状態において550nmに極大吸収波長を持ち、消色状態において紫外線領域に極大吸収波長を持っている。シアン発色を示すフォトクロミック化合物としては、2−[1−(1−フェニル−2,5−ジメチル−3−ピロリル)エチリデン]イソプロピリデンコハク酸無水物(以下PC−Cと略す)を用いた。PC−Cは、発色状態において630nmに極大吸収波長を持ち、消色状態において紫外線領域に極大吸収波長を持っている。
PC−Y、PC−M、PC−Cとポリスチレンを1:1:1:4の質量比で混合し、トルエンに溶解した後、0.8mm厚みの白色PET基板上にスピンコートし、2μmの厚みに発色層を形成した。その上に保護層としてポリビニルアルコールの薄膜(厚さ2μm)を塗布した。
【0032】
[実施例2]
実施例1で作成したサンプルを図1のIDカード1の形状に切り出し、情報領域2および顔写真領域3に紫外線蛍光灯を照射して黒色に発色させた後、発振波長405nmの青色半導体レーザー、発振波長530nmの緑色半導体レーザー、発振波長670nmの赤色半導体レーザーを用いて情報領域2および顔写真領域3の情報を書き込んだ。顔写真領域にはフルカラーの写真画質の顔写真情報が書き込まれた。このサンプルをサンプル1とする。
【0033】
[実施例3]
実施例1で作成したサンプルを図1のIDカード1の形状に切り出し、認証番号領域4のエンボス加工領域を形成した。その後、情報領域2および顔写真領域3に紫外線蛍光灯を照射して黒色に発色させた後、発振波長405nmの青色半導体レーザー、発振波長530nmの緑色半導体レーザー、発振波長670nmの赤色半導体レーザーを用いて情報領域2および顔写真領域3の情報を書き込んだ。顔写真領域にはフルカラーの写真画質の顔写真情報が書き込まれた。このサンプルをサンプル2とする。
【0034】
[実施例4]
サンプル1および2を室内照明300 lxの照明下で12時間保持した。サンプル1、2ともに形成した情報領域2および顔写真領域3が消失し、一見して画像形成後、時間が経過したことが明らかに判った。
【0035】
[実施例5]
サンプル1およびサンプル2に顔写真画像を形成後、再び情報領域2および顔写真領域3に紫外蛍光灯を照射して黒色に発色させた後、発振波長405nmの青色半導体レーザー、発振波長530nmの緑色半導体レーザー、発振波長670nmの赤色半導体レーザーを用いて情報領域2および顔写真領域3に別の情報を書きこんだ。情報領域2および顔写真領域3に別の情報および顔写真情報を書き込むことが出来ることを確認した。
【0036】
【発明の効果】
本発明(1)〜(10)によれば、書き換えが可能であって、屋内照明光により、希望する一定時間内に確実に画像が消えることを約束されたフルカラー画像の記録媒体が提供できた。
本発明(11)によれば、偽造防止等のためにエンボス加工が施されていても、書き換えが可能であって、屋内照明光により、希望する一定時間内に確実に画像が消えることを約束されたフルカラー画像の記録媒体が提供できた。
本発明(12)〜(15)によれば、単に人物の判別を容易にするフルカラーで書き換え可能な顔写真であるだけでなく、顔写真が撮影された時期が一目で判り、着用者が入館許可者本人であるかどうか、入館許可時間内の滞在者かどうか等を的確かつ即座に識別管理でき、また、有効期限内のIDカードや期限切れのIDカードが悪用されるのを防ぐことができる顔写真付きIDカードが提供できた。
本発明(16)および(17)によれば、コンピューター利用のカードリーダ・ライタや管理システムと組み合わせることにより、高度のセキュリティを実現できる入館者および臨時入館者識別管理システムが提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入館者用の写真付きIDカードの表側の概念図である。
【符号の説明】
1 IDカード
2 情報領域
3 顔写真領域
4 認証番号領域

Claims (17)

  1. 光エネルギーによる書き換えが可能であって、且つ一定時間の屋内照明光の受光により消色状態へ変化するフルカラー画像記録層を有することを特徴とする画像記録媒体。
  2. 屋内照度と、消色状態への変化に要する時間(消色時間)との関係が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録媒体。
  3. 該消色時間が、1時間から7日間の範囲内の特定時間であることを特徴とする請求項2に記載の画像記録媒体。
  4. 該消色時間が、1〜12時間の範囲内の特定時間であることを特徴とする請求項2または3に記載の画像記録媒体。
  5. 該屋内照度が、30〜3000 lxの範囲内の特定照度であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の画像記録媒体。
  6. 該屋内照度が、300 lxであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の画像記録媒体。
  7. 該フルカラー画像記録層が、紫外光で発色し、可視光で消色するフォトクロミック化合物からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像記録媒体。
  8. 該フォトクロミック化合物として、発色の色相が異なる3種類のフォトクロミック化合物を用いることを特徴とする請求項7に記載の画像記録媒体。
  9. 該3種類のフォトクロミック化合物が、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物とからなることを特徴とする請求項8に記載の画像記録媒体。
  10. 該3種類のフォトクロミック化合物の消色状態における極大吸収波長が400nm未満であることを特徴とする請求項8または9に記載の画像記録媒体。
  11. エンボス加工が施されていることを特徴とする請求項1〜10に記載の画像記録媒体。
  12. IDカードの少なくとも顔写真領域に、請求項1〜11のいずれかに記載の画像記録媒体を用いたことを特徴とする顔写真付きIDカード。
  13. 着衣等の視認可能部分に着脱できる手段を有する請求項12に記載の顔写真付きIDカード。
  14. 入館許可者本人であるかどうか、および入館許可時間内の滞在であるかどうかを識別管理できるセキュリティ管理のための入館者用IDカードである請求項12または13に記載の顔写真付きIDカード。
  15. 入館者用IDカードが、臨時入館者用IDカードである請求項14に記載の顔写真付きIDカード。
  16. 請求項14に記載の顔写真付きのIDカードを用いることにより入館者を識別管理することを特徴とする入館者識別管理システム。
  17. 請求項15に記載の顔写真付きのIDカードを用いることにより臨時の入館者を識別管理することを特徴とする臨時入館者識別管理システム。
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