JP2005022256A - 射出成形用金型装置 - Google Patents

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Mareo Kawai
稀雄 河合
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Abstract

【課題】永電磁チャック式の金型取付面に対する金型の固着安定性を容易に確認することができる射出成形用金型装置を提供する。
【解決手段】射出成形用金型装置11は、永電磁チャック式の固定金型取付面22及び移動金型取付面27に固定金型取付板16a及び移動金型取付板16bを介して金型12を磁着させる。固定金型取付面22の上端部及び一側部には超音波を利用した上部距離測定手段31a及び側部距離測定手段31bが設けられ、それら距離測定手段31a,31bにより距離d1,d2を測定し、それらに基づいて固定金型取付面22に対する金型12の固着安定性が評価される。固着安定性は、固定金型取付面22上の永電磁石23と固定金型取付板16aとの磁着面積に基づいて求められる磁着力と、射出成形時の型開き力に基づいて求められる必須クランプ力との比較により評価される。磁着面積は距離d1,d2の値に基づいて算出される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、永電磁チャック式の金型取付面を備えた射出成形用金型装置に関するものである。より詳しくは、金型取付面に磁力により固着された金型の固着安定性を確認することにより、射出成形時に金型が金型取付面に安定に固着され得るように構成した射出成形用金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の射出成形用金型装置としては、例えば特許文献1に開示されている永電磁チャックからなる金型固定手段を備えた横型射出成形機の金型セッティング装置が知られている。前記金型固定手段は、多数の永電磁石を備えた永電磁チャックを射出成形機の金型取付盤の双方に夫々設けたもので、金型を取付けるための金型取付面を構成している。なお、前記永電磁チャックは、永久磁石と電磁石とを組合せたもので、吸着面を有し、その吸着面の磁力による吸着力が数秒間の通電により継続的なオン状態、オフ状態に切り替わるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−67094号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記永電磁チャック式の金型取付面は、永電磁石への通電により電磁石の磁極性を変化させ、永久磁石が同取付面上に及ぼす磁力を増強又は相殺することによって金型の磁着及び脱落を制御するとともに、永電磁石への通電を停止することにより永久磁石の磁着力によって金型の磁着状態を維持するようになっている。そして、この金型取付面は、前記永電磁石と金型(正確には金型取付板(磁性材料からなり、金型と金型取付面との間に配設されている金属板))との間の接触面積に応じて磁着力が増減するように構成されていることから、様々なサイズの金型取付板を着脱自在に磁着させることができるようになっている。
【0005】
一方、前記金型取付板は通常、永電磁チャック式の金型取付面専用の規格には設定されておらず、上記金型取付盤に対し螺着又は機械的なクランプによって固着されて用いることもできるようになっている。そして、この金型取付板のサイズは通常、射出成形時の射出圧力によって決定されている。
【0006】
ところが、前記従来の金型取付面においては、射出ゲートが配設される位置である中央部に永電磁石が欠失した領域が存在している。このため、前記金型取付板を金型取付面に磁着させる場合には、前記射出圧力によって一義的に決定されるサイズの金型取付板が用いられていたことから、前記永電磁石が欠失した領域が十分に考慮されておらず、金型取付板と金型取付面との間の磁着力として確実に反映されていないというケースが多かった。
【0007】
特に、小さなサイズの金型取付板を用いた場合には、前記永電磁石が欠失した領域が占める割合が相対的に大きくなることから、金型取付面と金型取付板との間の実際の磁着面積が小さくなり、金型取付面に対する金型の固着安定性が見かけよりも低くなってしまうケースが多い。このとき、前記金型を型開きする際には、金型取付面に対する金型取付板の吸着方向と逆行する方向に作用する型開き力によって、該金型が金型取付面から不測に落下したり、金型取付面上でずれてしまったりする等の不具合が発生するおそれがあった。なお、前記型開き力は通常、前記射出圧力よりも高くなるように設定されている。
【0008】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、永電磁チャック式の金型取付面に対する金型の固着安定性を容易に確認することができるように構成された射出成形用金型装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の射出成形用金型装置は、永電磁チャック式の固定金型取付面及び移動金型取付面を備え、固定金型取付面に固定金型取付板を介して固定金型を固着するとともに、移動金型取付面に移動金型取付板を介して移動金型を固着するように構成された射出成形用金型装置において、前記固定金型取付面の上端部及び一側部に上部距離測定手段及び側部距離測定手段を設け、上部距離測定手段により固定金型取付面の上端部と固定金型取付板の上端縁との間の距離を測定するとともに、側部距離測定手段により固定金型取付面の一側部と固定金型取付板の一側縁との間の距離を測定し、それらの距離に基づいて固定金型取付面に対する固定金型の固着安定性を確認するように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明の射出成形用金型装置は、請求項1に記載の発明において、前記固着安定性は、固定金型取付板と固定金型取付面との間の磁着面積に基づいて算出される磁着力と、射出成形時の型開き力に基づいて決定される必須クランプ力との比較により確認されるとともに、前記磁着面積は前記距離に基づいて算出されることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明の射出成形用金型装置は、請求項2に記載の発明において、前記磁着力が必須クランプ力よりも小さいときに警告信号を発するように構成したことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明の射出成形用金型装置は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記距離測定手段は、前記距離を測定していないときに固定金型取付面側に突出しないように収納されることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)に示すように、射出成形用金型装置11は、射出成形用の金型12を、四角板状に形成された固定型ダイプレート13及び移動型ダイプレート14間に前後に挟み込む構造をなしている。図1(b)に示すように、前記固定型ダイプレート13の各コーナ部には、横円柱状に形成された案内棒15が射出成形用金型装置11の後方に延びるように突設されている。これら案内棒15の先端部(後端部)は、前記移動型ダイプレート14の各コーナ部に貫設された図示しない案内孔内に挿通されており、該移動型ダイプレート14の前後方向への移動を案内するようになっている(なお、図1(a)では案内棒15は図示していない)。この射出成形用金型装置11は、図1(a)に略示される横型射出成形機17に装着して使用される。
【0014】
図1(a)に示すように、前記金型12は、固定型ダイプレート13に固着させて使用される固定金型12aと、移動型ダイプレート14に固着させて使用される移動金型12bとから構成されている。これら固定金型12a及び移動金型12bの各対向面(先端面)には射出成形品の外面形状をなすキャビティが設けられており、裏面(基端)には磁着材料(鉄等)により長四角板状に形成された固定金型取付板16a及び移動金型取付板16bがそれぞれ螺合関係により固着されている。なお、前記固定金型取付板16aと移動金型取付板16bとは、厚みが25〜30mm程度又はそれ以上で、同じサイズのものが使用される。
【0015】
図1(a)及び(b)に示すように、移動型ダイプレート14に対向する固定型ダイプレート13の一側面(後面)には、所定の厚み(53mm程度)を有する八角板状に形成された永電磁チャック式の固定金型取付部材21が螺合関係により固着されている。この固定金型取付部材21としては、例えばテクノマグネット社製のクワッドプレス(QUAD−PRESS)が好適に用いられる。この固定金型取付部材21の一側面(後面)は、固定金型12aの裏面に固着された固定金型取付板16aを取付けるための金型取付面としての固定金型取付面22となっている。
【0016】
この固定金型取付面22の中央部には、正方形状に形成された複数の永電磁石23が略格子状(同心円状)となるように埋設されており、前記固定金型取付板16aを着脱自在に磁着させるようになっている。また、同固定金型取付面22の中央(中心部)には、射出ゲート等を配置して射出成形時の樹脂材料を通過させるための材料通過孔24が円孔状に貫設されており、永電磁石23は設けられていない。
【0017】
各永電磁石23は、永久磁石と電磁石との組合わせからなるスクエアーポール(正方形の磁極)方式の永電磁回路により構成されている。これら永電磁石23は、永電磁回路への一過的な通電により磁着材料からなる固定金型取付板16aを固定金型取付面22に対して磁着又は離間(脱落)させるとともに、永久磁石が及ぼす磁着力によって磁着状態の固定金型取付板16aの剥離を防止するようになっている。また、これら各永電磁石23はそれぞれ等しい磁着力を発生するように構成されており、固定金型取付板16aが当接する永電磁石23の個数(面積)に応じて、固定金型取付面22に対する固定金型取付板16aの磁着力が決定されるようになっている。
【0018】
一方、固定型ダイプレート13に対向する移動型ダイプレート14の一側面(前面)には、上記固定金型取付部材21と同様の構成を有する移動金型取付部材26が螺合関係により固着されている。この移動金型取付部材26の一側面(前面)は、上記固定金型取付部材21の場合と同様に、移動金型12bの裏面に固着された移動金型取付板16bを着脱自在に取付けるための移動金型取付面27となっている。この移動金型取付面27の中央部には複数の永電磁石が略格子状(同心円状)となるように埋設されており、同移動金型取付面27の中央(中心部)には上記材料通過孔24と同様の構成の材料通過孔が貫設されている。
【0019】
図1及び図2(a)に示すように、前記固定金型取付部材21の上端部中央には距離測定手段を構成する上部距離測定手段31aが設けられ、同固定金型取付部材21の一側部中央高さには距離測定手段を構成する側部距離測定手段31bが設けられている。これら上部距離測定手段31a及び側部距離測定手段31bはいずれも、射出成形用金型装置11又は横型射出成形機17の動作を制御する図示しない制御手段により制御されるように構成されている。なお、前記制御手段は、金型取付面22,27への通電や移動型ダイプレート14の前後動等の動作を制御するようになっている。
【0020】
前記上部距離測定手段31aは、固定金型取付部材21の上端面上に固設されたロータリーアクチュエータ32と、該ロータリーアクチュエータ32の上端部に回動可能に取付けられた回動バー33と、該回動バー33の先端部に固設された距離測定センサ34とを備えている。また、前記側部距離測定手段31bは、上部距離測定手段31aと同様に、固定金型取付部材21の一側面上に固設されたロータリーアクチュエータと、該ロータリーアクチュエータの一端部に回動可能に取付けられた回動バーと、該回動バーの先端部に固設された距離測定センサとを備えている。以下、主として上部距離測定手段31aについて説明するが、側部距離測定手段31bについても取付け位置や向き等が異なるのみで基本的構成及び動作は同様である。
【0021】
前記ロータリーアクチュエータ32は、固定金型取付部材21の固定金型取付面22よりも後方(移動型ダイプレート14側)に突出しないように配設されており、金型12の交換作業時に誤って金型12と衝突しないようになっている。このロータリーアクチュエータ32の上端部には、磁気の影響を受けにくいエアシリンダにより所定角度(通常は90°)回動するように構成された回動軸36が突設されている。この回動軸36の上端部には、前記回動バー33の基端部が固定されている。
【0022】
この回動バー33は、前記回動軸36の回動動作によって、図2(a)に示される上部距離測定手段31aの不使用状態と、図2(b)に示される上部距離測定手段31aの使用状態との2種類の状態に配置されるようになっている。前記不使用状態における回動バー33は固定金型取付面22と平行(射出成形用金型装置11の左右方向)に延びるように配置され、使用状態における回動バー33は射出成形用金型装置11の前後方向に延びるように配置される。
【0023】
前記距離測定センサ34は、超音波又は遠赤外線(射出成形用金型装置11や横型射出成形機17が発生する熱の影響を受けにくいことから好ましくは超音波)の送受信部を備えたセンサ部34aが真下に向くように回動バー33の先端部に配設されている。この距離測定センサ34は、図1(b)及び図2(b)に示される使用状態において、磁着状態の固定金型取付板16aの真上に位置するように構成されており、固定金型取付部材21の上端部と固定金型取付板16aの上端面との間の距離d1を測定するようになっている。なお、前記センサ部34aは、前記材料通過孔24を通る固定金型取付面22の中心線に沿う上下方向に超音波又は遠赤外線が通過するように構成されているとよい。
【0024】
また、前記側部距離測定手段31bの距離測定センサは、図1(b)に示される使用状態において、磁着状態の固定金型取付板16aの真横に位置するように構成されており、固定金型取付部材21の一側部と固定金型取付板16aの一側面との間の距離d2を測定するようになっている。なお、この側部距離測定手段31bのセンサ部は、前記材料通過孔24を通る固定金型取付面22の中心線に沿う左右方向に超音波又は遠赤外線が通過するように構成されているとよい。
【0025】
上記射出成形用金型装置11の作用について以下に記載する。
この射出成形用金型装置11に金型12を取付ける際には、まず、固定金型12a及び移動金型12bの裏面に、射出成形時の射出圧力に応じて決定される所定サイズの固定金型取付板16a及び移動金型取付板16bを螺合関係によりそれぞれ固着させる。次に、図1及び図2(a)に示されるように、回動バー33を距離測定手段31a,31bの不使用状態となるように配置した後、両ダイプレート13,14間に、クレーンに吊下された金型12を挿入する。続いて、前記金型12の固定金型取付板16aを固定金型取付面22の中央部に正確に位置決めした後、永電磁石23に一過的に通電することによって固定金型取付面22に固定金型取付板16aを磁着させる。続いて、前記永電磁石23に対する通電を停止して永久磁石による磁着状態に切り換える。
【0026】
なお、前記永電磁石23に対する通電の前後いずれかのタイミングで、前記制御手段は距離測定手段31a,31bに対して、回動バー33を回動させて距離測定手段31a,31bを図1(b)及び図2(b)に示される使用状態にするとともに、距離測定センサ34による距離d1,d2の測定を行わせる。続いて、前記制御手段は、前記距離測定センサ34によって測定された距離d1,d2の値に基づいて、固定金型取付面22に対する固定金型取付板16aの固着安定性を評価する。
【0027】
この固着安定性は、固定金型取付板16aの磁着面積に基づいて求められる磁着力と、射出成形時の型開き力に基づいて求められる必須クランプ力とを比較することによって評価される。前記磁着力は、固定金型取付板16aと永電磁石23とが密着する面積(磁着面積)に、永電磁石23を構成する永久磁石が及ぼす単位面積あたりの磁力を乗じることによって算出される。前記磁着面積は、上記距離測定手段31a,31bによって測定された2つの距離d1及びd2に基づいて、固定金型取付面22上に図1(b)に2点鎖線で示されるような固定金型取付板16aの外郭を描くような作業(但し、実際には制御手段による算出のみが行われる)を行うことによって求められる。一方、前記必須クランプ力は、固定金型取付部材21の使用マニュアル等に規定された規定値又は推奨値であって、射出成形時の型開き力によって予め決定されている。
【0028】
そして、この固着安定性は、前記磁着力が必須クランプ力以上の場合に「安定である」と評価され、前記磁着力が必須クランプ力未満の場合に「不安定である」と評価される。前記固着安定性が「安定である」と評価された場合、そのまま常法に従って固定金型取付面22に対する固定金型12a(固定金型取付板16a)の磁着作業が継続される。
【0029】
前記固着安定性が「不安定である」と評価された場合、前記制御手段は、射出成形用金型装置11の作業者に対し図示しないモニター、警告ランプ、警告ブザー等の出力手段に警告信号を発して注意を促す。さらにこのとき、前記制御手段は、前記固定金型取付面22に対する固定金型取付板16aの磁着停止又は磁着状態の解除(脱落)を行うか、或いは移動型ダイプレート14の前方への可動スイッチの入力停止等の安全措置を行うように構成されているとよい。その後、前記金型12に固着されている固定金型取付板16a及び移動金型取付板16bをそれぞれ大きなサイズのものに交換して上記と同様に射出成形用金型装置11に金型12を取付ける作業が行われる。
【0030】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の射出成形用金型装置11は、永電磁チャック式の金型取付面22,27に金型取付板16a,16bを介して金型12を固着するように構成されている。さらに、この射出成形用金型装置11は、固定金型取付面22の上端部及び一側部に上部距離測定手段31a及び側部距離測定手段31bが設けられており、それら距離測定手段31a,31bによって距離d1,d2を測定するように構成されている。加えて、この射出成形用金型装置11は、前記2つの距離d1,d2に基づいて固定金型取付面22に対する固定金型12aの固着安定性を確認するように構成されている。このため、この射出成形用金型装置11では、永電磁チャック式の金型取付面22,27に対する金型12(固定金型12a及び移動金型12b)の固着安定性を極めて容易に確認することができる。このとき、この射出成形用金型装置11では、射出成形時の型開き力によって金型12が金型取付面22,27から落下したり、同金型取付面22,27上でずれてしまったりする等の重大な不具合の発生を抑えるのが極めて容易となる。
【0031】
特に、小さいサイズの固定金型取付板16aを用いる場合には、固定金型取付板16aの一側面のうち材料通過孔24と対向する面積比率が高まる。このため、この固定金型取付板16aと永電磁石23との間の実際の磁着面積が、見かけの磁着面積(=固定金型取付板16aの面積)よりも大幅に小さくなり、実際には十分な磁着力が発揮されていないにも関わらず、見かけの磁着面積に視覚的に囚われてしまう人為的ミスが起こり得る。本実施形態の射出成形用金型装置11の距離測定手段31a,31bは、このような錯覚に起因するミスの防止に役立てるために開発されたものであって、前記実際の磁着面積を適切に算出し、その算出結果に基づいて前記固着安定性を正確に確認することができるようになっている。
【0032】
・ 上部距離測定手段31aを固定金型取付面22の上端部に設けることによって、固定金型取付面22の下端部に設ける場合と比べて、両ダイプレート13,14間の人や物の移動が行いやすくなる。またこのとき、センサ部34aにゴミや埃等が付着しにくくなる。
【0033】
・ 上部距離測定手段31aを固定金型取付面22の上端部中央に設けることによって、固定金型取付板16aが必ず材料通過孔24を塞ぐ形で取付けられることから、センサ部34aから送信される超音波又は遠赤外線が固定金型取付板16aの上端縁を確実に捉えることができる。また、固定金型取付面22に対する取付け直前の固定金型取付板16aにおいて、その上端縁が水平面に沿って正確に配置されていない場合でも、該固定金型取付板16aの中央は材料通過孔24の対向位置に一致して配置され得ることから、距離d1の測定誤差が最小限に抑えられるという利点もある。側部距離測定手段31bを固定金型取付面22の一側部中央に設けた場合も全く同様の作用効果が発揮される。
【0034】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 上記磁着面積は、距離d1,d2の測定値を用いて制御手段により算出される必要はなく、例えば固定金型取付板16aの型番号と距離d1,d2の平均値との関係をデータベース化したデータベースを参照することによって導出されるように構成されていてもよい。
【0035】
・ 上記制御手段として、上記警告信号を出力手段に出力せずに安全措置のみを行うように構成しても構わない。
・ 上記横型射出成形機17の代わりに、縦型射出成形用機を用いても構わない。
【0036】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記上部距離測定手段を固定金型取付面の上端部中央に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の射出成形用金型装置。前記側部距離測定手段を固定金型取付面の一側部中央に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の射出成形用金型装置。
【0037】
・ 前記磁着力が必須クランプ力よりも小さいとき、前記固定金型取付面に固定金型を固着させる動作又は前記移動金型取付面の移動を停止させるように構成したことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の射出成形用金型装置。
【0038】
・ 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の射出成形用金型装置に設けられる距離測定手段であって、前記固定金型取付面の上端部及び一側部に設けられる上部距離測定手段及び側部距離測定手段を備え、前記上部距離測定手段は前記固定金型取付面の上端部と金型取付板の上端縁との間の距離を測定するように構成され、前記側部距離測定手段は前記固定金型取付面の一側部と金型取付板の一側縁との間の距離を測定するように構成されていることを特徴とする射出成形用金型装置用の距離測定手段。このように構成した場合、永電磁チャック式の金型取付面に対する金型の固着安定性を容易に確認することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項4に記載の発明の射出成形用金型装置によれば、永電磁チャック式の金型取付面に対する金型の固着安定性を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態の射出成形用金型装置の一部を模式的に示す側面図、(b)は同じく固定金型取付部材及び固定型ダイプレートを示す後面図。
【図2】(a)は実施形態の不使用状態の上部距離測定手段を模式的に示す斜視図、(b)は同じく使用状態の上部距離測定手段を模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
11…射出成形用金型装置、12a…固定金型、12b…移動金型、16a…固定金型取付板、16b…移動金型取付板、22…固定金型取付面、27…移動金型取付面、31a…上部距離測定手段、31b…側部距離測定手段、d1,d2…距離。

Claims (4)

  1. 永電磁チャック式の固定金型取付面及び移動金型取付面を備え、固定金型取付面に固定金型取付板を介して固定金型を固着するとともに、移動金型取付面に移動金型取付板を介して移動金型を固着するように構成された射出成形用金型装置において、
    前記固定金型取付面の上端部及び一側部に上部距離測定手段及び側部距離測定手段を設け、上部距離測定手段により固定金型取付面の上端部と固定金型取付板の上端縁との間の距離を測定するとともに、側部距離測定手段により固定金型取付面の一側部と固定金型取付板の一側縁との間の距離を測定し、それらの距離に基づいて固定金型取付面に対する固定金型の固着安定性を確認するように構成したことを特徴とする射出成形用金型装置。
  2. 前記固着安定性は、固定金型取付板と固定金型取付面との間の磁着面積に基づいて算出される磁着力と、射出成形時の型開き力に基づいて決定される必須クランプ力との比較により確認されるとともに、
    前記磁着面積は前記距離に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型装置。
  3. 前記磁着力が必須クランプ力よりも小さいときに警告信号を発するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の射出成形用金型装置。
  4. 前記距離測定手段は、前記距離を測定していないときに固定金型取付面側に突出しないように収納されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の射出成形用金型装置。
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