JP2005021047A - 乳風味増強方法及び飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】少量の乳成分しか含有しない飲食品に乳感と乳由来の香気や呈味といった乳風味を付与する方法および製品、あるいは乳含有製品の乳風味をさらに向上する方法および製品を提供する。
【解決手段】玄米あるいは催芽処理させた玄米を粉砕処理して得られる粉末を乳製品を含有する飲食品に添加し、加熱することによって乳製品の乳風味を増強する。乳の香気が引き立ち、更に乳特有の生臭みが軽減され、乳特有の乳感や呈味も改良され、乳風味全体が向上した飲食品を得る。さらに玄米あるいは催芽処理させた玄米を焙煎することにより、好ましい加熱風味が付与されるとともに、澱粉臭が抑制された飲食物を得る。
【選択図】 なし
【解決手段】玄米あるいは催芽処理させた玄米を粉砕処理して得られる粉末を乳製品を含有する飲食品に添加し、加熱することによって乳製品の乳風味を増強する。乳の香気が引き立ち、更に乳特有の生臭みが軽減され、乳特有の乳感や呈味も改良され、乳風味全体が向上した飲食品を得る。さらに玄米あるいは催芽処理させた玄米を焙煎することにより、好ましい加熱風味が付与されるとともに、澱粉臭が抑制された飲食物を得る。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、乳風味増強方法及び乳風味を増強した飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳含有製品としての風味は、香気、呈味、口当たりとこくみの総合的な食感で表される乳感の三つに大別できる。代表的な乳含有製品として牛乳を一例にあげると、香気成分としては、アセトン、ブタノン、短鎖脂肪酸などの遊離脂肪酸やカルボニル化合物などがあげられ、温和な甘味として感じられる呈味は主に乳糖によるもので、その他塩化物、クエン酸、無機塩類等がかすかな塩味、酸味、苦味として呈味に寄与している。三つ目の口当たりやこくみなどの乳感は、乳脂肪や乳タンパク質によるもので、乳製品独特のボディ感は、この口当たりやこくみに寄るところが大きい。
【0003】
ところが乳含有製品においては、昨今の健康志向の高まりから、動物性脂肪である乳脂肪が敬遠され、且つ低カロリーの乳含有製品が求められてきている。本来乳含有製品は、乳脂肪含量を多くすることにより、乳感や香気が増し、一層美味しく感じられる製品になり、乳脂肪含量を低くすると、乳脂肪由来の乳感や芳醇な香気が損なわれるのが現状である。従って、乳脂肪分が少ない場合でも、乳由来と同等の乳感や芳醇な香気や呈味を有する、乳風味豊かな乳含有製品の開発は、食品業界において課題である。
【0004】
従来より、乳含有製品において、乳風味を引き立たせたり、風味を改善させる為の原料や加工方法(特許文献1〜8)が多く検討されている。
【0005】
一般に、食品の乳風味付与剤としては全脂粉乳や脱脂粉乳といった粉体乳製品が用いられるが、これらを添加するだけでは、前記のように、香気、呈味、乳感からなる乳風味を十分に付与することができない。特に製品の低カロリー化を図るために脱脂粉乳が多用されてきたが、ボディ感が非常に低く、単独の配合ではとても満足のいくものではない。
【0006】
更に粉体乳製品は、濃縮、乾燥、殺菌等の加工処理工程において本来乳原料が持つ香気が低減され、更には乳由来の香気以外の異臭が発生し、例えば、食品に添加しても乳らしい香気を呈さず、粉臭などと表現される異臭を生じる。こうした問題を解決する方法として、粉体乳製品にイースト自己消化液を添加し乳風味を向上させる方法(特許文献1)は既に知られているが、添加液自体の加工が複雑かつ時間を要することから、コスト面での負荷は避け難い。
【0007】
このような粉体乳製品は、少量の添加では乳風味を付与する効果が発揮されないことから、乳由来成分であり、かつ少量の添加でも効果を発揮する乳風味付与剤について検討されている。しかし特許文献2〜5に示されている乳風味付与剤、及び特許文献6に示されている風味改良剤は、その工程が非常に複雑で容易に再現できず実用的とは言い難い。
【0008】
また、乳感を向上させるものとして、特許文献7に示されているスクラロースがある。しかし、スクラロースは高甘味度甘味料であることから、食品に添加することで甘味に影響を及ぼさず、乳感のみを向上させる目的では使用できない。更にスクラロースは合成による食品添加物であり、食品の安全性に対する消費者意識の高まりと相反する剤であることから、健康指向の高い食品で使用する場合には好ましくない。
【0009】
一方で、澱粉分解物を乳脂肪分の少ない冷菓に添加して乳感や風味を増強する方法(特許文献8)が公知となっている。しかしこの方法は冷菓類に限られた効果であり、また2〜10重量%の添加量が必要とされていることから、幅広い乳含有製品に用いることができ、さらに乳感増強を効果的に得るものとして、満足のいくものではない。
【0010】
【特許文献1】特開平06−319448
【特許文献2】特開平9−266756
【特許文献3】特開平9−266757
【特許文献4】特許第3004912号
【特許文献5】特許第3059380号
【特許文献6】特開平9−37735
【特許文献7】特開2000−135055
【特許文献8】特開平7−50994
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、食品中に少量の乳味成分が存在するだけであっても、食品の乳感や香気や呈味などの乳風味を向上させる方法を提供する。さらにまた本発明は、乳風味を増強した飲食品を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、健康への有効性及び安全性が高い天然食品素材を用いて、従来の課題を解決するために多種多様な検討を試みた結果、乳成分を含有する食品に玄米、特に催芽処理させた玄米の粉末を添加配合することによって、乳の香気を引き立たせることができ、更に乳特有の生臭みを軽減し、乳特有の乳感も向上した乳含有製品が得られることを見出し、本発明を完成した。また、玄米を焙煎処理することによって、玄米粉末には好ましい香気が付与されるためより好ましい乳風味が付与されることも本発明者らは見出した。さらに玄米粉末を添加した後、加熱処理することによって、さらに乳製品を含有する食品にはより好ましいボディー感を付与することも本発明者は見出した。さらにまた、本発明の乳風味増強剤を調製する工程において、玄米を部分的にアルファ化処理に付することによってより好ましい乳風味増強剤が調製できることを見出した。
【0013】
従って本発明は以下の構成からなる発明である。
1.玄米粉末を添加することを特徴とする乳風味増強方法。
2.玄米が催芽処理させた玄米である1記載の方法。
3.玄米が焙煎処理を行ったものである1または2記載の方法。
4.1乃至3記載の方法において、さらに80℃以上で加熱処理を行うことを特徴とする乳風味の増強方法。
5.1乃至4記載の方法により乳風味を増強した飲食品。
6.催芽処理させた玄米を部分的にアルファ化処理した後、乾燥後粉砕することを特徴とする、玄米を主成分とする乳風味増強剤の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、玄米を常法によって粉砕処理し、粉末としたものを使用する。また催芽処理させた玄米についても同様にして粉末処理する。玄米にはビタミンEやフェルラ酸といった、抗酸化作用を有する機能性成分が豊富に含まれている為、食品の品質保持のみならず健康的にも非常に有意義である。例えば、本発明品における玄米粉末には、通常フェルラ酸が5.0〜35.0重量%、ビタミンEが0.0001〜0.0025重量%含まれている。
【0015】
本発明で用いる玄米粉末を必要に応じて造粒し、顆粒、粒状等といった粒子状に加工することもできる。催芽処理させた玄米についても同様に粉末処理したものを顆粒、粒状等といった粒子状に加工することもできる。
【0016】
本発明において、玄米あるいは催芽処理させた玄米を粉末状に加工する際に使用する粉砕方法は、粗砕、超微粉砕等の粉砕粒、及び直圧式、ローラー式、衝撃式、乾式、湿式等を含む粉砕方法が含まれ、特に粉砕方法として制限されるものではない。このようにして調製した玄米粉末の水分は0.5%乃至15%に調整しておくことが本発明を実施して得られる乳含有飲食品の品質上好ましい。
【0017】
本発明における玄米粉末の粒径は、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。乳風味を増強あるいは改良しつつ、食品の食感も損なわず、さらにテクスチャーの滑らかさを増す為に、このような範囲とするのがよい。
【0018】
また、本発明の方法を実施するにあたり、所望する飲食品に添加後加熱処理することにより、乳含有飲食品のテクスチャーをより滑らかにすることが可能となる。飲食品に添加した玄米粉末の澱粉糊化度(アルファ化度)が高いほど、得られる飲食品のテクスチャーを改善する効果は顕著となる。
【0019】
玄米粉末のBAP法を用いて測定した澱粉糊化度は60%以下が好ましく、60%を超えて糊化させた場合、逆に澱粉臭が強く感じられ、乳製品の風味を損なうことがある。加熱処理する手段としては、例えば80〜180℃の蒸気を熱媒体として、直接あるいは間接的に加熱しても良く、水などを熱媒体として加熱しても良い。また、玄米粉末を得るためにあらかじめ焙煎処理すると澱粉の焙煎香が生じることから、飲食品に添加後の加熱が過度になってその結果糊化度が60%を超える場合でも、香気を良好に保つことができる。
【0020】
本発明において催芽処理させた玄米は次のような方法で製造することができる。
玄米を通常2乃至4回程洗米し、水切り後、発芽槽(催芽処理用タンク)に浸漬する。洗米に供する水は、水道水、蒸留水、井戸水、酸性水、電解食塩水、オゾンを溶存させた水、海洋深層水等の食品用に使用できる水であれば、いずれの使用も可能である。
【0021】
催芽処理用タンクの浸漬条件は、通常15乃至50℃の温水中に発芽するまで浸漬するか、あるいは例えば3乃至7時間浸漬し、その後脱水を行い、間欠的に散水を行って、所定時間、高湿度の条件化で催芽処理する方法がある。使用する温水は、前記の洗米工程で例示した様な水が使用でき、食品用に使用できる水であれば、いずれも可能である。また、浸漬から催芽処理工程を液相中で実施する場合は、例えば、3乃至48時間、通常15乃至50℃の温水中に浸漬させ、発芽させる。
【0022】
催芽処理による発芽の程度は、一般的には胚の部分から0.5mm〜2.0mm程度の膨らみ、あるいは突起部、幼芽が確認できる程度の状態がよい。催芽処理後は加熱処理して発芽を停止させ、乾燥させたものを粉砕処理に用いることができる。また、吸水させて催芽した玄米は、蒸煮にて加熱処理を行ってもよく、具体的には、吹き出す蒸気の圧力が0.05〜1.0kgf/cm2、好ましくは0.2〜0.8kgf/cm2で、あるいは蒸気の温度が98〜120℃、好ましくは100〜115℃の蒸気をネットコンベア下部から吹き出し、10〜40分間、好ましくは25〜35分間、蒸煮処理を行うのが好ましい。このように処理して催芽処理させた玄米をアルファ化度20%以上、60%以下に調整し、乾燥させて、その後粉砕処理工程に付する。
【0023】
また、乾燥させた玄米はロータリー流動方式、あるいはドラム式などの焙煎装置を用いて加熱焙煎してもよい。焙煎によって好ましい加熱風味が付与されるとともに、澱粉臭の発生を抑制することができる。焙煎にあたっては好ましい香気を付与する程度にとどめ、焦げを生じるまで加熱焙煎することは好ましくない。
焙煎の温度、時間などの条件は所望の焙煎状態によって異なるが、風味に優れた玄米粉を得るためには、例えば100乃至350℃の温度域で、焙煎時の処理温度と処理時間の積で表した積算温度が2.0乃至6.0℃・hとなる範囲で焙煎するのが好ましい。焙煎した玄米は、焙煎しない場合と同様に、その後粉砕処理工程に付する。
【0024】
本発明の効果を得るために飲食品に玄米の粉末を添加する配合割合は、食品の種類又はそれに含まれる乳製品又はその成分の量によって異なり一概に特定できないが、通常食品あたり0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜8.0重量%、さらに好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲である。
【0025】
なお、玄米粉末を乳含有製品に過量添加すると澱粉臭が伴うことがあるが、上述のとおり玄米又は催芽処理させた玄米を焙煎することで、澱粉臭を低減させるかあるいは感じられなくなるようにすることも可能である。
【0026】
この澱粉臭は、添加する乳製品含有製品の形状や乳脂肪含有量等によっても影響され、例えば乳脂肪分0.1〜2.0%程度の乳飲料であれば5.0重量%程度以上の配合、アイスクリーム等の冷菓であれば8.0重量%程度以上の配合で澱粉臭が明瞭に感じられてくる。すなわち、澱粉臭による乳香気への影響に関しては、添加する乳含有製品の成分や特性により異なった上限値が存在するため、各食品ごとに最適の濃度を確認して、飲食品を調製することが好ましい。
【0027】
本発明の実施によって、乳由来の特有の生臭みを低減することも可能となる。乳由来の生臭みの低減メカニズムは定かではないが、イノシトール化合物、澱粉、米油の相乗効果によるものと考えられる。したがって、催芽処理した玄米のように、フィチン酸などのイノシトール燐酸化合物が増加した玄米粉末を用いると、より一層消臭効果が増強される。また、澱粉に由来すると考えられるボディ感の付与、ごく微量ではあるが米油に由来する呈味改善効果などの相乗的な効果によって、乳風味増強効果が得られるものと推測される。
【0028】
本発明の乳製品含有飲食品は、特に制限はされないが、例えばクリーム、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、れん乳、醗酵乳、乳酸菌飲料、粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー等の乳製品、又はヨーグルト、プリン、フラワーペースト、乳性飲料、乳類入り炭酸飲料等の乳等を主原料とする食品等を挙げることができる。
【0029】
本発明の実施にあたっては、本発明の効果を損なわないことを条件として、甘味料、防腐剤、安定化剤等といった他の食品添加物を含んでいてもよい。
【0030】
本発明の実施により、飲食品に含まれる乳の風味を一層引き立たせ、脱脂などによる乳風味の低下を補い、さらに風味向上させることが可能となる。また、乳製品の欠点として指摘される乳の臭みを軽減し、よりよい乳の風味を得ることが可能となる。
【0031】
更に、本発明の実施によって、乳感を維持しつつ、乳由来の脂肪分を減らすことも可能となり、低カロリーの乳含有飲食品を提供することが可能となる。また、玄米、特に催芽処理させた玄米はビタミンB1やカルシウム、マグネシウム等のビタミン、ミネラルがバランス良く含まれていることから、食品に添加する場合、栄養面でも優れた効果を期待できる。
【0032】
また、本発明による飲食品は、製造工程において、加熱処理工程の存在にも関わらずその効果は変わらない。
【0033】
【実施例】
本発明の内容を以下の製造例、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0034】
[玄米粉末製造例1]
玄米を粉砕機にて粉砕後、粒度250mesh passにて製粉し、平均粒子径50乃至150μmの粉末を得た。この粉末は、水分約10%、脂質3.0%、イノシトール燐酸化合物(フィチン酸として)0.559%、炭水化物76.0%を含有していた。
【0035】
[玄米粉末製造例2]
原料の玄米を催芽処理した後、水蒸気により湿熱加熱し、澱粉アルファ化度を35%にした。ついで水分を15%以下になるまで乾燥した後、この催芽処理させた玄米を粉砕機にて粉砕後、粒度250mesh passにて製粉し、平均粒子径50乃至150μmの粉末を得た。この粉末は、水分10%、脂質3.0%、イノシトール燐酸化合物(フィチン酸として)0.559%、炭水化物76.0%であった。
【0036】
[玄米粉末製造例3]
原料の玄米を催芽処理した後、水蒸気により湿熱加熱し、澱粉アルファ化度を60%にした。ついで水分を約15%になるまで乾燥した後、ロータリー式流動培炒装置にて250乃至310℃で20乃至30秒間焙煎した。焙煎した玄米を粉砕機にて粉砕後、粒度250mesh passにて製粉し、平均粒子径50乃至150μmの粉末を得た。この粉末は、水分含量7%で、好ましい焙煎香気が付与されていた。
【0037】
[実施例1:低脂肪乳・無脂肪乳の乳風味増強効果確認試験]
製造例2で得られた催芽処理させた玄米より調製した粉末を、下記表2及び表3に示す割合にて低脂肪乳、及び無脂肪乳に混合し(実験例1〜16)、無添加品と比較し、乳感及び乳の香気、生臭さ、乳風味全体のバランスについて官能検査を実施した。評価は、官能評価員10名によって表1を基準に採点し、10名の平均点が、各項目を合計したときの合計点が4点以上の場合を効果ありと判定した。評価結果を表2、3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
実験例1〜16のすべての玄米粉末添加例において乳由来の生臭みが軽減され、乳感の増強、乳香気の増強が確認された。
【0042】
[実施例2:カスタードクリーム]
製造例1で得た玄米粉末を用い、下記表4の配合でカスタードクリームを製造した。なお比較例として、玄米粉末に相当する量を小麦粉又は市販の精白米粉末を用いて製造した。殺菌にあたっては、カスタードクリームミックスをプレート殺菌によって110℃で5秒殺菌した。これらの3種類を前記10名のパネルにより比較評価した結果、玄米粉末を添加した場合、小麦粉、精白米粉末と比較して非常にコクが増し、乳風味が増強されたとの評価結果を得た。
【0043】
【表4】
【0044】
[実施例3:アイスクリーム]
製造例2で得られた玄米粉末を添加して、下記表5の配合にて材料を混合し、殺菌(80℃30分加熱)、均質化、エージング、フリージング、硬化工程によりアイスクリームを製造した。また比較例として玄米粉末に相当する量を澱粉又は市販の精白米粉末で置換したアイスクリームを調製した。この3種類を前記10名のパネルにより比較評価した結果、玄米粉末を添加した場合、小麦粉、精白米粉末と比較して非常にコクが増し、乳風味が増強されたとの評価結果を得た。
特にボディー感、及びコクのある乳感の優れたアイスクリームが得られたとの評価であった。
【0045】
【表5】
【0046】
[実施例4:豆乳飲料]
製造例1で得られた玄米粉末を市販の豆乳飲料に0.5重量%混合し、添加していないものと比較し、前記10名のパネルにより比較評価した。その結果、添加したものは豆乳では得られない乳感が増強され、乳風味が向上したとの評価結果を得た。
【0047】
【発明の効果】
本発明の実施により、少量の乳成分含有飲食品に強い乳風味を付与することができる。本方法により得られた飲食品は、低カロリーであるにもかかわらず、コクのあるしっかりした乳感、芳醇な香気やまろやかな呈味を有し、乳風味に優れた乳含有製品となる。
【発明が属する技術分野】
本発明は、乳風味増強方法及び乳風味を増強した飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳含有製品としての風味は、香気、呈味、口当たりとこくみの総合的な食感で表される乳感の三つに大別できる。代表的な乳含有製品として牛乳を一例にあげると、香気成分としては、アセトン、ブタノン、短鎖脂肪酸などの遊離脂肪酸やカルボニル化合物などがあげられ、温和な甘味として感じられる呈味は主に乳糖によるもので、その他塩化物、クエン酸、無機塩類等がかすかな塩味、酸味、苦味として呈味に寄与している。三つ目の口当たりやこくみなどの乳感は、乳脂肪や乳タンパク質によるもので、乳製品独特のボディ感は、この口当たりやこくみに寄るところが大きい。
【0003】
ところが乳含有製品においては、昨今の健康志向の高まりから、動物性脂肪である乳脂肪が敬遠され、且つ低カロリーの乳含有製品が求められてきている。本来乳含有製品は、乳脂肪含量を多くすることにより、乳感や香気が増し、一層美味しく感じられる製品になり、乳脂肪含量を低くすると、乳脂肪由来の乳感や芳醇な香気が損なわれるのが現状である。従って、乳脂肪分が少ない場合でも、乳由来と同等の乳感や芳醇な香気や呈味を有する、乳風味豊かな乳含有製品の開発は、食品業界において課題である。
【0004】
従来より、乳含有製品において、乳風味を引き立たせたり、風味を改善させる為の原料や加工方法(特許文献1〜8)が多く検討されている。
【0005】
一般に、食品の乳風味付与剤としては全脂粉乳や脱脂粉乳といった粉体乳製品が用いられるが、これらを添加するだけでは、前記のように、香気、呈味、乳感からなる乳風味を十分に付与することができない。特に製品の低カロリー化を図るために脱脂粉乳が多用されてきたが、ボディ感が非常に低く、単独の配合ではとても満足のいくものではない。
【0006】
更に粉体乳製品は、濃縮、乾燥、殺菌等の加工処理工程において本来乳原料が持つ香気が低減され、更には乳由来の香気以外の異臭が発生し、例えば、食品に添加しても乳らしい香気を呈さず、粉臭などと表現される異臭を生じる。こうした問題を解決する方法として、粉体乳製品にイースト自己消化液を添加し乳風味を向上させる方法(特許文献1)は既に知られているが、添加液自体の加工が複雑かつ時間を要することから、コスト面での負荷は避け難い。
【0007】
このような粉体乳製品は、少量の添加では乳風味を付与する効果が発揮されないことから、乳由来成分であり、かつ少量の添加でも効果を発揮する乳風味付与剤について検討されている。しかし特許文献2〜5に示されている乳風味付与剤、及び特許文献6に示されている風味改良剤は、その工程が非常に複雑で容易に再現できず実用的とは言い難い。
【0008】
また、乳感を向上させるものとして、特許文献7に示されているスクラロースがある。しかし、スクラロースは高甘味度甘味料であることから、食品に添加することで甘味に影響を及ぼさず、乳感のみを向上させる目的では使用できない。更にスクラロースは合成による食品添加物であり、食品の安全性に対する消費者意識の高まりと相反する剤であることから、健康指向の高い食品で使用する場合には好ましくない。
【0009】
一方で、澱粉分解物を乳脂肪分の少ない冷菓に添加して乳感や風味を増強する方法(特許文献8)が公知となっている。しかしこの方法は冷菓類に限られた効果であり、また2〜10重量%の添加量が必要とされていることから、幅広い乳含有製品に用いることができ、さらに乳感増強を効果的に得るものとして、満足のいくものではない。
【0010】
【特許文献1】特開平06−319448
【特許文献2】特開平9−266756
【特許文献3】特開平9−266757
【特許文献4】特許第3004912号
【特許文献5】特許第3059380号
【特許文献6】特開平9−37735
【特許文献7】特開2000−135055
【特許文献8】特開平7−50994
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、食品中に少量の乳味成分が存在するだけであっても、食品の乳感や香気や呈味などの乳風味を向上させる方法を提供する。さらにまた本発明は、乳風味を増強した飲食品を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、健康への有効性及び安全性が高い天然食品素材を用いて、従来の課題を解決するために多種多様な検討を試みた結果、乳成分を含有する食品に玄米、特に催芽処理させた玄米の粉末を添加配合することによって、乳の香気を引き立たせることができ、更に乳特有の生臭みを軽減し、乳特有の乳感も向上した乳含有製品が得られることを見出し、本発明を完成した。また、玄米を焙煎処理することによって、玄米粉末には好ましい香気が付与されるためより好ましい乳風味が付与されることも本発明者らは見出した。さらに玄米粉末を添加した後、加熱処理することによって、さらに乳製品を含有する食品にはより好ましいボディー感を付与することも本発明者は見出した。さらにまた、本発明の乳風味増強剤を調製する工程において、玄米を部分的にアルファ化処理に付することによってより好ましい乳風味増強剤が調製できることを見出した。
【0013】
従って本発明は以下の構成からなる発明である。
1.玄米粉末を添加することを特徴とする乳風味増強方法。
2.玄米が催芽処理させた玄米である1記載の方法。
3.玄米が焙煎処理を行ったものである1または2記載の方法。
4.1乃至3記載の方法において、さらに80℃以上で加熱処理を行うことを特徴とする乳風味の増強方法。
5.1乃至4記載の方法により乳風味を増強した飲食品。
6.催芽処理させた玄米を部分的にアルファ化処理した後、乾燥後粉砕することを特徴とする、玄米を主成分とする乳風味増強剤の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、玄米を常法によって粉砕処理し、粉末としたものを使用する。また催芽処理させた玄米についても同様にして粉末処理する。玄米にはビタミンEやフェルラ酸といった、抗酸化作用を有する機能性成分が豊富に含まれている為、食品の品質保持のみならず健康的にも非常に有意義である。例えば、本発明品における玄米粉末には、通常フェルラ酸が5.0〜35.0重量%、ビタミンEが0.0001〜0.0025重量%含まれている。
【0015】
本発明で用いる玄米粉末を必要に応じて造粒し、顆粒、粒状等といった粒子状に加工することもできる。催芽処理させた玄米についても同様に粉末処理したものを顆粒、粒状等といった粒子状に加工することもできる。
【0016】
本発明において、玄米あるいは催芽処理させた玄米を粉末状に加工する際に使用する粉砕方法は、粗砕、超微粉砕等の粉砕粒、及び直圧式、ローラー式、衝撃式、乾式、湿式等を含む粉砕方法が含まれ、特に粉砕方法として制限されるものではない。このようにして調製した玄米粉末の水分は0.5%乃至15%に調整しておくことが本発明を実施して得られる乳含有飲食品の品質上好ましい。
【0017】
本発明における玄米粉末の粒径は、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。乳風味を増強あるいは改良しつつ、食品の食感も損なわず、さらにテクスチャーの滑らかさを増す為に、このような範囲とするのがよい。
【0018】
また、本発明の方法を実施するにあたり、所望する飲食品に添加後加熱処理することにより、乳含有飲食品のテクスチャーをより滑らかにすることが可能となる。飲食品に添加した玄米粉末の澱粉糊化度(アルファ化度)が高いほど、得られる飲食品のテクスチャーを改善する効果は顕著となる。
【0019】
玄米粉末のBAP法を用いて測定した澱粉糊化度は60%以下が好ましく、60%を超えて糊化させた場合、逆に澱粉臭が強く感じられ、乳製品の風味を損なうことがある。加熱処理する手段としては、例えば80〜180℃の蒸気を熱媒体として、直接あるいは間接的に加熱しても良く、水などを熱媒体として加熱しても良い。また、玄米粉末を得るためにあらかじめ焙煎処理すると澱粉の焙煎香が生じることから、飲食品に添加後の加熱が過度になってその結果糊化度が60%を超える場合でも、香気を良好に保つことができる。
【0020】
本発明において催芽処理させた玄米は次のような方法で製造することができる。
玄米を通常2乃至4回程洗米し、水切り後、発芽槽(催芽処理用タンク)に浸漬する。洗米に供する水は、水道水、蒸留水、井戸水、酸性水、電解食塩水、オゾンを溶存させた水、海洋深層水等の食品用に使用できる水であれば、いずれの使用も可能である。
【0021】
催芽処理用タンクの浸漬条件は、通常15乃至50℃の温水中に発芽するまで浸漬するか、あるいは例えば3乃至7時間浸漬し、その後脱水を行い、間欠的に散水を行って、所定時間、高湿度の条件化で催芽処理する方法がある。使用する温水は、前記の洗米工程で例示した様な水が使用でき、食品用に使用できる水であれば、いずれも可能である。また、浸漬から催芽処理工程を液相中で実施する場合は、例えば、3乃至48時間、通常15乃至50℃の温水中に浸漬させ、発芽させる。
【0022】
催芽処理による発芽の程度は、一般的には胚の部分から0.5mm〜2.0mm程度の膨らみ、あるいは突起部、幼芽が確認できる程度の状態がよい。催芽処理後は加熱処理して発芽を停止させ、乾燥させたものを粉砕処理に用いることができる。また、吸水させて催芽した玄米は、蒸煮にて加熱処理を行ってもよく、具体的には、吹き出す蒸気の圧力が0.05〜1.0kgf/cm2、好ましくは0.2〜0.8kgf/cm2で、あるいは蒸気の温度が98〜120℃、好ましくは100〜115℃の蒸気をネットコンベア下部から吹き出し、10〜40分間、好ましくは25〜35分間、蒸煮処理を行うのが好ましい。このように処理して催芽処理させた玄米をアルファ化度20%以上、60%以下に調整し、乾燥させて、その後粉砕処理工程に付する。
【0023】
また、乾燥させた玄米はロータリー流動方式、あるいはドラム式などの焙煎装置を用いて加熱焙煎してもよい。焙煎によって好ましい加熱風味が付与されるとともに、澱粉臭の発生を抑制することができる。焙煎にあたっては好ましい香気を付与する程度にとどめ、焦げを生じるまで加熱焙煎することは好ましくない。
焙煎の温度、時間などの条件は所望の焙煎状態によって異なるが、風味に優れた玄米粉を得るためには、例えば100乃至350℃の温度域で、焙煎時の処理温度と処理時間の積で表した積算温度が2.0乃至6.0℃・hとなる範囲で焙煎するのが好ましい。焙煎した玄米は、焙煎しない場合と同様に、その後粉砕処理工程に付する。
【0024】
本発明の効果を得るために飲食品に玄米の粉末を添加する配合割合は、食品の種類又はそれに含まれる乳製品又はその成分の量によって異なり一概に特定できないが、通常食品あたり0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜8.0重量%、さらに好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲である。
【0025】
なお、玄米粉末を乳含有製品に過量添加すると澱粉臭が伴うことがあるが、上述のとおり玄米又は催芽処理させた玄米を焙煎することで、澱粉臭を低減させるかあるいは感じられなくなるようにすることも可能である。
【0026】
この澱粉臭は、添加する乳製品含有製品の形状や乳脂肪含有量等によっても影響され、例えば乳脂肪分0.1〜2.0%程度の乳飲料であれば5.0重量%程度以上の配合、アイスクリーム等の冷菓であれば8.0重量%程度以上の配合で澱粉臭が明瞭に感じられてくる。すなわち、澱粉臭による乳香気への影響に関しては、添加する乳含有製品の成分や特性により異なった上限値が存在するため、各食品ごとに最適の濃度を確認して、飲食品を調製することが好ましい。
【0027】
本発明の実施によって、乳由来の特有の生臭みを低減することも可能となる。乳由来の生臭みの低減メカニズムは定かではないが、イノシトール化合物、澱粉、米油の相乗効果によるものと考えられる。したがって、催芽処理した玄米のように、フィチン酸などのイノシトール燐酸化合物が増加した玄米粉末を用いると、より一層消臭効果が増強される。また、澱粉に由来すると考えられるボディ感の付与、ごく微量ではあるが米油に由来する呈味改善効果などの相乗的な効果によって、乳風味増強効果が得られるものと推測される。
【0028】
本発明の乳製品含有飲食品は、特に制限はされないが、例えばクリーム、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、れん乳、醗酵乳、乳酸菌飲料、粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー等の乳製品、又はヨーグルト、プリン、フラワーペースト、乳性飲料、乳類入り炭酸飲料等の乳等を主原料とする食品等を挙げることができる。
【0029】
本発明の実施にあたっては、本発明の効果を損なわないことを条件として、甘味料、防腐剤、安定化剤等といった他の食品添加物を含んでいてもよい。
【0030】
本発明の実施により、飲食品に含まれる乳の風味を一層引き立たせ、脱脂などによる乳風味の低下を補い、さらに風味向上させることが可能となる。また、乳製品の欠点として指摘される乳の臭みを軽減し、よりよい乳の風味を得ることが可能となる。
【0031】
更に、本発明の実施によって、乳感を維持しつつ、乳由来の脂肪分を減らすことも可能となり、低カロリーの乳含有飲食品を提供することが可能となる。また、玄米、特に催芽処理させた玄米はビタミンB1やカルシウム、マグネシウム等のビタミン、ミネラルがバランス良く含まれていることから、食品に添加する場合、栄養面でも優れた効果を期待できる。
【0032】
また、本発明による飲食品は、製造工程において、加熱処理工程の存在にも関わらずその効果は変わらない。
【0033】
【実施例】
本発明の内容を以下の製造例、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0034】
[玄米粉末製造例1]
玄米を粉砕機にて粉砕後、粒度250mesh passにて製粉し、平均粒子径50乃至150μmの粉末を得た。この粉末は、水分約10%、脂質3.0%、イノシトール燐酸化合物(フィチン酸として)0.559%、炭水化物76.0%を含有していた。
【0035】
[玄米粉末製造例2]
原料の玄米を催芽処理した後、水蒸気により湿熱加熱し、澱粉アルファ化度を35%にした。ついで水分を15%以下になるまで乾燥した後、この催芽処理させた玄米を粉砕機にて粉砕後、粒度250mesh passにて製粉し、平均粒子径50乃至150μmの粉末を得た。この粉末は、水分10%、脂質3.0%、イノシトール燐酸化合物(フィチン酸として)0.559%、炭水化物76.0%であった。
【0036】
[玄米粉末製造例3]
原料の玄米を催芽処理した後、水蒸気により湿熱加熱し、澱粉アルファ化度を60%にした。ついで水分を約15%になるまで乾燥した後、ロータリー式流動培炒装置にて250乃至310℃で20乃至30秒間焙煎した。焙煎した玄米を粉砕機にて粉砕後、粒度250mesh passにて製粉し、平均粒子径50乃至150μmの粉末を得た。この粉末は、水分含量7%で、好ましい焙煎香気が付与されていた。
【0037】
[実施例1:低脂肪乳・無脂肪乳の乳風味増強効果確認試験]
製造例2で得られた催芽処理させた玄米より調製した粉末を、下記表2及び表3に示す割合にて低脂肪乳、及び無脂肪乳に混合し(実験例1〜16)、無添加品と比較し、乳感及び乳の香気、生臭さ、乳風味全体のバランスについて官能検査を実施した。評価は、官能評価員10名によって表1を基準に採点し、10名の平均点が、各項目を合計したときの合計点が4点以上の場合を効果ありと判定した。評価結果を表2、3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
実験例1〜16のすべての玄米粉末添加例において乳由来の生臭みが軽減され、乳感の増強、乳香気の増強が確認された。
【0042】
[実施例2:カスタードクリーム]
製造例1で得た玄米粉末を用い、下記表4の配合でカスタードクリームを製造した。なお比較例として、玄米粉末に相当する量を小麦粉又は市販の精白米粉末を用いて製造した。殺菌にあたっては、カスタードクリームミックスをプレート殺菌によって110℃で5秒殺菌した。これらの3種類を前記10名のパネルにより比較評価した結果、玄米粉末を添加した場合、小麦粉、精白米粉末と比較して非常にコクが増し、乳風味が増強されたとの評価結果を得た。
【0043】
【表4】
【0044】
[実施例3:アイスクリーム]
製造例2で得られた玄米粉末を添加して、下記表5の配合にて材料を混合し、殺菌(80℃30分加熱)、均質化、エージング、フリージング、硬化工程によりアイスクリームを製造した。また比較例として玄米粉末に相当する量を澱粉又は市販の精白米粉末で置換したアイスクリームを調製した。この3種類を前記10名のパネルにより比較評価した結果、玄米粉末を添加した場合、小麦粉、精白米粉末と比較して非常にコクが増し、乳風味が増強されたとの評価結果を得た。
特にボディー感、及びコクのある乳感の優れたアイスクリームが得られたとの評価であった。
【0045】
【表5】
【0046】
[実施例4:豆乳飲料]
製造例1で得られた玄米粉末を市販の豆乳飲料に0.5重量%混合し、添加していないものと比較し、前記10名のパネルにより比較評価した。その結果、添加したものは豆乳では得られない乳感が増強され、乳風味が向上したとの評価結果を得た。
【0047】
【発明の効果】
本発明の実施により、少量の乳成分含有飲食品に強い乳風味を付与することができる。本方法により得られた飲食品は、低カロリーであるにもかかわらず、コクのあるしっかりした乳感、芳醇な香気やまろやかな呈味を有し、乳風味に優れた乳含有製品となる。
Claims (6)
- 玄米粉末を添加することを特徴とする乳風味増強方法。
- 玄米が催芽処理させた玄米である請求項1記載の方法。
- 玄米が焙煎処理を行ったものである請求項1または2記載の方法。
- 請求項1乃至3記載の方法において、さらに80℃以上で加熱処理を行うことを特徴とする乳風味の増強方法。
- 請求項1乃至4記載の方法により乳風味を増強した飲食品。
- 催芽処理させた玄米を部分的にアルファ化処理した後、乾燥後粉砕することを特徴とする、玄米を主成分とする乳風味増強剤の製造方法。
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