JP2005028939A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】プライコードの高剛性に起因して生ずるビード部における問題を解消して、ビード部形状を安定化させ、均一な製品性能と良好な加工性とを両立させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビード部1に夫々埋設されたビードコア2の周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されたカーカス3と、カーカス3のクラウン部外周に位置するトレッド部6と、カーカス3のサイド部に位置するサイドウォール部8と、トレッド部6の内側に配置された少なくとも1層のベルト層4とを備える空気入りタイヤである。カーカスのプライコードの、ビードコア2の折返し部近傍における撚りピッチPが、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLより小である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、カーカスのプライコードの改良によりビード部性能の最適化を図った空気入りタイヤ、特には重荷重用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りタイヤには、各種撚り構造の補強コードが使用されている。
例えば、トラック・バス用ラジアルタイヤ(以下、「TBRタイヤ」とも称する)のカーカスに供されるプライコードとしては、同線径の素線を撚り合わせた各種スチールコードが使用されてきた。かかるコードの改良に係る技術として、特許文献1には、コードに塑性変形を施すことにより、ビード部形状の安定化を図った技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第653041号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、かかるプライコードは、一対のビード部間にわたり同一撚りピッチにて形成されている。従って、タイヤ断面方向の全ての部位において同じ性能しか得ることができず、各部位ごとの要求性能を満足するものではなかった。
【0005】
特に、ビード部においてはビードコアに沿ってプライを巻き上げる必要があるため、従来のプライコードを用いたのでは剛性が高すぎて、ビード部形状が不安定になるという問題があった。即ち、巻き上げ時のビードコア下ベース部のRが大きくなる、巻き上げ端のプライコード上端位置にバラツキが生ずる、巻き上げプライコードが戻ろうとして端が跳ね上がりやすい、巻き上げ部の部材ボリュームが大きくなる等、製造時の加工性および製品性能の両面において、製品の均一性確保が困難になる傾向があった。
【0006】
これに対し、ビード部構成部材の大きさや形状を組み合わせてビードコアの巻きこみ形状を確保することにより、形状の安定化が図られてきたが、この場合、製品自体としての要求形状が制限されてしまうという問題がある。また、この手法では加工性の改良という点では十分ではないため、上記ビード部の改良に関して、製品性能および加工性の双方を満足し得る技術が求められていた。
【0007】
そこで本発明の目的は、プライコードの高剛性に起因して生ずるビード部における上記問題を解消して、ビード部形状を安定化させ、均一な製品性能と良好な加工性とを両立させた空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の装置を用いて1本のコード内においてプライコードの撚りピッチを変化させ、各部位において最適な撚りピッチを適用することにより、製品性能および加工性の双方を向上した空気入りタイヤが実現されることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部に夫々埋設されたビードコアの周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されたカーカスと、該カーカスのクラウン部外周に位置するトレッド部と、該カーカスのサイド部に位置するサイドウォール部と、前記トレッド部の内側に配置された少なくとも1層のベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
前記カーカスのプライコードの、前記ビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPが、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLより小であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において前記ビードコアの折返し部近傍とは、好適には少なくとも、前記プライコードのうち、タイヤ軸方向断面における該ビードコアの、タイヤ軸方向内側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位よりタイヤ半径方向外側に5mmの位置から、タイヤ軸方向外側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位までを含むものである。また、前記撚りピッチPは、前記撚りピッチPCLの1/3〜1/4倍の範囲内とすることができる。
【0011】
本発明の空気入りタイヤは、特には、TBRタイヤ等の重荷重用空気入りラジアルタイヤとして好適である。
【0012】
本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカスの補強コードの撚りピッチをビード部の巻き上げ部(折り返し部)近傍について変化させたことにより、ビード部に要求される製品性能と加工性とを両立させて、最適設計を確保した空気入りタイヤを得ることが可能となった。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空気入りタイヤの実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る空気入りラジアルタイヤは、ビード部1に埋設されたビードコア2の周りにタイヤ内側から外側に折返して係止されたカーカス3と、カーカス3のクラウン部に位置するトレッド部6と、カーカス3のサイド部に位置するサイドウォール部8と、トレッド部6の内側に配置されたベルト層4とを備えている。カーカス3は、プライコードが実質的に周方向と直交する方向に配列されてなり、本実施形態では一枚のカーカスプライから構成されている。また、図中の符号5はビードフィラーを示す。
【0014】
本発明の空気入りタイヤにおいては、このカーカス3のプライコードの、ビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPが、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLより小である点に特徴がある。即ち、ビードコアの折返し部近傍における撚り数を、タイヤ赤道面上よりも増大させる。これにより、ビードコアの折り返し部近傍においてはカーカスのプライコードの剛性を他の部分より低下させて、曲げ加工性を向上することができるので、従来におけるような問題を生ずることなくビードコアに沿ったプライの巻き上げを容易に行うことができ、ビード部形状の安定化を図ることができる。また、ビード部構成部材に対する制限を受けないので、製品に対する要求形状や要求性能設計に対する対応力の向上を図ることができると同時に、ビード部における不要な贅肉部分を除去することができるので、部材間のバランスを向上することができる。さらに、製造不良の低減が図れるので、製品の品質安定化にも寄与できる。さらにまた、ビードコアへのプライコード折り返し精度が向上するので、折り返し部におけるプライ端位置のバラツキを減少することができ、またビード部の主故障であるプライ端セパレートの改善や、耐久力の向上を図ることも可能となる。
【0015】
本発明において撚りピッチを変化させるビードコアの折返し部近傍とは、好適には少なくとも、プライコードのうち、タイヤ軸方向断面におけるビードコア2の、タイヤ軸方向内側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位よりタイヤ半径方向外側に5mmの位置Xから、タイヤ軸方向外側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位Yまでを含むものである。
少なくともこの範囲の撚りピッチをタイヤ赤道面上における撚りピッチPCLよりも小とすることにより、ビード部形状の安定化等の上記本発明の効果を確実に得ることができる。
【0016】
ビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPは、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLを基準として、これより小さくすれば、剛性を低下して上記本発明の所期の効果を得ることができるが、具体的には例えば、撚りピッチPCLの1/3〜1/4倍の範囲内とする。ビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPをこの範囲内とすることにより、プライコードのビードコアの折返し部近傍における剛性を最適化して、本発明の効果をより適切に得ることが可能となる。
【0017】
なお、上記プライコードの撚りピッチは、少なくともビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPと、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLとが上記条件を満たすものであれば、その他の部分についてはどのように設定されていてもよく、特に制限されるものではない。即ち、撚りピッチの変動領域は、コードのいずれの部分に存在していてもよく、上記以外の部分の具体的な撚りピッチは適宜定めることができ、特に制限されない。
【0018】
本発明においては、カーカスの最外層フィラメントの撚り角が上記した条件を満足するものであれば、その他のタイヤの各部の構成、使用する材料等については特に制限されるものではない。例えば、カーカス3のコードは、重荷重用タイヤとして用いる場合にはスチールコードを用いることが好ましいが、これには限られず、有機繊維材料からなるコードでもよく、また、コードと有機繊維とを撚り合わせた複合体を用いてもよい。また、図示する実施形態においては、ベルト層4は、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを配列した1層の傾斜ベルト層4Aと、この傾斜ベルト層4A上に位置し、該スチールコードに対して交錯する複数本のスチールコードを配列した周方向ベルト層4Bとからなるが、ベルト層4の枚数や構成は特に制限されるべきものではなく、タイヤの用途および種類に応じ適宜定めればよい。
【0019】
尚、1本のコード内において撚りピッチを変動させる手段は、特に制限されるものではないが、これまで困難とされてきた、コードの撚り角を変化させることのできる、成型機と撚り線機とを直結させた撚り機が最近開発され、本願出願人は先に当該撚り機について特許出願を行っている(特願2002−341037号)。よって、この撚り機について以下に詳述する。
【0020】
かかる撚り機は、供給された複数本の線材を撚って撚り線とする回転体と、前記撚り線を前記回転体から搬出する搬出手段と、を有し、撚り点の前後で撚り線側又は線材側の何れか一方を開放している撚り機である。ここで、開放しているとは、撚り点の片方の端部を撚り回転に応じて回転できる状態にしていることをいう。
【0021】
具体的には、図2に示すタイプの撚り機22を好適に使用することができる。
図2は、コード製造ライン10に設けられた撚り機22の構成を示す側面図である。コード製造ライン10には、素線がそれぞれ巻かれている複数のボビン14A〜Cと、ボビン14A〜Cから巻き出された素線18A〜Cのテンションを制御するテンション制御部16A〜Cと、テンション制御部16A〜Cを経由した素線18A〜Cを撚ってコード20にする撚り機22と、が設けられている。撚り機22は、素線18A〜Cを撚って1本のコード20を製造する送り・回転一体式の装置である。
【0022】
撚り機22は、素線18A〜Cにクセ(型)を付けるクセ付け部(型付け部)24と、撚り点26を形成している撚り点形成部28と、撚り点形成部28の下流側に設けられた回転体30と、回転体30に回転力を与えると共にコード20を回転体30から送り出す送り力を与えるモータ34と、を備えている。回転体30は、撚り機22に設けられたベアリング部36A、Bによって回転可能に保持されている。
【0023】
図2、図3に示すように、回転体30の下流側には、回転体30のハウジング31から短筒状に延び出した回転駆動用軸部40に回転駆動用プーリ42が固定されており、回転駆動用プーリ42と、モータ34に取付けられた第1回転板44とには無端ベルト46が掛けられている。
【0024】
回転駆動用軸部40には、コード20の送り力を伝達する細長筒状の送り駆動用軸部材50が、回転軸が一致するように挿通しベアリング部51によって回転体30に支えられている。そして、回転駆動用プーリ42の下流側には、送り駆動用軸部材50に固定された送り駆動用プーリ52が設けられており、送り駆動用プーリ52と、モータ34に取付けられた第2回転板54とには無端ベルト56が掛けられている。
【0025】
ハウジング31内には、コード20を送る送り機構58が設けられている。送り機構58は、送り駆動用軸部材50の同軸上で先端側に固定された第1ギア60と、第1ギア60と噛み合う第2ギア62と、を有する。第2ギア62の回転中心には小径の小ギア部64が設けられている。また、送り機構58は、コード20が数回巻かれる巻回部66を有すると共に小ギア部64と噛み合う大ギア部67を有する多段巻きキャプスタン68と、多段巻きキャプスタン68に当接してコード20を巻回部66に押し付けるピンチローラ70と、を有する。更に、送り機構58は、多段巻きキャプスタン68に巻回されたコード20が更に数回巻かれる多段巻きダミープーリ72を有する。
【0026】
多段巻きキャプスタン68及び多段巻きダミープーリ72の径は、回転体30から送り出されたコード20を使用する際に真直性の観点で支障がないように、素線18A〜Cの径、材質等を考慮して決定されている。
【0027】
また、撚り機22には、送り駆動用軸部材50を挿通して、多段巻きダミープーリ72から巻き出されたコード20を回転体30の下流側へ案内するコード排出用パイプガイド74が設けられている。
【0028】
第2回転板54に比べ、第1回転板44の径は少し大きくされており、回転体30の回転速度(撚り線の撚り速度)と、コード20の送り速度との比が調整されている。
【0029】
このように、本形態では、回転駆動用軸部40と送り駆動用軸部材50とを同軸上に配置しており、回転体30に送り駆動用のモータを更に設けることに比べ、撚り機22の構成が簡素になっている。
【0030】
撚り機22を使用するには、モータ34を所定回転数で回転させると、送り駆動用プーリ52が回転し、第1ギア60、第2ギア62、多段巻きキャプスタン68、多段巻きダミープーリ72に回転力が順次伝達される。この結果、撚り点形成部28を経由した素線18A〜Cが所定の送り出し速度で回転体30から送り出される。
【0031】
また、回転駆動用ダミープーリ72が回転し、回転体30が所定回転速度で回転する。従って、素線18A〜Cは、撚り点形成部28から引き出されつつ撚られ、コード20となって回転体30から送り出される。
【0032】
このように、コード20の送り駆動は、回転体30上で送り駆動用軸部材50が回転駆動用軸部40と相対的に回転することで行われ、すなわち送り駆動用の軸の回転数と回転体30の回転数との差によって送り速度が決定される。
【0033】
回転駆動用軸部40と送り駆動用軸部材50との回転速度比を変速式である構造にしたり、上記の2軸を別々に駆動して回転速度の任意の速度に設定できる構造にすることで、撚りピッチを自在にその都度変更することが可能である。これにより、一本の連続したコードの中でも撚りピッチを変化させ、本発明に係る条件に合わせて撚りピッチを変更することができる。
【0034】
なお、このような可変ピッチ機能を有する撚り機を使用して製造されたコードをタイヤに使用することは、従来、非常に困難であった。従って、この機能を十分活かすためには、タイヤの使用部位との位置決めを容易にする上で、撚り機を設ける位置をタイヤ部材あるいはタイヤそのものを製造する装置の近くにすることが好ましく、さらにはこの装置と連携して複合的に動作できるようにすることが望ましい。
【0035】
撚り機22で製造できるコードはスチールコードに限られず、有機繊維材料からなるコードも製造でき、同様の効果を得ることができる。更に、コードと有機繊維とを撚り合わせた複合体、コードとひも状のゴムとを撚り合わせた複合体、コードと有機繊維とひも状のゴムとを撚り合わせた複合体、の何れも製造することができ、要求されるタイヤ品質に合った補強材を提供することが可能である。
【0036】
また、線材の材質は特に限定されず、また、線材は素線であってもストランドであってもよい。撚り方は、単撚り、複撚り、層撚り等、特に限定しない。線材が素線である場合にはストランドが製造される(例えば、素線の材質がスチールである場合には、撚り機でスチール製のストランドが製造される)。
【0037】
撚り機22においては、回転体30には、回転体全体を回転駆動するための回転駆動用軸部40と、ベアリング部51によって回転駆動用軸部40と同軸上に保持された送り駆動用軸部材50と、を設けており、これらの2軸は1台のモータ34によって回転駆動される。これにより、撚り機22の構成を著しく簡素にすることができる。なお、送り機構58の駆動力を発生させるため回転体30に電気モータなどを設けてもよいが、より簡潔な装置にするために、回転体30の回転軸と同軸上に送り駆動用の軸を配して、回転体30内の送り機構58を駆動するようにしている。
【0038】
また、多段巻きキャプスタン68及び多段巻きダミープーリ72によって撚り点形成部28からコード20を引出して回転体30から送り出しているので、ピンチローラ70でコード20をさほど高い力で押圧しなくても済む。また、多段巻きキャプスタン68及び多段巻きダミープーリ72の巻き方向が逆であり、しかも、コード20をリールに巻き取らなくてもよいので、真直性が大幅に改善されたコード20を製造することができる。
【0039】
かかる撚り機22においては、複数の単線を撚って回転体から搬出することにより撚り線を形成でき、従来のように撚り線を回転体から巻き取らなくても済む撚り機が実現される。これにより、回転性、真直性に優れた撚り線を形成することができるコンパクトな撚り機を実現することができ、スチールコードの製造に一般的に使用されている従来の撚り機に比べ、スペース、価格とも1/10以下とすることが可能となる。また、かかる撚り機を用いて撚り線を製造する際、線材の選定は任意に行うことができる。例えば、コアとなる複数本の素線と、シースとなる複数本の素線と、を線材として供給し、コアとシースとが同方向、同ピッチで撚り合わされたコンパクトな構造の層撚りコードを製造してもよい。また、コアとなる複数本の素線を既に撚り合わせた状態で巻き出して撚り機に供給し、シースとでピッチが異なる層撚りコードを製造してもよい。更に、巻き出して供給する線材として2〜7本の素線を既に撚り合わせたストランドを使用し、複撚りのコードを製造してもよい。また、供給する線材として複数本の素線の材質を非同一とすることにより、製造する撚り線の材質を2種以上にしてもよい。また、スチールその他の素線と同時に、ゴム被覆済みの線材或いはひも状にした加工したゴムを撚り合わせることで、コードとゴムとの複合体を製造してもよい。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
供試タイヤとして、カーカスのプライコードの、ビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPを4.5mmに、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLを15.5mmに設定したTBRタイヤを製造した。ここで、撚りピッチを変更したビードコアの折返し部近傍とは、プライコードのうち、タイヤ軸方向断面におけるビードコアの、タイヤ軸方向内側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位よりタイヤ半径方向外側に5mmの位置Xから、タイヤ軸方向外側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位Yまでの範囲とした(図1参照)。また、供試タイヤは、タイヤサイズ:275/70R22.5、リムサイズ:22.5インチ、内圧:900kPaとし、プライコードの撚り構造:3+9+15×0.165(mm)、打込数:9.7本/50mmとした。
【0041】
供試タイヤの製造に際しては、ビードコアの折返し部近傍におけるプライコードの剛性が低いためにビードコアに沿ったプライの巻き上げを容易に行うことができ、部材間のバランスに優れた安定したビード部形状を実現することができた。また、ビード部構成部材に対する制限がないことから、製品に対する要求形状や要求性能設計に対する対応を十分図ることができることが確かめられた。さらに、折り返し部におけるプライ端位置のバラツキを減少することも可能となった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、プライコードの高剛性に起因して生ずるビード部における問題を解消して、ビード部形状を安定化させ、均一な製品性能と良好な加工性とを両立させた空気入りタイヤを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【図2】撚り機の構成を示す側面断面図である。
【図3】図2に示す撚り機の平面断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
4 ベルト層
5 ビードフィラー
6 トレッド部
8 サイドウォール部
18A〜C 素線
20 コード
22 撚り機
30 回転体
58 送り機構

Claims (4)

  1. 一対のビード部に夫々埋設されたビードコアの周りにタイヤ内側から外側に折り返して係止されたカーカスと、該カーカスのクラウン部外周に位置するトレッド部と、該カーカスのサイド部に位置するサイドウォール部と、前記トレッド部の内側に配置された少なくとも1層のベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスのプライコードの、前記ビードコアの折返し部近傍における撚りピッチPが、タイヤ赤道面上における撚りピッチPCLより小であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ビードコアの折返し部近傍が少なくとも、前記プライコードのうち、タイヤ軸方向断面における該ビードコアの、タイヤ軸方向内側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位よりタイヤ半径方向外側に5mmの位置から、タイヤ軸方向外側であってタイヤ半径方向最外側に位置する頂点に対応する部位までを含む請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記撚りピッチPが、前記撚りピッチPCLの1/3〜1/4倍の範囲内である請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 重荷重用空気入りラジアルタイヤである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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