JP2005020994A - 電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム - Google Patents

電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2005020994A
JP2005020994A JP2004165996A JP2004165996A JP2005020994A JP 2005020994 A JP2005020994 A JP 2005020994A JP 2004165996 A JP2004165996 A JP 2004165996A JP 2004165996 A JP2004165996 A JP 2004165996A JP 2005020994 A JP2005020994 A JP 2005020994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
voltage
switching element
current
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004165996A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Takahama
昌信 高濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004165996A priority Critical patent/JP2005020994A/ja
Publication of JP2005020994A publication Critical patent/JP2005020994A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 電源装置を小型化するとともに、その製造コストを削減することができるようにする。
【解決手段】 スイッチング素子22がターンオフしている場合、変圧器21の1次側巻き線N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下した結果、2次側の巻き線N2の電圧Vn2のレベルが、所定の基準電圧Vref2のレベルを下回ったとき、または、タイマ111が、予め設定されたスイッチング素子21の最低スイッチング周波数に対応する時間を計時したとき、AND回路112が、フリップフロップ回路39に対してセット信号を出力する。すると、フリップフロップ回路39は、出力電圧(制御信号)Scをハイレベルとし、スイッチング素子22をターンオンさせる。本発明は、昇圧チョッパ型力率改善コンデンサに適用可能である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電源装置、電源装置制御方法、および、プログラムに関し、特に、電源装置を小型化するとともに、その製造コストを削減することができるようにした電源装置、電源装置制御方法、および、プログラムに関する。
従来、直流定電圧電源装置として、昇圧チョッパ型力率改善(PFC(Power Factor Correction))コンバータが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、商用電源周波数(関東以北は50Hz、関西以西は60Hz)の交流電圧を整流し、内蔵するスイッチング素子、インダクタンス素子、整流ダイオード、および、平滑キャパシタにより、所定のレベルの直流電圧に変換する。
また、昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、入力電圧のレベルが低下したり、出力電力のレベルが上昇しても(出力負荷が過負荷となっても)、出力電圧(直流電圧)のレベルを一定に保つように制御する。
特開2000-341957号公報
しかしながら、入力電圧が低下したり、出力負荷が過負荷となった場合、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータでは、内蔵するインダクタンス素子に流れる電流の実効値やピークレベルが、通常の場合に比べて遥かに高い値となってしまうという課題があった。
換言すると、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの物理的な大きさは、そのような高い実効値やピークレベルの電流が流れても大丈夫なように、必然的に大きなものとなり、その結果、製造コストも高くなってしまうという課題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電源装置を小型化するとともに、その製造コストを削減することができるようにするものである。
本発明の電源装置は、入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、スイッチング素子のスイッチング動作により、整流手段より出力される脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段と、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、第1の電流検出手段により検出された第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値となったとき、スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替え、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、第2の電流検出手段により検出された第2の電流のレベルが、整流手段に入力される交流電圧と、直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
制御手段は、スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替ると計時動作を開始し、スイッチング周期の上限値に対応する時間を計時すると計時動作を終了する計時手段を有し、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、計時手段が計時動作を行っている間に、第1の電流検出手段により第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、計時手段が計時動作を終了したとき、スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えるようにすることができる。
本発明の電源装置は、スイッチング素子のオン状態の継続時間に基づいて、第2の電流検出手段により検出された第2の電流レベルを補正する補正手段をさらに備え、制御手段は、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、補正手段により補正された第2の電流のレベルが所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御することを特徴とする。
本発明の電源装置は、スイッチング素子のオン状態の継続時間に基づいて、制御手段により第2の電流のレベルと比較される所定のレベルを補正する補正手段をさらに備え、制御手段は、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、第2の電流検出手段により検出された第2の電流のレベルが、補正手段により補正された所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御することを特徴とする。
本発明の電源装置においては、入力された交流電圧が整流され、整流された脈流電圧が、インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含む直流変換手段に入力される。直流変換手段において、スイッチング素子のスイッチング動作により、整流手段より出力された脈流電圧が、所定のレベルの直流電圧に変換される。このスイッチング素子のスイッチング動作は、次のように制御される。即ち、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値となったとき、スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられる。一方、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルが、整流手段に入力される交流電圧と、直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態がオン状態からオフ状態に切り替えられる。
本発明の電源装置制御方法は、入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、スイッチング素子のスイッチング動作により、整流手段より出力される脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段とを備える電源装置を制御する電源装置制御方法であって、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、第1の電流検出手段により検出された第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値になったとき、スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えることを制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの制御によりスイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられた場合、第2の電流検出手段により検出された第2の電流のレベルが、整流手段に入力される交流電圧と、直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、スイッチング素子のスイッチング動作により、整流手段より出力される脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段とを備える電源装置を制御する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、第1の電流検出手段により検出された第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値になったとき、スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えることを制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの制御によりスイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられた場合、第2の電流検出手段により検出された第2の電流のレベルが、整流手段に入力される交流電圧と、直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の電源装置制御方法、およびプログラムにおいては、入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、スイッチング素子のスイッチング動作により、整流手段より出力される脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段とを備える電源装置において、スイッチング素子のスイッチング動作が次のように制御される。即ち、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値となったとき、スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられる。一方、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルが、整流手段に入力される交流電圧と、直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態がオン状態からオフ状態に切り替えられる。
なお、本発明の電源装置は、交流のみを入力する装置であってもよいし、交流と直流の両方を入力可能な装置でもよい。同様に、本発明の電源装置は、直流のみを出力する装置であってもよいし、交流と直流の両方を出力可能な装置でもよい。
さらに、本発明の電源装置は、負荷とは独立した装置であってもよいし、負荷に内蔵されていてもよい。さらに、本発明の電源装置は、負荷に内蔵されている場合であっても、他の負荷にも電源を供給可能な装置であってもよい。
また、本発明は、勿論、本発明のプログラムを記録する記録媒体にも適用可能である。
以上のごとく、本発明によれば、昇圧チョッパ型力率改善コンバータを提供することができる。特に、低コストで小型の昇圧チョッパ型力率改善コンバータを提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明によれば電源装置が提供される。この電源装置(例えば、図5、図11、または図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータ、ただし、以下においては、特に、必要な場合を除いては、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータについて記載する)は、入力された交流電圧(例えば、図5の商用電源10からの商用交流電圧)を整流し、整流した脈流電圧(例えば、図5の脈流電圧Vdin)を出力する整流手段(例えば、図5の整流素子12)と、インダクタンス素子(例えば、図5の変圧器21の1次側の巻き線N1)、スイッチング素子(例えば、図5のスイッチング素子22)、整流素子(例えば、図5の整流ダイオード23)、および、平滑用キャパシタ(例えば、図5の平滑用キャパシタ24)を含み、前記スイッチング素子のスイッチング動作により、前記整流手段より出力される前記脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧(例えば、図5の出力電圧Vout)に変換する直流変換手段(例えば、図5の直流変換回路14)と、前記インダクタンス素子に流れる第1の電流(例えば、図5の電流In1)のレベルを検出する第1の電流検出手段(例えば、図5の検出回路16)と、前記スイッチング素子に流れる第2の電流(例えば、図5の電流Iq)のレベルを検出する第2の電流検出手段(例えば、図5の検出回路15)と、前記スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、前記第1の電流検出手段により検出された前記第1の電流のレベルが略0まで低下したとき(例えば、図6の時刻tdの時点であって、図5の電流In1のレベルが略0まで低下した結果、図5の変圧器21の2次側の巻き線N2の電圧Vn2のレベルが、所定の基準電圧Vref2(図6中、水平方向の実線のレベル)のレベルを下回った時点)、または、前記スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値(例えば、図7の時間Ta)となったとき(例えば、図7の時刻thの時点であって、図5のタイマ111の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化した時点)、前記スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替え(例えば、図5のフリップフロップ回路のゲートQから出力される制御信号Scの電圧レベルを「L」から「H」に変化させ)、前記スイッチング素子の状態がオン状態の場合、前記第2の電流検出手段により検出された前記第2の電流のレベル(例えば、図5の電流Iqに対応する電圧Vqのレベル)が、前記整流手段に入力される前記交流電圧と、前記直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベル(例えば、図5の乗算器35より出力される乗算電圧Vmのレベル)を超えたとき(例えば、図6の時刻tbの時点で、図5の比較器38の出力電圧のレベルが、「L」から「H」に変わった結果、図5のAND回路112の出力電圧のレベルが「L」から「H」に変わった時点)、前記スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替える(例えば、図5のフリップフロップ回路のゲートQから出力される制御信号Scの電圧レベルを「H」から「L」に変化させ)ことを制御する制御手段(例えば、図5の制御回路101)とを備えることを特徴とする。
この電源装置において、前記制御手段は、前記スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替ると計時動作を開始し(例えば、図7の時刻tfに計時動作を開始し)、前記スイッチング周期の前記上限値に対応する時間(例えば、図7の時間Ta)を計時すると計時動作を終了する(例えば、図7の時刻thに計時動作を終了する)計時手段(例えば、図5のタイマ111)を有し、前記スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、前記計時手段が計時動作を行っている間に、前記第1の電流検出手段により検出された前記第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、前記計時手段が計時動作を終了したとき、前記スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えることを特徴とする。
この電源装置は、スイッチング素子のオン状態の継続時間に基づいて、第2の電流検出手段により検出された第2の電流レベルを補正する補正手段(例えば、図11の補正回路211)をさらに備え、制御手段は、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、補正手段により補正された第2の電流のレベルが所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御することを特徴とする。
この電源装置は、スイッチング素子のオン状態の継続時間に基づいて、制御手段により第2の電流のレベルと比較される所定のレベルを補正する補正手段(例えば、図14の補正器311)をさらに備え、制御手段は、スイッチング素子の状態がオン状態の場合、第2の電流検出手段により検出された第2の電流のレベルが、補正手段により補正された所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御することを特徴とする。
本発明によれば、電源装置制御方法が提供される。この電源装置制御方法は、入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段(例えば、図5の整流素子12)と、インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、スイッチング素子のスイッチング動作により、整流手段より出力される脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段(例えば、図5の直流変換回路14)と、インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段(例えば、図5の検出回路16)と、スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段(例えば、図5の検出回路15)とを備える電源装置を制御する電源装置制御方法であって、スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、第1の電流検出手段により検出された第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値になったとき、スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えることを制御する第1の制御ステップ(例えば、図9のスイッチング制御の処理のうちの特にステップS5、ステップS6、および、その後のステップS1の処理)と、第1の制御ステップの制御によりスイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられた場合、第2の電流検出手段により検出された第2の電流のレベルが、整流手段に入力される交流電圧と、直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する第2の制御ステップ(例えば、図9のスイッチング制御の処理のうちの特にステップS3およびステップS4の処理)とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、プログラムが提供される。このプログラムは、上述した本発明の電源装置制御方法に対応するプログラムであって、例えば、図8の構成のコンピュータにより実行される。
ところで、本発明の発明者は、上述した従来の課題が発生する原因について解析し、その解析結果に基づいて、従来の課題を解決することが可能な電源装置である、昇圧チョッパ型力率改善コンバータを発明した。そこで、本実施の形態を説明する前に、その解析結果、即ち、従来の課題が発生する原因について説明する。
はじめに、従来の課題が発生する原因の理解を容易なものとするために、図1と図2を参照して、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成と動作の詳細について説明する。
図1は、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例を表している。
図1において、フィルタ11の入力端(図中左側の2端)には、商用電源10が接続され、その出力端(図中右側の2端)には整流素子12が接続されている。即ち、フィルタ11は、商用電源10から入力される、商用電源周波数(関東以北は50Hz、関西以西は60Hz)の交流電圧をフィルタリングし、整流素子12に出力する。
整流素子12は、例えば、ブリッジ接続された4つのダイオード(図示せず)により構成され、その入力端(図中上下の2端)にはフィルタ11が接続され、その出力端(図中左右の2端)にはフィルタ13が接続されている。即ち、整流素子12は、フィルタ11より入力された交流電圧を整流して脈流電圧とし、フィルタ13に出力する。
フィルタ13の入力端(図中左側の2端)には整流素子12が接続され、その出力端(図中右側の2端)には直流変換回路14が接続される。即ち、フィルタ13は、整流素子12より出力された脈流電圧をフィルタリングし、直流変換回路14に出力する。図1の例では、直流変換回路14に印加される脈流電圧はVdinと記述されている。
直流変換回路14は、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側の巻き線N1)、スイッチング素子22、整流ダイオード23、および、平滑キャパシタ24を有する2端子対回路である。
直流変換回路14においては、その入力端(図中左側の2端)に、フィルタ13より出力された脈流電圧Vdinが印加され(入力され)、その出力端(図中右側の2端)から、所定のレベルの直流電圧Voutが出力される。従って、以下、直流変換回路14から出力される電圧(出力端の直流電圧)Voutを、出力電圧Voutと称する。
また、図1に示されるように、直流変換回路14の入力端のうちの図中下側の端と、出力端のうちの図中下側の端は接続され、接地されているので、これら図中下側の2端の電圧(入出力端)のレベルはいずれも0となる。そこで、以下、図中上側の2端(入出力端)を、正極端と称し、図中下側の2端(入出力端)を、負極端と称する。即ち、以下、入力端のうちの、図中上側の端(電圧のレベルが、脈流電圧Vdinと同一のレベルである端)を、入力正極端と称し、図中下側の端を入力負極端と称する。同様に、出力端のうちの、図中上側の端(電圧のレベルが、出力電圧Voutと同一のレベルである端)を、出力正極端と称し、図中下側の端を出力負極端と称する。
また、以下、フィルタ11とフィルタ13の4端(入出力端)のそれぞれも、直流変換回路14の4端(入出力端)のうちの対応する端と同様に称する。
詳細には、直流変換回路14において、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側の巻き線N1)の一端が、直流変換回路14の入力正極端に接続され(即ち、フィルタ13の出力正極端に接続され)、その他端は、整流ダイオード23のアノードに接続されている。整流ダイオード23のカソードは、直流変換回路14の出力正極端に接続されている。
スイッチング素子22は、図1の例では、MOS FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)として構成されている。スイッチング素子22において、そのドレインは、インダクタンス素子N1とダイオード23のアノードとの接続端に、そのゲートは、後述するフリップフロップ回路39のゲートQに、そのソースは、後述する抵抗51を介して、直流変換回路14の入力負極端(即ち、フィルタ13の出力負極端)に、それぞれ接続されている。
平滑キャパシタ24は、その一端が、直流変換回路14の出力正極端(即ち、整流ダイオード23のカソード)に、その他端が、直流変換回路14の出力負極端に、それぞれ接続されている。
以上のようにして構成される直流変換回路14において、スイッチング素子22は、そのゲートに供給される制御信号Sc(後述する制御回路17のフリップフロップ回路39のゲートQから出力される制御信号Sc)の電圧レベルに応じて、スイッチング動作を実行する。
なお、以下、スイッチング素子22のドレインとソースが導通された状態を、オン状態と称し、スイッチング素子22のドレインとソースが遮断(非導通)された状態を、オフ状態と称する。また、ここでは、スイッチング素子22が、その状態を、オン状態からオフ状態に切り替えたり、オフ状態からオン状態に切り替える動作を、スイッチング動作と称している。さらに、以下、スイッチング動作のうちの、オン状態からオフ状態に切り替える動作(オフ駆動動作)により、スイッチング素子22の状態がオフ状態となることを、ターンオフと称する。同様に、スイッチング動作のうちの、オフ状態からオン状態に切り替える動作(オン駆動動作)により、スイッチング素子22の状態がオン状態となることを、ターンオンと称する。
即ち、スイッチング素子22のゲートに入力される制御信号Scの電圧レベルが、ローレベル(以下、適宜、単に「L」と記述する)からハイレベル(以下、適宜、単に「H」と記述する)に変化すると、スイッチング素子22はターンオンする。一方、スイッチング素子22のゲートに入力される制御信号Scの電圧レベルが、「H」から「L」に変化すると、スイッチング素子22はターンオフする。
スイッチング素子22がターンオンすると、フィルタ13から直流変換回路14に印加される脈流電圧Vdinにより、インダクタンス素子N1に電流In1が流れ始める。このとき、インダクタンス素子N1には、この電流In1のレベルに応じたエネルギーが蓄積される。
次に、スイッチング素子22がターンオフすると、インダクタンス素子N1は、蓄積されたエネルギーを放出することで、ターンオン時と同様の電流In1を流そうとする。このときの電流In1は、スイッチング素子22を通らず、整流ダイオード23を介して、平滑キャパシタ24に流れ込む。即ち、平滑キャパシタ24は電荷を充電することになる。
次に、スイッチング素子22が再度ターンオンすると、今度は、電流In1は、スイッチング素子22に流れ込み、コンデンサ24には流れなくなる。従って、このとき、インダクタンス素子N1には、この電流In1のレベルに応じたエネルギーが再度蓄積され、一方、平滑キャパシタ24は電荷を放電することになる。
このようにして、スイッチング素子22が、制御回路17からの制御信号Scの電圧レベルの変化に応じてスイッチング動作を繰り返すと、上述した一連の動作が繰り返し実行され、平滑キャパシタ24は連続的に充放電を繰り返すことになる。その結果、平滑キャパシタ24の端子間(即ち、直流変換回路14の出力端間)に、一定レベルの直流電圧Vout が発生する。
このとき、負荷が増大すると、キャパシタ24の放電量が増加する(負荷に供給される負荷電流のレベルが上がる)ことになる。従って、その分、出力電圧(キャパシタ24の端子間電圧)Voutのレベルも低下する。
或いは、商用電源10から出力される交流電圧のレベルが下がると、即ち、直流変換回路14に印加される脈流電圧Vdinのレベルが下がると、その分、インダクタンス素子N1に蓄積されるエネルギーが減少し(インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルも下がり)、平滑キャパシタ24の電荷の充電量も減少することになる。従って、その分、出力電圧(キャパシタ24の端子間電圧)Voutのレベルも低下する。
このため、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、直流変換回路14の出力電圧Voutのレベルをほぼ一定に保つ制御を実行するために、制御回路17が設けられている。
さらに、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、制御回路17が利用する情報を検出するために、検出回路15と検出回路16が設けられている。
即ち、検出回路15は、スイッチング素子22のドレインと直流変換回路14の出力負極端の間に接続された抵抗51として構成され、スイッチング素子22に流れる電流(ドレインからソースに流れる電流)Iqのレベルを、抵抗51の両端の電圧Vqのレベルで検出し(電流Iqの電流レベルに対応する電圧レベルの電圧Vqに変換し)、検出したレベルの電圧Vqを、後述する比較器38に供給する。
検出回路16は、変圧器21の2次側の巻き線N2と抵抗61が直列に接続された直列回路として構成され、その直列回路の一端(変圧器21の2次側の巻き線N2側の端)は、直流変換回路14の入力負極端に接続され(即ち、接地され)、その他端(抵抗61側の端)は、後述する比較器41に接続される。即ち、検出回路16は、変圧器21の1次側の巻き線N1(即ち、インダクタンス素子N1)に流れる電流In1のレベルの変化(特に、電流In1のレベルが低下し、略0になったこと)を、その2次側の巻き線N2に発生した電圧のレベルで検出し(電流In1のレベルの時間変化率(微分値)に対応する電圧レベルの電圧に変換し)、検出したレベルの電圧を、比較器41に供給する。
なお、正確には、図1の例では、比較器41に供給される電圧Vn2のレベルは、変圧器21の2次側の巻き線N2の両端間の電圧(即ち、2次側の巻き線N2に発生した電圧)のレベルそのものではなく、2次側の巻き線N2と抵抗61からなる直列回路の両端間の電圧のレベル(2次側の巻き線N2で発生した電圧のレベルが、さらに抵抗61で降下したレベル)とされている。ただし、以下、説明の簡略上、電圧Vn2は、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生した電圧であるとして説明する。
また、図1に示されるように、変圧器21は、加極性の変圧器とされているので、2次側の巻き線N2に発生する電圧Vn2は、1次側の巻き線N1に発生する電圧に対して極性が反転することになる。
制御回路17において、抵抗31と抵抗32が直列的に接続された直列回路の一端(抵抗31側の端)が、直流変換回路14の出力正極端に接続され、その他端(抵抗32側の端)が、接地されている。
抵抗31と抵抗32からなる直列回路は、直流変換回路14の出力電圧Voutを所定の分圧比で分圧し、その結果得られる分圧電圧Vd1を、誤差増幅器34の逆相入力(−)に供給する。
定電圧源33は、一定レベル(定格出力電圧と、抵抗31と抵抗32からなる直列回路の分圧比とに応じて決定されるレベル)の基準電圧Vref1を発生し、誤差増幅器34の正相入力(+)に供給する。
誤差増幅器34は、供給された分圧電圧Vd1のレベルと基準電圧Vref1のレベルとを比較し、比較の結果に応じたレベル(即ち、分圧電圧Vd1と基準電圧Vref1との差分電圧のレベルが、所定のゲインで増幅されたレベル)の電圧Vcを、乗算器35に供給する。即ち、誤差増幅器34から出力される電圧Vcは、直流変換回路14の出力電圧Voutのレベルの、定格出力電圧のレベルに対する誤差を表すことになる。従って、以下、誤差増幅器34から出力される電圧Vcを、誤差電圧Vcと称する。
また、抵抗36と抵抗37が直列的に接続された直列回路の一端(抵抗37側の端)が、直流変換回路14の入力正極端に接続され、その他端(抵抗36側の端)が、接地されている。抵抗36と抵抗37の接続端は、乗算器35に接続されている。即ち、抵抗36と抵抗37からなる直列回路は、商用交流電圧(商用電源10から入力される交流電圧)が整流された脈流電圧Vdinを所定の分圧比で分圧し、その結果得られる分圧電圧Vd2を、乗算器35に供給する。
乗算器35は、誤差増幅器34から供給された誤差電圧Vcのレベルと、抵抗36と抵抗37からなる直列回路より供給された分圧電圧Vd2のレベルとの積に応じたレベルの電圧Vm(以下、他の電圧と区別するために、乗算電圧Vmと称する)を、比較器38の逆相入力(−)に供給する。即ち、乗算器35から出力される乗算電圧Vm は、脈流電圧Vdinに同期した誤差信号ともいえる。
比較器38は、その正相入力(+)に入力される電圧Vq(検出回路15により検出された、スイッチング素子22に流れる電流Iqに対応する電圧Vq)のレベルと、その逆相入力(−)に入力される乗算電圧Vm(乗算器35より供給される、脈流電圧Vdinに同期した誤差信号)のレベルとを比較し、比較の結果を表すレベルの電圧を、フリップフロップ回路39のリセット入力端Rに出力する。
具体的には、例えば、検出回路15からの電圧Vqのレベルが、乗算器35からの乗算電圧Vmのレベル以上の場合、比較器38は、フリップフロップ回路39のリセット入力端Rに供給する出力電圧のレベルを「H」にする。一方、検出回路15からの電圧Vqのレベルが、乗算器35からの乗算電圧Vmのレベルより低い場合、比較器38は、出力電圧のレベルを「L」にする。
フリップフロップ回路39は、その状態がセット状態である場合(即ち、ゲートQより出力する制御信号Scの電圧レベルが「H」の場合)、そのリセット入力端Rに入力される電圧(比較器38の出力)のレベルが、「L」から「H」に変化すると、その状態をリセット状態に移行させる。即ち、フリップフロップ回路39は、制御信号Scの電圧レベルを「H」から「L」に変化させる。これにより、スイッチング素子22は、ターンオフすることになる。
また、フリップフロップ回路39は、その状態がリセット状態である場合(即ち、制御信号Scの電圧レベルが「L」の場合)、そのセット入力端Sに入力される電圧(後述する比較器41の出力電圧)のレベルが、「H」から「L」に変化すると、その状態をセット状態に移行させる。即ち、フリップフロップ回路39は、制御信号Scの電圧レベルを「L」から「H」に変化させる。これにより、スイッチング素子22は、ターンオンすることになる。
定電圧源40は、一定レベルの基準電圧Vref2を発生し、比較器41の逆相入力(−)に供給する。
比較器41の正相入力(+)には、検出回路16より電圧Vn2(即ち、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生する電圧Vn2)が供給される。
比較器41は、供給された電圧Vn2のレベルと、基準電圧Vref2のレベルとを比較し、比較の結果を表すレベルの電圧を、フリップフロップ回路39のセット入力端Sに出力する。
具体的には、比較器41は、電圧Vn2のレベルが、基準電圧Vref2のレベル以上の場合、フリップフロップ39のセット入力端Sに供給する出力電圧のレベルを「H」とし、一方、電圧Vn2のレベルが、基準電圧Vref2のレベルより低い場合、出力電圧のレベルを「L」とする。
従って、後述する図2に示されるように、変圧器21の1次側の巻き線N1に流れる電流In1のレベルが低下して略0になると、その2次側の巻き線N2に発生する電圧Vn2のレベルが低下していき、電圧Vn2のレベルが基準電圧Vref2のレベルを下回ることになる。このとき、比較器41は、出力電力のレベルを「H」から「L」に変化させる。これにより、フリップフロップ回路39の状態がセット状態となり、フリップフロップ回路39よりスイッチング素子22に供給される制御信号Scの電圧レベルが「L」から「H」に変化するので、スイッチング素子22はターンオンすることになる。
次に、図2を参照して、図1の構成を有する、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明する。
図2には、図中上から順に、スイッチング素子22のゲート−ソース間の電圧のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレイン−ソース間の電圧のタイミングチャート、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側巻き線N1)に流れる電流In1のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレインからソースに流れる電流Iqのタイミングチャート、整流ダイオード23に流れる電流Idのタイミングチャート、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生した電圧Vn2のタイミングチャート、比較器38の出力電圧のタイミングチャート、および、比較器41の出力電圧のタイミングチャートが示されている。
なお、図2の各タイミングチャートにおいて、水平方向の実線は、時間軸を表しており、比較器41の出力電圧のタイミングチャートの下方の矢印に示されるように、時間の方向は、図中左から右に向かう方向とされている。垂直方向の軸は、図示されていないが、基本的に図中上にいくほど、電圧または電流のレベルが高くなる。即ち、図2は、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明する図であるため、各タイミングチャートのそれぞれが表す電圧または電流のレベルの増減や、略0になるタイミングが判別できればよく、このため、具体的な垂直方向の軸は省略されている。ただし、電流In1、電流Iq、および、電流Idを表すタイミングチャートにおいて、水平方向の実線(時間軸)のレベルが、0を表している。また、電圧Vn2を表すタイミングチャートにおいて、水平方向の実線(時間軸)のレベルが、定電圧源40より出力される基準電圧Vref2を表している。
なお、以上のタイミングチャートの並び順、および、軸に関することについては、後述する図6と図7のタイミングチャートにおいても同様とされている。
図2に示されるように、例えば、いま、略時刻t1に、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化したとする。
このとき、上述したように、スイッチング素子22はターンオンする。すると、インダクタンス素子N1には電流In1が流れ始め、その電流In1のレベルは時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻t1に、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、その電流Iqのレベルは時間に比例して上昇していく。
電流In1のレベルが上昇している間(略時刻t1から略時刻t2までの間)、電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定となるため、図2に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1の電圧とは極性が反転した、一定レベル(基準電圧Vref2のレベルよりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。
また、この間、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vm(脈流電圧Vdinに同期した誤差信号Vm)と、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iqに対応する電圧Vq)とのレベルを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
すると、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22はターンオフする。なお、図2においては、略時刻t2に、スイッチング素子22がターンオフしている。
これにより、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルが低下していく。
このときの電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定となるため、図2に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1の電圧とは極性が反転した、一定レベル(基準電圧Vref2のレベルよりも高いレベル)の電圧Vn2が発生する。
略時刻t3に、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出し終わると、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下すると、変圧器21の2次側の巻き線N2側の電圧Vn2のレベルは低下し始める。
この間、比較器41は、上述したように、電圧Vn2のレベルと基準電圧Vref2のレベルとを比較している。図2の例では、略時刻t4に、電圧Vn2のレベルと基準電圧Vref2のレベルとが同一になり、それ以降、電圧Vn2のレベルは、基準電圧Vref2のレベルを下回るので、比較器41は、略時刻t4に、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
すると、フリップフロップ回路39の状態がセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22がターンオンする。従って、図1の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、略時刻t4から略時刻t5までの間、上述した略時刻t1から略時刻t2までの間と同様の動作を行い、略時刻t5になると、上述した略時刻t2から略時刻t4までの間と同様の動作を行う。即ち、図1の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、上述した略時刻t1から略時刻t4までの間の動作と同様の動作を繰り返し実行することになる。
昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、このように動作することで、商用電源10から入力される電流(以下、入力電流と適宜称する)の波形を、商用電源10から入力される商用交流電圧(以下、入力電圧と適宜称する)の正弦波の波形に近づけて(位相差をなくし)、力率を改善している。即ち、上述したように、直流変換回路14内に流れる電流In1の波形は、制御回路17によるスイッチング素子22のスイッチング動作の制御により、直流変換回路14に印加される脈流電圧Vdinの波形とほぼ同期する(位相差がほぼなくなる)ので、入力電流も、脈流電圧Vdinに対応する入力電圧とほぼ同期する(位相差がほぼなくなる)。また、入力電流の波形は、フィルタ11とフィルタ13により平均化されて正弦波状となる。従って、入力電流の波形は、入力電圧の波形にほぼ同期した(ほぼ位相差のない)正弦波状の波形となり、力率が改善されるのである。
また、上述したように、昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、スイッチング素子22のスイッチング周期(ターンオンの時点から、ターンオフを経由して、次のターンオンの時点までの時間)を可変することにより、出力電圧Voutのレベルをほぼ一定に保っている。
即ち、スイッチング素子22のスイッチング動作は、フリップフロップ回路39から出力される制御信号Scにより制御される。フリップフロップ回路39の制御信号Scの電圧レベル(「H」または「L」)は、比較器38と比較器41により制御される。比較器38は、乗算器35から出力される乗算電圧Vmと、検出回路15から出力される電圧Vqとのレベルを比較する。乗算電圧Vmは、入力電圧(商用電源10からの商用交流電圧)が整流された脈流電圧Vdinと、誤差増幅器34から出力される誤差電圧Vcとにより生成される。誤差電圧Vcは、出力電圧Voutのレベルの、定格出力電圧のレベルに対する誤差を表す信号である。即ち、上述したように、入力電圧のレベルが低下したり、或いは、出力電力のレベルが上昇する(負荷が増大する)と、出力電圧Voutのレベルが低下するので、誤差電圧Vcのレベルが上昇する。
以上のことから、スイッチング素子22のスイッチング周期は、結局のところ、入力電圧のレベルと、出力電力のレベル(直流変換回路14の出力端に接続された負荷の大きさ)とに応じて変化することになる。
具体的には、例えば、入力電圧のレベルが低下した場合、または、出力電力のレベルが上昇した場合(負荷が増大した場合)、誤差電圧Vcのレベルは上昇するので、乗算器35から出力される乗算電圧Vmのレベルも上昇する。従って、この場合、スイッチング素子22に流れる電流Iqに対応する電圧Vqのレベルが、乗算電圧Vmのレベルを超えるまでの時間、即ち、比較器38の出力電圧のレベルが「L」から「H」に変わるまでの時間は、通常の場合に比べて長くなる。その結果、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態になるまでの時間が長くなるので、スイッチング素子22のオン状態が継続する時間(以下、オン時間と称する)も長くなる。即ち、スイッチング素子22のスイッチング周期が長くなる。
ところで、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは、上述したように、0から徐々に上昇していき、所定の時点で下降に転じ、再度0まで低下すると再び上昇に転じる三角波状となる。即ち、電流In1の波形は、図3に示されるような波形となる。図3において、水平方向の軸は、時間を表しており、垂直方向の軸は、電流を表している。また、Iaveは、電流In1の平均レベルを表しており、Imaxは、電流In1のピークレベルを表している。
なお、以下、昇圧チョッパ型力率改善コンバータが、図3に示されるような波形の電流In1を流すように動作を行う場合(上述した動作を行う場合)、その動作モードを、臨界電流モードと称する。
以上の内容をまとめると、臨界電流モードでは、スイッチング素子22は、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下してからターンオンする。また、スイッチング素子22のスイッチング周期は、入力電圧のレベルと、出力電力のレベルとに応じて変化する。
従って、入力電圧のレベルが低下した場合、または、出力電力のレベルが上昇した場合(負荷が増大した場合)、臨界電流モードでは、スイッチング素子22のスイッチング周期が長くなるので(即ち、スイッチング素子22のオン時間が長く続くので)、その分、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは上昇し続ける。その結果、電流In1のピークレベルが、通常の場合よりも遥かに高くなってしまう。即ち、上述した従来の課題が発生してしまう。
このように、入力電圧のレベルが低下した場合、または、出力電力のレベルが上昇した場合(負荷が増大した場合)であっても、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードで動作し続け、その結果、スイッチング素子22のスイッチング周期が長くなってしまうことが、従来の課題の発生原因である。或いは、従来、スイッチング素子22のスイッチング周期の上限が存在しないので、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、どんな場合であっても、臨界電流モードで動作し続けてしまうことが、従来の課題の発生原因であるとも言える。
このような従来の課題は、定格負荷に対してピーク負荷が大きい場合や、入力電圧変動に対し、より十分にマージンを持って動作保証を行う必要がある場合に、より顕著な課題となる。
具体的には、例えば、定格負荷(出力電力の定格)は200W程度であるが、所定の条件では、出力電力のレベルを瞬時的に300Wとしなければならない用途で、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが利用されるとき、従来の課題は顕著なものとなる。
さらに、例えば、定格入力(入力電圧の定格)がAC(Alternating Current)100Vであるが、電圧変動が有っても動作保証するために、入力電圧の実行値がAC80Vまで下がっても動作可能なように設計する場合、従来の課題はより顕著なものとなる。
即ち、このような場合、設計者等は、入力電圧の実行値がAC80Vで、かつ、出力電力のレベルが300Wでも臨界電流モードの動作が可能となるように、インダクタンス素子N1を選定しなければならない。具体的には、例えば、昇圧チョッパ型力率改善コンバータの効率が90%とされると、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のピークレベルImax(図3)は、おおよそ11.8A(=2×√2×300/(0.9×80))となる。従って、設計者等は、11.8Aという大電流が流れても大丈夫なように、物理的な大きさが大きい(その分、高価な)インダクタンス素子N1を選定しなければならない。その結果、昇圧チョッパ型力率改善コンバータ自身の物理的な大きさも大きくなり、製造コストも上昇してしまう。即ち、従来の課題が発生してしまう。
そこで、本発明の発明者は、このような従来の課題を解決すべく、次のような手法を発明した。即ち、入力電圧の実行値が定格電圧で、出力電力のレベルが定格負荷である場合における、臨界電流モードでのスイッチング素子22のスイッチング周波数(=1/スイッチング周期)を予め求め、それを指標周波数とする。次に、その指標周波数よりも少し低い周波数を、スイッチング素子22の最低スイッチング周波数として設定する。そして、スイッチング素子22のスイッチング周波数が、設定された最低スイッチング周波数を下回らないように、スイッチング素子22のスイッチング動作を制御するという手法である。
具体的には、例えば、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のピークレベルImaxは、入力電圧(商用電源10からの商用交流電圧)のピーク点(波形の山点)において最も高くなるため、スイッチング素子22のスイッチング周波数は、入力電圧のピーク点において最も低くなる。そこで、入力電圧の実行値が定格電圧で、出力電力のレベルが定格負荷である場合における、臨界電流モードでのスイッチング素子22のスイッチング周波数のうちの、入力電圧のピーク点におけるスイッチング周波数を、指標周波数として、次のように求める。
即ち、例えば、上述した例と同様に、入力電圧の実行値(以下Vinと記述する)が、定格入力であるAC100Vとされ、出力電力のレベル(以下、Pと記述する)が、定格負荷である200Wとされ、かつ、昇圧チョッパ型力率改善コンバータの効率(以下、ηと記述する)が90%とされた場合、入力電流(商用電源10から昇圧チョッパ型力率改善コンバータに流れ込む電流)のピークレベル(以下、Iinmaxと記述する)は、次の式(1)に示されるように、3.143Aとなる。ただし、式(1)において、Iinが入力電流の実行値を表している。
Iinmax =√2xIin = √2×Vin/P/η
=√2x200 / 100 / 0.9 = 3.143 ・・・(1)
ところで、臨界電流モードのとき、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のピークレベルImaxは、入力電流の最大レベルIinmaxの2倍である。
また、インダクタンス素子N1に流れる電流In1の振幅は、交流の周期で見ると変化しているが、スイッチング周期(入力電圧のレベル変化が無視できる程短い時間)で見ると、ほぼ一定と見なせるため、インダクタンス素子N1のエネルギー保存の法則により、電流レベルの上昇分と下降分は等しくなるように、誘起電圧が調整され、電流レベルの上昇分と下降分は等しいとみなすことができる。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1において、スイッチング素子22のオン時間(以下、Tonと記述する)の間のレベルの上昇分と、スイッチング素子22のオフ状態が継続する時間(以下、オフ期間と称し、Toffと記述する)の間のレベルの下降分とが等しいとみなすことができる。
以上のことは、次の式(2)のように数式で表すことができる。ただし、式(2)において、Vinmaxは入力電圧のピークレベルを、V0は出力電圧の設定値を、Nはインダクタンス素子N1のインダクタンス値を、それぞれ表している。
2×Iinmax = Vinmax × Ton / L = (V0 Vinmax) × Toff / L
・・・(2)
式(2)より、オン時間Tonは、次の式(3)のように表される。
Ton = 2xIinmax × L / Vinmax ・・・(3)
具体的には、いまの場合、式(1)よりIinmaxは3.143Aとされ、上述したように、Lは200×e-6Hとされ、また、Vinmaxは、141.4V(=√2×Vin=√2×100)とされるので、これらの値を式(3)の右辺に代入して演算すると、結局、オン時間Tonは、8.89×e-6sとなる。
また、スイッチング素子22のスイッチング周期(以下、Taと記述する)は、オン時間Tonとオフ時間Toffの加算値であるので、Toff = T Tonとなるので、式(2)は、結局、次の式(4)のように表される。
Ta = 2 × Iinmax × L /(V0- Vinmax) + Ton ・・・(4)
ところで、出力電圧の設定値V0が、入力電圧のピークレベルVinmaxより高くされないと、昇圧チョッパ型力率改善コンデンサは、昇圧動作ができず、入力電流を正弦波状に流せなくなる。従って、いまの場合、定格入力はAC100Vとされたが、一般的には、定格入力AC240Vまでの機器が利用されることもあり、そのような場合、定格入力の+10%まで動作保証すると、最大入力電圧(実行値)は、AC246Vとなり、そのピークレベルVinmaxは373.3Vとなるので、出力電圧の設定値V0は、380V程度に設定される。ここでも、出力電圧の設定値V0が、380Vであるとして、以下の説明を行う。
この場合、上述したように、Iinmaxは3.143Aとされ、Lは200×e-6Hとされ、また、Vinmaxは、141.4V(=√2×Vin=√2×100V)とされるので、これらの値を式(4)の右辺に代入して演算すると、結局、入力電圧の実行値が定格電圧で、出力電力のレベルが定格負荷である場合における、臨界電流モードでのスイッチング素子22のスイッチング周期のうちの、入力電圧のピーク点におけるスイッチング周期Taは、14.16×e-6sとなる。
従って、このときのスイッチング周波数、即ち、指標周波数(以下、fsと記述する)は、次の式(5)に表されるように、70.63kHzとなる。
fs = 1/Ta = 1/14.16×e-6 = 70.63 ・・・(5)
即ち、入力電圧(実行値)が定格入力(AC100V)で、出力電力のレベルが定格出力(200W)の場合における、臨界電流モードでのスイッチング素子22のスイッチング周波数は、70.63kHzとなる。従って、入力電圧のレベルが定格入力より低下したり、出力電力のレベルが定格出力より上昇すると、臨界電流モードのままでは、スイッチング周波数が、70.63kHz(指標周波数fs)よりもさらに低下することになる。
また、上述したように、指標周波数fsは、入出力条件やインダクタンス素子N1の条件(即ち、インダクタンス値)により変化する。即ち、指標周波数fsは、上述した条件の場合、70.63kHzとなるが、条件が変化した場合、70.63kHz以外の値を取ることになる。
そこで、本手法においては、各種条件に応じて指標周波数fsを予め演算し、その指標周波数fsよりも少し低い周波数を、スイッチング素子22の最低スイッチング周波数として設定するのである。なお、以下においては、上述した条件の下、指標周波数fsは、70.63kHzとされ、スイッチング素子22の最低スイッチング周波数として、例えば、70kHzが設定されたとして説明する。
そして、昇圧チョッパ型力率改善コンデンサが、臨界電流モードでそのまま動作し続けたら、スイッチング素子22のスイッチング周波数が、設定された最低スイッチング周波数(いまの場合、70kHz)以下となってしまう場合(例えば、入力電圧のレベルが低下し、一定レベル以下になってしまった場合、若しくは、出力電力のレベルが上昇し、一定レベル以上となってしまった場合(負荷が増大した場合)、或いは、これらが組み合わさった場合等)、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下する前であっても、前回のターンオンさせた時点から、設定された最低スイッチング周波数に対応する時間(最長スイッチング周期であり、いまの場合、14.3μs(=1/700000))が経過すれば、スイッチング素子22をターンオンさせるのである。
このような本手法が適用されれば、インダクタンス素子N1に流れる電流In1の波形は、図4に示されるような、電流が連続的に流れる波形とすることができる。なお、図4において、図3と同様に、水平方向の軸は、時間を表しており、垂直方向の軸を表している。Iaveは、電流In1の平均レベルを表しており、図3のそれと同一のレベルとされている。Imaxは、電流In1のピークレベルを、Ibは、バイアス成分(直流成分)のレベルを、Ilは、リップル分のレベル(振幅の大きさ)を、それぞれ表している。また、Taは、上述した最低スイッチング周波数に対応するスイッチング周期(最長スイッチング周期)を、Tonはオン時間を、Toffはオフ時間を、それぞれ表している。
即ち、図4に示されるように、電流In1の波形は、バイアス成分(レベルIbの直流成分)が重畳された波形となるため、臨界電流モードにおける電流In1の波形(図3の三角波)に比べ、平均レベルIaveが同一とされても、ピークレベルImaxが抑制される。
具体的には、例えば、上述した例と同様に、定格入力電圧がAC100V、かつ、定格負荷(出力電力)が200Wで、最大入力電圧(実効値)がAC80Vで、出力電力の最大レベルが300Wまで動作保証させる場合、図4における、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のピークレベルImaxは、次のような値となる。
即ち、スイッチング素子22における、スイッチング周期Taに対するオン時間Tonの割合、即ち、デューティ(以下、Dと記述する)は、D = Ton/Taとされるので、上述した式(2)より、次の式(6)のように表される。
D = (V0 − Vinmax)/V0 ・・・(6)
上述したように、いまの場合、出力電圧の設定値V0は380Vとされ、また、Vinmaxは141.4Vとされたので、これらの値を式(6)の右辺に代入して演算すると、デューティDは、結局、0.726となる。
図4の場合、スイッチング素子22のスイッチング周波数は、設定された最低スイッチング周波数(以下、fcと記述する)である70KHzとされる(即ち、スイッチング周期Taが、設定された最長スイッチング周期(=1/最低スイッチング周期)となるので)ので、オン時間Tonは、次の式(7)に示されるように、10.04μsとなる。
Ton = D/fc = 0.7026/70000 = 10.04×e-6 ・・・(7)
また、図4の場合、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のリップル分Ilは、次の式(8)に示されるように、5.67Aとなる。
Il = Vinmax × Ton / L
=√2×80 × 10.04×e-6 / 200×e-6 =5.67 ・・・(8)
ところで、図4の場合、インダクタンス素子N1に流れる電流の平均値Iaveは、入力電流のピークレベルIinmaxに等しく、バイアス成分Ibとリップル成分Ilの平均値との加算値となる。
従って、図4の場合、インダクタンス素子N1に流れる電流の平均値Iaveは、次の式(9)のように表される。
Iave = Iinmax = Ib + Il/2 ・・・(9)
なお、入力電圧の実行値Vinが80Vで、出力負荷のレベルPが300Wである場合の入力電流の実行値Iinは、次の式(10)に示されるように、4.167[A]となる。
Iin = P/η/Vin = 300/0.9/80 = 4.167 ・・・(10)
式(10)より、入力電流のピークレベルIinmaxは、次の式(11)に示されるように、5.89[A]となる。
Iinmax = √2 × Iin = √2 × 4.167 = 5.89 ・・・(11)
上述した式(9)に、この式(11)、および、上述した式(8)の演算結果のそれぞれを代入して、バイアス成分Ibを演算すると、バイアス成分Ibは3.055Aとなる。
従って、図4の場合、連続電流モードにおける、インダクタンス素子N1に流れる電流の平均値Imaxは、次の式(12)に示されるように、8.725Aとなる。
Imax = Ib + Il = 3.055 + 5.67 = 8.725 ・・・(12)
このように、図4の場合、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のピークレベルImaxが、上述した臨界電流モード時におけるピークレベルImax(図3)の11.8Aに比べ、26%程度抑制されるのである。
即ち、入力電圧のレベルが低下し、一定レベル以下になってしまった場合、若しくは、出力電力のレベルが上昇し、一定レベル以上となってしまった場合(負荷が増大した場合)、或いは、これらが組み合わさった場合等に対して、本手法が適用されれば、インダクタンス素子N1に流れる電流In1の波形を、図4に示される波形とすることができるので、そのピークレベルImaxを抑制することが可能になる。
なお、以下、本手法が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータ(例えば、後述する図5)が、図4に示されるような波形の電流In1を流す(即ち、電流In1を連続的に流し、そのレベルを0まで落とさない)ように動作を行う場合、その動作モードを、連続電流モードと称する。
ただし、通常の場合、即ち、臨界電流モードで動作させても、スイッチング素子22のスイッチング周波数を、設定された最低スイッチング周波数よりも高くすることができる場合に対しても、連続電流モードで動作させると、次のような新たな課題が発生してしまう。即ち、スイッチング素子22がターンオンするときには、整流ダイオード23のリカバリー特性に起因する短絡電流や、スイッチング素子22の寄生容量の短絡による損失が発生するが、その損失は、臨界電流モードのときよりも連続電流モードのときの方が大きくなってしまうという課題である。
そこで、本発明の発明者は、従来の課題のみならず、さらに、この新たな課題も同時に解決させるための手法として、通常の場合、臨界電流モードで動作させ、臨界電流モードがそのまま続行されると、スイッチング素子22のスイッチング周波数が、設定された最低スイッチング周波数以下になってしまうような状態が発生した場合のみ、連続電流モードで動作させる手法を発明した。このような本手法が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例が、図5に示されている。
即ち、図5は、本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例を表しており、図1の昇圧チョッパ型力率改善コンバータに対応する部分には、対応する符号が付してある。
図5において、商用電源10乃至直流変換回路14のそれぞれは、図1のそれらと基本的に同様の構成と機能を有することができる。従って、商用電源10乃至直流変換回路14の説明は省略する。
ただし、図5に示されるように、本実施の形態の昇圧チョッパ型力率改善コンバータおいては、本発明の発明者が発明した上述した手法を適用するために、図1の制御回路17の代わりに、制御回路101が設けられている。
詳細には、制御回路101には、図1の制御回路17に対してさらに、タイマ111とAND回路112が設けられている。比較器41の出力端には、タイマ111の入力端とAND回路112の入力端のうちの1端(図中下側の端)が接続されている。AND回路112の入力端のうちの他端(図中上側の端)には、タイマ111の出力端が接続され、AND回路112の出力端には、フリップフロップ回路39のセット入力端Sが接続されている。
即ち、図1の制御回路17においては、フリップフロップ回路39のセット信号は、比較器41から出力される「L」の出力電圧とされていた。従って、従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側巻き線N1)に流れる電流In1のレベルが略0まで低下すると(即ち、電流In1のレベルが略0まで低下した結果、変圧器22の2次側巻き線N2に発生する電圧Vn2のレベルが低下し、電圧Vn2のレベルが基準電圧Vref2のレベルを下回ると)、フリップフロップ回路39の状態はセット状態となり、スイッチング素子22はターンオンすることになる。
これに対して、本実施の形態の制御回路101においては、フリップフロップ回路39のセット信号は、AND回路112から出力される「L」の出力電圧とされている。即ち、AND回路112は、比較器41の出力と、タイマ111の出力との論理積を取り、その結果を表す「L」または「H」の電圧を、フリップフロップ回路39のセット入力端Sに出力するが、そのうちの「L」の出力電圧が、フリップフロップ回路のセット信号となる。
ただし、ここでは、タイマ111は、例えば、計時動作を行っていないとき、出力電圧のレベルを「L」とする。そして、タイマ111は、その入力(比較器41の出力)の電圧レベルが「H」から「L」に変化したとき(即ち、入力信号の立下りを検出したとき)、計時動作を開始し、出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させ、計時動作を実行している間(計時動作の開始時刻から、予め設定された所定の時間(以下、設定時間と称する)を計時し終わるまでの間)、出力電圧のレベルを「H」のまま保持する。
さらに、タイマ111は、計測動作を実行している間に、その入力(比較器41の出力)の電圧レベルが「H」から「L」に再度変化した場合、計時動作をリセットし(カウント値をリセットし)、計時動作を再度開始する。
また、タイマ111の設定時間は、特に限定されないが、例えば、上述した最低スイッチング周波数fcに対応する時間(即ち、図4の最長スイッチング周期Taであり、いまの場合、14.3(=1/70000)μsとなる)が好適である。
即ち、図4の最長スイッチング周期Ta(=1/最低スイッチング周波数fc)が、タイマ111の設定時間として適用されれば、通常の場合、タイマ111がタイムアウトする前(設定時間を計時し終わる前)に、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化するので(即ち、設定時間内に、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下するので)、タイマ111は計時動作を実行し続け、出力電圧のレベルを「H」に保ち続けることができる。従って、通常の場合、比較器41の出力の電圧レベルが「H」から「L」に変化した時、AND回路112は、セット信号をフリップフロップ回路39に出力する(その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる)ことになり、スイッチング素子22がターンオンする。即ち、通常の場合、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードで動作することが可能になる。
一方、入力電圧のレベルが低下した場合、若しくは、出力電力のレベルが上昇した場合(負荷が増大した場合)、或いは、それらが組み合わさった場合、タイマ111は、タイムアウトすると(設定時間を計時し終わると)、その出力の電圧レベルを「H」から「L」に変化させる。従って、AND回路112は、比較器41の出力の電圧レベルに関わらず(即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下していなくとも)、セット信号をフリップフロップ回路39に出力する(その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる)ことになり、スイッチング素子22はターンオンする。即ち、このような場合、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、連続電流モードで動作することが可能になる。
このように、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、どのような場合であっても、スイッチング素子22のスイッチング周波数は、タイマ111の設定時間に対応する周波数以上となる(スイッチング素子22のスイッチング周期は、タイマ111の設定時間以下となる)ので、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のピークレベルImaxを抑制することが可能になる。
また、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、通常の場合(定格入力電圧、かつ、定格負荷の範囲内の場合)、臨界電流モードで動作し、入力電圧が低下したり、過負荷となってしまった場合のみ、連続電流モードで動作するので、連続電流モードで常に動作する場合に比べ、通常の場合におけるスイッチング損失を低減でき、昇圧チョッパ型力率改善コンバータ全体の電力変換効率を高くすることが可能となる。
次に、図6と図7を参照して、図5の構成を有する、本実施の形態の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作について説明する。
図6には、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが、臨界電流モードで動作する場合のタイミングチャートが示されている。図7には、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが、連続電流モードで動作する場合のタイミングチャートが示されている。
図6と図7において、図2と同様に、図中上から順に、スイッチング素子22のゲート−ソース間の電圧のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレイン−ソース間の電圧のタイミングチャート、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側巻き線N1)に流れる電流In1のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレインからソースに流れる電流Iqのタイミングチャート、整流ダイオード23に流れる電流Idのタイミングチャート、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生した電圧(抵抗61で降下した電圧)Vn2のタイミングチャート、比較器38の出力電圧のタイミングチャート、および、比較器41の出力電圧のタイミングチャートが示されている。
さらに、図6と図7には、比較器41の出力電圧のタイミングチャートの下方に、タイマ111の出力電圧のタイミングチャートと、AND回路112のタイミングチャートが、その順番で示されている。また、Taは、タイマ111の設定時間、即ち、いまの場合、予め設定された最長スイッチング周期(=1/最低スイッチング周波数)を表している。
なお、図6と図7の各タイミングチャートの軸は、図2と同様とされている。
図6に示されるように、例えば、いま、略時刻taに、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化したとする。
このとき、タイマ111は、計時動作をリセットし、計時動作を再度開始するので、出力電圧のレベルを「H」に保ち続けることになる。
従って、略時刻taに、AND回路112は、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。即ち、略時刻taに、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、上述したように、スイッチング素子22はターンオンする。すると、インダクタンス素子N1には電流In1が流れ始め、その電流In1のレベルは時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻taに、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、その電流Iqのレベルは時間に比例して上昇していく。
電流In1のレベルが上昇している間(略時刻taから略時刻tbまでの間)、電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定となるため、図6に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1に発生する電圧と極性が反転した一定レベル(基準電圧Vref2よりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。
また、この間、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vm(脈流電圧Vdinに同期した誤差信号Vm)と、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iqに対応する電圧Vq)とのレベルを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
すると、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22はターンオフする。なお、図6においては、略時刻tbに、スイッチング素子22がターンオフしている。
これにより、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルが低下していく。
このときの電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定となるため、図6に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1の電圧と極性が反転した一定レベル(基準電圧Vref2よりも高いレベル)の電圧Vn2が発生する。
略時刻tcに、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出し終わると、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下すると、変圧器21の2次側の巻き線N2側の電圧Vn2のレベルは低下し始める。
この間、比較器41は、上述したように、電圧Vn2のレベルと基準電圧Vref2のレベルとを比較している。図6の例では、略時刻tdに、電圧Vn2と基準電圧Vref2とのレベルが同一になり、それ以降、電圧Vn2のレベルは、基準電圧Vref2のレベルを下回るので、比較器41は、略時刻tdに、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
図6に示されるように、略時刻tdの時点では、タイマ111は、まだ設定時間Taを計時していないので、タイマ111は、計時動作をリセットし、計時動作を再度開始するので、出力電圧のレベルを「H」に保ち続けることになる。
従って、略時刻tdに、AND回路112は、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に再度変化させる。即ち、略時刻tdに、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、スイッチング素子22が再度ターンオンする。従って、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、略時刻tdから略時刻teまでの間、上述した略時刻taから略時刻tbまでの間と同様の動作を行い、略時刻teになると、上述した略時刻tbから略時刻tdまでの間と同様の動作を行う(ただし、略時刻tdからタイマ111の設定時間Taが経過するまでに、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下する場合)。
このように、通常の場合、即ち、定格入力電圧、かつ、定格負荷の範囲内である場合、スイッチング素子22がターンオンした時点から、タイマの設定時間Taが経過する前に、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下するので、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードで動作することになる。
これに対して、時刻te以降、例えば、入力電圧のレベルの低下や、出力電力のレベルの上昇(過負荷)が発生した場合、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、図7に示されるように、連続電流モードで動作することになる。
即ち、例えば、いま、入力電圧のレベルの低下や、出力電力のレベルの上昇(過負荷)が発生している状態で、略時刻tfに、スイッチング素子22がターンオンしたとする。
このとき、図7に示されるように、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側の巻き線N1)の電流In1のレベル変化は上昇に転じ、上述したように、その時間変化率(微分値)は一定であるので、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1に発生する電圧とは極性が判定した一定レベル(基準電圧Vref2のレベルよりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。従って、略時刻tfに、比較器41の出力電圧のレベルは「H」から「L」に変化する。
すると、タイマ111は、略時刻tfに、計時動作を開始させ、出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
略時刻tf以降、時間が経過するにつれ、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは、時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻tfに、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、それ以降、電流Iqのレベルも時間に比例して上昇していく。
電流In1のレベルが上昇している間(略時刻tfから略時刻tgまでの間)、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vm(脈流電圧Vdinと同期する誤差信号Vm)と、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iqに対応する電圧Vq)とのレベルを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
すると、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22がターンオフする。なお、図7においては、略時刻tgに、スイッチング素子22がターンオフしている。
これにより、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルは低下していく。
図7の例では、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出している最中、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが低下している最中(略0まで低下する前)の略時刻thに、タイマ111は、設定時間Taの計時を終了してしまうので、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
このとき、図7に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、基準電圧Vref2のレベルよりも高い一定レベルの電圧Vn2が発生しているので、比較器41は、その出力電圧のレベルを「H」に保ち続けている。
従って、略時刻thに、AND回路112は、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に再度変化させる。即ち、略時刻thに、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、インダクタンス素子N1の電流In1のレベルが略0まで低下していない状態で、即ち、インダクタンス素子N1の電流In1が流れている状態で、スイッチング素子22が再度ターンオンすることになる。
すると、略時刻tiに、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側の巻き線N1)の電流In1のレベル変化は、略0まで低下する前に上昇に転じ、変圧器21の2次側の巻き線N2の電圧Vn2の極性が反転し(電圧Vn2のレベルが、基準電圧Vref2のレベルを下回り)、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化する。
従って、タイマ111は、このタイミングに(略時刻tiに)、計時動作を再度開始し始めることになる。
それ以降、略時刻tfから略時刻thまでの動作が繰り返されることになる。即ち、略時刻tjに、スイッチング素子22がターンオフし、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは低下し始めるが、その後、電流In1のレベルが略0まで低下する前の略時刻tkに、タイマ111は、設定時間Taを計時し終わり、スイッチング素子22は再度ターンオンすることになる。
このように、たとえ、入力電圧のレベルが低下したり、或いは、出力電力のレベルが上昇したとしても(過負荷になったとしても)、スイッチング素子22のスイッチング周波数は、タイマ111の設定時間Taに対応する周波数(即ち、1/Taであり、いまの場合、予め設定された最低スイッチング周波数)より低くならず、インダクタンス素子N1に電流In1が連続的に流れ続けることとなる。
即ち、本実施の形態の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、定格入力かつ定格負荷の範囲内の定常状態では、臨界電流モードで動作し、低電圧入力時や過負荷動作時等の異常状態になると、連続電流モードで動作することができる。
従って、本実施の形態においては、直流変換回路14のインダクタンス素子N1(変圧器21)の物理的な大きさを、従来のそれに比べて小さくすることができ、その結果、昇圧チョッパ型力率改善コンバータ自身の小型化も可能になり、製造コストも抑制することが可能になる。
さらに、本実施の形態の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、連続モードで常に動作するそれに比べ、定常状態でのスイッチング損失を低減でき、昇圧チョッパ型力率改善コンバータ全体の電力変換効率を高くすることが可能になる。
ところで、本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、図5の例に限定されず、様々な形態を取ることが可能である。
例えば、スイッチング素子22として、図5の例では、MOS FETが適用されているが、その他、バイポーラトランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子を適用することも可能である。
また、検出回路15と検出回路16のそれぞれも、電流を検出可能なものであれば、特に限定されず、例えば、カレントトランス等で構成されてもよい。
さらに、制御回路101が実行する上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることができる。
この場合、上述した図5の制御回路101は、例えば、図8に示されるように構成することもできる。
図8において、CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202に記録されているプログラム、または記憶部208からRAM(Random Access Memory)203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インタフェース205も接続されている。
入出力インタフェース205には、入力部206、および、出力部207が接続される。入力部206には、図示はしないが、例えば、図5における、直流変換回路14に印加される脈流電圧Vdin、検出回路15の検出電圧Vq、検出回路16の検出電圧Vn2、および、直流変換回路14の出力電圧Voutのそれぞれが入力される。また、出力部207からは、図示はしないが、例えば、図5における制御信号Scが出力され、直流変換回路14のスイッチング素子22のゲートに入力される。
入出力インタフェース205にはまた、必要に応じて、ハードディスクなどより構成される記憶部208、および、通信部209が接続される。通信部209は、ネットワークを介して他の情報処理装置との通信を制御する。
入出力インタフェース205にはさらに、必要に応じてドライブ210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体211が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図8に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)211により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM202や、記憶部208に含まれるハードディスクなどで構成される。
また、このプログラムは、直流変換回路14のスイッチング素子22が、上述した図6や図7に示されるように、スイッチング動作を行うことが可能なものであれば、その形態は特に限定されず、具体的には、例えば、図9のフローチャートに従ったプログラム等を適用することができる。
即ち、図9のフローチャートは、図8のように構成される制御回路101が、直流変換回路14のスイッチング素子22のスイッチング動作を制御する処理(以下、スイッチング制御の処理と称する)の例を表している。
そこで、以下、図9のフローチャートを参照して、図8の制御回路101のスイッチング制御の処理について説明する。
ステップS1において、CPU201は、出力部207から出力される、スイッチング素子22に対する制御信号Sc(図5)の電圧レベルを「H」にする。これにより、スイッチング素子22はターンオンすることになる。
ステップS2において、CPU201は、いままでの計時時間をリセットし、計時を開始する。
なお、計時の方法は、特に限定されず、CPU201は、内蔵するクロック(図示せず)に基づいて、計時を行ってもよいし、タイマ(図示せず)にカウント動作を開始させ、タイマのカウント値を取得することで計時を行ってもよい。
ステップS3において、CPU201は、スイッチング素子22に流れる電流Iq(図5)のレベルが、入力電圧と出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたか否かを判定する。換言すると、CPU201は、ステップS3の処理として、上述した比較器38(図5)と同様の処理を実行する。
詳細には、例えば、CPU201は、入力部206に入力される、脈流電圧Vdin(図5の商用電源10からの入力電圧が整流された脈流電圧Vdin)と、直流変換回路14の出力電圧Vout(図5)とに基づいて、乗算器35から出力される乗算電圧Vm(図5)のレベルに相当するレベルを演算する。即ち、このようにして演算されたレベルが、「入力電圧と出力電力とに応じて決定される所定のレベル」となる。また、「スイッチング素子22に流れる電流Iqのレベル」は、図5の検出回路15より電圧Vqのレベルに変換されて、入力部206に入力される。従って、CPU201は、上述したように演算したレベルと、入力部206に入力された電圧Vqのレベルとを比較することで、スイッチング素子22に流れる電流Iqのレベルが、入力電圧と出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたか否かを判定する。
ステップS3において、スイッチング素子22に流れる電流Iqのレベルが、入力電圧と出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えていないと判定された場合、ステップS3の処理が再度繰り返される。即ち、CPU201は、スイッチング素子22がターンオンすると、乗算電圧Vmのレベルに相当するレベルを常時演算し、スイッチング素子22に流れる電流Iqのレベル、即ち、電圧Vqのレベルが、演算したレベルを超えたか否かを常時監視する。
そして、ステップS3において、スイッチング素子22に流れる電流Iqのレベルが、入力電圧と出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたと判定すると、CPU201は、ステップS4において、スイッチング素子22に対する制御信号Scの電圧レベルを「L」にする。これにより、スイッチング素子22はターンオフすることになる。
ステップS5において、CPU201は、スイッチング素子22のスイッチング周期の上限値に対応する時間(予め設定された最低スイッチング周波数に対応する時間)を計時したか否かを判定する。
ステップS5において、スイッチング素子22のスイッチング周期の上限値に対応する時間(予め設定された最低スイッチング周波数に対応する時間)を計時したと判定すると、CPU201は、ステップS7において、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
例えば、図示せぬスイッチの状態がオフ状態にされた場合、或いは、入力部206に入力される脈流電圧Vdinが一定時間の間0レベルであった場合、ステップS7において、処理の終了が指示されたと判定され、スイッチング制御の処理が終了される。
これに対して、ステップS7において、処理の終了がまだ指示されていないと判定された場合、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、スイッチング素子22は、CPU201の制御に基づいて、スイッチング動作を繰り返すことになる。この場合、昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、連続電流モードで動作することになる。
ステップS5に再度注目して、スイッチング素子22のスイッチング周期の上限値に対応する時間(予め設定された最低スイッチング周波数に対応する時間)をまだ計時していないと判定した場合、CPU201は、ステップS6において、インダクタンス素子N1に流れる電流In1(図5)のレベルが、略0まで低下したか否かを判定する。
ステップS6において、インダクタンス素子N1に流れる電流のIn1レベルが、略0まで低下したと判定された場合、処理はステップS7に進む。そして、ステップS7において、処理の終了がまだ指示されていないと判定された場合、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、スイッチング素子22は、CPU201の制御に基づいて、スイッチング動作を繰り返すことになる。この場合、昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードで動作することになる。
これに対して、ステップS6において、インダクタンス素子に流れる電流のレベルが、略0まで低下していないと判定された場合、処理はステップS5に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
このように、スイッチング素子のスイッチング周期の上限値に対応する時間が経過する前に、インダクタンス素子に流れる電流のレベルが、略0まで低下すれば、昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードで動作することになる。これに対して、インダクタンス素子に流れる電流のレベルが、略0まで低下する前に、スイッチング素子のスイッチング周期の上限値に対応する時間が経過すれば、昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、連続電流モードで動作することになる。
以上説明したように、本発明が適用される電源装置を採用することで、例えば、上述した図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータを採用することで、従来の課題を解決することが可能になる。即ち、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、入力電圧が低下したりまたはは出力負荷が過負荷となった場合であっても、内蔵するインダクタンス素子N1に流れる電流の実効値やピークレベルを、従来の図1の昇圧チョッパ型力率改善コンバータのそれに比較して低減させることができる。その結果、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータを、従来の図1の昇圧チョッパ型力率改善コンバータと比較して小型化することが可能となり、それに伴い、製造コストの削減を図ることができる。
このように、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータを採用することで、本発明の目的のひとつ、即ち、電源装置(昇圧チョッパ型力率改善コンバータ)を従来のものより小型化するとともに、その製造コストを削減することができるようにするという目的を達成することができる。
ただし、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードから連続電流モードに動作が移行した場合、入力電源10のラインに高周波電流成分が漏れ出してしまうという課題を有している。
そこで、例えば、ある程度の物理的な大きさを持つフィルタ11とフィルタ13を採用することで、この高周波電流成分を抑制させるという手法が考えられる。
この手法を採用しても、上述したように、本発明の目的自身は達成すること、即ち、昇圧チョッパ型力率改善コンバータを従来のものより小型化することはできる。しかしながら、この手法では、上述した課題を真に解決しているわけではなく、単に抑制しているだけである。このため、この手法を採用しても、ある程度の物理的な大きさをもつフィルタ11とフィルタ13とが必須な以上、昇圧チョッパ型力率改善コンバータ全体の小型化にも限界がある。
そこで、本発明の発明者は、この課題の発生要因を解析し、その解析結果に基づいて、この課題を解決することが可能な昇圧チョッパ型力率改善コンバータを発明した。即ち、本発明の発明者がさらに発明した昇圧チョッパ型力率改善コンバータとは、臨界電流モードから連続電流モードに動作が移行する場合でも、入力電源10のラインに乗る高周波電流成分自体の発生を抑制することを可能とし、これにより、小型のフィルタを搭載可能とし、ひいては自分自身も図5のそれよりもさらに小型化することが可能な昇圧チョッパ型力率改善コンバータである。
このような昇圧チョッパ型力率改善コンバータの実施の形態の一例が、図11と図14に示されている。
ただし、図11または図14で示される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの説明をする前に、上述した解析結果、即ち、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが有する上述した課題の発生要因について先に説明する。
即ち、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが有する課題の発生要因は、臨界電流モードから連続電流モードに動作が移行した場合、スイッチング素子22のオン時間がスイッチング周期毎に長くなったり、短くなったりしてしまうことである。即ち、臨界電流モードから連続電流モードに動作が移行した場合、スイッチング素子22のオン時間がばらついてしまうことが、この課題の発生要因である。
このため、フィルタ11とフィルタ13によって平均化された入力電流(商用電源10から昇圧チョッパ型力率改善コンバータに流れ込む電流)も脈流になり、その結果、上述した課題が発生してしまう。すなわち、入力電源10のラインに高周波電流成分が漏れ出してしまう。
以下、図10を参照して、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが有する上述した課題の発生要因についてさらに詳しく説明する。即ち、図10は、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明するタイミングチャートである。
図10には、図6や図7と同様に、図中上から順に、スイッチング素子22のゲート−ソース間の電圧のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレイン−ソース間の電圧のタイミングチャート、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側巻き線N1)に流れる電流In1のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレインからソースに流れる電流Iqのタイミングチャート、整流ダイオード23に流れる電流Idのタイミングチャート、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生した電圧(抵抗61で降下した電圧)Vn2のタイミングチャート、比較器38の出力電圧のタイミングチャート、比較器41の出力電圧のタイミングチャート、タイマ111の出力電圧のタイミングチャート、および、AND回路112のタイミングチャートが示されている。
ただし、以下の説明においては、電流Iqのタイミングチャートは必要に応じて、検出回路15による電流Iqの検出電圧Vqのタイミングチャートであるとみなす。
なお、図10の各タイミングチャートの軸は、図6および図7と同様とされている。
図10に示されるように、例えばいま、略時刻t11に、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化したとする。また、このとき、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、臨界電流モードで動作している。
このとき、タイマ111は、計時動作をリセットし、計時動作を開始するので、その出力電圧のレベルが「L」から「H」に変化する。
従って、略時刻t11に、AND回路112は、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。即ち、略時刻t11に、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、上述したように、スイッチング素子22はターンオンする。すると、インダクタンス素子N1には電流In1が流れ始め、その電流In1のレベルは時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻t11に、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、その電流Iqのレベルは時間に比例して上昇していく。
電流In1のレベルが上昇している間(略時刻t11からt12までの間)、電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定となるため、図10に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1に発生する電圧と極性が反転した一定レベル(基準電圧Vref2よりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。
また、この間、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vm(脈流電圧Vdinに同期した誤差信号Vm)と、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iq対応する電圧Vq)とのレベルを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
すると、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22はターンオフする。なお、図10においては、略時刻t12に、スイッチング素子22がターンオフしている。
これにより、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルが低下していく。
このときの電流In1のレベル時間変化率(微分値)は一定となるため、図10に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1の電圧と極性が反転した一定レベル(基準電圧Vref2よりも高いレベル)の電圧Vn2が発生する。
略時刻t13に、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出し終わると、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが略0まで低下すると、変圧器21の2次側の巻き線N2側の電圧Vn2のレベルは低下し始める。
この間、比較器41は、上述したように、電圧Vn2のレベルと基準電圧Vref2とのレベルとを比較している。図10の例では、略時刻t13に、電圧Vn2と基準電圧Vref2とのレベルが同一になり、それ以降、電圧Vn2のレベルは、基準電圧Vref2のレベルを下回るので、比較器41は、略時刻t13に、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
略時刻t13の時点では、タイマ111は、まだ上述した設定時刻Taを計時していない。このため、タイマ111は、計時動作をリセットし、計時動作を再度開始するので、出力電圧のレベルを「H」に保ち続けることになる。
従って、略時刻t13に、AND回路112は、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に再度変化させる。即ち、略時刻t13に、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、スイッチング素子22が再度ターンオンする。それ以降、入力電圧や出力電圧の変化が無ければ、上述した図6で説明したように、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、略時刻t14から略時刻t15までの間、上述した略時刻t11から略時刻t12までの間と同様の動作を行い、略時刻t15から略時刻t16までの間、上述した上述した略時刻t12から略時刻t13までの間と同様の動作を行うことになる。
これに対して、例えば、略時刻t14から略時刻t16までの間において、入力電圧のレベル低下や、出力電圧のレベルの上昇(過負荷)が発生したとする。この場合、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、上述した図7で説明したように、連続電流モードで動作することになる。
即ち、図10に示されるように、インダクタンス素子N1の電流In1のレベル変化は上昇に転じ、上述したように、その時間変化率(微分値)は一定であるので、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1に発生する電圧とは極性が判定した一定レベル(基準電圧Vref2のレベルよりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。従って、略時刻t14に、比較器41の出力電圧のレベルは「H」から「L」に変化する。
タイマ111は、略時刻t14の時点で、計時動作をリセットし、計時動作を再度開始したので、出力電圧のレベルを「H」に保ち続けている。
略時刻t14以降、時間が経過するにつれ、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは、時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻t14に、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、それ以降、電流Iqのレベルも時間に比例して上昇していく。
電流In1のレベルが上昇している間(略時刻t14から略時刻t15までの間)、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vmと、検出回路15の検出電圧Vqとのレベルを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
ただし、いまの場合、略時刻t14から略時刻t16までの間において、入力電圧のレベル低下や、出力電圧のレベルの上昇(過負荷)が発生し、その結果として、図10に示されるように、乗算電圧Vmのレベルも上昇している。
一方、スイッチング周期といった極短期間で見れば(微視的に見れば)、電流In1の時間変化率(傾き)、即ち、電流Iqの検出電圧Vqの時間変化率(傾き)は変化していないとみなすことができる。即ち、略時刻t14以降の電圧Vqの時間変化率は、その直前の略時刻t11から略時刻t12までの検出電圧Vqの時間変化率と同一であるとみなすことができる。
従って、今回のスイッチング素子22のターンオンが開始された時点(以下、ターンオン開始時点と称する)である略時刻t14から、検出電圧Vqが乗算電圧Vmのレベルを超え、その結果、スイッチング素子22の状態がターンオフからターンオンに切り替る時点(以下、ターンオン終了時点またはターンオフ開始時点と称する)である略時刻t15までの時間a2、すなわち、ターンオン時間a2は、前回のターンオン時間a1よりも長くなる。
なお、以下、ターンオンが継続している時間を、ターンオン時間と称する。即ち、前回のターンオン時間a1とは、臨界電流モードにおけるターンオン時間であって、前回のターンオン開始時点である略時刻t11から、ターンオン終了時点である略時刻t12までの時間を指す。
このようにして、略時刻t15に、スイッチング素子22がターンオフすると、その後、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルは低下していく。
図10の例では、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出している最中、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが低下している最中(略0まで低下する前)の略時刻t16に、タイマ111は、設定時間Taの計時を終了してしまうので、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
このとき、図10に示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、基準電圧Vref2のレベルよりも高い一定レベルの電圧Vn2が発生しているので、比較器41は、その出力電圧のレベルを「H」に保ち続けている。
従って、略時刻t16に、AND回路112は、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に再度変化させる。即ち、略時刻t16に、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、インダクタンス素子N1の電流In1のレベルが略0まで低下していない状態で、即ち、インダクタンス素子N1の電流In1が流れている状態で、スイッチング素子22が再度ターンオンすることになる。
なお、以下、スイッチング素子22がターンオフされてから、次にターンオンされるまでの時間を、ターンオフ時間と称する。この場合、今回のターンオフ開始時点(ターンオン終了時点)である略時刻t15から、次回のターンオン開始時点(以下、ターンオフ終了時点とも称する)略時刻t17までの時間b2が、今回のターンオフ時間となる。同様に、前回のターンオフ開始時点(前回のターンオン終了時点)である略時刻t12から、前回のターンオフ終了時点(今回のターンオン開始時点)である略時刻t14までの時間b1が、前回のターンオフ時間となる。
次に、略時刻t17に、インダクタンス素子N1の電流In1のレベル変化は、略0まで低下する前に上昇に転じ、変圧器21の2次側の巻き線N2の電圧Vn2の極性が反転し(電圧Vn2のレベルが、基準電圧Vref2のレベルを下回り)、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化する。
従って、タイマ111は、このタイミングに(略時刻t17に)、計時動作を再度開始し始めることになる。
それ以降、略時刻t14から略時刻t16までの動作が繰り返されることになる。即ち、略時刻t14に、インダクタンスN1には電流In1が再度流れ始め、その電流In1のレベルは時間に比例して、上昇していく。従って、スイッチング素子22にも、略時刻t14に、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、その電流Iqのレベルは時間に比例して上昇していく。それに伴い、略時刻t14に、この電流Iqの検出電圧Vqが発生し、それ以降、検出電圧Vqのレベルも時間に比例して上昇していく。
ただし、図10に示されるように、前回のターンオン開始時点である略時刻t14では、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは略0であったが、今回のターンオン開始時点である略時刻t17では、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは略0ではなく、ある程度のレベルとなっている(オフセットレベルを有している)。即ち、前回のターンオン開始時点である略時刻t14では、電圧Vqのレベルも略0であったが、今回のターンオン開始時点である略時刻t17では、検出電圧Vqのレベルも略0ではなく、オフセットレベルを有している。
従って、今回のターンオン開始時点である略時刻t17から、ターンオン終了時である略時刻t18までの時間a3は、前回の上述したターンオン時間a2よりも短くなる。
その後、略時刻t18に、スイッチング素子22がターンオフし、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは低下し始めることになる。
ただし、図10に示されるように、今回のターンオン時間a3が前回のターンオン時間a2よりも短くなったため、即ち、前回のスイッチング周期に比較して、早くターンオフされたため、タイマ111が上述した設定時刻Taを計測し終わるよりも前の略時刻t19に、電流In1のレベルが略0まで低下して、スイッチング素子22は、再度、ターンオンすることになる。即ち、この略時刻t19の時点で、入力電圧のレベル低下或いは出力電圧の上昇(過負荷)が継続していたとしても、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作モードは、連続電流モードから臨界電流モードに移行してしまうことになる。
従って、今回のターンオフ開始時点(ターンオン終了時点)である略時刻t18から、次のターンオン開始時点(以下、ターンオフ終了時点とも称する)略時刻t19までの時間b3、即ち、今回のターンオフ時間b3は、前回の上述したターンオフ時間b2よりも長くなる。
換言すると、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作モードが同じ連続電流モードで動作している場合であっても、前回のスイッチング周期における前回のターンオン時間a2と前回のターンオフ時間b2との比率(デューティ比)a2:b2と、今回のスイッチング周期における今回のターンオン時間a3とターンオフ時間b3の比率a3:b3は異なる。
このようにして、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが連続電流モードで動作している場合、デューティ比は、例えば、a2:b2に対してa3:b3になるなど一定の比率とはならず、その比率にバラツキが出てしまう。即ち、スイッチング素子22のターンオン時間が一定にならない。
以上の内容をまとめると、入力電圧のレベル低下や、出力電圧のレベルの上昇(過負荷)が発生すると、乗算電圧Vmのレベルが上昇し、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作モードは連続電流モードに移行する。ただし、この場合、微視的には見れば、即ち、スイッチング周期のレベルで見れば、入出力する電圧は一定とみなせる。このため、インダクタンス素子N1に流れる電流In1の傾き(時間変化率)も一定とみなせる。従って、乗算電圧Vmが上昇するとスイッチング素子22のターンオン時間が長くなる。また、タイマ111の周期は一定であるので、即ち、連続電流モードではスイッチング周期が一定であるため、逆に、スイッチング素子22のターンオフ時間は短くなる。このため、連続電流モードでは、電流In1のレベルが略0になる前に、スイッチング素子22がターンオンする。このとき、スイッチング素子22の電流Iqは、正側にバイアスされている(オフセット値を有している)ので、乗算電圧Vmが1周期前と同一の値であるとみなせば、今回のスイッチング周期においては、スイッチング素子22のターンオン時間が前回より短くなり、逆に、スイッチング素子22のオフ時間が長くなる。従って、次回のターンオン開始時点におけるスイッチング素子22の電流Iqのレベルも前回とは変化することになり(上述した図10の例では、略0まで低下することになり)、次回のターンオン時間も変化し、さらには、次回のターンオフ時間も変化する。このようにして、1周期毎にスイッチング素子22のターンオン時間とターンオフ時間とがバラバラな変化を示す。
その結果、フィルタ11やフィルタ13によって平均化された入力電流(商用電源10から昇圧チョッパ型力率改善コンバータに流れ込む電流)も脈流になるため、上述した課題が発生するのである。即ち、商用電源10の入力ラインに高周波電流成分が漏れ出してしまうのである。
そこで、本出願人は、従来の課題のみならず、さらに、この新たな課題も同時に解決させるための手法として、図5のスイッチング素子22のオン状態の継続時間に基づいて、検出回路15の検出電圧Vqのレベルを補正し、補正されたレベルの電圧を比較器Vmに入力させる手法を発明した。より詳細には、本出願人は、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iq対応する電圧Vq)のレベルに対して、スイッチング素子22のオン時間に比例したレベルの電圧を重畳させ、その結果得られるレベルの電圧を比較器Vmに入力させる手法をさらに発明した。そして、本出願人は、このような手法が適用される電源装置として、例えば図11に示される構成の昇圧チョッパ型力率改善コンバータをさらに発明した。
即ち、図11は、本発明が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの他の構成例を示しており、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータに対応する部分には、対応する符号が付してある。
図11において、商用電源10乃至直流変換回路14のそれぞれは、図5のそれらと基本的に同様の構成と機能を有することができる。従って、商用電源10乃至直流変換回路14の説明は省略する。
ただし、図11の構成の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、本出願人が発明した上述した手法を適用するために、図5の制御回路101の代わりに、制御回路201が設けられている。
詳細には、制御回路201には、図5の制御回路101に対してさらに補正回路211が設けられている。
抵抗31乃至比較器41、タイマ111、およびAND回路112は、図5のそれらと基本的に同様の構成と機能を有することができる。従って、抵抗31乃至比較器41、タイマ111、およびAND回路112の説明は省略する。
補正回路211の図中上側の端(以下、入力端と称する)のうちの1端(図中左側の端)には、フリップフロップ回路39のゲートQとスイッチング素子22のゲートとの接続端が接続され、補正回路211の入力端のうち他端(図中右側の端)には、検出回路15が接続される。また、補正回路211の図中下側の端(以下、出力端と称する)には、比較器38の正相入力(+)が接続されている。
即ち、上述した図5の制御回路101においては、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vmと、検出回路15の検出電圧Vqそのものとのレベルを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。すると、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22がターンオフする。
このような動作を行う図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、臨界電流モードから連続電流モードに移行した場合、上述したように、電流In1のレベル変化は、略0まで低下する前にバイアスを持ったまま上昇に転じ、このときの電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定であり、かつ、スイッチング周期はタイマ111の計時時間Taで固定される。従って、ターンオン開始時点における電流In1のバイアス量が各スイッチング周期毎に異なり、それに応じて、ターンオン開始時点における検出回路15の検出電圧Vqのバイアス量も異なり、その結果として、スイッチング素子22のターンオン時間がばらつくという上述した課題が発生してしまう。
これに対して、この図11の制御回路201においては、比較器38の正相入力(+)には、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iqに対応する電圧Vq)そのものではなく、その検出電圧Vqのレベルが補正回路211により補正された電圧Vq'(以下、補正検出電圧Vq‘と称する)が入力される。即ち、この制御回路201の比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vmと、補正回路から出力される補正検出電圧Vq'とのレベルを比較している。
この補正回路201ら出力される補正検出電圧Vq'とは、フリップフロップ回路39のセット状態またはリセット状態に応じて、検出回路15の検出電圧Vqに対して、スイッチング素子22のターンオンの継続時間(以下、ターンオン時間と称する)時間に比例したレベルの電圧を重畳させた電圧である。
このように、補正回路211が検出電圧Vqに重畳する電圧のレベルが、スイッチング素子22のターンオン時間に比例して増加する。従って、例えば、電圧を重畳させていない場合(図5の場合)にスイッチング素子22のターンオン時間が長くなるようなときには、補正回路211が検出電圧Vqに重畳する電圧のレベルは大きくなり、その結果、図11のスイッチング素子22のターンオン時間は、電圧を重畳させていない場合(図5の場合)のスイッチング素子22のターンオン時間に比較して遥かに短くなる。また、電圧を重畳させていない場合(図5の場合)にスイッチング素子22のターンオン時間が短くなるときには、補正回路211が検出回路15の検出電圧Vqに重畳する電圧のレベルは先の場合と比べて小さいため、図11のスイッチング素子22のターンオン時間は、、電圧を重畳させていない場合(図5の場合)のスイッチング素子22のターンオン時間と比べてほぼ同一の時間となる。
このように、図11の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、補正回路211によっていわゆる負帰還作用が働き、その結果、スイッチング素子22のターンオン時間もほぼ一定になるので、スイッチング素子22のターンオン時間のバラツキを補正することができる。即ち、図11の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、補正回路211によって、連続電流モードで動作する場合でも、スイッチング素子22のターンオン時間がほぼ一定に保持され、その結果、高周波成分を抑制することが可能になる。即ち、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが有する課題を解決することができる。従って、図11の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、フィルタ11とフィルタ13として、小型のフィルタを搭載することができるので、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータと比較して小型化することが可能になる。
図12は、このような補正回路211の詳細な構成例を示す回路図である。
図12の補正回路211は、反転回路221、スイッチング素子222、定電流源223、キャパシタ224、抵抗225、抵抗226、およびキャパシタ227から構成されている。
反転回路221は、その入力端が、フリップフロップ回路39のゲートQと検出回路15との接続端に、その出力端が、後述するスイッチング素子222のゲートにそれぞれ接続されている。
即ち、反転回路221は、フリップフロップ回路39のゲートQから供給される制御信号Scの極性を反転させて、極性が反転した制御信号Sc´をスイッチング素子222のゲートに供給する。
具体的には、例えば、フリップフロップ回路39がセット状態となった場合、即ち、フリップフロップ回路39のゲートQより出力される制御信号Scの電圧レベルが「H」に変化した場合、反転回路221は、後述するスイッチング素子222に供給する制御信号Sc´の電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。一方、フリップフロップ回路39がリセット状態となった場合、即ち、フリップフロップ回路39のゲートQより出力される制御信号Scの電圧レベルが「L」に変化した場合、反転回路222は、後述するスイッチング素子222に供給する制御信号Sc´の電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
スイッチング素子222は、図12の例では、MOS FETとして構成されている。スイッチング素子222において、そのドレインは、後述する定電流源223に、そのゲートは、反転回路221の出力端に、それぞれ接続され、そのソースは、接地されている。
従って、スイッチング素子222のゲートに入力される制御信号Sc´、即ち、反転回路221の出力端から供給される制御信号Sc´の電圧のレベルが、「L」から「H」に変化すると、スイッチング素子222は、ターンオンする。一方、スイッチング素子222のゲートに入力される制御信号Sc´の電圧のレベルが、「H」から「L」に変化すると、スイッチング素子222は、ターンオフする。
即ち、上述したように、フリップフロップ回路39が、制御信号Scの電圧レベルを「L」から「H」に変化させた場合、図11のスイッチング素子22は、ターンオンする。そのとき、反転回路221は、フリップフロップ回路39から供給される制御信号Scの変化に応じて、スイッチング素子222のゲートに供給する制御信号Sc´の電圧レベルを「H」から「L」に変化させることになるので、スイッチング素子222は、ターンオフする。
逆に、フリップフロップ回路39が、制御信号Scの電圧レベルを「H」から「L」に変化させた場合、スイッチング素子22は、ターンオフする。そのとき、反転回路221は、フリップフロップ回路39から供給される制御信号Scの変化に応じて、スイッチング素子222のゲートに供給する制御信号Sc´の電圧レベルを「L」から「H」に変化させることになるので、スイッチング素子222は、ターンオンする。
即ち、スイッチング素子22がターンオンした場合、スイッチング素子222は、逆にターンオフし、一方、スイッチング素子22がターンオフした場合、スイッチング素子222は、逆にターンオンする。
このスイッチング素子222のドレインには、上述した定電流源223の他、キャパシタ224の一端と抵抗225の一端が接続されている。キャパシタ224の他端は、接地され、抵抗225の他端は、フィルタを構成する抵抗226とキャパシタ227の接続端addに接続されている。
フィルタを構成する抵抗226とキャパシタ227のうちの、抵抗226の接続端addとは反対側の端は、検出回路51に接続されており、キャパシタ227の接続端addとは反対側の端は接地されている。
この抵抗226とキャパシタ227の接続端addにはさらに、比較器38の正相入力(+)が接続されている。即ち、この接続端addにおける電圧が、上述した補正検出電圧Vq'であり、その補正検出電圧Vq'が比較器38の正相入力(+)に印加されるのである。
以下、このような構成を有する補正回路211の動作について説明する。
スイッチング素子222は、そのゲートに供給される制御信号Sc´、即ち、反転回路221によって、フリップフロップ回路39の制御信号Scの極性を反転させた制御信号Sc´の電圧レベルに応じて、スイッチング動作を実行する。
スイッチング素子222がターンオフすると、即ち、スイッチング素子22がターンオンすると、定電流源から出力される定電流Irefは、キャパシタ224に流れ込むことになるので、キャパシタ224は、時間に比例して電荷を充電していく。
従って、キャパシタ224の接地端とは反対側の端には、時間に比例してレベルが増加する電圧が発生し、このキャパシタ224に発生した電圧が抵抗225を介して接続端addに印加されることになる。即ち、接続端addにおける電圧Vq'のレベルは、検出回路15の検出電圧Vqのレベル(正確には抵抗226で電圧降下されたレベル)に対して、このキャパシタ224に発生した電圧のレベルが重畳されたレベルとなる。なお、接続端addにおける電圧Vq'、即ち、比較器38の正相入力(+)に印加される電圧Vq'のレベル変換の詳細については、図13を参照して後述する。
また、この間、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vmと、この接続端addの補正検出電圧Vq'とのレベルを比較しており、補正検出電圧Vq‘のレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。それに伴い、スイッチング素子22はターンオフする。
このとき、比較器38に印加される補正検出電圧Vq'のレベルは、検出回路15の検出電圧Vqのレベルに対して、キャパシタ224に発生した電圧のレベル(正確には、抵抗225で電圧降下したレベル)、即ち、時間に比例して増加するレベルが重畳されたレベルである。従って、補正回路211がない場合(例えば、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータ)と比較して、比較器38の正相入力(+)に印加される電圧Vq'のレベルが、同じく負相入力(−)に印加される乗算電圧Vmのレベルよりも高くなるまでの時間が短くなる。
即ち、スイッチング素子22がターンオンしている間、補正回路211により、検出電圧Vqに、時間に比例してレベルが増加する電圧が重畳されので、補正回路211がない場合(例えば、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータ)と比較して、スイッチング素子22のターンオン時間が短くなる。
このようにして、スイッチング素子22がターンオフすると、スイッチング素子222は逆にターンオンする。これにより、定電流源223およびキャパシタ224は、接地されるので、キャパシタ224に充電された電荷は、放電されることになる。
即ち、検出回路15の検出電圧Vqに重畳する電圧のレベルを0にすることができる。換言すると、検出回路15の検出電圧Vqに重畳する電圧を初期化することができる。具体的には、スイッチング素子222が次にターンオフした場合、即ち、スイッチング素子22が次にターンオンした場合、検出回路15の検出電圧Vqに重畳する電圧のレベルを0から順次増加させる(キャパシタ224に充電させる)ことができる。
このように、スイッチング素子22がターンオンしている間、補正回路211により、検出回路15の検出電圧Vqに、時間に比例してレベルが増加する電圧を重畳することで、スイッチング素子22のオン時間を一定にすることが可能になる。
次に図13を参照して、図11の構成を有する昇圧チョッパ型力率改善コンバータ全体の動作について説明する。
図13には、図11の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが、連続電流モードで動作する場合のタイミングチャートが示されている。
図13において、図6、図7、および図10と同様に、図中上から順に、スイッチング素子22のゲート−ソース間の電圧のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレイン−ソース間の電圧のタイミングチャート、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側巻き線N1)に流れる電流In1のタイミングチャート、および、スイッチング素子22のドレインからソースに流れる電流Iqのタイミングチャートが示されている。
さらに、図13には、電流Iqのタイミングチャートの下方に、補正回路211から比較器38の正相入力(+)に印加される補正検出電圧Vq´のタイミングチャートが示されている。即ち、図13には、検出回路15が検出した検出電圧Vq(点線で示されたタイミングチャート)に対して、補正回路211がスイッチング素子22のオン状態の継続時間に比例してレベルが増加する電圧を重畳した結果得られる補正検出電圧Vq´(実線で示されたタイミングチャート)のタイミングチャートが示されている。
また、図13には、補正検出電圧Vq´のタイミングチャートの下方には、図6、図7、および図10と同様に、図中上から順に、整流ダイオード23に流れる電流Idのタイミングチャート、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生した電圧(抵抗61で降下した電圧)Vn2のタイミングチャート、比較器38の出力電圧のタイミングチャート、比較器41の出力電圧のタイミングチャート、タイマ111の出力電圧のタイミングチャート、AND回路112のタイミングチャートが示されている。
なお、図13の各タイミングチャートの軸は、図6、図7、および図10と同様とされている。
例えば、入力電圧のレベル低下や、出力電圧のレベルの上昇(過負荷)が発生した場合、図11の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、連続電流モードで動作することになる。
即ち、例えば、いま、入力電圧のレベル低下や、出力電力のレベルの上昇(過負荷)が発生している状態で、略時刻t21に、スイッチング素子22がターンオンしたとする。
このとき、図13で示されるように、インダクタンス素子N1の電流In1のレベル変化は上昇に転じ、上述したように、その時間変化率(微分値)は一定であるので、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1に発生する電圧とは極性が反転した一定レベル(基準電圧Vref2のレベルよりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。従って、略時刻t21に、比較器41の出力電圧のレベルは、「H」から「L」に変化する。
すると、タイマ111は、略時刻t21に、計時動作を開始させ、出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
略時刻t21以降、時間が経過するにつれ、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは、時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻t21に、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、それ以降、電流Iqのレベルも時間に比例して上昇していく。それに応じて、その電流Iqの検出電圧Vqのレベルも、時間に比例して上昇していく。
このとき、上述した図5の制御回路101の比較器38は、この検出電圧Vqのレベルそのものと乗算電圧Vmレベルとを比較している。従って、この場合、乗算電圧Vmのレベルが高くなればなるほど、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間も長くなっていき、図5の制御回路101の比較器38出力電圧のレベルが「L」から「H」に変化するまでの時間も長くなってしまう。即ち、スイッチング素子22のターンオン時間が長くなってしまう。
これに対して、図11の制御回路201においては、比較器38が乗算電圧Vmとレベルを比較する電圧は、補正回路211から出力される補正検出電圧Vq'である。この補正検出電圧Vq'のレベルは、上述したように、スイッチング素子22がターンオンしている間、検出電圧Vqのレベルに対して、時間に比例して増加するレベル(図12の例では、キャパシタ224に発生した電圧のレベル)が補正回路211により重畳されたレベルである。
従って、この場合、補正検出電圧Vq'のレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間は、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間よりも短くなる。ただし、補正回路211により検出電圧Vqに重畳される電圧のレベルは一定ではなく、図13の重畳レベルc1と重畳レベルc2とを比較すれば明らかなように、スイッチング素子22のオン状態の継続時間に比例して増加していく。その結果、乗算電圧Vmのレベルが多少変動したとしても、補正検出電圧Vq'のレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間はほぼ一定に保たれるのである。即ち、補正検出電圧Vq'のレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間とは、スイッチング素子22のターンオン時間とほぼ一致するので、スイッチング素子22のターンオン時間をほぼ一定に保つことが可能になるのである。
このようにして、補正検出電圧Vq'のレベルが乗算電圧Vmのレベルを超えると、例えば図13の例では、略時刻t22になると、図11の制御回路201の比較器38出力電圧のレベルが「L」から「H」に変化する。その結果、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22がターンオフする。
これにより、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルは低下していく。
図13の例では、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出している最中、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが低下している最中(略0まで低下する前に)の略時刻t23に、タイマ111は、設定時間Taの計時を終了してしまうので、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
このとき、図13で示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、基準電圧Vref2のレベルよりも高い一定レベルの電圧Vn2が発生しているので、比較器41は、その出力レベルを「H」に保ち続けている。
従って、略時刻t23に、AND回路112は、その出力電圧レベルを「H」から「L」に再度変化させる。即ち、略時刻t23に、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、インダクタンス素子N1の電流In1のレベルが略0まで低下していない状態で、即ち、インダクタンス素子N1の電流In1が流れている状態で、スイッチング素子22が再度ターンオンすることになる。
すると、略時刻t24に、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側の巻き線N1)の電流In1のレベル変化は、略0まで低下する前に上昇に転じ、変圧器21の2次側の巻き線N2の電圧Vn2の極性が反転し(電圧Vn2のレベルが基準電圧Vref2のレベルを下回り)、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化する。また、タイマ111は、このタイミングに(略時刻t24に)、計時動作を再度開始し始める。
それ以降、略時刻t21から略時刻t23までの動作が繰り返されることになる。即ち、略時刻t24から略時刻t25までの間、補正回路211は、検出回路15が検出した検出電圧Vqに対して、スイッチング素子22がターンオンしている時間に比例した電圧を重畳し続ける。そして、略時刻t25に、スイッチング素子22がターンオフし、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは低下し始めるが、その後、電流In1のレベルが略0まで低下する前の略時刻t26に、タイマ111は、設定時刻Taを計時し終わり、スイッチング素子22は再度ターンオンすることになる。
このように、補正回路211は、検出回路15が検出した検出電圧Vqに、スイッチング素子22のオン時間に比例した電圧を重畳することで、比較部38が比較する検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなるまでの時間を一定にすることで、比較部38がフリップフロップ回路39に出力する電圧のレベルを「L」から「H」に変化させるまでの時間を一定にすることができるので、スイッチング素子22のオン時間を一定にすることができる。
以上、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが有している課題、即ち、商用電源10の入力ラインに高周波電流成分が漏れ出してしまう課題を解決可能な手法として、図5のスイッチング素子22のオン状態の継続時間に基づいて、検出回路15の検出電圧Vqのレベルを補正し、補正されたレベルの電圧を比較器38に入力させる手法について説明した。
その後、この手法が適用される電源装置として、例えば図11に示される構成の昇圧チョッパ型力率改善コンバータについて説明した。
ところで、この手法の目的は、比較器38の出力電圧のレベルを「H」から「L」になってから、次に、「L」から「H」になるまでの時間をほぼ一定に保つことで、スイッチング素子22のターンオン時間をほぼ一定に保つことである。従って、この目的を達成できる手法であれば、この手法に限定されない。
例えば、本出願人は、この目的を達成できる他の手法として次のような手法もさらに発明した。即ち、本出願人がさらに発明した他の手法とは、図5のスイッチング素子22のオン状態の継続時間に基づいて、乗算部35の乗算電圧Vmのレベルを補正し、補正されたレベルの電圧を比較器38に入力させる手法である。より詳細には、スイッチング素子22がターンオンしている期間、検出回路15の検出電圧Vq(スイッチング素子22に流れる電流Iq対応する電圧Vq)のレベルを、スイッチング素子22のオン時間に比例して減少させていき、その結果得られるレベルの電圧を比較器38に入力させる手法である。そして、本出願人は、このような手法が適用される電源装置として、例えば図14に示される構成の昇圧チョッパ型力率改善コンバータをさらに発明した。
即ち、図14は、本発明が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータのさらに他の構成例を示しており、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータに対応する部分には、対応する符号が付してある。
図14において、商用電源10乃至直流変換回路14のそれぞれは、図5のそれらと基本的に同様の構成と機能を有することができる。従って、商用電源10乃至直流変換回路14の説明は省略する。
ただし、図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、本出願人が発明した上述した手法を適用するために、図5の制御回路105の代わりに、今度は、制御回路301が設けられている。
詳細には、制御回路301には、図5の制御回路101に対してさらに、補正器311が設けられている。換言すると、制御回路301には、図11の制御回路201に対して、補正回路211の代わりに補正器311が設けられている。
抵抗31乃至比較器41、タイマ111、およびAND回路112は、図5のそれらと基本的に同様の構成と機能を有することができる。従って、抵抗31乃至比較器41、タイマ111、およびAND回路112の説明は省略する。
補正器311の図中左側の端には、乗算器35が接続され、補正器311の図中上側の端には、比較器41とAND回路112との接続端に接続される。また、補正器311の図中右側の端は、比較器38の逆相入力(−)が接続されている。なお、以下、補正器311の図中左側の端と上側の端とを入力端と称し、図中右側の端を出力端と称する。
即ち、上述した図5の制御回路101においては、比較器38は、乗算器35からの乗算電圧Vmそのものと、検出回路15の検出電圧Vqとのレベルとを比較しており、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなると、その出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。すると、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22がターンオフする。
このような動作を行う昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、臨界電流モードから連続電流モードに移行した場合、上述したように電流In1のレベル変化は、略0まで低下する前にバイアスを持ったまま上昇に転じ、このときの電流In1のレベルの時間変化率(微分値)は一定であり、かつ、スイッチング周期はタイマ111の計時時間Taで固定される。従って、ターンオン時間開始時点における検出回路15の検出電圧Vqのバイアス量も異なり、その結果として、スイッチング素子22のターンオン時間がばらつくという上述した課題が発生してしまう。
これに対して、この図14の制御回路301においては、比較器38の逆相入力(−)には、乗算電圧35からの乗算電圧Vmそのものではなく、その乗算電圧Vmのレベルが補正器311により補正された電圧Vm´(以下補正乗算電圧Vm´と称する)が入力される。即ち、制御回路301の比較器38は、補正器311から出力される補正乗算電圧Vmと、検出回路15の検出電圧Vqとのレベルを比較している。
この補正器311から出力される補正乗算電圧Vm´とは、フリップフロップ回路39のセット状態またはリセット状態に応じて、乗算器35からの乗算電圧Vmに対して、スイッチング素子22のターンオンの継続時間(以下、ターンオン時間と称する)に比例したレベルの電圧を減少させた電圧である。
このように、補正器311が乗算電圧Vmから減少させる電圧のレベルが、スイッチング素子22のターンオン時間に比例して増加する。従って、例えば、電圧を減少させていない場合(図5の場合)にスイッチング素子22のターンオン時間が長くなるようなときには、補正器311が乗算電圧Vmから減少させる電圧のレベルは大きくなり、その結果、図14のスイッチング素子22のターンオン時間は、電圧を減少させていない場合(図5の場合)のスイッチング素子22のターンオン時間に比較して遥かに短くなる。また、電圧を減少させていない場合(図5の場合)にスイッチング素子22のターンオン時間が短くなるときには、補正器311が乗算器35からの乗算電圧Vmから減少させる電圧のレベルは、先の場合と比べて小さいため、図14のスイッチング素子22のターンオン時間は、電圧を減少させていない場合(図5の場合)のスイッチング素子22のターンオン時間と比べて、ほぼ同一の時間となる。
このように、図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、補正器311によって、いわゆる不帰還作用が働き、その結果、スイッチング素子22のターンオン時間もほぼ一定になるので、スイッチング素子22のターンオン時間のバラツキを補正することができる。即ち、図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータにおいては、補正器311によって、連続電流モードで動作する場合でも、スイッチング素子22のターンオン時間がほぼ一定に保持され、その結果、高周波成分を抑制することが可能になる。即ち、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが有する課題を解決することができる。従って、図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、フィルタ11とフィルタ13として、小型のフィルタを搭載することができるので、図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータと比較して、小型化することが可能となる。
なお、補正器311の回路構成は、上述したような、スイッチング素子22のターンオン時間に比例して、乗算電圧Vmのレベルを減少させる機能を有する回路であれば、何れの回路であってもよい。
次に図15を参照して、図14の構成を有する昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作について説明する。
図15には、図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータが、連続電流モードで動作する場合のタイミングチャートが示されている。
図15において、図6、図7、および図10と同様に、図中上から順に、スイッチング素子22のゲート−ソース間の電圧のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレイン−ソース間の電圧のタイミングチャート、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側巻き線N1)に流れる電流In1のタイミングチャート、スイッチング素子22のドレインからソースに流れる電流Iqのタイミングチャートが示されている。
また、図15には、電流Iqのタイミングチャートの下方に、補正器311から比較器38の逆相入力(−)に入力する補正乗算電圧Vm´のタイミングチャートが示されている。即ち、図15には、乗算器35からの乗算電圧Vm(点線で示されたタイミングチャート)に対して、補正器311がスイッチング素子22のオン状態の継続時間に比例してレベルが増加する電圧を減少させた結果得られる補正乗算電圧Vm´(実線で示されたタイミングチャート)のタイミングチャートが示されている。また、検出回路15の検出電圧Vqのタイミングチャート(点線で示されたタイミングチャート)も示されている。
さらに、図15には、補正乗算電圧Vm´のタイミングチャートの下方には、図6、図7、および図10と同様に、図中上から順に、整流ダイオード23に流れる電流Idのタイミングチャート、変圧器21の2次側の巻き線N2に発生した電圧(抵抗61で降下した電圧)Vn2のタイミングチャート、比較器38の出力電圧のタイミングチャート、比較器41の出力電圧のタイミングチャート、タイマ111の出力電圧のタイミングチャート、AND回路112のタイミングチャートが示されている。
なお、図15の各タイミングチャートの軸は、図6、図7、および図10と同様とされている。
例えば、入力電圧のレベル低下や、出力電圧のレベルの上昇(過負荷)が発生した場合、図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータは、連続電流モードで動作することになる。
即ち、例えば、いま、入力電圧のレベル低下や、出力電力のレベルの上昇(過負荷)が発生している状態で、略時刻t31に、スイッチング素子22がターンオンしたとする。
このとき、図15で示されるように、インダクタンス素子N1の電流In1のレベル変化は上昇に転じ、上述したように、その時間変化率(微分値)は一定であるので、変圧器21の2次側の巻き線N2には、1次側の巻き線N1に発生する電圧とは極性が反転した一定レベル(基準電圧Vref2のレベルよりも低いレベル)の電圧Vn2が発生する。従って、略時刻t31に、比較器41の出力電圧のレベルは、「H」から「L」に変化する。
すると、タイマ111は、略時刻t31に、計時動作を開始させ、出力電圧のレベルを「L」から「H」に変化させる。
略時刻t31以降、時間が経過するにつれ、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは、時間に比例して上昇していく。即ち、スイッチング素子22にも、略時刻t31に、電流In1と同様の電流Iqが流れ始め、それ以降、電流Iqのレベルも時間に比例して上昇していく。それに応じて、その電流Iqの検出電圧Vqのレベルも、時間に比例して上昇していく。また、乗算電圧Vmは、一定のレベルとなる。
このとき、上述した図5の制御回路101の比較器38は、検出電圧Vqのレベルと乗算電圧Vmのレベルそのものとを比較している。従って、この場合、乗算電圧Vmのレベルが高くなればなるほど、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間も長くなっていき、図5の制御回路の比較器38の出力電圧のレベルが「L」から「H」に変化するまでの時間も長くなってしまう。即ち、スイッチング素子22のターンオン時間が長くなってしまう。
これに対して、図14の制御回路301においては、比較器38が検出電圧Vqとレベルを比較する電圧は、補正器311から出力される補正乗算電圧Vm´である。この補正乗算電圧Vm´のレベルは、上述したように、スイッチング素子22がターンオンしている間、乗算電圧Vmのレベルに対して、時間に比例して増加するレベルが補正器311により減少したレベルである。
従って、この場合、検出電圧Vqのレベルが補正乗算電圧Vm´のレベルを超える時間は、検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルを超える時間よりも短くなる。ただし、補正器311により乗算電圧Vmから減少させる電圧のレベルは一定ではなく、図15の減少レベルd1と減少レベルd2を比較すれば明らかなように、スイッチング素子22のオン状態の継続時間に比例して増加していく。その結果、乗算電圧Vmのレベルが多少変動したとしても、検出電圧Vqのレベルが補正乗算電圧Vm´のレベルを超える時間はほぼ一定に保たれるのである。即ち、検出電圧Vqのレベルが補正乗算電圧Vm´のレベルを超える時間とは、スイッチング素子22のターンオン時間とほぼ一致するので、スイッチング素子22のターンオン時間をほぼ一定に保つことが可能となるのである。
このようにして、検出電圧Vqのレベルが補正乗算電圧Vm´のレベルを超えると、例えば、図15の例では、略時刻t32になると、図14の制御回路301の比較器38の出力電圧のレベルが「L」から「H」に変化する。その結果、フリップフロップ回路39の状態がリセット状態となり、上述したように、スイッチング素子22がターンオフする。
なお、図15においては、略時刻t32に、スイッチング素子22がターンオフしている。
これにより、インダクタンス素子N1に蓄積されたエネルギーが、整流ダイオード23を介して、キャパシタ24側に放出される。即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1は、整流ダイオード23に流れ込み(整流ダイオード23に電流Idが流れ)、エネルギーが放出されるに連れて、そのレベルは低下していく。
図15の例では、インダクタンス素子N1がエネルギーを放出している最中、即ち、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルが低下している最中(略0まで低下する前に)の略時刻t33に、タイマ111は、設定時間Taの計時を終了してしまうので、その出力電圧のレベルを「H」から「L」に変化させる。
このとき、図15で示されるように、変圧器21の2次側の巻き線N2には、基準電圧Vref2のレベルよりも高い一定レベルの電圧Vn2が発生しているので、比較器41は、その出力レベルを「H」に保ち続けている。
従って、略時刻t33に、AND回路112は、その出力電圧レベルを「H」から「L」に再度変化させる。即ち、略時刻t33に、AND回路112は、フリップフロップ回路39のセット信号を出力する。
これにより、インダクタンス素子N1の電流In1のレベルが略0まで低下していない状態で、即ち、インダクタンス素子N1の電流In1が流れている状態で、スイッチング素子22が再度ターンオンすることになる。
すると、略時刻t34に、インダクタンス素子N1(変圧器21の1次側の巻き線N1)の電流In1のレベル変化は、略0まで低下する前に上昇に転じ、変圧器21の2次側の巻き線N2の電圧Vn2の極性が反転し(電圧Vn2のレベルが基準電圧Vref2のレベルを下回り)、比較器41の出力電圧のレベルが「H」から「L」に変化する。また、タイマ111は、このタイミングに(略時刻t34に)、計時動作を再度開始し始める。
それ以降、略時刻t31から略時刻t33までの動作が繰り返されることになる。即ち、略時刻t34から略時刻t36までの間、補正器311は、乗算器35からの乗算電圧Vm´に対して、スイッチング素子22がターンオンしている時間に比例した電圧を減少させ続ける。略時刻t35に、スイッチング素子22がターンオフし、インダクタンス素子N1に流れる電流In1のレベルは低下し始めるが、その後、電流In1のレベルが略0まで低下する前の略時刻t36に、タイマ111は、設定時刻Taを計時し終わり、スイッチング素子22は再度ターンオンすることになる。
このように、補正器311は、乗算器35からの乗算電圧Vmに対して、スイッチング素子22のオン時間に比例した電圧を減少させることで、比較部38が比較する検出電圧Vqのレベルが乗算電圧Vmのレベルよりも高くなるまでの時間を一定にすることで、比較部38がフリップフロップ回路39に出力する電圧のレベルを「L」から「H」に変化させるまでの時間を一定にすることができるので、スイッチング素子22のオン時間を一定にすることができる。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
従来の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例を示す回路図である。 図1の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明するタイミングチャートである。 本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作のうちの、臨界電流モードを説明する図である。 本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作のうちの、連続電流モードを説明する図である。 本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例を示す回路図である。 図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作のうちの、臨界電流モードを説明するタイミングチャートである。 図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作のうちの、連続電流モードを説明するタイミングチャートである。 本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータのうちの、制御回路の他の構成例を示すブロック図である。 図8の制御回路のスイッチング制御の処理を説明するフローチャートである。 図5の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明するタイミングチャートである。 本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例を示す回路図である。 補正回路の詳細な構成例を示す回路図である。 図11の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明するタイミングチャートである。 本実施の形態が適用される昇圧チョッパ型力率改善コンバータの構成例を示す回路図である。 図14の昇圧チョッパ型力率改善コンバータの動作を説明するタイミングチャートである。
符号の説明
12 整流素子, 14 直流変換回路, 15,16 検出回路, 21 変圧器, 22 スイッチング素子, 23 整流ダイオード, 24 平滑キャパシタ, 101 制御回路, 111 タイマ, 112 AND回路, 201 制御回路, 211 補正回路, 301 制御回路, 311 補正器, Id,In1,Iq 電流, Sc 制御信号, N1 インダクタンス素子(変圧器21の1次側の巻き線), Vdin 脈流電圧, Vout 出力電圧, Vq,Vn2 検出電圧, Vref1,Vref2 基準電圧, Vc 誤差電圧, Vm 乗算電圧, Vd1,Vd2 分圧電圧

Claims (6)

  1. 入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、
    インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、前記スイッチング素子のスイッチング動作により、前記整流手段より出力される前記脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、
    前記インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、
    前記スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段と、
    前記スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、前記第1の電流検出手段により検出された前記第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、前記スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値となったとき、前記スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替え、前記スイッチング素子の状態がオン状態の場合、前記第2の電流検出手段により検出された前記第2の電流のレベルが、前記整流手段に入力される前記交流電圧と、前記直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、前記スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする電源装置。
  2. 前記制御手段は、前記スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替ると計時動作を開始し、前記スイッチング周期の前記上限値に対応する時間を計時すると計時動作を終了する計時手段を有し、
    前記スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、前記計時手段が計時動作を行っている間に、前記第1の電流検出手段により検出された前記第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、前記計時手段が計時動作を終了したとき、前記スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記スイッチング素子のオン状態の継続時間に基づいて、前記第2の電流検出手段により検出された前記第2の電流レベルを補正する補正手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記スイッチング素子の状態がオン状態の場合、前記補正手段により補正された前記第2の電流のレベルが前記所定のレベルを超えたとき、前記スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  4. 前記スイッチング素子のオン状態の継続時間に基づいて、前記制御手段により前記第2の電流のレベルと比較される前記所定のレベルを補正する補正手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記スイッチング素子の状態がオン状態の場合、前記第2の電流検出手段により検出された前記第2の電流のレベルが、前記補正手段により補正された前記所定のレベルを超えたとき、前記スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  5. 入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、
    インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、前記スイッチング素子のスイッチング動作により、前記整流手段より出力される前記脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、
    前記インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、
    前記スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段と
    を備える電源装置を制御する電源装置制御方法において、
    前記スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、前記第1の電流検出手段により検出された前記第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、前記スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値になったとき、前記スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えることを制御する第1の制御ステップと、
    前記第1の制御ステップの制御により前記スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられた場合、前記第2の電流検出手段により検出された前記第2の電流のレベルが、前記整流手段に入力される前記交流電圧と、前記直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、前記スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する第2の制御ステップと
    を含むことを特徴とする電源装置制御方法。
  6. 入力された交流電圧を整流し、整流した脈流電圧を出力する整流手段と、
    インダクタンス素子、スイッチング素子、整流素子、および、平滑用キャパシタを含み、前記スイッチング素子のスイッチング動作により、前記整流手段より出力される前記脈流電圧を、所定のレベルの直流電圧に変換する直流変換手段と、
    前記インダクタンス素子に流れる第1の電流のレベルを検出する第1の電流検出手段と、
    前記スイッチング素子に流れる第2の電流のレベルを検出する第2の電流検出手段と
    を備える電源装置を制御する処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記スイッチング素子の状態がオフ状態の場合、前記第1の電流検出手段により前記第1の電流のレベルが略0まで低下したとき、または、前記スイッチング素子のスイッチング周期が予め設定された上限値になったとき、前記スイッチング素子の状態をオフ状態からオン状態に切り替えることを制御する第1の制御ステップと、
    前記第1の制御ステップの制御により前記スイッチング素子の状態がオフ状態からオン状態に切り替えられた場合、前記第2の電流検出手段により検出された前記第2の電流のレベルが、前記整流手段に入力される前記交流電圧と、前記直流変換手段の出力電力とに応じて決定される所定のレベルを超えたとき、前記スイッチング素子の状態をオン状態からオフ状態に切り替えることを制御する第2の制御ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
JP2004165996A 2003-06-05 2004-06-03 電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム Withdrawn JP2005020994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004165996A JP2005020994A (ja) 2003-06-05 2004-06-03 電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003160787 2003-06-05
JP2004165996A JP2005020994A (ja) 2003-06-05 2004-06-03 電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005020994A true JP2005020994A (ja) 2005-01-20

Family

ID=34196778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004165996A Withdrawn JP2005020994A (ja) 2003-06-05 2004-06-03 電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005020994A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006304485A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Shindengen Electric Mfg Co Ltd スイッチング電源
WO2009001615A1 (ja) * 2007-05-29 2008-12-31 Nagasaki University, National University Corporation 予測制御システム
JP2010114993A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Fuji Electric Systems Co Ltd 力率改善回路の制御方式
WO2010061654A1 (ja) * 2008-11-25 2010-06-03 株式会社村田製作所 Pfcコンバータ
WO2010131496A1 (ja) * 2009-05-15 2010-11-18 株式会社村田製作所 Pfcコンバータ
JP2011510608A (ja) * 2008-01-25 2011-03-31 アクタリス エスアーエス 高周波送信機用のバッテリー電源
JP2013165598A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Panasonic Corp 電源装置および、これを用いた照明装置,照明器具
JP2014057515A (ja) * 2008-09-01 2014-03-27 Mitsubishi Electric Corp コンバータ回路、並びにそれを備えたモータ駆動制御装置、空気調和機、及び冷蔵庫
US8953348B2 (en) 2009-10-29 2015-02-10 Fuji Electric Co., Ltd. Switching power supply circuit and power factor controller
JP2017085865A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 三菱電機株式会社 力率補償装置、led照明装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006304485A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Shindengen Electric Mfg Co Ltd スイッチング電源
JP4575224B2 (ja) * 2005-04-20 2010-11-04 新電元工業株式会社 スイッチング電源
WO2009001615A1 (ja) * 2007-05-29 2008-12-31 Nagasaki University, National University Corporation 予測制御システム
JP5170467B2 (ja) * 2007-05-29 2013-03-27 国立大学法人 長崎大学 予測制御システム
KR101086894B1 (ko) 2007-05-29 2011-11-24 고쿠리츠다이가쿠호진 나가사키다이가쿠 예측 제어 시스템
JP2011510608A (ja) * 2008-01-25 2011-03-31 アクタリス エスアーエス 高周波送信機用のバッテリー電源
JP2014057515A (ja) * 2008-09-01 2014-03-27 Mitsubishi Electric Corp コンバータ回路、並びにそれを備えたモータ駆動制御装置、空気調和機、及び冷蔵庫
JP2010114993A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Fuji Electric Systems Co Ltd 力率改善回路の制御方式
JPWO2010061654A1 (ja) * 2008-11-25 2012-04-26 株式会社村田製作所 Pfcコンバータ
US8395366B2 (en) 2008-11-25 2013-03-12 Murata Manufacturing Co., Ltd. Power factor correction converter including input current detecting circuit
WO2010061654A1 (ja) * 2008-11-25 2010-06-03 株式会社村田製作所 Pfcコンバータ
US8232780B2 (en) 2009-05-15 2012-07-31 Murata Manufacturing Co., Ltd. Power factor correction converter
WO2010131496A1 (ja) * 2009-05-15 2010-11-18 株式会社村田製作所 Pfcコンバータ
JP5182375B2 (ja) * 2009-05-15 2013-04-17 株式会社村田製作所 Pfcコンバータ
US8953348B2 (en) 2009-10-29 2015-02-10 Fuji Electric Co., Ltd. Switching power supply circuit and power factor controller
JP2013165598A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Panasonic Corp 電源装置および、これを用いた照明装置,照明器具
JP2017085865A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 三菱電機株式会社 力率補償装置、led照明装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI782089B (zh) 在切換調節器中用於無縫模式轉變之方法、用於切換調節器之控制器及切換調節器電壓轉換器
JP6225602B2 (ja) スイッチング電源装置
US8026704B2 (en) System and method for controlling a converter
KR101677728B1 (ko) 역률 보상 회로 및 역률 보상 회로의 구동 방법
JP6255577B2 (ja) 直流電源回路
US8488346B2 (en) Power conversion apparatus and method
EP3373432B1 (en) Dc-dc converter
JP6073077B2 (ja) スイッチング電源及びスイッチング電源を備えた電子機器
JPH1189222A (ja) 電圧変換回路
CN104756384A (zh) 开关稳压器及其控制方法
JP2014239620A (ja) スイッチング電源装置、スイッチング電源制御方法および電子機器
US9819895B2 (en) Switching power supply device
JP5955294B2 (ja) スイッチング電源装置
KR20170080518A (ko) 역률 보상 회로 및 역률 보상 회로의 구동 방법
JP4806455B2 (ja) スイッチング電源およびスイッチング方法
US20120092909A1 (en) Power conversion apparatus
JP2005020994A (ja) 電源装置、電源装置制御方法、および、プログラム
KR20190043268A (ko) 직류-직류 컨버터
US20180375422A1 (en) Power supply device
JP2012125090A (ja) スイッチング電源およびそれを搭載した表示装置
US11101730B2 (en) Drive signal generating circuit and power supply circuit
JP7075829B2 (ja) 電源装置
US11764667B2 (en) Switching control circuit and power factor correction circuit
JP2015039261A (ja) 半導体装置及びスイッチング電源装置
JP4196297B2 (ja) 電源装置および制御方法、並びにプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807