JP2000348156A - 隠蔽性情報記録媒体 - Google Patents
隠蔽性情報記録媒体Info
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Abstract
線照射によって記録情報を選択的に読み取ることが可能
な隠蔽性情報記録媒体を提供すること。 【解決手段】 機密保持を要する秘密情報を可視光下に
おいて隠蔽して記録できるようにした隠蔽性情報記録媒
体であって、支持体と、前記支持体の全面または一部に
形成された、紫外線の照射により発光または発色性が発
現する第一記録層と、前記第一記録層上に形成された、
可視光下において無色透明性を有しかつ紫外線の照射に
よって可逆的に紫外線非透過性に変化するフォトクロミ
ック材料からなる第二記録層、とからなることを特徴と
する、隠蔽性情報記録媒体。
Description
秘密性情報を可視光下において隠蔽して記録できるよう
にした隠蔽性情報記録媒体に関し、さらに詳しくは、可
視光下において目視的に視認できず、紫外線下において
記録情報を選択的に読み取ることを可能とする隠蔽性情
報記録媒体に関するものである。
カード類、金券類、秘密文書や記録物など秘密情報に関
わる物品類等には、個人や団体等の名前やコード番号、
その他など守秘性の記録がなされている。守秘性を具備
させる方法としては、一般に目視不可能な記録、例えば
磁気記録その他が用いられていることは良く知らてい
る。磁気記録は特定の読み取りデバイスによって内蔵情
報を読み取ることが出来る。また、目視可能なマクロ印
刷等においても、バーコード記録した特定の解読デバイ
スで読み取る方法もある。更に秘密性を保護するため
に、ホログラムを利用した回折格子を用いてミクロバー
コードを形成しておき、特定の読み取りデバイスで読み
取るなどの各種の方法が使われている。
材料を用いた場合には、任意情報の更新記録が可能であ
るが、マクロな印刷バーコードは感熱転写法や電子写真
法などを用いれば可変情報記録が可能である。一般印刷
やミクロなバーコードなどでは予め固定情報を記録する
ように準備した後製造される。従って、一般に記録部分
が殆ど目視不可能で、且つ可変情報を任意に記録した
り、消去/再記録が出来ないのが普通である。
の有無や極性の相違を感知して読み取る方法は、一般に
感知用の磁気ヘッドを装着したデバイスを用い、記録磁
気層面をスキャンニングしながら磁気の強弱をデジタル
信号として感知し、定められた文字、記号などに電気的
に変換し、これをディスプレイ表示やプリントアウトす
ることによって一般目視画像とするものである。この方
法は既に古くから使用されている極めて一般的な隠蔽性
記録保存方法であるが、記録システムを熟知していれば
容易に第3者が解読でき、秘密保持性が余り存在しない
と評価されている。勿論複雑なシステム構成にして守秘
性を高める事が出来るが、装置が複雑化するに従ってシ
ステムも高価なものとなってしまう。
め固定情報を記入しておき、その情報を検知して正誤の
判定をするのであるが、例えば個人の任意情報を自由に
書き込み、個人別に判定をするような事は不可能ではな
いが経済的技術的に困難をともなう。即ち、この方法は
任意記録性の点において必ずしも有効ではない。
熱記録法や光発色記録法その他のコピー技術などで知ら
れる通常記録法を利用する事が出来るが、記録と同時に
記録内容が目視確認できるので守秘性において著しく劣
る。従って、守秘性を重要視する場合には、記録内容を
コード化するなどの方法によって対処している。
類、カード類、書類などの偽造防止性や守秘性を保つ為
に、安価な材料構成で且つ簡単なシステムに基づく安全
性の高い方法の開発が望まれている。
媒体は、上述した課題を解決するものであり、より詳し
くは、機密保持を要する秘密情報を可視光下において隠
蔽して記録できるようにした隠蔽性記録媒体であって、
支持体と、前記支持体の全面または一部に形成された、
紫外線の照射により発光または発色性が発現する第一記
録層と、前記第一記録層上に形成された、可視光下にお
いて無色透明性を有しかつ紫外線の照射によって可逆的
に紫外線非透過性に変化するフォトクロミック材料から
なる第二記録層とからなることを特徴とするものであ
る。
二記録層が、環状アゾベンゼン2量体を主成分として含
むフォトクロミック材料からなり、さらに、上記第一記
録層が、蛍光体、燐光体、または発色性フォトクロミッ
ク材料からなる。
層上に紫外線透過性透明保護層が形成されていてもよ
い。
体の前記第一記録層と第二記録層とからなる隠蔽性記録
部に、紫外線による所望の情報に基づくパターン露光を
行って、前記第二記録層の露光部を紫外線不透過部に変
化させることによって情報記録を行い、特定の紫外線に
よって前記第一記録層の未露光部を発光および/または
発色させることにより、前記第二記録層に形成された紫
外線不透過部の非発光および/または非発色部との対比
により情報の視覚による認識を可能にしたことを特徴と
する隠蔽性情報の書き込み/読み出し方法を包含する。
体の前記第一記録層と第二記録層とからなる隠蔽性記録
部に、紫外線による全面露光を行って、前記第二記録層
の全面を紫外線不透過とし、該第二記録層に、所望の情
報に基づきパターン状に加熱を行うことにより、前記第
二記録層の加熱部を紫外線透過部に変化させることによ
って情報記録を行い、特定の紫外線によって前記第一記
録層の未露光部を発光および/または発色させることに
より、前記第二記録層に形成された紫外線不透過部の非
発光および/または非発色部との対比により情報の視覚
による認識を可能にしたことを特徴とする隠蔽性情報の
書き込み/読み出し方法を包含する。
記録層に紫外線または熱により形成されたパターン情報
を、可視光および/または熱により可逆的に消去する、
記録情報の消去方法を含む。
録情報を認識し確認し得る情報記録媒体を提供するもの
であるが、書込み情報は通常可視光(白色光)下で目視
出来ず、特定光下でのみ目視可能となるような情報記録
媒体を提供するものである。
普通であるが、上述したように記録原理が熱や光による
材料の発色又は消色を利用しているので、書込み時点で
その情報認識が目視によって可能である。
ズムを現出するフォトクロミック材料を利用するもので
ある。フォトクロミック材料は一般的に光書き込み、光
消去(又は熱消去)が可能であり、通常は短波長光で書
き込み、長波長光で消去できる。
利用され、書込み情報を目視する為に発色性(又は消色
性)材料を用い、記録が不用になった時には適時長波長
光や熱で記録を消去して再び書込みを行なう。このよう
に反復記録性を有する材料である。
る。
物質に変化し、この変化によって異なる光吸収性を示
す。従って色変化を生じ目視可能な光記録が出来る。一
方B物質に光1と異なる波長の光2(一般にはより長波長
光)を照射すると元のA物質に戻る(熱でもよい)。あ
る物質が異なる光により異性化したり元の構造に戻った
りする可逆的変化を示す事をフォトクロミズムを示すと
言う。
われ、ある色から他の色に変化する現象が実用的に利用
されている(例,フォトクロミック眼鏡、紫外線変色衣
服など)。即ち無色⇔有色、或いは有色⇔他の有色への
変化の利用である。
収が紫外線又は近紫外線領域で起こり、光異性化後紫外
線吸収性を示す材料を見出して利用したものである。紫
外又は近紫外領域の光吸収なので材料の変化は無色⇔無
色となり白色光下では認識できない。しかし紫外線領域
での吸収変化を利用すれば、補助的手段によって可視化
可能と出来るので認識する事が出来る。
ミック材料は可視光領域には吸収が無く、即ち無色の透
明材料である。又光異性化時の光吸収領域が紫外線領域
で異なるので、一方の吸収波長を補助的手段として効果
的に活用する事によって目視可能な状態に構成する事が
出来るのである。
細に説明する。
基本的構成を示す断面図である。
は、支持体1上に第一記録層2と第二記録層3がこの順
序で形成されており、さらに必要に応じて第二記録層3
上に紫外線透過性透明保護層4が形成されている。
下において無色透明性を有しかつ紫外線の照射によって
可逆的に紫外線非透過性に変化するフォトクロミック材
料からなる。本発明の好ましい態様においては、上記第
二記録層は、環状アゾベンゼン2量体を主成分として含
むフォトクロミック材料からなる。
外線照射によって形成された露光部3aと未露光部3b
の光吸収特性が、両者ともに紫外線領域(近紫外線領域
を含む)にあり(したがって目視的には実質的に無色透
明)、しかも露光部3aは特定の紫外線吸収性が高いが
(紫外線隠蔽性を持つ)、可視光は未露光部3bと同様
に透過するので可視光下においては目視によってこれを
識別することはできない。
成された露光部3aと未露光部3bを識別する機能を付
与する手段として第一記録層2が設けられている。この
第一記録層2は、紫外線の照射により発光または発色性
が発現する材料からなり、好ましくは、 蛍光体、燐光
体、または発色性フォトクロミック材料からなる。すな
わち、この第一記録層2は、照射紫外線を可視波長に変
換放出して可視光下において肉眼によって識別し得る蛍
光色等を生じる。例えば、露光部22と未露光部21を判別
する補助手段として蛍光体層3が設けてある。
第二記録層のフォトクロミック材料の光異性化に対する
活性化光と異なる波長を選択し、フォトクロミック材料
の感光性を刺激しない波長を使用することが肝要であ
る。この理由は、第二記録層3のフォトクロミック材料
を活性化する波長の光では、未露光部3aに露光部3b
と同様の光異性化反応を生じさせ、これにより、既に形
成されている露光パターンが認識できなくなるからであ
り、さらにフォトクロミック材料の特性劣化(光劣化)
を起こし、寿命低下の原因となるためである。
録層3)の活性化光でなく、蛍光体(第一記録層2)を
蛍光発色できる波長の紫外光を照射することによって、
第二記録層3の露光部3aはその波長光を吸収し、未露
光部3bは透過してその下層の第一記録層2を刺激して
発色させる。したがって、露光部3aの蛍光体は地色の
ままであり、未露光部3b下の蛍光体のみが発色するの
で露光部3aの情報を目視によって認識することが可能
となる。
着色されたものからなるが、その発色は鮮明である。し
たがって、明所でも地色部と発色部の差によるパターン
認識が可能であり、また暗所あるいはやや暗い場所など
では、発色部は発光色でもあるから露光部3aは暗く
(あるいは黒く)、一方、未露光部3bは明るくなるの
で鮮明なパターン認識が可能である。
る場合は、蛍光体活性化光が存在している時間だけ発光
又は発色するので、その活性化光を遮断するとパターン
認識が不能となる即時的な効果を持つ。従って特にセキ
ュリテイ保持における秘密隠蔽などに有効となる。記録
の読み取りは紫外線照射時の目視、又は蛍光体発光波長
光に感応するセンサーを持つ機械読み取りで行なうこと
ができる。
燐光体を蛍光体の代りに用いると、活性化光照射中止後
も発光又は発色が持続するので、ある時間パターン認識
可能な状態を保持する事が出来る。この場合には有害な
紫外線光が存在しない状態で長時間認識が可能なので、
人体に安全であり、又長文テキストなどの読み取り時間
の掛かるものなどに都合がよい等の新たな特徴を付与す
る事ができる。
可逆的異性化反応によって2種類の安定した構造間で変
化するので、図1に示すような記録材料は情報の記録後
これを消去して再記録することで復使用が可能となる。
したがって、可変情報等を任意に書き換えながら使用す
ることができる。
しの内に順次別の非可逆的な異性化反応が起こり、機能
が低下する。すなわち、いわゆる疲労の進行により最終
的には機能が停止する。例えば、代表的なフォトクロミ
ック材料であるスピロピラン系材料では数10回〜数1
00回の反復記録機能しか保有しないことが判明してい
る。材料によって反復回数の多寡はあるものの基本的な
特性は同じなので記録の保持性に関してはやや不安定で
ある。
記録光成分と消去光成分が若干なり含まれていると、読
み取り操作中に可逆的な異性化反応がミクロ的に繰り返
されているので次第に劣化する現象もある。この現象は
室温程度の熱エネルギーでも起こるので記録の長期安定
性を阻害する要因の一つとなっている。
フォトクロミック材料を選択することが好ましい。以
下、この好ましいフォトクロミック材料について説明す
る。
保持する為に更に反応を進行させ、光異性体の会合状態
を形成させる方法(J会合体)や第3の光安定化状態の
構造まで異性化反応を進行させて、光反応性を不活性化
する方法が見出されている。更にこれらの光安定な異性
体は熱エネルギーに対してもある温度レベルまでは安定
である事が判明している。すなわち、このあるレベル以
上(例えば数十℃〜百数十℃)の熱エネルギー下におい
て、安定な異性体から可逆的に元の安定なフォトクロミ
ック物質に戻る性質がある。この特性は記録材料の耐久
性を保持する。したがって、このようなフォトクロミッ
ク材料は、光記録体として反復使用でき、光及び熱によ
って室温付近で安定で耐久性のある反復記録材料として
利用が可能となる。
ロピラン(SP−1822)のPMMAフィルムがあ
り、35℃以上の温度下で紫外線照射するとJ会合体が
形成される。J会合体は光不活性なので読み取り光に対
して安定であるが、60℃で元のSP−1822に可逆
的に戻る。すなわち、光記録−熱消去を繰り返し行なう
事が出来る。しかし、元フィルム及びJ会合体の光吸収
領域は夫々可視光領域にあって着色状態が目視出来る可
逆的色変化現象でもある。したがって、本発明の隠蔽性
記録材料として利用するには不適当な材料である。
ゼン2量体を主成分として含むフォトクロミック材料が
本発明の第二記録層の材料として好適であることを見出
している。すなわち、このフォトクロミック材料は、光
照射により元物質Aから比較的不安定な物質Xを経由
し、上記J会合体の特性に近い安定な物質Bとなり、更
にBは、熱または他の強力光で元のAに可逆的に戻る特
性を有している。このA、B物質の光吸収領域は紫外線
領域であり、可視光下では両者の判別ができない。した
がって、紫外線領域において可逆的に変化するこのよう
なフォトクロミック材料が本発明の第二記録層の材料と
して好適である。
セスである為に、光記録材料として用いる場合に読み出
し光によって逆反応が進行し、次第に記録が消滅してし
まう。本発明者等が発見したのは2光子反応が可能な分
子が存在し得ることで、この分子は1光子吸収した所で
従来型の不安定な異性化が起こり、この段階では容易に
元の光照射前の分子に戻り得るが、更に1光子吸収する
と反応が更に進行し安定な別の異性体となり、もはや読
み出し光の影響を殆ど受けない分子構造をとる。
トクロミック反応は従来知られていなかったものであ
る。図2に示すように、この状態の変化は、安定な元分
子(トランス−トランス体)と変化後の(シス−シス
体)の間に不安定な(トランス−シス体)が存在する。
ミック化合物は、アゾベンゼン(従来型フォトクロミッ
ク化合物)を短いスペーサー鎖で環状に結合したもので
ある(図2のA)。この物質はアゾベンゼン誘導体と同
様に366nm光と440nm光を交互に照射すること
によって、吸収スペクトルが大きく異なる(トランス−
トランス体)(図2のA)と(シス−シス体)(図2の
B)の間を可逆的に移行する。両者の移行過程をスペク
トル分析すると実際に不安定な中間体(トランス−シス
体)(図2のC)の存在を確かめる事ができる。
2量体としては、以下のものが使用できる。通常のフォ
トクロミック特性を示すアゾベンゼン(図4のC)の2
分子を環状結合させる鎖材料(スペーサー鎖)として、
脂肪族化合物を用いたもの(図4のA)と芳香族化合物
の環状鎖を用いたもの(図4のB)があり、各々の分子
の橋架け機能を利用することによって容易に合成するこ
とができる。
及び近紫外領域にあり、両者の判別は前述した紫外発光
または発色の蛍光体等(第一記録層)を視認補助手段と
して用いることより可能となる。簡便には、市販の蛍光
紙(紫外線吸収により青色発光)を第一記録層とし、こ
の上にフォトクロミック材料層を第二記録層として形成
することによって本発明の情報記録媒体を構成すること
ができる。
2光子反応の挙動を示す例として、図3に示すナフタロ
ビラン誘導体(図3のA)が同様な不安定中間体(図3
のB)を経由し、化合物(図3のC)を生成する2光子
型フォトクロミック反応を示す。しかし、上記材料は、
可視光領域での光吸収変化を示すので、すなわち、有色
変化なので、本発明には使用に適さないものである。
体、燐光体、発色性フォトクロミック材料を以下に述べ
る。
GYL−A(白−緑)、YO−F(白−赤)、GDF−
OR(赤み白−オレンジ)等(商品名:根元特殊化学株
式会社製、()内表示は原色−発光色を示す)が使用可
能である。上記蛍光体の励起光としては245nm、3
65nmなどが用いられる。
ば帝国インキ製造株式会社のVG蛍光インキ、EG蛍光
インキ、NAN蛍光インキ等のシリーズインキが使用可
能であり、各インキの設定色は黄色、橙色、赤色、紅
色、藍色、緑色等である。特にBLインキシリーズは塗
布色がほぼ無色で、発光色が赤、青、緑を示すので好適
である。
して従来の硫化物系を主体としたもの(蓄光時間は比較
的短いが一般に高輝度)、酸化物系を主体としたもの
(蓄光時間が長いが輝度はやや低い)などが使用可能で
ある。
1,3,3、トリメチルインドレニン−6‘−ニトロベ
ンゾピリルスピラン、1,3,3、トリメチルインドレ
ニン5−クロル−6‘−ニトロベンゾピリルスピラン、
1,3,3、トリメチルインドレニン−6‘−ニトロ−
8’−メトキシベンゾピリルスピラン等のインドレニン
誘導体、チアゾール誘導体、オキサゾール誘導体等が使
用可能である。
る逆フォトクロミック材料としては、1,3,3、トリメ
チルインドレニン−8‘−COOHベンゾピリルスピラ
ン、スピロピランをある固体に吸着させたもの(工化
誌、71巻、10号、1967)、スピロピランに水素供与性分
子を添加したもの、或いはスピロピランの塩(工化誌、
71巻、8号、1968)、更にニトロセルロース高分子にス
ピロピランを溶入したもの等が使用可能である。
じて、各種、紙類、プラスチックフィルム等が用いら
れ、特に限定されるものではない。
を利用した具体的な応用例について説明する。
ポリエステル、アクリル、塩ビ、トリアセテート樹脂等
の高分子フィルム類、ガラス板等)に透明バインダーと
共に塗布されている場合には、任意のパターンを紫外線
露光下後、別の支持体(任意)面上に形成された蛍光体
層を有する蛍光体板を裏面に置き、記録面を透して紫外
線を当てると未露光部のみが蛍光を発するので文字や記
号、図面等が目視できる。別の方法としては紫外線光源
を有するコピー装置(例えば、電子写真方式、ジアゾ紙
方式など)を用いて複写することが可能であるので、こ
の隠蔽性記録物から多数枚の定着型複製を作成すること
もできる。
発明のフォトクロミック層を形成し、任意の記録を行な
い、紫外線認識装置のような装置によってその記録を認
識して身分証明や印刷物等の真贋判別に使用することも
できる。
や光消去によって繰り返し再利用ができるので任意にか
つ複数回にわたって書き換えできる。また、この応用例
では記録は透明なので通常は肉眼によって識別すること
ができないが、限定された条件下でのみ認識でき秘密を
要する文書などに広く利用することができる。
記録層と第二記録層として、蛍光体層とフォトクロミッ
ク層を形成させた場合は、より簡便な秘密情報の記録媒
体として使用することができる。例えば、クレジットカ
ードなどにおいては、発券時に所有者認識記録を入れら
れるので、予め一連の固定コードを入れておかなくても
即時的に記録・発券ができるという利点がある。特に短
期的で多量の発券類、例えば入場券や一時利用券などの
場合には再記録機能も効果的に利用することができるの
で、極めて有利である。
外線照射下で読み取るには時間が必要であり、その時間
紫外線照射のままでは人体に害を及ぼす可能性がある。
そのような場合には、前述したように蛍光体の代りに燐
光体を蛍光体と同様に適当な透明バインダーと共に塗布
して情報記録媒体を構成することができる。このような
燐光体は紫外線エネルギーを貯え暫時経時的に放出する
ことから、一般に数分から数時間以上の燐光を発する。
従って、紫外線照射後長時間安全な目視条件下で読み取
る事が出来る。
に機密性を必要としない通常の記録書類でも、不用な時
には消去しておき、反復書き換えすることができるので
省資源的な用途に特好適である。
する場合には、蛍光体、燐光体以外に前記のフォトクロ
ミック材料を目視補助手段として利用することもでき
る。例えば、前述のスピロピラン系で元材料が無色であ
り、紫外線異性化により発色する無色−有色系の変化を
用いると、白色光下で鮮明な色素像を形成するので目視
読み取りが極めて容易となる。
本発明の使用材料と類似しているので利用しやすい。こ
の場合はフォトクロミック材料の室温や室内光による自
然退色で記録が不鮮明になっても、再び紫外線照射する
と復活させることもできる等の特徴も発現する。
の耐久性(寿命)が必要なので、表面保護の為に透明で
紫外線透過性の保護膜を形成しておく方が好ましい。保
護膜は一般に薄いので若干の紫外線吸収性を有する材料
を用いても実質的な弊害はない。このような紫外線透過
性保護材料としては、硬質アクリル樹脂系、シリコーン
樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリアミド系樹脂、ポリ
イミド系樹脂、キシレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、その他の汎用保護
膜材料が使用できる。
しては三菱化学(株)製、商品名、ユピマーUWH60
00、同7000、東芝シリコーン(株)製、商品名、
UVHC8553、同8558等は表面硬度が高いので
保護層用材料として好ましい。
記録方法としては、一般的な紫外光を制御して使用し、
例えばガスレーザー光の利用のように記録面を操作記録
するか、任意パターンを光遮蔽マスクとして記録する方
法がある。この場合には光照射部は紫外線遮蔽性とな
る。
化する傾向があるが、一般に消去用に用いる熱エネルギ
ーを、逆に記録用に用いる事も出来る。例えば、半導体
レーザーは近赤外又は赤外光を発信しており、これを利
用することができる。この場合には予めフォトクロミッ
ク層を紫外光に全面暴露し、一旦異性化させて紫外線不
透過性とした後、半導体レーザーの赤外光を照射して熱
変換すると、照射部は元のフォトクロミック材料に戻っ
て紫外線透過性となる。この変化を利用すれば前記紫外
線書込みの時と逆型のパターン(即ちネガ/ポジの関係
にある)が選られる。
り、しかもデジタル的な情報処理ツールとして安価にか
つ汎用的に用いられているので、これを適用するのが有
利である。この場合、熱変換用赤外線吸収層を設けてお
く方法を適用してもよい。この場合、記録の消去は紫外
線照射で行ない、再度反復して半導体レーザーで別の情
報を書き込む事ができる。
して、感熱記録ヘッドを有する感熱記録装置を用いるこ
ともできる。この場合は通常の感熱記録紙の代りに紫外
線を照射した上記異性化フォトクロミック層を予め形成
しておき、同様に感熱記録材料として使用できる。
成からなる3層の塗布層を形成させた。塗布層の構成は
次の通りとした。
クロミック層/透明保護層 各層の組成: (蛍光体層)市販の無色蛍光体インキを用い、ポリエス
テルフィルム面にバーコート方で塗布し温風乾燥して厚
さ30μmの蛍光体層を形成した。使用した蛍光体イン
キは帝国インキ製造(株)製BLインキシリーズの中の
BLグリーン(発光ピーク波長:535nm、緑色)で
ある。
ー(No.40)を用いてコーティングし、室温で約2
時間乾燥した。続いて50〜60℃で減圧しながら乾燥
して溶剤を十分に除去した。
樹脂(エビコートUVH6000:三菱化学(株)製)
を約10μmの厚さに均一塗布して光硬化した。次いで
70〜100℃に一度加熱し、完全にトランス−トラン
ス型に戻した後、塗布フィルム面に適当なネガ型パター
ンを形成したマスクを載せ、366nmの紫外線を照射
(照射量記載)し、第2図記載のように(トランス−ト
ランス)型を(シス−シス)型に異性化した。
且つ440nm付近の光を含まない近紫外線(380〜
410nm)又は300nm以下の遠紫外線灯を用いや
や暗い環境下で照射した所、フォトクロミック層の未露
光部分相当部の蛍光体のみが発光(発色)し、露光部分
相当部は変化が無かった。従って、フォトクロミック層
未露光部が明るく緑色発光(発色)し、その光に対比さ
れて露光部は黒く(または暗く)なって明確にパターン
が認識できた。
光に暴露するか、又は70〜100℃に加熱して元の
(トランス−トランス)型に戻してパターンを消去し、
再び記録操作を繰り返したが異常なく反復使用できた。
を全面照射し、一度異性化(シス−シス)型を完了させ
た後に、熱印字記録装置(通常の感熱記録紙用を流用)
で任意の文字記録を行なった。この操作により熱印字部
は瞬間的に元の(トランス−トランス)型に戻り、前記
蛍光発光操作によって熱印字部が緑色発光/発色し明る
い文字が認識できた。
を用いた。
(数分〜数時間)があるが、本例では下記の燐光体を用
いた。
厚さに塗布し温風乾燥して燐光体(蓄光体)層とした。
紫外線で全面異性化反応を行なった後、前記感熱記録装
置で長文の文章記録を行なった。使用した市販感熱記録
装置のヘッド部は200〜300℃に発熱するので一般
感熱記録紙と同様の速度で記録が可能であった。
〜400nm付近光)を照射した後やや暗い室内光下で
記録文を十分読み取る事ができた。読み取り可能な時間
は15〜30分間に及び、それ以上放置すると読み取り
不可能となった(暗所ではより長時間読み取り可能)。
しかし再度燐光活性化光を照射すると再度読み取りが可
能となり、更に前例同様に430〜440nm光や熱に
よる記録の消去が出来、多数回の反復使用が可能であっ
た。
記蛍光体、燐光体の代りにスピロピラン系フォトクロミ
ック材料を用いた。
ン混合溶液中に30gの飽和ポリエステル樹脂と3gの
1,3,3トリメチルインドリノ6‘−ニトロベンゾス
ピリルスピランを加え、十分に攪拌して各成分を完全に
溶解させた。
に2μmの厚さに均一に塗布し、5分間放置後120℃
のオーブン中で3分間乾燥してスピロピラン系フォトク
ロミック材料層とした。
−鮮明な青色の可逆性を示す。
ノール樹脂を3g添加して同様にスピロピラン系フォト
クロミック層とした。一般的挙動は1)と同様である。
トクロミック材料層と保護層を形成した。
露すると(可視光遮蔽フィルター併用)二つのフォトク
ロミック材料は異性化し、目視的にはスピロピラン系フ
ォトクロミック層の青色を示す。
0nmを使用)に暴露するとスピロピラン系フォトクロ
ミック材料の青色が消色し全面無色透明となった。この
無色透明フィルムを一般の感熱印字装置を通して熱印字
した後、全面に380〜400nm付近の紫外線を与え
ると、熱印字部のみ青色に再発色し鮮明な印字パターン
が得られた。
室内光下、前記1)の処方フィルムで約8時間であり、
2)の処方フィルムで約50時間であった。2)におい
てはアルキルフェノール樹脂成分が異性体の安定化作用
をする為である。
熱で行ない、再度パターン記録を前記同様に行なうこと
が出来、反復回数は数10回以上であった。
する室内光下長時間安定な一時記録媒体を完成させた。
示し、発色状態の方が安定な逆フォトクロミック材料を
用いた。
可溶性ニトロセルロース高分子(ニトロセルロースA,
S)3g及び1,3,3−トリメチルインドレニン6’
NO2ベンゾピリルスピラン50gを、酢酸エチル10
mlと酢酸ブチル10mlの混合溶媒中に入れ攪拌溶解
した。
5〜10μmに塗布し、一昼夜自然乾燥後真空エアーバ
ス中50℃で一夜乾燥して逆フォトクロミック層を形成
した。このフィルムは吸収極大が550nm付近にある
紅色(マゼンタ色)であり、1KWタングステンランプ
に距離30cmで約20秒間曝すと消色して無色となっ
た。また、これを暗所に放置しておくか、あるは紫外線
ランプを照射すると元の紅色に戻った(熱でも同様であ
る)。
の紫外領域フォトクロミック材料層と保護層を形成した
後、紫外線に暴露して紫外領域フォトクロミック材料層
の異性化を完成させる。次いで、強いタングステンラン
プで一度完全無色フィルムとし、前例同様に感熱印字装
置で熱印字してパターンを記録した。印字パターンは熱
印字部が紅色で非印字部が無色であった。
ステンランプに暴露して記録を消去し、再び同様の記録
を行なって異なるパターンを形成させ、反復使用できる
ことを確認した。この場合は印字部が発色するので通常
の感熱記録媒体と同様に使用することが出来た。
する室内光下で長時間安定な一時記録媒体を完成させ
た。
ような構成からなるので、記録情報の有無が可視光下に
おいて目視的に認識できないが、紫外線照射によってそ
の記録情報を選択的に読み取ることが可能であり、した
がって機密保持を要する情報を効果的かつ巧妙に記録す
ることができる。
図。
料を説明する図。
料を説明する図。
量体を説明する図。
Claims (11)
- 【請求項1】機密保持を要する秘密性情報を可視光下に
おいて隠蔽して記録できるようにした隠蔽性情報記録媒
体であって、 支持体と、 前記支持体の全面または一部に形成された、紫外線の照
射により発光または発色性が発現する第一記録層と、 前記第一記録層上に形成された、可視光下において無色
透明性を有しかつ紫外線の照射によって可逆的に紫外線
非透過性に変化するフォトクロミック材料からなる第二
記録層、とからなることを特徴とする、隠蔽性情報記録
媒体。 - 【請求項2】前記第二記録層が、環状アゾベンゼン2量
体を主成分として含むフォトクロミック材料からなる、
請求項1に記載の隠蔽性情報記録媒体。 - 【請求項3】前記第一記録層が、蛍光体、燐光体、また
は発色性フォトクロミック材料からなる、請求項1に記
載の隠蔽性情報記録媒体。 - 【請求項4】前記第二記録層上に紫外線透過性透明保護
層が形成されてなる、請求項1に記載の隠蔽性情報記録
媒体。 - 【請求項5】請求項1に記載の隠蔽性情報記録媒体の前
記第一記録層と第二記録層とからなる隠蔽性記録部に、
紫外線による所望の情報に基づくパターン露光を行っ
て、前記第二記録層の露光部を紫外線不透過部に変化さ
せることによって情報記録を行い、 特定の紫外線によって前記第一記録層の未露光部を発光
および/または発色させることにより、前記第二記録層
に形成された紫外線不透過部の非発光および/または非
発色部との対比により情報の視覚による認識を可能にし
たことを特徴とする、隠蔽性情報の書き込み/読み出し
方法。 - 【請求項6】請求項1に記載の隠蔽性情報記録媒体の前
記第一記録層と第二記録層とからなる隠蔽性記録部に、
紫外線による全面露光を行って、前記第二記録層の全面
を紫外線不透過とし、 該第二記録層に、所望の情報に基づきパターン状に加熱
を行うことにより、前記第二記録層の加熱部を紫外線透
過部に変化させることによって情報記録を行い、 特定の紫外線によって前記第一記録層の未露光部を発光
および/または発色させることにより、前記第二記録層
に形成された紫外線不透過部の非発光および/または非
発色部との対比により情報の視覚による認識を可能にし
たことを特徴とする、隠蔽性情報の書き込み/読み出し
方法。 - 【請求項7】前記第二記録層に紫外線または熱により形
成されたパターン情報を、可視光および/または熱によ
り可逆的に消去する、記録情報の消去方法を含む、請求
項5または請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】記録情報の消去後、再度任意パターンの記
録を行うことによる反復記録方法を含む、請求項7に記
載の方法。 - 【請求項9】前記第一記録層が、予め任意のパターン形
状に形成されている、請求項1に記載の隠蔽性情報記録
媒体。 - 【請求項10】前記支持体の所定の領域に予め固定画像
ないしパターンが形成されている、請求項1に記載の隠
蔽性情報記録媒体。 - 【請求項11】請求項7に記載の方法により隠蔽性情報
が記録された隠蔽性情報記録物。
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- 1999-06-02 JP JP15525199A patent/JP4307631B2/ja not_active Expired - Fee Related
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