JP2005022409A - 光学情報記録媒体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録膜面内での熱拡散が抑制でき、高密度記録を行った場合でも良好な信号品質を得ることが可能な光学記録媒体を提供する。
【解決手段】 記録層14が、低酸化物Te−O−M(Mは、金属元素、半金属元素及び半導体元素から選択される少なくとも一つの元素である。)又は低酸化物A−O(Aは、Sb、Sn、In、Zn、Mo及びWから選択される少なくとも一つの元素である。)と、材料X(Xは、沸化物、炭化物、窒化物及び酸化物から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物を含んでいる。但し、低酸化物とは、酸素元素の組成比が、化学量論的組成の酸素元素の組成比よりも小さい範囲内にある酸化物のことである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザー光線の照射等の光学的な手段を用い、高密度、高速度での情報の記録再生が可能な光学情報記録媒体及びその製造方法に関するものである。
大容量、高速度での情報の記録再生が可能な媒体として、光磁気記録媒体や相変化形記録媒体等の光学情報記録媒体が知られている。これらの光学情報記録媒体は、記録材料にレーザー光を局所的に照射することにより生じる記録材料の光学特性の違いを記録マークとして利用したものである。これらの光学情報記録媒体は、必要に応じてランダムアクセスが可能であり、かつ可搬性にも優れるという大きな利点を有しているため、近年ますますその重要性が高まっている。例えばコンピュータを通じた個人データや映像情報等の記録、保存や、医療分野、学術分野、或いは家庭用ビデオテープレコーダの置き換え等、様々な分野での需要が高まっている。現在、これらの光学情報記録媒体について、アプリケーションの高性能化や画像情報の高性能化に伴い、さらに大容量化、高密度化及び高速化を達成することが求められている。
従来から提案されている光学情報記録媒体の種類としては、多数回の書き換えが可能な書き換え型記録媒体や、1回のみ書き込み可能ないわゆるライトワンス型記録媒体が挙げられる。ライトワンス型記録媒体は一般に、書き換え型記録媒体と比較して層数を少なくできる場合が多いため、製造が容易であり低コスト化が可能である。また、ライトワンス型記録媒体は、書き換えできないためにユーザーが破壊されたくないデータを書き込むために好都合であり、また、保存寿命が長く信頼性も高いことから、アーカイバル用途として大きい需要があると予想される。このため、高密度の書き換え型記録媒体の普及に伴って、高密度のライトワンス型記録媒体の需要もますます高まってくるものと考えられる。
従来、ライトワンス型記録媒体の記録材料として、種々の材料が提案されている。例えば、酸化物母材中にTe粒子を分散させた記録材料は、高感度で大きな信号振幅が得られることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、例えば、Te−O−Pd(Te、O及びPdを含有する材料)を主成分とする記録材料は大きい信号振幅が得られ、信頼性も非常に高いことが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このようなTe−O−M(Mは、金属元素、半金属元素及び半導体元素のうち少なくともいずれかを含む元素である。)系記録材料の記録メカニズムは次のように考えられる。成膜後のTe−O−M膜は、TeO2の中にTe−M、Te及びMが微粒子として一様に分散している複合材料である。レーザー光の照射後は、Te、Te−M及びMが溶融し、より大きな結晶粒子となって析出するため、光学状態が変化する。この光学状態の差が信号として検出できる。また、Te−O−Mは低酸化物であるため、Te−O−Mを主成分とする材料からなる膜は透過率を大きくすることが容易であり、多層の情報層を有する多層光学情報媒体に適用することができるという利点もある(例えば、非特許文献2参照。)。なお、本明細書において、低酸化物とは、酸素元素の組成比が、化学量論的組成の酸素元素の組成比よりも小さい範囲内にある酸化物のことである。
特開昭58−054338号公報 オオタ(T. Ohta)、コテラ(K. Kotera)、キムラ(K. Kimura)、アカヒラ(N. Akahira)及びタケナガ(M. Takenaga)、「ニュー ライトワンス メディア ベイスト オン Te−TeO2 フォア オプティカル ディスクス(New write-once media based on Te-TeO2 for optical disks)」、プロシーディングスス オブ SPIE(Proceedings of SPIE)、第695巻、1986年、p.2−9 ニシウチ(K. Nishiuchi)、キタウラ(H. Kitaura)、ヤマダ(N. Yamada)及びアカヒラ(N. Akahira)、「デュアル−レイヤー オプティカル ディスク ウィズ Te−O−Pd フェイス−チェンジ フィルム(Dual-Layer Optical Disk with Te-O-Pd Phase-Change Films)」、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジクス(Japanese Journal of Applied Physics)、第37巻、1998年、p.2163−2167
現在、書き換え型の記録媒体においては、より高密度化を達成するために、例えば青紫色波長といったより短波長の波長域のレーザー光を用い、かつ対物レンズの開口数(NA)を高めて、非常に高密度の条件で記録を行う技術が検討されている。
しかし、上記従来の記録媒体においては、例えばレーザー光の波長がより短波長の青紫色波長域であり、対物レンズのNAが例えば0.80以上であるといった、記録膜面内の記録密度をさらに高めた条件に対して、より高い信号品質を得るための記録材料の工夫はなされていない。
すなわち、既述のTe−O−M系記録材料を用いて、以上のようなこれまでにない非常に高密度な条件で記録を行った場合、高い信号品質(良好なC/N比やジッタ値)を得ることが困難になる。この理由は、記録材料がレーザー光の照射によって溶融され結晶化する際に、記録膜面内での熱拡散の影響により記録マークの周辺部で部分的に結晶化が生じ、マークエッジがぼやけてしまうことにある。
本発明の第1の光学情報記録媒体は、記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体であって、前記記録層が、低酸化物Te−O−M(Mは、金属元素、半金属元素及び半導体元素から選択される少なくとも一つの元素である。)と材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物(Te酸化物を除く。)から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物を含むことを特徴としている。なお、ここでの低酸化物とは、上述したとおり、酸素元素の組成比が、化学量論的組成の酸素元素の組成比よりも小さい範囲内にある酸化物のことである。
本発明の第2の光学情報記録媒体は、記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体であって、前記記録層が、低酸化物A−O(Aは、Sb、Sn、In、Zn、Mo及びWから選択される少なくとも一つの元素である。)と材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物を含むことを特徴としている。ここでの低酸化物も上記と同様である。
本発明の第1の光学情報記録媒体の製造方法は、記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体を製造する方法であって、Te−M(Mは、金属元素、半金属元素及び半導体元素から選択される少なくとも一つの元素である。)及び材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物(Te酸化物を除く。)から選択される少なくとも一つの化合物である。)を含むターゲット材料を用い、スパッタリング法を用いて前記記録層を作製する工程を含むことを特徴としている。
本発明の第2の光学情報記録媒体の製造方法は、記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体を製造する方法であって、元素A(Aは、Sb、Sn、In、Zn、Mo及びWから選択される少なくとも一つの元素である。)及び材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物から選択される少なくとも一つの化合物である。)を含むターゲット材料を用い、スパッタリング法を用いて前記記録層を作製する工程を含むことを特徴としている。
本発明の光学情報記録媒体及びその製造方法によれば、記録膜面内での熱拡散が抑制でき、さらなる高密度記録を行った場合でも良好な信号品質を得ることが可能な光学記録媒体を実現できる。これにより、さらなる大容量の記録媒体を提供することができる。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体によれば、記録層の熱伝導率を十分低く保つことが可能となり、レーザー光によって信号の書き込みを行う際に記録膜面内での熱拡散を抑制することができる。これにより、さらなる高密度記録を行っても高い信号品質が得られるライトワンス型の媒体を提供できる。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体において、前記混合物に含まれる材料Xは30mol%以下であることが好ましい。これにより、大きい信号振幅を得ることが容易となる。
本発明の第1の光学情報記録媒体において、前記Te−O−Mにおける前記Mの原子濃度をx原子%とし、前記Teの原子濃度をy原子%とした場合、前記x及び前記yが0.05y≦x≦yの関係を満たすことが好ましい。これにより、大きい信号振幅を得ることができる。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体において、前記材料Xが、La−F、Mg−F、Ca−F、希土類元素の弗化物、Si−O、Cr−O、Ge−O、Hf−O、Mo−O、Ti−O、W−O、Zn−O及びZr−Oから選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。記録層の熱伝導率を下げることが容易に可能となり、ジッタ低減効果が容易に得られるからである。
本発明の第1の光学情報記録媒体において、前記Mは、Pd、Au、Pt、Ag、Cu、Sb、Bi、Ge及びSnから選択される少なくとも一つの元素であることが好ましい。これにより、結晶化の速度が速い記録材料が容易に得られるため、高線速度での記録に適した光学情報記録媒体が容易に実現できる。
本発明の第1の光学情報記録媒体において、前記記録層が、少なくとも前記Te−O−Mを含む第1の膜と、少なくとも前記材料Xを含む第2の膜と、を含んでいてもよい。これにより、材料Xの混合比を容易に変化させることができるからである。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体には複数の情報層が設けられていてもよく、この場合は、複数の情報層のうち少なくとも一つが前記記録層を含んでいればよい。これにより、より大容量の多層光学情報媒体を得ることができる。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体において、前記記録層の厚みが20nm以下であることが好ましい。これにより、記録層膜面内での熱拡散を抑制しやすくなるため、本発明による熱伝導率低減効果をより効果的に得ることができるからである。なお、記録層の厚みの下限は特に限定されないが、記録層を層状に形成しやすいとの理由から3nm以上であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体の製造方法によれば、さらなる高密度記録を行っても良好なC/N比やジッタ値を得ることが可能な光学情報記録媒体を作製できる。
本発明の第1の光学情報記録媒体の製造方法において、前記ターゲット材料は、Te−M及び材料Xの混合物を含むことが好ましい。また、前記ターゲット材料を、前記Te−Mを含むターゲット材料Aと前記材料Xを含むターゲット材料Bとし、前記ターゲット材料Aと前記ターゲット材料Bとから同時にスパッタリングを行うことにより前記記録層を作製することも可能である。また、少なくともTe−O−Mを含む第1の膜と、少なくとも前記材料Xを含む第2の膜とで記録層を形成する場合、前記ターゲット材料Aを用いてスパッタリング法により低酸化物Te−O−M膜(第1の膜)を作製し、前記ターゲット材料Bを用いてスパッタリング法により材料Xを含む膜(第2の膜)を形成してもよい。
本発明の第2の光学情報記録媒体の製造方法において、前記ターゲット材料は、元素A及び材料Xの混合物を含むことが好ましい。また、前記ターゲット材料を、前記Aを含むターゲット材料Cと前記材料Xを含むターゲット材料Bとし、前記ターゲット材料Cと前記ターゲット材料Bとから同時にスパッタリングを行うことにより前記記録層を作製することも可能である。
本発明の第1及び第2の光学情報記録媒体の製造方法では、前記記録層を作製する工程において、希ガスと酸素ガスとの混合ガスを含む成膜ガスを用いて反応性スパッタリングにより前記記録層を作製することもできる。これにより、作製した記録層の膜質を良好に保つことが容易となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の光学情報記録媒体の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態の光学情報記録媒体1は、基板11上に反射層12、保護層13、記録層14、保護層15及び光透明層16がこの順に積層されて形成されている。光学情報記録媒体1は、光透明層16がレーザー光入射側となる。
基板11及び光透明層16は、光学情報記録媒体1を傷や酸化から保護する役割を担う保護材である。光透明層16は、レーザー光を記録層14まで到達させて記録再生を行う必要があるため、レーザー光に対して透明な材料、或いは光吸収が生じたとしても無視できる程度に小さい(例えば、吸収率10%以下)材料を使用する。光透明層16の材料の例としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクレート、ポリオレフィン系樹脂等の各種の樹脂又はガラス等が挙げられる。なお、本実施の形態ではレーザー光を光透明層16の側から入射させる構成を示しているが、基板11の側からレーザー光を入射させる構成であってもよい。この場合は、基板11をレーザー光に対して透明な材料により形成する必要があり、さらに、反射層12、保護層13、記録層14及び保護層15を図1に示した場合とは逆の順で積層する。
光透明層16としては、成形等により所定の形状に作製した基板を用いてもよいし、シート状のものを所定の形状となるように加工したものを用いてもよいし、記録再生に用いるレーザー光に対して透明な紫外線硬化樹脂を用いてもよく、その膜厚がむらなく所定の膜厚範囲内となるように作製できればよい。ここでいう光透明層16とは、後に述べる保護層15からみてレーザー入射側に作製されている透明な層全体を指すものとする。例えば、透明なシートを透明な紫外線硬化樹脂によって貼り合わせた場合、これらの全体を光透明層16と称することとする。
また、保護層15と光透明層16との間にさらに保護コートを設けてもよい。保護層15と光透明層16との間に保護コートを形成する工程について簡単に説明する。例えば、図1に示すように基板11上に反射層12から保護層15までの多層膜(情報層17)を作製した後、この情報層17が作製された基板11をスパッタリング装置から取り出す。次に、保護層15の表面に、例えばスピンコート法により、保護コートとして紫外線硬化樹脂を塗布する。紫外線硬化樹脂が塗布された面側から紫外線を照射し、この樹脂を硬化させる。これにより保護コートが形成され、保護コートを形成する工程が終了する。なお、この工程における紫外線の照射には、DCランプもしくはフラッシュランプのいずれを用いてもよい。
また、光透明層16又は基板11の少なくともいずれか一方の表面には、レーザー光線を導くための案内溝或いはピットが、記録層14の位置する側に形成されていることが好ましい。
保護層13及び保護層15は、記録材料の保護と記録層14での効果的な光吸収を可能にするといった光学特性の調節とを主な目的として設けられる。保護層13,15に用いられる材料例としては、ZnS等の硫化物、ZnSe等のセレン化物、Si−O、Al−O、Ti−O、Ta−O、Zr−O、Cr−O等の酸化物、Ge−N、Cr−N、Si−N、Al−N、Nb−N、Mo−N、Ti−N、Zr−N、Ta−N等の窒化物、Ge−O−N、Cr−O−N、Si−O−N、Al−O−N、Nb−O−N、Mo−O−N、Ti−O−N、Zr−O−N、Ta−O−N等の窒酸化物、Ge−C、Cr−C、Si−C、Al−C、Ti−C、Zr−C、Ta−C等の炭化物、Si−F、Al−F、Mg−F、Ca−F、La−F等の弗化物、その他の誘電体、或いはこれらの適当な組み合わせ(例えばZnS−SiO2等)等が挙げられる。
反射層12は、Au、Ag、Cu、Al、Ni、Cr又はTi等の金属、或いは適宜選択された金属の合金により形成する。反射層12は、放熱効果や記録層14での効果的な光吸収等の光学的効果を得るために設けられる。その膜厚は1nm以上であることが好ましい。これは、反射層12を1nm以上とすることにより、膜を均一な層状にすることができるので、熱的及び光学的な効果の低下を抑制できるからである。なお、反射層12の膜厚の上限は特には限定されないが、200nm以下であることが好ましい。良好な記録感度を得ることができるからである。
記録層14は、低酸化物Te−O−Mと材料Xとの混合物を主成分として含む材料から形成されている。ここで、Mは上記に示した元素と同じであり、材料Xは弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物(Te酸化物を除く。)のいずれかを少なくとも含む材料である。なお、本明細書において、主成分とは、90mol%以上を占める成分をいう。本実施の形態における記録層14によれば、記録層14の熱伝導率を十分低く保つことが可能となるため、レーザー光によって信号の書き込みを行う際に記録膜面内での熱拡散を抑制することができる。これにより、例えば青紫色といった短波長のレーザー光を用い、高NAで記録を行うさらなる高密度記録条件下であっても、高い信号品質を得ることができ、1回のみ書き込みが可能で、長期保存特性に優れた記録媒体の実現が可能となる。
Te−O−Mは、成膜直後ではTeO2中にTe、Te−M及びMの微粒子が一様に分散された複合材料であり、レーザー光の照射によってTe及びTe−Mの結晶粒径が大きくなる。この際の光学状態の違いを信号として検出することができるので、これにより1回のみ書き込み可能な、いわゆるライトワンス型記録媒体が実現できる。
元素Mは、Teの結晶化を促進させるために添加するものであり、Teと結合を作りうる元素であればこの効果を得ることができる。Teの結晶は、共有結合によってTe原子がらせん状に連なった鎖状構造同士が、弱いファンデルワールス力によってお互いに結びつき合っている構造をもっている。Teを溶融するには弱いファンデルワールス結合を断ち切ればよいため、Teの融点は約452℃と比較的低い。しかし、このとき、らせん状に連なった構造が残っているため結晶化速度は遅い。本実施の形態の記録材料においては、Teと結合を作りうる元素Mが添加されているので、元素MとTeとが架橋構造をつくり、前述のTe原子の鎖状構造がほとんど現れないため、結晶化速度を速めることができる。
元素Mの具体例としては、Pd、Au、Pt、Ag、Cu、Sb、Bi、Ge、Sn、In、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、W、Co、Ni及びZn等から選択される少なくとも一つの元素が挙げられ、複数の元素が含まれていてもよい。特に、元素Mが、Pd、Au、Pt、Ag、Cu、Sb、Bi、Ge、Sn及びInから選択される少なくとも1つを含む場合、Te原子との架橋構造をより効果的に作ることができるため、より速い結晶化速度を容易に得ることができる。中でも特に、Au、Pd等の貴金属を使用した場合、特に容易に早い結晶化速度を得ることができる。
元素Mは、Te−O−Mにおいて、元素Mの含有量をx原子%、Teの含有量をy原子%とすると、xとyとが0.05y≦x≦yの関係を満たすように添加されることが好ましい。x≦yとすることで、光学特性の十分な変化量を得ることができ、0.05y≦xとすることで、結晶化速度向上効果を効果的に得ることができるからである。
材料Xは、記録層14の熱伝導率を低下させることを主な目的として添加される材料であり、弗化物、炭化物、窒化物、Te酸化物以外の酸化物のいずれかを少なくとも含む材料とする。先に述べたように、ライトワンス型記録材料Te−O−Mは、成膜直後ではTeO2中にTe、Te−M及びMの微粒子が一様に分散された複合材料であるが、本発明者らの実験により、これに材料Xを添加することによって成膜直後での記録層14の熱伝導率を低くすることが可能になることがわかった。これは、成膜直後でTeO2と材料Xとの両方が分散媒となるので、分散媒がより複雑な構造を有しフォノン散乱が生じやすくなるからであると推定される。
材料Xとしては、特に、La−F、Mg−F、Ca−F、希土類元素の弗化物、Si−O、Cr−O、Ge−O、Hf−O、Mo−O、Ti−O、W−O、Zn−O及びZr−Oから選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの材料は、比較的熱伝導率が低いため、記録層に添加した際により効果的に熱伝導率を低下させることができるからである。
Te−O−Mと材料Xとの混合物において、材料Xの含有量は30mol%以下であることが好ましい。混合物における材料Xの含有量が30mol%を超えると、記録前後の光学特性の変化量がやや低減するからである。
記録層14の膜厚は、3nm以上20nm以下とすることが好ましい。膜厚を3nm以上とすることにより記録材料が層状になりやすく、良好な信号を得ることできるからである。また、膜厚を20nm以下とすることにより、記録層面内での熱拡散を抑制できるので、材料Xの添加による熱拡散抑止効果をより効果的に得ることができるからである。
また、記録層14は、Te−O−Mを主成分とする第1の膜と、材料Xを主成分とする第2の膜とで構成することもできる。この場合、2層を作製するために工程数が増えるものの、各膜厚を微調整することにより、Te−O−Mと材料Xとの混合比を容易に調整することができるため、場合によって適宜用いることが好ましい。
記録層14の材料としては、Te−O系以外の低酸化物を用いることもできる。例えば、低酸化物Sb−O、Sn−O、In−O、Zn−O、Mo−O又はW−Oを含む材料は、レーザー光の照射によってTe−O系と同様の非可逆変化を示す。各々の材料についての記録メカニズムは完全に明らかではないが、Sb−O、In−O、Sn−Oについては、レーザー光照射後でTe−Oと同様の結晶粒径の増大が起こっていると考えている。上記の材料についても、材料Xを添加することにより、Te−O系と同様の熱伝導率の低減効果を得ることができる。これにより、さらなる高密度条件で記録を行った場合でも高い信号品質を得ることができる。
なお、本発明は、図1に示した光学情報記録媒体1に限定されるものではなく、種々の構成に適用することが可能である。例えば、反射層12を設けない構成や、保護層13、或いは保護層15を必要に応じて設けない構成としてもよい。
次に、光学情報記録媒体1の記録再生方法の一例について述べる。図3に、光学情報記録媒体1が光ディスク31である場合に、情報の記録、再生及び消去に用いる装置の一例の概略を示す。この装置は、レーザー光源32と、対物レンズ34を搭載した光ヘッドと、レーザー光を照射する位置を所定の位置へと導くための駆動装置33、トラック方向及び膜面に垂直な方向の位置を制御するためのトラッキング制御装置及びフォーカシング制御装置(図示せず。)と、レーザーパワーを変調するためのレーザー駆動装置(図示せず。)、光ディスク31を回転させるための回転制御装置35とを備えている。
情報の記録、再生及び消去は、まず、光ディスク31を回転制御装置35により回転させ、光学系(対物レンズ34)によりレーザー光を微小スポットに絞りこんで、光ディスク31の所定の領域へレーザー光を照射することにより行う。情報の再生の際には、情報の記録、或いは消去を行うパワーレベルよりも低く、そのパワーレベルでのレーザー照射によって記録マークの光学的な状態が影響を受けず、かつその照射によって光ディスク31から記録マークの再生のために十分な光量が得られるパワーのレーザービームを照射し、得られる信号を検出器で読みとることによって行う。
(実施の形態2)
図2は、本発明の光学情報記録媒体の別の一実施形態を示す断面図である。本実施の形態の光学情報記録媒体2は、レーザー光入射側から第1の情報層23及び第2の情報層25が中間層24を介して積層された多層光学情報記録媒体である。なお、21は基板であり、22は光透明層である。第1の情報層23は、レーザー光入射側から、保護層231、記録層232及び保護層233が積層されて形成されている。第2の情報層25は、レーザー光入射側から、保護層251、記録層252、保護層253及び反射層254が積層されて形成されている。
本実施の形態の光学情報記録媒体2は、一方向からのレーザー光入射によって第1の情報層23、第2の情報層25両方への記録、再生を可能とする構成である。このため、第1の情報層23は光透過性を有する必要がある。これは、第2の情報層25に対する情報の記録再生は第1の情報層23を透過した光で記録を行うため、記録感度を高く設計することが好ましいからである。
また、第1の情報層23は、信号の記録前後での透過率の変化量が小さいことが好ましい。例えば、透過率の変化量が10%以下であることが好ましい。透過率の変化量をこのように設定することで、第1の情報層23への記録の有無によらず、第2の情報層25の再生信号振幅を安定して得ることが可能となるため、安定したトラッキングを得ることが可能となる。本実施の形態においては、記録材料の材料Mの組成比、或いは材料Xの組成比を調節することによって、この透過率の変化量を最小限に抑えることが可能である。
第1の情報層23及び第2の情報層25に含まれる記録層232、252は、実施の形態1で説明した光学情報記録媒体1の記録層14と同様の材料を用いて形成可能であり、同様の機能を有するように形成されている。さらに、記録層232,252(特に第1の情報層23に含まれる記録層232)の膜厚は、3nm以上20nm以下であることが好ましい。この理由は、実施の形態1の光学情報記録媒体1の記録層14で説明した理由に加えて、記録層を20nm以下とすることで十分高い透過率を得ることが可能となり、情報層を複数積層する場合に特に好適だからである。
また、保護層231,233,251,253は、実施の形態1で説明した光学情報記録媒体1の保護層13,15と同様の材料を用いて形成可能であり、同様の機能を有するように形成されている。また、反射層254は、実施の形態1で説明した光学情報記録媒体1の反射層12と同様の材料を用いて形成可能であり、同様の機能を有するように形成されている。
中間層24は、第1の情報層23と第2の情報層25とを光学的に分離するために設ける層であり、紫外線硬化樹脂等のレーザー光に対して透明な材料からなる。その膜厚は、各情報層を分離可能な程度に厚く、かつ2つの情報層が対物レンズの集光可能な範囲内となるような膜厚とすればよい。
なお、本実施の形態においては、第1の情報層23が反射層を有しない構成を示したが、第1の情報層23が反射層を有する構成や、保護層233を2層とする構成等、様々な構成をとることができる。以上のように、本発明は、その他種々の構成に適用することが可能である。
また、光学情報記録媒体2についても、実施の形態1の光学情報記録媒体1の場合と同様の方法で情報の記録再生を行うことができる。
以上に情報層が2層の場合の光学情報記録媒体について説明したが、これに限定されず、m層(mは2以上の整数)積層した構成であってもよい。このとき、複数の情報層のうち少なくとも1層以上に、書き換え可能な情報層や再生専用の情報層を用いることもできる。この場合、1回のみ記録し消去したくない情報と、書き換えたい情報や再生専用の情報とを、1枚の媒体に共存させることができるため、利便性が高く、種々のアプリケーションへの応用が可能な光学情報記録媒体を提供することができる。以下に、4つの情報層が設けられた光学情報記録媒体の例について、図4を参照して説明する。
図4には4つの情報層が積層された光学情報記録媒体3の断面図が示されている。この光学情報記録媒体3は、基板21と光透明層22との間に、レーザー光入射側から順に第1の情報層100、第2の情報層200、第3の情報層300及び第4の情報層400が設けられて形成されている。各情報層間には中間層24が配置されている。図4に示す構成例では、第1の情報層100及び第2の情報層200は、それぞれ、レーザー光入射側から順に配置された保護層101、201、記録層102、202及び保護層103、203にて形成されている。第3の情報層300及び第4の情報層400は、それぞれ、レーザー光入射側から順に配置された保護層301、401、記録層302、402、保護層303、403及び反射層304、404にて形成されている。
記録層102、202、302、402の少なくとも何れか1つが、実施の形態1で説明した光学情報記録媒体1の記録層14と同様の材料を用いて形成可能であり、同様の機能を有するように形成されている。さらに、これら各記録層の膜厚等も記録層14と同様の範囲とすることが好ましい。
保護層101、103、201、203、301、303、401、403は、実施の形態1で説明した光学情報記録媒体1の保護層13、15と同様の材料を用いて形成可能であり、同様の機能を有するように形成されている。また、反射層304、404は、実施の形態1で説明した光学情報記録媒体1の反射層12と同様の材料を用いて形成可能であり、同様の機能を有するように形成されている。
この構成例においても、一方向からレーザー光を照射することによって、第1〜第4の情報層100、200、300、400への記録及び再生を可能とする。このため、少なくとも最もレーザー光入射側に配置されている第1の情報層100は光透過性を有する必要がある。一方、最もレーザー光入射側から遠くに配置される第4の情報層400は、第1〜第3の情報層100、200、300を透過した光で記録が行われるため、記録感度を高く設計することが好ましい。
(実施の形態3)
本発明の光学情報記録媒体の製造方法の一実施形態について説明する。
実施の形態1及び2で説明した光学情報記録媒体1〜3を構成する多層膜を作製する方法としては、スパッタリング法、真空蒸着、CVD等の方法が可能である。成膜ガスは、Ar、Kr等の希ガスなど、成膜可能なガスを用いればよい。例えばスパッタリング法を用いた場合、場合に応じて希ガスに微量の窒素、或いは酸素等を混合したガスを用いる反応性スパッタリングを行うこともできる。
光学情報記録媒体1〜3の記録層を作製する際は、成膜ガスを希ガスと酸素との混合ガスを主成分とするガスとし、反応性スパッタリングを行うことが好ましい。これにより、膜質の良好な記録層を容易に作製することが可能となる。このとき、希ガスと酸素の流量比を適宜変化させることにより記録層中の酸素の組成比を変化させて、良好な特性が得られる各ガス流量の条件を決定すればよい。
また、記録層をスパッタリング法により作製する際は、Te−M(Mは、上記に示した元素と同じである。)と材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物、酸化物(Te酸化物を除く。)から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物を主成分とするターゲット材料を用いることが好ましい。このとき、記録層作製工程で用いるターゲットが1つで済むため、より簡便に作製できる。
また、記録層をスパッタリング法により作製する際に、Te−Mを含むターゲット材料Aと、材料Xを含むターゲット材料Bとを用い、別々のターゲット材料から同時にスパッタリングを行う方法をとることも可能である。この場合、2つのターゲット材料を用いる必要はあるものの、それぞれのターゲット材料のスパッタパワーを変化させることにより材料Xの混合比率を容易に適宜に調節することができる。このため、例えば多層の情報層で材料Xの混合比率を変化させたい場合や、1層の記録層であっても深さ方向での材料Xの混合比率を変化させたい場合等には、この方法を採用することが好ましい。
また、記録層を、少なくともTe−O−Mを含む膜と、少なくとも材料Xを含む膜との二つの膜にて構成する場合、それぞれの膜を別々に作製する。この場合、記録層作製工程が2回の成膜工程を必要とするものの、各膜厚を変化させることによって、記録層全体に対する材料Xの混合比率を変化させることが容易に可能となるため、必要に応じて採用することが好ましい。
記録層を、低酸化物Sb−O、Sn−O、In−O、Zn−O、Mo−O又はW−Oと材料Xとを含む材料にて形成する場合も、同様にスパッタリング法を用いることができ、反応性スパッタリングを行うことも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
本実施例の光学情報記録媒体として、図1に示した光学情報記録媒体1を作製した。基板11として、厚さ1.1mm、直径120mmのディスク状ポリカーボネート板で、表面にスパイラル状の幅0.25μm、溝のピッチが0.32μm、深さ20nmの溝が形成されているものを用いた。保護層13,15は、共にZnSにSiO2を20mol%混合した材料で形成した。反射層12は、Al−Crを用いて形成した。記録層14には、Te−O−PdとLaF3との混合物を用い、その組成比を変化させた。各層の膜厚は、保護層13,15をそれぞれ6nm、17nm、反射層12を40nm、記録層14を20nmとした。成膜は、基板11の上に反射層12から順に保護層15まで作製した。光透明層16は、厚さ90μmのポリカーボネート樹脂からなるシートを紫外線硬化樹脂によって貼り合わせることにより形成した。
保護層13,15の成膜は、Arガスを全圧が0.13Paとなるように供給し、陰極に高周波(RF)電源を用い、5.10W/cm2のパワーを投入して行った。反射層12の成膜は、Arガスを全圧0.13Paになるように供給し、直流(DC)電源を用い、4.45W/cm2のパワーを投入して行った。記録層14の成膜は、Arと酸素の混合ガスを全圧が0.13Paとなるように供給し、陰極にDC電源を用いて、1.27W/cm2のパワーを投入して行った。記録層14を成膜する際のターゲット材料にはTe−PdとLaF3との混合物を用いた。記録層14は、Arガスと酸素ガスの流量比を調整することにより、所望の膜中酸素組成比を得られるよう形成した。具体的には、Arガス流量を4.17×10-73/s(25sccm)、酸素ガス流量を3.67×10-73/s(22sccm)とした。
情報の記録再生を行う際は、波長405nm、対物レンズの開口数が0.85のレーザー光を用いた。信号の変調方式は1−7PP変調を用い、2Tマーク長を0.160μm、ディスク回転速度を線速5.28m/sとした。ディスクの特性評価は、2Tマークの単一信号を適正なレーザーパワーで溝部に記録し、得られた信号のC/N比を測定することにより行った。但し、ここで溝部とは基板11に形成された凸凹状のトラックのうち、レーザー入射光側に近い側のトラックと定義する。
記録層14の組成はTe−O−Pdの組成比をTe3654Pd10で一定とし、LaF3量を全体の5mol%、10mol%、30mol%、40mol%、50mol%と変化させた媒体を作製した。これらをそれぞれ媒体(1)〜媒体(5)とする。比較例として、記録層14にLaF3を含まないTe3654Pd10組成を用いた以外は、媒体(1)〜媒体(5)と同様とした媒体を媒体(0)とする。表1に、媒体(0)〜(5)を評価した結果を示す。
Figure 2005022409
ここで、C/N比については、50dB以上得られた場合を○、50dB未満45dB以上であったものを△、45dB未満であったものを×として示した。
表1によると、媒体(1)〜(5)では比較例となる媒体(0)に比べて2TマークのC/N比が改善されている。これは、媒体(1)〜(5)では、記録層14中にLaF3を含むため、記録膜の熱伝導率が低下し、レーザー照射時の記録膜面内での熱拡散が抑制でき、未記録部との境界がはっきりとしたマークが形成されたためであると考えている。LaF3の添加量が30mol%より多い媒体(4)、(5)の場合、ややC/N比の低下がみられるが、これは相変化を起こすベース材料であるTe−Oの割合が比較的少なくなったためであると考えている。また、C/N比が良好であった媒体(1)〜(3)に、2T〜9Tのランダム信号を記録してジッタ値を測定したところ、全て6.5%以下の良好な値が得られ、規格値を満足した。この点から、LaF3の添加量は30mol%以下とすることが好ましい。
なお、記録層14としてLaF3の代わりにMg−F、Ca−F、Li−F、Y−Fでそれぞれ置換した材料を用いた媒体を同様に作製したが、これらについても表1と同様のC/N比向上効果が得られた。
また、同様にLaF3の代わりにSi−C、Al−C、Si−N、Cr−N、Ti−N、Mo−N、W−N、Ge−N、Si−O、Cr−O、Sb−O、Ge−O、In−O、Sn−O、Mo−O、W−Oを用いた場合でも、同様のC/N比向上効果が得られた。
また、媒体(2)においてLaF3量を10mol%で一定とし、Te−O−Pdの組成比をTe4059Pd1、Te4058Pd2、Te4056Pd4、Te3456Pd10、Te3055Pd15、Te2852Pd20、Te2552Pd23、Te2550Pd25、Te2548Pd27、Te2446Pd30と変化させた以外は媒体(2)と同様とした媒体を作製し、これらをそれぞれ媒体(6)〜(15)とした。表2に、媒体(6)〜(15)を媒体(1)〜(5)のときと同様に評価した結果を示す。
Figure 2005022409
表2によれば、媒体(6)〜(15)でも比較例となる媒体(0)に比べて2TマークのC/N比が改善されている。媒体(14)、(15)については、比較例である媒体(0)に対してC/N比向上効果がやや小さくなっている。これはPd量がTe量よりも多いため、媒体(5)と同様にTe−Oの割合が比較的少なくなり、信号振幅が低下したためであると考えている。また、媒体(6)は結晶化速度がやや遅く、出力範囲内のレーザーパワーで得られたC/N比は46dBであった。これらに対し、xが0.05y〜yの範囲である媒体(7)〜(13)においては、50dB以上の良好なC/N比が得られた。また、これらの媒体(7)〜(13)に、2T〜9Tのランダム信号を記録してジッタ値を測定したところ、全て6.5%以下の良好な値が得られ、規格値を満足した。この点から、Pdの添加量xはTe量yに対して0.05y≦x≦yであることが好ましいことも確認された。
Pdの代わりに、元素MとしてAu、Pt、Ag、Cu、Sb、Bi、Ge、Snを用いても、表2と同様の結果が得られた。これらの材料を用いた場合でも、材料Mの混合比をTe量より多くならない範囲とすることにより、高いC/N比向上効果を得ることができた。
以上より、記録層14の主成分をTe−O−M(Mは、上記に示した元素と同じである。)と材料X(Xは,弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物(Te−Oを除く。)から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物とすることにより、記録膜面内での熱拡散が抑制でき、非常に高密度条件での記録を行った場合でも大きいC/N比が得られるようになることが確認された。
(実施例2)
本実施例の光学情報記録媒体として、図2に示した光学情報記録媒体2を作製した。基板11は実施例1の場合と同様とし、保護層231,233,251,253は全てZnSにSiO2を20mol%混合した材料で形成した。反射層254はAl−Crで形成した。記録層232としてTe−O−Pd、記録層252として後に述べる組成を有するTe−O−PdとSiO2との混合物を用いた。各層の膜厚は、2つの情報層からの反射率と信号振幅が同等になる条件の範囲を光学設計によって導き出し、この範囲の中から、第1の情報層23の十分な透過率と、第2の情報層25の高い記録感度が得られる膜厚で決定した。具体的には、保護層231、233、251、253をそれぞれ33nm、17nm、9nm、17nm、反射層254を40nm、記録層232,252はそれぞれ10nm、20nmとした。光透明層22、中間層24は、全ての媒体についてそれぞれ20μm、75μmとなるように作製した。
媒体の作製手順は次のとおりである。まず、基板21の溝が形成された表面上に第2の情報層25を反射層254側から順次成膜し、次に中間層24として紫外線硬化樹脂を塗布し、基板21と同様の溝を表面に転写した。次に、第1の情報層23を保護層233から順に保護層231まで形成し、最後に光透明層22としてポリカーボネートからなるシートを紫外線硬化樹脂を用いて接着した。
記録層232の組成はTe3654Pd10で共通とし、記録層252の組成はTe−O−Pdの組成比をTe4250Pd8で一定とし、これにSiO2量をそれぞれ全体の10mol%、20mol%、30mol%、40mol%だけ混合させた。これらの媒体をそれぞれ媒体(21)〜(24)とする。比較例として、記録層252にSiO2を含まないTe4250Pd8組成を用いた以外は媒体(21)と同様とした媒体を媒体(20)とする。ディスクの評価は、第2の情報層25に2Tマークを適正なレーザーパワーで記録し、そのC/N比を測定することにより行った。表3に、これらの媒体について、媒体(1)と同様の評価条件で評価を行った結果を示す。
Figure 2005022409
ここで、C/N比については、45dB以上得られた場合を○、45dB未満40dB以上であったものを△、40dB未満であったものを×として示した。
表3によると、媒体(21)〜(24)では比較例となる媒体(20)に比べて2TマークのC/N比が改善されている。媒体(21)及び(22)では、より大きい信号振幅が得られた。これらの媒体についても、SiO2を添加することによる記録層252の熱伝導率の低下により、熱拡散が抑制でき、シャープなマークが形成されたためであると考えている。また、C/N比が良好であった媒体(21)〜(23)に、2T〜9Tのランダム信号を記録してジッタ値を測定したところ、全て6.5%以下の良好な値が得られ、規格値を満足した。本実施例の結果から、材料Xは、30mol%以下が好ましく、10〜20mol%の範囲内であることがより好ましいことが確認された。
(実施例3)
別の実施例として、実施例1の媒体(1)において記録層14をそれぞれ、低酸化物A−OとしてSb−Oを含み、材料XとしてCr23を含む、(Sb−O)90(Cr2310、(Sb−O)80(Cr2320及び(Sb−O)70(Cr2330、低酸化物A−OとしてSb−Oを含み、材料XとしてSiO2及びCr23を含む、(Sb−O)90(SiO25(Cr235、(Sb−O)80(SiO210(Cr2310及び(Sb−O)70(SiO215(Cr2315、低酸化物A−OとしてSb−Oを含み、材料XとしてGe−O及びSiO2を含む、(Sb−O)90(Ge−O)5(SiO25、(Sb−O)80(Ge−O)10(SiO210及び(Sb−O)70(Ge−O)15(SiO215、とした以外は全て同様とした媒体を作製した。これらの媒体をそれぞれ媒体(31)〜(39)とする。比較例として、記録層14としてSb−Oを用いた以外は媒体(31)と同様とした媒体を媒体(30)とする。
記録層14をSb−O及びCr23の混合物にて形成する媒体(31)〜(33)では、記録層14は、Arと酸素の混合ガスを全圧が0.13Paとなるように供給し、SbターゲットとCr23ターゲットとから同時にスパッタリングを行うことにより形成した。各々のスパッタリングパワーを変化させることにより、混合比の異なる記録層14を作製した。この際、Sb−Oについて所望の膜中酸素組成比が得られるように、Arガスと酸素ガスとの流量比を調整した。具体的には、Arガス流量を4.17×10-73/s(25sccm)、酸素ガス流量を3.67×10-73/s(22sccm)とした。また、記録層14をSb−O、SiO2及びCr23の混合物にて形成する媒体(34)〜(36)では、同様に、Sbターゲットと、SiO2及びCr23の混合物ターゲットとから同時にスパッタリングを行うことにより記録層14を形成した。また、記録層14をSb−O、Ge−O及びSiO2の混合物にて形成する媒体(37)〜(39)では、同様に、Sbターゲットと、Ge−O及びSiO2の混合物ターゲットとから同時にスパッタリングを行うことにより記録層14を形成した。
表4に、これらの媒体について媒体(1)と全く同様の評価を行った結果を示す。
Figure 2005022409
ここで、C/N比については、40dB以上得られた場合を○、40dB未満35dB以上であったものを△、35dB未満であったものを×として示した。
表4によると、媒体(31)〜(39)では比較例となる媒体(30)に比べて2TマークのC/N比が改善されている。また、これらの媒体(31)〜(39)に、2T〜9Tのランダム信号を記録してジッタ値を測定したところ、全て6.5%以下の良好な値が得られ、規格値を満足した。
また、Sb−Oの代わりに、Sn−O、In−O、Zn−O、Mo−O、W−Oを用いた場合も、表4と同様の結果が得られた。これらのベース材料を用いた場合でも、本発明におけるC/N比向上効果が得られることが確認された。
(実施例4)
次に、別の実施例として、図4に示すような、4つの情報層を有する光学情報記録媒体3を作製した。
まず、本実施例における光学情報記録媒体の作製手順について説明する。基板21において溝が形成された表面上に、第4の情報層400を反射層404側から順に保護層401まで形成し、次に、中間層24として紫外線硬化樹脂を塗布し、その表面に基板21と同様の溝を転写して形成した。次に、この中間層24の溝が形成された表面上に、第3の情報層300を反射層304側から順に保護層301まで形成し、次に、中間層24として紫外線硬化樹脂を塗布し、その表面に基板21と同様の溝を転写して形成した。次に、この中間層24の溝が形成された表面上に、第2の情報層200を保護層203側から順に保護層201まで形成し、次に、中間層24として紫外線硬化樹脂を塗布し、その表面に基板21と同様の溝を転写して形成した。次に、この中間層24の溝が形成された表面上に、第1の情報層100を保護層103側から順に保護層101まで形成し、紫外線硬化樹脂よりなる保護コートを設けて、最後に光透明層22として、ポリカーボネートからなるシートを紫外線硬化樹脂を用いて接着して形成した。
以下、第4の情報層400〜第1の情報層100までの製造方法を具体的に説明する。
基板21として、直径120mm、厚さ1.1mmのディスク状ポリカーボネート板で、反射層404が形成される側の表面に、深さ20nm、トラックピッチ(溝部から溝部までの距離)が0.32μmの凹凸状のトラックが形成されているものを用いた。反射層404として、厚み80nmのAl98Cr2(原子%)膜をArガス雰囲気中で直流スパッタリング法により形成した。続いて、保護層403として、(ZnS)80(SiO220(mol%)膜を厚み11nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。続いて、記録層402として、(Te4250Pd890(SiO210(mol%)膜を厚み20nmとなるように直流スパッタリング法により形成した。その際、Te−PdとSiO2との混合物ターゲットをArガスと酸素ガスとの混合ガスを全圧0.13Paに保った雰囲気中でスパッタリングした。ターゲットの組成と、Arガスと酸素ガスとの流量比を調整することにより、所定の組成を有する記録層402が得られた(以下に説明する記録層302、202及び102も同様の方法で得られた)。続いて、保護層401として、(ZnS)80(SiO220(mol%)からなる膜を、厚み17nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。以上の方法により、第4の情報層400が作製された。なお、記録層402は、元素MとしてPdを含み、材料XとしてSiO2を含み、0.05y≦x≦y、材料Xの含有量が30mol%以下なる条件を満たしていた。
続いて、中間層24を17μmの厚みに形成した。中間層24の溝が形成された表面上に、反射層304としてAg−Pd−Cu膜を厚み10nmとなるように、Arガス雰囲気中で直流スパッタリング法により形成した。続いて、保護層303として(ZnS)20(SiO280(mol%)を、厚み22nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。続いて、記録層302として、(Te4052Pd890(SiO210(mol%)膜を厚み8nmとなるように直流スパッタリング法により形成した。続いて、保護層301として、(ZnS)80(SiO220(mol%)からなる膜を、厚み30nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。以上の方法により、第3の情報層300が作製された。なお、記録層302は、元素MとしてPdを含み、材料XとしてSiO2を含み、0.05y≦x≦y、材料Xの含有量が30mol%以下なる条件を満たしていた。
続いて、中間層24を15μmの厚みに形成した。中間層24の溝が形成された表面上に、保護層203として(ZrSiO430(Cr2340(LaF330(mol%)を、厚み6nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。続いて、記録層202として、直流スパッタリング法により、(Te3654Pd1090(SiO210膜を厚み10nmで形成した。続いて、保護層201として、(SnO280(Ga2320(mol%)からなる膜を、厚み32nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。以上の方法により、第2の情報層200が作製された。なお、記録層202は、元素MとしてPdを含み、材料XとしてSiO2を含み、0.05y≦x≦y、材料Xの含有量が30mol%以下なる条件を満たしていた。
続いて、中間層24を18μmの厚みに形成した。中間層24の溝が形成された表面上に、保護層103として(ZnS)80(SiO220(mol%)を、厚み11nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。続いて、記録層102として、(Te3456Pd1090(SiO210膜を、直流スパッタリング法により厚み8nmで形成した。続いて、保護層101として、(ZnS)80(SiO220(mol%)からなる膜を、厚み39nmとなるように、Arガス雰囲気中で高周波スパッタリング法により形成した。以上の方法により、第1の情報層100が作製された。なお、記録層102は、元素MとしてPdを含み、材料XとしてSiO2を含み、0.05y≦x≦y、材料Xの含有量が30mol%以下なる条件を満たしていた。
続いて、保護コートと光透明層22とを含めて60μmの厚みになるように形成し、本実施例における光学情報記録媒体(媒体(41))を作製した。
各情報層間に設けられる中間層24については、互いに等しい厚みにすると各情報層間での迷光の干渉が懸念されるため、上記のように互いに異なる厚みとした。
各記録層の光学定数の測定は、石英基板上に、記録層を成膜する工程と全く同一の成膜条件で作製したサンプルを用いて、分光器により行った。結晶状態での光学定数の測定は、このサンプルを記録層が結晶状態となる所定の温度までアニールした後、同様の方法により行った。得られた値は、全ての記録層402、302、202、102において、na=2.3、ka=0.2、nc=2.3、kc=1.0で、ほぼ同じであった。(但し、na及びkaは記録層がas. depo状態(成膜直後の状態)での屈折率及び消衰係数であり、nc及びkcは記録層が結晶状態での屈折率及び消衰係数である。)。
本実施例における各保護層の膜厚d(nm)は、d=aλ/n(n:保護層の屈折率、a:正の数、λ:光の波長(ここでは405nm))で表される。保護層の膜厚は、全ての情報層からの信号と反射率レベルがほぼ同等となるように調整し、この調整が可能な範囲内でできる限り情報層の透過率を大きく、かつ記録状態・未記録状態間での透過率差が小さくなるようにaの値を最適化して設計した。また、記録層402、302、202、102の材料のみが異なる媒体(42)、(43)も同様に作製した。各記録層の材料については、表5に示すとおりである。
上記の方法で製造した媒体(41)の第1の情報層100、第2の情報層200、第3の情報層300及び第4の情報層400に、2Tマークを適正なレーザーパワーで記録し、そのC/N比を測定した。信号の記録再生を行う際は、波長405nmのレーザー光を用い、開口数0.85の対物レンズを用いた。信号の記録は、記録密度は23GB容量相当及び25GB容量相当で行った。23GB容量相当の測定条件は、実施例1と同様に、2Tマーク長を0.160μm、ディスク回転速度を線速5.28m/sとした。25GB容量相当の測定条件は、2Tマーク長を0.149μm、ディスク回転速度を線速4.92m/sとした。
表5に、媒体サンプル(41)〜(43)の各記録層の材料と、xとyとの関係と、C/N比判定結果と、各情報層単独での光学特性と、4つの情報層を積層した状態での光学特性とを示す。さらに、表5に、比較例として、材料Xを含まない材料で記録層を作製した媒体(40)の評価結果も示す。
Figure 2005022409
C/N比の判定については、23GB容量相当の記録密度においては、45dB以上得られた場合を○、40dB以上45dB未満であったものを△、40dB未満であったものを×として示した。25GB容量相当においては、42dB以上得られた場合を○、37dB以上42dB未満であったものを△とし、37dB未満であったものを×として示した。
表5から明らかなように、媒体(41)、(42)は、全ての情報層において、23GB及び25GB容量相当の記録密度で良好なC/N比が得られた。また、y<xである媒体(43)については、媒体(41)、(42)よりはやや劣るものの、良好なC/N比が得られた。これらの媒体(41)及び(42)の第1情報層100、第2情報層200、第3情報層300及び第4情報層400に、2T〜9Tのランダム信号を25GB容量相当密度で記録してジッタ値を測定したところ、第1〜第3情報層は約10%、第4情報層は約8%の良好な値が得られた。
比較例である媒体(40)では、第1の情報層100のみやや良好なC/N比が得られた。しかし、材料Xを含まないので記録膜面内の熱拡散が大きいため、第1の情報層100において42dB(23GB容量相当)と39dB(25GB容量相当)のC/N比を得るためには、ほぼ上限の記録パワーを照射しなければならなかった。また、第2の情報層200では、23GB容量相当でもC/N比は40dBに達しなかった。第3の情報層300及び第4の情報層400でも、同様にC/N比は35dBに達しなかった。
表中、Ra、Rcは、記録層がas. depo状態、結晶状態の時の各情報層単独での反射率である。ΔRはRa−Rcの値である。記録層がas. depo状態、結晶状態の時の各情報層単独での透過率の平均をTとした。Ra、Rcの測定は、各情報層を基板上に単独で成膜したものを用いて評価ドライブにより行った。透過率の測定は、同様に、各情報層を基板上に単独で成膜したものを用いて分光器により行った。記録層の結晶状態の作製は、初期化装置を用いて適正な条件でレーザー光を照射することにより行った。
さらに、表中、eff. Ra及びeff. ΔRは、4つの情報層を積層した状態で所定の情報層にレーザー光を照射した時の、評価ドライブで測定したas. depo状態での反射率及びas. depo状態・結晶状態間の反射率差である。表5に示すように、媒体(41)、(42)は、4層の情報層を積層した状態で、4つの情報層からほぼ同等レベルの反射率及び反射率差が得られていることがわかる。また、媒体(43)は、ややeff. ΔRが小さいことがわかる。比較例である媒体(40)は、eff. Ra及びeff. ΔRの値が良好であったにもかかわらず、C/N比が媒体(41)〜(43)よりも劣っていた。このことから、材料Xを添加して熱伝導率を低下させることが、良好なC/N比の値に大きく寄与していることがわかった。
以上の結果から、低酸化物Te−O−Mと材料Xとの混合物を含む記録層を用いることにより、25GB容量相当密度で4つの情報層を積層し、全体で100GB容量の光学情報記録媒体を実現できることが確認された。
本発明の光学情報記録媒体及びその製造方法は、さらなる高密度記録を行った場合でも良好な信号品質を得ることが可能な光学記録媒体の提供に適用できる。
本発明の実施の形態1における光学情報記録媒体の断面図である。 本発明の実施の形態2における光学情報記録媒体の断面図である。 本発明の実施の形態1,2の光学情報記録媒体に対して信号の記録再生を行う装置の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における別の光学情報記録媒体の一例を示す断面図である。
符号の説明
1,2,3 光学情報記録媒体
11 基板
12 反射層
13,15 保護層
14 記録層
16 光透明層
17 情報層
21 基板
22 光透明層
23 第1の情報層
24 中間層
25 第2の情報層
231,233,251,253 保護層
232,252 記録層
254 反射層
31 光ディスク
32 レーザー光源
33 駆動装置
34 対物レンズ
35 回転制御装置
100 第1の情報層
101,103 保護層
102 記録層
200 第2の情報層
201,203 保護層
202 記録層
300 第3の情報層
301,303 保護層
302 記録層
304 反射層
400 第4の情報層
401,403 保護層
402 記録層
404 反射層

Claims (17)

  1. 記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体であって、
    前記記録層が、低酸化物Te−O−M(Mは、金属元素、半金属元素及び半導体元素から選択される少なくとも一つの元素である。)と材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物(Te酸化物を除く。)から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物を含むことを特徴とする光学情報記録媒体。
    但し、低酸化物とは、酸素元素の組成比が、化学量論的組成の酸素元素の組成比よりも小さい範囲内にある酸化物のことである。
  2. 前記Te−O−Mにおける前記Mの原子濃度をx原子%とし、前記Teの原子濃度をy原子%とした場合、前記x及び前記yが0.05y≦x≦yの関係を満たす請求項1に記載の光学情報記録媒体。
  3. 前記Mは、Pd、Au、Pt、Ag、Cu、Sb、Bi、Ge及びSnから選択される少なくとも一つの元素である請求項1に記載の光学情報記録媒体。
  4. 前記記録層が、少なくとも前記Te−O−Mを含む第1の膜と、少なくとも前記材料Xを含む第2の膜と、を含む請求項1に記載の光学情報記録媒体。
  5. 記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体であって、
    前記記録層が、低酸化物A−O(Aは、Sb、Sn、In、Zn、Mo及びWから選択される少なくとも一つの元素である。)と材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物から選択される少なくとも一つの化合物である。)との混合物を含むことを特徴とする光学情報記録媒体。
    但し、低酸化物とは、酸素元素の組成比が、化学量論的組成の酸素元素の組成比よりも小さい範囲内にある酸化物のことである。
  6. 前記混合物に含まれる前記材料Xは、30mol%以下である請求項1又は5に記載の光学情報記録媒体。
  7. 前記材料Xが、La−F、Mg−F、Ca−F、希土類元素の弗化物、Si−O、Cr−O、Ge−O、Hf−O、Mo−O、Ti−O、W−O、Zn−O及びZr−Oから選択される少なくとも一つを含む請求項1又は5に記載の光学情報記録媒体。
  8. 複数の情報層が含まれており、前記複数の情報層の少なくとも一つが前記記録層を含む請求項1又は5に記載の光学情報記録媒体。
  9. 前記記録層の厚みが20nm以下である請求項1又は5に記載の光学情報記録媒体。
  10. 記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体を製造する方法であって、
    Te−M(Mは、金属元素、半金属元素及び半導体元素から選択される少なくとも一つの元素である。)及び材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物(Te−Oを除く。)から選択される少なくとも一つの化合物である。)を含むターゲット材料を用い、スパッタリング法を用いて前記記録層を作製する工程を含むことを特徴とする光学情報記録媒体の製造方法。
  11. 前記ターゲット材料は、Te−M及び材料Xの混合物を含む請求項10に記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  12. 前記ターゲット材料は、前記Te−Mを含むターゲット材料Aと前記材料Xを含むターゲット材料Bとからなり、前記ターゲット材料Aと前記ターゲット材料Bとから同時にスパッタリングを行うことにより前記記録層を作製する請求項10に記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  13. 前記ターゲット材料は、前記Te−Mを含むターゲット材料Aと前記材料Xを含むターゲット材料Bとからなり、
    前記ターゲット材料Aを用いてスパッタリング法により低酸化物Te−O−M膜を作製し、
    前記ターゲット材料Bを用いてスパッタリング法により材料Xを含む膜を作製する請求項10に記載の光学情報記録媒体の製造方法。
    但し、低酸化物とは、酸素元素の組成比が、化学量論的組成の酸素元素の組成比よりも小さい範囲内にある酸化物のことである。
  14. 記録層を含み、前記記録層にレーザー光が照射されることにより情報の記録及び再生が行われる光学情報記録媒体を製造する方法であって、
    元素A(Aは、Sb、Sn、In、Zn、Mo及びWから選択される少なくとも一つの元素である。)及び材料X(Xは、弗化物、炭化物、窒化物及び酸化物から選択される少なくとも一つの化合物である。)を含むターゲット材料を用い、スパッタリング法を用いて前記記録層を作製する工程を含むことを特徴とする光学情報記録媒体の製造方法。
  15. 前記ターゲット材料は、A及び材料Xの混合物を含む請求項14に記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  16. 前記ターゲット材料は、前記Aを含むターゲット材料Cと前記材料Xを含むターゲット材料Bとからなり、前記ターゲット材料Cと前記ターゲット材料Bとから同時にスパッタリングを行うことにより前記記録層を作製する請求項14に記載の光学情報記録媒体の製造方法。
  17. 前記記録層を作製する工程において、成膜ガスが希ガスと酸素ガスとの混合ガスを含み、反応性スパッタリングにより前記記録層を作製する請求項10又は14に記載の光学情報記録媒体の製造方法。
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