JP2005029719A - 着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、下記一般式で表されるチアジン系顔料とを含む着色組成物、および少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備し、該少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、前記着色組成物から形成されているカラーフィルタ。
【化1】
〔式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、H、CH3、OCH3、OC2H5、Cl、Br、NO2、またはCOOCH3を示す。〕
【選択図】なし
Description
このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっており、主に下記の2通りの方法でカラーフィルタが製造されている。
式(1)
また、本発明の着色組成物において、前記チアジン系顔料は、該顔料を透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体に分散してなる橙色組成物を用いて545nmにおける分光透過率が1%になるように塗膜を形成したとき、該塗膜の425nmにおける分光透過率が10%以下かつ590nmにおける分光透過率が80%以上となる分光特性を有することが好ましい。
また、本発明の着色組成物を用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタは、色温度・duvが同等程度でホワイトの明度が高い。
本発明の着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体と、該着色料担体に分散された上記一般式(1)で表されるチアジン系顔料を含む。
上記一般式(1)で表されるチアジン系顔料としては、C.I. Pigment Red 279が挙げられる。
前記の分光特性を有するチアジン系顔料は、上記式(1)で表されるチアジン系顔料をアシッドペースティング処理、またはドライミリング処理をすることによっても製造することができる。
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
n:1〜10の整数を表す。
R1、R2:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R3:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜10が好ましい。
R4、R5、R6、R7:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Y:−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
R8、R9:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。アルキル基およびアルケニル基の炭素数は1〜5が好ましい。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基または置換されていてもよいフェニレン基を表す。アルキレン基およびアルケニレン基の炭素数は1〜8が好ましい。
P:式(6)で示される置換基または式(7)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(6)で示される置換基または式(7)で示される置換基を表す。
式(9) −COCl
式(10) −CH2NHCOCH2Cl
式(11) −CH2Cl
有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(2)〜(5)で表される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによって塩基性基を有するアゾ系色素誘導体を製造することもできる。
本発明の着色組成物から赤色フィルタセグメントを形成する場合には、C.I. Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、81:4、146、168、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272、C.I. Pigment Orange 43、71、73等の赤色顔料を併用することができる。
本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備し、ここで、少なくとも1つの赤色フィルタセグメントは、本発明の着色組成物を用いて形成される。
青色フィルタセグメントは、通常の青色着色組成物を用いて形成することができる。青色着色組成物は、チアジン系顔料の代わりに、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60等の青色顔料を用いて得られる組成物である。青色着色組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、32、42等の紫色顔料を併用することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
まず、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液および橙色顔料について説明する。
反応容器にシクロヘキサノン800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メチルメタクリレート 65.0部
ブチルメタクリレート 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
[橙色顔料1]
C.I. Pigment Red 279顔料(Clariant社製「Novoperm THI Red 4G70 LP2543」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で8時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の橙色顔料1を得た。
C.I. Pigment Red 279顔料(Clariant社製「Novoperm THI Red 4G70 LP2543」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で2時間混練した。次にこの混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の橙色顔料2を得た。
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過しチアジン系橙色顔料分散体を作製した。
橙色顔料1 9.0部
色素誘導体(化合物A−45) 1.0部
アクリル樹脂溶液 50.0部
シクロヘキサノン 40.0部
ついで、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型橙色レジスト材を得た。
アクリル樹脂溶液 11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
シクロヘキサノン 23.2部
橙色顔料1を橙色顔料2に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型橙色レジスト材を作製した。
[実施例3]
橙色顔料1を未処理のC.I. Pigment Red 279顔料(Clariant社製「Novoperm THI Red 4G70 LP2543」)に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型橙色レジスト材を作製した。
[比較例1]
橙色顔料1を未処理のC.I. Pigment orange 71顔料(Ciba社製「CROMOPHTAL Orange TR」)に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型橙色レジスト材を作製した。
橙色顔料1の9.0部のうち3.15部を、ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I. Pigment Red 254(チバガイギー社製「イルガフォーレッド B−CF」)に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
[実施例5]
橙色顔料1の9.0部を、ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I. Pigment Red 254(Ciba社製「イルガフォーレッド B−CF」)3.105部、橙色顔料2を5.895部に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
橙色顔料1の9.0部を、ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I. Pigment Red 254(Ciba社製「イルガフォーレッド B−CF」)3.06部、未処理のC.I. Pigment Red 279顔料(Clariant社製「Novoperm THI Red 4G70 LP2543」)5.94部に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
[比較例2]
橙色顔料1の9.0部を、ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I. Pigment Red 254(Ciba社製「イルガフォーレッド B−CF」)6.03部、未処理のC.I. Pigment orange 71顔料(Ciba社製「CROMOPHTAL Orange TR」)2.97部に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
橙色顔料1のうち3.24部を、アントラキノン系赤色顔料C.I. Pigment Red 177(Ciba社製「クロモフタールレッド A2B」)に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
[実施例8]
橙色顔料1の9.0部を、アントラキノン系赤色顔料C.I. Pigment Red 177(Ciba社製「クロモフタールレッド A2B」)3.195部、橙色顔料2を5.805部に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
橙色顔料1の9.0部を、アントラキノン系赤色顔料C.I. Pigment Red 177(Ciba社製「クロモフタールレッド A2B」)3.15部、未処理のC.I. Pigment Red 279顔料(Clariant社製「Novoperm THI Red 4G70 LP2543」)5.85部に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
[比較例3]
橙色顔料1の9.0部を、アントラキノン系赤色顔料C.I. Pigment Red 177(Ciba社製「クロモフタールレッド A2B」)6.03部、未処理のC.I. Pigment orange 71顔料(Ciba社製「CROMOPHTAL Orange TR」)2.97部に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型赤色レジスト材を得た。
赤色フィルタセグメント、青色フィルタセグメント、および緑色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタを作製するために、青色、緑色レジスト材を以下の方法で作製した。
(青色レジスト材)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し銅フタロシアニン分散体を作製した。
ε型銅フタロシアニン顔料C.I. Pigment Blue 15:6 10.0部
(BASF製「ヘリオゲンブルー L-6700F」)
分散剤(ゼネカ社製「ソルスパーズ20000」) 2.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
銅フタロシアニン分散体 60.0部
アクリル樹脂溶液 11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
シクロヘキサノン 23.2部
ε型銅フタロシアニン顔料10.0部を銅フタロシアニン系緑色顔料C.I. Pigment Green 36(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン 6YK」)6.85部、イソインドリン系黄色顔料C.I. Pigment Yellow 139(Ciba社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)3.15部に変えた以外は、青色レジスト材と同様にして緑色レジスト材を作製した。
さらに、赤色レジスト材と同様にして、青色レジスト材をx=0.136、y=0.142になるような膜厚に塗布した。乾燥後、赤色、緑色のフィルタセグメントと隣接したストライプ形状の青色フィルタセグメントを形成した。
[実施例11]
実施例5で作製した赤色レジスト材、実施例10で作製した緑色レジスト材、および実施例10で作製した青色レジスト材を用いて、実施例10と同様にしてカラーフィルタを作製した。
実施例6で作製した赤色レジスト材、実施例10で作製した緑色レジスト材、および実施例10で作製した青色レジスト材を用いて、実施例10と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例4]
比較例2で作製した赤色レジスト材、実施例10で作製した緑色レジスト材、および実施例10で作製した青色レジスト材を用いて、実施例10と同様にしてカラーフィルタを作製した。
Claims (5)
- チアジン系顔料が、該顔料を透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる着色料担体に分散してなる橙色組成物を用いて545nmにおける分光透過率が1%になるように塗膜を形成したとき、該塗膜の425nmにおける分光透過率が10%以下かつ590nmにおける分光透過率が80%以上となる分光特性を有することを特徴とする請求項1記載の着色組成物。
- 塩基性基を有する色素誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の着色組成物。
- 塩基性基を有する色素誘導体または塩基性基を有するトリアジン誘導体の含有量が、式(1)で表されるチアジン系顔料を基準として0.001〜40重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の着色組成物。
- 少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備し、該少なくとも1つの赤色フィルタセグメントが、請求項1〜4いずれか記載の着色組成物から形成されていることを特徴とするカラーフィルタ。
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