JP2005025397A - 温度異常/復旧検出時のクロック制御方式 - Google Patents

温度異常/復旧検出時のクロック制御方式 Download PDF

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Abstract

【課題】装置内の温度を監視して、通常温度時には基本クロックを使用し、異常温度時には低速クロックを使用する装置構成において、クロック切替時に生じたクロック割れによって発生するデータエラー及びCPUスタック等の不具合を回避可することが可能な温度異常/復旧検出時のクロック制御方式を提供する。
【解決手段】制御部400は、クロック切り替え時にCPU部600に対してリクエスト信号410を送出し、CPU動作が完了した後にCPU部600がアクノリッジ信号420を送出した後にCPU部600をリセットホールド状態にしてCPU動作を一時的に停止してからクロックを切り替える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロック制御方式に関し、特に装置内の温度を監視して温度異常時に装置を制御するCPUに供給するクロックを切り替える温度異常時/復旧検出時のクロック制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のクロック制御方式が文献番号1に記載されている。図4は、文献番号1に記載された従来技術の構成を示すブロック図である。図5は、文献番号1に記載された従来技術の動作を示すタイミングチャート図である。
【0003】
図4によれば、温度監視部100は装置内部の温度を監視しており、検出温度が設定温度と比較して異常の場合には、温度アラーム信号110を送信する。制御部400では、温度アラーム信号110を受信するとクロック切替信号440を送信する。タイミング作成部700ではクロック切り替えのタイミングを監視しており、タイミング信号710を送信し、2つのクロック信号のタイミングが同じ時にクロックを切り替えている。
【0004】
ここで、図5を参照して、低速クロック信号310に遅延が発生した場合について説明する。図5によれば、タイミング信号710が送信された後、基本クロック信号210を低速クロック信号310に切り替えているが、低速クロック信号310に配線長による遅延やデバイス内部遅延により低速クロック信号310のタイミングに遅延が発生すると、クロック信号510の出力にクロック割れが発生する。このため、CPU部600ではデータエラー又はCPUスタックが発生する可能性がある。
【0005】
尚、温度復旧時の動作でも上記と同様である。また、近年はクロック周波数が高速のため、デバイス内部遅延または配線長遅延によるクロック割れを考慮してクロックを切り替える必要がある。
【0006】
【文献番号1】特開昭62−84617号公報
また、文献番号2及び3の従来技術には、論理回路部の発熱が所定温度以上に上昇した場合、センサ部分で温度異常を検知し、クロック周波数の発振部に通知後、クロック周波数を低速度に切り替えることで論理回路部の発熱による温度を低下させると共に、所定温度以上の上昇を制御する技術が記載されている。
【0007】
【文献番号2】特開昭62−84617号公報
【文献番号3】特開平04−95109号公報
また、文献番号4の従来技術には、温度異常時にクロック周波数を低下させ、温度が基準温度以下にならない場合にはプログラム停止処理を実行後に電源断する技術が記載されている。
【0008】
【文献番号4】特開平8−328688号公報
また、文献番号5の従来技術は、クロックを切り替える時にスイッチを押してクロック制御回路CONTの動作を一時的に停止させた後クロックを切り替える技術が記載されている。
【0009】
【文献番号5】特開昭56−111928号公報
【発明が解決しようとする課題】
第1の問題点は、装置内の温度を監視し、通常温度時と異常温度時にて基本クロックと低速クロックとを切り替える方式において、クロック切り替え時にデータエラーまたはCPUスタック等の誤動作が発生することである。その理由は、装置を制御しているCPUに供給されるクロック信号が突然切り替わるためである。
【0010】
第2の問題点は、クロック信号を切り替えた時にクロック割れが発生する可能性があることである。その理由は、基本クロック信号と低速クロック信号の間隔にずれがないかを監視して、2信号の間隔にずれがない時にクロック信号を切り替えているが、デバイス内部遅延または配線長遅延によりクロック割れが発生するためである。
【0011】
第3の問題点は、制御部の動作を強制的に停止してからクロック信号を切り替えることである。その理由は、制御部の動作を強制的に停止すると、それまでの処理が中断されてしまいデータエラーとなるためである。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、本発明は、装置内の温度を監視し、通常温度時には基本クロックを使用し異常温度時には低速クロックに切り替える装置構成において、クロック切替時にクロック割れが発生することによるデータエラー及びCPUスタック等の不具合を防止し、クロック切替後も正常に動作可能な温度異常/復旧検出時のクロック制御方式を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、装置内の温度を監視し、通常温度と異常温度にて基本クロックと低速クロックを切り替えるクロック制御方式において、クロック切り替え時にクロック切り替えを要求するリクエスト信号をCPU部に対して送出し、前記CPU部は装置内の実行中の他処理が完了後に処理の完了を示すアクノリッジ信号を送出して一時的にCPU動作を停止させた後にクロックを切り替えることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、基本クロック信号を発生する基本クロック発生部と、低速クロック信号を発生する低速クロック発生部と、前記基本クロック信号または低速クロック信号を受信して動作するCPU部と、装置内の温度変化を監視して装置内の温度が予め設定された温度に達するとアラーム信号を送出する温度監視部と、前記温度監視部からアラーム信号を受信するとクロック切替を指示するクロック切替信号を送出する制御部と、前記基本クロック及び低速クロックを入力して前記クロック切替信号の受信により前記CPU部へ送出するクロック信号を切り替えるクロック切替部を備え、前記制御部は、前記温度検出部から前記アラーム信号を受信すると前記CPU部へクロック切替を要求するリクエスト信号を送出し、実行中の処理が完了したことを示すアクノリッジ信号を前記CPU部から受信すると、前記CPU部の動作を一時的に停止するリセットホールド信号を送出した後に前記クロック切替部へ前記クロック切替信号を送出し、前記クロック切替部から送出されるクロック信号を切り替えることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、制御部は、リセットホールド信号送出から一定時間経過すると前記CPU部の一時停止状態を解除することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
【構成の説明】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態は、装置内の温度を監視し、あらかじめ設定されている温度値(異常温度値及び通常温度値の2種類)になると温度アラーム信号110を発生する温度監視部100と、基本クロック信号210を発生させる基本クロック発生部200と、低速クロック信号310を発生させる低速クロック発生部300と、リクエスト信号410、リセットホールド信号430、クロック切替信号440を出力してクロック切り替えを制御する制御部400と、クロック切替信号440によりクロック信号510の周波数を基本クロック又は低速クロックに切替を行うクロック切替部500と、装置内の処理実行及びアクノリッジ信号420を送出するCPU部600から構成される。
【0017】
次に、本実施形態の動作について、図1を参照して詳細に説明する。温度監視部100は、装置内の温度を監視しており、あらかじめ設定されている異常温度値になると温度アラーム信号110を出力する。制御部400では、温度アラーム信号110を受信するとCPU部600に対してリクエスト信号410を送信してクロックの切り替えを通知する。CPU部600では、制御部400からのリクエスト信号410を受信すると装置内の他処理が完了後に制御部400に対してアクノリッジ信号420を出力して、装置内の他処理が完了したことを通知する。
【0018】
制御部400では、CPU部600からのアクノリッジ信号420を受信するとCPU部600に対してリセットホールド信号430を出力する。リセットホールド信号430がCPU部600に入力されると、CPU部600はリセットホールド状態となり装置の動作を一時的に停止させる。
【0019】
また、制御部400は、リセットホールド信号430を送信した後、クロック切替部500に対してクロック切替信号440を送信する。クロック切替部500では、クロック切替信号440を受信すると、基本クロック発生部200が出力している基本クロック210から低速クロック発生部300が出力している低速クロック信号310に切り替えを実施し、クロック信号510に出力する。
【0020】
ここで、制御部400は一定時間経過するとリセットホールド信号430をHIレベルに戻しCPU部600のリセットホールド状態を解除する。このため、CPU部600は、クロック切り替え時にクロック割れが発生した場合でもリセットホールド状態で装置の動作が一時停止しており、データエラー及びCPUスタック等の不具合が発生することはない。
【0021】
また、リセットホールドが解除された後は、安定したクロックがCPU部600に供給されているため正常に動作することができる。尚、低速クロック発生部300では、基本クロック発生部200からの基本クロック210を分周して基本クロック信号210よりも低速なクロックを作成している。また、制御部400は、基本クロック200からの基本クロック信号210に同期してリクエスト信号410,リセットホールド信号430、クロック切替信号440を作成している。
【0022】
次に、図1の本実施形態の動作について図2に示すフローチャート図を参照して詳細に説明する。
【0023】
通常温度時クロック切替部500は基本クロック信号210をクロック信号510に送信しているため、CPU部600は基本クロックにて動作している(ステップS1)。温度監視部100にて温度異常を検出すると(ステップS2)、制御部400は、CPU部600に対してリクエスト信号410を送信する(ステップS3)。
【0024】
リクエスト信号410を受信したCPU部600は、装置内の他処理が完了後にアクノリッジ信号420を制御部400へ送信する(ステップS4)。
【0025】
アクノリッジ信号420を受信した制御部400は、CPU部600に対してリセットホールド信号430を送信する。リセットホールド信号430を受信したCPU部600は、リセットホールド状態となり、装置内の他処理を実施しない(ステップS5)。
【0026】
そして、制御部400は、クロック切替部500に対してクロック切替信号440を送信する(ステップS6)。
【0027】
クロック切替部500は、クロック切替信号440を受信すると、基本クロック信号210から低速クロック信号310に切り替えを実施し、クロック信号510に送信する(ステップS7)。そして、制御部400はCPU部600のリセットホールド状態を解除し(ステップS8)、CPU部600は低速クロックにて動作する(ステップS9)。
【0028】
その後、温度監視部100にて装置内の温度復旧を検出すると(ステップS10)、制御部400はCPU部600に対してリクエスト信号410を送信する(ステップS11)。リクエスト信号を受信したCPU部600は、装置内の他処理が完了後にアクノリッジ信号420を送信する(ステップS12)。
【0029】
制御部400は、CPU部600に対してリセットホールド信号430を送信する。リセットホールド信号430を受信したCPU部600は、リセットホールド状態となり、装置内の他処理を実施しない(ステップS13)。そして制御部400は、クロック切替部500に対してクロック切替信号440を送信する(ステップS14)。
【0030】
クロック切替部500は、クロック切替信号440を受信すると、低速クロック信号310から基本クロック信号210に切り替えを実施し、クロック信号510に送信する(ステップS15)。制御部400はCPU部600に対してリセットホールド状態を解除してステップS1に戻り、CPU部600は基本クロックで動作する(ステップS16)。
【0031】
次に、図1の本実施形態の動作について図3に示すタイミングチャート図を参照して詳細に説明する。図3において、▲1▼は温度アラーム信号110、▲2▼はリクエスト信号410、▲3▼はアクノリッジ信号420、▲4▼はリセットホールド信号430、▲5▼はクロック切替信号440、▲6▼は基本クロック信号210、▲7▼は低速クロック信号310、▲8▼はクロック信号510を示す。
【0032】
まず、温度監視部100が装置内の温度異常を検出すると、温度アラーム信号110はHIレベルとなる。制御部400では、温度アラーム信号110を基本クロック210の立ち上がりエッジにて監視しており、温度アラーム信号110がHIレベルになるとCPU部600に対してリクエスト信号410をLOWレベルにして出力する。
【0033】
CPU部600では、リクエスト信号410がLOWレベルであることを認識すると、装置内の他処理が完了後にアクノリッジ信号420をLOWレベルにして出力する。制御部400では、アクノリッジ信号420がLOWレベルであることを認識するとCPU部600をリセットホールド状態にするため、リセットホールド信号430をLOWレベルにして出力する。また、制御部400はリセットホールド信号430をLOWレベルに出力してから基本クロック210の1クロック後にクロック切替信号440を変化させる。
【0034】
クロック切替部500では、クロック切替信号440が変化した為、クロック信号510への出力を基本クロック210から低速クロック310に切替を実施する。この時、クロック信号510のクロック出力にクロック割れが発生する可能性があるが、CPU部600はリセットホールド状態なのでCPU部600がスタックすることはない。
【0035】
一方、制御部400が出力しているリセットホールド信号430は、一定時間(t1)経過後にHIレベルに変化する。ここでt1の時間幅は、クロック切替信号がLOWレベルからHIレベルに変化する時間幅以上であること及びCPU部600でリセット時間幅が規定されている場合は、規定のリセット時間幅以上であることとする。尚、温度復旧を検出した場合も上記同様動作を実施する。
【0036】
【発明の効果】
本発明の効果は、クロック切り替え時にクロック割れが発生することによるデータエラー及びCPUスタック等の不具合を防止し、クロック切り替え後も正常に動作することができることである。
【0037】
その理由は、クロック切り替え時にCPUに対してリクエスト信号、アクノリッジ信号によりCPUを制御することによりCPU処理終了後にCPUをリセットホールド状態にして装置の動作を一時停止させた後、クロックを切り替えるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の実施形態の動作を示すタイミングチャート図である。
【図4】従来技術の構成を示すブロック図である。
【図5】従来技術の動作を示すタイミングチャート図である。
【符号の説明】
100 温度監視部
200 基本クロック発生部
300 低速クロック発生部
400 制御部
500 クロック切替部
600 CPU部
110 温度アラーム信号
210 基本クロック信号
310 低速クロック信号
410 リクエスト信号
420 アクノリッジ信号
430 リセットホールド信号
440 クロック切替信号
510 クロック信号
700 タイミング作成部
710 タイミング信号

Claims (3)

  1. 装置内の温度を監視し、通常温度と異常温度にて基本クロックと低速クロックを切り替えるクロック制御方式において、クロック切り替え時にクロック切り替えを要求するリクエスト信号をCPU部に対して送出し、前記CPU部は装置内の実行中の他処理が完了後に処理の完了を示すアクノリッジ信号を送出して一時的にCPU動作を停止させた後にクロックを切り替えることを特徴とする温度異常/復旧検出時のクロック制御方式。
  2. 基本クロック信号を発生する基本クロック発生部と、低速クロック信号を発生する低速クロック発生部と、前記基本クロック信号または低速クロック信号を受信して動作するCPU部と、装置内の温度変化を監視して装置内の温度が予め設定された温度に達するとアラーム信号を送出する温度監視部と、前記温度監視部からアラーム信号を受信するとクロック切替を指示するクロック切替信号を送出する制御部と、前記基本クロック及び低速クロックを入力して前記クロック切替信号の受信により前記CPU部へ送出するクロック信号を切り替えるクロック切替部を備え、
    前記制御部は、前記温度検出部から前記アラーム信号を受信すると前記CPU部へクロック切替を要求するリクエスト信号を送出し、実行中の処理が完了したことを示すアクノリッジ信号を前記CPU部から受信すると、前記CPU部の動作を一時的に停止するリセットホールド信号を送出した後に前記クロック切替部へ前記クロック切替信号を送出し、前記クロック切替部から送出されるクロック信号を切り替えることを特徴とする温度異常/復旧検出時のクロック制御方式。
  3. 前記制御部は、リセットホールド信号送出から一定時間経過すると前記CPU部の一時停止状態を解除することを特徴とする請求項2記載の温度異常/復旧検出時のクロック制御方式。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7661007B2 (en) 2006-09-28 2010-02-09 Via Technologies, Inc. Methods and systems for adjusting clock frequency
JP2011049877A (ja) * 2009-08-27 2011-03-10 Fujitsu Semiconductor Ltd クロック信号制御回路及びクロック信号制御方法
WO2023022022A1 (ja) * 2021-08-16 2023-02-23 ローム株式会社 半導体装置、車載装置

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