JP2008222176A - 車体の異種金属板接合方法 - Google Patents

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Takayuki Yamada
孝行 山田
Mitsuhiko Ueki
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Abstract

【課題】異種金属板接合部分をコンパクトに形成することを可能にするとともに、一方側部材と他方側部材を合わせる行程において、同時に他方側部材の先端部もシールすることを可能にする。
【解決手段】鋼板で形成された車体10側の一方側部材41に、軽金属板で形成された他方側部材23を接着剤14を介して合わせる板合わせ行程と、これらの一方側部材41及び他方側部材23同士を押圧する押圧行程と、一方側部材41及び他方側部材23同士を溶接若しくはリベットにて接合する接合行程とからなる車体の異種金属板接合方法であり、一方側部材41の接着面44と一方側の傾斜面31とのなす角を第1の接触θ1、他方側部材23の接着面25と他方側の傾斜面32とのなす角を第2の接触角θ2とするときに、接着剤14に、第1・第2の接触角θ1,θ2の延長線同士が交わる交点P1が形成されるようにして異種金属板同士の接合を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼板で形成された車体側部材に、軽金属で形成されたルーフパネルなどの部材を取付けるときに、軽金属で形成された部材のエッジ部を同時にシールすることができる車体の異種金属板接合方法に関するものである。
車体の異種金属板接合方法として、車体の軽量化のために、鋼板で形成された車体の一部にアルミニウムなどの軽金属で形成された部材を用いるものがある。
このような車体の異種金属板接合方法では、鋼板で形成された車体側の一方側部材若しくは軽金属で形成された他方側部材に接着剤が塗布され、これらの一方側部材と他方側部材とを接着剤を介して合わせ、溶接やリベットなどによる機械的結合を行う。このときに、軽金属の板材の先端部を十分にシールし、電食に対する防錆性を向上するようにしていた。
このような車体の異種金属板接合方法として、鋼板で形成された車体に、アルミニウムで形成されたルーフパネルを取付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−274428公報(第5頁、図2)
特許文献1の技術を説明する。
図8は従来の車体の異種金属板接合方法を説明するための断面図である。
従来の車体の異種金属板接合方法は、鋼板で形成されたルーフレール111のレールサイドアウタ112に、アルミニウム(軽金属)で形成されたルーフパネル113を取付けるものであり、ルーフパネル113のフランジ115に、下方に向かって所定距離だけ突出された突出部116を形成し、突出部116の両側に凹部117,118を設け、これらの凹部117,118とレールサイドアウタ112のフランジ114との間に接着剤121,122を介在させ、突出部116とレールサイドアウタ112のフランジ114とを機械的に接合し、ルーフパネル113のフランジ115の先端部123とレールサイドアウタ112とにシール剤124を塗布するものである。なお、ルーフレール111は、レールサイドアウタ112と、レールサイドインナ126とから構成される。
しかし、車体の異種金属板接合方法では、ルーフパネル113のフランジ115に、突出部116と、この突出部116の両側に接着剤溜りのための凹部117,118とを設ける必要があり、フランジ115の幅が広く必要であった。
また、車体の異種金属板接合方法では、レールサイドアウタ(一方側部材)112とルーフパネル(他方側部材)113の先端部123との間にシール剤124を塗布するので手間がかかるということもあった。
本発明は、異種金属板接合部分をコンパクトに形成できるとともに、一方側部材と他方側部材を合わせる行程において、同時に他方側部材の先端部もシールすることができる車体の異種金属板接合方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、鋼板で形成された車体側の一方側部材に、軽金属板で形成された他方側部材を接着剤を介して合わせる板合わせ行程と、これらの一方側部材及び他方側部材同士を押圧する押圧行程と、一方側部材及び他方側部材同士を溶接若しくはリベットにて接合する接合行程とからなる車体の異種金属板接合方法であり、板合わせ行程で、一方側部材、接着剤及び他方側部材の断面を見るときに、接着剤の端部に、一方側部材から接着剤の斜め内方に向かう一方側の傾斜面と、他方側部材の先端部から接着剤の斜め内方に向かう他方側の傾斜面とが形成されるように合わせられ、一方側部材の接着面と一方側の傾斜面とのなす角を第1の接触角、他方側部材の接着面と他方側の傾斜面とのなす角を第2の接触角とするときに、接着剤に、第1・第2の接触角の延長線同士が交わる交点が先端部の内方に形成されることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、他方側部材の接着面の裏面を非接着面とするときに、板合わせ行程で、少なくとも先端部及び非接着面に、微細の凹凸を付けたものを使用することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、他方側部材を、加熱して接着剤よりも温度を高くして接合することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、他方側部材に、微振動を加えて接合することを特徴とする。
請求項1に係る発明では、鋼板で形成された車体側の一方側部材に、軽金属板で形成された他方側部材を接着剤を介して合わせ、これらの一方側部材及び他方側部材同士を押圧し、一方側部材及び他方側部材同士を溶接若しくはリベットにて接合する。すなわち、車体の異種金属板接合方法を、板合わせ行程、押圧行程及び接合行程から構成する。
板合わせ行程で、一方側部材の接着面と一方側の傾斜面とのなす角を第1の接触角、他方側部材の接着面と他方側の傾斜面とのなす角を第2の接触角とするときに、接着剤に、第1・第2の接触角の延長線同士が交わる交点が形成されるようにした。すなわち、接着剤の吸着作用で第1・第2の接触角を狭く保つとともに、交点が接着剤が押出される方向に対して内側に形成されるようにした。
押圧行程で、一方側部材及び他方側部材同士を押圧したときに、第1・第2の接触角の延長線同士が交わる交点が消失し、他方側部材の先端部から接着剤がはみ出す。この状態では、第1の接触角のみとなり、はみ出した余剰の接着剤は、第2の接触角θ2が失われたときの反力で、他方側部材の先端部に沿って移行することが可能になる。
これにより、押圧行程で、他方側部材の先端部に接着剤を回すことができる。この結果、異種金属板同士の接触による電食錆を防止することができる。
例えば、他方側部材に接着剤溜まりの凹部を設ける場合に比べ、一方側部材及び他方側部材の接合部分をコンパクトに設計することができる。
さらに、別のシール剤で他方側部材の先端面などをシールする場合に比べ、接合時の作業性の向上を図ることができる。この結果、異種金属板を接合するときのコストの低減を図ることができる。
請求項2に係る発明では、少なくとも先端部及び非接着面に、微細の凹凸を付けた。他方側部材の先端部に微細の凹凸を付けたものを使用することで、接着剤の吸着作用を増大させ、先端部に沿って接着剤が移行しやすくなる。また、他方側部材の非接着面に微細の凹凸を付けることで、先端部に沿って移行した接着剤が非接着面まで回り込むことが可能になる。
この結果、異種金属板同士の接触による電食錆を、さらに、防止することができる。また、他方側部材の先端部及び非接着面に形成するのは、微細の凹凸なので、簡単に加工を施すことができる。すなわち、生産性が高い。
請求項3に係る発明では、他方側部材を、加熱して接着剤よりも温度を高くして接合するようにした。これにより、接着剤の吸着作用を増大して他方側部材への接着剤の付着の増進を図ることができる。
請求項4に係る発明では、他方側部材に、微振動を加えて接合するようにした。これにより、接着剤を他方側部材へ導きやすくすることができる。この結果、他方側部材への接着剤の付着を増進することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体の異種金属板接合方法を採用した車体の斜視図であり、図2は図1の2−2線断面図であり、車体の異種金属板接合構造10を示す。
車体11は、鋼板にて形成されたルーフレール13と、このルーフレール13に接着剤14を介して取付けられるアルミニウム合金板などの軽金属板で形成されたルーフパネル15とを備えている。
ルーフレール13は、鋼板にて形成されたレールサイドインナ18と、このレールサイドインナ18に溶接され、組合わされるレールサイドアウタ19とからなる。
車体の異種金属板接合構造10は、レールサイドインナ18と、鋼板製のレールサイドアウタ19と、このレールサイドアウタ19に接着剤14を介して取付けられる軽金属製のルーフパネル15とから構成される。
ルーフパネル15は、車体11の天井部分を覆うパネル本体21と、このパネル本体21から垂下した垂下壁22と、この垂下壁22から連続的に略水平に延ばしたパネル側フランジ23とを備える。
レールサイドインナ18は、レールサイドアウタ19の外装壁43に略平行に形成された内壁46と、この内壁46から連続的に形成され、レールサイドアウタ19のレール側フランジ41に溶接される溶接面47と、この溶接面47から斜めに立上げられた斜面壁48とを備える。
レールサイドアウタ19は、接着剤14が塗布されるレール側フランジ41と、このレール側フランジ41から立上げられた縦壁部42と、この縦壁部42から連続的に車幅外方に向けて形成された外装壁43とを備える。
レール側フランジ41は、鋼板で形成される車体11側の一方側部材に相当し、パネル側フランジ23は、軽金属板で形成される他方側部材に相当する。
図3は本発明に係る車体の異種金属板接合方法の一例を示す作業工程図である(符号は図1、図2参照)。なお、ST××はステップ番号を示す。
車体の異種金属板接合方法は、板合わせ行程、押圧行程及び接合行程から構成される。
ST01:板合わせ行程
鋼板で形成された車体11側の一方側部材41に、軽金属板で形成された他方側部材23を接着剤14を介して合わせる。
ST02:押圧行程
一方側部材41及び他方側部材23同士を押圧する。
このときに、他方側部材23を、加熱して接着剤よりも温度を高くして接合するようにした。これにより、接着剤14の吸着作用を増大して他方側部材23への接着剤14の付着の増進を図ることができる。
また、他方側部材23に、微振動を加えて接合するようにしてもよい。これにより、接着剤14を他方側部材23へ導きやすくすることができる。この結果、他方側部材23への接着剤14の付着を増進することができる。
ST03:接合行程
一方側部材41及び他方側部材23同士を溶接若しくはリベットにて接合する。
図4、図5で押圧行程における接着剤14の動きのメカニズムを説明する。
図4(a)〜(c)は図3に示される車体の異種金属板接合方法の初期段階の作用説明図である。
(a)において、接着剤14が一方側部材(レール側フランジ)41に塗布され、この一方側部材41に他方側部材(パネル側フランジ)23を矢印e1の如く合わせる。
他方側部材23の接着剤14の介在する面を介在面25、この介在面25の他側を非介在面26とするときに、他方側部材23の先端部24、先端部24よりの介在面25及び非介在面26に、微細の凹凸28を付設した。
接着剤14の介在する介在面25は、他方側部材(パネル側フランジ)23の接着面であり、接着剤14の介在しない非介在面26は非接着面である。
他方側部材23は、少なくとも先端部24及び非介在面(非接着面)26に、微細の凹凸28が付設されたものを使用するようにした。すなわち、他方側部材23の先端部24に微細の凹凸28を付けることで、接着剤14の吸着作用を増大させ、先端部24に沿って接着剤14が移行しやすくすることができる。また、他方側部材23の非介在面26に微細の凹凸28を付けることで、先端部24に沿って移行した接着剤14が非介在面26まで回り込むことを可能にする。
一方側部材41、接着剤14及び他方側部材23の断面を見るときに、接着剤14の端部16に、一方側部材41から接着剤14の斜め内方に向かう一方側の傾斜面31と、他方側部材23の先端部24から接着剤14の斜め内方に向かう他方側の傾斜面32とが形成されるように合わせられ、一方側部材41の接着剤が塗布される塗布面44と一方側の傾斜面31とのなす角を第1の接触角θ1、他方側部材23の介在面(接着面)25と他方側の傾斜面32とのなす角を第2の接触角θ2とするときに、接着剤14に、第1・第2の接触角θ1,θ2の延長線同士が交わる交点P1が先端部24の内方に形成される。
接着剤14が塗布される塗布面44は、他方側部材(パネル側フランジ)23の接着面である。
他方側部材23の介在面25に微細の凹凸28を設けたので、接着剤14を塗布した一方側部材41の塗布面44に合せる板合わせ行程において、接着剤14の表面の頂点部分に微細の凹凸面28が近づくと、接着剤14は微細の凹凸面28の毛細管現象により吸着され、第2の接触角(広がり接触角)θ2が形成される。吸着されたことで接着剤14の第2の接触角θ2は鋭角になり、予め接着剤14を塗布した塗布面(界面)44の第1の接触角θ1の接線との交点は、他方側部材23の先端部24(接着剤14が押出される方向)に対し内側(内方)に設置され、第1・第2の接触角θ1,θ2の延長線のなす角度を挟まれ角θcとするときに、挟まれ角度θcは狭くなる。
すなわち、板合わせ行程では、接着剤の吸着作用で第1・第2の接触角θ1,θ2を狭く保つとともに、交点P1が接着剤14が押出される方向に対して内側に形成される。
(b)において、一方側部材(レール側フランジ)41に他方側部材(パネル側フランジ)23を矢印e2の如く押圧を開始する。
一方側部材41に他方側部材23を押圧することで、一方側の傾斜面31に直角の力Aが作用し、他方側の傾斜面32に直角の力Bが作用し、(a)に示した交点P1部分においても直角の力Cが作用する。
力Aは、他方側部材23の先端部24へ向かう水平成分A1と一方側部材41へ向かう垂直成分A2に分解でき、力Bは、他方側部材23の先端部24へ向かう水平成分B1と他方側部材23へ向かう力垂直成分B2に分解でき、力Cは、他方側部材23の先端部24へ向かう水平成分のみであり、接着剤14の端部16側では、円弧状にバランスされた円弧状表面に変形され、この円弧状表面は徐々に曲がりが減少しつつ先端部24に向かう。
よって、一方側部材41に他方側部材23を矢印e2の如く押圧することで、接着剤14に一方側部材23の先端部24へ向かう水平成分A1,B1,Cが作用し、接着剤14の端部16は先端部24外方に向けて移行する。なお、垂直成分A2,B2同士は、逆方向であるので互いにキャンセルされる。
(c)において、接着剤14が他方側部材23の先端部24にはみ出した状態を示す。
押圧行程で、一方側部材41に他方側部材23を矢印e3の如く押圧することで、第1・第2の接触角θ1,θ2の延長線同士が交わる交点が消失し、接着剤14が他方側部材23の先端部24にはみ出す。この状態では、第1の接触角θ1のみとなり、はみ出した余剰の接着剤14は、(a)に示された第2の接触角θ2が鋭角から鈍角に移行して第2の接触角θ2が失われたときの反力と、微細な凹凸28の吸着作用とで先端部24に沿って他方側部材23の非介在面(非接着面)26へ向かう。
図5(a)〜(c)は図3に示される車体の異種金属板接合方法の最終段階の作用説明図である。(a)は実施例の車体の異種金属板接合構造10を示し、(b),(c)は比較例の車体の異種金属板接合構造100を示す。
(a)において、実施例の車体の異種金属板接合方法の押圧終了時の接着剤14の状態を示す。
先端部24の微細の凹凸28(図4(a)参照)に沿って移行した接着剤14は、他方側部材23の非介在面26に形成した微細の凹凸28により接着剤14を先端部24から非介在面26の内方に移行する。
さらに、一方側部材41の第1の接触角θ1は、はみ出し時に接着剤14が盛り上がり急激に増えるので、先端部24の外方には過度に広がらない。
従って、他方側部材23の先端部24よりはみ出した接着剤14は、先端部24、及び先端部24近傍の非介在面26を覆うことができ、異種金属板同士の接触による電食錆を防止することができる。
(b)において、比較例の車体の異種金属板接合方法の接着剤103の塗布状態を示す。比較例の車体の異種金属板接合方法では、一方側部材(一方側フランジ)101の長手方向全体に充填されるように、塗布位置及び量を設定し接着剤103を塗布する。
(c)において、比較例の車体の異種金属板接合方法の防錆処理の一例を示し、一方側部材(一方側フランジ)101に他方側部材(他方側フランジ)102を、矢印f1の如く押圧する。接着剤103は他方側部材102の先端部104側に広がり、硬化する。
従って、接着剤103の硬化後に、他方側部材102の先端部104から接着剤103の非介在面106にかけてシーラ107を塗り、防錆処理を行う必要がある。すなわち、異種金属板同士の接合時における電食錆を防ぐために、時間とコストがかかる。
車体の異種金属板接合方法では、例えば、他方側部材(パネル側フランジ)23に接着剤溜まりの凹部を設ける場合に比べ、一方側部材41及び他方側部材23の接合部分をコンパクトに設計することができる。
さらに、別のシール剤で他方側部材23の先端面24などをシールする場合に比べ、接合時の作業性の向上を図ることができる。この結果、異種金属板を接合するときのコストの低減を図ることができる。
図6は本発明に係る第2実施例の車体の異種金属板接合構造の断面図である。
車体の異種金属板接合構造60は、レールサイドインナ68と、鋼板製のレールサイドアウタ69と、このレールサイドアウタ69に接着剤64を介して取付けられる軽金属製のルーフパネル65とから構成される。
ルーフレール63は、レールサイドインナ68と、レールサイドアウタ69とで構成される。
ルーフパネル65は、車体の天井部分を覆うパネル本体71と、このパネル本体71から垂下した垂下壁72と、この垂下壁72から連続的に略水平に延ばしたパネル側フランジ73と、このパネル側フランジ73の先端部74に形成されるとともに、レールサイドアウタ69のレール側フランジ91から離間する方向に向けて形成された角部77とを備える。
レールサイドアウタ69は、接着剤64が塗布されるレール側フランジ91と、このレール側フランジ91から立上げられた縦壁部92と、この縦壁部92から連続的に車幅外方に向けて形成された外装壁93とを備える。
レールサイドインナ68は、レールサイドアウタ69の外装壁93に略平行に形成された内壁96と、この内壁96から連続的に形成され、レールサイドアウタ69のレール側フランジ91に溶接される溶接面97と、この溶接面97から斜めに立上げられた斜面壁98とを備える。
レール側フランジ91は、鋼板で形成される車体側の一方側部材に相当し、パネル側フランジ73は、軽金属板で形成される他方側部材に相当する。
図7(a),(b)は図6に示される第2実施例の車体の異種金属板接合構造の作用説明図である。
(a)において、接着剤64が一方側部材(レール側フランジ)91に塗布され、この一方側部材(レール側フランジ)91に他方側部材(パネル側フランジ)73を矢印g1の如く合わせる。
接着剤64の端部66に、他方側部材73の角部77により、一方側部材91に第1の接触角θ3が形成されるとともに、他方側部材73に第2の接触角θ4が形成される。
角部77で接着剤64を吸着することができるので、角部77から接着剤64がはみ出す直前まで他方側部材73では第1の接触角θ3を持つことができる。従って、接着剤64がはみ出したときの反力を大きくすることができる。
(b)において、一方側部材91に他方側部材73を矢印g2の如く押圧する。
上述のように、車体の異種金属板接合構造60は、接着剤64がはみ出したときの反力を大きくすることができるので、他方側部材73の先端部74及び角部77を容易に覆うことができる。この結果、防錆処理の信頼性の向上を図ることができる。
尚、本発明に係る車体の異種金属板接合方法は、図4で説明したように、一方側部材41に接着剤14を塗布したが、これに限るものではなく、他方側部材23に接着剤14を塗布するものであってもよい。
本発明に係る車体の異種金属板接合方法は、セダンやワゴンなどの乗用車において、鋼板製のレールサイドアウタに軽合金製のルーフパネルを接合するときに好適である。
本発明に係る車体の異種金属板接合方法を採用した車体の斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 本発明に係る車体の異種金属板接合方法の一例を示す作業工程図である。 図3に示される車体の異種金属板接合方法の初期段階の作用説明図である。 図3に示される車体の異種金属板接合方法の最終段階の作用説明図である。 本発明に係る第2実施例の車体の異種金属板接合構造の断面図である。 図6に示される第2実施例の車体の異種金属板接合構造の作用説明図である。 従来の車体の異種金属板接合方法を説明するための断面図である。
符号の説明
10…車体の異種金属板接合構造、11…車体、14…接着剤、16…端部、23…他方側部材(パネル側フランジ)、24…先端部、25…接着面(介在面)、26…非接着面(非介在面)、31…一方側の傾斜面、32…他方側の傾斜面、41…一方側部材(レール側フランジ)、44…接着面(塗布面)、θ1…第1の接触角、θ2…第2の接触角、P1…交点。

Claims (4)

  1. 鋼板で形成された車体側の一方側部材に、軽金属板で形成された他方側部材を接着剤を介して合わせる板合わせ行程と、これらの一方側部材及び他方側部材同士を押圧する押圧行程と、前記一方側部材及び他方側部材同士を溶接若しくはリベットにて接合する接合行程とからなる車体の異種金属板接合方法であり、
    前記板合わせ行程で、前記一方側部材、接着剤及び他方側部材の断面を見るときに、
    前記接着剤の端部に、一方側部材から接着剤の斜め内方に向かう一方側の傾斜面と、前記他方側部材の先端部から接着剤の斜め内方に向かう他方側の傾斜面とが形成されるように合わせられ、
    前記一方側部材の接着面と前記一方側の傾斜面とのなす角を第1の接触角、前記他方側部材の接着面と前記他方側の傾斜面とのなす角を第2の接触角とするときに、
    前記接着剤に、前記第1・第2の接触角の延長線同士が交わる交点が前記先端部の内方に形成されることを特徴とする車体の異種金属板接合方法。
  2. 前記他方側部材の接着面の裏面を非接着面とするときに、前記板合わせ行程で、少なくとも前記先端部及び前記非接着面に、微細の凹凸を付けたものを使用することを特徴とする請求項1の車体の異種金属板接合方法。
  3. 前記他方側部材を、加熱して前記接着剤よりも温度を高くして接合することを特徴とする請求項1の車体の異種金属板接合方法。
  4. 前記他方側部材に、微振動を加えて接合することを特徴とする請求項1の車体の異種金属板接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013021452A1 (ja) * 2011-08-08 2013-02-14 トヨタ自動車株式会社 樹脂ルーフ構造
CN113276953A (zh) * 2020-02-03 2021-08-20 本田技研工业株式会社 车身侧部结构

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