JP2005022518A - ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備 - Google Patents
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Abstract
【目的】少なくとも駐車操作の開始時に、すなわち少なくとも前輪を駐車部材上に載せられるまでの間は駐車部材がスライドしないようにすると共に、上記所要の時間が経過した後は自動的にロックが解除されるようにする。
【構成】横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レール側に押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら、押当部材のレール側への押し当てを解除するようにしたものである。
【選択図】 図1
【構成】横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レール側に押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら、押当部材のレール側への押し当てを解除するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二輪車を載せた駐車部材を隣り合う方向にスライドさせて詰めることが出来るスライド式二輪車駐車設備であり、少なくとも駐車操作の開始時に駐車部材がスライドしないようにするためのブレーキが設けられた、スライド式二輪車駐車設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より自転車の駐車収納設備として、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るものがあった。駐車部材は一般的に横断面コ字形状のチャンネル材から成り、その開放側が上に向くように置かれ、チャンネル材の下面の前後に設けた車輪を2本の平行なレールに填め合わせて、左右にスライド自在と成るように構成したものである。
【0003】
このチャンネル材に自転車の前後輪を載せ上げて駐車させるが、自転車が載っている状態でも駐車部材はその車輪によってレール上を軽々とスライドすることが出来る。従って、自転車を詰めて駐車させることが出来、また出庫する場合には隣り合って駐車している自転車をスライドさせて除けることが出来る、という利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら駐車部材が軽々とスライドしてしまうため、この利点が災いし、二輪車を駐車させようとしてその前輪が駐車部材に触れただけで駐車部材がスライドし、駐車作業が困難になる状況がしばしば見られる。そこで駐車部材がスライドしないようにロックすることが考えられたが、ロック操作の後にアンロックの操作が必要となり煩わしかった。また朝の通勤時に急いでいたりすると、アンロックの操作が忘れられてしまうことがあり、そうなると駐車部材をレール上をスライドさせることで自転車を詰めて駐車出来ると言う利点が活かされないばかりか、隣り合う駐車中の駐車部材を移動させることが出来ない事態も起こるため駐車作業そのものに不都合を来たしてしまうのである。従ってこの整理のために係員を常駐させなくてはならず管理コストが掛かっていた。
【0005】
そこでこの発明は、上述したような問題点を解決して、少なくとも駐車操作の開始時に、すなわち少なくとも前輪を駐車部材上に載せられるまでの間は駐車部材がスライドしないようにすると共に、上記所要の時間が経過した後は自動的にロックが解除されるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】
上述した課題は、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レールに押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら押当部材のレールへの押し当てを解除するようにして成る、ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備とすることにより達成される。
【0007】
二輪車を駐車させようとする際にはペダルを操作する。するとこのペダルは、押当部材をレール方向へ移動させて押当部材をレールに押し当てるため、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かることとなり、二輪車を楽々と駐車させることが出来る。そしてタイマーに設定された時間が経過すると、タイマーは押当部材のレールへの押し当てを解除するため、駐車部材のレール上の移動が自由となる。ペダルは元に戻されて次の使用に備えられる。駐車操作の開始時に従来のように駐車部材が振らつくと駐車作業が難しいものとなるが、この発明によれば少なくともこの一番難しい瞬間に駐車部材の移動にブレーキを掛けることが出来るのである。またブレーキが解除されないままに放置される駐車部材が存在しないため、隣り合って駐車されている二輪車のスライド移動に不都合を生ずるようなこともない。
【0008】
また上記課題は、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レールにブレーキ用のレールが添設されており、このブレーキ用のレールに押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設けて、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら押当部材のブレーキ用のレールへの押し当てを解除するようにして成る、ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備とすることにより達成される。
【0009】
二輪車を駐車させようとする際にはペダルを操作する。するとこのペダルは、押当部材をブレーキ用のレール(駐車部材がその上を移動するレールと区別するため、以下ブレーキレールと呼称する)の方向へ移動させて押当部材をブレーキレールに押し当てるため、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かることとなり、二輪車を楽々と駐車させることが出来るのである。そしてタイマーに設定された時間が経過すると、タイマーは押当部材のブレーキレールへの押し当てを解除するため、駐車部材のレール上の移動が自由となる。ペダルは元に戻されて次の使用に供される。駐車操作の開始時に駐車部材が振らつくと駐車作業が難しいものとなるが、この発明によれば少なくともこの一番難しい瞬間に駐車部材の移動にブレーキを掛けることが出来るのである。
【0010】
なお上記何れの解決手段に於いても、「駐車部材の移動にブレーキを掛ける」のブレーキにはストッパの意味も含まれる。また上記で「タイマーに設定された時間が経過すると」とは「タイマーが所定の機械的な動作をし終わると」と言う意味も含まれる。
【0011】
押当部材はレールまたはブレーキレールの、側面部に接触するように設けることが出来るし上面部に接触するように設けることも出来る。どちらも同様に駐車部材の移動にブレーキを掛けることが出来る。
【0012】
さて上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いて更に、前記タイマーがゼンマイを備えており、このゼンマイの捲き戻る動作により押当部材の押し当てを解除するようにして成るものとすることが出来る。
【0013】
ペダルを操作すると、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かるが、この時にゼンマイが捲かれてゼンマイの巻き戻しが開始される。ゼンマイが捲き戻る動作でブレーキが外れることになる。このゼンマイ回りの設定、例えばギヤ列の設定如何で適切なタイマー時間の設定が行なえる。
【0014】
なお前記押当部材にレールまたはブレーキレールへの押し当てを解除する方向に付勢するバネが取り付けられ、前記ペダルが前記ゼンマイの捲き軸に接続されこの捲き軸にカムが取り付けられており、前記ペダルが操作されたらカムが押当部材をレールへ押し当て且つゼンマイが捲き戻ったらレールへの押し当てを解除するようなカム形状とすることが出来る。
【0015】
この構成で重要なのはカムであり、カムの回動状態によって押当部材をレールへ押し当てる状態とレールから離す状態とを押当部材に取らせることが出来る。この押当部材をレールへ押し当たる状態へと移行させるには、ペダルを操作してカムを回動させればよい。またこの時に同時にゼンマイが捲かれる。ゼンマイがそれ自体の力で捲き戻り始めるとカムが反転し始めて、カムが元の状態に戻ると押当部材がレールから離れた状態となりブレーキが外れるのである。
【0016】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いて更に、前記押当部材のレールに接触する部位に弾性材が取り付けられたものとすることが出来る。
【0017】
この弾性材としてはコルクなどの木材、ネルなどの布材、合成ゴムなどのゴム材等々が任意に用いられ得る。このような弾性材が押当部材のレールまたはブレーキレールに接触する部位に取り付けられていると、ブレーキの掛かりが良好になるばかりか、レールまたはブレーキレールに対する押当部材の打撃音が低減されたり傷を付けてしまうのを防止することが出来るのである。
【0018】
なお更に前記弾性材がローラー形状であって、これが回動自在に取り付けられているものとすることが出来る。
【0019】
前記弾性材がローラー形状であると、弾性材が自然に少しだけ回動するため、レールまたはブレーキレールに対する押し当て位置が少しずつ変化して、弾性材のすり減り防止になり寿命を長くすることが出来るのである。
【0020】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いてさらに、前記ペダルが足で押し得るように設けられているものとすることが出来る。これは所謂フットペダルである。
【0021】
二輪車を駐車させようとする際にはこのペダルを足で踏み込むようにして操作する。するとこのペダルは押当部材をレールまたはブレーキレールに押し当てるため、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かることになる。なおこの状態はタイマーに設定された時間が経過すると自動的に解消されペダルも元の位置に戻る。従ってペダルを元に戻すような操作は不要である。
【0022】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いてさらに、前記ペダルが二輪車の車輪で踏み得るように駐車部材側の車輪導入部に設けられているものとすることが出来る。前記車輪導入部とは駐車部材の端部付近のことである。あるいは駐車部材の端部に車輪を載せ上げるための傾斜路を取り付けてこれをペダルとしてもよい。
【0023】
この構成では車輪が駐車部材上に導入される直前にペダルを踏むことになり、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かり、またタイマーに設定された時間が経過すると自動的にブレーキが解消されてペダルも元の位置に戻るのである。従って、自転車を駐車させようとすると必然的に車輪でペダルを踏むことになるため、操作者がわざわざペダルを足で踏むようなことは不要である。
【0024】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いてさらに、前記ペダルが前記駐車部材に設けられた車輪落し込み孔の下方に二輪車の車輪で踏み得るように設けられているものとすることが出来る。なお車輪落し込み孔の深さはそれほど大きくなくてよいのは、単にペダルを踏ませる目的で設けられるものだからである。
【0025】
自転車を駐車させようとすると、二輪車の車輪が前記車輪落し込み孔に落とし込まれ、ここで前記ペダルを踏むことになる。こうして一旦駐車部材のレール上の移動にブレーキを掛けておき、その後一気に二輪車を駐車部材の奥まで進入させ駐車させるようにする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態に付き、図面を参照しながら説明するが、この発明はこの実施形態にのみ限定されるものではない。
【0027】
(第1実施形態)
図1乃至図8を用いてこの発明の第1実施形態の説明を行なう。図中符号1はレールであるが、このレールに付いて2つの立面部10が40度の開き角で略V字形状を呈するように立設されており、各々の立面部10の下端部からは滑走面部11が、また上端部からは天部12が立面部10に対して90度の角度で外方向へ設けられている。なお両の天部12は中央で連結されており、また両の滑走面部11は台座で連結されている。
【0028】
このような構成のレール1に対して台車2を、レール1の長手方向に滑走自在に組み付ける。即ち、台車2はその両端部に軸受け20を備え、該軸受け20の内側に車輪21が回転軸22により回転自在に取り付けられており、該車輪21が前記レール1の滑走面部11を転動し得るように、台車2をレール1に組み付けるのである。従って車輪21も前記立面部10と同様、略V字形の取り付け角を有する(図1、図2及び図5を参照)。
【0029】
このようなレール1と台車2とから成るスライド機構を2つ、レール1が平行と成るように設置し、二輪車の車輪通路であるチャンネル材3を2つの台車2の上部に架け渡してスライド式二輪車駐車設備としている。図6ではレール1の上にチャンネル材3,33が載っている状態が表わされている。チャンネル材3,33は断面コ字形状を呈し、開口部が上方に向けられており、この溝に二輪車の車輪が案内され、駐車される。またチャンネル材3,33には前輪支持枠30,34が前記溝を挟むようにして立設されている。なお、チャンネル材33側は、前記2つの台車2,2の受け具4,40間に架け渡されている。受け具4と受け具40とでは長さが異なり受け具4の方が長いため、チャンネル材33が傾斜した状態で表わされている。
【0030】
また図6では手前側に前記受け具4,40を用いずに直接台車2上に固定したチャンネル材3を表わしている。このようなチャンネル材3,31の組を交互にレール1,1上に配置することにより、隣り合って駐車される自転車のハンドルが、入庫時や出庫時に干渉し難く成る。
【0031】
さて、このように構成したスライド式二輪車駐車設備に、ブレーキ機構を取り付けている。図1はブレーキを掛けていない状態の内部構成を表わし、また図2はブレーキを掛けた状態の内部構成を表わす。筐体5の内部に回動軸56で回動自在に片持ちさせたT字金具55が取り付けられており、T字形の中央部分にはローラー54が固定されており、このローラー54に上側から接するようにして弓張りカム51が回動自在に取り付けられている。この弓張りカム51は円形の外周部53の一部に円弧状の切欠部52が形成されており、該切欠部52は前記ローラー54の外周部にほぼ全面的に接触し得る円弧形状を呈する。一方、前記T字金具55の回動軸56とは反対側の端部と筐体5の内部壁面との間にコイルバネ57が取り付けられており、前記ローラー54を常に弓張りカム51方向に付勢している。次にT字金具55の下方へ延びた端部には回動軸58が設けられており、この回動軸58の回りにゴムローラー59が取り付けられている。なお後述するが、このゴムローラー59が図2で表わすようにレール1の天部12に接触することによって、レール1上を移動する台車2にブレーキが掛かるようになる。
【0032】
ではそのゴムローラー59を押し下げてレール1の天部12に接触させる原理であるが、図2から明かと成るように、前記弓張りカム51の回動軸にはリンク50が設けられており、このリンク50の先端部分には回動軸を介して後述するリンク杆63が取り付けられている。このリンク杆63を図2の左方向へ押すとリンク50が回動し、これに連れて弓張りカム51が回動して、今までは切欠部52を以てローラー54の外周部に接触していたものが、切欠部52が回動移動してしまうため弓張りカム51は今度は外周部53で接触するようになり(図2ではリンク杆63の一部を切欠して見せている)、弓張りカム51はコイルバネ57に抗してT字金具55を回動軸56を中心として下方向へ回動させる。この結果ゴムローラー59が押し下げられてレール1の天部12に接触するようになるのである。なお図中符号500は、ゴムローラー59を通すために設けられた筐体1の底部の開口部である。当然のことながら、この開口部500に相当する台車2の部位にも開口されている。
【0033】
さて前記弓張りカム51の背後にはゼンマイボックス7が設けられておりこの内部にゼンマイが納められている。図3及び図4で表わすようにゼンマイの捲き戻し軸504は前記弓張りカム51の回動軸でもある。従って前記リンク杆63が押されて図1の状態から図2の状態へ移行すると弓張りカム51の回動に連れてゼンマイが捲かれるが、ここからゼンマイは自動的に元の状態へ戻ろうとするため捲き戻し軸504を介して弓張りカム51を反転させる。そして弓張りカム51の切欠部52がローラー54の位置まで戻ると、コイルバネ57の力が作用してこの切欠部52にローラー54が嵌まり込み、この結果T字金具55が回動軸56から上方へ回動してゴムローラー59がレール1の天部12から離れて、ブレーキが解除されるのである。
【0034】
次に前記リンク杆63であるが、このものは前記チャンネル材3の車輪が進入して来る端部の左側に足で踏み得るように設けられたペダル60と、前記リンク50とを接続するものとして設けられている。このリンク杆63とペダル60との間には更にリンク機構6を介在させて、ペダル60が踏み込まれて生ずる回動運動をリンク杆63のリニアな運動に変換する役割を担っている。図7及び図8で示すようにペダル60は回動軸61で、チャンネル材3の車輪が進入して来る前端部の左外側に添設された別のチャンネル材62に回動自在に取り付けられている。このペダル60にリンク機構6が設けられているが、この構造に付いてはごく一般的なものであり説明が煩雑になるので省略するが、要するにペダル60が足で踏まれて押し下げられた場合にこの回動運動を前記リンク杆63をレール1方向へ押し出すスライド運動に変換するためのものである(図8)。リンク杆63はチャンネル材3の壁面部に固定された支持具31のスライド孔32に通されて支持されている。
【0035】
このように構成されたこの実施形態のスライド式二輪車駐車設備では、二輪車を駐車させやすくなるように、チャンネル材3すなわち駐車部材をレール1の上をスライドさせて隣同士の間隔を空けるようにする。この後これから駐車させようとする二輪車の前輪をチャンネル材3の前端部分から載せ上げるのであるが、これに先立ってペダル60を足で踏むことにより、チャンネル材3のレール1上の移動にブレーキを掛けるようにする。そしてゼンマイボックス7のゼンマイが捲き戻りゴムローラー59がレール1の天部12から離れるまでの間に二輪車をチャンネル材3上に完全に載せ上げて駐車作業を完了させるようにする。この後は二輪車が載っている状態でもチャンネル材3はその車輪21によってレール1上を軽々とスライドすることが出来る。従って、二輪車を詰めて駐車させることが出来、また出庫する場合には隣り合って駐車している二輪車をスライドさせて除けることが出来るのである。すなわちこのスライド式二輪車駐車設備の特長は少なくとも駐車操作の開始時にチャンネル材3がスライドしないようにするためのブレーキが掛けられること、またそのブレーキが弓張りカム51とゼンマイの動作により所定時間後に自動的に解除されることにある。従ってブレーキが解除されないままに放置されるチャンネル材3は存在しない。
【0036】
(第2実施形態)
図9はこの実施形態を表わしたものであるが、この実施形態はその殆どの部分を上述した第1実施例の構成に倣うが、押下部材65回りの構成が異なる。すなわち押下部材65は回動軸66で、チャンネル材3の車輪が進入して来る前端部に回動自在に取り付けられている。この押下部材65にリンク機構64が設けられている。この構造に付いてはごく一般的なものであって説明が煩雑になるので省略するが、要するにペダルとしての押下部材65が前輪で押し下げられた場合にこの回動運動を、リンク杆68をレール1方向へ押し出すスライド運動に変換するためのものである。リンク杆68はリンク50に接続されている。
【0037】
二輪車の前輪をチャンネル材3に進入させようとすると、前輪は先ず押下部材65を踏む。これによりチャンネル材3にレール1に対するブレーキが掛かるため、二輪車を更にチャンネル材3の奥側へ進入させるのが容易になる。次に押下部材65が元の位置に戻されると、レール1に掛かっているブレーキは解除されており、チャンネル材3がこのレール1上をスライド自在となるのである。
【0038】
(第3実施形態)
図10はこの実施形態を表わしたものであるが、この実施形態に付いてもその殆どの部分を上述した第1実施例の構成に倣うのであるが、押下部材67回りの構成が異なる。すなわちチャンネル材3の車輪が進入して来る前側の底部に車輪落し孔35が設けられており、この車輪落し孔35の下側に回動軸69にて軸支された押下部材67が取り付けられている。このペダルとしての押下部材67は図示しないリンク機構に接続されており、更にリンク50に接続されている。
【0039】
二輪車の前輪をチャンネル材3に進入させると、前輪は前記車輪落し孔35の中に軽く落ちるが、この時に前記押下部材67を踏み下げるため、チャンネル材3にレール1に対するブレーキが掛かることとなる。しかしながら二輪車の前進の勢いによって前輪は車輪落し孔35を抜け出し、ブレーキが掛かって動かなくなったチャンネル材3を更に先へ安定して進むことが出来る。
【0040】
(第4実施形態)
さてこれまでは、駐車部材の車輪が転動するレールに対して、押当部材を押し当ててブレーキを掛けるように構成していたが、このレールに限定されるものでもない。「前記レール側」に押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、と言うのはこの意味である。
【0041】
図11で表わしたものは、前記レールとは別にブレーキ専用のレール9を設けた実施形態となっている。すなわちレール1に並行に添わせてレール9を設け、このレール9の表面に凹凸部90を刻設し、このレール9に接触させることによってブレーキを掛け得る噛合部材501を、台車2からレール9に向かって垂下させて成る。噛合部材501は図示しないペダルに接続され、ペダルが二輪車の前輪で押し下げられることにより、噛合部材501が下降してレール9の凹凸部90に噛合し、ブレーキが掛かるように構成されている。なおレール9を設けることなく、噛合部材501に代わるブレーキ部材が直接的に床面に接触するような構成も可能である。
【0042】
(第5実施形態)
またこれまでは、第1実施形態で説明した略V字形状を呈するレール1に、略V字形の取り付け角を有する車輪21を組み付けた、スライド式二輪車駐車設備へのこの発明の適用例を説明して来たが、この発明はどのような構成のスライド式二輪車駐車設備へも適用可能である。
【0043】
図12で表わしたものは横方向へ開口されたチャンネル状のレール13の内側下面部に車輪23を転動可能に接触させるが、この車輪23を、下方向へ開口されたチャンネル状の軸受け14で軸支すると共に、別の車輪24を垂直に軸受け14で軸支し、この車輪24を前記レール13の外側側面部に接触させるように構成し、且つ軸受け14に開孔したスライド孔25に押当杆502を挿通させ、この押当杆502の先端部のゴム503が前記レール13の外側の側面部に接触可能に構成したものである。このようにこの発明の対象となることが出来るスライド式二輪車駐車設備は任意に選択可能である。
【0044】
なおこの実施形態では押当杆502の先端部にゴム503設けているが、押当部材としては、第1実施形態やその他の実施形態で取り上げた回動軸58とゴムローラー59との組み合わせでなくともよいのである。
【0045】
なおこの発明は上述した実施形態にのみ限定されないから、例えば前記ペダルは手動で操作するレバーなどとしてもよい。またタイマーは電気時計を利用するなども可能である。なお上記以外の使用例としては、駐車中の自転車を出庫させる際に駐車部材が安定するようにペダルを操作してブレーキを掛けておくことにも利用可能である。また上述した第1実施形態に於いて、弓張りカム以外のカムを用いても良いことは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
以上、この発明は、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於て、前記レール側に押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら、押当部材のレール側への押し当てを解除するようにしたものである。
【0047】
この結果、容易にスライドする傾向にある駐車部材に対して、少なくとも駐車操作の開始時に、すなわち少なくとも前輪を駐車部材上に載せられるまでの間はスライドしないようにすると共に上記所定の時間が経過した後は自動的にロックが解除されるように成り、所期の目的を達成することに成功している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の動作状態説明図である。
【図2】同実施形態の動作状態説明図である。
【図3】同実施形態の動作状態説明図である。
【図4】同実施形態の動作状態説明図である。
【図5】同実施形態の模式図である。
【図6】同実施形態の側面図である。
【図7】同実施形態の動作状態説明図である。
【図8】同実施形態の動作状態説明図である。
【図9】第2実施形態の説明図である。
【図10】第3実施形態の説明図である。
【図11】第4実施形態の模式図である。
【図12】第5実施形態の模式図である。
【符号の説明】
1 レール
10 立面部
11 滑走面部
12 天部
13 レール
14 軸受け
2 台車
20 軸受け
21 車輪
22 回転軸
23 車輪
24 車輪
25 スライド孔
3 チャンネル材
30 前輪支持枠
31 支持具
32 スライド孔
33 チャンネル材
34 前輪支持枠
35 車輪落し孔
4 受け具
40 受け具
5 筐体
50 リンク
51 弓張りカム
52 切欠部
53 外周部
54 ローラー
55 T字金具
56 回動軸
57 コイルバネ
58 回動軸
59 ゴムローラー
500開口部
501噛合部材
502押当杆
503ゴム
504捲き戻し軸
6 リンク機構
60 ペダル
61 回動軸
62 チャンネル材
63 リンク杆
64 リンク機構
65 押下部材
66 回動軸
67 押下部材
68 リンク杆
69 回動軸
7 ゼンマイボックス
9 レール
90 凹凸部
T 二輪車の車輪
【発明の属する技術分野】
この発明は、二輪車を載せた駐車部材を隣り合う方向にスライドさせて詰めることが出来るスライド式二輪車駐車設備であり、少なくとも駐車操作の開始時に駐車部材がスライドしないようにするためのブレーキが設けられた、スライド式二輪車駐車設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より自転車の駐車収納設備として、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るものがあった。駐車部材は一般的に横断面コ字形状のチャンネル材から成り、その開放側が上に向くように置かれ、チャンネル材の下面の前後に設けた車輪を2本の平行なレールに填め合わせて、左右にスライド自在と成るように構成したものである。
【0003】
このチャンネル材に自転車の前後輪を載せ上げて駐車させるが、自転車が載っている状態でも駐車部材はその車輪によってレール上を軽々とスライドすることが出来る。従って、自転車を詰めて駐車させることが出来、また出庫する場合には隣り合って駐車している自転車をスライドさせて除けることが出来る、という利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら駐車部材が軽々とスライドしてしまうため、この利点が災いし、二輪車を駐車させようとしてその前輪が駐車部材に触れただけで駐車部材がスライドし、駐車作業が困難になる状況がしばしば見られる。そこで駐車部材がスライドしないようにロックすることが考えられたが、ロック操作の後にアンロックの操作が必要となり煩わしかった。また朝の通勤時に急いでいたりすると、アンロックの操作が忘れられてしまうことがあり、そうなると駐車部材をレール上をスライドさせることで自転車を詰めて駐車出来ると言う利点が活かされないばかりか、隣り合う駐車中の駐車部材を移動させることが出来ない事態も起こるため駐車作業そのものに不都合を来たしてしまうのである。従ってこの整理のために係員を常駐させなくてはならず管理コストが掛かっていた。
【0005】
そこでこの発明は、上述したような問題点を解決して、少なくとも駐車操作の開始時に、すなわち少なくとも前輪を駐車部材上に載せられるまでの間は駐車部材がスライドしないようにすると共に、上記所要の時間が経過した後は自動的にロックが解除されるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】
上述した課題は、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レールに押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら押当部材のレールへの押し当てを解除するようにして成る、ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備とすることにより達成される。
【0007】
二輪車を駐車させようとする際にはペダルを操作する。するとこのペダルは、押当部材をレール方向へ移動させて押当部材をレールに押し当てるため、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かることとなり、二輪車を楽々と駐車させることが出来る。そしてタイマーに設定された時間が経過すると、タイマーは押当部材のレールへの押し当てを解除するため、駐車部材のレール上の移動が自由となる。ペダルは元に戻されて次の使用に備えられる。駐車操作の開始時に従来のように駐車部材が振らつくと駐車作業が難しいものとなるが、この発明によれば少なくともこの一番難しい瞬間に駐車部材の移動にブレーキを掛けることが出来るのである。またブレーキが解除されないままに放置される駐車部材が存在しないため、隣り合って駐車されている二輪車のスライド移動に不都合を生ずるようなこともない。
【0008】
また上記課題は、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レールにブレーキ用のレールが添設されており、このブレーキ用のレールに押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設けて、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら押当部材のブレーキ用のレールへの押し当てを解除するようにして成る、ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備とすることにより達成される。
【0009】
二輪車を駐車させようとする際にはペダルを操作する。するとこのペダルは、押当部材をブレーキ用のレール(駐車部材がその上を移動するレールと区別するため、以下ブレーキレールと呼称する)の方向へ移動させて押当部材をブレーキレールに押し当てるため、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かることとなり、二輪車を楽々と駐車させることが出来るのである。そしてタイマーに設定された時間が経過すると、タイマーは押当部材のブレーキレールへの押し当てを解除するため、駐車部材のレール上の移動が自由となる。ペダルは元に戻されて次の使用に供される。駐車操作の開始時に駐車部材が振らつくと駐車作業が難しいものとなるが、この発明によれば少なくともこの一番難しい瞬間に駐車部材の移動にブレーキを掛けることが出来るのである。
【0010】
なお上記何れの解決手段に於いても、「駐車部材の移動にブレーキを掛ける」のブレーキにはストッパの意味も含まれる。また上記で「タイマーに設定された時間が経過すると」とは「タイマーが所定の機械的な動作をし終わると」と言う意味も含まれる。
【0011】
押当部材はレールまたはブレーキレールの、側面部に接触するように設けることが出来るし上面部に接触するように設けることも出来る。どちらも同様に駐車部材の移動にブレーキを掛けることが出来る。
【0012】
さて上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いて更に、前記タイマーがゼンマイを備えており、このゼンマイの捲き戻る動作により押当部材の押し当てを解除するようにして成るものとすることが出来る。
【0013】
ペダルを操作すると、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かるが、この時にゼンマイが捲かれてゼンマイの巻き戻しが開始される。ゼンマイが捲き戻る動作でブレーキが外れることになる。このゼンマイ回りの設定、例えばギヤ列の設定如何で適切なタイマー時間の設定が行なえる。
【0014】
なお前記押当部材にレールまたはブレーキレールへの押し当てを解除する方向に付勢するバネが取り付けられ、前記ペダルが前記ゼンマイの捲き軸に接続されこの捲き軸にカムが取り付けられており、前記ペダルが操作されたらカムが押当部材をレールへ押し当て且つゼンマイが捲き戻ったらレールへの押し当てを解除するようなカム形状とすることが出来る。
【0015】
この構成で重要なのはカムであり、カムの回動状態によって押当部材をレールへ押し当てる状態とレールから離す状態とを押当部材に取らせることが出来る。この押当部材をレールへ押し当たる状態へと移行させるには、ペダルを操作してカムを回動させればよい。またこの時に同時にゼンマイが捲かれる。ゼンマイがそれ自体の力で捲き戻り始めるとカムが反転し始めて、カムが元の状態に戻ると押当部材がレールから離れた状態となりブレーキが外れるのである。
【0016】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いて更に、前記押当部材のレールに接触する部位に弾性材が取り付けられたものとすることが出来る。
【0017】
この弾性材としてはコルクなどの木材、ネルなどの布材、合成ゴムなどのゴム材等々が任意に用いられ得る。このような弾性材が押当部材のレールまたはブレーキレールに接触する部位に取り付けられていると、ブレーキの掛かりが良好になるばかりか、レールまたはブレーキレールに対する押当部材の打撃音が低減されたり傷を付けてしまうのを防止することが出来るのである。
【0018】
なお更に前記弾性材がローラー形状であって、これが回動自在に取り付けられているものとすることが出来る。
【0019】
前記弾性材がローラー形状であると、弾性材が自然に少しだけ回動するため、レールまたはブレーキレールに対する押し当て位置が少しずつ変化して、弾性材のすり減り防止になり寿命を長くすることが出来るのである。
【0020】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いてさらに、前記ペダルが足で押し得るように設けられているものとすることが出来る。これは所謂フットペダルである。
【0021】
二輪車を駐車させようとする際にはこのペダルを足で踏み込むようにして操作する。するとこのペダルは押当部材をレールまたはブレーキレールに押し当てるため、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かることになる。なおこの状態はタイマーに設定された時間が経過すると自動的に解消されペダルも元の位置に戻る。従ってペダルを元に戻すような操作は不要である。
【0022】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いてさらに、前記ペダルが二輪車の車輪で踏み得るように駐車部材側の車輪導入部に設けられているものとすることが出来る。前記車輪導入部とは駐車部材の端部付近のことである。あるいは駐車部材の端部に車輪を載せ上げるための傾斜路を取り付けてこれをペダルとしてもよい。
【0023】
この構成では車輪が駐車部材上に導入される直前にペダルを踏むことになり、駐車部材のレール上の移動にブレーキが掛かり、またタイマーに設定された時間が経過すると自動的にブレーキが解消されてペダルも元の位置に戻るのである。従って、自転車を駐車させようとすると必然的に車輪でペダルを踏むことになるため、操作者がわざわざペダルを足で踏むようなことは不要である。
【0024】
次に上述したようなスライド式二輪車駐車設備に付いてさらに、前記ペダルが前記駐車部材に設けられた車輪落し込み孔の下方に二輪車の車輪で踏み得るように設けられているものとすることが出来る。なお車輪落し込み孔の深さはそれほど大きくなくてよいのは、単にペダルを踏ませる目的で設けられるものだからである。
【0025】
自転車を駐車させようとすると、二輪車の車輪が前記車輪落し込み孔に落とし込まれ、ここで前記ペダルを踏むことになる。こうして一旦駐車部材のレール上の移動にブレーキを掛けておき、その後一気に二輪車を駐車部材の奥まで進入させ駐車させるようにする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態に付き、図面を参照しながら説明するが、この発明はこの実施形態にのみ限定されるものではない。
【0027】
(第1実施形態)
図1乃至図8を用いてこの発明の第1実施形態の説明を行なう。図中符号1はレールであるが、このレールに付いて2つの立面部10が40度の開き角で略V字形状を呈するように立設されており、各々の立面部10の下端部からは滑走面部11が、また上端部からは天部12が立面部10に対して90度の角度で外方向へ設けられている。なお両の天部12は中央で連結されており、また両の滑走面部11は台座で連結されている。
【0028】
このような構成のレール1に対して台車2を、レール1の長手方向に滑走自在に組み付ける。即ち、台車2はその両端部に軸受け20を備え、該軸受け20の内側に車輪21が回転軸22により回転自在に取り付けられており、該車輪21が前記レール1の滑走面部11を転動し得るように、台車2をレール1に組み付けるのである。従って車輪21も前記立面部10と同様、略V字形の取り付け角を有する(図1、図2及び図5を参照)。
【0029】
このようなレール1と台車2とから成るスライド機構を2つ、レール1が平行と成るように設置し、二輪車の車輪通路であるチャンネル材3を2つの台車2の上部に架け渡してスライド式二輪車駐車設備としている。図6ではレール1の上にチャンネル材3,33が載っている状態が表わされている。チャンネル材3,33は断面コ字形状を呈し、開口部が上方に向けられており、この溝に二輪車の車輪が案内され、駐車される。またチャンネル材3,33には前輪支持枠30,34が前記溝を挟むようにして立設されている。なお、チャンネル材33側は、前記2つの台車2,2の受け具4,40間に架け渡されている。受け具4と受け具40とでは長さが異なり受け具4の方が長いため、チャンネル材33が傾斜した状態で表わされている。
【0030】
また図6では手前側に前記受け具4,40を用いずに直接台車2上に固定したチャンネル材3を表わしている。このようなチャンネル材3,31の組を交互にレール1,1上に配置することにより、隣り合って駐車される自転車のハンドルが、入庫時や出庫時に干渉し難く成る。
【0031】
さて、このように構成したスライド式二輪車駐車設備に、ブレーキ機構を取り付けている。図1はブレーキを掛けていない状態の内部構成を表わし、また図2はブレーキを掛けた状態の内部構成を表わす。筐体5の内部に回動軸56で回動自在に片持ちさせたT字金具55が取り付けられており、T字形の中央部分にはローラー54が固定されており、このローラー54に上側から接するようにして弓張りカム51が回動自在に取り付けられている。この弓張りカム51は円形の外周部53の一部に円弧状の切欠部52が形成されており、該切欠部52は前記ローラー54の外周部にほぼ全面的に接触し得る円弧形状を呈する。一方、前記T字金具55の回動軸56とは反対側の端部と筐体5の内部壁面との間にコイルバネ57が取り付けられており、前記ローラー54を常に弓張りカム51方向に付勢している。次にT字金具55の下方へ延びた端部には回動軸58が設けられており、この回動軸58の回りにゴムローラー59が取り付けられている。なお後述するが、このゴムローラー59が図2で表わすようにレール1の天部12に接触することによって、レール1上を移動する台車2にブレーキが掛かるようになる。
【0032】
ではそのゴムローラー59を押し下げてレール1の天部12に接触させる原理であるが、図2から明かと成るように、前記弓張りカム51の回動軸にはリンク50が設けられており、このリンク50の先端部分には回動軸を介して後述するリンク杆63が取り付けられている。このリンク杆63を図2の左方向へ押すとリンク50が回動し、これに連れて弓張りカム51が回動して、今までは切欠部52を以てローラー54の外周部に接触していたものが、切欠部52が回動移動してしまうため弓張りカム51は今度は外周部53で接触するようになり(図2ではリンク杆63の一部を切欠して見せている)、弓張りカム51はコイルバネ57に抗してT字金具55を回動軸56を中心として下方向へ回動させる。この結果ゴムローラー59が押し下げられてレール1の天部12に接触するようになるのである。なお図中符号500は、ゴムローラー59を通すために設けられた筐体1の底部の開口部である。当然のことながら、この開口部500に相当する台車2の部位にも開口されている。
【0033】
さて前記弓張りカム51の背後にはゼンマイボックス7が設けられておりこの内部にゼンマイが納められている。図3及び図4で表わすようにゼンマイの捲き戻し軸504は前記弓張りカム51の回動軸でもある。従って前記リンク杆63が押されて図1の状態から図2の状態へ移行すると弓張りカム51の回動に連れてゼンマイが捲かれるが、ここからゼンマイは自動的に元の状態へ戻ろうとするため捲き戻し軸504を介して弓張りカム51を反転させる。そして弓張りカム51の切欠部52がローラー54の位置まで戻ると、コイルバネ57の力が作用してこの切欠部52にローラー54が嵌まり込み、この結果T字金具55が回動軸56から上方へ回動してゴムローラー59がレール1の天部12から離れて、ブレーキが解除されるのである。
【0034】
次に前記リンク杆63であるが、このものは前記チャンネル材3の車輪が進入して来る端部の左側に足で踏み得るように設けられたペダル60と、前記リンク50とを接続するものとして設けられている。このリンク杆63とペダル60との間には更にリンク機構6を介在させて、ペダル60が踏み込まれて生ずる回動運動をリンク杆63のリニアな運動に変換する役割を担っている。図7及び図8で示すようにペダル60は回動軸61で、チャンネル材3の車輪が進入して来る前端部の左外側に添設された別のチャンネル材62に回動自在に取り付けられている。このペダル60にリンク機構6が設けられているが、この構造に付いてはごく一般的なものであり説明が煩雑になるので省略するが、要するにペダル60が足で踏まれて押し下げられた場合にこの回動運動を前記リンク杆63をレール1方向へ押し出すスライド運動に変換するためのものである(図8)。リンク杆63はチャンネル材3の壁面部に固定された支持具31のスライド孔32に通されて支持されている。
【0035】
このように構成されたこの実施形態のスライド式二輪車駐車設備では、二輪車を駐車させやすくなるように、チャンネル材3すなわち駐車部材をレール1の上をスライドさせて隣同士の間隔を空けるようにする。この後これから駐車させようとする二輪車の前輪をチャンネル材3の前端部分から載せ上げるのであるが、これに先立ってペダル60を足で踏むことにより、チャンネル材3のレール1上の移動にブレーキを掛けるようにする。そしてゼンマイボックス7のゼンマイが捲き戻りゴムローラー59がレール1の天部12から離れるまでの間に二輪車をチャンネル材3上に完全に載せ上げて駐車作業を完了させるようにする。この後は二輪車が載っている状態でもチャンネル材3はその車輪21によってレール1上を軽々とスライドすることが出来る。従って、二輪車を詰めて駐車させることが出来、また出庫する場合には隣り合って駐車している二輪車をスライドさせて除けることが出来るのである。すなわちこのスライド式二輪車駐車設備の特長は少なくとも駐車操作の開始時にチャンネル材3がスライドしないようにするためのブレーキが掛けられること、またそのブレーキが弓張りカム51とゼンマイの動作により所定時間後に自動的に解除されることにある。従ってブレーキが解除されないままに放置されるチャンネル材3は存在しない。
【0036】
(第2実施形態)
図9はこの実施形態を表わしたものであるが、この実施形態はその殆どの部分を上述した第1実施例の構成に倣うが、押下部材65回りの構成が異なる。すなわち押下部材65は回動軸66で、チャンネル材3の車輪が進入して来る前端部に回動自在に取り付けられている。この押下部材65にリンク機構64が設けられている。この構造に付いてはごく一般的なものであって説明が煩雑になるので省略するが、要するにペダルとしての押下部材65が前輪で押し下げられた場合にこの回動運動を、リンク杆68をレール1方向へ押し出すスライド運動に変換するためのものである。リンク杆68はリンク50に接続されている。
【0037】
二輪車の前輪をチャンネル材3に進入させようとすると、前輪は先ず押下部材65を踏む。これによりチャンネル材3にレール1に対するブレーキが掛かるため、二輪車を更にチャンネル材3の奥側へ進入させるのが容易になる。次に押下部材65が元の位置に戻されると、レール1に掛かっているブレーキは解除されており、チャンネル材3がこのレール1上をスライド自在となるのである。
【0038】
(第3実施形態)
図10はこの実施形態を表わしたものであるが、この実施形態に付いてもその殆どの部分を上述した第1実施例の構成に倣うのであるが、押下部材67回りの構成が異なる。すなわちチャンネル材3の車輪が進入して来る前側の底部に車輪落し孔35が設けられており、この車輪落し孔35の下側に回動軸69にて軸支された押下部材67が取り付けられている。このペダルとしての押下部材67は図示しないリンク機構に接続されており、更にリンク50に接続されている。
【0039】
二輪車の前輪をチャンネル材3に進入させると、前輪は前記車輪落し孔35の中に軽く落ちるが、この時に前記押下部材67を踏み下げるため、チャンネル材3にレール1に対するブレーキが掛かることとなる。しかしながら二輪車の前進の勢いによって前輪は車輪落し孔35を抜け出し、ブレーキが掛かって動かなくなったチャンネル材3を更に先へ安定して進むことが出来る。
【0040】
(第4実施形態)
さてこれまでは、駐車部材の車輪が転動するレールに対して、押当部材を押し当ててブレーキを掛けるように構成していたが、このレールに限定されるものでもない。「前記レール側」に押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、と言うのはこの意味である。
【0041】
図11で表わしたものは、前記レールとは別にブレーキ専用のレール9を設けた実施形態となっている。すなわちレール1に並行に添わせてレール9を設け、このレール9の表面に凹凸部90を刻設し、このレール9に接触させることによってブレーキを掛け得る噛合部材501を、台車2からレール9に向かって垂下させて成る。噛合部材501は図示しないペダルに接続され、ペダルが二輪車の前輪で押し下げられることにより、噛合部材501が下降してレール9の凹凸部90に噛合し、ブレーキが掛かるように構成されている。なおレール9を設けることなく、噛合部材501に代わるブレーキ部材が直接的に床面に接触するような構成も可能である。
【0042】
(第5実施形態)
またこれまでは、第1実施形態で説明した略V字形状を呈するレール1に、略V字形の取り付け角を有する車輪21を組み付けた、スライド式二輪車駐車設備へのこの発明の適用例を説明して来たが、この発明はどのような構成のスライド式二輪車駐車設備へも適用可能である。
【0043】
図12で表わしたものは横方向へ開口されたチャンネル状のレール13の内側下面部に車輪23を転動可能に接触させるが、この車輪23を、下方向へ開口されたチャンネル状の軸受け14で軸支すると共に、別の車輪24を垂直に軸受け14で軸支し、この車輪24を前記レール13の外側側面部に接触させるように構成し、且つ軸受け14に開孔したスライド孔25に押当杆502を挿通させ、この押当杆502の先端部のゴム503が前記レール13の外側の側面部に接触可能に構成したものである。このようにこの発明の対象となることが出来るスライド式二輪車駐車設備は任意に選択可能である。
【0044】
なおこの実施形態では押当杆502の先端部にゴム503設けているが、押当部材としては、第1実施形態やその他の実施形態で取り上げた回動軸58とゴムローラー59との組み合わせでなくともよいのである。
【0045】
なおこの発明は上述した実施形態にのみ限定されないから、例えば前記ペダルは手動で操作するレバーなどとしてもよい。またタイマーは電気時計を利用するなども可能である。なお上記以外の使用例としては、駐車中の自転車を出庫させる際に駐車部材が安定するようにペダルを操作してブレーキを掛けておくことにも利用可能である。また上述した第1実施形態に於いて、弓張りカム以外のカムを用いても良いことは言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】
以上、この発明は、横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於て、前記レール側に押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら、押当部材のレール側への押し当てを解除するようにしたものである。
【0047】
この結果、容易にスライドする傾向にある駐車部材に対して、少なくとも駐車操作の開始時に、すなわち少なくとも前輪を駐車部材上に載せられるまでの間はスライドしないようにすると共に上記所定の時間が経過した後は自動的にロックが解除されるように成り、所期の目的を達成することに成功している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の動作状態説明図である。
【図2】同実施形態の動作状態説明図である。
【図3】同実施形態の動作状態説明図である。
【図4】同実施形態の動作状態説明図である。
【図5】同実施形態の模式図である。
【図6】同実施形態の側面図である。
【図7】同実施形態の動作状態説明図である。
【図8】同実施形態の動作状態説明図である。
【図9】第2実施形態の説明図である。
【図10】第3実施形態の説明図である。
【図11】第4実施形態の模式図である。
【図12】第5実施形態の模式図である。
【符号の説明】
1 レール
10 立面部
11 滑走面部
12 天部
13 レール
14 軸受け
2 台車
20 軸受け
21 車輪
22 回転軸
23 車輪
24 車輪
25 スライド孔
3 チャンネル材
30 前輪支持枠
31 支持具
32 スライド孔
33 チャンネル材
34 前輪支持枠
35 車輪落し孔
4 受け具
40 受け具
5 筐体
50 リンク
51 弓張りカム
52 切欠部
53 外周部
54 ローラー
55 T字金具
56 回動軸
57 コイルバネ
58 回動軸
59 ゴムローラー
500開口部
501噛合部材
502押当杆
503ゴム
504捲き戻し軸
6 リンク機構
60 ペダル
61 回動軸
62 チャンネル材
63 リンク杆
64 リンク機構
65 押下部材
66 回動軸
67 押下部材
68 リンク杆
69 回動軸
7 ゼンマイボックス
9 レール
90 凹凸部
T 二輪車の車輪
Claims (10)
- 横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レールに押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設け、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら押当部材のレールへの押し当てを解除するようにして成ることを特徴とする、ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 横設したレール上を移動可能に並設した複数台の駐車部材から成るスライド式二輪車駐車設備に於いて、前記レールにブレーキ用のレールが添設されており、このブレーキ用のレールに押し当てる押当部材を駐車部材側に設け、この押当部材を操作するためのペダルを設けて、このペダルにタイマーを取り付けて所定の時間が経過したら押当部材のブレーキ用のレールへの押し当てを解除するようにして成ることを特徴とする、ブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記タイマーがゼンマイを備えており、このゼンマイの捲き戻る時の動作で押当部材の押し当てを解除するようにして成る、請求項1または請求項2に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記押当部材にレールへの押し当てを解除する方向に付勢するバネが取り付けられ、前記ペダルが前記ゼンマイの捲き軸に接続され、この捲き軸にカムが取り付けられており、前記ペダルが操作されたらカムが押当部材をレールへ押し当て且つゼンマイが捲き戻ったらレールへの押し当てを解除するようなカム形状とした、請求項3に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記押当部材のレールに接触する部位に弾性材が取り付けられている、請求項1または請求項2に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記弾性材がローラー形状であって回動自在に取り付けられている、請求項5に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記ペダルが足で押し得るように設けられている、請求項1または請求項2に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記ペダルが足で踏み得るように設けられている、請求項1または請求項2に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記ペダルが二輪車の車輪で踏み得るように駐車部材側の車輪導入部に設けられている、請求項1または請求項2に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
- 前記ペダルが前記駐車部材に設けられた車輪落し込み孔の下方に二輪車の車輪で踏み得るように設けられている、請求項1または請求項2に記載のブレーキを備えたスライド式二輪車駐車設備。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007224647A (ja) * | 2006-02-24 | 2007-09-06 | Ishikawajima Transport Machinery Co Ltd | 駐車設備の車両パレット装置 |
KR200454587Y1 (ko) * | 2011-05-17 | 2011-07-12 | 박병철 | 슬라이드식 자전거 보관대 |
JP2015107679A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-06-11 | 株式会社協同精工 | スライド防止機構付駐輪装置 |
-
2003
- 2003-07-02 JP JP2003190024A patent/JP2005022518A/ja active Pending
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