JP2005023226A - 樹脂組成物の製造方法、及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】界面重合法に基づいて、有機溶剤及びアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを縮重合させて重合生成物であるポリカーボネートを得る。次いで、前記ポリカーボネートを含む溶液から無機成分を洗浄除去し、水溶液相を分離する。次いで、前記ポリカーボネートを含む有機溶剤相中に所定の充填材を含有させた後、前記有機溶剤から前記ポリカーボネート及び前記充填材を含む樹脂組成物を析出させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的強度、耐熱性、耐衝撃性、透明性、寸法安定性などの物性に優れ、かつ工業的に有利なポリカーボネート樹脂組成物の製造方法、並びに前記製造方法によって得られたポリカーボネート樹脂組成物及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチックとして知られており、自動車、機械、電気、電子、光記録媒体、建材、雑貨など多くの分野において幅広く用いられている。
【0003】
このポリカーボネート樹脂の製造方法としては、ビスフェノール化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」という)とホスゲンとを反応させる界面重合法(ホスゲン法)、およびビスフェノールAとジフェニルカーボネートとを反応させるエステル交換法(溶融法)が代表的な製法として知られている。この内、より高い物性が要求される分野においては界面重合法が適していると一般に言われている。エステル交換法に比べ、界面重合法では高分子量のポリマーをより得易いためである。
【0004】
界面重合法は、通常、まずビスフェノール化合物の水酸化ナトリウムアルカリ水溶液と有機溶剤との混合液にホスゲンを導入して、ポリカーボネートのオリゴマーを生成させた後、塩基性触媒を添加し高分子量のポリカーボネート樹脂を生成させ、次いで重合が終了した溶液を洗浄処理し、水溶液相を分離し、得られた有機溶剤相からポリカーボネート樹脂を回収するといった方法が用いられる。
【0005】
一方、樹脂組成物の機械的強度、耐熱性、寸法安定性、などの物性改良手法として、従来のガラス繊維やタルクなどによる強化樹脂に代わり、ナノオーダーレベルの充填材を用いた複合材料、いわゆるポリマーナノコンポジットが注目されてきている。このような複合材料の例としては、豊田中研の「複合材料及びその製造方法」(特許第2519045号)や宇部興産他の「ポリアミド複合材料及びその製造方法(特公平7−47644)」、昭和電工の「ポリオレフイン系複合材料およびその製造方法(特開平10−30039)」などが挙げられる。
【0006】
上記のようなナノオーダーレベルの充填材を用いたポリマーナノコンポジットでは、いずれの場合も、微細な充填材の分散性向上が物性向上の大きなポイントのひとつであり、充填材の分散性を高効率、低コストで向上させるため、様々な分散方法が検討、提案されている。
【0007】
このような分散方法の例のひとつとして混練法が挙げられる。前述の特公平7−47644や特開平10−30039がこれにあたり、溶融状態のポリマーとナノオーダーレベルの充填材を混練機などを用いて溶融混練するものである。
【0008】
また混練法において分散性を更に向上させる方法として、層状クレーを極性溶媒に分散しておきこれをポリマーの溶融状態で接触させる豊田中研の「樹脂複合材料の製造方法(特開平11−310643)」や、混練する際に充填材とポリマーに超臨界流体を接触させる東レの「樹脂組成物およびその製造方法(特開2000−53871)」が提案されている。
【0009】
これらの方法では、充填材やポリマーの改質、混練時の溶媒や超臨界流体の添加などの工夫により、比較的低コストでありながら分散性はある程度向上するものの、未だ十分な分散性が得られているとは言い難く、物性の改良代も十分とは言い難い。また、前述のポリカーボネート樹脂に本方法を適用する場合、例えば極性溶媒の添加は加水分解による分子量低下(耐衝撃性などの低下)が懸念され、また不十分な分散性は透明性の低下につながる。
【0010】
また分散方法の他の例として重合分散法が挙げられる。前述の特許第2519045号や、シリカ微粒子を用いる特開平11−343349がこれにあたり、充填材の分散性を向上させるため、ポリマーの重合前もしくは重合中、つまりモノマーが十分存在する段階で充填材を添加し、十分分散させた後重合するものである。これらの方法によれば優れた分散性が実現される。
【0011】
しかしながら、前述の界面重合法によるポリカーボネート樹脂の製造に本方法を適用する場合、良好な分散性が得られるものの、充填材の一部が水溶液相に移動してしまい、投入した充填材に比べコンポジット中の充填材配合量が減少してしまう。また、これらナノオーダーレベルの充填材は比較的高価であり、このような充填効率の低下はコストアップにつながる可能性がある。
【0012】
さらに他の分散方法の例として溶剤分散法が挙げられる。前述の特開平11−343349がこれにあたり、ポリマーを溶剤に溶解し、このポリマー溶液と溶剤に分散した充填材を十分混合した後、コンポジットを析出させるものである。本方法によれば重合分散法とほぼ同等レベルの分散性が実現され、充填材の充填効率もよい。しかしながら、一度固化したポリマーを溶剤に溶解するのは容易ではなく、大量の溶剤とともに溶剤回収のための設備増強も必要となりコストアップにつながる可能性がある。
【0013】
以上のように、ポリマーナノコンポジットの製造方法については多くの検討が成されているが、未だ決定的な方法は確立されていない。特にポリカーボネート樹脂については、耐熱性、耐衝撃性、透明性などの本来的な優れた特徴やコストを考慮しての更なる検討が必要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、ナノオーダーレベルの充填材の分散性に優れ、かつ工業的に有利な、機械的強度、耐熱性、耐衝撃性、透明性、寸法安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
界面重合法に基づいて、有機溶剤及びアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを縮重合させて重合生成物であるポリカーボネートを得る工程と、
前記ポリカーボネートを含む溶液から無機成分を洗浄除去し、水溶液相を分離する工程と、
前記ポリカーボネートを含む有機溶剤相中に所定の充填材を含有させた後、前記有機溶剤から前記ポリカーボネート及び前記充填材を含む樹脂組成物を析出させる工程と、
を具えることを特徴とする、樹脂組成物の製造方法に関する。
【0016】
前述の通り、より高い物性が要求される分野におけるポリカーボネート樹脂の製造方法としては、エステル交換法より界面重合法が適していると言われている。界面重合法では、高分子量のポリマーをより得易く、また色相でも有利であり、品質もより安定しているためである。しかしながら、周知の通り、界面重合法では無機成分の洗浄と水溶液相の分離のための複雑な工程が必要である。本発明では、これら洗浄と水溶液相の分離の工程の後に、充填材を混合することが必須である。
【0017】
本発明の方法によれば、目的とする樹脂組成物中に充填材を高効率で均一に分散させることができる。したがって、ポリカーボネート樹脂が本来的に有する諸特性と、前記充填材の均一分散との相乗効果によって、得られる樹脂組成物の機械的強度、耐熱性、耐衝撃性、透明性、寸法安定性を向上させることができるようになる。
【0018】
なお、後述するように、本発明で用いる充填材は本来的に極性を有しており、水溶液との相溶性を有する。疎水化処理により水溶液との相溶性は低下できるが、完全な疎水化は困難である。また、ポリマーとの相互作用を向上させるため、敢えて充填材に極性基を導入する場合があり、この場合は水溶液との相溶性が大きくなる。そのため、洗浄と水溶液相の分離の工程の前、もしくはその途中で充填材を混合すると、充填材の一部が水溶液相に移動してしまい、投入した充填材に比べ生成する樹脂組成物中の充填材配合量が減少してしまう。このような充填効率の低下はコストアップにつながる。
【0019】
また、重合系には分子量を増加するため塩基性の触媒や未反応モノマーが存在するが、これらは充填材に吸着され易いと考えられる。したがって、充填効率の低下を補うため投入する充填材量を増加した場合、触媒の活性が低下したり不純物の残留を増加する可能性があり、分子量の低下や品質の低下という別の問題が懸念される。ここで当然ながら、触媒量を増やせば洗浄と水溶液相の分離のための工程が更に複雑化するためコストアップを招き、同時に製品品質の低下が懸念されるようになる。
【0020】
以上のような観点より、本発明では、ポリカーボネートを含む溶液から無機成分を洗浄除去し、水溶液相を分離した後に、残留する有機溶剤相中に目的とする充填材を含有させることが必要である。
【0021】
重合分散法は充填材の均一分散性に優れた手法であるが、ポリマーの重合前もしくは重合中、つまりモノマーが十分存在する段階で充填材を添加するものである。つまり、界面重合法においては、洗浄と水溶液相の分離の工程の前に充填材を混合することになり、上記と同じ理由から、物性に優れるもののコスト面では不利となる可能性がある。
【0022】
一方、溶剤分散法は、ポリマーを溶剤に溶解し、このポリマー溶液と充填材を十分混合した後、樹脂組成物を析出させるものである。したがって、溶剤分散法と本発明の方法とは、ポリマー溶液に充填材を混合する点では同様であるが、ポリマー溶液の調製方法において大きく異なる。
【0023】
すなわち、前記溶剤分散法では、一度固化したポリマーを溶剤に溶解するが、この溶解操作は容易ではなく、多大な時間を要する。ハロゲン化炭化水素系の溶剤はポリカーボネート樹脂を十分に溶解することができるが、一般に比較的沸点が低く、温度を上げての溶解も困難である。また、従来の重合生産プロセスとは別に、溶解のための設備や大量の溶剤の回収設備などの増強も必要となる。当然ながら大量の溶剤も必要となる。したがって、極少量の試験製造において十分利用できる方法ではあるが、工業的には生産効率やコストの面から非現実的な方法と言わざるを得ない。
【0024】
一方、本発明の方法によれば、ポリマーは重合段階から有機溶剤相に溶解しており、極簡便に高濃度のものが利用できる。しかも、従来の重合生産プロセスに充填材の添加ラインを加えるだけでよいため、工業的に非常に有利な方法といえる。
【0025】
本発明の詳細及びその他の特徴、並びに樹脂塑性物の製造方法及び成形体、部品、さらにこれらの製造方法については以下の発明の実施の形態で説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】
(ポリカーボネートの重合)
本発明では、界面重合法に基づいて、有機溶剤及びアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを縮重合させて重合生成物であるポリカーボネートを生成する。
【0027】
本発明で使用するビスフェノール化合物は特に限定されないが、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4セドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロへキサン(ビスフェノールZ)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1一フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルを例示することができる。尚、これらは2種類以上混合して用いてもよい。特に好ましくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)である。
【0028】
また、本発明ではホスゲン(塩化カルボニル)を用いるが、これ以外のハロゲン化カルボニルを用いることも可能で、本発明で得られる効果を何ら阻害するものではない。
【0029】
さらに、本発明で用いられるアルカリ水溶液は水酸化ナトリウムの水溶液が好ましいが、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などの水溶液を用いても差し支えなく、本発明で得られる効果を何ら阻害するものではない。
【0030】
また、本発明で使用する有機溶剤は、水に対して不溶でかつ反応に対して不活性であり、しかも重合により生じるポリカーボネートを溶解可能なものであり、かつ後述する充填材と均一に混合可能なものであれば特に限定されない。具体的には、塩化メチレン(ジクロロメタン)、1,2−ジクロロエチレン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素を例示することができる。これらは単独あるいは混合物で用いてもよい。特に工業的に好ましいのは塩化メチレン(ジクロロメタン)である。
【0031】
なお、本発明では重縮合反応の促進のために、反応溶液中に塩基性触媒を存在させることができる。前記塩基性触媒は、適宜好ましいものを選択すればよく、トリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドなどの三級アミン、三級ホスフイン、四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物などが例示できる。
【0032】
また、前記塩基性触媒は、ホスゲンを吹き込み(添加)終了後に前記反応溶液中に添加することが好ましい。
【0033】
ポリカーボネートを重合生成させる場合の重合温度は、一般の界面重合法と何ら変わることなく、重合の各段階、モノマー成分種、溶媒種、触媒種などによって適宜決定すればよい。通常は0〜40℃の範囲である。
【0034】
また、ポリカーボネートを重合生成させる際において、前記有機溶剤相中のポリカーボネートの濃度は、特に制限されず適宜決定すればよいが、好ましくは1〜35重量%の範囲に設定し、より好ましくは5〜30重量%の範囲に設定する。前記有機溶剤相中のポリカーボネート濃度が低過ぎると、溶剤回収の点で不利になる。一方、前記ポリカーボネート濃度が高過ぎると、反応溶液の粘度が高くなり過ぎ、洗浄や水溶液相の分離の工程や充填材の混合が難しくなる。
【0035】
(無機成分の洗浄除去、及び水溶液相の分離)
上記のようにしてポリカーボネートを重合生成した後、前記ポリカーボネートを含む溶液から無機成分を洗浄除去し、さらに水溶液相を分離除去する。前記無機成分としては、反応に際して使用した塩基性触媒や未反応のモノマーなどであるので、前記溶液を必要に応じて中和した後、前記溶液を好ましくは数回に亘って水洗浄する。次いで、前記溶液から水溶液相を分離して除去する。
【0036】
なお、上述した無機成分の洗浄除去は、前記溶液から前記水溶液相を分離除去した後、残った有機溶剤相に対して行うこともできる。すなわち、前記有機溶剤相を好ましくは数回に亘って水洗浄することにより、前記有機溶剤相中の無機成分を洗浄除去する。
【0037】
(充填材の添加)
本発明においては、上述のようにして、ポリカーボネートを含む溶液から無機成分を洗浄除去し、水溶液相を分離除去した後、残留した有機溶剤相中に所定の充填材を添加して含有させる。
【0038】
本発明における充填材は特に限定されないが、金属酸化物が好ましい。金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、又はこれらの複合酸化物を例示することができる。さらには、チタニアの表面をアルミナで処理したものなどを例示することができる。本発明においては、これら金属酸化物のいずれを用いてもよいが、入手のし易さ、コスト、表面処理のし易さなどを考慮すると、特にシリカを用いることが好ましい。
【0039】
前記金属酸化物はいわゆる気相法によって得られる粉末状のものを単体で用いることもできるし、これを所定の溶液中に分散させた状態のものを用いることもできる。すなわち、前記金属酸化物を単体のまま直接的にポリカーボネートを含む有機溶剤相中に添加することもできるし、分散した前記金属酸化物を含む前記溶液を前記有機溶剤相中に添加することもできる。
【0040】
後者の場合において、前記金属酸化物を前記溶液中に分散させることによって、前記溶液がコロイド化することが好ましい。すなわち、コロイド金属酸化物を前記ポリカーボネート含有の前記有機溶剤相中に添加する。コロイド金属酸化物としては、上記同様の理由により、特にシリコンを含むコロイダルシリカを用いることが好ましい。
【0041】
金属酸化物のコロイド溶液を作製するための溶媒としては、有機溶剤相中のポリカーボネートの貧溶媒とならないものを選択すれば良く、例えばポリカーボネートの重合過程で用いるような有機溶剤であることが好ましい。
【0042】
なお、前記金属酸化物を単体で含有させる際にも、金属酸化物のコロイド溶液を乾固・粉砕したものを用いることができる。
【0043】
また、前記金属酸化物はその表面に疎水基を有することが好ましい。一般に金属酸化物の表面は極性を有するため、前記金属酸化物を充填材として前記ポリカーボネートを含む前記有機溶剤相中に添加した場合、均一に分散できない場合がある。したがって、最終的に得た樹脂組成物中における前記金属酸化物の分散性も不十分となり、前記樹脂組成物に対して目的とする機械的強度などの十分な諸特性を付与できない場合がある。
【0044】
このような場合に、前記金属酸化物の表面に対して疎水化処理を施し、前記表面に疎水基を導入するようにすれば、前記有機溶剤相との相溶性が増大し、前記金属酸化物の前記有機溶剤相中、したがって樹脂組成物中での均一分散性が増大する。その結果、前記樹脂組成物に対して目的とする機械的強度などの諸特性を付与できるようになる。
【0045】
前記疎水基としては、アルキル基、アリール基、及びアリル基を例示することができる。これらは前記金属酸化物の表面において、単独で存在していても良いし、複数以上が組み合わせて存在してもよい。また、疎水基の導入は有機溶剤との相溶性を上げるのみならず、充填材がナノオーダーの場合、その凝集を防止する効果がある。
【0046】
前記金属酸化物の表面に上述した疎水基を形成するためには、所定の表面改質剤を用いて表面処理を行う。前記表面改質剤としては、例えば金属酸化物としてシリカを例にすると、シラノール基との反応性に優れる、クロロ基、メトキシ基及びエトキシ基の少なくとも一つを有する有機ケイ素化合物を用いることができる。
【0047】
具体的には、n−ブチルトリクロロシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリクロロシラン、n−デシルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、n−ドデシルトリクロロシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−へプチルトリクロロシラン、n−へキサデシルトリクロロシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−へキシルトリクロロシラン、n−へキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルメチルジクロロシラン、n−デシルメチルジクロロシラン、ジ−n−ブチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルメトキシクロロシラン、ジ−n−オクチルジクロロシラン、ドコシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、エチルメチルジクロロシラン、n−へプチルメチルジクロロシラン、n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルペンチルジクロロシラン、n−オクタデシルメトキシジクロロシラン、n−オクタデシルメチルジクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、n−デシルジメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、n−オクタデシルジメチルクロロシラン、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、n−プロピルジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチル−n−プロポキシシラン、トリ−n−プロピルクロロシランを例示することができる。
【0048】
また、前記金属酸化物は、その表面に極性基を有することが好ましい。これによって、最終的に得た樹脂組成物における、ポリカーボネートと充填材である前記金属酸化物との相互作用が向上し、前記金属酸化物は前記ポリカーボネートに強固に結合するようになる。その結果、前記樹脂組成物における機械的強度などの諸特性をさらに向上させることができる。
【0049】
極性基としてはアミノ基、エーテル基、エステル基、ニトロ基、シアノ基、エポキシ基などが挙げられ、アルキル基やアリル基、アリール基を主鎖とし、その末端や鎖の途中に前記極性基を導入したものも含む。上記極性基は単独でも良いし、複数を組み合わせて用いることもできる。
【0050】
前記極性基は、前記金属酸化物に対して所定の表面改質剤を用いた表面処理によって導入することができる。例えば金属酸化物としてシリカを例にすると、シラノール基との反応性に優れる、クロロ基、メトキシ基またはエトキシ基のいずれか一つを少なくとも有する有機ケイ素化合物が好ましい。
【0051】
具体的には、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルクロロシラン、4−アミノブチルジメチルクロロシラン、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、10−(カルボメトキシ)デシルジメチルクロロシラン、2−(カルボメトキシ)エチルメチルジクロロシラン、2−(カルボメトキシ)エチルトリクロロシラン、アセトキシエチルジメチルクロロシラン、アセトキシエチルメチルジクロロシラン、アセトキシエチルトリクロロシラン、アセトキシメチルトリエトキシシラン、アセトキシメチルトリメトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]へプタメチルトリシロキサン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、3−メトキシプロピルトリエトキシシラン、3−(2,4ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、(3−シアノブチル)メチルジクロロシラン、(3−シアノブチル)トリクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、3−シアノプロピル(ジイソプロピル)ジメチルアミノシラン、3−シアノプロピルジメチルクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルプロピルジメトキシシラン、3−シアノプロピルフェニルジクロロシラン3−シアノプロピルトリクロロシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、11−シアノウンデシルトリメトキシシラン、ビス(シアノプロピル)ジクロロシラン、(3−グリシドキシプロピル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシランなどを例示することができる。
【0052】
なお、前記金属酸化物の表面には、上述した疎水基及び極性基を同時に存在させることができ、この場合、前記疎水基及び前記極性基の割合は、前記ポリカーボネートを含む有機溶媒相中への分散性及び最終的に得る樹脂組成物中におけるポリカーボネートとの相互作用の度合いなどを考慮して適宜に設定する。
【0053】
また、前記充填材を含む前駆体を準備し、この前駆体を前記ポリカーボネートを含む有機溶剤相中に含有させることもできる。なお、前記前駆体は、ポリカーボネートを重合させる際に用いた有機溶剤中に分散させた状態で、前記有機溶剤相中に含有させることもできる。
【0054】
この場合、前記前駆体は加水分解して金属水酸化物を生じ、この金属水酸化物が縮重合することにより、最終的に得る樹脂組成物中には金属酸化物充填材の状態で存在するようになる。但し、上述したように、金属酸化物を充填材として直接的に用いた場合よりも、前記樹脂組成物中における前記金属酸化物の粒径をより小さくすることができ、前記樹脂組成物の機械的強度などの諸特性をより向上させることができる。
【0055】
前述したような前駆体としては、金属アルコキシドを用いることができる。前記金属アルコキシドは、シリコン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウムの少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの金属からなる金属アルコキシドは比較的安価であり、入手も容易である。またこれらの金属は可視光波長域に吸収を持たないため、得られる樹脂組成物が着色する懸念もない。これら金属の中でもより安価で多種類のアルコキシドが入手可能であり、また縮重合反応の制御が容易なシリコンが特に好ましい。
【0056】
前記金属アルコキシドとしては、式:(RO)nXm−nM(M:金属、RO:アルコキシ基、X:アルコキシ基、水酸基、及びハロゲン基以外の官能基なる分子式を有するものを用いることが好ましい。金属アルコキシドの金属Mが、シリコン、チタニウム、ジルコニウムの何れかの場合、上記式中のmは4、nは4または3である。また、金属アルコキシドの金属Mがアルミニウムの場合、上記式中のmは3、nは3である。アルコキシ基は加水分解して水酸基となり、他の金属アルコキシドと重縮合する。
【0057】
アルコキシ基ROの種類は特に限定されず、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソプトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、へキシルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基、オクチルオキシ基、フエノキシ基などが例示できるが、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基のいずれかである。
【0058】
アルコキシ基の炭素数が5以上では、加水分解の際に生じるアルコールの沸点が高くなり、樹脂組成物中に残留し易く、かつ除去が困難となるためである。また、金属Mの種類によっては金属アルコキシドの反応性が低くなり、容易に加水分解しなくなる場合がある。一方、アルコキシ基の炭素数が小さくなると、反応性が高くなり、金属Mの種類によっては取り扱いが困難になる。
【0059】
特に、金属Mがシリコンの場合はエトキシ基、プロポキシ基、及びイソプロポキシ基の少なくとも一つ、金属Mがアルミニウム、チタニウム、ジルコニウムの場合は、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソプトキシ基、sec−ブトキシ基、及びtert−ブトキシ基の少なくとも一つであることが好ましい。
【0060】
なお、上記金属アルコキシドの分子式における価数nは3又は4でなければならない。n=2の場合は、前記金属アルコキシドは直線状にしか重縮合できないため充填材を形成できず、またn=1の場合は、二量体しか生成されないためである。
【0061】
充填材の前駆体として用いる金属アルコキシドは1種類に限定されず、2種類以上を用いることもできる。このとき、少なくとも一の金属アルコキシドは上述した分子式を有することが好ましい。
【0062】
上述した充填材を含む前駆体においても、少なくともその表面に疎水基及び/又は極性基を有することが好ましい。前記前駆体として、上述のような分子式を有する金属アルコキシドを用いる場合、Xで表される官能基を疎水基及び/又は極性基から構成することができる。
【0063】
前記疎水基としては、アルキル基、アリール基、アリル基が好ましい。このような金属アルコキシドの例として、特に金属Mがシリコンの場合、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、nへキサデシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリェトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0064】
前記極性基としては、アミノ基、エーテル基、エステル基、ニトロ基、シアノ基、エポキシ基のいずれかを有するアルキル基、アリール基が好ましい。このような金属アルコキシドの例として、特に金属Mがシリコンの場合、アミノ基を有するものとしては、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノプチルトリエトキシシランなど、エーテル基を有するものとしては、2−メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、3−メトキシプロピルトリエトキシシランなどを例示することができる。
【0065】
また、エステル基を有するものとしては、アセトキシメチルトリエトキシシラン、アセトキシメチルトリメトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシランなど、ニトロ基を有するものとしては、3−(2,4ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシランなどを例示することができる。
【0066】
さらに、シアノ基を有するものとしては、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、11−シアノウンデシルトリメトキシシランなど、エポキシ基を有するものとしては、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3オエポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシランなどを例示することができる。
【0067】
上述したように、充填材を含む前駆体を用いた場合は、前記ポリカーボネートを含む有機溶媒相に添加することにより、前記前駆体は加水分解して金属水酸化物を生じ、結果的に前記金属水酸化物が縮重合するようになる。しかしながら、選択した前駆体の種類などにおいては、ポリカーボネートを重合後の、前記有機溶媒相に単に添加したのみでは、上述した加水分解を生じない場合がある。このような場合においては、前記充填材を含む前記前駆体を前記ポリカーボネートを含む有機溶剤中に含有させた後、所定の加熱処理を行うことが好ましい。
【0068】
前記加熱処理は、目的とする樹脂組成物を有機溶剤から析出させた後、具体的には、前記樹脂組成物を混練造粒する際に行うことが好ましい。この場合、加水分解時に脱離したアルコールや重縮合時に脱離した水分の除去を簡易に行うことができる。さらには、部品加工時の熱を利用して前記加熱処理を行うことができる。
【0069】
また、前記加熱処理は、前記充填材を含む前記前駆体の加水分解により生じた金属水酸化物の、水存在下での重縮合温度よりも50℃以上高い温度で行うことが好ましい。例えば、前記前駆体として、上述したような分子式の金属アルコキシドを用いた場合、金属Mがシリコンであるテトラエトキシシランでは、水存在下での重縮合温度は130〜140℃の範囲であるので、前記加熱処理は、180〜190℃以上の温度で行う。
【0070】
加熱温度と重縮合温度の差が50℃未満、もしくは重縮合温度の方が加熱温度より高いと、前記前駆体からの金属酸化物の生成が十分行なわれず、脱離したアルコールや未反応の金属アルコキシドが樹脂中に残存し、物性の低下を招く。
【0071】
なお、前記加熱処理における上限温度は特に限定しないが、用いる樹脂の熱分解温度以下であることはいうまでもない。また、加熱時間についても特に限定しないが、好ましくは1〜10分程度の範囲が好ましい。
【0072】
ここで、「水存在下での重縮合温度」とは、酸アルカリなどの触媒が存在せず、水のみが存在する状態で、金属アルコキシドの加水分解により生じる金属水酸化物が、急速かつ完全に重縮合する最低限の温度を意味するものである。
【0073】
前記ポリカーボネートを含む有機溶剤相中に前記充填材を添加した後、有機溶剤相から目的とする樹脂組成物を析出させる。この析出方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、有機溶剤相から溶剤を除去する方法が採用でき、この場合、熱を加えたり減圧下で除去することも可能であり、連続的に溶剤除去と造粒・乾燥を行うことも可能である。また、噴霧乾燥法などのように急速に溶剤を除去する方法も選択可能である。
【0074】
他の方法としては、上記有機溶剤相に貧溶媒を添加混合し、樹脂組成物を沈殿・析出させる方法が挙げられる。貧溶媒としては、アルコール類や脂肪族炭化水素、その他ポリカーボネート樹脂に幾分親和性を有するケトン類やエステル類も用い得るが、充填材に対しても貧溶媒であることが必要である。混合する充填材に合わせて上記の中から適宜選択すればよく、多くの場合アルコール類や脂肪族炭化水素が好ましい。
【0075】
図1には、上述した工程を含む、本発明の方法におけるフローチャートの一例を示す。
【0076】
本発明における樹脂組成物中の充填材の濃度は、0.1〜60重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満では機械的強度などの諸特性の向上が認められ難くなる。60重量%を超えると比重の増加が無視できなくなるばかりでなく、コスト面でも不利となり、また衝撃強度の低下も無視できないものとなる。一般に、ポリマーに充填材を大量に配合すると衝撃強度が減少するが、本発明の樹脂組成物はナノオーダーの充填材が均一分散したものなので、衝撃強度の低下は実用上小さいが、60重量%を超えるとこれが無視できなくなる。より好ましくは1〜30重量%がよい。
【0077】
本発明における充填材の形状は特に限定されず、一般的な略球状だけでなく、直方体や板状、繊維のような直線形状、枝分かれした分岐形状、なども用いることができる。
【0078】
また、本発明における充填材の大きさは特に限定されないが、ポリマーナノコンポジットとして目的とする性能を発現させるためには、少なくとも一辺がナノオーダーであることが必要である。ここで、「少なくとも一辺がナノオーダー」とは、充填材の形状が、略球状ならその直径、直方体や板状ならいずれかの少なくとも一辺、繊維のような直線形状や枝分かれした分岐形状ならその太さ断面の少なくとも短径がナノオーダーであることを意味する。
【0079】
ここでいう「ナノオーダー」の範囲は特に限定されないが、物性の向上代、分散のし易さ、入手の容易さ、コスト面などから0.1〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜100nmがよい。
【0080】
前述した通り、ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性とともに透明性に優れたエンジニアリングプラスチックである。充填材の長径を可視光波長である380nm以下とすることで、充填材による可視光の散乱はほとんどなくなり、透明性を犠牲にすることなく優れた物性を有する樹脂組成物を得ることができる。ここで「長径」とは、充填材の形状が、略球状ならその直径、直方体や板状ならいずれか一辺の内最も長い辺の長さ、繊維のような直線形状や枝分かれした分岐形状ならその最も長い線分の長さを指す。より好ましくは長径が100nm以下がよい。
【0081】
(成形体及び部品)
上述した方法により作製された本発明の樹脂組成物は、透明性や衝撃強度を犠牲にすることなく剛性の向上を実現し、また熱膨張率が低く、高温時にソリなどを抑制し得るという特性を兼ね備えているため、これらの機能が要求される部材に好適であり、例えば、内装材では計器盤の透明カバー並びに外装材では窓ガラス(ウィンドウ)やヘッドランプ、サンルーフ及びコンビネーションランプカバー類などの、自動車や家電そして住宅に用いられる透明部材・備品に適している。
【0082】
特に、本発明の樹脂組成物は、軽量化と成形の自由度が要求される無機ガラス代替用途としての樹脂製ウィンドウ(特に、熱線付き樹脂製ウィンドウ);車両用内外装部品成形体及び車両用外板;樹脂製ワイパーシステム;樹脂製ドアミラーステイ;樹脂製ビラー;樹脂成形体;樹脂製ミラー;樹脂製ランプリフレクター;樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース;樹脂製冷却装置部品;大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体;一の部品に異なる2種以上の機能が付与される一体成形部品;可動部と非可動部を有する成形体;ならびに炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器などの用途において、その効果を有効に発揮できる。
以下、本発明の樹脂塑性物の用途について詳述する。
【0083】
<車両用内外装部品成形体及び車両用外板>
本発明に係る樹脂組成物用途の一つとしては、車両用内外装部品成形体及び車両用外板を挙げることができる。本発明の樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、さらに高耐熱性であり、熱膨張率が低く、熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、車両用の内外装部品成形体や車両用外板の用途に好適である。
【0084】
図2及び図3(a)は、セダン系自動車のリアサイドからの外観斜視図であり、図3(b)は、前記セダン系自動車の平面図である。車両用の内外装部品成形体としては、図2に示すような、ドアモール1、ドアミラーのフレーム枠2、ホイールキャップ3、スポイラー4、バンパー5、ウインカーレンズ6、ピラーガーニツシュ7、リアフイニツシヤー8、ヘッドランプカバー(図示せず)等を例示することができる。車両用外板としては、図3(a)や図3(b)で示すような、フロントフェンダー21、ドアパネル22、ルーフパネル23、フードパネル24、トランクリッド25、バックドアパネル(図示せず)等を例示することができる。
【0085】
<樹脂製ワイパーシステム、樹脂製ドアミラーステイ及び樹脂製ピラー>
本発明の樹脂組成物の用途の一つとして、樹脂製ワイパーシステム、樹脂製ドアミラーステイ及び樹脂製ピラーを挙げることができる。上述したように、本発明の樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、さらに高耐熱性であり、熱膨張率が低く、熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、ワイパーシステム等のような視界の向上が要求される部品の用途に好適である。
【0086】
従来のワイパーシステムは、黒色塗装仕上げの鋼鉄と黒色のゴムで構成され、低速作動時に視界が妨げられるという課題があった。また、従来のドアミラーステイは、外板と同色もしくは黒色塗装仕上げの樹脂製であり、右左折時の視界が妨げられるという課題があった。また、従来のビラーは鋼鉄製であり、フロントビラー、センタービラーは通常走行時や右左折時、リアビラーは後方移動時や後方確認時に視界が妨げられるという課題があった。
【0087】
これらの部品に透明な樹脂材料を使用できれば視界は向上するが、高い剛性や耐熱性、熱時/成形時の寸法安定性も要求されることから、従来の透明樹脂材料では実現が難しかった。これに対して、透明性に優れ、高剛性、低熱膨張率、低熱収縮率を有する本発明の樹脂組成物を上記したような透明材として用いることで、これらの課題が解決可能となり、透明な上記部品が得られる。これらの部品の透明化は視界向上だけでなく、意匠性の向上にも寄与できると期待される。
【0088】
本発明のワイパーシステムの一実施態様を、図4に模式的に示す。図4に示されるように、ワイパーシステム30は、ワイパーアーム31とワイパーブレード32から構成され、ワイパーアーム固定用ナット穴33を中心として半弧を描くように作動する。ワイパーブレード32は、弾性を有する支持部品と軟らかいゴム部品とから構成されている。
【0089】
本発明のワイパーシステムにおいては、ワイパーアーム31とワイパーブレード32の支持部品の少なくとも一つに本発明の樹脂組成物を透明材として用いたものである。なお、本発明のワイパーシステムにおけるワイパーブレード32のゴム部品については、耐久性が高く比較的透明性の高いシリコンゴム等を用いるのが好ましい。また、ワイパーブレード32の支持部品は、本発明の樹脂組成物に適量のアクリルゴム成分を加えた樹脂−ゴム混合組成物を用いて調製してもよい。これによって、ワイパーブレードの支持部品に適度な弾性を与えることができるからである。
【0090】
このような樹脂−ゴム混合組成物としては、例えば、本発明の樹脂組成物100質量部に対して、アクリルゴム成分(アクリル酸エチル、アクリル酸プチルやその共重合体等で、例えば日本ゼオン株式会社製Nipol AR31がある)を1〜30質量部添加したものがある。
【0091】
ドアミラーステー及びピラーに対しては、本発明の樹脂組成物のみを透明材として用いてもよいが、例えば、本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は、少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層(1層以上)にも前記樹脂組成物から成る層を設けることができる。このように多層積層体とすることで、本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。
【0092】
多層積層体を用いる場合の各層の厚さは、最終的な成形品の厚さと積層数から至適な厚さを選択することができる。このような多層積層体とする場合の他の樹脂材料としては、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン/メチルメタアクリレート共重合体等がある。
【0093】
また、製造方法や構成は特に限定されず、それぞれ単独の部品としてもよいし、例えば、ドアミラーステー及びフロントピラー、あるいは各ピラー及び樹脂ルーフパネルを、後述する一体成形体の製造方法等によって一体化してもよい。
【0094】
<樹脂成形体>
本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとしては、透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする。本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性、透明性、耐衝撃性にも優れるため、透明部と不透明部を併せもつ部品の用途に好適である。透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の樹脂組成物を含んで成る樹脂成形体を適用してなる例として、自動車部品を例に説明する。
【0095】
自動車には、例えば、各種ランプ類やカバー、ガラスのような透明な部品と、例えば、外板や各種内装部品のような不透明な部品が混在している。これらの部品にはそれぞれ透明性、剛性、耐熱性、低線膨張率、低成形収縮率、耐薬品性等、異なる様々な特性が要求されるため、従来、樹脂材料ではこれら透明な部品と不透明な部品の一体化は難しかった。
【0096】
これに対して、高剛性、高耐熱性、低線膨張率、低成形収縮率、高耐薬品性という特徴を有する本発明の樹脂組成物を少なくとも透明材として使用することで、これらの課題が解決可能になる。さらに、透明な部品と不透明な部品を一体成形することにより部品点数及び工程数の削減、部品重量の低下が可能になる。また、数種の部品を一体で形成できるため、従来分割されていた外形線が一つの連続するラインで形成できることから、部品外観の向上が図れる。
【0097】
例えば、透明性を必要とするヘッドランプは、その周囲に存在するバンパ、フロントグリル、フェンダ、フードといった別々の(透明又は不透明な)部品と接している。これら透明部・不透明部を一体成形することにより部品点数の削減が可能である。さらに、従来は個々の部品を一つずつ組みつけていたが、一体化された部品一つを組み付ければよいため、組み立て時の工程数も削減できる。
【0098】
また、本発明の樹脂組成物は、高い耐熱性を有するため、ランプの熱源が近くても樹脂が溶けてしまうなどの問題も発生しない。従来のヘッドランプは、ポリカーボネート樹脂製でできており、耐光性が低く、太陽光に暴露されると黄変するため、表層にコーティングしなければならなかったが、本発明の材料(樹脂組成物)を用いることにより、このような課題も解決される。
【0099】
また、例えば、透明性を必要とする自動車用ガラスには、ドアに付属するサイドガラスとバックドアガラス、リアフェンダーとルーフに接着してあるリアクウォーターガラスとリアガラス等がある。本発明の樹脂組成物を少なくとも透明部に用いることにより、これらとガラスとの一体成形部品を得ることができる。例えば、サイドガラスとバックドアガラスとは、ドアアウターとドアインナーとの間にガラスが配置されているが、本発明の材料(樹脂組成物)を用いて内部に中空部を形成することにより、ドアアウター・ドアインナー・ガラスを一体型でかつ同時に成形することができ、部品点数を削減することができる。
【0100】
さらには、予めドアアウターとドアインナーとを用いて内部に中空部を形成させ、前記中空部に本発明の樹脂組成物を流し込むことで、ドアアウター・ドアインナー・ガラスを一体的に成形することができる。なお、ドアロック、ワイパーモーター等は後工程で部品の中空部に設置する。同様にして、ピラーガーニツシュとリアクウォーターガラスとを一体化することもできる。
【0101】
また、例えば、本発明の材料(樹脂組成物)が持つ透明かつ高強度・高剛性の特徴を利用して、構造用部品の部分的な透明化にも適用できる。例えば、ルーフの一部に本発明の樹脂組成物を用いると前記部分を透明にすることができる。したがって、ガラス製サンルーフを設けなくとも透明なルーフを得ることができる。このように、本発明の樹脂組成物を使用することによって、樹脂成形体の一部が透明部であり他の部分が不透明部である、高強度・高剛性を保持した構造用部品を形成することもできる。なお、不透明部は着色していてもよい。
【0102】
図5は、ワゴン車のリアサイドからの外観斜視図である。図5に示すワゴン車は、透明部と不透明部とを有する樹脂成形体である、ランプフード・フェンダー一体樹脂成形体41、ピラーガーニツシュ・ガラス一体樹脂成形体42、ルーフフェンダ・ガラス一体樹脂成形体43、バックドア・ガラス一体樹脂成形体44及びドア・ガラス一体樹脂成形体45等を有している。本発明の樹脂組成物は、これらの樹脂成形体の透明部に適用することができる。例えば、ランプフード・フェンダー一体樹脂成形体41のランプフードなどに適用することができる。このように本発明の樹脂組成物を用いれば、部品点数を削減することができ、部品取り付けの工程数を削減することができる。
【0103】
図6は、透明樹脂部と不透明樹脂部とを一体で成形したインストルメントパネル及び計器類のカバーを示す模式図である。前記透明樹脂部に対して本発明の樹脂組成物を適用するようにすれば、前記透明樹脂部と前記不透明樹脂部とを一体的に成形できるため、予めインストルメントパネル51と計器類のカバー52とを同時に(一体的に)成形しておき、インストルメントパネル51に数種の部品を集約することで、部品点数を削減し、かつ軽量化を図ることができる。
【0104】
なお、透明部と不透明部とを有する樹脂成形体において、着色した不透明部の樹脂成形体を得るには、着色した原料樹脂を用いる方法、不透明部に塗装又は印刷して着色する方法、又は不透明樹脂として着色シートを使用する方法等がある。
【0105】
着色した原料樹脂の調製方法としては、原料樹脂に予め顔料を分散させておく方法の他、原料樹脂ペレットと顔料ベレットを同時に溶融・混練させ、射出成形機を用いて金型内に射出して着色樹脂を得る方法がある。前記着色樹脂を用いて前記樹脂成形体を製造するには、前記着色樹脂を含む前記金型を開き、又は溶融樹脂通過経路を新たに作製して、別のシリンダを用い、前記金型の空隙部に透明溶融樹脂を射出すればよい。これによって透明部と着色した不透明部とを有する樹脂成形体を製造することができる。なお、不透明樹脂を先に射出するか透明樹脂を先に射出するかはどちらでも良い。
【0106】
塗装又は印刷により着色した不透明部を形成するには、予め透明樹脂を溶融して目的の樹脂成形体を形成し、その後前記樹脂成形体の表面あるいは裏面から塗装あるいは印刷を施して、着色及び不透明性を確保する。溶融樹脂の賦形前に塗装又は印刷を施し、その後に賦形することもできる。
【0107】
不透明樹脂として着色シートを使用する場合には、予め着色された不透明シートを予備賦形し、次いで、金型内に配置する。次いで、溶融透明樹脂を前記金型内に注入し、冷却固化した後に前記金型より取り出せば、本発明の樹脂成形体を得ることができる。
【0108】
また、上記方法によれば、例えばルーフフェンダ・ガラス一体樹脂成形体として、ガラス部が透明部であり、ルーフとフェンダとが不透明である樹脂成形体に限られず、ガラスの上部とルーフの一部とが透明部であり、フェンダとガラス及びルーフの残部とが不透明の樹脂成形体とすることもできる。
【0109】
更に、本発明の透明部と不透明部とが一体成形された樹脂成形体は、本発明の樹脂組成物のみ(一部、顔料等により着色する場合を含む)によって構成できるが、例えば、本発明の樹脂組成物と他の樹脂とを積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。このように多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。なお、多層を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さは、樹脂成形体の用途に応じて適宜選択することができる。
【0110】
<樹脂ウインドウ、樹脂製ミラー、樹脂製ランプリフレクター、樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース、樹脂製冷却装置部品>
本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとしては、前記樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする樹脂製ウィンドウ、特に好ましくは熱線付き樹脂製ウィンドウ、樹脂製ミラー、樹脂製ランプリフレクター、樹脂製エンジンルーム内カバー及びケース、樹脂製冷却装置部品である。
【0111】
本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性、透明性にも優れるため、例えば樹脂製ウィンドウや樹脂製ミラー、ランプリフレクター、エンジンルーム内カバー及びケース等の部品の用途に好適であり、部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。更に本発明の樹脂組成物を透明材として用いることで、透明性が要求される部品の材料代替が可能になり、防曇性や視界の向上が図られる。
【0112】
図7は、本発明に係る樹脂製ミラー、樹脂製ウィンドウを示す説明図であって、これらの車両用部品の位置を解説したセダン系自動車の平面図である。例えば、図7に示すように、リアウィンドウ63、ドアウィンドウ(サイドウィンドウ)62、フロントウィンドウ61などの樹脂製ウィンドウは、防曇機能を付与するため、成形体の内部あるいは表面に加熱可能な熱線ヒータを設けることがある。このような場合では、ウィンドウは、風雨を防ぐための部品として、図7のように車両の前面と後面そして側面のドアに設置されるが、その使用面積は3〜4m2と大きく、また、従来の無機ガラスの場合では、重量が30〜35kgと重いため、本発明の樹脂組成物を使用することにより、軽量化が期待できる。
【0113】
また、従来の透明樹脂材料を用いた場合には、熱線ヒータによる樹脂材料の耐熱性や熱膨張が課題となるが、本発明の樹脂組成物は加熱時/成形時の寸法安定性に優れるため、本発明の樹脂組成物を用いるとこれらの問題がない。さらに、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するので、図7におけるようなフロントウィンドウ61、ドアウィンドウ62、リヤウィンドウ63等の大型部品に応用可能で軽量化することができる。
【0114】
なお、熱線ヒータの形成方法としては、特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、フィルム化された熱線部をインサート成形する方法や、室内側表面に熱線部を蒸着・塗布・印刷法等により形成する方法等が挙げられる。また、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するので、フロントウィンドウ、ドアウィンドウ、リヤウィンドウ等の大型部品にも適用可能で、軽量化が可能となる。
【0115】
また、本発明の透明樹脂を用いて樹脂製サイドミラー64(図7参照)を製造すると、従来のガラスや透明樹脂を用いた場合に比べ軽量化ができ、これに熱線ヒータを設ければ防曇機能を付与することも可能になる。図7に示したサイドミラー以外にも車室内のルームミラー等にも適用可能である。
【0116】
上記したように、本発明の樹脂組成物は、透明性や衝撃強度を犠牲にすることなく剛性の向上を実現し、また熱膨張率が低く、高温時にソリなどを抑制し得るという特性を兼ね備えているために、安全性と機能面で解決すべき課題があるためまだ本格的な採用までには至っていなかったウィンドウやミラーなどの様々な用途にも適用することができる。これにより、従来要望の高かった車両の軽量化及びデザインの自由度の拡大が達成できる。
【0117】
また、近年、ワンボックス型のRV車の普及が目覚しくウィンドウの占める割合が増大してきており、軽量化と乗員の視認性と快適性向上から、ウィンドウの樹脂化に対する要求は益々強くなってきている。本発明の樹脂組成物により成形される透明樹脂製ガラスは、これら自動車用ウィンドウに要求される機能を備えており、車両の軽量化と快適性向上に貢献できるものである。なお、上記記載の樹脂ウィンドウ以外でも美観、平滑性、透明感等の外観品質が要求され、かつ高剛性や表面の耐擦傷性を求められる用途、例えば、建造物の外装材、内装材、鉄道車両の内装材等にも使用できる。
【0118】
また、図8に自動車ランプの横断面図を示す。図8に示すように、車体側基体71に固定されたアウタ部材72の内部にリフレクター73が配置され、リフレクター73にはバルブ74と光軸調整器75が連結され、アウタ部材72は、さらにアウタレンズ76が嵌合されている。従来の樹脂材料を用いてリフレクター73を構成すると、耐熱性・線膨張率・線膨張異方性に劣る場合があったが、本発明の樹脂組成物を用いることで、これらの課題が解決できる。特に、本発明の樹脂組成物は高い剛性を有するため軽量で高耐熱性が確保でき、かつ寸法安定性と表面平滑性に優れるランプリフレクターとすることができ、ヘッドランプ、フオグランプ、リアコンビランプ等のリフレクター、又はヘッドランプのサブリフレクター等に好適に使用できる。
【0119】
なお、反射部の形成方法としては、例えば、前記部材を製造する際に反射膜をインサート成形する方法や、前記部材を射出成形・プレス成形により成形した後に、前記反射部に蒸着膜を形成させる方法等がある。
【0120】
また、本発明の樹脂組成物を使用して、エンジンルーム内カバー及びケースに応用することができる。エンジンルーム内を図9及び図10に示す。本発明の樹脂組成物は透明性、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れるため、温度条件の厳しいエンジンルーム内において使用可能で、かつ軽量な部品とすることができる。このような部品としては、例えば、ラジエーター81、冷却液リザーブタンク82、ウォシヤータンクインレット83、電気部品ハウジング84、ブレーキオイルタンク85、シリンダーヘッドカバー86、エンジンボディー91、タイミングチェーン92、ガスケット93、フロントチェーンケース94などがある。しかも、本発明の樹脂組成物は透明であるため、上記ウォッシヤータンクインレツト、電気部品ハウジング、ブレーキオイルタンク、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー等のタンクあるいはカバー内の視認性を向上させることができる。
【0121】
本発明の樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れたより軽量な部品とすることができることから、自動車エンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品用途に好適に使用される。このような樹脂製冷却装置部品を図11、12に示す。例えば、図11に示すウォータパイプ101、O−リング102、ウォータポンプハウジング103、ウォータポンプインペラ(羽車)104、ウォータポンプ105、ウォータポンププーリ106、図12に示すウォータパイプ111、サーモスタットハウジング112、サーモスタット113、ウォータインレット114等のラジェタータンクのトップ及びベースなどのラジェタータンク部品、冷却液リザーブタンク、バルブなどの部品が挙げられる。前記樹脂組成物を使用すると軽量化、耐薬品性向上、燃費向上が図られるため、その実用価値が高い。
【0122】
なお、本発明の上記各部品は、本発明の樹脂組成物のみでも構成できるが、例えば本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。なお、各層を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さなどは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0123】
<中空構造及び/又は密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体>
本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとして、前記樹脂組成物を含んで成る、大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有する樹脂一体成形体を例示することができる。上記のように、本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、例えば、ドアやルーフ、フード等のような中空構造を有する部品の用途に好適である。本発明の樹脂一体成形体としては、自動車の外板及び内外装部品が好ましく挙げられる。
【0124】
この際、自動車の外板及び内外装部品は、鋼板と樹脂パネルより構成され、かつ部品内部に補機等を装着する中空構造を有している部品が多い。例えば、側面ドア及びバックドアは、外側及び内側を中空構造を有する銅板で構成し、塗装を経て組み立て工程で内側銅板に樹脂パネルを取り付け、中空構造内に各種補機等を取り付けている。また、ルーフ、フード、トランクリッド、バックドア等は、外板及び補強レインホース等を鋼板で構成し、塗装後に内側に樹脂部品を取り付けている。これらの中空構造を有する部品は大型であり、剛性や寸法安定性も要求されるため、従来の樹脂材料では一体成形が難しかった。しかしながら、高剛性、低熱膨張率、低熱収縮率を有する本発明の樹脂組成物を使用すると一体成形が可能となり、これらの部品の部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0125】
上述した樹脂一体成形体は、本発明の樹脂組成物のみでも構成できるが、例えば、本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる。多層積層体を構成する他の樹脂の種類や各層の厚さなどは、使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0126】
前記樹脂一体成形体は、最表面層に表皮材、意匠印刷層等の加飾層を設けることで意匠性、触感、質感を高め商品性を向上することができるため、一体成形体の最表層が加飾材で構成されることが好ましい。例えば、起毛シート、エンボス紋様シート、レーザー紋様シート、木目調シート等の表皮材を最表面層に設けた成形体は、ルーフ室内側、ピラーガーニッシュ類、インストルメントパネル等に用いることができる。前述の多層積層体を用いた場合には、意匠印刷層はその中間層に設けてもよく、表層を透明材とすることで光沢感、深み感を高めることができる。
【0127】
本発明の中空構造を有する一体成形体において、中空構造は、気体、液体若しくは固体、又はこれらの2種以上からなる混合物が充填、封入されることが好ましい。これによって、前記一体成形品の断熱性能、遮音性能を向上させることができるからである。
【0128】
具体的な充填・封入材料としては、特に制限されず、公知の充填・封入材が使用できる。例えば、透明性が要求される場合には、窒素、アルゴン、二酸化炭素、空気等の気体が好ましく、透明性が要求されない場合には、前述の気体の他、封入時の加熱で液状を示しかつ封入後の常温では固体状になるパラフィン、ワックス等が好ましい。
【0129】
上記封入材により、夏期には車室内から冷熱の逃げ、外気の高熱の侵入を抑制することができ、冬期には温熱の逃げ、外気の冷熱の侵入を抑制して快適な車室内環境を維持できる。また二重壁で内に中空部を有する構造により、外部からの騒音エネルギーを緩和、あるいは吸収し静粛な車室内環境を達成できる。また、フードに本発明の樹脂一体成形体を適用することでエンジンルームからの放射音、放射熱を低減できる。
【0130】
本発明の中空構造を有する一体成形体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法が適用できるが、例えば、一般的な真空圧空成形法、射出成形法、ブロー成形法、プレス成形法等を用いることができる、また、例えば、下記第一から第三の方法が好適に用いられる。
【0131】
第一の方法としては、加圧流体導入経路を備えたホルダーに、2枚の本発明の樹脂組成物よりなる樹脂シートを固定し、公知の方法でホルダーをシールして2枚のシート間に密閉空間を形成する。各シートを荷重たわみ温度以上に加熱し、開放状態の金型に挿入した後に、軟化したシートの外周部を金型で押圧して溶着する。この際、外周部を溶着する前あるいは溶着する間、又は溶着した後に、好ましくは溶着する前又は溶着した後に、2枚のシート間の密閉空間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/又は拡張後、金型を閉状態にして成形体が冷却するまで加圧流体圧を保持し、これにより中空構造を形成する。
【0132】
好ましくは、真空引き孔を設けた金型を用い、シート拡張時に真空吸引を併用して、金型面とシートとの密着性を高める。真空吸引を用いることによって、得られる一体成形体の転写性を向上できる。すなわち、前記樹脂一体成形体の代表的な1つの製造方法としては、本発明の樹脂組成物を含んでなる樹脂シート2枚を加熱し、これを開状態の金型に挿入し、シート外周部を押圧し、外周部を溶着する前あるいは溶着した後にシート間に加圧流体を注入し、シートを拡張しつつ/又は拡張した後に、金型を閉状態にし、加圧流体圧を保持し中空構造を形成する。
【0133】
第二の方法としては、閉状態の金型内に溶融した本発明の樹脂組成物を充填しつつあるいは充填した後、前記金型を後退して、キヤビティ容積を拡大しつつ溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。すなわち、閉状態の金型内に溶融した本発明の樹脂組成物を充填しつつ/又は充填後、キヤビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入して、中空構造を形成するものである。
【0134】
第三の方法としては、金型片面のキヤビティ面に本発明の樹脂組成物よりなる樹脂シートを1枚インサートし、背面に溶融樹脂を充填しつつ、あるいは充填後に金型を後退しキヤビティ容積を拡大しつつ溶融樹脂内部に加圧流体を注入し中空構造を形成する方法、あるいは2枚の樹脂シートを用い金型両面のキヤビティ面にシートをインサートし、シート間に溶融樹脂を充填しキヤビティ容積を拡大し加圧流体を注入し中空構造を形成する方法である。すなわち、開状態の金型キヤビティ面に本発明の樹脂組成物を含んでなる樹脂シートを1枚もしくは2枚インサートし、金型を閉状態で前記1枚のシートの背面あるいは前記2枚のシート間に溶融樹脂を充填しつつ又は充填した後、キヤビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入し中空構造を形成するものである。
【0135】
上記態様において、シート間あるいはシートの背面に充填される樹脂の種類は、本発明の樹脂組成物からなるシートと密着する樹脂であれば特に制限されないが、好ましくは、前記シートを構成する本発明の樹脂組成物と接する樹脂と同種の樹脂、又は本発明の樹脂組成物とSP値が近いものが使用される。このような充填樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、熱可塑性ポリウレタン樹脂等が挙げられ、特にポリカーボネート樹脂を使用することが好ましい。
【0136】
前記ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAに代表される二価のフェノール系化合物から誘導される重合体で、ホスゲン法、エステル交換法、あるいは固相重合法のいずれにより製造されたものでもよい。更に、従来からあるポリカーボネート樹脂の他にエステル交換法で重合したポリカーボネート樹脂でもよい。
【0137】
また、上述した加圧流体の種類についても特に制限されず、樹脂シートの成分等を考慮して公知の加圧流体から選択することができる。例えば、空気、窒素ガス等の気体、水やシリコンオイル等の液体などが好ましく使用される。
【0138】
本発明の中空構造を有する樹脂一体成形体の適用部品としては、図13、14に示すように、例えば、フード121、ドア122、バックドア123、ルーフ124、フェンダー125、ウィンドウ126、トランクリッド127、センターコンソールボックス131、ビラーガーニツシュ132、インストルメントパネル133、ヘッドライニング(図示せず)等を挙げることができる。これらの部品はインナー/アウター及び付帯する部品やレインホース等を同時かつ一体的に成形することができ、部品数の低減及び工程数を短縮することができる。
【0139】
更に中空部に気体、液体、固体あるいはこれらの混合物を封入することで、断熱性能、遮音性能等の付加的な機能を付与することができる。例えば、フードではレインホースとの一体化や遮音・遮熱機能の付与が可能であり、ルーフではヘッドライニングとの一体化や断熱・遮音機能の付与が可能であり、ドアやフェンダーではインナー/アウターの一体化が可能である。
【0140】
<2種類以上の機能を有する一体成形部品>
本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとしては、前記樹脂組成物を含んで成る、異なる機能を有する2種類以上の部品を統合することを可能にし、単一の部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品である。ここに異なる機能とは、例えば、インストルメントパネルのような表示機能、エアコンダクトなどのような通風機能、ルーフレール等の固定機能などをいう。
【0141】
本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性、耐薬品性等の多彩な機能を有するため、種々の機能の確保が期待される部材に応用することができ、これらを一体成形することで異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、単一の部品に2種類以上の機能が付与された一体成形部品とすることができる。これによって大型部品の一体化、いわゆるモジュール化やインテグレーション(統合化)に好適であり、高品質を維持しながら部品点数、工程数、重量の低減が可能になる。
【0142】
例えば、大型内装部品であるインストルメントパネルは、現在、パネル部とエアコンのエアダクトやケース、クロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)などとを別々に作り、これらを車の製造ラインで組み立てている。従来の樹脂材料でパネル部とエアコンのエアダクトやケースとを一体成形しようとすると、得られる成形部品は大型化し、かつ複雑な形状を有するようになるため、成形収縮によるヒケや歪み、熱時の膨張などが課題となるが、本発明の樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。
【0143】
また、本発明の樹脂組成物は上記したように高耐熱性を有し、加熱時/成形時の寸法安定性に優れているので、本発明の樹脂組成物を含んで成る一体成形部品であるインストルメントパネルは、図15に示すように、パネル部141とエアコンのエアダクトやケース142を一体成形により部品全体を構造体とすることが可能で、従来スチールが使用されているクロスカービーム(ステアリングクロスメンバー)を廃することが可能である。
【0144】
さらに、本発明の樹脂組成物を用いることで、スチールでは後付けする必要があったブラケット等も一体成形可能となる。また、一体成形時に金型内に表皮材等の加飾材を投入しインサート成形することにより、加飾材との一体成形も可能になる。同様の効果は、例えば、ドアに適用した場合でも得られる。現在のドアインナーパネルはスチール製が主で、ここにサイドウィンドウ用のガイドレールやレギュレータ、ドアロック、スピーカ等の各種部品が製造ラインで組み付けられる。本発明の樹脂組成物を用いることでドアインナーパネル、ガイドレール、スピーカハウジング等を一体成形部品とすることができる。
【0145】
図16に本発明の一体成形部品の他の例を示す。図16に示すように、大型外装部品であるルーフレール151を例にすると、前述した本発明の樹脂組成物製のルーフパネル152との一体成形が可能となる。ルーフレールは重量がかかり、また温度的にも厳しい環境で使用されるため、従来の樹脂材料では特に剛性と耐熱性(耐寒性を含む)が課題となっていた。しかしながら、本発明の樹脂組成物を用いることで、このような課題が解決可能となる。同様の効果は、例えば、スボイラーに適用した場合でも得られ、前述した本発明の樹脂組成物製のトランクリッドとの一体成形が可能である。
【0146】
また、図17に示すように、大型車体部品であるラジエタコアを例にすると、現在フロントエンドモジュールとして樹脂製のラジエタコアが世に出つつあるが、本発明の樹脂組成物を用いることで更に耐熱性、耐薬品性、剛性強度に優れた、より軽量な部品とすることができ、又はンシュラウドやブラケット等も一体成形可能となる。また、本発明では、樹脂組成物を透明材として用いることも可能であり、このような場合には、例えば、ラジェタのリザーバタンク、ヘッドランプカバー等の透明部材を含めて一体成形することも可能である。さらに、従来は別体であったバンパ補強材をも含めて一体成形することも可能となる。
【0147】
また、エンジンルーム内部品であるエアクリーナーやスロットルチヤンバー等を例にすると、耐熱性と耐薬品性に優れ、低熱線膨張の本発明の樹脂組成物を用いることで、これらの一体成形が可能となる。従来よりこのような一体化は試みられているが、エンジンルーム内は高温かつオイル等の薬品による厳しい環境であり、従来の樹脂材料ではこの対策が課題になるが、本発明の樹脂組成物を用いることでこのような課題が解決可能となる。同様の効果は、インテークマニホールドやシリンダヘッドカバーに適用した場合でも得られ、前述の部品とともに一体成形することも可能である。
【0148】
本発明の一体成形部品は、本発明の樹脂組成物のみでも構成できるが、本発明の樹脂組成物を他の樹脂材料と積層した多層積層体で構成することも可能である。このような多層積層体は少なくとも本発明の樹脂組成物から成る層を一層以上含んでいればよく、好ましくは積層体の最表面層と最下層、更に好ましくは中間層にも前記樹脂組成物層を設けることができる。多層積層体とすることで本発明の樹脂組成物のみでは発現できないような付加機能をも付与することが可能となる
【0149】
<可動部と非可動部とを有する成形体>
本発明の樹脂組成物は、高剛性、高耐熱性であり、加熱時/成形時の寸法安定性にも優れるため、例えば、スロットルチヤンバーのような可動部と非可動部を有する部品の用途に好適である。したがって、本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとして、本発明の樹脂組成物を含んで成る可動部と非可動部とを有する成形体を例示することができる。
【0150】
自動車の吸排気系部品やエアコンユニット内には、可動部と非可動部とを有する部品が多数用いられている。これらの部品は、主に空気などの気体の流れを制御するためのものであり、非可動部として気体の流路となる、即ち、流動気体を導入する筒状の部品(成形体)と、可動部としての、気体流動を制御する開閉可能な蓋から構成され、例えば、スロットルチヤンバーやエアコンユニット内の各ドアが挙げられ、これらの部品では気密性が重要となる。
【0151】
従来の樹脂材料を用いてこれらの部品の筒状部分と蓋部分を成形しようとすると、成形収縮率や熱膨張率が大きいため、寸法精度が上げられず、開閉部分の気密性が課居であった。また、特にエンジンルーム内の部品に適用する場合、耐熱性も要求されるため、この点も課題となった。しかしながら、低熱膨張率、低熱収縮率、高耐熱性を有する本発明の樹脂組成物を用いることで、これらの課題が解決可能となり、気密性に優れた部品とすることができる。また、本発明の樹脂組成物は高剛性であるため、これらの樹脂組成物を用いることにより、部品の軽量化とそれによるレスボンスの向上が可能となる。
【0152】
本発明の可動部と非可動部を有する成形体の製造方法は、特に制限されず公知の方法が使用できる。本発明の可動部と非可動部を有する成形体は、例えば、射出成形法を用いて可動部と非可動部を別々に成形した後、これらを組み立てる方法を使用してもよいが、例えば、二色成形法等の方法で可動部と非可動部を一体成形することが好ましい。これによって、気密性がより向上し、また工程数や部品数の低減が可能になるためである。図18に示すスロットルチヤンバーを例に取ると、例えば、下記方法で製造可能である。
【0153】
スロットルチヤンバーは、非可動部である筒状のチャンバー部171と、可動部である開閉バルブ172及び開閉バルブシャフト173とを有する。まず、二色成形用金型内に、開閉バルブ用金属製シャフトをセットし、次いで、円筒状のチヤンバーを射出成形し、次いで円盤状の開閉バルブを成形するためにスライドコアを後退させて円盤状の開閉バルブを射出成形する。このとき金属製シャフトと円盤状の開閉バルブとが一体化される。本発明によれば、可動部が気体流動を制御する開閉蓋であり非可動部が流動気体を導入する筒状成形品である場合にも、好ましく応用することができる。
【0154】
<炭化水素系燃料収納用の部品又は容器>
本発明の樹脂組成物は、炭化水素系燃料の遮断性、ガスバリア性、耐薬品性に優れるため、炭化水素系燃料を収納する部品又は容器、炭化水素系燃料を収納する部品又は容器、例えば、燃料タンク等の炭化水素系燃料を収納する車両用の一連の燃料系部品、灯油容器等の家庭用品の用途に好適である。したがって、本発明に係る樹脂組成物の用途の一つとして、本発明の樹脂組成物を含んで成る炭化水素系燃料を収納する部品あるいは容器を例示することができる。
【0155】
図19に、前述した炭化水素系燃料の収納容器の一例として、自動車等の車両における樹脂製燃料タンクを示す。フイラーチューブ181を介して炭化水素系燃料であるガソリンが燃料タンク182に注入・貯蔵され、次いで、前記ガソリンが燃料ポンプ183によりエンジン(図示せず;符号184としてのみ表示する)に圧送される形式の燃料系システムとなっている。
【0156】
図19に示す樹脂製燃料タンクにおいて、本発明の樹脂組成物が適用できる部品としては、燃料タンク本体182、フイラーキャップ185、ペントチューブ186、フューエルホース187、フューエルカットオフバルブ(図示せず)、デリバリーパイプ(図示せず)、エバポチューブ(図示せず)、リターンチューブ(図示せず)、フューエルセンダーモデュール(図示せず)等が挙げられる。
【0157】
燃料タンク本体はこれら車両の燃料系システム部品の中で最大規模の部品である。近年においては、燃料タンク本体を樹脂化する試みがなされ、部品形状の自由度増の効果により、金属製の燃料タンク本体に比較して、貯蔵燃料量が約10リットルほど増大させることができ、重量を25%程度軽減することができた。このような利点から燃料タンクの樹脂化への期待が一層高まっている。
【0158】
ここで、燃料タンクの樹脂化の現状と課題について詳述する。従来から、母材樹脂としてオレフイン系のHDPE(高密度ポリエチレン)が使用され、その工法として吹き込み法で成形が行われてきた。これらの材料と工法には大きな変化はなかったが、タンクの層構造は大きく変化した。例えば、当初は単層型燃料タンクであったが、炭化水素の蒸散規制法の施行に伴い、炭化水素の透過低減のため燃料タンクの多層化が余儀なくされた。その結果、現在燃料タンクはHDPE/PA(ポリアミド)又はHDPE/EVOH(エチレン酢酸ビニル共重合体)の両端をHDPEで構成する3種5層からなる多層構造タンクが主流となっている。この場合の成形は、従来と同じ吹き込成形である。
【0159】
単層型燃料タンクにおいて、このタンクから多くの炭化水素系燃料が透過するのは両者の相溶性が良いのが原因である。相溶の尺度である溶解度パラメータ(以下SP値)はHDPEが7.9、炭化水素系燃料が6〜8であり、両者は同じ領域にある。一方、多層タンクに用いるPAのSP値は13.6で、炭化水素系燃料とのSP値の開きが大きい、換言すれば相溶性が悪い領域にある。これらより多層燃料タンクにおけるPA材は炭化水素系燃料のタンク外への透過を阻止するバリアー層として設置されたものである。
【0160】
前記多層燃料タンクの創出により炭化水素の蒸散規制法を満たす技法が確立されたものの成形工程が煩雑となって大幅な価格上昇を招いた。上記問題に加えて、複数の樹脂の積層構造としたため、リサイクルの円滑性が失われ、リサイクル社会という時代の要請に応えがたい新たな課題を残した。
【0161】
これに対して、本発明の樹脂組成物中の表面改質したシリカ化合物は、シラノール基を残しているためSP値は11を超え、前述のPAやEVOHに相当する炭化水素系燃料の透過阻止の機能がある。また、本発明の樹脂組成物の主たる成分は、アクリル等の極性基を有するSP値が11以上の樹脂が主体であり、炭化水素系燃料としてのガソリンとは馴染みにくい、換言すれば相溶性が悪い材料構成となっているため、燃料タンクとしてより望ましい材料である。
【0162】
従って、本発明の樹脂組成物を用いれば、単層型でも炭化水素の蒸散法規制を満たす車両用の燃料タンクを提供することができる。これにより課題である製造コストの低減が図れ、かつリサイクルの社会的要請に応えることできるようになる。この際、本発明の樹脂組成物は、単層型又は必要であれば多層型のいずれの場合であっても、従来と同様、吹き込成形によって車両用燃料タンクに成形することが使用できる。
【0163】
なお、車両用の燃料タンクに比べると効果はやや低いものの、本発明の樹脂組成物は、灯油容器等の家庭用品に用いることもできる。これにより灯油の大気への蒸散が軽減され、地球環境の保全に寄与することができる。
【0164】
上記したように本発明では、更に、顔料等の着色剤を樹脂組成物に混練したり、着色層を挿入して所望の色調を有する部品を得ることも可能である。このため、上記記載の自動車以外でも美観、平滑性、透明感等の外観品質が要求され、かつ高剛性や表面の耐擦傷性を求められる用途、例えば、建造物の外装材、内装材、鉄道車両の内装材等にも使用できる。
【0165】
このような車両用部品や建築用内装材などを含む各種部材の製造方法としては、上記で詳述したような、射出成形及び真空圧空成形等を部品や用途に合わせて適宜選択すればよい。一般的なガラス繊維強化樹脂は、せん断応力を繰り返し受けることによってガラス繊維が壊れるためにその物性が徐々に低下し、リサイクル性も低いが、本発明の樹脂組成物は、上記表面改質したシリカ化合物を用いているため、せん断応力を受けにくく、物性の低下を抑えることができる。
【0166】
【実施例】
次に、本発明に係る樹脂組成物の製造方法の実施例について詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(コロイダルシリカの調製)
平均一次粒径10〜20nm、表面アルキル化処理したシリカをメチルエチルケトンに分散したコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製スノーテックスMEK−ST)を、真空乾燥機を用いて、温度100℃、真空度30mmHgで溶媒を除去した。真空ポンプに冷却器を設け排気蒸気をトラップし、その液量に増加が認められなくなるまで乾燥し、次いでボールミルで粉砕することによって表面改質シリカ粉体(I)を得た。
【0167】
次いで、シリカ粉体(I)50gをフラスコ中でシクロへキサン約500gと混合し、これに触媒としてピリジン7g、疎水基導入改質剤としてトリメチルクロロシラン3gを加え、80℃で10時間還流処理した。還流処理後、更に極性基導入改質剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン3gを加え、再度80℃で10時間還流処理した。反応終了後、シクロへキサンで洗浄した後、先と同様に真空乾燥機を用いて乾燥し、ボールミルで粉砕することによって表面改質シリカ粉体(II)を得た。
【0168】
次いで、表面改質シリカ粉体(II)を塩化メチレンに加え、超音波をかけながら十分攪拌・混合し、固体濃度40重量%の表面改質コロイダルシリカを得た。
【0169】
(実施例1)
攪拌機、還流冷却器、温度計、ガス導入管、PH電極、滴下ロートを備えた2リットルフラスコを窒素置換した後、ここに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)125g、酸化防止剤として亜硫酸水素ナトリウム0.1g、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム55gと水590gの溶液)、フェノール1g、そして塩化メチレン530gを投入した。反応温度を25℃に保ち、激しく攪拌しながら、ホスゲンを反応溶液のpHが13.2から7.0に下がるまでゆっくり(1.0g/分以下)と一定速度で吹き込み、ポリカーボネートの重合を実施した。反応時間は約100分であり、合計約72gのホスゲンを使用した。
【0170】
次いで、水酸化ナトリウム溶液(水酸化ナトリウム30gと水30gの溶液)を加え、更に、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム4.5gを添加し、反応温度を30℃に上げて約1時間激しく撹拝した。水溶液相から有機溶剤相を分離し、有機溶剤相を水500gで3回洗浄した後、更に2%塩酸水溶液500gとともによく攪拌した。混合溶液のpHが中性から弱酸性になっていることを確認した後、再度水500gで3回洗浄し、有機溶剤相を分離した。
【0171】
このようにして得られた有機溶剤相に、前述の表面改質コロイダルシリカ87gを加え、反応温度を30℃に保ち約15分間激しく攪拌した。得られた溶液を、激しく攪拌している2−プロパノール1200g中に投入し、析出する粉末状物を濾過した。粉末状物を2−プロパノールで十分洗浄した後、真空乾燥機を用いて、温度100℃、真空度30mmHgで約10時間乾燥した。収量は165gであった。
得られた粉体を290℃で加熱プレスし、透明な樹脂組成物の試験片を得た。これを実施例1とする。
【0172】
(比較例1)
実施例1において、ポリカーボネートを含む溶液の洗浄し、水溶液相を分離した後に、87gの表面改質コロイダルシリカを添加する代わりに、ポリカーボネートの重合を実施する際に、530gの塩化メチレンと同時に87gの表面改質コロイダルシリカを反応溶液中に添加した。その後、実施例1と同様にして粉末状物を得、乾燥した後、290℃で加熱プレスして、透明な樹脂組成物の試験片を得た。これを比較例1とする。なお、前記粉末状物の収量は162gであった。
【0173】
(比較例2)
添加すべき表面改質コロイダルシリカの量を82gから97gに変更した以外は、比較例1と同様にして粉末状物を得、透明な樹脂組成物の試験片を得た。これを比較例2とする。なお、前記粉末状物の収量は165gであった。
【0174】
(比較例3)
表面改質コロイダルシリカを含有させることなく、実施例1と同様にして、粉末状のポリカーボネート樹脂を得た。なお、収量は132gであった。
【0175】
次いで、前記ポリカーボネート樹脂と前述の表面改質シリカ粉体(II)35gをよく混合し、得られた混合物を小型混練機を用いて、シリンダ温度290℃なる条件で十分混練した。得られた粒状物を粉砕し、得られた粉体を290℃で加熱プレスして、透明な樹脂組成物の試験片を得た。これを比較例3とする。
【0176】
(実施例2)
表面改質コロイダルシリカを含有させない以外は、実施例1と同じ条件でポリカーボネートの重合を実施し、洗浄及び水溶性液の分離を実施した。
【0177】
次いで、残留した有機溶剤相にテトラエトキシシラン127gを加え、反応温度を30℃に保ち約15分激しく攪拌した。得られた溶液を、激しく攪拌している2−プロパノール1200g中に投入し、析出する粉末状物を濾過した。粉末状物を2−プロパノールで十分洗浄した後、真空乾燥機を用いて、温度100℃、真空度30mmHgで約10時間乾操した。収量は165gであった。得られた粉体を3分間290℃で加熱プレスし、透明な樹脂組成物の試験片を得た。これを実施例2とする。
【0178】
(評価)
続いて、上記の各樹脂組成物の試験片について以下の物性評価を行なった。評価結果を表1にまとめる。
・樹脂組成物中の充填材濃度:樹脂組成物を白金ルツボ中で焼成し灰分重量=充填材配合量を求め、初期樹脂組成物重量との比を取った。
・充填効率の算出:投入した充填材もしくは充填材前駆体の理論配合量と、上記の実際の樹脂組成物中の充填材配合量との比を取った。(充填効率=充填材配合量実測値/充填材理論配合量)
・曲げ弾性率:試験方法はASTMD790−1991に準拠する。
・荷重たわみ温度(0.45Mpa):試験方法はASTMD648−1988に準拠する。
・線膨張係数:試験方法はASTMD696−1991に準拠する。
・全光線透過率(厚さ3mm):試験方法はASTMDlOO3−1992に準拠する。
【0179】
【表1】
【0180】
実施例1と比較例1では、同一の充填材を同量添加したにもかかわらず、樹脂組成物中の充填材濃度は、重合分散法を用いた比較例の方が低い値となった。充填効率では10%程度の差が生じた。物性は比較例1の方が総じて低いがこれは充填材濃度が低いためと考えられる。
【0181】
比較例2は、樹脂組成物中の充填材濃度が実施例1と同等となるよう、添加する充填材量を増加した以外は比較例1と同じである。これにより、物性的には実施例1とほとんど差がなくなった。しかし、充填効率ではやはり10%程度の差が生じている。言い換えれば、本発明により、より効率よく、同等物性の樹脂組成物を得ることができることを意味している。
【0182】
比較例3は混練法により得られた樹脂組成物である。本発明の実施例1と比べると、充填効率は同等であるが、物性は明らかに劣る。特に曲げ弾性率と光線透過率で顕著であり、樹脂組成物中での充填材の分散性が不十分なことが予想される。本発明が、効率を同程度とすれば、より高い物性の樹脂組成物が得られる製造方法であることを意味している。
【0183】
実施例2は充填材の前駆体として金属アルコキシドを用いたものである。実施例1に比べ充填効率は劣るが、全ての物性が向上している。実施例2で、充填材への疎水基や極性基の導入を行っていないにもかかわらず、このように物性が向上するのは、充填材がより微粒化されているためと考えられる。尚、充填効率は実施例1に比べ劣るとはいえ、比較例1や2に比べれば高く、本発明の製造方法が有利であることに変わりはない。
【0184】
以上、本発明を具体例を挙げながら発明の実施の形態に即して詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいて、あらゆる変更や変形が可能である。
【0185】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ナノオーダーレベルの充填材の分散性に優れ、かつ工業的に有利な、機械的強度、耐熱性、耐衝撃性、透明性、寸法安定性に優れたポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂組成物の作製方法の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例として、ドアモール、ドアミラーのフレーム枠、ホイールキャップ、スボイラー、バンパー、ウインカーレンズ及びビラーガーニツシュを示す説明図であって、これらの車両用外装部品の位置を解説したセダン系自動車のリアサイドからの外観斜視図である。
【図3】本発明に係る樹脂組成物の車両用外板用途の一例として、フロントフェンダー、ドアパネル、ルーフパネル、フロントパネル及びリアパネルを示す説明図であって、図3(a)は、これらの車両用外板の位置を解説したセダン系自動車のリアサイドからの斜視図であり、図3(b)は、セダン系自動車の平面図である。
【図4】本発明に係る樹脂製ワイパーシステムの模式図である。
【図5】本発明に係る透明部と不透明部を有する樹脂成形体であって、少なくとも透明部が本発明の樹脂組成物を含んで成る樹脂成形体の車両用外装部品用途の一例として、ランプ・フード・フェンダーー体樹脂成形体、ビラーガーニツシュ・ガラスー体樹脂成形体、ルーフ・フェンダ・ガラスー体樹脂成形体、バックドア・ガラスー体樹脂成形体及びドア・ガラスー体樹脂成形体を示す説明図であって、これらの車両用外装部品の位置を解説したワゴン車のリアサイドからの外観斜視図である。
【図6】本発明に係る透明樹脂部と不透明樹脂部とを一体で成形したインストルメントパネル及び計器類のカバーを示す模式図である。
【図7】本発明に係る樹脂製ミラー、樹脂製ウィンドウを示す説明図であって、これらの車両用部品の位置を解説したセダン系自動車の平面図である。
【図8】本発明の樹脂製ランプリフレクターを示す横断面図である。
【図9】本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例として、ラジエーター、冷却液リザーブタンク、ウォシヤータンクインレット、電気部品ハウジング、ブレーキオイルタンク及びシリンダーヘッドカバーを示す説明図であって、自動車のフードパネルを取り外した状態でのエンジンルーム内の概略斜視図である。
【図10】本発明に係る樹脂組成物を用いたエンジンルーム内部品の一例として、エンジンボディー、タイミングチェーン、ガスケット及びフロントチェーンケースを示す説明図であって、これらの各部品構成がわかるようにした分解斜視図である。
【図11】本発明に係る樹脂組成物を用いてなる樹脂製冷却装置部品の一例として、ウォータパイプ、O−リング、ウォータポンプハウジング、ウォータポンプインペラ(羽車)、ウォータポンプ及びウォータポンププーリを示すセ説明図であって、これらの各部品構成がわかるようにした分解斜視図である。
【図12】本発明に係る樹脂組成物を用いてなる樹脂製冷却装置部品の他の一例として、ウォータパイプ、サーモスタットハウジング、サーモスタット、及びウォータインレットを示す図であって、これらの各部品構成がわかるようにした分解斜視図である。
【図13】本発明に係る樹脂組成物を用いた、中空構造を有する樹脂一体成形体の一例として、フード、ドア、バックドア、ルーフ、フェンダー、ウィンドウ及びトランクリッドを示す説明図であって、図13(a)は、これらの位置を示すためのセダン系自動車のドアを開いた状態でのリアサイドからの外観斜視図であり、図13(b)は、ワンボックスカーのリアサイドからの外観斜視図である。
【図14】本発明に係る樹脂組成物を用いた、中空構造を有する樹脂一体成形体の他の一例として、センターコンソールボックス、ビラーガーニツシュ及びインストルメントパネルを示す説明図であって、図14(a)は、センターコンソールボックス位置を示す自動車の車室内の前席の斜視図であり、図14(b)は、ビラーガーニツシュ及びインストルメントパネル位置を示す自動車の車室内斜視図である。
【図15】本発明に係る樹脂組成物を用いた、ひとつの部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品の一例として、インストルメントパネル部とエアコンのエアダクトやケースとの一体成形部品を示す説明図である。
【図16】本発明に係る樹脂組成物を用いた一体成形部品の他の一例として、ルーフレールとルーフパネルとの一体成形部品を示す説明図であって、自動車のルーフ部分の外観斜視図である。
【図17】本発明に係る樹脂組成物を用いた、ひとつの部品に異なる2種類以上の機能が付与される一体成形部品の他の一例として、ラジエタコアの一体成形部品を示す説明図である。
【図18】本発明に係る樹脂組成物を用いた可動部と非可動部を有する成形体の一例として、チヤンバーの可動部である開閉バルブと、非可動部である開閉バルブ及び開閉バルブシャフトを有する成形体を示す図であって、図18(a)は、これらチヤンバー部、開閉バルブ及び開閉バルブシャフトを有する成形体の横断面図であり、図18(b)は、図18(a)のA−A線に沿って切断し上部から見た前記チヤンバー部の断面図である。
【図19】本発明に係る樹脂組成物の車両用外装部品用途の一例として、燃料タンク及びその周辺の燃料系部品を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドアモール
2 ドアミラーのフレーム枠
3 ホイールキャップ
4 スボイラー
5 バンパー
6 ウインカーレンズ
7 ピラーガーニツシュ
8 リアフイニツシヤー
21 フロントフェンダー
22 ドアパネル
23 ルーフパネル
24 フードパネル
25 トランクリッド
30 ワイパーシステム
31 ワイパーアーム
32 ワイパープレード
33 ワイパーアーム固定用ナット穴
41 ランプフード・フェンダー一体樹脂成形体
42 ピラーガーニツシュ・ガラス一体樹脂成形体
43 ルーフフェンダ・ガラス一体樹脂成形体
44 バックドア・ガラス一体樹脂成形体
45 ドア・ガラス一体樹脂成形体
51 インストルメントパネル
52 計器類のカバー
61 フロントウィンドウ
63 リアウィンドウ
71 車体側基体
73 リフレクター
75 光軸調整器
81 ラジエーター
62 ドアウィンドウ
64 サイドミラー
72 アウタ部材
74 バルブ
75 アウタレンズ
82 冷却液リザーブタンク
83 ウォシヤータンクインレット
84 電気部品ハウジング
86 シリンダーヘッドカバー
92 タイミングチェーン
94 フロントチェーンケース
85 ブレーキオイルタンク
91 エンジンボディー
93 ガスケット
101 ウォータパイプ
102 O−リング
103 ウォータポンプハウジング
104 ウォータポンプインペラ(羽車)
105 ウォータポンプ
106 ウォータポンププーリ
111 ウォータパイプ
112 サーモスタットハウジング
113 サーモスタット
114 ウォータインレット
121 フード
122 ドア
123 バックドア
124 ルーフ
125 フェンダー
126 ウィンドウ
127 トランクリッド
131 センターコンソールボックス
132 ピラーガーニツシュ
133 インストルメントパネル
141 パネル部
142 エアコンのエアダクトやケース
151 ルーフレール
152 ルーフパネル
171 チヤンバー部
172 開閉バルブ
173 開閉バルブシャフト
181 フイラーチューブ
182 燃料タンク
183 燃料ポンプ
185 フイラーキャップ
186 ペントチューブ
187 フューエルホース
188 空気室
Claims (64)
- 界面重合法に基づいて、有機溶剤及びアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを縮重合させて重合生成物であるポリカーボネートを得る工程と、
前記ポリカーボネートを含む溶液から無機成分を洗浄除去し、水溶液相を分離する工程と、
前記ポリカーボネートを含む有機溶剤相中に所定の充填材を含有させた後、前記有機溶剤から前記ポリカーボネート及び前記充填材を含む樹脂組成物を析出させる工程と、
を具えることを特徴とする、樹脂組成物の製造方法。 - 前記ビスフェノール化合物及び前記ホスゲンを縮重合させる際に、塩基性触媒を存在させることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記塩基性触媒は、前記ホスゲンを添加した後に存在させることを特徴とする、請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記無機成分の洗浄除去は、水洗浄であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、前記ポリカーボネートを含む有機溶剤中に単体で含有させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、所定の溶液中に分散させた状態で、前記ポリカーボネートを含む有機溶剤中に含有させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、金属酸化物であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材はコロイド状の金属酸化物として、前記ポリカーボネートを含む有機溶剤相中に含有させることを特徴とする、請求項6に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、シリコン、アルミニウム、チタニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項8に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、その表面に極性基を有することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、その表面に疎水基を有することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材は、前駆体の状態で、前記ポリカーボネートを含む有機溶剤中に含有させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材の前駆体を所定の溶液中に分散させた状態で、前記ポリカーボネートを含む有機溶剤中に含有させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材を含む前記前駆体は、金属アルコキシドであることを特徴とする、請求項12又は13に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属アルコシキドは、(RO)nXm −nM(M:金属、RO:アルコキシ基、X:アルコキシ基、水酸基、及びハロゲン基以外の官能基、m,n:整数)なる分子式を有することを特徴とする、請求項14に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属アルコキシドは、シリコン、アルミニウム、チタニウム、及びジルコニウムの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項14又は15に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記金属アルコキシドの金属が、シリコン、チタニウム、ジルコニウムの何れかの場合、上記式中のmは4、nは4または3であることを特徴とする、請求項16に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 上記金属アルコキシドの金属が、アルミニウムの場合、上記式中のmは3、nは3であることを特徴とする、請求項16に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材を含む前記前駆体は、その表面に極性基を有することを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材を含む前記前駆体は、その表面に疎水基を有することを特徴とする、請求項12〜19のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材を含む前記前駆体を前記ポリカーボネートを含む有機溶剤中に含有させた後、加熱処理を行う工程を具えることを特徴とする、請求項12〜20のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記加熱処理は、前記有機溶剤から前記ポリカーボネート及び前記充填材を含む樹脂組成物を析出させた後に行うことを特徴とする、請求項21に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記加熱処理は、前記樹脂組成物を混練造粒する際に行うことを特徴とする、請求項22に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記加熱処理は、前記充填材を含む前記前駆体の加水分解により生じた金属水酸化物の、水存在下での重縮合温度よりも50℃以上高い温度で行うことを特徴とする、請求項21〜23のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記有機溶剤相中の前記ポリカーボネートの濃度が、1〜35重量%であることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記樹脂組成物中の前記充填材の濃度が、0.1〜60重量%であることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材の、少なくとも一辺の長さが0.1〜200nmであることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記充填材の長径が380nm以下であることを特徴とする、請求項1〜27のいずれか一に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜28のいずれか一に記載の方法によって製造されることを特徴とする、樹脂組成物。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、車両用内外装部品成形体。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、車両用外板。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ワイパーシステム。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ドアミラーステイ。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ピラー。
- 透明部と不透明部を有する樹脂成形体において、少なくとも透明部が請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂成形体。
- 透明部と不透明部が一体成形されたことを特徴とする、請求項35に記載の樹脂成形体。
- 不透明部が樹脂中に分散した顔料により着色され形成されることを特徴とする、請求項35又は36に記載の樹脂成形体。
- 上記樹脂成形部品の不透明部が成形前又は成形後において、塗装又は印刷されて形成されることを特徴とする、請求項35又は36に記載の樹脂樹成体。
- 上記樹脂成形部品の不透明部が着色シートを用いて形成されることを特徴とする、請求項35又は36に記載の樹脂成形体。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、熱線付き樹脂製ウィンドウ。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ミラー。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製ランプリフレクター。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製エンジンルーム内カバー。
- 前記樹脂組成物を含む部分が透明であることを特徴とする、請求項43に記載の樹脂性エンジンルーム内カバー。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂性エンジンルーム内ケース。
- 前記樹脂組成物からなる部分が透明であることを特徴とする、請求項45に記載の樹脂性エンジンルーム内ケース。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂製冷却装置部品。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含み、大気と連通した中空構造及び/又は密閉された中空構造を有することを特徴とする、樹脂一体成形体。
- 前記中空構造内には、気体、液体、固体又はこれら少なくとも2以上の混合物が充填され封入されていることを特徴とする、請求項48に記載の樹脂一体成形体。
- 最表層が、加飾材で構成されていることを特徴とする、請求項48又は49に記載の樹脂一体成形体。
- 請求項48〜50のいずれか一に記載の樹脂一体成形体からなることを特徴とする、自動車の外板。
- 請求項48〜50のいずれか一に記載の樹脂一体成形体からなることを特徴とする、内外装部品。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含む二枚の樹脂シートを加熱し、前記樹脂シートを開状態の金型に挿入し、シート外周部を押圧して外周部を溶着する前又は溶着した後に、前記シート間に加圧流体を注入し、前記シートを拡張する間又は拡張後において、前記金型を閉状態にし、前記加圧流体圧を保持して中空構造を形成することを特徴とする、請求項48〜50のいずれか一に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
- 閉状態の金型内に請求項29に記載の樹脂組成物を溶融させて充填する間又は充填した後に、前記金型のキヤビティ容積を拡大しながら、加圧流体を溶融樹脂内に注入して中空構造を形成することを特徴とする、請求項48〜50のいずれか一に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
- 開状態の金型キヤビティ面に請求項29に記載の樹脂組成物を含む一枚又は二枚の樹脂シートを挿入し、前記金型を閉状態にして、前記樹脂シートの背面に溶融樹脂を充填する間又は充填した後に、前記金型のキヤビティ容積を拡大しつつ加圧流体を溶融樹脂内に注入して中空構造を形成することを特徴とする、請求項48〜50のいずれか一に記載の樹脂一体成形体の製造方法。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含む、異なる機能を有する二種類以上の部品を統合し、単一の部品に少なくともこれら二種類以上の機能を付与したことを特徴とする、一体成形部品。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含み、可動部と非可動部とを有することを特徴とする、成形体。
- 前記可動部及び前記非可動部は、二色成形により一体的に形成することを特徴とする、請求項57に記載の成形体。
- 前記可動部は気体流動を制御する開閉蓋であり、前記非可動部は流動気体を導入する筒状成形品であることを特徴とする、請求項57又は58に記載の成形体。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、炭化水素系燃料を収納する部品。
- 車両用の一連の燃料系部品を構成することを特徴とする、請求項60に記載の炭化水素系燃料収納部品。
- 請求項29に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、炭化水素系燃料を収納する容器。
- 車両用の燃料タンクを構成することを特徴とする、請求項62に記載の炭化水素系燃料収納部品。
- 前記車両用の燃料タンクは、吹き込み成形法で成形されたことを特徴とする、請求項63に記載の炭化水素系燃料収納部品。
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