JP2005028853A - オフセット印刷用湿し水組成物 - Google Patents

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茂 大塚
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Abstract

【課題】 腐敗や変質を防止することにより、製造から使用まで長期間の保存を可能にし、更に、中和処理を行うことなく排水できるオフセット印刷用湿し水組成物を提供する。
【解決手段】 グルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、かつ、pHが5〜9であることを特徴とするオフセット印刷用湿し水組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オフセット印刷用湿し水組成物に関するものであり、更に詳しくは、長期保存の間に変質や腐敗を起こすことなく、中和処理を行わずにそのまま排水できるオフセット印刷用湿し水組成物等に関するものである。
凹凸のない平面状の印刷版を用い、水と油が反発する性質を利用して油性インキを印刷するオフセット印刷方式は、美粧印刷物が得られるという理由から、商業用印刷の分野で広く利用されてきたが、近年では新聞の印刷でも主流となっている。
この印刷方式で用いられる版には、親油化処理された画線部と親水化処理された非画線部とが同一平面上に形成されている。そして、まず、湿し水と呼ばれる水性成分を版面に供給して、非画線部を均一な薄い水膜で覆った後、油性インキを供給すると、湿し水と油性インキの反発により画線部のみにインキを転移させることができ、平面状の版でありながら印刷物が得られるようになっている。
このときに使用される湿し水の最も簡単な構成は水のみであってもよいが、水のみでは、湿し水に要求される機能を充分に満足することができない。例えば、湿し水の供給量が適正でないと、画線部のインキの転移量が変化したり、非画線部にまでインキが転移したりして印刷トラブルになるが、湿し水の構成が水のみでは適正供給量の範囲が狭く、印刷条件が少し変化しただけで美粧印刷物を得る事が困難となる。そこで、通常は酸や塩基及びその塩類、界面活性剤、湿潤性水溶性樹脂といった各種添加剤を配合して、湿し水の粘度、表面張力、pH、更には印刷インキに対する乳化特性の最適化により、適正供給量の範囲の拡大が図られている。
湿し水組成物は、このような理由で酸や塩基を含む場合、通常、酸性又はアルカリ性領域にあり(例えば、酸性湿し水組成物として特許文献1、塩基性湿し水組成物として特許文献2参照。)、そのままでは、法令で定められている排水基準(海域に排水する場合はpH5.0〜9.0、海域以外に排水する場合はpH5.8〜8.6)を満たす事ができず、排水の際に中和処理が必要となる。
中和処理には余分な手間とコストがかかるため、最近ではこの処理を行わずに排水基準を満たす湿し水組成物が要求されるようになっている。特に紙粉が湿し水中に混入し易い新聞印刷等では、印刷用紙の酸性を中和するために塩基性の高い湿し水が利用されており、その要望は強いものである。そこで、極力、酸、塩基、塩類等の酸性又はアルカリ性成分の添加を抑えて、中和処理を不要とした湿し水も開発されはじめており、例えば、特定の界面活性剤を用いて、良好な印刷適性を付与した中性湿し水組成物が開示されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、中性の湿し水は腐敗しやすく、製造から使用までの保存期間が短くなるうえに、印刷機の湿し水循環装置のパイプ詰まり等を起こすいという問題が発生する。そして、特に、印刷適性を向上させるために必要な材料であるリン酸や硝酸の塩類を使用するとその傾向が顕著となる。
この問題を解決するために、より強力な防腐剤を添加する方法が考えられているが、このような防腐剤の多くは酸性又は塩基性の強い化合物であり、中性領域を維持できる添加量では、充分な腐敗防止効果が得られず、一方、多量に添加した後に予め中和処理を行っておいても、湿し水の変色や沈殿物が生じ、腐敗とは別の原因で長期保存ができないという問題があった。また、これまで湿し水用途で知られていた中性の防腐剤を添加しても、防腐性に持続効果がなく、長期にわたって腐敗を防止することができないという問題があった。
特開平05−318958号公報 特開平06−127170号公報 特開2003−136855号公報
本発明が解決しようとする課題は、腐敗や変質を防止することにより、製造から使用まで長期間の保存を可能にし、更に、中和処理を行うことなく排水できるオフセット印刷用湿し水組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々の研究を行った結果、グルタルアルデヒドを有効成分とした防腐剤を用いることにより、pH領域が5〜9の範囲内に調整された湿し水組成物であっても、長期間に渡って、腐敗と変質を防止できることができることを見出し、本発明を完成させたものである。つまり、従来では、中和処理を行うことなく排水できる中性の湿し水組成物は、アルカリ性や酸性のものと比較して、腐敗し易いという欠点があったが、腐敗防止効果が高く、印刷適性や中性といった特徴を阻害しない防腐剤として、グルタルアルデヒドを用いる技術を見出したものである。
すなわち、本発明は、(1)グルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、かつ、pHが5〜9であることを特徴とするオフセット印刷用湿し水組成物に関する。
また、本発明は、(2)上記防腐剤の含有量が、全組成物中に0.5〜15質量%(好ましくは1〜15質量%)である上記(1)のオフセット印刷用湿し水組成物に関する。
また、本発明は、(3)上記防腐剤が、グルタルアルデヒド1〜50質量%溶液である上記(1)又は(2)のオフセット印刷用湿し水組成物に関する。
また、本発明は、(4)上記防腐剤が、更に、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する上記(1)〜(3)のいずれかのオフセット印刷用湿し水組成物に関する。
また、本発明は、(5)更に、リン酸塩及び硝酸塩からなる群より選択される塩類の少なくとも1種を含有する上記(1)〜(4)のいずれかのオフセット印刷用湿し水組成物に関する。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明のオフセット印刷用湿し水組成物(以下、本発明の湿し水組成物と略記することがある。)は、腐敗防止のためにグルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、pHを5〜9の範囲としたものであり、良好な印刷適性を有するように、更に、水中に酸、塩基及び塩類、界面活性剤、水溶性樹脂、その他の添加剤等を添加してもよい。
(1)防腐剤成分
本発明の湿し水組成物は、グルタルアルデヒドを主たる成分とする防腐剤を含有するものである。
この防腐剤には主成分のグルタルアルデヒドの他に、補助成分として2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有してもよい。主成分とは、構成成分のうちで最も有効に作用する成分を意味する。
更に、これら有効成分の溶解性を向上させるための有機溶剤、例えばエタノール、イソプロパノール等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール系溶剤及びその誘導体;グリセリン、ジグリセリン等のグリセリン系溶剤及びその誘導体等を使用することができる。これら有機溶剤は、具体例の中から単独で使用してもよく、2種以上を併用することも可能である。
更に、この他に安定剤やpH調整剤、他の防腐有効成分も使用することができる。
そして、この防腐剤は固体の原料を水又は適当な有機溶剤に溶解させた後に、すべての原料を混合することにより調製することが可能である。
以上の材料と調製方法から得られる防腐剤としては、グルタルアルデヒドを1〜50質量%含有する溶液であることが好ましい。防腐剤が、更に、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する場合は、グルタルアルデヒド:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン=9:1〜5:5(質量比率)程度とするとより好適である。
(2)印刷適性を向上させる成分
本発明の湿し水組成物は、更に、印刷適性を向上させる成分として、酸成分、塩基成分及びその塩類、界面活性剤、水溶性樹脂、有機溶剤を適宜用いることができる。
上記酸成分、塩基成分及びその塩類は、非画線部の洗浄やインキの転移防止等の効果を有するものである。
具体的に利用できる材料としては、リン酸、ポリリン酸、硫酸、硝酸、ほう酸、重炭酸等の無機酸及びその金属塩;コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フタル酸、シトコラン酸、イタコン酸、フマル酸、トリカルバリル酸、グリコール酸、酪酸、吉草酸、乳酸、酒石酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、チオグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、ピルビン酸、グリコール酸、サリチル酸、アジピン酸、ヒドロアクリル酸、グリセリン酸等の有機酸及びこれらの金属塩;有機アミン塩、アルカリ金属水酸化物、アルミニウムミョウバン等の塩基及びその塩を挙げることができる。そして、これら具体例の中から単独で使用してもよく、2種以上を選んで併用してもよい。
なお、水中において、酸成分及び強酸−弱塩基からなる塩類は酸性を示し、塩基成分及び弱酸−強塩基からなる塩類は塩基性を示し、強酸−強塩基からなる塩類は中性を示し、また、(弱)酸とその塩、(弱)塩基とその塩の組み合わせは緩衝剤として作用するが、これらの成分は、本発明の湿し水組成物のpHを5〜9とする範囲で添加することが好ましい。
上記界面活性剤は、表面張力調整作用により、非画線部における湿し水組成物の均一な水膜の形成や、オフセット印刷用インキに対する乳化性の最適化等に効果を有するものである。
具体的に利用できる材料としては、一価高級アルコールのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物、アルキレングリコールのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル系、ポリグリセリン脂肪酸エステル系、プロピレングリコール脂肪酸エステル系、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレン系等のノニオン性界面活性剤、高級脂肪酸の金属塩やアミン塩、アルキルスルホン酸金属塩やアミン塩、高級アルコールリン酸エステル金属塩等のアニオン性界面活性剤、高級アミンから得られるアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤を挙げることができる。そして、これら具体例の中から単独で使用してもよく、2種以上を選んで併用してもよい。
上記水溶性樹脂は、不感脂化剤の作用から、非画線部へのインキの転移を防止し、湿し水組成物の粘度調整の役割を果たす等の効果を有するものである。具体的に利用できる材料としては、アラビアゴム、セルロース誘導体、ペクチン、ポリビニルピドリドン、ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、澱粉及びその誘導体、アルギン酸塩、アルコール類又はグリセリン類等を挙げることができる。そして、これら具体例の中から単独で使用してもよく、2種以上を選んで併用してもよい。
上記有機溶剤は、非画線部における湿し水組成物の均一な水膜の形成や蒸発速度のコントロール、更にオフセット印刷用インキに対する乳化性の最適化等に効果を有するものである。具体的に利用できる材料としては、エタノール、イソプロパノール等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール系溶剤及びその誘導体;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン系溶剤及びその誘導体等を挙げることができる。そして、これら具体例の中から単独で使用してもよく、2種以上を選んで併用してもよい。
(3)その他の添加剤
本発明の湿し水組成物には、更に、その他の添加剤、例えば、トリエタノールアミン又はトリエチルアミンといったアミン類や亜硝酸ナトリウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等の防錆剤、シリコン系、フッ素系等の各種消泡剤、エチレンジアミンテトラ酢酸のナトリウム塩、カリウム塩等のキレート化剤等を使用することができる。
<湿し水組成物における各材料の配合組成>
以上の材料からなる好ましい湿し水組成物の配合組成としては、湿し水組成物100質量%に対して、防腐剤の有効成分としてグルタルアルデヒド0.1〜4質量%、オフセット印刷用湿し水のpHを5〜9とする範囲で、酸成分、塩基成分及びその塩類を合わせて0.01〜10質量%、より好ましくは0.1から5質量%、界面活性剤0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、有機溶剤0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
特に、湿し水組成物のpHが5〜9の領域であるものとするために、塩類としては、リン酸1乃至3ナトリウム、リン酸1乃至3カリウム、リン酸1乃至3アンモニウム、ポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩等のリン酸塩;硫酸1又は2ナトリウム、硫酸1又は2カリウム等の硫酸塩;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩と、必要に応じて酸成分及び/又は塩基性成分を上記範囲内の量で利用することが好ましい。
また、界面活性剤としては、一価高級アルコールのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物やアルキレングリコールのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物と、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物とを、上記範囲内の量で併用することが好ましい。
<湿し水組成物の製造方法>
本発明の湿し水組成物を製造する方法としては、水に上記防腐剤、印刷適性向上のための材料、及び、必要に応じてその他の添加剤を加え、高速ミキサー等を用いて攪拌混合する方法が利用できる。
<使用方法>
以上の材料と製造方法から得られた本発明の湿し水組成物は、濃縮状態で製造されており、更に印刷の際に水等により適度な濃度となるように希釈して利用することができる。通常は、概ね、酸成分、塩基成分及びその塩類の全量、界面活性剤の全量が、それぞれ、希釈後の湿し水組成物中に0.0001〜1質量%程度含まれるように、10〜数百倍に希釈される。そして、水付けロール方式、噴霧方式等の既存の湿し水供給システムを利用して、オフセット印刷版面に供給が可能である。
以上の材料を含有する本発明のオフセット印刷用湿し水組成物は、pHが5〜9の間に調整されているため、中和処理を行わずに下水道に排水することが可能であり、また、製造から使用までの保存の間に腐敗や変質が起こらず、更に湿し水循環装置の配管詰まり等も防止できるオフセット印刷用湿し水組成物である。
本発明のオフセット印刷用湿し水組成物は、グルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、pHが5〜9であるものであるので、中和処理を行わずにそのまま排水が可能であり、長期間に渡って腐敗の起こりにくい湿し水組成物である。
特に、印刷適性を良好とする効果を有するが、腐敗を促進するもとになるリン酸塩や硝酸塩等を用いても、腐敗が起こりにくいことから、グルタルアルデヒドと上記塩類を含むオフセット印刷用湿し水組成物は、印刷適性の向上と腐敗防止との両機能を備え、更に長期保存の間で変色や分離等の変質を起こさないものである。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<防腐剤の調製>
防腐剤A
グルタルアルデヒド50%を含有する試薬(和光純薬工業社製)を防腐剤Aとした。
防腐剤B
グルタルアルデヒド50%を含有する試薬(和光純薬工業社製)54質量部、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 8質量部、精製水38質量部をデスパー攪拌機で攪拌混合して防腐剤Bを得た。
防腐剤C
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 3質量部、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール 15質量部、精製水82質量部をデスパー攪拌機で攪拌混合して防腐剤Cを得た。
実施例1〜6、比較例1〜4の調製
表1の配合に従って、水に各材料を添加し、デスパー攪拌機で攪拌混合し、実施例1〜6、比較例1〜4のオフセット印刷用湿し水組成物を調製した。なお、比較例4のオフセット印刷用湿し水組成物は、中和処理として比較例3の配合にNaOHを更に微量添加したものである。実施例1〜6、比較例1〜4のオフセット印刷用湿し水組成物について、以下の評価方法に基づいて評価を行った。なお、参考例として、水のみを用いた場合についても比較した。結果を表1に示す。
評価方法及び評価基準
pH
実施例1〜6、比較例1〜4のオフセット印刷用湿し水組成物の液温25℃におけるpHを測定した。
○:pHが5.0〜9.0の範囲にあるもの
×:pHが5.0〜9.0の範囲にないもの
経時保存安定性
ガラス瓶に実施例1〜6、比較例1〜4のオフセット印刷用湿し水組成物をそれぞれ100g採取し、密栓して25℃の雰囲気下で7日間保存した後、変色と沈降物の発生の有無から経時保存安定性を評価した。
A:変色及び沈降物の発生が全く見られないもの。
B:変色又は沈降物の発生が僅かに見られるもの。
C:変色又は沈降物の発生が激しいもの。
防腐・防カビ性
実施例1〜6、比較例1〜4のオフセット印刷用湿し水組成物、及び、標準品として市販塩基性湿し水組成物(商品名:SAH−3、サカタインクス社製)96質量部に、印刷現場の排水ピットから採取した細菌類とカビ類を含む排水2質量部、澱粉溶液2質量部を加えて25℃で保存し、スライムの発生の有無を2日ごとに確認して、何回目の確認の時からスライムが発生したかで防腐・防カビ性を評価した。
A:3回目の確認においてもスライムの発生が認められない。
B:3回目の確認の時からスライムの発生が認められる。
C:2回目の確認の時からスライムの発生が認められる。
D:1回目の確認の時からスライムの発生が認められる。
なお、標準品は3回目の確認の時からスライムの発生が認められ、B評価であることから、Bと同等以上の防腐・防カビ性を良好と判断した。
印刷適性
実施例1〜6、比較例1のオフセット印刷用湿し水組成物を100倍に水で希釈した希釈液及び参考例1を用いて、新聞オフ輪印刷機でオフセットインキを印刷した。なお、比較例2は防腐・防カビ性、比較例4は経時保存安定性が劣り、比較例3はpHが5〜9の範囲にないため、印刷適性の評価を行わなかった。
<印刷テスト条件>
印刷機 : 東浜5N−600型(東浜精機社製)
湿し水機構 : スプレー方式(SSD−12ダンプナー、サカタインクス社製)
印刷インキ : 新聞用オフ輪藍インキ(サカタインクス社製)
印刷速度 : 500rpm
温度/湿度 : 25℃/60%
印刷用紙 : SL紙(超軽量紙、王子製紙社製、連量19k)
印刷部数 : 20000部
<評価方法>
20000部の印刷部数中で印刷汚れが発生しない比較例1の印刷適性を良好として、20000部の印刷部数中で印刷汚れの発生状況から実施例1〜6の印刷適性を評価した。
良好:印刷汚れが発生せず、比較例1と同等の印刷適性を有する。
不良:印刷汚れが発生し、比較例1より印刷適性が劣る。
Figure 2005028853
なお、表1において、表中の数値の単位は「部」である。また、表1において、「シリコン系消泡剤」は、KM−70(信越化学工業社製)を表す。
グルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、pHが5〜9である実施例1〜6のオフセット印刷用湿し水組成物は、いずれも経時保存安定性、防腐・防カビ性に優れたものであり、中和処理を行うことなくそのまま排水が可能であり、また、印刷適性も良好であった。しかしながら、グルタルアルデヒドを含有しない比較例1、2及び4は、経時保存安定性及び防腐・防カビ性の何れかに劣るものであり、pHが5〜9の範囲外である比較例3は、中和処理を行うことなく排水できるものではなかった。
本発明のオフセット印刷用湿し水組成物は、グルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、pHが5〜9であるものとすることにより、中和処理を行うことなく排水できる中性の湿し水組成物として、腐敗防止効果が高く、印刷適性や中性といった特徴を阻害せずに、商業用印刷等の分野でオフセット印刷方式に好適に用いることができるものである。

Claims (5)

  1. グルタルアルデヒドを有効成分とする防腐剤を含有し、かつ、pHが5〜9である
    ことを特徴とするオフセット印刷用湿し水組成物。
  2. 前記防腐剤の含有量が、全組成物中に0.5〜15質量%である
    ことを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用湿し水組成物。
  3. 前記防腐剤が、グルタルアルデヒド1〜50質量%溶液である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のオフセット印刷用湿し水組成物。
  4. 前記防腐剤が、更に、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷用湿し水組成物。
  5. 更に、リン酸塩及び硝酸塩からなる群より選択される塩類の少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオフセット印刷用湿し水組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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