JP2005030116A - 移動音源用可視型防音壁及び防音ユニット - Google Patents

移動音源用可視型防音壁及び防音ユニット Download PDF

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隆博 山田
Toshimitsu Tanaka
俊光 田中
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Abstract

【課題】 移動音源用可視型防音壁において、音源側からの騒音の連結体5による反射を防止して、受音側の騒音を低減する。
【解決手段】 本発明の移動音源用可視型防音壁1は、移動体の移動方向に沿って設けられた壁基部2と、前記壁基部2の上に移動体の移動方向に沿って並べて設置される複数の防音体3と、互いに隣り合う前記防音体3と防音体3との間に形成される開口4と、を有する。連結体5が、前記開口4の上側に位置し、かつ、前記防音体3同士を連結するように設けられる。前記連結体5の少なくとも前記開口4側には、吸音材(吸音体)12が設けられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や列車等の車窓からの視認性を良好に確保しながら、当該自動車等の移動音源から防音壁外側に漏出する騒音を低減する、移動音源用可視型防音壁に関するものである。
従来から、音源からの騒音を防音壁外側に漏出させないように構成された各種の防音壁が、提案及び実用化されている。例えば、特許文献1は、搭乗者の防音壁外側への目視を可能にする視通開口部(開口)を前記移動体の移動方向に沿って所定間隔で備える、移動音源用可視型防音壁を開示する。
特許文献1では、この技術の利点を以下のように指摘する。即ち、移動体の移動方向に沿って所定間隔で備えられた視通開口部が搭乗者に対して連続的に短期間で通過するため、防音壁外側の景色を残像効果によって良好に視認できる。また、視通開口部を太陽光が通過する構成とできるため、移動体が移動する路線に隣接して民家が存在する場合に、その民家に対する日照時間を長くすることができる。加えて、透明パネル等の構成に比し、汚れや傷を回避でき、清掃や交換等の維持コストを生じることがない。
特開2001−64920号公報(図1(a)等)
このような可視型防音壁は屋外に設置されるものであるため、風の影響を受けやすい。従って、風荷重に対する強度を十分確保する必要がある。本発明の目的は、騒音低減効果を十分確保しながら、強度に優れる可視型防音壁を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
即ち、第1の発明の移動音源用可視型防音壁は、移動体の移動方向に沿って設けられた壁基部と、前記壁基部の上に移動体の移動方向に沿って並べて設置される複数の防音体と、互いに隣り合う前記防音体と防音体との間に形成される開口と、前記開口の上側に位置し、前記防音体同士を連結する連結体と、前記連結体の少なくとも前記開口側に設けられる吸音体と、を少なくとも有することを特徴とする。
この構成により、連結体によって防音体同士を連結することで、防音壁の強度を向上させることができ、意匠性の向上も期待できる。また、移動体からの騒音(連結体の高さより低い高さより発する騒音)の連結体での反射を防止でき、受音側での騒音を抑制することができる。
第2の発明の移動音源用可視型防音壁は、前記壁基部に吸音体が設けられていることを特徴とする。
この構成により、吸音面が増大するので、騒音抑制効果に一層優れる移動音源用可視型防音壁を提供できる。
第3の発明の移動音源用可視型防音壁は、前記開口が、前記連結体に近づくに従って移動体の移動方向に沿う幅が増大する形状であることを特徴とする。
上記構成のような形状の開口を有する場合、騒音(連結体の高さより低い高さより発する騒音)の連結体での反射が大きくなることが懸念されるが、本構成とすることで、連結体での騒音反射を効果的に低減でき、受音側での騒音を抑制することができる。
第4の発明の移動音源用可視型防音壁は、前記連結体の前記開口側と反対側にも吸音体が設けられることを特徴とする。
この構成により、連結体の高さよりも高い高さから発する移動体の騒音を良好に吸収でき、受音側での騒音を抑制することができる。
第5の発明の移動音源用可視型防音壁は、前記連結体の移動体側、移動体と反対側にも吸音体が設けられることを特徴とする。
この構成により、騒音抑制効果に一層優れる移動音源用可視型防音壁を提供できる。
第6の発明の移動音源用可視型防音壁は、連結体の幅が吸音対象の音の波長の0.8倍より長いことを特徴とする。
この構成により、連結体の高さよりも高い高さから発する移動体の騒音(吸音対象の音)を、連結体の開口側と反対側の部分で反射させ易い構成とでき、騒音抑制効果に優れる。
第7の発明の移動音源用可視型防音壁は、連結体の幅が吸音対象の音の波長より長いことを特徴とする。
この構成により、連結体の高さよりも高い高さから発する移動体の騒音(吸音対象の音)を、連結体の開口側と反対側の部分で一層反射させ易い構成とでき、騒音抑制効果に優れる。
第8の発明の移動音源用可視型防音壁は、高架橋に設置されることを特徴とする。
この構成により、移動体からの騒音(連結体の高さより低い高さより発する騒音)が連結体に反射して防音壁より低い高さの領域に到達することを、前記吸音体によって防止できる。この結果、高架橋より低い高さの民家等に対する騒音を効果的に低減できる。
第9の発明の防音ユニットは、一方向に並べて設置される複数の防音体と、互いに隣り合う前記防音体と防音体との間に形成される開口と、各防音体を連結する、前記防音体の並設方向に細長い枠部と、前記枠部の少なくとも前記開口側に設けられる吸音体と、を少なくとも有することを特徴とする。
この構成により、防音体毎ではなく、複数の防音体を一体化した防音ユニット毎に取り扱うことができるので、設置の手間を軽減でき、施工性が向上する。また、枠部により、防音ユニットの強度を向上させることができる。更に、防音ユニットの設置後は、移動体からの騒音(連結体の高さより低い高さより発する騒音)の枠部での反射を防止でき、受音側での騒音を抑制することができる。
第10の発明の防音ユニットは、更に、前記防音体が並べて設置される方向に沿う壁基部を有することを特徴とする。
この構成により、防音体のみならず壁基部まで一体化させた防音ユニットとすることで、設置の手間を軽減でき、施工性に一層優れる。
第11の発明の防音ユニットは、前記壁基部に吸音体が設けられていることを特徴とする。
この構成により、吸音面が増大するので、騒音抑制効果を一層向上させることができる。
第12の発明の防音ユニットは、前記開口の形状は、前記防音体の並設方向に沿う幅が、前記吸音体に近づくに従って増大する形状であることを特徴とする。
上記のような形状の開口を有する場合、騒音(連結体の高さより低い高さより発する騒音)の枠部での反射が大きくなることが懸念されるが、本構成とすることで、枠部での騒音反射を効果的に低減でき、受音側での騒音を抑制することができる。
第13の発明の防音ユニットは、前記枠部の前記開口側と反対側にも吸音体が設けられることを特徴とする。
この構成の防音ユニットは、高架橋などに設置したときに、枠部の高さよりも高い高さから発する移動体の騒音を良好に吸収でき、受音側での騒音を抑制することができる。
第14の発明の防音ユニットは、前記枠部の、前記防音体の厚み方向両端側にも吸音体が設けられることを特徴とする。
この構成とすることにより、騒音抑制効果が一層向上する防音ユニットとすることができる。
第15の発明の防音ユニットは、連結体の幅が吸音対象の音の波長の0.8倍より長いことを特徴とする。
この構成の防音ユニットは、高架橋などに設置したときに、枠部の高さよりも高い高さから発する移動体の騒音(吸音対象の音)を、枠部の開口側と反対側の部分で反射させ易い構成とでき、騒音抑制効果に優れる。
第16の発明の防音ユニットは、連結体の幅が吸音対象の音の波長より長いことを特徴とする。
この構成の防音ユニットを高架橋などに設置したときに、枠部の高さよりも高い高さから発する移動体の騒音(吸音対象の音)を、枠部の開口側と反対側の部分で一層反射させ易い構成とでき、騒音抑制効果に優れる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る移動音源用可視型防音壁の全体的な構成を示した斜視図、図2は図1のA−A断面矢視図、図3は連結体に設置される吸音材を詳細に示す一部切欠斜視拡大図である。
本実施形態における移動音源用可視型防音壁1は、図1に示すように、車両等の移動体(音源)の移動方向に沿って設けられた壁基部2と、この壁基部2の上に移動体の移動方向に沿って並べて設置される複数の防音体3と、を備えている。壁基部2は、例えば、移動体の走行路としての高架橋の幅方向端部から垂直に立ち上げられた側壁として構成される。
それぞれの防音体3は、一様な厚みを有するとともに、移動体側(音源側)からみて、前記壁基部2側を底辺とする二等辺三角形状に形成されている。即ち、防音体3は、壁基部2から上側に行くに従って(後述の連結体5に近づくに従って)、移動体の移動方向に沿った幅が狭くなる形状に形成されている。
防音体3は、下端部(二等辺三角形の底辺部分)が間断なく連続するように隙間なく連結されながら、移動体の移動方向に並べて配設される。互いに隣り合う前記防音体3と防音体3との間には開口4が形成され、移動体の搭乗者は、この開口4を通じて防音壁1の外側を良好に視認でき、流れる景色を楽しむことができる。前記開口4は、「V」字状、即ち、上に行くに従って、移動体の移動方向に沿う幅が増大する形状に構成されている。
それぞれの防音体3の頂部同士は、移動体の移動方向に沿って細長く形成された連結体5によって、相互に連結されている。この連結体5は、開口4の上側に設置されている。
この連結体5が設けられていることで、防音壁1としての強度が向上されている。即ち、各防音体3は上側が先細状に形成されており、頂部に近づくにつれて強度が低下する形状であるが、各防音体3の頂部同士を連結体5で連結することで、強度に優れた防音壁1を得ることができる。また、連結体5を設けることで、意匠性が高くあるいは景観にマッチした防音壁1の外観を得ることができる。
図1のA−A断面矢視図である図2を参照しながら、防音体3の構成について詳細に説明する。
防音体3は、その移動体側(音源側)の面、及び、移動体の移動方向両側の面が、鋼板やアルミニウム板等のカバー板6によって覆われている。
防音体3の移動体と反対側(以下「受音側」と称する)の面は、遮音板7によって覆われている。これらカバー板6と遮音板7によって、防音体3のハウジングが中空状に構成されている。カバー板6は小孔を多数穿孔させた所謂パンチングメタルに形成され、移動体からの騒音をハウジングの内部空間に通過させるようにしている。ハウジングの内部空間の中央には、防音体3の剛性を向上させるための支柱8が、上下方向に設置されている。
前記カバー板6の両側は受音側に折り曲げられて、防音体3における、移動体の移動方向両側を覆うようにしている。カバー板6と遮音板7との間には空間が形成され、この空間(前記ハウジングの内部空間)には、吸音材9が設置されている。吸音材9は、耐久性の向上(防水)のために、薄いフィルム10で覆われている。このフィルム10は、強度及び対候性に優れ、かつ吸音性を劣化させない材料を用いることが望ましい。例えばポリフッ化ビニル樹脂などを用いることができる。ただし、吸音材9をフィルム10の代わりに多孔板で覆う構成としても良い。
防音体3の内部空間に設置される吸音材9としては、例えば多孔質材料、ポアセルコンクリート、発泡金属、グラスウール、金属繊維(スチールウール)等、あらゆる吸音材が適用可能である。また、防音体3の中空部に吸音材9を充填させずに空気層のままとしたり、吸音材9の代わりに多数の多孔板を厚さ方向に所定間隔で設ける構成としても良い。
前記遮音板7としては、例えば、金属、樹脂等の板を使用することができ、十分な剛性が得られる限りは特に限定されない。また、防音体3の剛性を増大させるために、防音体3の内部空間に突出するようなリブを設けても良い。
前記連結体5は、図3の拡大斜視図に示すように、下側開放状の断面略「コ」字状に形成されている。この下側を覆うように、パンチングメタル製の下板11が連結体5に固着される。こうして形成される連結体5内の内部空間に、吸音材(吸音体)12が設置される。この吸音材(吸音体)12は防音体3の前記吸音材9と同様に、例えば多孔質材料、ポアセルコンクリート、発泡金属、グラスウール、金属繊維(スチールウール)等、あらゆる吸音材が適用可能である。また、連結体5の内部空間に吸音材12を充填させずに空気層のままとしたり、吸音材12の代わりに多数の多孔板を厚さ方向に所定間隔で設ける構成としても良い。
吸音材12は、耐久性の向上(防水)のために、薄いフィルム13で覆われている。このフィルム13は、防音体3の吸音材9を覆うフィルム10と同様、例えばポリフッ化ビニル樹脂などを用いることができる。
このように、開口4の上側に設置される連結体5に吸音材12を設けたことで、移動体からの騒音が連結体5の下面に到達しても、当該下面で反射させず吸音することができ、受音側での騒音を抑制することができる。この効果は、開口4が、前記連結体5に近づくに従って移動体の移動方向に沿う幅が増大する形状であるときに、特に顕著に発揮される。
なお、本発明の効果は、以下に説明する音響数値シミュレーションによって裏付けられている。図4はシミュレーションのモデルの形状を示す図、図5はシミュレーションの結果を示す図、図6は評価点での騒音の周波数応答を示すグラフ図である。
また、図7は、騒音が防音壁より高い高さから発せられる場合の、評価点での騒音の周波数応答を示すグラフ図である。
図4に示すように、高架橋を鉛直面で切り取ったモデルを考える。高架橋のモデルの各寸法は、メートル単位で図4に示してある。高架橋のモデルにおいて受音側の一端には、高さ2メートルの壁基部(側壁)2が垂直に形成されている。この壁基部2の音源側を向く面の上端から1メートルの部分には、全吸音型の吸音パネルが設置される。
壁基部2の上に設置される防音体3の高さは、1メートルに設定されている。従って、前記開口4の上下方向長さ(壁基部2の上端と連結体5との間の間隔)も、1メートルということになる。また、連結体5の幅は、0.2メートルに設定されている。
このモデルにおいて、高架橋の路面に無指向性音源を設置した場合について、解析を実施した。無指向性音源は、壁基部2から2メートル内側、路面から0.1メートルの高さに設置した。解析は、(a)連結体5がない場合、(b)連結体5がある場合、(c)連結体5があり且つその下面に吸音材12が設置してある場合、の3つの場合について行った。
連結体5がない場合、即ち、防音体3のみが壁基部2上に並設されている場合の解析結果が図5(a)に示される。また、連結体5が取り付けられているが図3に示すような吸音材12を設置していない場合の解析結果が図5(b)に示される。なお、図の円の大きさは音圧の大きさを示す。
(b)の連結体5がある場合は、(a)の連結体5がない場合に比べ、連結体5の下面の反射によって受音側の音圧が上昇しているのが判る。
更に、連結体5の下面を吸音させる本発明の構成の解析結果を(c)に示す。この(c)の図から、連結体5による反射の影響が低減され、騒音が改善されていることがわかる。
図6には、前記(a)(b)(c)のそれぞれにおける、高架橋端から20m離れた1.2m高さの評価点(図4に示す)における騒音レベル値の周波数応答(シミュレーション結果)が示される。この図6から、(b)の連結体5を設置した場合は、(a)の連結体5を設置していない場合に比し、当該連結体5による反射の影響によって、特に略1500Hz以上の周波数(騒音のうち、連結体5の幅より波長が短い成分)において音圧レベル値が大幅に上昇していることが判る。一方、(c)の連結体5の下面を吸音させる本発明の構成とすると、評価点における略1500Hz以上の周波数の騒音を、連結体5を設置していない(a)の場合程度に抑制できていることが判る。
また、壁基部2について、防音体3と同様の構造、即ちカバー板6の内部に吸音体としての吸音材9を設ける構造としても良い。あるいは、壁基部2の表面に、吸音機能を有するパネル等(吸音体)を設置しても良い。この場合は、騒音抑制効果を一層優れたものとすることができる。
また、前記連結体5において、前記開口4側と反対側に吸音体を設ける構成としても良い。例えば、連結体5の上面に、吸音効果を有する部材を貼り付けることが考えられる。また、前記下板11に設けられているような多数の貫通状の小孔を、連結体5の上面にも同様に設けることで、吸音材12による吸音面を連結体5の下側のみならず上側にも構成し、連結体5の開口4側と反対側に吸音体を特別に設けるのと実質的に同様の効果を奏させるものでもよい。
この場合、防音壁1より高い高さから発せられる騒音(例えば、移動体が鉄道車両である場合のパンタグラフの風切り音や、移動体が自動車である場合のその上部排気音)が連結体5の上面に到達した場合でも、前記吸音体によって吸収することができ、更なる騒音低減効果を期待できる。図7には、無指向性音源を防音壁1の連結体5よりも高い高さ(5.3メートル)に設置した場合の、高架橋端から20m離れた1.2m高さの評価点(図4に示す)における騒音レベル値の周波数応答(シミュレーション解析結果)が示される。
解析は、(d)連結体5がない場合、(e)連結体5がある場合、(f)連結体5があり、かつその上面に吸音材が設置してある場合、の3つの場合について行った。
この図7に示すように、連結体5がない場合(d)よりも連結体5のある場合(e)の方が、若干の騒音改善効果が見られる。これは、連結体5の上面に騒音が反射する効果(連結体5により騒音を遮蔽する効果)が現れたものと考えられる。また、連結体5の上面に吸音材が設置してある場合(f)は、その吸音効果により、騒音が一層改善されていることが判る。
なお、連結体5がある場合は、その連結体5の幅(防音壁1もしくは防音体3の厚み方向の幅)を、吸音すべき対象の音(例えば、パンタグラフの風切り音)の波長の0.8倍以上とするのが、騒音を連結体5の上面で反射させ易くなって好ましい。また、上記観点からすると、連結体5の幅は吸音対象の音の波長の1倍以上とすると一層好ましい。これは、後述の防音ユニット100の上側フレーム枠5aの、幅(防音ユニット100もしくは防音体3の厚み方向の幅)についても同様である。
また、連結体5の下面(開口4側の面)及び上面(開口4と反対側の面)のみならず、内側の面(移動体側を向く面)や、外側の面(移動体と反対側を向く面)にも、吸音体を設けて良い。この場合、より一層の吸音効果が期待できる。
図8には、本発明を防音ユニットに適用した構成が示される。この防音ユニット100は、四縁をフレーム枠5a・5b・5c・5dで囲まれた内部に、防音体3,3’を一方向に並べて設置した構成としている。防音体3の構成は、前記実施例(図1等に図示)の防音体3と同様の構造である。防音ユニット100の両端に設置される防音体3’は、防音体3の二等辺三角形を中央で二等分した、直角三角形状とされる。
防音体3,3’は、その一端側(二等辺三角形あるいは直角三角形の底辺部分)が間断なく連続するように隙間なく連結されながら、下側フレーム枠5dに固定される。互いに隣り合う前記防音体3と防音体3(3’)との間には開口4が形成され、この開口4を通じて移動体たる車両の窓から外側を視認できるようになっている。前記開口4は、「V」字状、即ち、上側フレーム枠5aに近づくに従って幅が増大する形状に構成されている。
それぞれの防音体3(3’)の頂部同士は、上側フレーム枠(枠部)5aによって、相互に連結されている。このフレーム枠5aは、防音体3,3’が並設される方向に細長く形成され、また、下側開放状の断面略「コ」字状に形成される。上側フレーム枠5aの下側を覆うように、パンチングメタル製の下板11が連結体5に固着される。こうして形成される連結体5内の内部空間に、吸音材(吸音体)12が設置される。吸音材12は、例えばポリフッ化ビニル樹脂などで形成された、フィルム13で覆われる。
この防音ユニット100は、高架橋等の既設の側壁の上に、移動体の移動方向に沿って複数並べて設置され使用される。防音体3毎ではなく、複数の防音体3,3’を一体化した防音ユニット100毎に取り扱うことができるので、設置の手間を軽減でき、施工性が向上する。
また、防音ユニット100を使用する場合、移動体からの騒音が上側フレーム枠5aの下面に到達しても、当該下面で反射させず吸音することができ、受音側での騒音を抑制することができる。この効果は、開口4が、前記上側フレーム枠5aに近づくに従って移動体の移動方向に沿う幅が増大する形状であるときに、特に顕著に発揮される。
なお、防音ユニット100は、上側フレーム枠5aのみで他のフレーム枠5b・5c・5dを省略する構成であっても良い。また、防音ユニット100に、前記防音体3,3’の並べられる方向に細長い壁基部を更に備えさせた構成とすれば、防音体3,3’のほか壁基部をも一体として扱うことが可能となって、施工性が一層向上する。この場合、壁基部の内部に前記防音体3,3’と同じく吸音材9を備えさせたり、あるいは、壁基部の表面に、吸音機能を有するパネル等(吸音体)を設置すると、騒音抑制効果を一層優れたものとすることができる。
また、前記上側フレーム枠5aにおいて、前記開口4側と反対側に吸音体を設ける構成としても良い。例えば、上側フレーム枠5aの上面に、吸音効果を有する部材を貼り付けることが考えられる。また、前記下板11に設けられているような多数の貫通状の小孔を、上側フレーム枠5aの上面にも同様に設けることで、吸音材12による吸音面を上側フレーム枠5aの下側のみならず上側にも構成し、上側フレーム枠5aの開口4側と反対側に吸音体を特別に設けるのと実質的に同様の効果を奏させるものでもよい。
この場合、防音ユニット100を高架橋等に設置したときに、上側フレーム枠5aより高い高さから発せられる騒音(例えば、パンタグラフの風切り音)が上側フレーム枠5aの上面に到達した場合でも、前記吸音体によって吸収することができ、更なる騒音低減効果を期待できる。
また、上側フレーム枠5aの下面(開口4側の面)及び上面(開口4と反対側の面)のみならず、前記防音体3,3’の厚み方向両端側(言い換えれば、移動体側すなわち音源側を向く面と、受音側を向く面の両方)に、吸音体を設けて良い。この場合、より一層の吸音効果が期待できる。
防音壁1・防音ユニット100のいずれにおいても、前記開口4の形状は「V」字状(二等辺三角形状)に限られず、様々な形状を採用することができる。また防音体3,3’の形状も二等辺三角形状に限ることなく、隣り合う防音体との間に前記開口4を形成するものであれば、任意の形状を採用できる。
また、防音体3,3’や壁基部2の移動体側すなわち音源側のみならず、受音側に吸音体を設けて良い。例えば、前記遮音板7の代わりにカバー板6のようなパンチングメタルを使用することが考えられる。あるいは遮音板7を防音体3の内部空間を厚み方向に2分するように設け、当該遮音板7の音源側および受音側の双方に吸音材9を設置して、吸音材9を覆うようにカバー板6で音源側および受音側を覆うことが考えられる。これらの構成とすることで、一層の騒音抑制効果を期待できる。
本発明の一実施形態に係る移動音源用可視型防音壁の全体的な構成を示した斜視図。 図1のA−A断面矢視図。 連結体に設置される吸音材を詳細に示す一部切欠斜視拡大図。 シミュレーションのモデルの形状を示す図。 シミュレーションの結果を示す図。 評価点での騒音の周波数応答を示すグラフ図。 騒音が防音壁より高い高さから発せられる場合の、評価点での騒音の周波数応答を示すグラフ図。 本発明の一実施形態に係る防音ユニットを示す斜視図。
符号の説明
1 移動音源用可視型防音壁
2 壁基部
3 防音体
4 開口
5 連結体
12 吸音材(吸音体)
100 防音ユニット

Claims (16)

  1. 移動体の移動方向に沿って設けられた壁基部と、
    前記壁基部の上に移動体の移動方向に沿って並べて設置される複数の防音体と、
    互いに隣り合う前記防音体と防音体との間に形成される開口と、
    前記開口の上側に位置し、前記防音体同士を連結する連結体と、
    前記連結体の少なくとも前記開口側に設けられる吸音体と、
    を少なくとも有する、移動音源用可視型防音壁。
  2. 請求項1に記載の移動音源用可視型防音壁であって、前記壁基部に吸音体が設けられていることを特徴とする、移動音源用可視型防音壁。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の移動音源用可視型防音壁であって、
    前記開口が、前記連結体に近づくに従って移動体の移動方向に沿う幅が増大する形状である、
    移動音源用可視型防音壁。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の移動音源用可視型防音壁であって、前記連結体の前記開口側と反対側にも吸音体が設けられることを特徴とする、移動音源用可視型防音壁。
  5. 請求項4に記載の移動音源用可視型防音壁であって、前記連結体の移動体側、移動体と反対側にも吸音体が設けられることを特徴とする、移動音源用可視型防音壁。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の移動音源用可視型防音壁であって、連結体の幅が吸音対象の音の波長の0.8倍より長いことを特徴とする、移動音源用可視型防音壁。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の移動音源用可視型防音壁であって、連結体の幅が吸音対象の音の波長より長いことを特徴とする、移動音源用可視型防音壁。
  8. 請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の移動音源用可視型防音壁であって、高架橋に設置されることを特徴とする、移動音源用可視型防音壁。
  9. 一方向に並べて設置される複数の防音体と、
    互いに隣り合う前記防音体と防音体との間に形成される開口と、
    各防音体を連結する、前記防音体の並設方向に細長い枠部と、
    前記枠部の少なくとも前記開口側に設けられる吸音体と、
    を少なくとも有する、防音ユニット。
  10. 請求項9に記載の防音ユニットであって、更に、前記防音体が並べて設置される方向に沿う壁基部を有することを特徴とする、防音ユニット。
  11. 請求項10に記載の防音ユニットであって、前記壁基部に吸音体が設けられていることを特徴とする、防音ユニット。
  12. 請求項9から請求項11までのいずれか一項に記載の防音ユニットであって、
    前記開口の形状は、前記防音体の並設方向に沿う幅が、前記吸音体に近づくに従って増大する形状である、
    防音ユニット。
  13. 請求項9から請求項12までの何れか一項に記載の防音ユニットであって、前記枠部の前記開口側と反対側にも吸音体が設けられることを特徴とする、防音ユニット。
  14. 請求項9から請求項13までの何れか一項に記載の防音ユニットであって、前記枠部の、前記防音体の厚み方向両端側にも吸音体が設けられることを特徴とする、防音ユニット。
  15. 請求項9から請求項14までの何れか一項に記載の防音ユニットであって、連結体の幅が吸音対象の音の波長の0.8倍より長いことを特徴とする、防音ユニット。
  16. 請求項9から請求項15までの何れか一項に記載の防音ユニットであって、連結体の幅が吸音対象の音の波長より長いことを特徴とする、防音ユニット。

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