JP2005030863A - フレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法および屈曲試験装置 - Google Patents

フレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法および屈曲試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させ、この屈曲による断線を検出するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法および屈曲試験装置に関し、中間部を円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板の正確な寿命予測が可能な屈曲試験方法および屈曲試験装置を実現する。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板10を円環状にループさせた状態で、且つ、このループ部分10aの曲率半径の変動範囲を規制した状態で、フレキシブルプリント配線板10を繰り返し屈曲させると共に、フレキシブルプリント配線板10の屈曲動作を、フレキシブルプリント配線板10を屈曲位置に一定時間停止させながら間欠的に繰り返す。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させ、この屈曲による断線を検出するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法および屈曲試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
折り畳み式の携帯電話機では、たとえば、図6に示すように、本体1に対してフリップ2がヒンジ部3を中心に開閉可能に構成され、本体1には入力キー部が設けられ、フリップ2の本体1との対向面には、液晶でなる情報表示画面が設けられている。
【0003】
折り畳み式の携帯電話機のヒンジ部3には、本体1側の基板5上のコネクタ5aとフリップ2側の基板6上のコネクタ6aとを接続するために、図5に示すような略クランク状のフレキシブルプリント配線板10が円環状にループされた状態で配置されている。この場合のフレキシブルプリント配線板10は、フレキシブルプリント配線板10の曲率半径を一定以下に規制する図示しないヒンジカバーや、フレキシブルプリント配線板10の曲率半径を一定以上に保つための図示しないスポンジ等により、その変形が規制された状態で繰り返し屈曲動作を受ける。このような拘束条件の違いによりフレキシブルプリント配線板10の折り畳み疲労寿命は変わるため、その影響を評価できる試験方法や装置が必要である。
【0004】
フレキシブルプリント配線板の屈曲試験法として、IPC(米国プリント回路学会)法とMIT(JIS−P−8115)法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。IPC法では、特許文献1の第7図に記載されているように、平行に配置された固定板と移動板との間にフレキシブルプリント配線板を固定し、移動板を往復平行移動させて屈曲試験を行う。この屈曲試験は自由曲げ形態であり、フレキシブルプリント配線板の曲率半径は、固定板と移動板との間隔によって設定される。
【0005】
一方、MIT法では、特許文献1の第8図に記載されているように、三角柱状の角部先端にアールが形成された2個の固定ダイスによってフレキシブルプリント配線板を挟持し、且つ一定の張力で一方の固定ダイスにフレキシブルプリント配線板を巻掛けた状態で、2個の固定ダイスをフレキシブルプリント配線板を挟持したまま揺動させることで屈曲試験を行う。
【0006】
上記二つの試験方法において、フレキシブルプリント配線板の曲げの加わる部分の内部配線に微電流を流した状態で試験を実施し、屈曲の繰り返しにより断線するまでの屈曲回数をカウントし、寿命予測を行う。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−290938公報(第7図、第8図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した既存の試験方法はいずれもフレキシブルプリント配線板単体での試験であるために、上記折り畳み式の携帯電話機のヒンジ部に使われるフレキシブルプリント配線板のように、ヒンジカバー等による拘束を受けた状態で屈曲されるフレキシブルプリント配線板の場合、適切な屈曲試験ができないため、フレキシブルプリント配線板における屈曲寿命を正確に評価できないという問題があった。
【0009】
本発明はこの問題を解決しようとするもので、中間部を円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板の正確な寿命予測が可能な屈曲試験方法および屈曲試験装置を実現することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、フレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させ、この屈曲による断線を検出するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法であって、フレキシブルプリント配線板を円環状にループさせた状態で、且つ、このループ部分の曲率半径の変動範囲を規制した状態で、フレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させると共に、フレキシブルプリント配線板の屈曲動作を、フレキシブルプリント配線板を屈曲位置に一定時間停止させながら間欠的に繰り返すようにしたものである。
【0011】
本発明では、中間部を円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板を、ループ部分の曲率半径の変動範囲を規制した状態で屈曲させるので、折り畳み式の携帯電話機での使用状態に近い状況で試験できる。このため、この種のフレキシブルプリント配線板の正確な寿命予測が可能になる。
【0012】
また、折り畳み式の携帯電話機では、フレキシブルプリント配線板が最も曲げられ、最も応力がかかった折り畳み状態(フレキシブルプリント配線板が屈曲位置にある状態)に長時間保持されることが多い。このようなフレキシブルプリント配線板における疲労寿命の変動要因としては、応力の加わる時間的要因がある。このため、この屈曲保持時間を模擬できる試験方法が望まれるが、本発明は、フレキシブルプリント配線板を屈曲位置に一定時間停止させながら間欠的に屈曲を繰り返すため、このような試験に最適であり、正確な寿命予測が可能になる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、フレキシブルプリント配線板のループ部分の内側か外側の少なくとも一方に規制部材を配置し、この規制部材にフレキシブルプリント配線板のループ部分を当接させることで、ループ部分の曲率半径の変動範囲を規制することを特徴とするものである。このようにすれば、容易に、ループ部分の曲率半径の変動範囲を規制できる。
【0014】
請求項3に係る発明は、フレキシブルプリント配線板の一端を他端に対して旋回させることによりフレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させ、この屈曲によるフレキシブルプリント配線板の内部配線上での断線を検出するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験装置に関するもので、フレキシブルプリント配線板の中間部に円環状のループ部分が形成されるようにフレキシブルプリント配線板の両端を支持し、フレキシブルプリント配線板の一端を他端に対して旋回させることによりフレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させることが可能な屈曲支持部と、フレキシブルプリント配線板のループ部分に当接することで、フレキシブルプリント配線板の屈曲動作時におけるループ部分の曲率半径の変動範囲を規制する規制部材と、前記屈曲支持部を駆動し、フレキシブルプリント配線板を屈曲位置と開位置との間で往復させ、且つ、屈曲位置では、フレキシブルプリント配線板の一端をその位置に一定時間停止させる屈曲制御部とを有することを特徴とするものである。
【0015】
本発明でも、中間部を円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板をその使用状態に近い状況で試験できるため、正確な寿命予測が可能になり、折り畳み式の携帯電話機のフレキシブル配線板の寿命試験をするのに最適である。また、規制部材は、簡単な構成でありながら、ループ部分の曲率半径の変動範囲を容易に規制できる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明の構成に加えて、屈曲時にフレキシブルプリント配線板の内部配線の最大の応力が加わる箇所での歪み振幅を計算する計算手段と、フレキシブルプリント配線板の内部配線上での断線を検出した時の積算屈曲回数の実測値とこの断線した内部配線が屈曲動作時に受けた歪み振幅の前記計算手段による計算値との関係を示す複数のデータから、内部配線が受ける歪み振幅に対する内部配線の寿命の関係を示す寿命予測式を作成する寿命予測部を有することを特徴とするものである。
【0017】
本発明では、使用が想定される屈曲角度における内部配線の歪み振幅を計算し、これを寿命予測式に代入することにより、その屈曲角度での内部配線の寿命を正確に予測できる。また、フレキシブルプリント配線板が同様な材料で構成されている限り、フレキシブルプリント配線板のパターン変更があっても、同一の寿命予測式をそのまま使用して寿命を予測でき、設計変更に容易に対応できる。
【0018】
【実施の形態】
(第1の実施の形態例)
図1および図2を用いて、本発明の第1の実施の形態例(本発明に係る屈曲試験装置であると共に本発明方法を実施する装置でもある)を説明する。ここで、図1は本形態例の分解斜視図、図2は本形態例を示す構成および動作説明図(本形態例を側方から見た主要構成図)である。本形態例では、屈曲試験の対象として、図5に示したように、左右にずれた直線部10m、10nとこれらを斜めに結ぶ中間部10kとからなる略クランク状のフレキシブルプリント配線板10を用いる。
【0019】
このフレキシブルプリント配線板10は、円環状にループされた状態で屈曲試験装置にセットされる。すなわち、フレキシブルプリント配線板10は、その中間部10kに円環状のループ部分10aが形成されるようにして、一方の端部10b、が取り付け部材11を介して固定ベース12に固定され、他方の端部10cが、取り付け部材13を介して移動ベース14に固定されている。
【0020】
移動ベース14は、固定ベース12に対して旋回できるように構成されており、フレキシブルプリント配線板10の端部10cを、端部10bに対して往復旋回させることができる。すなわち、フレキシブルプリント配線板10を繰り返し屈曲させることができる。上記取り付け部材11,13および固定ベース12,移動ベース14は、フレキシブルプリント配線板10を屈曲可能に支持する屈曲支持部15を構成する。
【0021】
なお、フレキシブルプリント配線板10は、その中間部10kが斜めに形成されているため、ループ部分10aは螺旋状に巻かれ、ループ部分10aに重なりは生じない。また、フレキシブルプリント配線板10のループ部分10aの中心軸と移動ベース14の旋回中心軸(回転中心軸)Oとはほぼ一致する。
【0022】
取り付け部材11,13としては、フレキシブルプリント配線板10の端部10b,10cをそれぞれ固定ベース12,移動ベース14に固定できるものであればどのようなものであってもよいが、図6に示したコネクタ5a,6aを取り付け部材11,13として代用し、コネクタ5a,6aをそれぞれ固定ベース12,移動ベース14に固定すれば、取り付け部材11,13を容易に構成できる。
【0023】
固定ベース12には、規制部材20が図示しない固定ねじ等を用いて規制部材20が固定されている。規制部材20は、フレキシブルプリント配線板10のループ部分10aに外側から当接し、フレキシブルプリント配線板10の屈曲動作時におけるループ部分10aの曲率半径の変動範囲を一定値以下に規制するものである。
【0024】
本形態例において、規制部材20は円弧状の当接部20aを有しており、この当接部20aは、フレキシブルプリント配線板10の直線部10nとの干渉を避けるため、図5における左下方からみて右半分(中間部10kの右半分もしくは直線部10m)にのみ当接する。フレキシブルプリント配線板10の左半分(中間部10kの左半分もしくは直線部10n)にも当接するように、別にもう一つ規制部材を設けてもよいが、図5に示したフレキシブルプリント配線板10が対称形状であるため、規制部材20はフレキシブルプリント配線板10の中心に近い位置にも当接しており、右半分に当接するだけで充分である。
【0025】
屈曲制御部30は、屈曲支持部15を図示しないモータを用いて駆動し、フレキシブルプリント配線板10を屈曲位置(図2(b)の閉じた状態)と開位置(図2(a)の開いた状態)との間で往復させ、且つ、少なくとも屈曲位置では、フレキシブルプリント配線板10をその位置に一定時間停止させるものである。
【0026】
なお、折り畳み式の携帯電話機に用いられるようなフレキシブルプリント配線板10の場合、開位置は、屈曲位置から160°程度開いた状態であるため、移動ベース14の屈曲角度θ(範囲)を160°程度に設定する。また、フレキシブルプリント配線板10の屈曲位置での停止時間は、たとえば、一般的なユーザーによる携帯電話の使用時間と非使用時間との比率に合致するように、開位置での停止時間と屈曲位置での停止時間との比率を設定する。これらの設定は、屈曲制御部30に対して操作者が行う。
【0027】
上記屈曲試験装置を用いて、屈曲試験を行う場合、フレキシブルプリント配線板10および屈曲支持部15を恒温漕等に入れて、一定温度および一定湿度の環境下で試験を行う。試験ではフレキシブルプリント配線板10を繰り返し屈曲させ、この屈曲による断線を検出し、この断線に至るまでの積算屈曲回数を求める。積算屈曲回数のデータとしては、たとえば次の値を採用する。
▲1▼所定回数の屈曲動作を行う度に内部配線の断線の有無を確認する実験方法をとる場合は、断線が見つかった場合に、これまでの屈曲動作の累積回数(あるいは、直近の断線有無確認時で断線なしと確認した時点での累積回数)を積算屈曲回数とする。
▲2▼内部配線に常時微弱電流を流して断線を常時監視しながら屈曲試験を行う実験方法をとる場合は、断線の発生を検出した時点での屈曲動作の累積回数を積算屈曲回数とする。
【0028】
本形態例を用いた屈曲試験によれば、中間部10kを円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板10を、ループ部分10aの曲率半径の変動範囲を規制部材20で規制した状態で屈曲させるので、折り畳み式の携帯電話機での使用状態に近い状況で試験できるため、この種のフレキシブルプリント配線板10の正確な寿命予測が可能になる。
【0029】
また、折り畳み式の携帯電話機は、フレキシブルプリント配線板10が最も曲げられ、最も応力がかかった折り畳み状態(フレキシブルプリント配線板10が図2(b)のような屈曲位置にある状態)に長時間保持されることが多い。このようなフレキシブルプリント配線板10の疲労寿命の変動要因として、応力の加わる時間的要因があるが、本形態例を用いた屈曲試験では、フレキシブルプリント配線板10を屈曲位置に一定時間停止させながら間欠的に屈曲を繰り返すため、この屈曲保持時間を模擬でき、寿命予測を正確に行える。
(第2の実施の形態例)
図3を用いて、本発明の第2の実施の形態例(屈曲試験装置)を説明する。図3において、図1および図2と対応する部分には同一符号を付し、その構成の説明は省略する。本形態例が第1の実施の形態例と異なる点は、フレキシブルプリント配線板10のループ部分10aの内側に、スポンジ等でなる円柱状の規制部材21を配置し、この規制部材21にフレキシブルプリント配線板10のループ部分10aを当接させることで、ループ部分10aの曲率半径を一定値以上に規制した点である。
【0030】
折り畳み式の携帯電話機では、フレキシブルプリント配線板10のループ部分10aの内側にヒンジ部が存在することがあり、このような使用状態で用いられるフレキシブルプリント配線板10の寿命予測を行う場合には、本形態例のような規制部材21を設けることは、正確な寿命予測を行う上で有効である。
【0031】
本形態例では、規制部材20の代わりに規制部材21を用いているが、規制部材20と規制部材21の双方を用いてもよい。この規制部材21や規制部材20を用いれば、容易に、ループ部分の曲率半径の変動範囲を規制できる。
(第3の実施の形態例)
図4を用いて、本発明の第3の実施の形態例(屈曲試験装置)を説明する。図4において、図1および図2と対応する部分には同一符号を付し、その構成の説明は省略する。本形態例が第1の実施の形態例と異なる点は、複数(図4では5個の場合を例示)のフレキシブルプリント配線板10を屈曲支持部15の固定ベース12・移動ベース14間に係止し、各フレキシブルプリント配線板10のループ部分10aに外側から、規制部材20を当接させ、フレキシブルプリント配線板10の屈曲動作時におけるループ部分10aの曲率半径の変動範囲を一定値以下に規制したものである。
【0032】
屈曲支持部15の移動ベース14は、両端を軸受31,32でもって旋回可能に支えられており、モータ33の回転駆動力が、減速歯車列34およびクラッチ機構35を介して、軸受32側から移動ベース14に伝達されるように構成されている。軸受32部分には、移動ベース14の旋回量(角度)を検出するためのエンコーダ36が設けられており、この出力をもとに、屈曲制御部30は、屈曲支持部15をモータ33で駆動し、フレキシブルプリント配線板10を屈曲位置(図2(b)の閉じた状態)と開位置(図2(a)の開いた状態)との間で往復させ、且つ、屈曲位置では、フレキシブルプリント配線板10をその位置に一定時間停止させることを行っている。
【0033】
この形態例では、複数のフレキシブルプリント配線板10を同時に屈曲試験できるため、断線が発生するまでの積算屈曲回数のデータを一度に多く取得でき、試験時間を節約できると共に、積算屈曲回数のバラツキを知ることができ、フレキシブルプリント配線板10の正確な寿命予測が可能になる。
(第4の実施の形態例)
本形態例は、屈曲試験装置に、フレキシブルプリント配線板10の寿命予測を行う寿命予測部(図示せず)を設けたものである。この寿命予測部には、内部配線上での断線を検出した時の積算屈曲回数の実測値と、この断線した内部配線が屈曲動作時に受けた歪み振幅の計算値との関係を示す複数のデータが、操作者により(あるいは屈曲制御部30等から自動的に)入力される。また、寿命予測部には、フレキシブルプリント配線板10の形状や構造、材料、動きのデータも入力される。
【0034】
寿命予測部は、まず、フレキシブルプリント配線板10の形状や構造、材料、動きのデータを受けて、有限要素法による解析を行い、各部の歪みを計算する。屈曲時に内部配線に生じる歪みは、規制部材20,21の存在により、必ずしも屈曲角度に相応して単純に増加や減少するものではない。一カ所の歪みに注目し、屈曲角度に対する歪みの特性曲線を描いても、ループ部分10aと規制部材20との位置関係等によって歪みは変化する。
【0035】
上記計算により得られた各部の歪みから、寿命予測部は、フレキシブルプリント配線板10のどの内部配線に最大の歪み振幅が生じるかを求める。ここで、歪み振幅とは、屈曲の1サイクル(開閉の1サイクル)における歪みの変動幅で、フレキシブルプリント配線板10にかかる応力の変動幅と比例関係にある。よって、このデータは応力の変動幅とみなすこともできる。
【0036】
次に、フレキシブルプリント配線板10の内部配線上での断線を検出した時の積算屈曲回数の実測値と、この断線した内部配線が屈曲動作時に受けた歪み振幅の計算値との関係を求める。同じ歪み振幅であっても、積算屈曲回数(寿命サイクル数)はばらつくため、たとえばワイブル処理して、平均値(平均寿命サイクル数)を求める。
【0037】
一例を挙げれば、屈曲角度θ(範囲)が160°のときの計算上の歪み振幅が0.0462(mm/mm)となる内部配線の場合、実測に基づく平均寿命サイクル数が81567であり、屈曲角度θ(範囲)が80°のときの計算上の歪み振幅が0.022(mm/mm)となる内部配線の場合、実測に基づく平均寿命サイクル数が565243であった、というような関係を求める。
【0038】
この関係から、寿命予測部は、疲労の寿命予測式を作成する。この寿命予測式の一例としては、以下のものがある。
【0039】
Nf=27×Δε−n
ここで、Nf;疲労寿命サイクル数(予測値)
Δε;内部配線の歪み振幅(計算値)
n;内部配線の材料によってある程度決まる数値
先に例示した歪み振幅と平均寿命サイクル数の数値例の場合、n=2.6程度になり、寿命予測式は、Nf=27×Δε−2.6 となる。
【0040】
よって、使用が想定される屈曲角度における歪み振幅を計算し、この歪み振幅(計算値)をこの寿命予測式のΔεに代入することにより、その屈曲角度での内部配線の寿命を正確に予測できる。また、フレキシブルプリント配線板10が同様な材料で構成されている限り、フレキシブルプリント配線板10のパターン変更があっても、同一の寿命予測式をそのまま使用して寿命を予測でき、設計変更に容易に対応できる。
【0041】
なお、有限要素法を用いて歪みを求める場合、計算量を少なくするため、最初は、図5に示すフレキシブルプリント配線板全体の解析モデルにて、粗い有限要素解析を行い、この解析結果から最大応力発生位置を求め、次に、この位置周辺の狭い詳細モデル解析により、内部配線の歪みを求め、これを用いて歪み振幅を求める。
(その他の実施の形態例)
本発明は上記第1〜第4の実施の形態例に限定されるものではない。たとえば、上記形態例は、折り畳み式の携帯電話機に用いられるフレキシブルプリント配線板を試験対象にしているが、これに限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明では、中間部を円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板を、ループ部分の曲率半径の変動範囲を規制した状態で屈曲させるので、折り畳み式の携帯電話機での使用状態に近い状況で試験でき、この種のフレキシブルプリント配線板の正確な寿命予測が可能になる。
【0043】
また、折り畳み式の携帯電話機では、フレキシブルプリント配線板が最も曲げられた折り畳み状態に長時間保持されることが多く、フレキシブルプリント配線板の疲労寿命の変動要因としては、応力の加わる時間的要因があるが、本発明では、フレキシブルプリント配線板を屈曲位置に一定時間停止させながら間欠的に屈曲を繰り返すため、このような試験に最適であり、正確な寿命予測が可能になる。
【0044】
請求項2に係る発明によれば、規制部材により、フレキシブルプリント配線板のループ部分の曲率半径の変動範囲を容易に規制できる。
【0045】
請求項3に係る発明においても、中間部を円環状にループさせた状態で使用されるフレキシブルプリント配線板をその使用状態に近い状況で試験できるため、正確な寿命予測が可能になり、折り畳み式の携帯電話機のフレキシブル配線板の寿命試験をするのに最適である。また、規制部材は、簡単な構成でありながら、ループ部分の曲率半径の変動範囲を容易に規制できる。
【0046】
請求項4に係る発明によれば、使用が想定される屈曲角度における内部配線の歪み振幅を計算し、これを寿命予測式に代入することにより、その屈曲角度での内部配線の寿命を正確に予測できる。また、フレキシブルプリント配線板が同様な材料で構成されている限り、フレキシブルプリント配線板のパターン変更があっても、同一の寿命予測式をそのまま使用して寿命を予測でき、設計変更に容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例を示す分解斜視図である。
【図2】第1の実施の形態例を示す構成および動作説明図である。
【図3】第2の実施の形態例を示す構成および動作説明図である。
【図4】第3の実施の形態例を示す図である。
【図5】フレキシブルプリント配線板を示す図である。
【図6】フレキシブルプリント配線板の使用状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 フレキシブルプリント配線板
10a ループ部分
10b,10c 端部
10k 中間部
10m 直線部
10m、10n 直線部
11,13 取り付け部材
12 固定ベース
14 移動ベース
15 屈曲支持部
20,21 規制部材
30 屈曲制御部
33 モータ
34 減速歯車列
35 クラッチ機構
36 エンコーダ

Claims (4)

  1. フレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させ、この屈曲による断線を検出するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法であって、
    フレキシブルプリント配線板を円環状にループさせた状態で、且つ、このループ部分の曲率半径の変動範囲を規制した状態で、フレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させると共に、フレキシブルプリント配線板の屈曲動作を、フレキシブルプリント配線板を屈曲位置に一定時間停止させながら間欠的に繰り返すようにしたフレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法。
  2. フレキシブルプリント配線板のループ部分の内側か外側の少なくとも一方に規制部材を配置し、この規制部材にフレキシブルプリント配線板のループ部分を当接させることで、ループ部分の曲率半径の変動範囲を規制することを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法。
  3. フレキシブルプリント配線板の一端を他端に対して旋回させることによりフレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させ、この屈曲によるフレキシブルプリント配線板の内部配線上での断線を検出するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験装置であって、
    フレキシブルプリント配線板の中間部に円環状のループ部分が形成されるようにフレキシブルプリント配線板の両端を支持し、フレキシブルプリント配線板の一端を他端に対して旋回させることによりフレキシブルプリント配線板を繰り返し屈曲させることが可能な屈曲支持部と、
    フレキシブルプリント配線板のループ部分に当接することで、フレキシブルプリント配線板の屈曲動作時におけるループ部分の曲率半径の変動範囲を規制する規制部材と、
    前記屈曲支持部を駆動し、フレキシブルプリント配線板を屈曲位置と開位置との間で往復させ、且つ、屈曲位置では、フレキシブルプリント配線板の一端をその位置に一定時間停止させる屈曲制御部と、
    を有するフレキシブルプリント配線板の屈曲試験装置。
  4. フレキシブルプリント配線板の内部配線上での断線を検出した時の積算屈曲回数の実測値と、この断線した内部配線が屈曲動作時に受けた歪み振幅の計算値との関係を示す複数のデータから、内部配線が受ける歪み振幅に対する内部配線の寿命の関係を示す寿命予測式を作成する寿命予測部を有することを特徴とする請求項3記載のフレキシブルプリント配線板の屈曲試験装置。
JP2003195167A 2003-07-10 2003-07-10 フレキシブルプリント配線板の屈曲試験方法および屈曲試験装置 Expired - Fee Related JP4105601B2 (ja)

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