JP2005028447A - パネルアセンブリー及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】耐腐食性を向上したパネルアセンブリー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】内側パネル及び外側パネルを含むパネルアセンブリーの製造方法であって、前記外側パネルの端部をフランジングする段階と、フランジングされた前記外側パネルのフランジ部位の内面に、ヘミングシーラーを塗布する段階と、前記ヘミングシーラーが塗布された前記外側パネルのフランジ部位の内面に内側パネルを安着する段階と、前記内側パネルを前記外側パネルに圧着する段階と、前記内側パネルの端部を前記外側パネルのフランジ部位を利用してヘミングし、前記外側パネルのフランジ部位の端部と前記内側パネルとの間に、所定の有限の間隔を有する隙間が形成されるようにヘミングする段階とを含む。
【選択図】図４

Description

本発明はパネルアセンブリー及びその製造方法に係り、特にその際のヘミング処理に関するものである。

車両のドア、フード、トランクリードなどのように二つのパネルが継ぎ合わされて形成されるパネルアセンブリーの端部は、ヘミング（ｈｅｍｍｉｎｇ）処理される場合が多い。パネルアセンブリーの美観を向上させることができるだけでなく、パネルアセンブリーを構成するパネルの端部が鋭い場合、これをヘミング処理によってつつみ込むことができる。

図１に示すように、このようなヘミング工程は、通常、（Ａ）外側パネルの端部をフランジ加工し（フランジング）、（Ｂ）外側パネルのフランジ部位の内面にヘミングシーラーを塗布し（シーリング）、（Ｃ）ヘミングシーラーが塗布された部位に端部がおかれるように内側パネルを外側パネル上に安着し（ポジショニング）、（Ｄ）前記内側パネルの端部を外側パネルのフランジによって形成された端部でヘミングすることにより、内側及び外側パネルを結合する。

ヘミング工程に用いられるヘミングシーラーは、パネルアセンブリーの塗装工程に含まれた熱処理過程によって加熱され硬化して、内側及び外側パネルの結合強度が向上する。

しかし、ヘミングシーラーが硬化するまでのヘミングシーラーによる結合強度は、外部衝撃に強くない。したがって、ヘミング結合された後には、（Ｅ）ヘミングによって接触する内側及び外側パネルの接触部位を仮溶接し、（Ｆ）外側パネルの外面をグラインディングすることによって、表面を滑らかに加工することもある。

前述した（Ｄ）ヘミング工程は、内側及び外側パネルの端部を互いに密着させるものである。その後、（Ｅ）仮溶接工程では、図２に示すように、ヘミング作業が完了したパネルアセンブリーの端部の数箇所をスポット溶接する。

すなわち、外側パネル１３が内側パネル１５をつつみ込んでいる接合部１１の内側及び外側パネル面に溶接電極１７、１９を当てて、スポット溶接を施して仮溶接することによって、ヘミングシーラー２１が塗装工程を通過して硬化するまで、内側パネル１５と外側パネル１３とを互いに固定するのである。

しかし、ヘミング及び仮溶接によると、内側及び外側パネルの端部は互いに密着するが、その間に不規則な距離の隙間が生じる。これは、第一に、ヘミングによって二つのパネルの端部が完全に密着するのを保障するのが困難であるからである。また、ヘミング後に接合部の外部にはみ出ない程度にヘミングシーラーが塗布されるが、これは、ヘミング後の接合部の内側及び外側パネルの端部の内面にはヘミングシーラーが塗布された部分と塗布されていない部分とが共存することを意味する。したがって、ヘミングシーラーが塗布されていない部分では、内側及び外側パネルの間に隙間が生じやすいのである。

このような隙間は、パネルアセンブリーの耐久性に大きな悪影響を与える。すなわち、金属パネルの腐蝕を防止するために、いわゆる、塗装シーラー（ｗｈｉｔｅ ｓｅａｌｅｒ）が塗布されるが、この塗装シーラーがパネルアセンブリーの内側及び外側パネルの隙間に充分に入り込むのが困難であるからである。
特開平０７−１４９１５１号公報

本発明の目的は、耐腐食性を向上したパネルアセンブリー及びその製造方法を提供することにある。

上記の課題を解決するためになされた本発明によるパネルアセンブリーの製造方法は、内側パネル及び外側パネルを含むパネルアセンブリーの製造方法であって、前記外側パネルの端部をフランジングする段階と、フランジングされた前記外側パネルのフランジ部位の内面に、ヘミングシーラーを塗布する段階と、前記ヘミングシーラーが塗布された前記外側パネルのフランジ部位の内面に内側パネルを安着する段階と、前記内側パネルを前記外側パネルに圧着する段階と、前記内側パネルの端部を前記外側パネルのフランジ部位を利用してヘミングし、前記外側パネルのフランジ部位の端部と前記内側パネルとの間に、所定の有限の間隔を有する隙間が形成されるようにヘミングする段階とを含む、ことを特徴とする。

好ましくは、前記隙間は、前記外側パネルの端部の全域にかけて形成される、ことを特徴とする。

好ましくは、前記所定の有限の間隔は、０．４〜０．６ｍｍの範囲内である、ことを特徴とする。

好ましくは、前記ヘミングシーラーは、前記圧着する段階において前記外側パネルと前記内側パネルとを結合する複数個のビーズを含む、ことを特徴とする。

好ましくは、前記隙間にリン酸塩膜及び電着液膜の内の一つ以上の膜を形成する段階をさらに含む、ことを特徴とする。

上記の課題を解決するためになされた本発明によるパネルアセンブリーは、外側パネルと、前記外側パネルの内面に少なくともその一部が結合する内側パネルとを含み、前記外側パネルの端部は内側パネルの前記少なくとも一部の反対側に曲がり、前記外側パネルの前記端部と前記内側パネルの前記少なくとも一部の反対側との間には、所定の有限の間隔を有する隙間が形成されている、ことを特徴とする。

好ましくは、前記隙間は、前記外側パネルの端部の全域にかけて形成されている、ことを特徴とする。

好ましくは、前記所定の有限の間隔は、０．４〜０．６ｍｍの範囲内である、ことを特徴とする。

好ましくは、前記内側パネルの前記少なくとも一部は、ビーズを含むヘミングシーラーを介して前記外側パネルの内面に圧着されている、ことを特徴とする。

好ましくは、前記隙間に、リン酸塩膜及び電着液膜の内の一つ以上の膜が形成されている、ことを特徴とする。

リン酸塩膜７２及び／または電着液膜７４によって、隙間３６における内側及び外側パネル４０、３０の腐蝕が防止される。また、このような腐蝕防止効果は、従来の技術によって適用される塗装シーラーの使用を不要にする。

以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。

図３は、本発明の実施例によるパネルアセンブリーの製造方法を示したフローチャートであり、図４は、本発明の実施例によるパネルアセンブリーの断面図である。

図３に示すパネルアセンブリーの製造方法により、図４に示すパネルアセンブリーが製造されるので、以下、図３と図４の双方を参照して説明する。

本発明の実施例によるパネルアセンブリーは、図４に示すように、外側パネル３０及び内側パネル４０を含む。
本発明の実施例において、前記外側パネル３０及び内側パネル４０は金属鋼板とする。しかし、本発明の保護範囲が必ずしもこれに限定されるわけではない。

本発明の実施例によるパネルアセンブリーの製造方法においては、まず、前記外側パネル３０の端部３４をフランジングしてフランジ部位３２を形成する（Ｓ３１０）。

次に、フランジングされた前記外側パネル３０のフランジ部位３２の内面に、ヘミングシーラー５０を塗布する（Ｓ３２０）。

そして、前記ヘミングシーラー５０が塗布された前記外側パネル３０のフランジ部位３２の内面に、内側パネル４０を安着する（Ｓ３３０）。

そして、前記内側パネル４０を第１パンチ６１によって前記外側パネル３０に圧着する（Ｓ３４０）。

さらに、前記内側パネル４０の端部を前記外側パネル３０のフランジ部位３２を利用してヘミングする（Ｓ３５０）。この時、第２パンチ６２が用いられる。前記ヘミング段階（Ｓ３５０）では、前記外側パネル３０のフランジ部位３２の端部３４と前記内側パネル４０との間に、所定の有限の間隔（ｄ）を有する隙間３６が形成されるようにヘミングする。

前記圧着段階（Ｓ３４０）及び前記ヘミング段階（Ｓ３５０）は、同時に遂行できるのはもちろんである。

前記隙間３６は、前記外側パネル３０の端部３４の全域にかけて形成される。

そして、前記所定の有限の間隔ｄは、０．４〜０．６ｍｍの範囲内であり、一例として０．５ｍｍに形成される。

前記ヘミングシーラー５０は、複数個のビーズ５２を含み、前記内側パネル４０が外側パネル３０に圧着される場合に、前記ビーズ５２は内側及び外側パネル４０、３０に結合されて、これらの相互結合を媒介する。したがって、このようなビーズ５２によって内側及び外側パネル４０、３０は、互いに機械的に結合できるのである。

前記ビーズ５２は、前記内側及び外側パネル４０、３０よりは強度の大きい材質で形成される。図面では前記ビーズ５２を球形で示したが、その外形は必ずしもこれに限定されるわけではない。

このようにパネルアセンブリーの基本形態が形成された後には、前記隙間３６にリン酸塩膜７２を形成し、その上に電着液膜７４を形成する（Ｓ３６０）。

前記膜形成段階（Ｓ３６０）で、リン酸塩膜７２及び電着液膜７４は、０．４〜０．６ｍｍの間隔ｄを有する前記隙間３６に充分に入り込める。

以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるわけではなく、その技術的範囲内において本発明の実施例から当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により容易に変更され得るであろう。

従来の技術によるヘミング工程によるパネルアセンブリーの製造過程を示した図面である。 従来の技術によるヘミング工程で仮溶接によってパネルアセンブリーが形成される状態を示した図面である。 本発明の実施例によるパネルアセンブリーの製造方法を示したフローチャートである。 本発明の実施例によるパネルアセンブリーの断面図である。

符号の説明

３０ 外側パネル
３２ フランジ部位
３４ 外側パネルの端部
３６ 隙間
４０ 内側パネル
５０ ヘミングシーラー
５２ ビーズ
７２ リン酸塩膜
７４ 電着液膜
ｄ 隙間３６の間隔

Claims (10)

1. 内側パネル及び外側パネルを含むパネルアセンブリーの製造方法であって、
   前記外側パネルの端部をフランジングする段階と、
   フランジングされた前記外側パネルのフランジ部位の内面に、ヘミングシーラーを塗布する段階と、
   前記ヘミングシーラーが塗布された前記外側パネルのフランジ部位の内面に内側パネルを安着する段階と、
   前記内側パネルを前記外側パネルに圧着する段階と、
   前記内側パネルの端部を前記外側パネルのフランジ部位を利用してヘミングし、前記外側パネルのフランジ部位の端部と前記内側パネルとの間に、所定の有限の間隔を有する隙間が形成されるようにヘミングする段階とを含む、ことを特徴とするパネルアセンブリーの製造方法。
2. 前記隙間は、前記外側パネルの端部の全域にかけて形成される、ことを特徴とする請求項１に記載のパネルアセンブリーの製造方法。
3. 前記所定の有限の間隔は、０．４〜０．６ｍｍの範囲内である、ことを特徴とする請求項１に記載のパネルアセンブリーの製造方法。
4. 前記ヘミングシーラーは、前記圧着する段階において前記外側パネルと前記内側パネルとを結合する複数個のビーズを含む、ことを特徴とする請求項１に記載のパネルアセンブリーの製造方法。
5. 前記隙間にリン酸塩膜及び電着液膜の内の一つ以上の膜を形成する段階をさらに含む、ことを特徴とする請求項１に記載のパネルアセンブリーの製造方法。
6. 外側パネルと、
   前記外側パネルの内面に少なくともその一部が結合する内側パネルとを含み、
   前記外側パネルの端部は内側パネルの前記少なくとも一部の反対側に曲がり、
   前記外側パネルの前記端部と前記内側パネルの前記少なくとも一部の反対側との間には、所定の有限の間隔を有する隙間が形成されている、ことを特徴とするパネルアセンブリー。
7. 前記隙間は、前記外側パネルの端部の全域にかけて形成される、ことを特徴とする請求項６に記載のパネルアセンブリー。
8. 前記所定の有限の間隔は、０．４〜０．６ｍｍの範囲内である、ことを特徴とする請求項６に記載のパネルアセンブリー。
9. 前記内側パネルの前記少なくとも一部は、ビーズを含むヘミングシーラーを介して前記外側パネルの内面に圧着されている、ことを特徴とする請求項６に記載のパネルアセンブリー。
10. 前記隙間に、リン酸塩膜及び電着液膜の内の一つ以上の膜が形成されている、ことを特徴とする請求項６に記載のパネルアセンブリー。

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