JP4871634B2 - カラーフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタに関する。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行または交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
一般的に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの上に液晶を駆動させるための透明電極が蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されている。これらの透明電極および配向膜の性能を充分に得るには、その形成を一般に200℃以上、好ましくは230℃以上の高温で行う必要がある。
このため、現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色材とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっている。
顔料分散法の場合、感光性透明樹脂溶液中に顔料を分散した感光性着色組成物(顔料レジスト)をガラス等の透明基板に塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、一つのフィルタ色のパターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して1色目のパターンを形成、必要に応じて加熱等の処理を加えた後、同様の操作を全フィルタ色について順次繰り返すことによりカラーフィルタを製造することができる。
近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラーテレビやカーナビゲーション用および液晶表示装置一体型のノートパソコンとして大きな市場を形成するに至っており、省エネ、省スペースという特徴を活かしたデスクトップパソコン用のモニターおよびテレビとして普及し始めている。カラー液晶表示装置は従来のCRTに代わる表示装置として注目されているが、現状では液晶表示装置の色再現特性はCRTのそれよりも劣っている。
そこで、各色のフィルタセグメントが配置されたカラーフィルタにおいては、高色再現性の要求が高まっている。
しかし、一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低いという問題がある。
このようなカラーフィルタの製造にあたっては、カラーフィルタに含まれる顔料の分散剤種が重要であり、分散剤の性能が低いカラーフィルタは、コントラストの低下等の原因となる。
そこで、フィルタセグメントの製造には、顔料分散剤は顔料と相性の良い物が用いられ、従来は顔料分散剤として、C.I. Pigment Yellow138のスルホン化物、またはこれを金属アルカリ水溶液またはアミン水溶液で中和してなる塩である顔料分散剤等が用いられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−167112号公報 特開2002−179979号公報 特開2002−121418号公報
しかし、高コントラストなどのカラーフィルタ物性に対する要求が高まっている状況下においては、従来から使用されているC.I. Pigment Yellow138を母体骨格とする顔料分散剤では、その対応が困難になってきている。特に近年では、テレビモニタ用途に液晶表示装置が適用されており、パネルを作成するためには顔料分を多く含む高濃度カラーフィルタが求められている。
そこで、本発明は、コントラストの高いカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明のカラーフィルタは、有機顔料と、下記一般式1で表される顔料分散剤とを含有するフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
Figure 0004871634
(式中、Qは置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表し、
1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−または−NR’CO−から選ばれる基を表し
2は置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリーレン基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下の複素芳香環から選ばれる基を表し(これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。)、
3は、−NR’−または−O−を表し、
(ただし、R’は、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表す。)
AおよびBは、それぞれ独立に、下記一般式2もしくは3で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fまたは−X3−X2−X1−Qから選ばれる基を表し(R8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表し、nは0〜20の整数を表す。)、AおよびBのいずれか一方は、下記一般式2もしくは3で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9または−NR1011であり、
tは、1〜3の整数を表す。)
Figure 0004871634
(式中、Y1は−NR’−または−O−を表し、
2は、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニレン基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリーレン基から選ばれる基を表し(これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。ただし、R’は、一般式1で定義されたものを表す。)、
1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基を表す(R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。)。)
Figure 0004871634
(式中、Z1は、トリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、−NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−、または−O−G−SO2NR’−を表し(Gは、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニレン基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表す。)、
3、R4、R5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表し、
7は、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基を表す。)。
カラーフィルタが、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備する場合には、前記赤色フィルタセグメントが赤色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有すること、および/または前記緑色フィルタセグメントが緑色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有することが好ましい。
また、前記緑色有機顔料は、C.I. Pigment Green 7またはC.I. Pigment Green 36であることが好ましく、赤色フィルタセグメントまたは緑色フィルタセグメントは、C.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150を含有することが好ましい。
また、カラーフィルタが、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのエロー色フィルタセグメントを具備する場合には、前記エロー色フィルタセグメントが、黄色有機顔料と、一般式1で表される顔料分散剤とを含有することが好ましい。
また、前記黄色有機顔料は、C.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150であることが好ましい。
本発明のカラーフィルタが具備するフィルタセグメントは、有機顔料と、一般式1で表される顔料分散剤とを含有する。一般式1で表される顔料分散剤は、アンカーとして優れたキノフタロン骨格に顔料分散能力の高い官能基が導入された化合物であるため、有機顔料と共に使用すると、従来の顔料分散剤を用いた場合に比べて有機顔料の顔料担体への分散性が向上し、フィルタセグメントのコントラストがあがる。特に、カラーフィルタを使用したディスプレーでは、テレビ用途としてこれまで以上に黒の再現性が求められており、本発明のカラーフィルタはこのような要求にも十分適合できる。
本発明のカラーフィルタは、有機顔料と、上記一般式1で表される顔料分散剤とを含有するフィルタセグメントを具備する。
カラーフィルタが、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備する場合には、前記赤色フィルタセグメントが赤色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有すること、および/または前記緑色フィルタセグメントが、緑色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有することが好ましい。
また、カラーフィルタが、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのエロー色フィルタセグメントを具備する場合には、前記エロー色フィルタセグメントが、黄色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有することが好ましい。
上記一般式1で表される顔料分散剤は、キノフタロン骨格とトリアジン骨格がアリーレン基または複素芳香環を介して結合し、さらにトリアジン骨格に塩基性官能基が連結基を介して結合した化合物である。これを使用して、各色顔料を顔料担体に分散した着色組成物を用いることにより、コントラストが高いフィルタセグメントを形成することができる。
一般式1において、Qは下記一般式4で表される、置換基を有していてもよいキノフタロン残基である。
Figure 0004871634
一般式4において、DおよびEは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、DおよびEが結合したベンゼン環とともに形成し、置換基を有してもよい芳香環または複素環、ヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、カルボキシル基あるいはその塩あるいは炭素数1〜20のエステルあるいは炭素数1〜20のアミド、スルホン基あるいはその塩、スルファモイル基、−NR’R’’−、ニトロ基から選ばれるいずれかの基を表す(式中、R’およびR’’は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表す。)。また、pは4以下の整数を、qは4−pで算出される整数を表す。これらのうち、Eが水素原子または塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子であり、pが4である場合が特に好ましい。
一般式4で表されるキノフタロン残基を形成するために使用されるキノフタロン化合物は、各種キナルジンと下記一般式5で表される各種無水フタル酸あるいは下記一般式6で表される各種フタル酸を、安息香酸または各種高沸点溶媒中で脱水縮合することにより合成することができる。
Figure 0004871634
(式中、D、E、p、qは、一般式4で定義されたものを表す。)
例えば、安息香酸と各種無水フタル酸を130℃以上の温度で加熱、融解し、次いでキナルジンを添加する。この反応において、キナルジンと各種無水フタル酸は、通常1:1〜1:5のモル比で使用する。また、キナルジンと安息香酸は、通常1:2〜1:20のモル比で使用するが、系の攪拌状態により必要に応じて増減することができる。原料が溶融した後、150〜180℃に加熱し、3〜8時間攪拌する。その際、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。反応終了後、反応混合物を130〜150℃に冷却し、場合により水で希釈した後、アルカリ水溶液、例えば5〜20重量%の水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を添加する。この操作により安息香酸は水溶性のアルカリ金属塩となり、生成したキノフタロン化合物と濾過により分離することができる。その後、水で洗浄、乾燥して、一般式4で表されるキノフタロン残基を形成するために使用されるキノフタロン化合物を得ることができる。
また、上記のアルカリ水溶液による方法以外の後処理法としては、各種溶媒による精製方法が有効である。反応混合物を、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、トルエン、キシレンなどの溶媒、またはそれらの混合物により希釈する方法である。安息香酸はこれらの溶媒に溶解するので、生成物が不溶である場合、濾過により分離することができる。
以上の脱水縮合反応は、上記の方法のほかに、以下に記載の方法により下記一般式7で表される化合物を合成した後に行ってもよい。その際の反応条件や後処理方法は、各種キナルジンと各種無水フタル酸あるいは各種フタル酸を反応させる場合と同様である。
Figure 0004871634
(式中、X1、X2、X3、A、B、tは、それぞれ一般式4で定義されたものを表す。)
一般式1または一般式7で表される化合物は、まず下記一般式8または9で表される構造の中間体を合成し、次いで塩化シアヌル及びA、B導入源と反応させることで合成することができる。
Figure 0004871634
(式中、X3’は1級または2級のアミノ基またはヒドロキシル基を表し、Q、X1、X2、tは、それぞれ一般式1で定義されたものを表す。)
一般式8または一般式9で表される中間体を合成するための方法は、最終的に一般式8または一般式9で表される中間体を合成しうる方法であれば特に限定されることはないが、そのうちいくつかの方法を以下に例示する。
第一の例は、キノフタロン化合物またはキナルジンをクロロスルホン化した後、各種1級または2級のジアミンあるいは各種ヒドロキシルアミンを作用させる方法である。
クロロスルホン化反応は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、キノフタロン化合物またはキナルジンをクロロスルホン酸に溶解し、40〜140℃で1〜8時間加熱攪拌する。40〜50℃に冷却した後、塩化チオニルを添加してさらに1〜8時間攪拌する。その際、硫酸溶液の吸収スペクトル測定などによって反応を追跡し、終点を決定することができる。反応終了後、反応混合物を大量の氷水中に注入し、濾過、氷水洗することでキノフタロン化合物またはキナルジンのクロロスルホン化物が得られる。
得られたキノフタロン化合物またはキナルジンのクロロスルホン化物を水中にスラリー化する。次いで各種ジアミンあるいは各種ヒドロキシルアミンを添加し、5〜80℃で1〜5時間攪拌する。その際、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し、一般式8または一般式9で表される中間体を得ることができる。この反応において、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの水への溶解度が低い場合、アセトンなどの反応を阻害しない溶媒を使用してもよい。また、反応の進行に伴い塩化水素が発生するので、必要に応じて各種無機塩基や3級アミンなどを添加してもよい。
この反応で使用される各種ジアミンとしては、−X1−X2−X3’の構造を形成しうる化合物であれば特に限定されないが、例えば1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,4−ジアミノピリミジン、4,5−ジアミノピリミジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノプリン、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、アセトグアナミンなどが挙げられる。これらジアミンの使用量は、キノフタロン化合物またはキナルジンのクロロスルホン化物と等モル以上の量であれば特に制限されないが、キノフタロン化合物またはキナルジンのクロロスルホン化物に対して1〜5倍モル程度の量を使用することが好ましい。
上記第一の例において、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの代わりにp−アミノアセトアニリドなどを使用して一般式8または9で表される構造の中間体を合成してもよい。その場合、キノフタロン化合物またはキナルジンのクロロスルホン化物とp−アミノアセトアニリドなどを、各種ジアミンを使用した場合と同様に反応させた後、アセトアミド基を加水分解することで一般式8または9で表される構造の中間体を合成することができる。
第二の例は、キノフタロン化合物またはキナルジンに、クロロアセトアミドメチル化などの方法により連結基を導入した後、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを作用させる方法である。
クロロアセトアミドメチル化反応は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、キノフタロン化合物またはキナルジンを硫酸中に溶解し、その後α−クロロアセトアミド及びパラホルムアルデヒドを添加する。混合物を20〜120℃で2〜10時間攪拌し、クロロアセトアミドメチル化を行う。その際、高速液体クロマトグラフィーなどの方法で反応を追跡し、キノフタロン化合物またはキナルジンの消費量により反応終点を決定することができる。反応終了後、反応混合物を冷却した後、大量の氷水中に注入し、濾過、氷水洗することで、キノフタロン化合物またはキナルジンのクロロアセトアミドメチル化物が得られる。
得られたキノフタロン化合物またはキナルジンのクロロアセトアミドメチル化物を水中にスラリー化し、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを添加する。次いで、5〜80℃で1〜5時間攪拌する。その際、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し、一般式8または一般式9で表される中間体を得ることができる。この反応で使用される各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンとしては、−X1−X2−X3’の構造を形成しうる化合物であれば特に限定されないが、例えば上記第一の例に例示した化合物が挙げられる。また、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの使用量は、キノフタロン化合物またはキナルジンのクロロアセトアミドメチル化物と等モル以上の量であれば特に制限されないが、キノフタロン化合物またはキナルジンのクロロアセトアミドメチル化物に対して1〜5倍モル程度の量を使用することが好ましい。この反応において、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの水への溶解度が低い場合、アセトンなどの反応を阻害しない溶媒を使用してもよい。また、反応の進行に伴い塩化水素が発生するので、必要に応じて各種無機塩基や3級アミンなどを添加してもよい。また、第一の例の場合と同様に、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの代わりにp−アミノアセトアニリドなどを使用して一般式8または9で表される構造の中間体を合成してもよい。
第三の例は、無水トリメリット酸とキナルジンから下記一般式10で表される化合物を合成した後、カルボキシル基を塩素化し、得られた酸塩化物と各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを作用させる方法である。下記一般式10で表される化合物は、一般式4で表されるキノフタロン残基を形成するために使用されるキノフタロン化合物と同様の方法で合成することができる。
Figure 0004871634
カルボキシル基の塩素化は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、一般式10で表される化合物をクロロスルホン酸中に添加し、10〜30℃で1〜3時間攪拌した後、塩化チオニルを添加し、40〜50℃で2〜5時間攪拌する。反応混合物を大量の氷水中に注入し、濾過、氷水洗してカルボン酸クロライドの水ケーキが得られる。
得られたカルボン酸クロライドを水中にスラリー化し、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンを添加する。次いで、10〜80℃で1〜5時間攪拌する。その際、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。
反応終了後、反応混合物を濾過、水洗、乾燥し、一般式8で表される中間体を得ることができる。この反応で使用される各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンとしては、−X1−X2−X3’の構造を形成しうる化合物であれば特に限定されないが、例えば上記第一の例に例示した化合物が挙げられる。また、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの使用量は、カルボン酸クロライドと等モル以上の量であれば特に制限されないが、カルボン酸クロライドに対して1〜5倍モル程度の量を使用することが好ましい。この反応において、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの水への溶解度が低い場合、アセトンなどの反応を阻害しない溶媒を使用してもよい。また、反応の進行に伴い塩化水素が発生するので、必要に応じて各種無機塩基や3級アミンなどを添加してもよい。また、第一の例の場合と同様に、各種ジアミンまたは各種ヒドロキシルアミンの代わりにp−アミノアセトアニリドなどを使用して一般式8で表される構造の中間体を合成してもよい。
第四の例は、各種アミノキナルジンとアセトアミド基を有する各種酸クロライドを反応させた後に、アセトアミドを加水分解し、アミノ基に変換する方法である。
各種アミノキナルジンとアセトアミド基を有する各種酸クロライドの反応は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、各種溶媒中で各種アミノキナルジンと4−アセタミドベンゼンスルホニルクロライドを、各種無機塩基または三級アミンの存在下、10〜50℃で1〜5時間攪拌する。その際に使用する溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。使用する各種無機塩基または3級アミンの種類は特に限定されず、使用量も発生する塩化水素を中和しうる量であれば特に限定されない。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。以上の反応で生成した下記一般式11で表される化合物は、濾過、水洗、乾燥により精製してもよいが、その様な所作を行わずにその後の反応に使用することも可能である。
Figure 0004871634
以上で製造した、一般式11で表される化合物を含有した溶液に水を添加した後、さらにpHが1以下になるまで塩酸を添加し、還流温度に加熱する。一般式11で表される化合物を合成する際に水以外の低沸点溶媒を使用した場合は、還流温度が100℃になるまで溶媒を留去する。反応液を100℃で1〜5時間攪拌することで、アセトアミド基をアミノ基に変換する。その際、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後に中和し、生成物を濾過、水洗して一般式9で表される中間体を得ることができる。
第五の例は、各種アミノキナルジンとニトロ基を有する各種酸クロライドを反応させた後にニトロ基を還元し、アミノ基に変換する方法である。
各種アミノキナルジンとニトロ基を有する各種酸クロライドの反応は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、各種アミノキナルジンと4−ニトロベンゾイルクロライドを、上記一般式11の化合物を合成する場合と同様に反応させ、得られた生成物を濾過、洗浄して下記一般式12で表される化合物を得ることができる。
Figure 0004871634
以上で製造した、一般式12で表される化合物を水中にスラリー化し、硫化ナトリウム9水和物を添加する。硫化ナトリウム9水和物の添加量は、ニトロ基を還元しうる量以上であれば特に限定されないが、通常は一般式12で表される化合物の1.5〜10倍モル程度使用する。スラリーを50〜80℃で攪拌し、ニトロ基をアミノ基に還元する。その際、反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。反応終了後、十分洗浄して硫化ナトリウム由来の不純物を除去し、一般式9で表される中間体を得ることができる。
また、ニトロ基の還元は、一般式12で表される化合物と各種無水フタル酸から下記一般式13で表されるキノフタロン化合物を合成した後に行っても良い。その場合、下記一般式13で表される化合物は、一般式4で表されるキノフタロン残基を形成するために使用されるキノフタロン化合物と同様の方法で合成することができる。
Figure 0004871634
(式中、Qは、一般式1で定義されたものを表す。)
以上で合成した一般式13で表される化合物のニトロ基を還元して、一般式8で表される中間体を得ることができる。その場合の合成条件は、一般式12で表される化合物から一般式9で表される化合物を合成する場合と同様である。
以上の方法で製造した一般式8または一般式9で表される中間体を使用して、一般式1または一般式7で表される化合物を製造する反応は、公知の方法に従って行うことができる。
例えば、各種溶媒中で一般式8または一般式9で表される中間体と塩化シアヌルを、各種無機塩基または三級アミンの存在下、5〜15℃で1〜5時間攪拌し、下記一般式14または一般式15で表される化合物を合成する。その際に使用する溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、アセトンなどの低級ケトンが特に好ましい。また、塩化シアヌルの使用量は、一般式8または一般式9で表される中間体と当モル以上の量であれば特に限定されない。使用する各種無機塩基または3級アミンの種類は特に限定されず、使用量も発生する塩化水素を中和しうる量であれば特に限定されない。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。反応終了後、生成物を濾過、洗浄し、下記一般式14または一般式15で表される化合物を得ることができる。
Figure 0004871634
(式中、Q、X1、X2、X3は、それぞれ一般式1で定義されたものを表す。)
以上で製造した一般式14または一般式15で表される化合物と、各種アミン成分または各種アルコール成分を各種溶媒中、40〜100℃の温度で1〜8時間攪拌し、一般式1または一般式7で表される化合物を合成する。その際に使用する溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、1,4−ジオキサンなどの溶解性の高い溶媒が特に好ましい。反応の進行に伴い塩化水素が発生するので、必要に応じて各種無機塩基または三級アミンを添加してもよい。その場合、使用する各種無機塩基または3級アミンの種類は特に限定されず、使用量も発生する塩化水素を中和しうる量であれば特に限定されない。反応混合物を高速液体クロマトグラフィーなどの方法で成分分析し、反応終点を決定することができる。この反応で水以外の溶媒を使用した場合、反応混合物を大量の水に注入する、あるいは反応混合物に水を添加した後に溶媒を留去するなどして生成物を不溶化する。反応終了後、生成物を濾過またはデカンテーションなどで分離、洗浄して一般式1または一般式7で表される化合物を得ることができる。
この反応で使用する各種アミン成分または各種アルコール成分は、反応終了後に一般式2、一般式3または−O−(CH2n−R8で表される構造を形成するものであれば特に限定されない。
一般式2で表される構造を形成するために使用するアミン成分またはアルコール成分としては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルアミノプロピル、N,N−ジメチルアミノアミル、N,N−ジメチルアミノブチル、N,N−ジエチルアミノエチル、N,N−ジエチルアミノプロピル、N,N−ジエチルアミノヘキシル、N,N−ジエチルアミノエトキシプロピル、N,N−ジエチルアミノブチル、N,N−ジエチルアミノペンチル、N,N−ジプロピルアミノブチル、N,N−ジブチルアミノプロピル、N,N−ジブチルアミノエチル、N,N−ジブチルアミノブチル、N,N−ジイソブチルアミノペンチル、N,N−メチル−ラウリルアミノプロピル、N,N−エチル−ヘキシルアミノエチル、N,N−ジステアリルアミノエチル、N,N−ジオレイルアミノエチル、N,N−ジステアリルアミノブチルのアミンまたはアルコール、あるいはN−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノメチルピペリジン、またはN−ヒドロキシメチルピペリジン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、N−ヒドロキシプロピルピペリジン、N−ヒドロキシエチルピペコリン、N−ヒドロキシプロピルピペコリン、N−ヒドロキシメチルピロリジン、N−ヒドロキシブチルピロリジン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−ヒドロキシブチルモルホリン等が挙げられる。これらの各種アミン成分または各種アルコール成分の使用量は、一般式14または一般式15で表される化合物の等モル以上の量であれば特に限定されないが、一般式14または一般式15で表される化合物の2倍モル以上の量であることが好ましい。
また、一般式3の構造または−O−(CH2)n−R8を形成するために使用されるアミン成分またはアルコール成分としては、例えば、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−アミノ−4−シクロペンチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、N−メチル−3−ピペリジンメタノール、N−メチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−4−ピペリジノール、N−メチル−2−ヒドロキシエチルピロリジンなどが挙げられる。これらの各種アミン成分または各種アルコール成分の使用量は、一般式14または一般式15で表される化合物の等モル以上の量であれば特に限定されないが、一般式14または一般式15で表される化合物の2倍モル以上の量であることが好ましい。
以上の方法により一般式7で表される化合物を合成した場合、その後に一般式4で表されるキノフタロン残基を形成するために使用されるキノフタロン化合物の合成法に準じて各種無水フタル酸と反応させ、一般式1で表される化合物を合成することができる。
以下に、一般式1で表される顔料分散剤の具体例を示すが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
Figure 0004871634
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Figure 0004871634
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本発明のカラーフィルタを構成するフィルタセグメントに含有される有機顔料としては、一般に市販されているものを用いることができ、フィルタセグメントの色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。
有機顔料としては、発色性が高く、且つ耐熱性、特に耐熱分解性の高いものが好適に用いられる。有機顔料等は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
また、有機顔料は、ソルトミリング、アシッドペースティング等により微細化したものであってもよい。
以下に、フィルタセグメントに使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
赤色フィルタセグメントには、C.I. Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272等の赤色有機顔料を用いることができる。赤色フィルタセグメントには、後述の黄色顔料、なかでもC.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150を含有させることが好ましい。
緑色フィルタセグメントには、C.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色有機顔料、好ましくは、C.I. Pigment Green 7またはC.I. Pigment Green 36を用いることができる。緑色フィルタセグメントには、後述の黄色顔料、なかでもC.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150を含有させることが好ましい。
青色フィルタセグメントには、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の青色有機顔料を用いることができる。
エロー色フィルタセグメントには、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、198、213、214等の黄色有機顔料を用いることができる。なかでも、C.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150が好ましい。
マゼンタ色フィルタセグメントには、C.I. Pigment Red 7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、146、177、178、184、185、187、200、202、208、210、246、254、255、264、270、272等の有機顔料を用いることができる。
シアン色フィルタセグメントには、C.I. Pigment Blue 15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、80等の有機顔料を用いることができる。
本発明のカラーフィルタを構成するフィルタセグメントにおいて、有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とは、通常重量比で50:50〜99:1、好ましくは60:40〜95:5、より好ましくは70:30〜95:5、さらに好ましくは85:15〜95:5の割合で含有される。一般式1で表される顔料分散剤の量が上記範囲よりも少なければ、有機顔料の分散安定化効果が充分に発揮されず、逆に上記範囲よりも多ければ、フィルタセグメントの色相が好ましくないほど変化する可能性が生じ、また製造コスト面でも問題となる。
各色フィルタセグメントは、透明基板あるいは反射基板上に、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と、有機顔料と、上記一般式1で表される顔料分散剤とを含有する着色組成物を塗布することにより形成することができる。
着色組成物には、彩度と明度のバランスをとりつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するため、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料を含有させることができる。
顔料担体は、上述したように、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が含まれ、その前駆体には、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
顔料担体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、透明樹脂は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、 ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
モノマーおよびオリゴマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
上記光重合開始剤は、単独あるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、着色組成物中の光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
各色フィルタセグメントの形成に用いられる着色組成物は、顔料担体溶液中に有機顔料を分散させる方法や、水または有機溶媒中に有機顔料を分散して顔料分散液を作製したのち顔料担体溶液と混合する方法などにより製造される。顔料の分散方法には特に制限はないが、ビーズミル、サンドミル、ボールミル、3本ロールミル、2本ロールミル等を用いる方法が好ましい。なお、有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤は、別々に顔料担体溶液に分散したのち混合することもできるが、有機顔料の分散性を向上するためには、有機顔料を顔料担体溶液に分散する際に、一般式1で表される顔料分散剤を添加することが好ましい。
着色組成物が2種以上の有機顔料を含む場合には、着色組成物は、2種以上の有機顔料を混合した後、得られた顔料混合物を顔料担体中に既知の方法で微細に分散して製造することができる。また、着色組成物は、各有機顔料を別々に顔料担体中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
有機顔料を顔料担体中に分散する際には、樹脂分散剤、界面活性剤、他の色素誘導体等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
樹脂型分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ低級アルキレンイミンと遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等が用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、燐酸エステル等も用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
他の色素誘導体とは、有機色素に置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。特に、塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。
色素誘導体が有する塩基性基として具体的には、下記一般式16、17、18および19で表される置換基が挙げられる。なかでも、下記一般式19で表されるトリアジン環含有の塩基性基を有する色素誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適である。
一般式16
Figure 0004871634
一般式17
Figure 0004871634
一般式18
Figure 0004871634
一般式19
Figure 0004871634
上記式16〜19において、Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
nは、1〜10の整数を表し、好ましくは1〜3の整数である。
1およびA2は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の、置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の、置換されていてもよいアルケニル基もしくは置換されていてもよいフェニル基を表すか、またはA1とA2とが結合して更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を形成する。A1およびA2は、好ましくは、1〜5個の炭素原子を有する非置換もしくは置換アルキル基である。
3は、炭素数1〜36の、置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。A3は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する非置換もしくは置換アルキル基である。
4、A5、A6およびA7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の、置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。A4、A5、A6およびA7は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する非置換もしくは置換アルキル基である。
Yは、−NA8−Z−NA9−または直接結合を表す。
8およびA9は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。A8およびA9は、好ましくは、それぞれ、水素原子である。
Zは、炭素数1〜36の、置換されていてもよいアルキレン基、炭素数2〜36の、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。Zは、好ましくは、非置換もしくは置換フェニレン基である。
1は、下記式20で示される置換基または下記式21で示される置換基を表す。下記式20および21において、A1〜A7およびnは、上に定義したとおりである。
1は、水酸基、アルコキシル基、下記式20で示される置換基または下記式21で示される置換基を表す。Q1は、好ましくは、下記式20で示される置換基である。
一般式20
Figure 0004871634
一般式21
Figure 0004871634
塩基性基を有する色素誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、有機色素に、下記式22〜25で表される置換基を導入した後、該置換基と反応して一般式16〜19で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミンまたは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等を反応させることによって得られる。
式22 −SO2Cl
式23 −COCl
式24 −CH2NHCOCH2Cl
式25 −CH2Cl
有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式16〜19で表される置換基をあらかじめジアゾ成分またはカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによって塩基性基を有するアゾ系顔料誘導体を製造することもできる。
また、本発明の塩基性基を有するトリアジン誘導体は、種々の合成経路で合成することができる。例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に一般式16〜19で表される置換基を形成するアミン成分、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはN−メチルピペラジン等を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミンまたはアルコール等を反応させることによって得られる。
一般式16〜19で表される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
また、色素誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸基等が挙げられる。スルホン酸基を有する色素誘導体は、有機顔料に硫酸を作用させることで製造することができる。
他の色素誘導体としては、表1〜13に示すものを用いることができるが、これらに限定されるわけではない。他の色素誘導体は、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
Figure 0004871634
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着色組成物には、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が1〜2.5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。溶剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット用印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。着色レジスト材は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂とモノマー、光重合開始剤を含有する組成物中に、有機顔料と、一般式1で表される顔料分散剤とを分散させたものである。
着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
各色フィルタセグメントは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、透明基板または反射基板上に形成することができる。
透明基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
反射基板としては、シリコンや、前記の透明基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
着色組成物の現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
各色フィルタセグメントは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成する方法である。
また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメント層を形成しておき、このフィルタセグメント層を所望の透明基板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラスト比を一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や柱状スペーサー、透明導電膜、液晶配向膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中、「部」は「重量部」を意味する。
(キノフタロン誘導体Aの合成)
攪拌容器中に安息香酸540gを添加し、130℃に加熱して溶融させた。溶融した安息香酸中にキナルジン34gとテトラクロロ無水フタル酸204gを添加した。反応容器を160℃に加熱し、10時間攪拌した。その後130℃に冷却し、25%−水酸化ナトリウム水溶液950gを添加した。生じた懸濁液を水10L中に注入し、80℃に加熱して1時間攪拌した。懸濁液を吸引ろ過し、濾液が中性になるまで水洗した後、乾燥して下記の構造のキノフタロン誘導体A89g(91%)を得た。
Figure 0004871634
(キノフタロン誘導体Bの合成)
テトラクロロ無水フタル酸204gの替わりに無水トリメリット酸139gを使用し、160℃での加熱時間を24時間に変更した以外は、キノフタロン誘導体Aの合成と同様にして操作を行い、下記の構造のキノフタロン誘導体B65g(86%)を得た。
Figure 0004871634
(顔料分散剤Aの合成)
1000gのクロロスルホン酸に、キノフタロン誘導体A100gを、攪拌しながら10〜20℃で徐々に添加した。添加終了後、40〜50℃で1時間攪拌し、次いで塩化チオニル180gを添加して、そのままの温度で3時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、氷水10L中に10℃以下の温度を保ちながら徐々に注入した。生じた沈殿を濾過、氷水洗してキノフタロン誘導体Aのクロロスルホン化物(含水ケーキ)を得た。これを氷水3L中にスラリー化し、1,3−フェニレンジアミン32gを添加して5℃で3時間、次いで50℃で1時間攪拌した。攪拌終了後、濾過、水洗、乾燥して下記の構造の中間体A102g(70%)を得た。
Figure 0004871634
アセトン400gを5℃に冷却し、塩化シアヌル44gを添加した。次いで中間体A96gを、5℃を保ちながら徐々に添加した。その後、10%−炭酸ナトリウム水溶液90gを添加し、5℃で3時間攪拌した。生じた沈殿を濾過、水洗した後、アセトン400gに再度スラリー化した。これを濾過、アセトンで洗浄し、下記の構造の中間体B(アセトン含有ケーキ)を得た。
Figure 0004871634
得られた中間体B(アセトン含有ケーキ)を、1,4−ジオキサン320gとN−アミノエチルピペリジン103gの混合溶液に、60℃以下の温度で徐々に添加した。その後、90℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水5L中に注入した。生じた沈殿を濾過、水洗、乾燥して、下記の構造の顔料分散剤A116g(78%)を得た。
Figure 0004871634
(顔料分散剤Bの合成)
98%硫酸1000gに、キノフタロン誘導体A100gを添加し、攪拌して溶解させた。続いてα−クロロアセトアミド93g及びパラホルムアルデヒド39gを30℃以下で添加し、25℃で2時間攪拌した。その後60℃に加熱し、4時間攪拌した後、室温まで冷却し、氷水10L中に注入した。生じた沈殿を濾過、氷水洗して下記の構造の中間体C(含水ケーキ)を得た。
Figure 0004871634
中間体C(含水ケーキ)をアセトン3L中にスラリー化し、1,4−フェニレンジアミン32gを添加して10℃で2時間、次いで50℃で2時間攪拌した。攪拌終了後、濾過、アセトン洗浄、乾燥して下記の構造の中間体D110g(75%)を得た。
Figure 0004871634
アセトン400gを5℃に冷却し、塩化シアヌル44gを添加した。次いで中間体D97gを、15℃以下の温度で徐々に添加した。その後、トリエチルアミン16.3gを添加し、15℃で3時間攪拌した。生じた沈殿を濾過、水洗した後、アセトン400gに再度スラリー化した。これを濾過、アセトンで洗浄し、下記の構造の中間体E(アセトン含有ケーキ)を得た。
Figure 0004871634
得られた中間体E(アセトン含有ケーキ)を、1,4−ジオキサン320gとN−メチルピペラジン81gの混合溶液に、60℃以下の温度で徐々に添加した。その後、90℃で7時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水5L中に注入した。生じた沈殿を濾過、水洗、乾燥して、下記の構造の顔料分散剤B118g(84%)を得た。
Figure 0004871634
(顔料分散剤Cの合成)
キノフタロン誘導体B100gをクロロスルホン酸500g中に添加し、20℃で3時間攪拌した。次いで塩化チオニル42gを添加し、50℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、氷水5L中に注入し、濾過、水洗してキノフタロン誘導体Bのカルボン酸クロリド(含水ケーキ)を得た。それをアセトン1500g中にスラリー化し、1,5−ジアミノナフタレン93gを添加して、40℃で4時間攪拌した。次いで炭酸ナトリウム42gを添加し、80℃で1時間攪拌後、濾過、水洗、乾燥して、下記の構造の中間体F111g(77%)を得た。
Figure 0004871634
アセトン400gを5℃以下に冷却し、塩化シアヌル44gを添加した。次いで中間体F73gを、15℃以下の温度で徐々に添加した。その後、トリエチルアミン16.3gを添加し、10℃で3時間攪拌した。生じた沈殿を濾過、水洗した後、アセトン400gに再度スラリー化した。これを濾過、アセトンで洗浄し、下記の構造の中間体G(アセトン含有ケーキ)を得た。
Figure 0004871634
得られた中間体G(アセトン含有ケーキ)を、1,4−ジオキサン320gとN−アミノプロピル−2−ピペコリン125gの混合溶液に、60℃以下の温度で徐々に添加した。その後、95℃で5時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水5L中に注入した。生じた沈殿を濾過、水洗、乾燥して、下記の構造の顔料分散剤C111g(82%)を得た。
Figure 0004871634
(顔料分散剤Dの合成)
8−アミノキナルジン84gをメタノール1100gに攪拌溶解し、次いで炭酸ナトリウム57g及び4−アセタミドベンゼンスルホニルクロライド112gを添加した。混合物を25℃〜35℃で4時間攪拌した。攪拌後、水600g及び35%−塩酸152gを添加し、還流温度まで加熱して、還流温度が100℃になるまでメタノールを留去した。留去後、水400gを添加し、60℃以下に冷却した後、25%−水酸化ナトリウム水溶液でpHを12.0に調整した。その後酢酸でpHを4.0に調整し、濾過、水洗して下記の構造の中間体H116g(77%)を得た。
Figure 0004871634
5℃に冷却したアセトン400g中に塩化シアヌル45gを添加し、溶解させた。その中に中間体H50gをN−メチル−2−ピロリドン120gに溶解した溶液を、5℃を保ったまま滴下した。次いで10%−炭酸ナトリウム水溶液85gを、同様に5℃を保ったまま滴下し、生成物を濾過、水洗した。得られた水ケーキをアセトン400g中に再度スラリー化し、濾過、アセトン洗浄して、下記の構造の中間体I(アセトン含有ケーキ)を得た。
Figure 0004871634
得られた中間体I(アセトン含有ケーキ)を、1,4−ジオキサン320gとジエチルアミノプロピルアミン105gの混合溶液に、60℃以下の温度で徐々に添加した。その後、50〜60℃で1.5時間、90℃で3.5時間攪拌した。反応混合物に水を200g添加し、還流温度に加熱して、1,4−ジオキサンを留去した。室温まで冷却し、酢酸でpHを4.0に調整して生成物を溶解させた。反応混合物を水1L中に注入し、水酸化ナトリウムでpHを11に調整した。上澄み液をデカンテーションにより取り除き、中性になるまで洗浄した。50℃で真空乾燥し、下記の構造の中間体J96g(92%)を得た
Figure 0004871634
安息香酸270gを160℃で溶融し、その中に中間体J78gを添加、溶解した。次いでテトラクロロ無水フタル酸103gを添加し、160℃で4時間攪拌した。攪拌後、メタノール1000gを徐々に添加した。反応混合物を水7500g中に注入し、水酸化ナトリウム水溶液でpHを11に調整した。生じた沈殿を濾過水洗、乾燥して下記の構造の顔料分散剤D98g(89%)を得た。
Figure 0004871634
(アクリル樹脂溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けてシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、固形分30%、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
[実施例1〜12および比較例1〜3]
表14に示す組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.8mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで4時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。溶剤としては、シクロヘキサノンを用いた。
Figure 0004871634
*1顔料分散剤
顔料分散剤A〜D:実施例に先立ち合成した顔料分散剤A〜D
B−26:表13に示す色素誘導体
A−39:表6に示す色素誘導体
A−47:表8に示す色素誘導体
*2顔料
1010:C.I. Pigment Yellow 138
(東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN YELLOW 1010」)
6YK :C.I. Pigment Green 36
(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL GREEN 6YK」)
E4GN:C.I. Pigment Yellow 150
(ランクセス社製「YELLOW PIGMENT E4GN」)
YS :C.I. Pigment Green 7
(東洋インキ製造株式会社製「LIONOL GREEN YS」)
DPP :C.I. Pigment Red 254
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガフォア Red B−CF」)
(アルカリ現像型レジスト材)
下記に示す組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材を得た。
表14に示す顔料分散体 60.0部
光重合開始剤 1.2部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア907」)
トリメチロールプロパントリアクリレート 4.2部
(新中村化学株式会社製「NKエステルATMPT」)
増感剤(保土ヶ谷化学株式会社製「EAB−F」) 0.4部
アクリル樹脂溶液 11.0部
シクロヘキサノン 23.2部
ガラス基板に、スピンコートにより、C光源でx=0.27、y=0.60の色度になるような膜厚で、実施例1〜10、比較例1〜3で得られた緑色レジスト材を塗布した。乾燥後、露光機にて全面露光をし、アルカリ現像液にて60秒間現像して、緑色フィルタセグメントを形成した。なお、アルカリ現像液は、炭酸ナトリウム1.5% 炭酸水素ナトリウム0.5% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0%および水90%からなる。
得られた塗膜を、230℃で40分間ベークした後、y=0.60のサンプル基板の偏光板が平行の時の輝度と偏光板が直行の時の輝度を測定し、コントラストを計算した。
レジストを用いて作製した塗膜のコントラスト比の測定法について説明する。
液晶ディスプレー用バックライト・ユニットから出た光は、偏光板を通過して偏光され、ガラス基板上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜を通過し、偏光板に到達する。偏光板と偏光板の偏光面が平行であれば、光は偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板により遮断される。しかし、偏光板によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは偏光板を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、着色組成物の乾燥塗膜の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てた。
表14の結果より、実施例1〜4のレジスト材を用いて形成された塗膜は、比較例1のレジスト材を用いて形成された塗膜に比べコントラストが高く、中でも実施例3のレジスト材を用いて形成された塗膜が最もコントラストが高く良好であった。
実施例3、実施例5と実施例6のレジスト材を用いて形成された塗膜では、一般式1で表される顔料分散剤の含有量が最適範囲内にある実施例3のレジスト材を用いて形成された塗膜が最も良好で、最適含有量から外れた実施例5と実施例6はコントラストが低くなった。
また、実施例3、実施例7、実施例8と比較例1のレジスト材を用いて形成された塗膜の比較では、既存の顔料分散剤との組み合わせを行うことで、コントラストが低下しており、既存の顔料分散剤を用いない実施例3が最も良好であった。
また、実施例9と比較例2のレジスト材を用いて形成された塗膜の比較、および実施例10と比較例3のレジスト材を用いて形成された塗膜の比較から明らかなように、黄色有機顔料および緑色有機顔料の種類が異なる場合や、実施例13と比較例4のレジスト材を用いて形成された塗膜の比較から明らかなように、赤色顔料を用いた場合にも、一般式1で表される顔料分散剤を含有するレジスト材を用いて形成された塗膜は、既存の顔料分散剤のみを含有するレジスト材を用いて形成された塗膜に比べ、コントラストが高く良好であった。
次に、赤色フィルタセグメント、青色フィルタセグメント、および緑色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタを下記の方法で作製した。
(青色レジスト材)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し青色分散体を作製した。
実施例1のアルカリ現像型レジスト材と同様にしてアルカリ現像型青色レジスト材を得た。
青色顔料(東洋インキ製造株式会社製「リオノールブルー ES」) 7.2部
紫色顔料(Clariant社製「ホスタパームバイオレットB」)1.8部
色素誘導体A−48 0.8部
色素誘導体A−45 0.2部
アクリル樹脂溶液 50.0部
シクロヘキサノン 40.0部
ガラス基板に、スピンコートにより、実施例13で得られた赤色レジスト材を、C光源でx=0.65、y=0.33の色度になるような膜厚で塗布した。乾燥後、露光機にてストライプ状のパターン露光をし、アルカリ現像液にて90秒間現像して、ストライプ形状の赤色フィルタセグメントを形成した。なお、アルカリ現像液は、炭酸ナトリウム1.5% 炭酸水素ナトリウム0.5% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0%および水90%からなる。
次に、実施例1で得られた緑色レジスト材を、C光源でx=0.27、y=0.60の色度になるような膜厚で塗布した。乾燥後、露光機にて赤色フィルタセグメントと隣接したストライプ状のパターン露光をし、ストライプ形状の緑色フィルタセグメントを形成した。
さらに、C光源でx=0.14、y=0.07の色度になるような膜厚で青色レジスト材を塗布し、赤色フィルタセグメント、緑色のフィルタセグメントと隣接したストライプ形状の青色フィルタセグメントを形成した。
各色のフィルタセグメントの形状は良好であり、解像度も良好であった。最後に、得られたカラーフィルタをオーブン中で230℃にて30分加熱して残存する重合可能な官能基を完全に反応させ、透明基板上に赤色、緑色、青色の3色のストライプ形状のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタが得られた。
得られたカラーフィルタを用いた液晶表示パネルは、従来の液晶表示パネルに比べて黒の再現力が向上しており、明暗のはっきりした、より鮮やかなディスプレーであった。
また、マゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびエロー色フィルタセグメントを具備するカラーフィルタを下記の方法で作製した。
(マゼンタ色レジスト材)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過しマゼンタ色分散体を作製した。
実施例1のアルカリ現像型レジスト材と同様にしてアルカリ現像型マゼンタ色レジスト材を得た。
マゼンタ色顔料(Clariant社製「ホスタパームピンクE」)9.0部
色素誘導体A−40 1.0部
アクリル樹脂溶液 50.0部
シクロヘキサノン 40.0部
(シアン色レジスト材)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過しシアン色分散体を作製した。
実施例1のアルカリ現像型レジスト材と同様にしてアルカリ現像型シアン色レジスト材を得た。
シアン色顔料 9.0部
(東洋インキ製造株式会社製「リオノールブルー FG7531」)
色素誘導体A−48 1.0部
アクリル樹脂溶液 50.0部
シクロヘキサノン 40.0部
ガラス基板に、スピンコートにより、C光源でx=0.348、y=0.196の色度になるような膜厚でマゼンタ色レジスト材を塗布した。乾燥後、露光機にてストライプ状のパターン露光をし、アルカリ現像液にて90秒間現像して、ストライプ形状のマゼンタ色フィルタセグメントを形成した。なお、アルカリ現像液は、炭酸ナトリウム1.5% 炭酸水素ナトリウム0.5% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0%および水90%からなる。
次に、実施例12で得られた黄色レジスト材を、C光源でx=0.388、y=0.459の色度になるような膜厚で塗布した。乾燥後、露光機にてマゼンタ色フィルタセグメントと隣接したストライプ状のパターン露光をし、ストライプ形状のエロー色フィルタセグメントを形成した。
さらに、C光源でx=0.172、y=0.246の色度になるような膜厚となるように塗布し、マゼンタ色、エロー色のフィルタセグメントと隣接したストライプ形状のシアン色フィルタセグメントを形成した。
各色のフィルタセグメントの形状は良好であり、解像度も良好であった。最後に、得られたカラーフィルタをオーブン中で230℃にて30分加熱して残存する重合可能な官能基を完全に反応させ、透明基板上にマゼンタ色、エロー色、シアン色の3色のストライプ形状のフィルタセグメントを具備するカラーフィルタが得られた。
得られたカラーフィルタを用いた液晶表示パネルは、従来の液晶表示パネルに比べて黒の再現力が向上しており、明暗のはっきりした、より鮮やかなディスプレーであった。

Claims (7)

  1. 有機顔料と、下記一般式1で表される顔料分散剤とを含有するフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。
    Figure 0004871634
    (式中、Qは置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表し、
    1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−または−NR’CO−から選ばれる基を表し
    2は置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリーレン基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下の複素芳香環から選ばれる基を表し(これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。)、
    3は、−NR’−または−O−を表し、
    (ただし、R’は、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表す。)
    AおよびBは、それぞれ独立に、下記一般式2もしくは3で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fまたは−X3−X2−X1−Qから選ばれる基を表し(R8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表し、nは0〜20の整数を表す。)、AおよびBのいずれか一方は、下記一般式2もしくは3で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9または−NR1011であり、
    tは、1〜3の整数を表す。)
    Figure 0004871634
    (式中、Y1は−NR’−または−O−を表し、
    2は、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニレン基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリーレン基から選ばれる基を表し(これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。ただし、R’は、一般式1で定義されたものを表す。)、
    1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基を表す(R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。)。)
    Figure 0004871634
    (式中、Z1は、トリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、−NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−、または−O−G−SO2NR’−を表し(Gは、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキレン基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニレン基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表す。)、
    3、R4、R5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアリール基を表し、
    7は、置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルキル基または置換基を有していてもよく炭素数が20以下のアルケニル基を表す。)。
  2. カラーフィルタが、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備してなり、前記赤色フィルタセグメントが、赤色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. カラーフィルタが、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの青色フィルタセグメント、および少なくとも1つの緑色フィルタセグメントを具備してなり、前記緑色フィルタセグメントが、緑色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルタ。
  4. 緑色有機顔料が、C.I. Pigment Green 7またはC.I. Pigment Green 36であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ。
  5. 赤色フィルタセグメントまたは緑色フィルタセグメントが、C.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150を含有することを特徴とする請求項2ないし4いずれか記載のカラーフィルタ。
  6. カラーフィルタが、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのエロー色フィルタセグメントを具備してなり、前記エロー色フィルタセグメントが、黄色有機顔料と一般式1で表される顔料分散剤とを含有することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
  7. 黄色有機顔料が、C.I. Pigment Yellow 138またはC.I. Pigment Yellow 150であることを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ。
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