JP2005024619A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オフセットトナーによる画像汚れのないコピーを出力する、また、クリーニングウェブの無駄な消費を抑制した画像形成装置の提供。
【解決手段】加熱ローラと、前記加熱ローラの表面をクリーニングウェブを送って清掃するクリーニング手段とを有する定着手段を備えた電子写真方式による画像形成装置において、
前記クリーニング手段のクリーニングウェブの送り量を、画像データから得た出力画像の黒化率を基に決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図3
【解決手段】加熱ローラと、前記加熱ローラの表面をクリーニングウェブを送って清掃するクリーニング手段とを有する定着手段を備えた電子写真方式による画像形成装置において、
前記クリーニング手段のクリーニングウェブの送り量を、画像データから得た出力画像の黒化率を基に決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を用いた画像形成装置においては、トナー画像を用紙等の転写材に定着するための定着手段に用いる技術として、ハロゲンランプ等の熱源を内蔵した加熱ローラと、前記加熱ローラと圧接しながら回転する加圧ローラとが形成するニップに、トナー画像を担持した転写材を通過させてトナー画像を転写材に定着する、いわゆる熱圧着方式が広く採用されている。
【0003】
この方式の定着においては、トナー画像は、加圧ローラによってトナー画像を担持した転写材が加熱ローラに所定の圧力で押圧されることにより、加熱ローラからの加熱を受け、溶融状態となる。溶融したトナーは、その全てが転写材に定着されることが望ましいが、実際には、トナーと加熱ローラとの付着力により、そのごく一部が加熱ローラに付着する。一般にこの現象はオフセット現象と呼ばれている。
【0004】
オフセット現象の種類としては、低温オフセットと高温オフセットとがある。低温オフセットとは、トナーに対する加熱が不十分で、トナー画像を形成しているトナー層の内部まで充分に熱が伝達されないことからトナーの溶融が不完全となり、転写材への融着がなされなかったトナー層の一部が破砕して加熱ローラに付着するものである。この場合、転写材へのトナー画像の融着も不十分となることから、出力されたコピーからトナー画像を容易にこすり取ることができる、いわゆる定着不良が発生する。
【0005】
高温オフセットとは、必要以上の高温でトナーが加熱された場合、トナーの粘弾性が変化し、トナーと加熱ローラの付着力がトナー粒子の凝集力よりも高くなりトナーが加熱ローラに付着するものである。
【0006】
一方、電子写真方式の画像形成装置により出力されるコピー画像に対しては、ますます高画質化への要求が高くなっている。そのため、従来多く使用されてきた樹脂や顔料等を溶融混合して固形化した後に、これを粉砕することによって得られる粉砕トナーに代わって、現像性や転写性に優れる小粒で略球形をした重合トナーが用いられるようになってきた。
【0007】
重合トナーにより形成されたトナー画像は、トナーが略球形で、且つ小径であることからトナー層内部の空間が少なく、熱伝導性が良くなることから溶融が良好になされる反面、高温オフセットが起きやすいという問題が生じてきた。
【0008】
この問題への対応としては、加熱ローラに不織布等のクリーニングウェブを押圧ローラにより押し当て、回転する加熱ローラの表面を常に拭うようにした定着クリーニング手段を設けることが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。ところが、略球形で小径のトナーは、クリーニングウェブと加熱ローラの間に生ずるわずかな間隙を通り抜けやすく、これを防ぐためには、トナーが付着していないクリーニングウェブの新しい部分を常に加熱ローラに押圧することによって、できるかぎり間隙が生じないようにする必要がある。しかしながら、コピーを出力する毎に常に充分な面積のクリーニングウェブを供給することは、画像形成装置のメンテナンス頻度の増加、あるいは環境面からみた廃棄物の増加という点では望ましいことではない。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−258657号公報(第1−2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述したような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、出力されるコピー画像の黒化率を、原稿画像読み取り手段から得た画像情報を基に計算して、計算により得られた黒化率に応じた量のクリーニングウェブの供給を行い、加熱ローラにオフセットによって付着したトナーの除去を適切に行うと共に、過剰で無駄なクリーニングウェブの供給を防止できるようにした定着クリーニング手段を有する画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の達成手段により達成される。
【0012】
(1) 加熱ローラと、前記加熱ローラの表面をクリーニングウェブを送って清掃するクリーニング手段とを有する定着手段を備えた電子写真方式による画像形成装置において、
前記クリーニング手段のクリーニングウェブの送り量を、画像データから得た出力画像の黒化率を基に決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0013】
(2) 前記黒化率と、前記クリーニングウェブの送り量との関係を示す表、もしくは計算式を前記制御手段のメモリに設け、
前記表に設定されている数値、もしくは計算式の係数および常数を変更できる操作表示手段を有することを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について、以下、図面を適宜に参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明による画像形成装置を説明するための模式図である。
本画像形成装置は、本体の上部に自動原稿送り装置1を有し、本体は、画像読み取り手段2、画像書き込み手段33、画像形成手段3、操作表示手段4、給紙手段5、排紙再給紙手段6、および、定着手段7等から構成されている。
【0016】
自動原稿送り装置1は、原稿載置台11に載置された原稿を原稿分離手段12によって一枚ずつ原稿搬送手段13に送り出し、原稿搬送手段13は送られた原稿を原稿排紙手段14に搬送し、原稿排紙手段14は送られた原稿を原稿排紙台15に排紙する。原稿画像は原稿搬送路に設けられた、画像読み取り手段2の原稿画像読み取り位置であるスリット21にて読み取りがなされる。
【0017】
原稿両面の画像を読み取る場合には、一対のローラを有する原稿反転手段16によって、第1面を読み取られた原稿が表裏反転されて、再度、原稿搬送手段13に送り出されることにより第2面の読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿は原稿排紙台15に排紙される。
【0018】
画像読み取り手段2は、原稿画像を読み取って画像データを得るための手段であり、スリット21の位置にて、ランプ231により光照射された原稿画像を第1ミラーユニット23と、第2ミラーユニット24と、結像レンズ25とによりライン状のCCDである撮像素子26に結像させている。撮像素子26から出力された信号は、制御手段C1の画像処理部においてA/D変換され、シェーディング補正、画像圧縮等の処理がなされてメモリM1に画像データとしてストアされる。
【0019】
画像書き込み手段33は、メモリM1から呼び出されて所定の画像処理が施された画像データに基づき、レーザビームとポリゴンミラーとにより、帯電手段32によって一様帯電されて回転している感光体ドラム31の表面を走査して、感光体ドラム31の面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。
【0020】
画像形成手段3においては、前記静電潜像は現像手段34により反転現像されて、トナー画像が感光体ドラム31上に形成される。
【0021】
上述の動作に対応して、手差し給紙手段55、もしくは、転写材である用紙Pを収容するカセットやトレイを有する給紙手段5からは用紙Pが給送され、搬送ローラ56により搬送されタイミングローラ39によって感光体ドラム上に形成された前記トナー画像との位置合わせのための同期が取られて転写領域に送り出される。
【0022】
転写領域において、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー画像は、転写手段35により反対極性に帯電された用紙Pに転写される。
【0023】
トナー画像を担持した用紙Pは、分離除電手段36の作用により、感光体ドラム31の表面から分離し、定着手段7に送られる。
【0024】
定着手段7において、トナー画像を担持した前記用紙Pは、加熱ローラ71と加圧ローラ72により加熱加圧を受けながら搬送され、トナー画像が用紙Pに定着された後、排出ローラ63によって機外の排紙台64に排出される。
【0025】
なお、用紙Pを表裏反転して排紙台64に排出する場合には、切換ガイド62により、用紙Pを排紙再給紙手段6に導き、用紙Pをスイッチバックさせて排出ローラ63に送る。
【0026】
また、用紙Pの両面に画像形成をする場合には、第1面の定着を終えた用紙Pを、切換ガイド62により排紙再給紙手段6に導き、反転部65にて反転させた後、給紙のための搬送路66に送り出し、第2面の画像形成に供する。
【0027】
一方、用紙Pへのトナー画像の転写を終えた感光体ドラム31の表面は、クリーニング手段37により残留トナーが除去されて次なる画像形成に向けての準備がなされる。
【0028】
図2は、画像形成装置の制御関係を示すブロック図である。制御手段C1はCPU(CPU1)、メモリM1を始め、図に記されてはいないが演算ユニット、I/Oポート、通信用インターフェイス等を有するコンピュータシステムであり、各手段を駆動するための制御部も有している。自動原稿送り装置1の制御手段C2も、制御手段C1に比較して規模は小さいが、CPU(CPU2)を中心とした同様なシステム構成である。制御手段C1と制御手段C2とは、本例においてはシリアル通信手段C3にて接続されている。
【0029】
なお、本実施の形態の説明に直接関係しないブロックについては、図中の記載を省略している。
【0030】
図3は、定着手段7の基本構成を示す模式図である。
定着手段7は内部にハロゲンランプHを有する加熱ローラ71、圧縮バネ73とアーム74とにより加熱ローラ71に押圧されている加圧ローラ72、定着クリーニング手段8等から構成される。
【0031】
定着クリーニング手段8は、芳香族ポリアミド系不織布に離型剤であるシリコンオイルを含浸させたクリーニングウェブWと、元巻き軸81、巻き取り軸82、発泡シリコン樹脂の押圧ローラ83、送りローラ84等から構成され、元巻き軸81に巻かれたクリーニングウェブWは、送りローラ84により所定の量が送られ、一定のトルクにて巻き取りを行う巻き取り軸82に巻き取られる。
【0032】
前記押圧ローラ83は、支持部材(不図示)と押圧バネ(不図示)とによりクリーニングウェブWを加熱ローラ71に押圧している。この押圧によりクリーニングウェブWと加熱ローラ71との間に3〜7mmのニップが形成され、オフセットにより加熱ローラ71の表面に付着したトナーは、加熱ローラ71が矢印aの方向に回転することによって前記ニップにてクリーニングウェブWにより拭われる。
【0033】
図4は、定着クリーニング手段8の送りローラ84の動作機構を説明する模式図である。
【0034】
送りローラ84に巻きかけられたクリーニングウェブWは、送りローラ84の回転量により送り量が決定される。送りローラ84は、その回転軸85にウォームホイル86が取り付けられており、ウォーム87を介してステップモータ88の回転により回転する。
【0035】
本実施の形態においては、ステップモータ88の1ステップ回転によりクリーニングウェブWが0.01mm送られるように、ウォームホイルギヤの減速比が設定されている。なお、ステップモータ88は制御手段C1から送られるパルス数に対応した数のステップ回転をする。従って、クリーニングウェブWは、0.01mmの倍数の量で送られるように制御がなされる。
【0036】
クリーニングウェブWの送り量は、オフセットによるトナーの量に比例させることが望ましい。すなわち、クリーニングウェブWへのトナーの付着量が過多となり加熱ローラ表面のクリーニングが不十分となった場合のコピー画像の汚れの発生を避けると同時に、付着量が過少でクリーニング能力を残したままクリーニングウェブWが巻き取られる無駄を避けるようにすることが望ましい。
【0037】
本発明においては、出力するコピーの黒化率(トナー画像面積/画像面積)を読み取られた原稿の画像データに基づき計算をして、得られた結果により前記クリーニングウェブWの送り量を決定する。この決定された送り量に対応するパルス数の信号を定着手段7にあるステップモータ88を有する定着クリーニング手段8に送り、オフセットによるトナー量に比例したクリーニングウェブWの搬送を行って、画像品質の維持とクリーニングウェブWの無駄な消費を防止する。
【0038】
出力するコピーの黒化率は画像読み取り手段2により読み取られた後、制御手段C1のメモリM1にストアされている画像データを出力する際に、予め組み込まれている黒化率計算プログラムにより計算される。即ち、トナー画像として出力される画像の画素総数を求め、予め実験により求めた出力サイズに対応して設けた画素数と黒化率の関係を示す表、もしくは式により黒化率を決定する。なお、画像データから総画素数を算出する方法は公知のものである。
【0039】
次に、送り量決定プログラムが、得られた黒化率を、予めメモリM1にストアされているサイズ別の黒化率とクリーニングウェブWの送り量との関係を示す表、もしくは式を参照して送り量を決定する。
【0040】
前記表とは、例えば、サイズA4、黒化率4%に対応する送り量0.02mm、出力するパルス数2等の数値からなるテーブルである。
【0041】
また、前記式は、サイズ別に設けた以下のように表現される計算式である。
L=cK+b
L:送り量(mm)
c:係数
K:黒化率(%)
b:常数
本発明においては上述の表に設定されている数値、もしくは式の係数および常数を、画像形成装置の操作表示手段4の表示部、およびテンキーを用いて変更できるようにしてあり、ユーザの使用環境により最適なクリーニングウェブWの送り量をユーザが設定できるようにしてある。
【0042】
図5は、画像データからクリーニングウェブWの送り量を決定する処理を示すフローチャートである。
【0043】
先ず、制御手段C1のメモリM1にストアされていた出力しようとする画像データが読み出されて(S1)、画像を形成する最小単位であるところの画素の数が抽出される(S2)。抽出された画素の数は出力画像を構成する画素の総数である。予め、1画素の大きさは決められているので、この総数と画像サイズからトナー画像面積がしめる割合、即ち黒化率が計算される(S3)。得られた黒化率は、メモリM1に予め出力画像サイズ別に作成されている黒化率とクリーニングウェブWの送り量との関係を示す表、もしくは計算式を参照することによって、送り量が決定される(S4)。決定された送り量はメモリM1の所定の場所にストアされ(S5)、このストアされた送り量はクリーニングウェブWの送りが実行される際に参照され、指定された送り量の送りがなされる。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、定着手段に用いられるローラにオフセットにより付着したトナーを除くためのクリーニングウェブの供給を、出力画像の黒化率に応じて行うことが実現されることによって、オフセットトナーによる画像汚れのないコピーを出力することができる。また、クリーニングウェブの無駄な消費を抑制した画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置を説明する模式図である。
【図2】画像形成装置の制御関係を示すブロック図である。
【図3】定着手段の基本構成を示す模式図である。
【図4】送りローラの動作を説明する模式図である。
【図5】送り量決定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り手段
3 画像形成手段
5 給紙手段
6 排紙再給紙手段
8 定着クリーニング手段
33 画像書き込み手段
71 加熱ローラ
72 加圧ローラ
81 元巻き軸
82 巻き取り軸
83 押圧ローラ
84 送りローラ
85 回転軸
88 ステップモータ
H ハロゲンランプ
P 用紙
W クリーニングウェブ
C1 制御手段
M1 メモリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式による複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を用いた画像形成装置においては、トナー画像を用紙等の転写材に定着するための定着手段に用いる技術として、ハロゲンランプ等の熱源を内蔵した加熱ローラと、前記加熱ローラと圧接しながら回転する加圧ローラとが形成するニップに、トナー画像を担持した転写材を通過させてトナー画像を転写材に定着する、いわゆる熱圧着方式が広く採用されている。
【0003】
この方式の定着においては、トナー画像は、加圧ローラによってトナー画像を担持した転写材が加熱ローラに所定の圧力で押圧されることにより、加熱ローラからの加熱を受け、溶融状態となる。溶融したトナーは、その全てが転写材に定着されることが望ましいが、実際には、トナーと加熱ローラとの付着力により、そのごく一部が加熱ローラに付着する。一般にこの現象はオフセット現象と呼ばれている。
【0004】
オフセット現象の種類としては、低温オフセットと高温オフセットとがある。低温オフセットとは、トナーに対する加熱が不十分で、トナー画像を形成しているトナー層の内部まで充分に熱が伝達されないことからトナーの溶融が不完全となり、転写材への融着がなされなかったトナー層の一部が破砕して加熱ローラに付着するものである。この場合、転写材へのトナー画像の融着も不十分となることから、出力されたコピーからトナー画像を容易にこすり取ることができる、いわゆる定着不良が発生する。
【0005】
高温オフセットとは、必要以上の高温でトナーが加熱された場合、トナーの粘弾性が変化し、トナーと加熱ローラの付着力がトナー粒子の凝集力よりも高くなりトナーが加熱ローラに付着するものである。
【0006】
一方、電子写真方式の画像形成装置により出力されるコピー画像に対しては、ますます高画質化への要求が高くなっている。そのため、従来多く使用されてきた樹脂や顔料等を溶融混合して固形化した後に、これを粉砕することによって得られる粉砕トナーに代わって、現像性や転写性に優れる小粒で略球形をした重合トナーが用いられるようになってきた。
【0007】
重合トナーにより形成されたトナー画像は、トナーが略球形で、且つ小径であることからトナー層内部の空間が少なく、熱伝導性が良くなることから溶融が良好になされる反面、高温オフセットが起きやすいという問題が生じてきた。
【0008】
この問題への対応としては、加熱ローラに不織布等のクリーニングウェブを押圧ローラにより押し当て、回転する加熱ローラの表面を常に拭うようにした定着クリーニング手段を設けることが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。ところが、略球形で小径のトナーは、クリーニングウェブと加熱ローラの間に生ずるわずかな間隙を通り抜けやすく、これを防ぐためには、トナーが付着していないクリーニングウェブの新しい部分を常に加熱ローラに押圧することによって、できるかぎり間隙が生じないようにする必要がある。しかしながら、コピーを出力する毎に常に充分な面積のクリーニングウェブを供給することは、画像形成装置のメンテナンス頻度の増加、あるいは環境面からみた廃棄物の増加という点では望ましいことではない。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−258657号公報(第1−2頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述したような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、出力されるコピー画像の黒化率を、原稿画像読み取り手段から得た画像情報を基に計算して、計算により得られた黒化率に応じた量のクリーニングウェブの供給を行い、加熱ローラにオフセットによって付着したトナーの除去を適切に行うと共に、過剰で無駄なクリーニングウェブの供給を防止できるようにした定着クリーニング手段を有する画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の達成手段により達成される。
【0012】
(1) 加熱ローラと、前記加熱ローラの表面をクリーニングウェブを送って清掃するクリーニング手段とを有する定着手段を備えた電子写真方式による画像形成装置において、
前記クリーニング手段のクリーニングウェブの送り量を、画像データから得た出力画像の黒化率を基に決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0013】
(2) 前記黒化率と、前記クリーニングウェブの送り量との関係を示す表、もしくは計算式を前記制御手段のメモリに設け、
前記表に設定されている数値、もしくは計算式の係数および常数を変更できる操作表示手段を有することを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について、以下、図面を適宜に参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明による画像形成装置を説明するための模式図である。
本画像形成装置は、本体の上部に自動原稿送り装置1を有し、本体は、画像読み取り手段2、画像書き込み手段33、画像形成手段3、操作表示手段4、給紙手段5、排紙再給紙手段6、および、定着手段7等から構成されている。
【0016】
自動原稿送り装置1は、原稿載置台11に載置された原稿を原稿分離手段12によって一枚ずつ原稿搬送手段13に送り出し、原稿搬送手段13は送られた原稿を原稿排紙手段14に搬送し、原稿排紙手段14は送られた原稿を原稿排紙台15に排紙する。原稿画像は原稿搬送路に設けられた、画像読み取り手段2の原稿画像読み取り位置であるスリット21にて読み取りがなされる。
【0017】
原稿両面の画像を読み取る場合には、一対のローラを有する原稿反転手段16によって、第1面を読み取られた原稿が表裏反転されて、再度、原稿搬送手段13に送り出されることにより第2面の読み取りがなされる。読み取りが終了した原稿は原稿排紙台15に排紙される。
【0018】
画像読み取り手段2は、原稿画像を読み取って画像データを得るための手段であり、スリット21の位置にて、ランプ231により光照射された原稿画像を第1ミラーユニット23と、第2ミラーユニット24と、結像レンズ25とによりライン状のCCDである撮像素子26に結像させている。撮像素子26から出力された信号は、制御手段C1の画像処理部においてA/D変換され、シェーディング補正、画像圧縮等の処理がなされてメモリM1に画像データとしてストアされる。
【0019】
画像書き込み手段33は、メモリM1から呼び出されて所定の画像処理が施された画像データに基づき、レーザビームとポリゴンミラーとにより、帯電手段32によって一様帯電されて回転している感光体ドラム31の表面を走査して、感光体ドラム31の面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。
【0020】
画像形成手段3においては、前記静電潜像は現像手段34により反転現像されて、トナー画像が感光体ドラム31上に形成される。
【0021】
上述の動作に対応して、手差し給紙手段55、もしくは、転写材である用紙Pを収容するカセットやトレイを有する給紙手段5からは用紙Pが給送され、搬送ローラ56により搬送されタイミングローラ39によって感光体ドラム上に形成された前記トナー画像との位置合わせのための同期が取られて転写領域に送り出される。
【0022】
転写領域において、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー画像は、転写手段35により反対極性に帯電された用紙Pに転写される。
【0023】
トナー画像を担持した用紙Pは、分離除電手段36の作用により、感光体ドラム31の表面から分離し、定着手段7に送られる。
【0024】
定着手段7において、トナー画像を担持した前記用紙Pは、加熱ローラ71と加圧ローラ72により加熱加圧を受けながら搬送され、トナー画像が用紙Pに定着された後、排出ローラ63によって機外の排紙台64に排出される。
【0025】
なお、用紙Pを表裏反転して排紙台64に排出する場合には、切換ガイド62により、用紙Pを排紙再給紙手段6に導き、用紙Pをスイッチバックさせて排出ローラ63に送る。
【0026】
また、用紙Pの両面に画像形成をする場合には、第1面の定着を終えた用紙Pを、切換ガイド62により排紙再給紙手段6に導き、反転部65にて反転させた後、給紙のための搬送路66に送り出し、第2面の画像形成に供する。
【0027】
一方、用紙Pへのトナー画像の転写を終えた感光体ドラム31の表面は、クリーニング手段37により残留トナーが除去されて次なる画像形成に向けての準備がなされる。
【0028】
図2は、画像形成装置の制御関係を示すブロック図である。制御手段C1はCPU(CPU1)、メモリM1を始め、図に記されてはいないが演算ユニット、I/Oポート、通信用インターフェイス等を有するコンピュータシステムであり、各手段を駆動するための制御部も有している。自動原稿送り装置1の制御手段C2も、制御手段C1に比較して規模は小さいが、CPU(CPU2)を中心とした同様なシステム構成である。制御手段C1と制御手段C2とは、本例においてはシリアル通信手段C3にて接続されている。
【0029】
なお、本実施の形態の説明に直接関係しないブロックについては、図中の記載を省略している。
【0030】
図3は、定着手段7の基本構成を示す模式図である。
定着手段7は内部にハロゲンランプHを有する加熱ローラ71、圧縮バネ73とアーム74とにより加熱ローラ71に押圧されている加圧ローラ72、定着クリーニング手段8等から構成される。
【0031】
定着クリーニング手段8は、芳香族ポリアミド系不織布に離型剤であるシリコンオイルを含浸させたクリーニングウェブWと、元巻き軸81、巻き取り軸82、発泡シリコン樹脂の押圧ローラ83、送りローラ84等から構成され、元巻き軸81に巻かれたクリーニングウェブWは、送りローラ84により所定の量が送られ、一定のトルクにて巻き取りを行う巻き取り軸82に巻き取られる。
【0032】
前記押圧ローラ83は、支持部材(不図示)と押圧バネ(不図示)とによりクリーニングウェブWを加熱ローラ71に押圧している。この押圧によりクリーニングウェブWと加熱ローラ71との間に3〜7mmのニップが形成され、オフセットにより加熱ローラ71の表面に付着したトナーは、加熱ローラ71が矢印aの方向に回転することによって前記ニップにてクリーニングウェブWにより拭われる。
【0033】
図4は、定着クリーニング手段8の送りローラ84の動作機構を説明する模式図である。
【0034】
送りローラ84に巻きかけられたクリーニングウェブWは、送りローラ84の回転量により送り量が決定される。送りローラ84は、その回転軸85にウォームホイル86が取り付けられており、ウォーム87を介してステップモータ88の回転により回転する。
【0035】
本実施の形態においては、ステップモータ88の1ステップ回転によりクリーニングウェブWが0.01mm送られるように、ウォームホイルギヤの減速比が設定されている。なお、ステップモータ88は制御手段C1から送られるパルス数に対応した数のステップ回転をする。従って、クリーニングウェブWは、0.01mmの倍数の量で送られるように制御がなされる。
【0036】
クリーニングウェブWの送り量は、オフセットによるトナーの量に比例させることが望ましい。すなわち、クリーニングウェブWへのトナーの付着量が過多となり加熱ローラ表面のクリーニングが不十分となった場合のコピー画像の汚れの発生を避けると同時に、付着量が過少でクリーニング能力を残したままクリーニングウェブWが巻き取られる無駄を避けるようにすることが望ましい。
【0037】
本発明においては、出力するコピーの黒化率(トナー画像面積/画像面積)を読み取られた原稿の画像データに基づき計算をして、得られた結果により前記クリーニングウェブWの送り量を決定する。この決定された送り量に対応するパルス数の信号を定着手段7にあるステップモータ88を有する定着クリーニング手段8に送り、オフセットによるトナー量に比例したクリーニングウェブWの搬送を行って、画像品質の維持とクリーニングウェブWの無駄な消費を防止する。
【0038】
出力するコピーの黒化率は画像読み取り手段2により読み取られた後、制御手段C1のメモリM1にストアされている画像データを出力する際に、予め組み込まれている黒化率計算プログラムにより計算される。即ち、トナー画像として出力される画像の画素総数を求め、予め実験により求めた出力サイズに対応して設けた画素数と黒化率の関係を示す表、もしくは式により黒化率を決定する。なお、画像データから総画素数を算出する方法は公知のものである。
【0039】
次に、送り量決定プログラムが、得られた黒化率を、予めメモリM1にストアされているサイズ別の黒化率とクリーニングウェブWの送り量との関係を示す表、もしくは式を参照して送り量を決定する。
【0040】
前記表とは、例えば、サイズA4、黒化率4%に対応する送り量0.02mm、出力するパルス数2等の数値からなるテーブルである。
【0041】
また、前記式は、サイズ別に設けた以下のように表現される計算式である。
L=cK+b
L:送り量(mm)
c:係数
K:黒化率(%)
b:常数
本発明においては上述の表に設定されている数値、もしくは式の係数および常数を、画像形成装置の操作表示手段4の表示部、およびテンキーを用いて変更できるようにしてあり、ユーザの使用環境により最適なクリーニングウェブWの送り量をユーザが設定できるようにしてある。
【0042】
図5は、画像データからクリーニングウェブWの送り量を決定する処理を示すフローチャートである。
【0043】
先ず、制御手段C1のメモリM1にストアされていた出力しようとする画像データが読み出されて(S1)、画像を形成する最小単位であるところの画素の数が抽出される(S2)。抽出された画素の数は出力画像を構成する画素の総数である。予め、1画素の大きさは決められているので、この総数と画像サイズからトナー画像面積がしめる割合、即ち黒化率が計算される(S3)。得られた黒化率は、メモリM1に予め出力画像サイズ別に作成されている黒化率とクリーニングウェブWの送り量との関係を示す表、もしくは計算式を参照することによって、送り量が決定される(S4)。決定された送り量はメモリM1の所定の場所にストアされ(S5)、このストアされた送り量はクリーニングウェブWの送りが実行される際に参照され、指定された送り量の送りがなされる。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、定着手段に用いられるローラにオフセットにより付着したトナーを除くためのクリーニングウェブの供給を、出力画像の黒化率に応じて行うことが実現されることによって、オフセットトナーによる画像汚れのないコピーを出力することができる。また、クリーニングウェブの無駄な消費を抑制した画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置を説明する模式図である。
【図2】画像形成装置の制御関係を示すブロック図である。
【図3】定着手段の基本構成を示す模式図である。
【図4】送りローラの動作を説明する模式図である。
【図5】送り量決定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り手段
3 画像形成手段
5 給紙手段
6 排紙再給紙手段
8 定着クリーニング手段
33 画像書き込み手段
71 加熱ローラ
72 加圧ローラ
81 元巻き軸
82 巻き取り軸
83 押圧ローラ
84 送りローラ
85 回転軸
88 ステップモータ
H ハロゲンランプ
P 用紙
W クリーニングウェブ
C1 制御手段
M1 メモリ
Claims (2)
- 加熱ローラと、前記加熱ローラの表面をクリーニングウェブを送って清掃するクリーニング手段とを有する定着手段を備えた電子写真方式による画像形成装置において、
前記クリーニング手段のクリーニングウェブの送り量を、画像データから得た出力画像の黒化率を基に決定する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記黒化率と、前記クリーニングウェブの送り量との関係を示す表、もしくは計算式を前記制御手段のメモリに設け、
前記表に設定されている数値、もしくは計算式の係数および常数を変更できる操作表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003186917A JP2005024619A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 画像形成装置 |
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ID=34185921
Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-06-30 JP JP2003186917A patent/JP2005024619A/ja active Pending
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