JP2005026472A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁基板2上に単結晶Si薄膜トランジスタ16aが形成されている半導体装置20の製造方法において、単結晶Si薄膜トランジスタ16aを絶縁基板2に転写するときに、水素イオン注入面で単結晶Si基板の不要部分11を剥離させる。その後に、絶縁基板2に転写された単結晶Si薄膜トランジスタ16aにおける剥離面16bに酸化膜16cを形成する工程と、該酸化膜16cを除去する工程を施す。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、TFTで駆動するアクティブマトリクス駆動液晶表示装置等において、同一基板上に周辺駆動回路やコントロール回路を一体集積化した液晶表示装置の回路性能改善を図った半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ガラス基板上に非晶質Si(以下a−Siと略記する)や多結晶Si(以下p−Siと略記する)の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと記す)を形成し、液晶表示パネルや有機ELパネル等の駆動を行う、いわゆるアクティブマトリクス駆動を行う表示装置が使用されている。
【0003】
特に、移動度が高く高速で動作するp−Siを用いて、周辺ドライバを集積化したものが用いられるようになっている。しかし、さらに高い性能が要求されるイメージプロセッサやタイミングコントローラ等のシステム集積化のためには、より高性能なSiデバイスが求められている。
【0004】
これは、多結晶Siでは結晶性の不完全性に起因するギャップ内の局在準位や結晶粒界付近の欠陥やギャップ内局在準位に起因する、移動度の低下やS係数(サブスレショルド係数)の増大のため、高性能なSiのデバイスを形成するには、トランジスタの性能が充分ではないという問題があるためである。
【0005】
そこで、さらに高性能なSiのデバイスを形成するため、単結晶Si薄膜からなる薄膜トランジスタ等のデバイスを予め形成し、これを絶縁基板上に貼り付けて半導体装置を形成する技術が研究されている(例えば、特許文献1、非特許文献1,2参照)。
【0006】
特許文献1では、ガラス基板上に接着剤を用いて、予め作成した単結晶Si薄膜トランジスタを転写した半導体装置を使用し、アクティブマトリクス型液晶表示装置の表示パネルのディスプレイが作成される。
【0007】
単結晶Si薄膜トランジスタは、最初に単結晶Si基板上において作成され、該単結晶Si基板からガラス基板に転写することによって、ガラス基板上に形成される。ガラス基板上への転写の際、単結晶Si薄膜トランジスタを単結晶Si基板から剥離させるためには、いわゆるSmart−Cut(登録商標)法が利用できる。
【0008】
Smart−Cut法とは、Si層の所定の深さに所定の濃度の水素イオンを注入することでその注入部に微小気泡を生じせしめ、該微小気泡面を壁開面として単結晶Si薄膜を形成する方法である。このSmart−Cut法については、特許文献2において開示がある。
【0009】
また、Smart−Cut法を用いた単結晶Si薄膜トランジスタの形成を開示するものとして、特許文献3がある。すなわち、特許文献3の方法では、単結晶Si基板上に単結晶Si薄膜トランジスタを作成した後、該単結晶Si基板に水素イオンの注入を行って所定深さの箇所に水素添加層を形成する。その後、上記単結晶Si基板を単結晶Si薄膜トランジスタが転写される側の支持基板と貼り合わせ、熱処理を加えることによって水素添加層にて分断(剥離)が生じ、単結晶Si薄膜トランジスタの転写が完了する。
【0010】
また、Si薄膜の膜厚を所望の値に減少するために、特許文献4には、Si薄膜をウエット洗浄することが記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特表平7−503557号(公表日1995年4月13日)
【0012】
【特許文献2】
特許第3048201号(公開日1993年8月20日)
【0013】
【特許文献3】
特開2000−106424号(公開日2000年4月11日)
【0014】
【特許文献4】
特開2001−168308号(公開日2001年6月22日)
【0015】
【非特許文献1】
J.P.Salerno ”Single Crystal Silicon AMLCDs”,Conference Record of the 1994 International Display Research Conference(IDRC) P.39−44(1994)
【0016】
【非特許文献2】
Q.−Y.Tong & U.Gesele, SEMICONDUCTOR WAFER BONDING : SCIENCE AND TECHNOLOGY ,John Wiley & Sons, New York(1999)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献3に記載の従来の構成では、上記Smart−Cut法の適用によって、転写される単結晶Si薄膜トランジスタに特性劣化が生じるといった問題がある。
【0018】
すなわち、水素添加層にて剥離した剥離表面において、水素イオン注入により格子欠陥の存在やSi原子同士の結合の切断による不対電子の存在等により結晶性が損なわれた領域(損傷を受けた領域)が生じてしまう。このような損傷を受けた領域に存在する電荷をもつ欠陥のために、単結晶Si薄膜トランジスタのドレイン電流(Id)とゲート電圧(Vg)との関係を表すId−Vg特性が正のゲート電圧方向に移動し、単結晶Si薄膜トランジスタがデプレッション型特性を示すようになる。また、結晶性が損なわれているためにシリコンバンドにおいて局在準位が形成される。これにより、移動度が低下したり、良好なi−n+接合が形成されにくくなりサブスレショルド係数の増大(サブスレショルドスロープのなまり)を招くようになる。
【0019】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ガラス等の絶縁基板上にSmart−Cut法を用いて単結晶Si(シリコン)薄膜デバイスを転写により形成し、転写のときに水素注入面において剥離した表面(剥離面)の表面荒れから生じる単結晶Si薄膜デバイスの特性劣化を防止するための半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記の課題を解決するために、単結晶シリコン基板上に形成された単結晶シリコン薄膜デバイスを絶縁基板上に転写することで、絶縁基板上に単結晶シリコン薄膜デバイスが形成されている半導体装置の製造方法において、単結晶シリコン薄膜デバイス転写前の単結晶シリコン基板に、水素イオン注入面を形成する第1の工程と、前記単結晶シリコン薄膜デバイスを絶縁基板に転写後に、前記水素イオン注入面で単結晶シリコン基板の不要部分を剥離させる第2の工程と、絶縁基板に転写された単結晶シリコン薄膜デバイスにおける上記剥離表面に酸化膜を形成する第3の工程と、前記酸化膜を除去する第4の工程とを含むことを特徴としている。
【0021】
上記の構成により、絶縁基板に転写された単結晶シリコン基板の水素イオン注入面における剥離面に存在していた水素イオン注入による損傷層を含む領域が酸化膜となり、該酸化膜が除去されることで、損傷層を除去することができる。つまり、剥離面を損傷のない均質な表面にすることができる。さらに、酸化膜の膜厚を均一にすることで、単結晶シリコン薄膜デバイスにおける単結晶シリコン薄膜の膜厚を均一にすることできる。
【0022】
これにより、剥離面において電荷をもつ欠陥が存在しないため、単結晶シリコン薄膜デバイスはデプレッション特性を有することがなく、また、剥離面において局在準位が形成されないので、単結晶シリコン薄膜デバイスにおける移動度の低下やS係数の増大を防止される。さらに、単結晶シリコン薄膜の膜厚むらに起因する単結晶Si薄膜デバイスの特性劣化を防止することができる。
【0023】
以上により、ガラス等の絶縁基板上にSmart−Cut法を用いて単結晶シリコン薄膜デバイスを転写し、転写のときに水素注入面において剥離した面(剥離面)の表面荒れから生じる単結晶シリコン薄膜デバイスの特性劣化を防止するための半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0024】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記第3の工程では、前記酸化膜を形成するために高圧水蒸気酸化法を用いることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、高圧水蒸気酸化法は、酸化処理温度として比較的低い温度(例えば600℃程度)においても酸化能力が高いため、比較的低い歪点(例えば、600℃以上)を有するガラス等の光透過性非晶質基板を絶縁基板として用いることができ、絶縁基板の選択の幅が広がる。
【0026】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記の構成に加えて、前記第4の工程では、前記酸化膜の除去に、ウエットエッチングを用いることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、ウエットエッチングは酸化膜(酸化珪素膜)のみを削り取り、酸化膜の下層にある単結晶シリコンを損傷させないため、より一層格子欠陥等のない均質な表面を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0029】
なお、本実施の形態で説明する半導体装置は、MOS型の非単結晶Si(シリコン)薄膜トランジスタとMOS型の単結晶Si薄膜トランジスタとを絶縁基板上の異なる領域に形成した高性能・高機能化に適した半導体装置であって、TFTによるアクティブマトリクス基板に形成される。つまり、上記半導体装置は、絶縁基板上にMOS型の非単結晶Si薄膜トランジスタとMOS型の単結晶Si薄膜トランジスタとが混在している半導体装置である。
【0030】
このMOS型の薄膜トランジスタは、活性半導体層、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ゲート両側に形成された高濃度不純物ドープ部(ソース・ドレイン電極)からなり、ゲート電極により、ゲート下の半導体層のキャリア濃度が変調され、ソース−ドレイン間を流れる電流が制御される一般的なトランジスタである。
【0031】
MOS型トランジスタの特性としては、CMOS(Complementary MOS)構造にすると、消費電力が少なく、電源電圧に応じて出力をフルに振ることができることから、低消費電力型のロジックに適している。
【0032】
本実施の形態の半導体装置20は、図3(i)に示すように、絶縁基板2上に、SiO2(酸化Si)膜3、多結晶Siからなる非単結晶Si薄膜5’を含むMOS型の非単結晶Si薄膜トランジスタ1a、単結晶Si薄膜14aを備えたMOS型の単結晶Si薄膜トランジスタ(単結晶シリコン薄膜デバイス)16a、金属配線22を備えている。
【0033】
絶縁基板2は、光透過性非晶質材料のガラスであるコーニング社のcode1737(アルカリ土類−アルミノ硼珪酸ガラス)が用いられている。光透過性非晶質基板を用いることで、本実施の形態の半導体装置20は、例えば、液晶表示装置等に好適となる。なお、code1737の歪点は600℃程度である。
【0034】
SiO2膜3は、絶縁基板2の表面全体に、膜厚約50nmで形成されている。
【0035】
非単結晶Si薄膜5’を含むMOS型の非単結晶Si薄膜トランジスタ1aは、層間絶縁膜としてのSiO2膜4上に、非単結晶Si薄膜5’、ゲート絶縁膜としてのSiO2膜7、ゲート電極6を備えている。
【0036】
ゲート電極6は、多結晶SiとWシリサイドとから形成されているが、多結晶Si、他のシリサイドあるいはポリサイド等から形成されていてもよい。
【0037】
一方、単結晶Si薄膜14aを含むMOS型の単結晶Si薄膜トランジスタ16aは、ゲート電極12を有する平坦化層、ゲート絶縁膜としてのSiO2膜13、単結晶Si薄膜14aとを備えている。
【0038】
また、この単結晶Si薄膜トランジスタ16aは、絶縁基板2に接合される前に単結晶Si基板上で形成され、ゲート電極12となる部分は、ゲート絶縁膜13、単結晶Si薄膜14aを含んだ状態で、絶縁基板2上に接合される。よって、単結晶Si基板上でゲート電極形成やソース・ドレインの不純物イオン注入を行う方が、絶縁基板2上に形成した単結晶Si薄膜を形成後、薄膜トランジスタを形成するよりも、単結晶Si薄膜への微細加工を容易に行うことができる。
【0039】
本実施の形態の半導体装置20では、以上のように、1枚の絶縁基板2上に、MOS型の非単結晶Si薄膜トランジスタ1aと、MOS型の単結晶Si薄膜トランジスタ16aとを共存させることで、特性が異なる複数の回路を集積化した高性能・高機能な半導体装置を得ることができる。また、1枚の絶縁基板2上に、全て単結晶Si薄膜からなるトランジスタを形成するよりも、安価に高性能・高機能な半導体装置を得ることができる。
【0040】
なお、非単結晶Si薄膜5’の領域と単結晶Si薄膜14aの領域とは、少なくとも0.3μm以上、好ましくは0.5μm以上離れている。これにより、単結晶Si薄膜14aに、Ni、Pt、Sn、Pd等の金属原子が拡散するのを防止することができ、単結晶Si薄膜トランジスタ16aの特性を安定化させることができる。
【0041】
さらに、本実施の形態の半導体装置20には、非単結晶Si薄膜トランジスタ1aと単結晶Si薄膜トランジスタ16aとの間の層間絶縁膜として、SiO2膜4が形成されている。これにより、単結晶Si薄膜14aが汚染されることを防止できる。
【0042】
例えば、本発明の半導体装置20を含む液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の場合には、さらに、液晶表示用に、SiNx(窒化Si)、樹脂平坦化膜、ビアホール、透明電極が形成される。そして、非単結晶Si薄膜5’の領域には、ドライバおよび表示部用のTFTが形成され、より高性能が要求されるデバイスに適応可能な単結晶Si薄膜14aの領域には、タイミングコントローラが形成される。なお、ドライバ部は、単結晶Siであってもよく、コストと性能とを考慮して決定されればよい。
【0043】
このように、単結晶Si薄膜14a、非単結晶Si薄膜5’からなる薄膜トランジスタのそれぞれの特性に応じて、各薄膜トランジスタの機能・用途を決定することで、高性能・高機能な薄膜トランジスタを得ることができる。
【0044】
なお、従来の非単結晶Si薄膜5’の領域に形成したNチャネルTFTは、約100cm2/V・secの移動度であったのに対し、本実施の形態の半導体装置を形成した液晶表示用アクティブマトリクス基板においては、単結晶Si薄膜14aの領域に形成したNチャネルTFTが約550cm2/V・secの移動度であった。このように、本実施の形態の半導体装置20の構成によれば、従来に比べて高速動作が可能なTFTを得ることができる。
【0045】
また、この液晶表示用のアクティブマトリクス基板において、ドライバはもとより非単結晶Si薄膜5’の領域に形成されているデバイスが7〜8Vの信号と電源電圧を要するのに対し、単結晶Si薄膜14aの領域に形成されているデバイスであるタイミングコントローラは2.7Vにて安定に動作した。
【0046】
また、半導体装置20においては、集積回路が非単結晶Si薄膜5’の領域と単結晶Si薄膜14aの領域とに形成されることにより、必要とする構成および特性に合わせて画素アレイを含む集積回路を適した領域に形成することができる。そして、それぞれの領域に形成された集積回路において、動作速度や動作電源電圧等が異なる性能の集積回路を作ることができる。例えば、ゲート長、ゲート絶縁膜の膜厚、電源電圧、ロジックレベルのうち少なくとも1つが領域毎に異なる設計とすることができる。
【0047】
これにより、領域ごとに異なる特性を有するデバイスを形成でき、より多様な機能を備えた半導体装置を得ることができる。
【0048】
さらに、半導体装置20においては、集積回路が非単結晶Si薄膜5’の領域と単結晶Si薄膜14aの領域とに形成されるため、それぞれの領域に形成された集積回路は、領域毎に異なる加工ルールを適用することができる。例えば、短チャネル長の場合、単結晶Si薄膜領域には結晶粒界がないため、TFT特性のバラツキが殆ど増加しないのに対し、多結晶Si薄膜領域では、結晶粒界の影響でバラツキが急速に増加するため、加工ルールを各々の部分で変える必要があるからである。よって、加工ルールに合わせて集積回路を適した領域に形成することができる。
【0049】
また、本実施の形態の半導体装置20では、MOS型の単結晶Si薄膜トランジスタ16aにおいて、その金属配線パターンは、ゲートパターンよりも緩いデザインルールによって形成することが可能である。
【0050】
これにより、MOS型の単結晶Si薄膜トランジスタ16aを形成した半導体装置のメタル配線もしくはメタル配線の一部を大型基板上のメタル配線と同時に処理することができ、コストを抑え、かつ処理能力を向上させることができる。さらに、外部配線や他の回路ブロックやTFTアレイに対する接続が容易になり、外部装置等に対する接続不良による製品歩留りを低減できる。
【0051】
なお、半導体装置20上に形成される単結晶Si薄膜14aのサイズは、LSI製造装置のウエハサイズによって決まることになる。しかし、単結晶Si薄膜14aを必要とする高速性、消費電力、高速のロジック、タイミングジェネレータ、バラツキが問われる高速のDAC(電流バッファ)、あるいはプロセッサ等を形成するためには、一般的なLSI製造装置のウエハサイズで十分である。
【0052】
ここで、半導体装置20の製造方法について説明すれば以下のとおりである。
【0053】
本実施の形態の半導体装置20の製造方法では、薄膜化すれば単結晶Si薄膜トランジスタ16aとなる部分を別途作り込んだ単結晶Si基板(単結晶シリコン基板)10aを形成し、この単結晶Si薄膜トランジスタ16aを単結晶Si基板10aから絶縁基板2上に転写している。
【0054】
先ずは、単結晶Si薄膜トランジスタ16aを作り込んだ単結晶Si基板10aの製造方法について、図2(a)〜図2(e)を参照して説明する。
【0055】
最初に、図2(a)に示すように、通常の洗浄法(RCA洗浄など)により洗浄された単結晶シリコンウエハ1に対し、ゲート絶縁膜13を熱酸化法により形成する。このとき、ゲート絶縁膜13の厚さは3〜50nmとする。酸化法としては、パイロ酸化法あるいは、HCl酸化法などが使用できる。
【0056】
次に、図2(b)に示すように、例えば多結晶SiとWシリサイドとからなるゲート電極層をゲート絶縁膜13上にスパッタ法などにより成膜(厚さ200〜300nm程度)し、成膜したゲート電極層を通常のフォトリソプロセスによりパターニングすることによってゲート電極12を形成する。ゲート電極12の線幅は、IC・LSIプロセスラインにおいて行うため、線幅0.5μm程度は容易に達成できる。
【0057】
ゲート電極12をパターニングした後、図2(c)に示すように、ソース・ドレイン部となる箇所に自己整合的にリンや、ホウ素を注入し、1000℃程度の熱処理により活性化させる。場合によっては、LDD(Lightly Doped Drain)などを形成する。
【0058】
その後、図2(d)に示すように、層間絶縁膜16を300nm程度形成し、該層間絶縁膜16をCMP法により平坦化する。さらに、図2(e)に示すように、水素イオン注入を行い、水素イオン注入面15を形成する(第1の工程)。水素イオン注入は、加速電圧56keV程度、ドーズ量1×1016〜5×1016/cm2程度で行う。これらの転写デバイス搭載シリコンウエハは、単結晶Si薄膜トランジスタ16aを絶縁基板2に転写するため、所望のサイズに切り出されて単結晶Si基板10aとされる(切り出し工程については図示省略)。
【0059】
次に、半導体装置20の製造方法について、図3(a)〜図3(i)ならびに図1を参照して説明する。
【0060】
先ず、図3(a)に示すように、絶縁基板2の表面全体にTEOSとO2との混合ガスを用いて、プラズマCVDによって、膜厚約100nmのSiO2膜3を堆積する。SiO2膜3の形成により、ガラス基板などからなる絶縁基板2は、表面の濡れ性が確保される。
【0061】
次に、図3(b)に示すように、絶縁基板2および切断した単結晶Si基板10aの両基板をSC−1洗浄し活性化した後、単結晶Si基板10aの水素イオン注入面15側を所定の位置にアライメントし、室温で密着させて接合する。
【0062】
ここで、光透過性非晶質基板(酸化珪素膜のコーティング膜付)である絶縁基板2と、転写デバイス基板(表面を酸化処理済み)である単結晶Si基板10aとを接着剤なしで接合させるには、これら基板の表面状態の清浄度や、活性度が極めて重要である。したがって、これらの基板は、接合前にSC1液と呼ばれる液体で接合前に洗浄・乾燥されるものである。
【0063】
SC1液とは、市販のアンモニア水(NH4OH:30%)と、過酸化水素水(H2O2:30%)と純水(H2O)とを混合して作製する。一例としては、上記薬液を、5:12:60の割合で混合したものが用いられる。SC1液の液温は、室温でよい。洗浄は、上記SC1液に基板を5分間浸すことで行われる。アンモニア水は、酸化珪素表面をスライトエッチするため、上記基板をSC1液に長時間浸すことは好ましくない(ウルトラクリーンULSI技術 大見忠弘著、培風館 p.172)。その後、上記基板を純水(比抵抗値10MΩcm以上)で流水のもとに10分間洗浄し、スピンドライヤーなどで迅速に乾燥させる。これらの洗浄・乾燥後の絶縁基板2と単結晶Si基板10aとは、互いに接触させ僅かな力で押してやることにより自発的に接着する。
【0064】
単結晶Si基板10aと絶縁基板2との接着剤なしでの接合は、van der Waals力による寄与、電気双極子による寄与、水素結合による寄与によって実現する。この接着は、貼り合せる基板表面の上記3つの寄与のバランスが似通っているもの同士が接着しやすくなる。
【0065】
また、単結晶Si基板10aと絶縁基板2との貼り合わせ時におけるアライメントは、図4に示すように、絶縁基板2、ここでは、光透過性非晶質材料であるコーニング社1737ガラスを通して、絶縁基板2側から可視光で単結晶Si基板10a上の位置合わせマーク94と絶縁基板2側の位置合わせマーク93とを検出して行う。図4に示す例では、落射照明で顕微鏡にセットした位置合わせ用CCDカメラ90を用いて、位置合わせステージ91上の単結晶Si基板10a上の位置合わせマーク94を検知し、最終的にこれを電気信号に変換して処理している。
【0066】
従来の赤外線を照射してSi基板を通して位置合わせを行っていた方式では、IC等が可視光やUV光に対して不透明で、吸着防止のため鏡面でない光を散乱する表面を持つSiウエハ越しにアライメントマークを検知し、アライメントを行っていたため、精度が悪くなるという問題を有していた。
【0067】
そこで、本実施の形態の半導体装置では、例えば、より短波長の可視光やUV光に対して透明で、かつ表面が光を散乱しないガラス越しに位置合わせマーク93・94を検出するため、従来の方式と比較して、高精度な位置合わせを行うことが可能になる。
【0068】
単結晶Si基板10aと絶縁基板2との貼り合わせ後は、水素イオン注入面15の温度を単結晶Si基板10aから水素が離脱する温度以上(400℃〜600℃、ここでは、約550℃)まで昇温する。これにより、図3(c)に示すように、単結晶Si基板10aの不要部分11を、水素イオン注入面15を境に劈開剥離することができる(第2の工程)。
【0069】
また、このとき熱処理により、Van der Waals力で接合されていた単結晶Si基板10aと絶縁基板2との界面でSi−OH + −Si−OH → Si−O−Si + H2Oの反応が生じ、これらの基板の接合を原子同士の強固な結合に変化させることができる。
【0070】
ここで、単結晶Si薄膜トランジスタ16aは、絶縁基板2に対して、無機系の絶縁膜3を介して接合される。よって、従来の接着剤を用いて接合する場合と比較して、単結晶Si薄膜14aが汚染されることを確実に防止できる。
【0071】
続いて、剥離されて絶縁基板2上に残った単結晶Si薄膜14aの不要部分をエッチング除去し、単結晶Siを島状に加工する。
【0072】
ここで、図1で示したように、単結晶Si基板10aの不要部分11が剥離されて絶縁基板2上に残った単結晶Si薄膜トランジスタ16aの表面(剥離面)16bは、水素イオン注入による損傷を受けている。例えば、格子欠陥や不対電子を有するSi原子等の損傷層(図示しない)が生じている。また、該損傷層により単結晶Si薄膜14aの膜厚も不均一となっている。剥離面16bの下層には、上記したようにゲート電極12が形成されており、剥離面16bはバックゲート側の面ということができる。
【0073】
この剥離面16bに上記損傷層が形成されたままでは、上述したように、MOS型の単結晶Si薄膜トランジスタ16aがデプレッション型特性を示したり、バックゲート側にエネルギー準位が存在するため、移動度の低下やS係数の増加を招くこととなる。すなわち、良好なトランジスタ特性が得られない。
【0074】
損傷層をプラズマエッチングで直接除去することも考えられるが、その処理自体を行うことで単結晶Si薄膜14aに別の損傷を加えることとなる。また、単結晶Si薄膜14aの膜厚を均一にすることは困難である。
【0075】
本実施の形態では、図1で示されるように、損傷層を除去するために、まず、剥離面16bを酸化して酸化膜(酸化珪素膜)16cを形成する(第3の工程)。単結晶Siに酸化膜を形成するには、その成長速度を速くするために、1000℃以上のプロセス温度を必要とする熱酸化が従来用いられている。絶縁基板2に1000℃以上でも変形等の影響のない基板を用いている場合には、従来の熱酸化処理等が適用できる。しかし、本実施の形態のように、絶縁基板2として歪点が600℃程度のガラス等の光透過性非晶質基板を用いている場合には、この従来の熱酸化処理を施すことは望ましくない。
【0076】
そこで、高圧水蒸気を用いて酸化する方法(高圧水蒸気酸化法)が好ましい。高圧水蒸気酸化法については、例えば特開2002−261290号公報(公開日2002年9月13日)に開示されている。高圧水蒸気酸化法は、従来の酸化処理に要する温度よりも低い温度(例えば600℃程度)でも高い酸化能力を有しており、絶縁基板2としてガラス等の光透過性非晶質基板を用いている場合に好適な酸化方法である。言い換えると、高圧水蒸気酸化法は、酸化処理温度として比較的低い温度(例えば600℃程度)においても酸化能力が高いため、低い歪点(例えば、600℃以上)を有するガラス等の光透過性非晶質基板を絶縁基板2として用いることができ、絶縁基板2の選択の幅が広がる好ましい酸化方法である。
【0077】
また、高圧水蒸気酸化法に限らず、剥離面16bに酸化膜16cを形成する場合において、剥離面16bの全面に対する酸化膜16cの成長速度は一定であるため、酸化膜16cの膜厚の制御が容易であり、かつ、その膜厚を均一にすることができる。
【0078】
本実施の形態では、例えば、600℃、2MPaの飽和水蒸気雰囲気中で150分間酸化処理を行うことで、剥離面16bに深さ20nm分の酸化膜16cを形成することができる。深さ20nmは、水素イオン注入による格子欠陥等の損傷層の深さを充分に含んでいる。
【0079】
次に、この酸化膜16cを除去する(第4の工程)。酸化膜16cを除去することで、同時に損傷層も除去し、格子欠陥等の存在しない均質な(平坦な)単結晶Si表面が形成される。また、上述したように、除去する酸化膜16cはその膜厚が均一に制御されているため、該酸化膜16cを除去した後に残る単結晶Si薄膜14aの膜厚を均一にすることができる。
【0080】
除去方法としては、ドライエッチング(例えば、等方性プラズマエッチング)やウエットエッチング等のエッチング処理が知られている。ここでは、ウエットエッチングが好ましい。ウエットエッチングでは、酸化膜16cのみを削り取り、酸化膜の下層にある単結晶Siを損傷させないからである。これにより、より一層格子欠陥等のない均質な(平坦な)表面を得ることができる。
【0081】
具体的には、バッファフッ酸によるウエットエッチングにて約20nmの酸化珪素膜をライトエッチすることにより除去している。
【0082】
このように、水素イオン注入による損傷層を含む領域を酸化させて酸化膜16cを形成し、形成された酸化膜16cを除去することで、格子欠陥等のない均質な表面を形成させ、単結晶Si薄膜14aの膜厚を均一にすることができる。これにより、絶縁基板2上に膜厚50nmの単結晶Si薄膜14aによるMOSTFTの一部が形成される。
【0083】
その後、図3(d)に示すように、絶縁基板2の全面にSiH4とN2Oとの混合ガスを用いたプラズマCVDによって、膜厚約200nmの第2のSiO2膜4を堆積する。さらに、その全面にSiH4ガスを用いてプラズマCVDにより、膜厚約50nmの非晶質Si膜5を堆積する。
【0084】
次に、図3(e)に示すように、非晶質Si膜5にエキシマレーザを照射して、加熱、結晶化し、多結晶Si層を成長させて非単結晶Si薄膜5’を形成する。尚、上記エキシマレーザの照射は、転写された単結晶Si薄膜トランジスタ16aの領域を避けて行うことが望ましい。
【0085】
次に、図3(f)に示すように、デバイスの活性領域となる部分を残すために、不要な多結晶Si膜5’をエッチングにより除去し、多結晶Si膜5’の島状のパターンを得る。このパターン化された多結晶Si膜5’が非単結晶Si薄膜トランジスタ1aの半導体層となる。
【0086】
さらに、TEOSと酸素との混合ガスを用いて、プラズマCVDにより膜厚約350nmのSiO2膜を堆積し、これを異方性エッチングであるRIEにて約400nmエッチバックする。その後、非単結晶Si薄膜トランジスタ1aのゲート絶縁膜としてSiH4とN2Oとの混合ガスを用いたプラズマCVDにより、膜厚約60nmのSiO2膜7を形成する。このとき、上記単結晶Si薄膜14aのパターンおよび非単結晶Si薄膜5’のパターンの端部にサイドウォールが形成される。SiO2膜7は、非単結晶Si薄膜トランジスタ1aの層間絶縁膜となる。さらに、SiO2膜7上に非単結晶Si薄膜トランジスタ1aのゲート電極6が形成される。
【0087】
次に、図3(g)に示すように、TEOSとO2(酸素)の混合ガスを用いP−CVDにより、層間平坦化絶縁膜として、膜厚約350nmのSiO2膜8を堆積する。
【0088】
そして、図3(h)に示すように、コンタクトホール21を開口し、図3(i)に示すように、コンタクトホール21に金属(AlSi)配線22を形成する。
【0089】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、単結晶Si基板(単結晶シリコン)10a上に形成された単結晶Si薄膜トランジスタ(単結晶シリコン薄膜デバイス)16aを絶縁基板2上に転写することで、絶縁基板2上に単結晶Si薄膜トランジスタ16aが形成されている半導体装置20の製造方法において、単結晶Si薄膜トランジスタ16a転写前の単結晶Si基板10aに、水素イオン注入面15を形成する第1の工程と、単結晶Si薄膜トランジスタ16aを絶縁基板2に転写するときに、水素イオン注入面15で単結晶Si基板10aの不要部分11を剥離させる第2の工程と、絶縁基板2に転写された単結晶Si薄膜トランジスタ16aにおける剥離面16bに酸化膜16cを形成する第3の工程と、該酸化膜16cを除去する第4の工程とを含む。
【0090】
上記の製造方法により、剥離面16bにおける格子欠陥等の損傷層が除去され、単結晶Si薄膜14aの膜厚が均一化されることで、単結晶Si薄膜トランジスタ16aにおける、しきい値電圧の変化(デプレッション型特性の発生)、移動度の低下およびS係数の増大を防止することができる。
【0091】
図5は、上記製造方法により製造された単結晶Si薄膜トランジスタ16b(図中では本実施例としている)と、上記損傷層を酸化処理ならびに酸化膜の除去処理を行わないで製造された単結晶Si薄膜トランジスタ(図中では比較例としている)とのトランジスタ静特性(Id−Vg曲線)の比較結果である。
【0092】
図5に示されるように、Vg=0Vにおいて、比較例は本実施例に比べてIdが大きくデプレッション型特性を示しているのに対し、本実施例ではノーマリオフ型特性を示している。また、比較例に対して本実施例ではサブスレショルドスロープのなまりが減少している(S係数が減少している)。このように、比較例に対して、本実施の形態に示した単結晶Si薄膜トランジスタ16aの特性が良好であることがわかる。
【0093】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、以上のように、単結晶Si薄膜トランジスタ16aを、非単結晶Si薄膜(多結晶Si薄膜)5’を形成する前に形成している。これにより、絶縁基板2の平坦性が保たれた状態で単結晶Si基板を接合することができるため、接合不良等の問題の発生を防止できる。
【0094】
なお、本実施の形態において、水素イオンの注入エネルギーを大きくして水素原子のピーク位置を表面から深い位置になるようにし、単結晶Si薄膜14aの膜厚を厚くすると50nm〜100nmでは大きな変化はない。しかし、300nm〜600nmまで大きくなると次第にTFTのS値が大きくなり、オフ電流の増加が著しくなった。よって、単結晶Si薄膜14aの膜厚は、不純物のドーピング密度にも依存するが、概ね600nm以下、望ましくは約500nm以下、より望ましくは100nm以下であることが好ましい。
【0095】
また、上記の製造方法においては、図3(c)および図3(d)で示されるように、第4の工程の後に、絶縁基板2の全面に第2のSiO2膜4および非晶質Si膜5を堆積するとしたが、これに限られない。例えば、単結晶Si基板10aと絶縁基板2とを接合させて、水素イオン注入面15で単結晶Si基板10aの不要部分11を剥離する前に、絶縁基板2の全面に第2のSiO2膜4および非晶質Si膜5を堆積し、その後に、第2の工程、第3の工程、および第4の工程を順に施すこととしてもよい。
【0096】
また、絶縁基板2として、コーニング社のcode1737(アルカリ土類−アルミノ硼珪酸ガラス)の替わりにコーニング社のcode7059(バリウム−硼珪酸ガラス)を用いた場合、同様に接合はできるものの、劈開剥離の成功率は悪化した。
【0097】
これは、code1737は略室温付近から600℃まで昇温した場合のSiとの線膨張の差が約250ppmであるのに対し、code7059はSiとの線膨張の差が約800ppmと大きくなるためである。従って、劈開剥離の成功率を向上させる観点から、室温から600℃までの絶縁基板とSiとの線膨張の差は、約250ppm以下であることが望ましい。
【0098】
なお、この単結晶Si薄膜トランジスタ16aは、本実施の形態で示した構成に限定されるものではない。例えば、ゲートボトム構造のMOS型薄膜トランジスタやバイポーラ型トランジスタであっても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、以上のように、単結晶シリコン薄膜デバイス転写前の単結晶シリコン基板に、水素イオン注入面を形成する第1の工程と、前記単結晶シリコン薄膜デバイスを絶縁基板に転写後に、前記水素イオン注入面で単結晶シリコン基板の不要部分を剥離させる第2の工程と、絶縁基板に転写された単結晶シリコン薄膜デバイスにおける上記剥離表面に酸化膜を形成する第3の工程と、前記酸化膜を除去する第4の工程とを含む構成である。
【0100】
それゆえ、剥離面が損傷のない均質な表面となり、また、単結晶シリコン薄膜の膜厚を均一にすることできる。これにより、ガラス等の絶縁基板上にSmart−Cut法を用いて単結晶シリコン薄膜デバイスを転写し、転写のときに水素注入面において剥離した面(剥離面)の表面荒れから生じる単結晶シリコン薄膜デバイスの特性劣化を防止することができるという効果を奏する。
【0101】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、以上のように、上記の構成に加えて、前記第3の工程では、前記酸化膜を形成するために高圧水蒸気酸化法を用いる構成である
それゆえ、高圧水蒸気酸化法は、酸化処理温度として比較的低い温度(例えば600℃程度)においても酸化能力が高いため、比較的低い歪点(例えば、600℃以上)を有するガラス等の光透過性非晶質基板を絶縁基板として用いることができ、絶縁基板の選択の幅が広がるという効果を奏する。
【0102】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、以上のように、上記の構成に加えて、前記第4の工程では、前記酸化膜の除去に、ウエットエッチングを用いる構成である。
【0103】
それゆえ、ウエットエッチングは酸化膜(酸化珪素膜)のみを削り取り、酸化膜の下層にある単結晶シリコンを損傷させないため、より一層格子欠陥等のない均質な表面を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の製造方法において、単結晶の水素注入面で剥離した後を示す断面図である。
【図2】絶縁基板に転写する単結晶Si基板の製造方法を説明する断面図である。(a)はゲート絶縁膜が形成された状態を示す図であり、(b)はゲート電極が形成された状態を示す図であり、(c)は不純物イオンが注入された状態を示す図であり、(d)は層間絶縁膜が形成された状態を示す図であり、(e)は水素イオンが注入された状態を示す図である。
【図3】(a)〜(i)は、本発明に係る半導体装置の製造工程の流れを説明する断面図である。
【図4】絶縁基板に単結晶Si基板を転写するときの位置合わせの方法を示す断面図である。
【図5】本発明に係る製造方法により製造された単結晶MOSトランジスタと比較例とのId−Vg特性を示すグラフである。
【符号の説明】
2 絶縁基板
10a 単結晶Si基板(単結晶シリコン基板)
11 不要部分
15 水素イオン注入面
16a 単結晶Si薄膜トランジスタ(単結晶シリコン薄膜デバイス)
16b 剥離面
16c 酸化膜
20 半導体装置
Claims (3)
- 単結晶シリコン基板上に形成された単結晶シリコン薄膜デバイスを絶縁基板上に転写することで、絶縁基板上に単結晶シリコン薄膜デバイスが形成されている半導体装置の製造方法において、
単結晶シリコン薄膜デバイス転写前の単結晶シリコン基板に、水素イオン注入面を形成する第1の工程と、
前記単結晶シリコン薄膜デバイスを絶縁基板に転写後に、前記水素イオン注入面で単結晶シリコン基板の不要部分を剥離させる第2の工程と、
絶縁基板に転写された単結晶シリコン薄膜デバイスにおける上記剥離面に酸化膜を形成する第3の工程と、
前記酸化膜を除去する第4の工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第3の工程では、前記酸化膜を形成するために高圧水蒸気酸化法を用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第4の工程では、前記酸化膜の除去に、ウエットエッチングを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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A521 | Request for written amendment filed |
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A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
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A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
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