JP2005022900A - 電圧非直線性抵抗体磁器組成物、電子部品及び積層チップバリスタ - Google Patents
電圧非直線性抵抗体磁器組成物、電子部品及び積層チップバリスタ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】酸化亜鉛を含む主成分と、酸化コバルトを含む第1副成分と、希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、酸化シリコンを含む第6副成分と、2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、Moの酸化物を含む第8副成分とを、有する電圧非直線性抵抗体磁器組成物である。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば積層チップバリスタの電圧非直線性抵抗体層等として用いられる電圧非直線性抵抗体磁器組成物と、該電圧非直線性磁器組成物を電圧非直線性抵抗体層として用いる積層チップバリスタ等の電子部品とに、関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、サイリスタ、トランジスタ、集積回路等の半導体素子及び半導体回路等の急速な発展に伴い、自動車用電子機器、計測、制御、通信機器及び電力機器への半導体素子や半導体回路の使用が急増し、これら機器の小型化、高性能化、モバイル化が急速に進展している。しかしながら他方では、これらの各種機器や部品は、耐電圧、耐サージ、耐ノイズ性能が十分ではなかった。
【0003】
そこで、各種機器や部品を異常なサージやノイズから保護し、或いは回路電圧を安定化させるために、電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品の一例としてのバリスタが使用されている。また、上記小型化要求の高まりに応じ、バリスタの形状は、表面実装(SMD)タイプのチップ状へと移行する傾向にある。
【0004】
この種のバリスタの電圧非直線性抵抗体層を構成する電圧非直線性抵抗体磁器組成物としては、酸化亜鉛を主成分とした種々の提案がなされている(たとえば特許文献1〜3参照)。
【0005】
特許文献1では、主成分の酸化亜鉛に対して、副成分として、Bi2 O3 、Sb2 O3 、MnO、CoO、Cr2 O3 等を含有させた電圧非直線性抵抗体磁器組成物が開示されている。
【0006】
特許文献2では、主成分の酸化亜鉛に対して、副成分として、Pr6 O11、La2 O3 、CoO、Cr2 O3 等を含有させた電圧非直線性抵抗体磁器組成物が開示されている。
【0007】
特許文献3では、主成分の酸化亜鉛に対して、副成分として、Cr酸化物の他にK酸化物を含有させた電圧非直線性抵抗体磁器組成物が開示されている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1〜3記載の技術の何れにも、バリスタ特性を改善するためにクロム元素が含まれている。クロムは原子価が変化し易い元素であり、容易に酸化、還元される。酸化された場合には6価クロムが生成され、環境汚染や人体への悪影響が懸念される。
【0009】
そこで本特許出願人は、環境汚染を発生させるおそれが少ないバリスタ、すなわちクロム元素を含まないバリスタを提供した(特許文献4参照)。特許文献4では、クロム元素は含まれていないが、微量のLiとKが含有されている。LiとKは、水溶性であって磁器組成物の材料製造時に水に解けて流れたり、また焼結(焼成)時に一部飛散して、微量の添加量を正確に制御することができず、その特性の維持コントロールが難しい。
【0010】
そこで本件出願人は、特許文献5記載の技術を提案した。特許文献5では、環境汚染を発生させるおそれのあるクロム元素を含有させず、しかも特性の維持コントロールの難しいLiやKを含有せない一方で、Moを含有させ、バリスタを提供するための電圧非直線抵抗体磁器組成物が開示されている。
【0011】
【特許文献1】特公昭59−39884号公報
【特許文献2】特公昭60−6522号公報
【特許文献3】WO94/09499
【特許文献4】特開2000−68112号公報
【特許文献5】特開2002−343608号公報。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各特許文献記載の組成では、いずれも、バリスタ電圧のバラツキが生じ、電圧負荷寿命試験で特性が劣化しやすく、最終的に得られる電子部品の信頼性が低くなる問題があった。
【0013】
本発明の目的は、バリスタ特性を維持しながら、バリスタ電圧のバラツキを少なくし、かつ電圧負荷寿命試験で特性が劣化しない電圧非直線性抵抗体磁器組成物と、信頼性が高められた積層チップバリスタ等の電子部品とを、提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、
【0015】
本発明の第1の観点によれば、
酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、
3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分とを、有する電圧非直線性抵抗体磁器組成物であって、
前記主成分100モルに対する前記第4,5及び8副成分の比率が、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、
第8副成分:Mo換算で0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、
である電圧非直線性抵抗体磁器組成物が提供される。
【0016】
好ましくは、前記主成分100モルに対する第1副成分の比率が、Co換算で0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)である。
【0017】
好ましくは、前記主成分100モルに対する前記第2副成分の比率が、希土類元素換算で0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)である。
【0018】
好ましくは、前記主成分100モルに対する前記第3副成分の比率が、3B族元素換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)である。
【0019】
好ましくは、前記主成分100モルに対する前記第6副成分の比率が、Si換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)である。
【0020】
好ましくは、前記主成分100モルに対する前記第7副成分の比率が、2A族元素換算で0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)である。
【0021】
本発明の第2の観点によれば、
酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、
3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分とを、有する電圧非直線性抵抗体磁器組成物であって、
前記主成分100モルに対する各成分の比率が、
第1副成分:Co換算で0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)、
第2副成分:希土類元素換算で0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)、
第3副成分:3B族元素換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、
第6副成分:Si換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、
第7副成分:2A族元素換算で0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)、
第8副成分:Mo換算で0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、
である電圧非直線性抵抗体磁器組成物が提供される。
【0022】
好ましくは、前記希土類元素が、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの少なくとも1種である。好ましくは、前記3B族元素が、B、Al、Ga及びInの少なくとも1種である。好ましくは、前記2A族元素が、Mg及びCaの少なくとも1種である。
【0023】
好ましくは、前記第8副成分が、Crの酸化物を含まない。
【0024】
本発明によれば、
電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品であって、
前記電圧非直線性抵抗体層が、上記何れかの電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成されている電子部品が提供される。
【0025】
電子部品としては、特に限定されないが、積層チップバリスタ、ディスクバリスタ、バリスタ複合素子等が例示される。
【0026】
本発明によれば、
電圧非直線性抵抗体層と内部電極層とが積層された素子本体と、
該素子本体の両端部に形成された一対の外部端子電極とを、有する積層チップバリスタであって、
前記電圧非直線性抵抗体層が、上記何れかの電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成されている積層チップバリスタが提供される。特に、以下の構成の電圧非直線性抵抗体磁器組成物を用いることが好ましい。
【0027】
この電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、
酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの少なくとも1種の酸化物を含む第2副成分と、
B、Al、Ga及びInの少なくとも1種の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
Mg及びCaの少なくとも1種の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分(但し、Crの酸化物は含まない)とを、有し、
前記主成分100モルに対する各成分の比率が、
第1副成分:Co換算で0.1〜20原子%、
第2副成分:各La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLu換算で0.05〜5原子%、
第3副成分:各B、Al、Ga及びIn換算で0.0005〜0.5原子%、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.001原子%(但し、0原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.001〜1原子%、
第6副成分:Si換算で0.001〜0.5原子%、
第7副成分:各Mg及びCa換算で0.01〜2原子%、
第8副成分:Mo換算で0.001〜2原子%、である。
【0028】
本発明において、バリスタ電圧とは、1mAの電流が流れる時の電圧を言う。また、バリスタ特性(電圧非直線性)とは、電子部品に徐々に増大する電圧を印加する際に、素子に流れる電流が非直線的に増大する現象を言う。
本明細書において「〜」は、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を、下限値および上限値として含む意味で用いる。
本明細書において「Crの酸化物を含まない」とは、不純物レベルとは言えない量を超えるCr酸化物を含まないことを意味し、不純物レベルの量(たとえば含有量がCr換算で0.0001原子%以下)であれば含有されていてもよい趣旨である。
【0029】
【作用】
本発明で特徴とするところは、酸化亜鉛を主成分とする電圧非直線性抵抗体磁器組成物において、Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、Moの酸化物を含む第8副成分とを、同時に含有させる点にある。
【0030】
Li及びNaと、K、Rb及びCsとは、何れも1A族元素であり、化学的性質は類似するものと考えられる。従って、これらを1つのグループにまとめることが通常である。しかしながら、本発明では、これら1A族元素を2つのグループに分けて考える。その理由は、前者と後者の酸化亜鉛に対する作用が異なるからである。Li及びNaは、焼成後に酸化亜鉛の粒子内に固溶して存在し、ZnOの欠陥構造を制御するものと考えられる。一方、K、Rb及びCsは、焼成後には、隣接する酸化亜鉛粒子間の粒界に存在し、粒界構造を安定化させるものと考えられる。このように本発明では、第1に、1A族元素を2つのグループに分けた点が特徴である。
【0031】
また、本発明では、Mo(好ましくはCrの代わりに)を含有させる。Moは、従来からバリスタ特性を改善する目的で含有させていたCrと、同族の6A族元素である。従って、これらは化学的性質が類似していると考えられる。このため本件出願人は、MoとCrを1つのグループにまとめ、これらを同時に含有させうる提案を、先にした(特願2003−75206号)。この提案をした当時は、MoとCrの少なくとも何れかを含有させることで、主成分に含まれる酸化亜鉛の結晶粒子の粒子径の均一性を改善でき、これにより、高温負荷試験時の印加電圧が均一に結晶粒界に印加され、その結果、高温負荷寿命が向上する、との認識があった。
【0032】
しかしながら、その後、実験を続けていくうちに、Crがバリスタ電圧のバラツキ(C.V.)を大きくする要因であることが確認された。
【0033】
本発明では、Li及びNaの少なくとも一つと、K、Rb及びCsの少なくとも一つとともに、Mo(好ましくはCrの代わりに)を含有させることで、バリスタ電圧のバラツキ(C.V.)を、Crを含有させた場合と比較して、より小さくすることができる。その理由は必ずしも明らかではないが、Li及びNaの少なくとも一つと、K、Rb及びCsの少なくとも一つとともに、Moを含有させることで、焼成後の主成分に含まれる酸化亜鉛の結晶粒子の異常粒成長が抑制され、均一な結晶粒を得る効果が高いためであると思われる。
【0034】
また、本発明では、Mo(好ましくはCrの代わりに)を含有させることで、電圧負荷寿命試験で特性を劣化させないようにできる。具体的には、たとえばバリスタ電圧の変化率((△V1mA )/V1mA )を±10%以内、好ましくは±5%以内にできる。
【0035】
また、本発明では、電圧非直線性抵抗体磁器組成物中に、Pdと反応しやすいBiを含まないので、内部電極としてPdを使用することができ、セラミックの焼結を十分に行える。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。ここにおいて、図1は本発明の一実施形態に係る積層チップバリスタの断面図である。
【0037】
積層チップバリスタ
図1に示すように、電子部品の一例としての積層チップバリスタ2は、内部電極層4,6と層間電圧非直線性抵抗体層8とが積層された構成の素子本体10を有する。この素子本体10の両端部には、素子本体10の内部に配置された内部電極層4,6と各々導通する一対の外部端子電極12,14が形成してある。素子本体10の形状は、特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、縦(0.4〜5.6mm)×横(0.2〜5.0mm)×厚み(0.2〜1.9mm)程度である。
【0038】
内部電極層4,6は、各端面が素子本体10の対向する2端部の表面に露出するように積層してある。一対の外部端子電極12,14は、素子本体10の両端部に形成され、内部電極層4,6の露出端面にそれぞれ接続されて、回路を構成する。
【0039】
素子本体10において、内部電極層4,6及び層間電圧非直線性抵抗体層8の積層方向の両外側端部には、外側保護層8aが配置してあり、素子本体10の内部を保護している。外側保護層8aの材質は、層間電圧非直線性抵抗体層8の材質と同じであっても異なっていても良い。外側保護層8aの厚みは、たとえば100〜500μm程度である。
【0040】
内部電極層4,6に含有される導電材は、特に限定されないが、Pd又はAg−Pd合金で構成してあることが好ましい。合金中のPd含有量は95重量%以上であることが好ましい。内部電極層4,6の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常0.5〜5μm程度である。
【0041】
外部端子電極12,14に含有される導電材は、特に限定されないが、通常、AgやAg−Pd合金等を用いる。外部端子電極12,14の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、通常10〜50μm程度である。
【0042】
電圧非直線性抵抗体磁器組成物
層間電圧非直線性抵抗体層8は、本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成される。
【0043】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、酸化亜鉛を含む主成分を有する。酸化亜鉛を含む主成分は、電圧−電流特性における優れた電圧非直線性と、大きなサージ耐量とを発現する物質として作用する。
【0044】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、さらに、Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、Moの酸化物を含む第8副成分とを、有する。
【0045】
第4副成分は組成物の電圧非直線性と温度特性を劣化させうるZnOの欠陥構造を改善する物質として作用し、第5副成分は組成物の電圧非直線性と高温負荷寿命特性を改善する物質として作用し、第8副成分は、組成物の高温負荷寿命特性を向上させるとともに、バリスタ電圧のバラツキを小さくする物質として作用する。
【0046】
本発明の特徴点は、酸化亜鉛を含む主成分100モルに対して、上述した第4副成分及び第5副成分と共に、第8副成分を所定量添加する点にある。こうすることで、バリスタ特性を安定化させ、しかも高温負荷寿命特性を向上させることができる。
【0047】
具体的には、主成分100モルに対する前記第8副成分の比率は、Mo換算で、0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、好ましくは0.001〜2原子%、より好ましくは0.001〜1原子%である。本発明では、第8副成分を添加することで、高温下での電圧負荷寿命の特性向上の効果を得ることができるが、第8副成分の比率が大きすぎると、特性向上の効果が小さくなる傾向にある。なお、本実施形態では、第8副成分は、Crの酸化物を含まないことがより好ましい。これにより、バリスタ電圧のバラツキを小さくすることができる。
【0048】
主成分100モルに対する第4副成分の比率は、各Li及びNa換算で、0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、好ましくは0〜0.001原子%(但し、0原子%を除く)、より好ましくは0.0001〜0.001原子%である。第4副成分の比率が低すぎると、高温下での電圧負荷寿命の特性劣化が認められ、比率が高すぎると、バリスタ特性が得られない。
【0049】
主成分100モルに対する第5副成分の比率は、各K、Rb及びCs換算で、0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、好ましくは0.001〜1原子%、より好ましくは0.001〜0.05原子%である。第5副成分の比率が低すぎると、非直線性が低下し、比率が高すぎると、バリスタ特性が得られない。特にKは、高温負荷寿命特性の改善により寄与しうる。
本実施形態では、Li及びNaと、Kと、Moとの組み合わせが、高温負荷寿命特性を改善の観点からは、最も好ましい。
【0050】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、Coの酸化物を含む第1副成分を有することが好ましい。この第1副成分はアクセプター(電子捕捉剤)として働き、電圧非直線性を維持する物質として作用する。前記主成分100モルに対する第1副成分の比率は、Co換算で、好ましくは0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)、より好ましくは0.1〜20原子%、さらに好ましくは1〜10原子%である。第1副成分の比率が低すぎると、バリスタ特性を得ることが困難になる傾向にあり、高すぎると、バリスタ電圧が増大すると共に電圧非直線性が低下する傾向にある。
【0051】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、希土類元素の酸化物を含む第2副成分を有することが好ましい。この第2副成分は、内部電極層4,6を構成する導電材と反応しにくい性質を有するとともに、結晶粒界への酸素の拡散速度を早める物質として作用する。これを添加すると、内部電極層4,6を構成する導電材と反応しにくいので、結果として焼結体の焼結を十分に行うことができる。第2副成分に含まれる希土類元素の酸化物は、Sc、Y、Ce及びPmを除く、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種の酸化物であることが好ましく、少なくともPrの酸化物を含むことがより好ましい。前記主成分100モルに対する第2副成分の比率は、希土類元素換算で、好ましくは0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)、より好ましくは0.05〜5原子%、さらに好ましくは0.1〜5原子%である。第2副成分の比率を、所定範囲にすることにより、組成物を半導体化状態に維持できるとともに、結晶粒界への酸素拡散速度を早めることができる。第2副成分の比率が低すぎると、電圧非直線性を得にくくなる傾向にあり、比率が高すぎると、バリスタ電圧が急激に高くなる傾向にある。
【0052】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、3B族元素の酸化物を含む第3副成分を有することが好ましい。この第3副成分は、酸化亜鉛を含む主成分への電子量を制御するためのドナーとして働き、主成分への電子量を上げ、組成物を半導体化させる物質として作用する。第3副成分に含まれる3B族元素の酸化物は、B、Al、Ga及びInの少なくとも1種の酸化物であることが好ましい。前記主成分100モルに対する第3副成分の比率は、3B族元素換算で、好ましくは0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、より好ましくは0.0005〜0.5原子%、さらに好ましくは0.0005〜0.01原子%である。第3副成分の比率が低すぎると、バリスタ電圧が増大する傾向にあり、比率が高すぎると、抵抗が低く、バリスタ特性を得ることが困難になる傾向にある。
【0053】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、Siの酸化物を含む第6副成分を有することが好ましい。この第6副成分は、組成物のCV積(静電容量Cとバリスタ電圧Vとの積)を減少させる物質として作用する。これを添加することにより、回路電圧を低下させても、静電容量を低下させることができる。主成分100モルに対する第6副成分の比率は、Si換算で、好ましくは0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、より好ましくは0.001〜0.5原子%、さらに好ましくは0.001〜0.1原子%である。第6副成分の比率が高すぎると、バリスタ電圧が増大しすぎるとともに、焼結できない傾向にあり、第6副成分の比率が低すぎると、CV積の低下、すなわち静電容量の低下が望めず、バリスタ電圧の低下と静電容量の低下とをバランスさせる効果が小さくなる傾向がある。
【0054】
本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物は、2A族元素の酸化物を含む第7副成分を有することが好ましい。この第7副成分は電圧非直線性を改善する物質として作用する。第7副成分に含まれる2A族元素の酸化物は、Mg及びCaの少なくとも1種の酸化物であることが好ましい。前記主成分100モルに対する第7副成分の比率は、2A族元素換算で、好ましくは0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)、より好ましくは0.01〜2原子%、さらに好ましくは0.01〜1原子%である。第7副成分の比率が低すぎると、電圧非直線性が低下する傾向にあり、比率が高すぎると、バリスタ電圧が増大する傾向にある。
【0055】
層間電圧非直線性抵抗体層8の積層数や厚み等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよい。本実施形態では、層間電圧非直線性抵抗体層8の厚みは、たとえば5〜100μm程度である。
【0056】
本実施形態に係る層間電圧非直線性抵抗体層8では、非直線係数(α)が、8以上であることが好ましく、より好ましくは10以上、特に好ましくは15以上である。
【0057】
層間電圧非直線性抵抗体層8では、高温負荷寿命特性を示すバリスタ電圧の変化率((△V1mA )/V1mA )が、通常±10%以内、好ましくは±5%以内である。
【0058】
層間電圧非直線性抵抗体層8では、バリスタ電圧のバラツキ(C.V.)が、好ましくは4%以下、より好ましくは2%以下である。ここでいうバラツキ(=C.V.(coefficient of variation))とは、100個のバリスタサンプルを用い、バリスタ電圧を測定した際の、該バリスタ電圧の変動係数のことである。測定データの分布の拡がり(ばらつき)を数量的に表したものであり、C.V(%)=(標準偏差/平均値)×100、で求められる。
【0059】
積層チップバリスタの製造方法
次に、本実施形態に係る積層チップバリスタ2の製造方法の一例を説明する。
【0060】
本実施形態では、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部端子電極を印刷又は転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
【0061】
まず、電圧非直線性抵抗体層用ペースト、内部電極層用ペースト、外部端子電極用ペーストをそれぞれ準備する。なお、電圧非直線性抵抗体層用ペーストを用いて、図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8及び外側保護層8aを成形することができる。
【0062】
電圧非直線性抵抗体層用ペーストは、電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
【0063】
電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料には、上述した本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物の組成に応じて、主成分を構成する原料と、各副成分を構成する原料とが用いられる。
【0064】
主成分を構成する原料としては、Znの酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物が用いられる。第1副成分を構成する原料としては、Coの酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物が用いられる。第2副成分を構成する原料としては、希土類元素の酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物が用いられる。第3副成分を構成する原料としては、B、Al、Ga及びInの酸化物及び/又は焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物又は複合酸化物が用いられる。第4副成分を構成する原料としては、Li及びNaの酸化物及び/又は焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物又は複合酸化物が用いられる。第5副成分を構成する原料としては、K、Rb及びCsの酸化物及び/又は焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物又は複合酸化物が用いられる。第6副成分を構成する原料としては、Siの酸化物及び/又は焼成により酸化物になる化合物が用いられる。第7副成分を構成する原料としては、Mg、Ca、Sr及びBaの酸化物及び/又は焼成後にこれらの酸化物になる化合物から選ばれる1種類以上の単一酸化物又は複合酸化物が用いられる。第8副成分を構成する原料としては、Moの酸化物及び/又は焼成によりこれらの酸化物になる化合物が用いられる。
【0065】
なお、焼成により酸化物になる化合物としては、例えば水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、有機金属化合物等が例示される。もちろん、酸化物と、焼成により酸化物になる化合物とを併用してもよい。電圧非直線性抵抗体磁器組成物原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した電圧非直線性抵抗体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。これらの原料粉末は、通常、平均粒子径0.3〜2μm程度のものが用いられる。
【0066】
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものであり、有機ビヒクルに用いられるバインダは、特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。また、このとき用いられる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法等、利用する方法に応じてテルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の有機溶剤から適宜選択すればよい。
【0067】
また、水溶系塗料とは、水に水溶性バインダ、分散剤等を溶解させたものであり、水溶系バインダは、特に限定されず、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョン等から適宜選択すればよい。
【0068】
内部電極層用ペーストは、上述した各種導電材或いは焼成後に上述した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上述した有機ビヒクルとを混練して調製される。また、外部端子電極用ペーストも、この内部電極層用ペーストと同様にして調製される。
【0069】
各ペーストの有機ビヒクルの含有量は、特に限定されず、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されても良い。
【0070】
印刷法を用いる場合は、電圧非直線性抵抗体層用ペーストを、ポリエチレンテレフタレート等の基板上に所定厚みで複数回印刷して、図1に示す外側保護層8aを形成する。次に、この外側保護層8aの上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成する。次に、この内部電極層4の上に、前記同様に電圧非直線性抵抗体層用ペーストを所定厚みで複数回印刷して、図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8を形成する。次に、層間電圧非直線性抵抗体層8の上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、内部電極層6を形成する。内部電極層4,6は、対向して相異なる端部表面に露出するように印刷する。最後に、内部電極層6の上に、前記と同様に電圧非直線性抵抗体層用ペーストを所定厚みで複数回印刷して、図1に示す外側保護層8aを形成する。その後、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
【0071】
シート法を用いる場合は、電圧非直線性抵抗体層用ペーストを用いてグリーンシートを成形し、その後、このグリーンシートを所定の枚数積層して、図1に示す外側保護層8aを形成する。次に、この外側保護層8aの上に、内部電極層用ペーストを所定パターンで印刷して、グリーン状態の内部電極層4を形成する。同様にして、図1に示す別の外側保護層8aの上に、内部電極層6を形成する。これらを、グリーンシートを所定の枚数積層して形成された図1に示す層間電圧非直線性抵抗体層8を間に挟み、かつ内部電極層4,6が対向して相異なる端部表面に露出するように重ね、加熱しながら加圧、圧着し、所定形状に切断してグリーンチップとする。
【0072】
次に、このグリーンチップを脱バインダ処理及び焼成して、焼結体(素子本体10)を作製する。
【0073】
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよい。たとえば、空気雰囲気において、昇温速度を5〜300℃/時間程度、保持温度を180〜400℃程度、温度保持時間を0.5〜24時間程度とする。
【0074】
グリーンチップの焼成は、通常の条件で行えばよい。たとえば、空気雰囲気において、昇温速度を50〜500℃/時間程度、保持温度を1000〜1400℃程度、温度保持時間を0.5〜8時間程度、冷却速度を50〜500℃/時間程度とする。保持温度が低すぎると緻密化が不充分となり、保持温度が高すぎると内部電極の異常焼結による電極の途切れを生じる傾向がある。
【0075】
得られた焼結体(素子本体10)に、たとえば、バレル研磨やサンドブラストにより端面研磨を施し、外部端子電極用ペーストを印刷又は転写して焼成し、外部端子電極12,14を形成する。外部端子電極用ペーストの焼成条件は、たとえば、空気雰囲気中で600〜900℃にて10分〜1時間程度とすることが好ましい。
【0076】
このようにして製造された本実施形態の積層チップバリスタ2は、たとえば静電気等の外来サージ(異常電圧)やノイズ等を、吸収又は除去するために使用される。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0078】
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る電子部品として積層チップバリスタを例示したが、本発明に係る電子部品としては、積層チップバリスタに限定されず、上記組成の電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してある電圧非直線性抵抗体層を有するものであれば何でも良い。
【0079】
また、図1に示すように、内部電極層が複数対積層された積層チップバリスタに限定されない。図1では、内部電極層が複数対積層されているが、内部電極がそれ以上の多数積層してあってもよく、或いは内部電極が1対のみである積層チップバリスタであってもよい。
【0080】
【実施例】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0081】
実施例1
本実施例では、図1に示す積層チップバリスタを作製し、この特性を評価した。
【0082】
まず、バリスタ層を構成する電圧非直線性抵抗体磁器組成物の材料を作製するために、主成分原料(ZnO)及び第1〜第8副成分原料を用意した。各原料としては、酸化物、炭酸塩及び炭酸塩の水和物等を用いた。
【0083】
次に、これらの原料を、焼成後の組成が、主成分であるZnO:100モルに対して、各表の原子%(金属又は半金属原子の総量に対する割合)組成になるように配合して、有機バインダ、有機溶剤、有機可塑剤を加え、ボールミルにより約20時間湿式混合して、スラリーを作製した。
【0084】
このスラリーをドクターブレード法により、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のベースフィルム上に30μmの厚さのグリーンシートを作製し、塗布した前記グリーンシート上に、パラジウムペーストを用い、スクリーン印刷にて、所望の形状になるように印刷し、乾燥して、図1に示す内部電極4を形成する。次に、図1に示す内部電極6を、同様に形成し、これらを交互に各2枚積み重ねて、バリスタ層8が3層の内部電極層4,6を形成した。
【0085】
さらに、最外層となる外側保護層8aは、同じ組成のグリーンシートを複数枚重ねて形成した。
【0086】
その後、これらを加熱、圧着した後、所定のチップ形状となるように切断してグリーンチップとした。
【0087】
このグリーンチップを350℃で2時間脱バインダーを行った後、1200℃で2時間空気中において焼成し、積層チップバリスタ素体となる焼結体を得た。
【0088】
次いで、得られた焼結体の両端にAgを主体とした電極ペーストを塗布し、800℃で焼き付けして端子電極12,14を形成した。このようにして、図1に示す断面図の構成をした積層チップバリスタを得ることができた。得られた積層チップバリスタは、内部電極の重なり面積が0.05mm2 であった。
【0089】
得られた積層チップバリスタ試料を用いて、非直線係数、バリスタ電圧、及び高温負荷寿命試験後のバリスタ電圧の変化率を測定した。
【0090】
非直線係数(α)は、積層チップバリスタ試料に流れる電流が1mAから10mAまで変化した場合の積層チップバリスタ試料の電極間にかかる電圧と電流の関係を示しており、次式から求めた。α=log(I10/I1 )/log(V10/V1)=1/log(V10/V1)。なお、V10は、積層チップバリスタ試料にI10=10mAの電流を流した場合のバリスタ電圧を意味し、V1は、積層チップバリスタ試料にI1 =1mAの電流を流した場合のバリスタ電圧を意味する。この非直線係数αが大きいほど、バリスタ特性に優れている。
【0091】
バリスタ電圧(V1mA )は、積層チップバリスタ試料を直流定電流電源に接続し、積層チップバリスタ試料の両電極間に作用する電圧を電圧計で測定すると共に、積層チップバリスタ試料に流れる電流を電流計にて読みとることにより求めた。具体的には、積層チップバリスタ試料に流れる電流が1mAの時に、積層チップバリスタ試料の電極間に作用する電圧を電圧計により読みとり、その値をバリスタ電圧とした。単位は、Vとした。
【0092】
高温負荷寿命試験後のバリスタ電圧の変化率((△V1mA )/V1mA )は、積層チップバリスタ試料を、基板の上に半田付けし、バリスタ電圧(V1mA )を測定し、初期値とした後、85℃でバリスタ電圧の0.7倍を240時間印加し、その後、室温にて再度、バリスタ電圧(V1mA )を測定し、次式から求めた(単位は%)。{(△V1mA )/V1mA }={(V1mA @240h−V1mA @0h)/V1mA @0h}×100。
【0093】
結果を、併せて各表に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
【0102】
【表9】
評価
表1に示すように、第8副成分の添加量と電気特性の関係については、Moの添加量が増えるに従って、バリスタ電圧は増加していく。このとき、Mo添加量の多い場合を除いて、非直線性に大きな違いは認められなかった。Moを添加していない試料1では、高温負荷寿命試験後でショート状態となった。その後、Moを添加していくと寿命試験結果が改善されるが、Mo添加量の少ない試料2においては、効果が十分ではなく、バリスタ電圧変化が大きくなった。逆にMo添加量の多い試料8では非直線性が減少し、バリスタ特性の劣化が認められた。これに対して、試料3〜7は、試験後もバリスタ電圧変化が認められず、Moの含有効果が分かる。表1に示す結果から、主成分100モルに対する前記第8副成分の比率は、Mo換算で、0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、好ましくは0.001〜2原子%、より好ましくは0.001〜1原子%であることが確認できた。
【0103】
表2は、アルカリ金属としてLi、Naを含有した場合の結果を示した。Li含有量が0原子%である試料11では、高温負荷寿命試験で10%以上の劣化が認められた。また、Li含有量が0.01原子%の試料13では、試料が絶縁体化し、バリスタ特性が得られなかった。さらにLiの代わりにNaを用いても構わないし、LiとNaを組み合わせて添加しても構わないことが確認できた。表2より、Li又はNaを添加するとともに、さらにKを添加したアルカリ金属複数添加の場合は、試料11や試料14のようにLi又はNaを添加せずにKを添加した、アルカリ金属単独添加よりも非直線性が高い結果が得られた。表2に示す結果から、主成分100モルに対する第4副成分の比率は、各Li及びNa換算で、0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、好ましくは0〜0.001原子%(但し、0原子%を除く)、より好ましくは0.0001〜0.001原子%であることが確認できた。
【0104】
表3は、アルカリ金属としてK、Rb、Csを含有した場合の結果を示した。K含有量が0.0001原子%である試料19では、非直線性が低かった。また、K含有量が2原子%の試料23では、試料が絶縁体化し、バリスタ特性が得られなかった。さらにKの代わりに他のRb、Csを用いても構わないし、2種類以上を組み合わせて添加しても構わないことが確認できた。表3に示す結果から、主成分100モルに対する第5副成分の比率は、各K、Rb及びCs換算で、0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、好ましくは0.001〜1原子%、より好ましくは0.001〜0.05原子%であることが確認できた。
【0105】
表4は、Co含有量と電気特性についてについてまとめたものであるが、Co含有量が0.01原子%である試料55では、試料が低抵抗化し、バリスタ電圧が得られなかった。また、Co含有量が50原子%である試料50では、バリスタ電圧の増大と非直線性の低下が見られた。表4に示す結果から、主成分100モルに対する第1副成分の比率は、Co換算で、好ましくは0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)、より好ましくは0.1〜20原子%、さらに好ましくは1〜10原子%であることが確認できた。
【0106】
表5は、希土類元素であるPrの含有量と電気特性についてまとめたものである。Pr含有量が0.01原子%である試料60では、試料が低抵抗化し、バリスタ電圧が得られなかった。また、Pr含有量が10原子%である試料64では、バリスタ電圧が急激に増大し200Vを超えることが確認できた。表5に示す結果から、主成分100モルに対する第2副成分の比率は、希土類元素換算で、好ましくは0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)、より好ましくは0.05〜5原子%、さらに好ましくは0.1〜5原子%であることが確認できた。
【0107】
表6は、Prの代わりに種々の希土類元素を含有したときの結果である。この表から、いずれの希土類元素も用いる事ができることが確認できた。
【0108】
表7は、3B族元素であるB、Al、Ga及びIn含有した場合の結果を示した。Al含有量が0.0001原子%の試料81では、バリスタ電圧が急激に増大し200Vを超えた。また、Al含有量が1原子%の試料86では、試料が絶縁体化し、バリスタ特性が得られなかった。さらにAlの代わりにB、Ga及びInを用いることができ、B、Al、Ga及びInから選ばれた2種類以上の組み合わせを用いる事ができることが確認できた。また、表7に示す結果から、主成分100モルに対する第3副成分の比率は、3B族元素換算で、好ましくは0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、より好ましくは0.0005〜0.5原子%、さらに好ましくは0.0005〜0.01原子%であることが確認できた。
【0109】
表8に示すように、第6副成分の添加量と電気特性の関係については、Siの添加量が増えるに従って、バリスタ電圧は増加していく。表8に示す結果から、主成分100モルに対する第6副成分の比率は、Si換算で、好ましくは0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、より好ましくは0.001〜0.5原子%、さらに好ましくは0.001〜0.1原子%であることが確認できた。
【0110】
表9は、アルカリ土類金属としてMg、Caを含有した場合の結果を示した。Ca含有量が0.001原子%の試料118では、非直線性が小さくなり、また、5原子%の試料121ではバリスタ電圧が急増した。また、Mgを用いた場合も同様の結果が得られ、さらにこれらを併用しても含有の効果が得られることが確認できた。表9に示す結果から、主成分100モルに対する第7副成分の比率は、2A族元素換算で、好ましくは0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)、より好ましくは0.01〜2原子%、さらに好ましくは0.01〜1原子%であることが確認できた。
【0111】
実施例2
表1の試料5の組成と、Moの代わりに試料5と同じ原子%のCrになる量のCr酸化物を添加した試料9と、Mo+Cr=(0.005+0.005)原子%の量のMo酸化物とCr酸化物を添加した試料10の3つについて、実施例1と同じ方法でチップバリスタを作製した。これらを、それぞれ100個のバリスタ電圧測定を行い、バラツキの比較を行った。バラツキは次式により求めた。バラツキC.V.=(100個の標準偏差/100個の平均値)×100(%)。
【0112】
表10にそれぞれのバリスタ電圧と、バラツキを示す。
【0113】
【表10】
【0114】
表10に示すように、Mo添加したチップバリスタのバラツキは小さく、Cr添加の1/3以下になることが確認できた。これは、MoがZnOの異常粒成長を抑制し、均一な結晶粒を得る効果が高いためであると考えられる。
【0115】
なお、Crの他にMoを添加した場合は、Cr単独添加と比較すれば、バラツキ改善の効果が認められるが、Crを含まずMoを含めた方が好ましいことが確認された。
【0116】
実施例3
本実施例では、本発明に係る電圧非直線性抵抗体磁器組成物そのものの特性を評価した。
【0117】
表1の試料5に示す組成の粉体(電圧非直線性抵抗体磁器組成物の材料)に、バインダとしてのポリビニルアルコールを添加して、顆粒状になるようにバインダと電圧非直線性抵抗体磁器組成物材料とを混合した。次に、この顆粒状の電圧非直線性抵抗体磁器組成物材料をプレス成形し、外径φ16mm、厚み1.2mmの円板状予備成形体を得た。
【0118】
次に、この得られた予備成形体を、350℃で2時間、脱バインダーを行った後、1200℃で2時間、大気中で焼成し、外径φ14mm、厚みが1mmの円板状半導体焼結体を得た。
【0119】
次に、この円板状半導体焼結体の両面に、Agを焼き付けることでφ11.5mmの電極を形成して、本発明の電圧非直線性抵抗体磁器組成物の試料としての円板状試料を得た。
【0120】
得られた円盤状試料を用いて、実施例1と同様に、非直線係数、バリスタ電圧、及び高温負荷寿命試験後のバリスタ電圧の変化率を測定した。その結果、実施例1と同様の効果が得られることが確認できた。
【0121】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、バリスタ特性を維持しながら、バリスタ電圧のバラツキを少なくし、かつ電圧負荷寿命試験で特性が劣化しない電圧非直線性抵抗体磁器組成物と、信頼性が高められた積層チップバリスタ等の電子部品とを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る積層チップバリスタの断面図である。
【符号の説明】
2… 積層チップバリスタ
4,6… 内部電極層
8… 層間電圧非直線性抵抗体層
8a… 外側保護層
10… 素子本体
12,14… 外部端子電極
Claims (14)
- 酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、
3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分とを、有する電圧非直線性抵抗体磁器組成物であって、
前記主成分100モルに対する前記第4,5及び8副成分の比率が、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、
第8副成分:Mo換算で0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、
である電圧非直線性抵抗体磁器組成物。 - 前記主成分100モルに対する第1副成分の比率が、Co換算で0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)である請求項1に記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記主成分100モルに対する前記第2副成分の比率が、希土類元素換算で0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)である請求項1又は2に記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記主成分100モルに対する前記第3副成分の比率が、3B族元素換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)である請求項1〜3の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記主成分100モルに対する前記第6副成分の比率が、Si換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)である請求項1〜4の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記主成分100モルに対する前記第7副成分の比率が、2A族元素換算で0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)である請求項1〜5の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記前記希土類元素が、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記3B族元素が、B、Al、Ga及びInの少なくとも1種である請求項1〜7の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記2A族元素が、Mg及びCaの少なくとも1種である請求項1〜8の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 前記第8副成分が、Crの酸化物を含まない請求項1〜9の何れかに記載の電圧非直線性抵抗体磁器組成物。
- 酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、
3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分とを、有する電圧非直線性抵抗体磁器組成物であって、
前記主成分100モルに対する各成分の比率が、
第1副成分:Co換算で0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)、
第2副成分:希土類元素換算で0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)、
第3副成分:3B族元素換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、
第6副成分:Si換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、
第7副成分:2A族元素換算で0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)、
第8副成分:Mo換算で0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、
である電圧非直線性抵抗体磁器組成物。 - 電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品であって、
前記電圧非直線性抵抗体層が、電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してあり、
前記電圧非直線性抵抗体磁器組成物が、
酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、
3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分とを、有し、
前記主成分100モルに対する前記第4,5及び8副成分の比率が、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、
第8副成分:Mo換算で0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、
である電子部品。 - 電圧非直線性抵抗体層を有する電子部品であって、
前記電圧非直線性抵抗体層が、電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してあり、
前記電圧非直線性抵抗体磁器組成物が、
酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
希土類元素の酸化物を含む第2副成分と、
3B族元素の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
2A族元素の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分とを、有し、
前記主成分100モルに対する各成分の比率が、
第1副成分:Co換算で0.01〜50原子%(但し、0.01原子%と50原子%を除く)、
第2副成分:希土類元素換算で0.01〜10原子%(但し、0.01原子%と10原子%を除く)、
第3副成分:3B族元素換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.01原子%(但し、0原子%と0.01原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.0001〜2原子%(但し、0.0001原子%と2原子%を除く)、
第6副成分:Si換算で0.0001〜1原子%(但し、0.0001原子%と1原子%を除く)、
第7副成分:2A族元素換算で0.001〜5原子%(但し、0.001原子%と5原子%を除く)、
第8副成分:Mo換算で0.0001〜5原子%(但し、0.0001原子%と5原子%を除く)、
である電子部品。 - 電圧非直線性抵抗体層と内部電極層とが積層された素子本体と、
該素子本体の両端部に形成された一対の外部端子電極とを、有する積層チップバリスタであって、
前記電圧非直線性抵抗体層が、電圧非直線性抵抗体磁器組成物で構成してあり、
前記電圧非直線性抵抗体磁器組成物が、
酸化亜鉛を含む主成分と、
酸化コバルトを含む第1副成分と、
La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの少なくとも1種の酸化物を含む第2副成分と、
B、Al、Ga及びInの少なくとも1種の酸化物を含む第3副成分と、
Li及びNaの少なくとも1種の酸化物を含む第4副成分と、
K、Rb及びCsの少なくとも1種の酸化物を含む第5副成分と、
酸化シリコンを含む第6副成分と、
Mg及びCaの少なくとも1種の酸化物を含む第7副成分と、
Moの酸化物を含む第8副成分(但し、Crの酸化物は含まない)とを、有し、
前記主成分100モルに対する各成分の比率が、
第1副成分:Co換算で0.1〜20原子%、
第2副成分:各La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLu換算で0.05〜5原子%、
第3副成分:各B、Al、Ga及びIn換算で0.0005〜0.5原子%、
第4副成分:各Li及びNa換算で0〜0.001原子%(但し、0原子%を除く)、
第5副成分:各K、Rb及びCs換算で0.001〜1原子%、
第6副成分:Si換算で0.001〜0.5原子%、
第7副成分:各Mg及びCa換算で0.01〜2原子%、
第8副成分:Mo換算で0.001〜2原子%、
である積層チップバリスタ。
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