JP5501192B2 - 硬さ試験方法及びプログラム - Google Patents
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Description
しかしながら、石英ガラスは、微小押込み範囲において弾性変形に富んでいるため外乱の影響を受けにくく、この石英ガラスを用いた性能評価試験の結果が実際の設定環境に適用できない場合がある。
そこで、一般に、計装化押込み試験機における設置環境の検証方法として、床振動の計測が用いられる。
従って、例えば、圧子の検査や床振動の計測などの出来得ることを行った上で実験を行い、得られた試験結果の妥当性は経験値に基づいて判断しているのが現状である。
請求項1に記載の発明は、
硬さ試験機における制御部によって行われる硬さ試験方法において、
所定の環境下において、検証用試料に対して、所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成し、当該くぼみの形成時の前記圧子の変位量と前記圧子に負荷された試験力とを検出した押込み履歴線を同一条件で複数回計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程により得られた複数の押込み履歴線の荷重負荷時に形成された荷重負荷履歴線に基づき、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定する設定工程と、
実際の使用環境下において、前記検証用試料に対して、前記第1計測工程と同一条件で押込み履歴線を計測する第2計測工程と、
前記第2計測工程により計測された押込み履歴線の荷重負荷履歴線が、前記設定工程により設定された荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲に入るか否かを判断する判断工程と、
を有することを特徴とする。
前記圧子は、錐形圧子であり、
前記設定工程は、
前記複数の押込み履歴線の荷重負荷履歴線を二次関数でフィッテングして傾きの値が最大及び最小となる2つの曲線を選択し、当該選択した2つの曲線の間を、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲として設定することを特徴とする。
前記選択した2つの曲線の傾きの値に安全係数を掛けて、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定することを特徴とする。
前記圧子は、錐形圧子であり、
前記設定工程は、
前記複数の押込み履歴線の荷重負荷履歴線を二次関数でフィッテングして相関係数を算出し、当該算出した相関係数の最小値以上を、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲として設定することを特徴とする。
前記算出した相関係数の最小値に安全係数を掛けて、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定することを特徴とする。
前記第2計測工程により計測した押込み履歴線に基づいて、前記実際の使用環境における外乱の種類を推定する推定工程を更に有することを特徴とする。
前記検証用試料は、銅、アルミニウム、又は金であることを特徴とする。
コンピュータを、
所定の環境下において、検証用試料に対して、所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成し、当該くぼみの形成時の前記圧子の変位量と前記圧子に負荷された試験力とを検出した押込み履歴線を同一条件で複数回計測する第1計測手段、
前記第1計測手段により得られた複数の押込み履歴線の荷重負荷時に形成された荷重負荷履歴線に基づき、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定する設定手段、
実際の使用環境下において、前記検証用試料に対して、前記第1計測手段と同一条件で押込み履歴線を計測する第2計測手段、
前記第2計測手段により計測された押込み履歴線の荷重負荷履歴線が、前記設定手段により設定された荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲に入るか否かを判断する判断手段、
として機能させるためのプログラムである。
このため、所定の環境下で検証用試料に対して測定を行って荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定した後、実際の使用環境下で検証用試料に対して同一の測定を行って、得られた荷重負荷履歴線が、設定された許容範囲に入るか否かで、実際の使用環境について外乱の影響が大きいか否かが判断できることなる。
よって、設置環境の影響を、定量的に検証することができる。
なお、本発明の硬さ試験方法は、硬さ試験を実施するにあたって、硬さ試験機の設置環境(実際の使用環境)について、外乱の影響が大きいか否かを検証するために実施されるものであり、本発明の硬さ試験機は、この硬さ試験方法に用いるための機能を備えた硬さ試験機である。
本実施形態における硬さ試験機100は、圧子3に付与する試験力と圧子3の押込み深さとを連続してモニター可能な計装化押込み試験機である。
硬さ試験機100には、例えば、図1及び図2に示すように、制御部10と、各構成部材が配設される硬さ試験機本体1と、が備えられており、この試験機本体1は、試料SをX、Y、Z方向に移動させるXYZステージ2と、試料Sにくぼみを形成する圧子3を一端に有する荷重レバー4と、荷重レバー4に所定の荷重(試験力)を負荷(付与)する荷重負荷部5と、圧子3の変位量を検出する変位計6と、試料Sの表面に形成されたくぼみ等を撮影する撮影部7と、表示部8と、操作部9と、などを備えて構成される。
また、XYZステージ2は、試験測定中に上面に載置された試料Sがずれないように試料保持台2aにより試料Sを保持している。
ここで、試料Sは、本実施形態の硬さ試験方法に好適に用いられる検証用試料であって、例えば、銅、アルミニウム、金などの塑性変形し易い金属材料が利用される。
荷重レバー4の一端には、試料保持台2a上に載置された試料Sの上方から試料Sに対して接離自在に設けられ、試料Sの表面に押し付けて試料Sの表面にくぼみを形成する圧子3が設けられている。
また、荷重レバー4の他端には、荷重負荷部5を構成するフォースコイル5aが設けられている。
荷重負荷部5は、例えば、制御部10から入力される制御信号に従って、固定磁石5bがギャップにつくる磁界と、ギャップの中に設置されたフォースコイル5aに流れる電流と、の電磁誘導により発生する力を駆動力として用い、荷重レバー4を回動させる。これにより、荷重レバー4の圧子3側の端部は下方に傾き、圧子3は試料Sに押し込まれることになる。
変位計6は、例えば、可動極板6aと固定極板6bとの間の静電容量の変化を検出することによって、圧子3が試料Sにくぼみを形成する際に移動した変位量(圧子3を試料Sに押し込んだ際の押込み深さ)を検出し、この検出した変位量に基づく変位信号を制御部10に出力する。
なお、変位計6として、静電容量式変位センサを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、光学式変位センサやうず電流式変位センサであっても良い。
この操作部9は、ユーザが試料Sの硬さ試験を行う指示入力を行う際、圧子3に負荷する試験力すなわち荷重を設定する際、などに操作される。
ユーザは、このような所定の環境に硬さ試験機100を設置し、計測を実行する。
CPU11は、ユーザが操作部9に対して試料Sの硬さ試験を行う指示入力を行うと、これに応じて、第1計測プログラム131を実行し、所定の環境で、試料Sに対して計装化押込み試験を実行し、試験力(F)−押込み深さ(h)曲線(押込み曲線)の計測を行うようになっている(第1計測工程)。この第1計測工程での計装化押込み試験は、同一の試験条件で複数回行われる。また、設置環境の影響が確認しやすいように、押込み深さ(h)は、できるだけ小さい値とすることが好ましく、例えば、100nm以下とすることが好ましい。なお、試験回数は、予めユーザにより設定される。
図3(a)は、この第1計測工程により計測された押込み曲線を示す一例である。
先ず、CPU11は、試料保持台2a上に試料Sが載置された後、操作部9から測定を行うよう指示する操作信号が入力されると、この試料Sに所定の試験力を与えるよう、荷重負荷部5を制御する。そして、CPU11は、くぼみ形成時における圧子3の試料Sへの押込み深さ(h)[nm]と、くぼみ形成時における試験力(F)[mN]と、を連続的に計測し、試験力(F)−押込み深さ(h)曲線を測定する。
くぼみの形成時においては、設定した最大試験力に到達するまで圧子3に負荷する荷重を漸増させていく(荷重負荷工程)。この荷重負荷工程では、図3(a)の荷重負荷履歴線(荷重負荷曲線)に示すように、圧子3に負荷する試験力を増加させることで、圧子3の試料Sへの押込み深さも増加する。なお、圧子3が錐形圧子であるため、荷重負荷履歴線は二次曲線となっている。
次いで、CPU11は、圧子3に負荷された荷重が最大試験力に到達したと判断すると、駆動コイルへの電流の供給量を制御して荷重負荷部5を動作させ、圧子3に負荷する荷重を漸減させる(荷重除荷工程)。なお、この荷重除荷工程では、図3(a)の荷重除荷曲線に示すように、圧子3に負荷する試験力を減少させることで、圧子3の試料Sへの押込深さも減少する。
具体的に、先ず、CPU11は、第1計測プログラム131の実行により得られた複数の押込み履歴線の荷重負荷履歴線の形状を把握する。本実施形態においては、荷重負荷履歴線が二次曲線であるとの把握がなされる。
次に、CPU11は、この第1計測プログラム131の実行により得られた複数の押込み曲線の荷重負荷曲線を二次関数でフィッテングして傾きの値が最大及び最小となる2つの曲線を選択し、当該選択した2つの曲線の間を、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲として設定するようになっている(設定工程)。
ここで、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲とは、検証用試料である試料Sに対して、前記した第1計測工程と同一の試験条件で計測を行った場合に許容される測定誤差範囲を規定する範囲である。即ち、硬さ試験機100の設置環境を変えて試料Sに対して前記第1計測工程と同一の試験条件で計測を行った場合に、この許容範囲内に荷重負荷曲線がおさまれば、その設置環境は、所定の環境に近く、外乱の影響が少ないと判断できることとなる。
なお、このとき、上記したような荷重負荷曲線への二次関数のフィッテングにより選択した2つの曲線の傾きの値に安全係数を掛けて、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲を設定することとしても良い。
例えば、最大の傾きの値×2、最小の傾きの値×1/2と演算を行い、許容範囲の設定がなされる。なお、安全係数は、ユーザにより予め設定された値が使用される。
このようにすることで、設定される許容範囲にある程度の余裕を持たせることができ、想定外の測定誤差を吸収することができるようになっている。
図3(b)は、この設定工程により設定された許容範囲を示す一例である。
CPU11は、かかる設定プログラム132を実行することによって、設定手段として機能する。
ここで、実際の使用環境とは、実際の硬さ試験機100の設置環境である。実際の使用環境は、理想に近い所定の環境と比較して、各種の外乱が加わりやすい環境であるといえる。
ユーザは、第1計測工程を行った所定の環境から、このような実際の使用環境に硬さ試験機100を移動し、計測を実行する。
CPU11は、ユーザが操作部9に対して試料Sの硬さ試験を行う指示入力を行うと、これに応じて、第2計測プログラム133を実行し、上述の第1計測プログラム131の実行時と同様の制御を行って、実際の使用環境で、押込み曲線を計測するようになっている(第2計測工程)。
図4(a)(b)は、その結果得られる押込み曲線の荷重負荷曲線を示す一例である。図4(a)は、荷重負荷曲線が許容範囲内に入っている一例を示し、図4(b)は、荷重負荷曲線が許容範囲外となった一例を示すものである。
CPU11は、かかる第2計測プログラム133を実行することによって、第2計測手段として機能する。
具体的に、CPU11は、実際の使用環境下で計測した荷重負荷曲線の一部或いは全部が、設定された許容範囲に入るか否かを判断するようになっている(判断工程)。
そして、CPU11は、例えば、表示部8にメッセージなどを表示させて、その判断結果をユーザに報知する。
ユーザは、その判断結果に応じて、実際の使用環境について外乱の影響が多いか少ないかを認識することができる。即ち、実際の使用環境下で計測した荷重負荷曲線の全体が許容範囲に入っている場合には、外乱の影響が少ないと認識し、一部でも許容範囲に入っていない場合には、何らかの外乱が影響したと認識することができる。
CPU11は、かかる判断プログラム134を実行することによって、判断手段として機能する。
具体的に、CPU11は、例えば、第2計測工程により計測した押込み曲線の形状(押込み曲線の挙動)を、予め記憶された外乱の種類と照らし合わせ、外乱の種類を推定するようになっている(推定工程)。
なお、この推定工程は、上記判断工程の結果、外乱の影響が多いと判断された場合だけでなく、外乱の影響が少ないと判断された場合でも実行することができる。
即ち、外乱の影響の大小に関わらず、押込み曲線の形状が乱れた場合には、その設置環境での外乱の種類を推定することができる。
例えば、図5(a)に示すように、押込み途中で急激に変位が変化している押込み曲線の場合は、ドアの開閉や、機械の作動音、落下音など突発的な振動が生じた(変位制御型試験機の場合は荷重が変化した)と推定する。
また、図5(b)に示すように、変位が大きく現れている押込み曲線の場合は、声など数100Hzオーダーの曲線の揺らぎとしては現れない比較的高周波の外乱が定常的に生じていると推定する。
また、図5(c)に示すように、揺らぎが見られる押込み曲線の場合は、風などにより、比較的低周波の外乱が試験機を定常的に揺らしていると推定する。
CPU11は、かかる推定プログラム135を実行することによって、推定手段として機能する。
なお、下記ステップS1及びステップS2は、硬さ試験機100を所定の環境に設置した状態で行なわれ、ステップS3〜ステップS5は、硬さ試験機100を実際の使用環境に移動した状態で行われる。
次いで、ステップS2において、CPU11は、設定プログラム132を実行して、第1計測工程により得られた複数の押込み曲線の荷重負荷曲線に基づき、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲を設定する(設定工程)。
次いで、ステップS4において、CPU11は、判断プログラム134を実行して、第2計測工程により計測された押込み曲線の荷重負荷曲線が、設定工程により設定された許容範囲に入っているか否か判断する(判断工程)。
ついで、ステップS5において、CPU11は、外乱の種類を推定し(推定工程)、本処理を終了する。
このため、所定の環境下で試料Sに対して測定を行って荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲を設定した後、実際の使用環境下で同一の試料Sに対して同一の測定を行って、得られた荷重負荷曲線が、設定された許容範囲に入るか否かで、実際の使用環境について外乱の影響が大きいか否かが判断できることなる。
よって、例えば、床振動の計測などだけでは判別できない設置環境の影響を、定量的に検証することができる。
このため、第1計測工程により得た傾きの値が最大及び最小の2つの荷重負荷曲線から、実際の使用環境下での試験時に参照される、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲が設定されることとなる。
このため、設定される許容範囲にある程度の余裕を持たせることができ、実際の使用環境での想定外の測定誤差を吸収することができる。
このため、実際の使用環境で計測された押込み曲線の挙動から、どのような外乱を受けているか推測することができ、ユーザが、その外乱を低減するための対策を立てるのが容易になる。
このため、塑性変形し易く外乱の影響が押込み曲線に現れ易い試料Sを用いて計測が行われることとなり、より確実な検証結果を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、設定工程S2における、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲の設定の仕方が第1実施形態と異なるものであるため、この点を中心に説明する。
なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明は省略する。
制御部10Aは、CPU11Aと、RAM12Aと、記憶部13Aと、等を備えて構成されている。
RAM12Aは、例えば、CPU11Aによって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備えている。
具体的に、先ず、CPU11Aは、第1計測プログラム131の実行により得られた複数の押込み履歴線の荷重負荷履歴線の形状を把握する。本実施形態においては、荷重負荷履歴線が二次曲線であるとの把握がなされる。
次に、CPU11Aは、第1計測プログラム131の実行により得られた複数の押込み曲線(図8(a)参照)の荷重負荷曲線を二次関数でフィッテングして相関係数(r)を算出し、当該算出した相関係数(r)の最小値以上を、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲として設定するようになっている(図8(b)参照)(設定工程)。
例えば、図8(b)に示すように、3つの荷重負荷曲線の相関係数(r)が、それぞれ、0.999、0.996.0.998であった場合、許容範囲を、r>0.990と設定することができる。
なお、このとき、算出した相関係数の最小値に安全係数を掛けて、荷重負荷曲線のばらつきの許容範囲を設定することとしても良い。例えば、相関係数の最小値×1/2と演算を行い、許容範囲の設定がされる。なお、安全係数はユーザにより予め登録されている。
CPU11Aは、かかる設定プログラム132Aを実行することによって、設定手段として機能する。
第1実施形態と同様に、荷重負荷曲線が許容範囲に入っている場合、外乱の影響が少ないと判断され、荷重負荷曲線が許容範囲外となった場合は、外乱の影響が多いと判断される。
このため、所定の環境下で行った試験により得た複数の荷重負荷曲線から求めた相関係数に基づいて、実際の使用環境下での試験時に参照される、押込み曲線のばらつきの許容範囲が設定されることとなる。
この場合、実際に硬さ試験を行うユーザは、硬さ試験機を実際の使用場所に設置した状態で、第2計測工程(ステップS3)から推定工程(ステップS5)を実行し、その結果に応じて実際の使用場所における外乱の影響及び外乱の種類を検証することとなる。
2 ステージ
2a 試料保持台
3 圧子
4 荷重レバー
4a 十字バネ
5 荷重負荷部
5a フォースコイル
5b 固定磁石
6 変位計
6a 可動極板
6b 固定極板
7 撮影部
8 表示部
9 操作部
10、10A 制御部
11、11A RAM
13、13A 記憶部
131 第1計測プログラム(第1計測手段)
132、132A 設定プログラム(設定手段)
133 第2計測プログラム(第2計測手段)
134 判断プログラム(判断手段)
135 推定プログラム(推定手段)
S 試料(検証用試料)
100、200 硬さ試験機
Claims (8)
- 硬さ試験機における制御部によって行われる硬さ試験方法において、
所定の環境下において、検証用試料に対して、所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成し、当該くぼみの形成時の前記圧子の変位量と前記圧子に負荷された試験力とを検出した押込み履歴線を同一条件で複数回計測する第1計測工程と、
前記第1計測工程により得られた複数の押込み履歴線の荷重負荷時に形成された荷重負荷履歴線に基づき、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定する設定工程と、
実際の使用環境下において、前記検証用試料に対して、前記第1計測工程と同一条件で押込み履歴線を計測する第2計測工程と、
前記第2計測工程により計測された押込み履歴線の荷重負荷履歴線が、前記設定工程により設定された荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲に入るか否かを判断する判断工程と、
を有することを特徴とする硬さ試験方法。 - 前記圧子は、錐形圧子であり、
前記設定工程は、
前記複数の押込み履歴線の荷重負荷履歴線を二次関数でフィッテングして傾きの値が最大及び最小となる2つの曲線を選択し、当該選択した2つの曲線の間を、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲として設定することを特徴とする請求項1に記載の硬さ試験方法。 - 前記選択した2つの曲線の傾きの値に安全係数を掛けて、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定することを特徴とする請求項2に記載の硬さ試験方法。
- 前記圧子は、錐形圧子であり、
前記設定工程は、
前記複数の押込み履歴線の荷重負荷履歴線を二次関数でフィッテングして相関係数を算出し、当該算出した相関係数の最小値以上を、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲として設定することを特徴とする請求項1に記載の硬さ試験方法。 - 前記算出した相関係数の最小値に安全係数を掛けて、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定することを特徴とする請求項4に記載の硬さ試験方法。
- 前記第2計測工程により計測した押込み履歴線に基づいて、前記実際の使用環境における外乱の種類を推定する推定工程を更に有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の硬さ試験方法。
- 前記検証用試料は、銅、アルミニウム、又は金であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の硬さ試験方法。
- コンピュータを、
所定の環境下において、検証用試料に対して、所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成し、当該くぼみの形成時の前記圧子の変位量と前記圧子に負荷された試験力とを検出した押込み履歴線を同一条件で複数回計測する第1計測手段、
前記第1計測手段により得られた複数の押込み履歴線の荷重負荷時に形成された荷重負荷履歴線に基づき、荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲を設定する設定手段、
実際の使用環境下において、前記検証用試料に対して、前記第1計測手段と同一条件で押込み履歴線を計測する第2計測手段、
前記第2計測手段により計測された押込み履歴線の荷重負荷履歴線が、前記設定手段により設定された荷重負荷履歴線のばらつきの許容範囲に入るか否かを判断する判断手段、
として機能させるためのプログラム。
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