JP2005019930A - 感光性材料の積層構造および微細パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下層感光性材料の表面に、該下層感光性材料の露光波長の光に対して透過性が良いパターンを、該パターンを通った光の位相が該パターンが存在しない部分を通った光と大略反転するような膜厚で位相シフタとして形成し、その上から露光光線を照射して下層感光性材料を露光する。位相シフタは、下層感光性材料上に上層感光性材料を付すか、中間層非感光性材料と上層感光性材料を付して形成する。位相シフタの輪郭位置でだけ下層感光性材料に照射される光の強度が低くなるため、微細パターンを形成することができ、位相シフタの両側にパターンができるのでパターン密度を倍加することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路や光素子などを構成する微細パターン形状をシリコンウエハなどの被露光基板上に付したレジストなどの感光性材料に形成するために用いるリソグラフィ技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路や光素子などの微細パターンを製作する際には、シリコンウエハなどの被露光基板上にレジストなどの感光性材料を付し、投影露光、密着露光、近接露光、直接描画などの方法により光、X線、電子線、イオンビームなどを所定の形状に照射して前記感光性材料を露光し、露光後に現像を施すことによりポジ形感光性材料の感光部またはネガ形材料の未感光部を除去するリソグラフィと呼ばれる方法が用いられている。
【0003】
工業的に量産に使われている代表的な露光方法は投影露光という方法であり、レチクルなどの原図基板を用意し、該原図基板上のパターンを投影レンズなどの投影光学系を介して被露光基板上に付した感光性材料に投影露光転写する。
【0004】
密着露光や近接露光は、投影露光技術が開発される以前に使われていた代表的な露光技術である。現在も一部で使われているが、投影光学系によって縮小転写ができる投影露光と異なり等倍転写であるため、被露光基板上に付した感光性材料に転写すべきパターンと同じ微細度のパターンを持つ原図基板が必要であり、縮小投影用のパターン寸法の大きい原図基板に比して製作が困難で高価となる。また、該原図基板と感光性材料を付した被露光基板が接触して感光性材料が原図基板に転移し、露光時に欠陥となることが多い。
【0005】
直接描画は、原図基板を用いず、被露光基板上に付した感光性材料を整形した光、電子線、イオンなどのビームで走査露光し、該感光性材料を任意のパターン形状に露光する方法である。原図基板を用いる上記の他の方法と比べると露光に要する時間が長くなる欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
半導体集積回路や光素子などを微細化するためには、上記の各種露光と現像の組み合わせによるリソグラフィにより今迄以上に微細なパターンを今迄以上に高密度で形成することが必要である。
【0007】
しかしながら、露光に用いられる前記した広義の光が波動性を有し、回折による解像限界があるため、従来の方法では微細化に限界が来ている。とくに、微細パターンの配置間隔を狭めること、すなわちパターン密度を上げることは従来の技術ではできず、新しい方策を必要とする。
【0008】
このような状況下で、広義の露光光線の明暗分布が悪くても、すなわち光強度のコントラストが低くてもパターンを形成できるようにすることにより、わずかでもパターンの配置間隔を狭める方法として多層レジストを用いるリソグラフィ技術が、たとえば応用物理学会編「超微細加工技術」(オーム社、平成9年2月25日発行)の69ページ、図2.47に開示されているように、各種考えられている。
【0009】
これらの従来の多層レジストを用いるリソグラフィ技術においては、表面に配置されるレジストやシリル化材料などの上層感光性材料の膜厚を薄くし、広義の露光光線の明暗分布が悪くても、すなわち光強度のコントラストが低くても感光部と未感光部が分かれ易くし、より微細で高密度のパターンを形成できるようにする。
【0010】
そして、2層レジストの場合には、該上層感光性材料のパターンをエッチングマスクとして下層材料をエッチングし、3層レジストの場合には、該上層感光性材料のパターンをエッチングマスクとして中間層材料をエッチングし、該中間層材料をエッチングして得られるパターンをエッチングマスクとして下層材料をエッチングして、最終的に下層材料のパターンを得る。中間層材料自体を2層以上の膜で構成する場合もある。
【0011】
しかしながら、上記の従来の多層レジストを用いるリソグラフィ技術は、上層感光性材料の膜厚を薄くしてパターンを作り易くし、該上層感光性材料のパターンを基に下層材料をエッチングして該下層材料のパターンを得ることにより微細化と高密度化を図る技術であり、基本的に上層感光性材料のパターンと大差ない寸法のパターンしか形成できず、かつ、上層感光性材料のパターンと同じ配置密度のパターンしか形成できない。
【0012】
これに対し、本発明は、上層感光性材料のパターンの線幅よりはるかに微細な線幅のパターンを、該上層感光性材料のパターンの配置密度に対し、その倍密度で形成できる新しい方策を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するため、本発明の感光性材料の積層構造においては、露光波長λの下層感光性材料の表面に、露光雰囲気の屈折率をn0、Nを0または正の整数とする時、該露光波長の光に対する屈折率がn1で前記の露光波長λの光に対して透過性の良い上層感光性材料を大略t=(2N+1)λ/2(n1−n0)の膜厚で積層した構造とする。
【0014】
また、下層感光性材料の表面に、該下層感光性材料の露光光線に対して透過性の良い中間層非感光性材料を、前記中間層非感光性材料を該露光波長の光が透過する際に該中間層非感光性材料がない部分を通過する光と大略位相が反転する膜厚で付し、該中間層非感光性材料の上に前記下層感光性材料と感光波長の異なる上層感光性材料を付して積層した構造とする。
【0015】
中間層非感光性材料を単一の材料とする場合には、露光波長λの下層感光性材料の表面に、露光雰囲気の屈折率をn0、Nを0または正の整数とする時、該露光波長λの光に対する屈折率がn2で透過性の良い中間層非感光性材料を大略t=(2N+1)λ/2(n2−n0)の膜厚で付し、該中間層非感光性材料の上に上層感光性材料を積層する。
【0016】
一方、本発明の微細パターン形成方法においては、露光波長λの下層感光性材料の表面に付した、露光雰囲気の屈折率をn0、Nを0または正の整数とする時、該露光波長λの光に対する屈折率がn1で透過性の良い膜厚が大略t=(2N+1)λ/2(n1−n0)の上層感光性材料のパターンを透過位相シフタとして前記下層感光性材料を露光し、前記上層感光性材料のパターンの輪郭位置に下層感光性材料の微細パターンを形成する。
【0017】
また、下層感光性材料の表面に、該下層感光性材料の露光波長の光に対して透過性の良い中間層非感光性材料を、前記中間層非感光性材料を該露光波長の光が透過する際に該中間層非感光性材料がない部分を通過する光と大略位相が反転する膜厚で付し、該中間層非感光性材料の上に前記下層感光性材料と感光波長の異なる上層感光性材料を付した感光性材料の積層構造を用い、前記上層感光性材料を露光・現像して得た該上層感光性材料のパターンをマスキング材として中間層非感光性材料をエッチングして中間層非感光性材料のパターンを形成する工程と、該中間層非感光性材料のパターンを透過位相シフタとして前記下層感光性材料を露光して前記中間層非感光性材料のパターンの輪郭位置に下層感光性材料の微細パターンを形成する工程とを有するようにする。
【0018】
中間層非感光性材料を単一の材料とする場合には、下層感光性材料の表面に、下層感光性材料の露光波長をλ、屈折率がn2、露光雰囲気の屈折率をn0、Nを0または正の整数とする時、該中間層非感光性材料を大略t=(2N+1)λ/2(n2−n0)の膜厚で付し、該中間層非感光性材料の上に上層感光性材料を積層した感光性材料の積層構造を用い、該上層感光性材料のパターンをマスキング材料として前記中間層非感光性材料のパターンを形成する工程と、該中間層非感光性材料のパターンを透過位相シフタとして前記下層感光性材料を露光して該中間層非感光性材料のパターンの輪郭位置に下層感光性材料の微細パターンを形成する工程とを有するようにする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の感光性材料の積層構造および微細パターン形成方法の実施形態を説明する図であり、図(a)が本発明の感光性材料の積層構造、図全体が本発明の微細パターン形成方法の工程である。
【0020】
まず、図(a)に示すように、半導体ウエハなどの基板1上にレジストなどの感光性材料を2層に重ねて付す。2が下層感光性材料、3が上層感光性材料であり、それぞれの膜の付加方法は、スピンコート、電着、スパッタ、蒸着など任意の方法でよい。下層感光性材料2、上層感光性材料3ともポジ型、ネガ型のいずれでもよい。
【0021】
ここで、上層感光性材料3は下層感光性材料2を感光させるのに使用する広義の露光光線に対し透過率の良い材料とする。広義の露光光線とは、可視光、紫外光、遠紫外光、真空紫外光、X線、電子線、イオンビームなど、従来リソグラフィに使用されている任意の露光光線である。また、下層感光性材料2は、上層感光性材料3が感光する広義の露光光線に対してほとんど感光しない材料とする。
【0022】
さらに、上層感光性材料3は、その厚さを、下層感光性材料2の露光に用いる光線が上層感光性材料3を通過する時、上層感光性材料3のない部分を通過する光と位相が概ね反転する厚さとする。
【0023】
下層感光性材料2を露光するのに用いる光線に対する上層感光性材料3の屈折率をn1、露光雰囲気の屈折率をn0、上層感光性材料3の膜厚をtとすれば、上層感光性材料3を通過する光と上層感光性材料3がない部分を通過する光との光路長の差はL=(n1−n0)tとなる。位相を反転するには、露光光線の露光雰囲気中での波長をλとする時、L=(2N+1)λ/2とすればよい。ここでNは0または正の整数である。したがって、上層感光性材料3の膜厚を大略t=(2N+1)λ/2(n1−n0)とすれば、位相を反転できる。
【0024】
下層感光性材料2と上層感光性材料3とを2層に重ねて付すため、混合しない材料どうしを組み合わせることが好ましいが、下層感光性材料2と上層感光性材料3の間に、下層感光性材料2や上層感光性材料3の露光や現像に支障をきたさない範囲で、任意の薄い膜を介在させて混合しないようにしても良い。
【0025】
また、基板1と下層感光性材料2との間に反射防止膜を付しても良く、下層感光性材料2と上層感光性材料3の間および/または上層感光性材料3の上に、反射防止膜やコントラスト増加膜を付しても良い。
【0026】
次に、図(b)に示すように、上層感光性材料3が感光し、下層感光性材料2がほとんど感光しない露光光線4を使用して上層感光性材料3を露光する。図は露光光線4をパターン形状に即して上層感光性材料3に照射することを意図して描いてある。露光方法は任意であり、前記した投影露光、密着露光、近接露光、直接描画など任意の方法でよい。
【0027】
そして、図(c)に示すように、現像して上層感光性材料3のパターン3aを形成する。図(c)は上層感光性材料3が現像により感光部が溶けるポジ型の感光性材料であるとして描いてある。上層感光性材料3の種類により、必要ならば、現像の前にベークを行う。
【0028】
現像時に上層感光性材料3が膜厚を減じ、上層感光性材料3のパターン3aの膜厚が上層感光性材料3の初期膜厚より小さくなる場合には、現像後に上層感光性材料3のパターン3aの膜厚が前記の(n1−n0)t=(2N+1)λ/2を満たすtとなるようにする。
【0029】
この後、図(d)に示すように、下層感光性材料2が感光する露光光線5を露光領域全域に照射する。光線は露光領域全域に一斉に照射してもよく、照射光束を走査して露光領域を順次照射するようにしてもよい。
【0030】
この時、上層感光性材料3は下層感光性材料2を感光させるのに使用する広義の露光光線に対し透過率の良い材料としてあり、かつ、上層感光性材料3は露光光線が通過する間に位相を概ね反転する厚さとしてあるため、上層感光性材料3のパターン3aは下層感光性材料2の露光光線5に対して位相シフタとして働き、パターン3aを透過する下層感光性材料2の露光光線は該パターン3aのない部分を通過した光線に対して位相が概ね反転する。
【0031】
この結果、パターン3aの輪郭位置においては、位相が逆の光波同士が干渉し合い、図(e)に示すように、光強度が低くなる。
【0032】
パターン3aの内側で該パターン3aの輪郭から離れた部分を透過した光の強度は、下層感光性材料2が感光する露光光線5に対する上層感光性材料3の透過率に応じて、パターン4の無い部分の光強度より小さくなるが、上層感光性材料3を該透過率の良い材料としてあるので、パターン3aの輪郭位置の光強度よりは十分に大きくなる。
【0033】
この結果、下層感光性材料2の露光量を、パターン3a内の輪郭から離れた部分で下層感光性材料2が感光し、パターン3aの輪郭位置では下層感光性材料2が感光しない露光量に設定すれば、パターン3aの輪郭位置の下層感光性材料2のみを未感光部とすることができる。
【0034】
次に、図(f)に示すように、上層感光性材料3が感光し、下層感光性材料2がほとんど感光しない露光光線4を再び使用し、上層感光性材料3のパターン3aを露光する。
【0035】
現像して図(g)に示すように上層感光性材料3のパターン3aを除去した後、下層感光性材料2に現像処理を施せば、図(h)に示すように、下層感光性材料2のパターン2aを形成することができる。下層感光性材料2の種類により、必要ならば、現像の前にベークを行う。
【0036】
下層感光性材料2の現像に先立って上層感光性材料3のパターン3aを除去するには、該上層感光性材料3がポジ型の場合には、上記のように露光・現像を行えばよい。また、上層感光性材料3がネガ型の場合には、下層感光性材料2との間で選択比のとれるドライエッチングを行うか、上層感光性材料3だけが溶ける薬剤に浸漬すればよい。
【0037】
図(h)は下層感光性材料2が現像により感光部が溶けるポジ型の感光性材料であるとして描いてある。現像を行うと、上層感光性材料3のパターン3aの輪郭位置で未感光部となっている下層感光性材料2だけが残り、微細ライン状のパターン2aが形成される。
【0038】
また、下層感光性材料2がネガ型の場合は、現像を行うと上層感光性材料3のパターン3aの輪郭位置で未感光部となっている下層感光性材料2のみが溶け、微細スペース状のパターンが形成される。
【0039】
下層感光性材料2に形成されるパターン2aは、上層感光性材料3のパターン3aの輪郭位置すなわちパターン3aの両側にできる。したがって、たとえば、上層感光性材料3のパターン3aがライン状またはスペース状であれば、1本のパターンに対し、パターン幅の間隔で2本の下層感光性材料2のパターン2aが両端のつながった形で形成される。
【0040】
すなわち、下層感光性材料2のパターン2aの配置密度は上層感光性材料3のパターン3aの倍密度となる。
【0041】
なお、下層感光性材料2が感光する露光光線に対しても感光するポジ型の上層感光性材料3を使用すれば、図(d)の工程で下層感光性材料2用の露光光線を露光領域全域に照射する際に、上層感光性材料3のパターン3aも同時に感光する。したがって、図(f)の露光工程を設けなくてもそのまま現像すれば図(g)の状態となる。
【0042】
下層感光性材料2が感光する露光光線に対しても感光し、現像液も下層感光性材料2と共通なポジ型の上層感光性材料3を使用すれば、図(d)の工程で下層感光性材料2用の露光光線を露光領域全域に照射した後、上層感光性材料3のパターン3aを予め除去する工程を設けなくても、該共通の現像液を用いてそのまま現像すれば、図(h)の状態となり、微細ライン状のパターン2aまたは微細スペース状のパターンが形成される。
【0043】
図2は本発明の微細パターン形成方法の別の実施形態を説明する図であり、図(a)が本発明の感光性材料の積層構造、図全体が本発明の微細パターン形成方法の工程である。
【0044】
まず、図(a)に示すように、半導体ウエハなどの基板11上にレジストなどの下層感光性材料12を付し、その上にアモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコンガラス、酸化シリコンなどの中間層非感光性材料13を付し、さらにその上にレジストなどの上層感光性材料14を重ねて付す。それぞれの膜の付加方法は、スピンコート、電着、スパッタ、蒸着など任意の方法でよい。下層感光性材料12と上層感光性材料14はポジ型、ネガ型のいずれでもよい。
【0045】
ここで、中間層非感光性材料13は下層感光性材料12を感光させるのに使用する広義の露光光線に対し透過率の良い材料とする。広義の露光光線とは、可視光、紫外光、遠紫外光、真空紫外光、X線、電子線、イオンビームなど、従来リソグラフィに使用されている任意の露光光線である。
【0046】
さらに、中間層非感光性材料13は、その厚さを、下層感光性材料12の露光に用いる光線が該中間層非感光性材料13を通過する時、中間層非感光性材料13を通過しない光線に対して位相を概ね反転する厚さとする。
【0047】
中間層非感光性材料13を単一の材料とする場合には、下層感光性材料12を露光するのに用いる光線に対する中間層非感光性材料13の屈折率をn2、露光雰囲気の屈折率をn0、中間層非感光性材料13の膜厚をtとすれば、中間層非感光性材料13を通過する光と中間層非感光性材料13がない部分を通過する光との光路長の差はL=(n2−n0)tとなる。位相を反転するには、露光光線の露光雰囲気中での波長をλとする時、L=(2N+1)λ/2とすればよい。ここでNは0または正の整数である。したがって、中間層非感光性材料13の膜厚を大略t=(2N+1)λ/2(n2−n0)とすれば、位相を反転できる。
【0048】
中間層非感光性材料13を多層に形成した2つ以上の材料としても良く、その場合には、2つ以上の材料での合計の光路長差をLとして、L=(2N+1)λ/2とすればよい。
【0049】
また、基板11と下層感光性材料12との間や中間層非感光性材料13と上層感光性材料14との間に反射防止膜を付しても良く、上層感光性材料14の上に、反射防止膜やコントラスト増加膜を付しても良い。
【0050】
次に、図(b)に示すように、上層感光性材料14が感光する露光光線15を使用して上層感光性材料14を露光する。露光方法は任意であり、前記した投影露光、密着露光、近接露光、直接描画など任意の方法でよい。
【0051】
中間層非感光性材料13として上層感光性材料14の露光光線15がほとんど透過しない材料を用いれば下層感光性材料12は感光しない。
【0052】
また、中間層非感光性材料13が上層感光性材料14の露光光線15を透過し、下層感光性材料12に到達して該下層感光性材料12を感光させてしまうおそれがある場合には、下層感光性材料12は、上層感光性材料14が感光する広義の露光光線に対してほとんど感光しない材料を用いる。
【0053】
そして、図(c)に示すように、現像して上層感光性材料14のパターン14aを形成する。図(c)は上層感光性材料14aが現像により感光部が溶けるポジ型の感光性材料であるとして描いてある。上層感光性材料14の種類により、必要ならば、現像の前にベークを行う。
【0054】
次に、形成した上層感光性材料14のパターン14aをエッチングマスクとして中間層非感光性材料13をエッチングし、図(d)に示すように中間層非感光性材料13のパターン13aを形成する。
【0055】
エッチング後、上層感光性材料14のパターン14aを除去し、図(e)に示すように、下層感光性材料12上に中間層非感光性材料13のパターン13aが形成されている状態にする。上層感光性材料14のパターン14aを除去するには、酸素プラズマアッシングなどを行えばよい。
【0056】
この後、図(f)に示すように、下層感光性材料12が感光する露光光線16を露光領域全域に照射する。露光光線16は露光領域全域に一斉に照射してもよく、照射光束を走査して露光領域を順次照射するようにしてもよい。
【0057】
この時、中間層非感光性材料13は下層感光性材料12を感光させるのに使用する広義の露光光線16に対し透過率の良い材料としてあり、かつ、露光光線16が通過する間に位相を概ね反転する厚さとしてあるため、中間層非感光性材料13のパターン13aは下層感光性材料12の露光光線16に対して透過型位相シフタとして働き、中間層非感光性材料13のパターン13aを透過する下層感光性材料12の露光光線16は該パターン13aのない部分を通過した光線に対して位相が概ね反転する。
【0058】
この結果、中間層非感光性材料13のパターン13aの輪郭位置においては、位相が逆の光波同士が干渉し合い、図(g)に示すように、光強度が低くなる。
【0059】
パターン13aの内側で該パターン13aの輪郭から離れた部分を透過した光の強度は、下層感光性材料12が感光する露光光線に対する中間層非感光性材料13の透過率に応じて、パターン13aの無い部分の光強度より小さくなるが、中間層非感光性材料13は該透過率の良い材料としてあるので、パターン13aの輪郭位置の光強度よりは十分に大きくなる。
【0060】
この結果、下層感光性材料12の露光量を、パターン13a内の輪郭から離れた部分で下層感光性材料12が感光し、パターン13aの輪郭位置では下層感光性材料12が感光しない露光量に設定すれば、パターン13aの輪郭位置の下層感光性材料12のみを未感光部とすることができる。
【0061】
したがって、図(h)に示すように中間層非感光性材料13のパターン13aを除去してから下層感光性材料12に現像処理を施せば、図(i)に示すように、パターン13aの輪郭位置であった場所に下層感光性材料12のパターン12aを形成することができる。
【0062】
下層感光性材料12の現像に先立って中間層非感光性材料13のパターン13aを除去するには、下層感光性材料12との間で選択比のとれるドライエッチングを行うか、中間層非感光性材料13のパターン13aだけが溶ける薬剤中に浸漬すればよい。
【0063】
図(i)は下層感光性材料12が現像により感光部が溶けるポジ型の感光性材料であるとして描いてあり、上層感光性材料14のパターン14aの輪郭位置で未感光部となっている下層感光性材料12が残り、微細ライン状のパターン12aが形成される。
【0064】
また、下層感光性材料12がネガ型の場合は、現像を行うと上層感光性材料14のパターン14aの輪郭位置で未感光部となっている下層感光性材料12のみが溶け、微細スペース状のパターンが形成される。
【0065】
下層感光性材料12に形成されるパターン12aは、中間層非感光性材料13のパターン13aすなわち上層感光性材料14のパターン14aの輪郭位置すなわちパターンの両側の端にできる。したがって、たとえば、上層感光性材料14のパターン14aがライン状またはスペース状であれば、1本のパターンに対し、パターン幅の間隔で2本の下層感光性材料12のパターン12aが両端のつながった形で形成される。
【0066】
すなわち、下層感光性材料12のパターン12aの配置密度は上層感光性材料14のパターン14aの倍密度となる。
【0067】
【実施例】
次に、本発明の微細パターン形成方法の具体的な実施例について説明する。最初に示す実施例は、図1に示した実施形態の実施例であり、基板1としてシリコンウエハ、下層感光性材料2に波長193nmのArFエキシマレーザリソグラフィ用または波長248nmのKrFエキシマレーザリソグラフィ用または波長190〜270nmの遠紫外線用のポジ型レジスト、上層感光性材料3に波長365nmのi線用、405nmのh線用、436nmのg線用または波長300〜500nmの紫外線〜短波長可視光用のポジ型レジストを用いる。
【0068】
シリコンウエハには反射防止膜を塗布してから下層感光性材料2として用いるレジストを塗布することが好ましい。
【0069】
下層感光性材料2として用いるレジストおよび上層感光性材料3として用いるレジストには異なる溶媒を用いたレジストを用い、重ねて塗布しても混合しないようにする。
【0070】
下層感光性材料2として用いるレジストおよび上層感光性材料3として用いるレジストとも、必要に応じて塗布後にプリベークを行う。
【0071】
上層感光性材料3のパターン3aの形成には、たとえば縮小投影露光装置を用いて上層感光性材料3とするレジストを露光し現像する。レジストに応じて必要ならば、露光後ベークを施してから現像する。
【0072】
上層感光性材料3のパターン3aの屈折率をn1、露光雰囲気の屈折率をn0、下層感光性材料2として用いるレジストを露光するのに用いる光線の波長をλとする時、上層感光性材料3のパターン3aの膜厚tが、ほぼt=λ/2(n1−n0)となるようにすれば、下層感光性材料2として用いるレジスト露光用の光線が上層感光性材料3のパターン3aを通過する時、該パターン3aのない部分を通過する光と位相が概略反転する。
【0073】
この結果、前記上層感光性材料3のパターン3aの輪郭位置においては、位相が逆の光波同士が干渉し合い光強度が低くなる。
【0074】
したがって、前記上層感光性材料3のパターン3aが下層感光性材料2として用いるレジスト上に形成された上から、下層感光性材料2として用いるレジストの露光光線を照射すれば、上層感光性材料3のパターン3aの輪郭位置以外の下層感光性材料2として用いるレジストを感光させることができる。
【0075】
現像を施せば、未感光部に上層感光性材料3のパターン3aの倍密度で下層感光性材料2として用いるレジストの微細パターン2aが形成される。
【0076】
一例として下層感光性材料2として用いるレジストをJSR株式会社製のポジ型レジストKRF−M6Gで膜厚約0.4μm、上層感光性材料3として用いるレジストを東京応化工業株式会社製のポジ型レジストTHMRiP3300で膜厚約0.2μmとし、上層感光性材料3として用いるレジストの露光に中心波長480nmの自作した短波長可視光投影露光装置、下層感光性材料2として用いるレジストの露光に低圧水銀ランプの波長254nmの輝線を用いた場合の実験結果を示す。
【0077】
上記のレジストと露光光線を組み合わせた場合、下層感光性材料2として用いるレジストは上層感光性材料3として用いるレジストの露光光線に対してほとんど感光しない。
【0078】
上層感光性材料3として用いるレジストは、上記の厚さの場合、下層感光性材料2として用いるレジストの露光光線に対する強度透過率が約85%であり、かつ、上層感光性材料3として用いるレジストを透過する露光光線により下層感光性材料2として用いるレジストを感光させると、上層感光性材料3として用いるレジストも感光する。
【0079】
上層感光性材料3として用いるレジストの約0.2μmという膜厚は、下層感光性材料2として用いるレジスト露光用の光線が上層感光性材料3として用いるレジストを通過する時、該上層感光性材料3として用いるレジストのない部分を通過する光と位相が大略反転する厚さである。
【0080】
位相を反転するには、t=(2N+1)λ/2(n1−n0)とすればよく、λ=254nm、N=0、n1=1.80、n0=1.00とすれば、位相を反転するのに好適な上層感光性材料3として用いるレジストの膜厚tはt=221nmとなる。
【0081】
上層感光性材料3として用いる前記レジストによりピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンを形成した。露光後ベークを行い、現像にはTMAH(テトラアンモニウムハイドロオキサイド)2.38%のアルカリ現像液(東京応化工業株式会社製NMD−W)を用いた。
【0082】
そして、該ピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンが形成された状態で下層感光性材料2として用いるレジスト露光用の低圧水銀ランプからの光線を露光領域全域に一斉に照射した。
【0083】
上層感光性材料3として用いた前記レジストは下層感光性材料2として用いるレジストの露光光線に対しても感光するため、前記の下層感光性材料2として用いるレジスト露光用の光線を露光領域全域に照射する際に、前記上層感光性材料3として用いる前記レジストにより形成した該ピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンも同時に露光されて感光する。
【0084】
露光後ベークの後、表面に前記該ピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンが形成された下層感光性材料2として用いたレジストをTMAH(テトラアンモニウムハイドロオキサイド)2.38%のアルカリ現像液(東京応化工業株式会社製NMD−W)により現像した。
【0085】
感光した上層感光性材料3として用いたレジストにより形成した前記ピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンは溶け去り、該ラインアンドスペースパターンの輪郭位置すなわち未感光部となった場所に該ピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンの倍密度で下層感光性材料2として用いたレジストの微細ラインアンドスペースパターンが形成された。
【0086】
図3は本発明の微細パターン形成方法の実施例を示す顕微鏡写真である。図(a)が上記に説明した前記上層感光性材料3として用いたポジ型レジストTHMRiP3300により形成したピッチ1.33μmのラインアンドスペースパターンであり、図(b)が最終的に形成された下層感光性材料2として用いたポジ型レジストKRF−M6Gの微細ラインアンドスペースパターンである。図(a)では21、図(b)では22がレジストのパターンであり、レジストのパターン22の線幅は約0.13μmである。
【0087】
次に、図2に示した下層感光性材料、中間層非感光性材料、上層感光性材料を重ねて付して微細パターンを形成する方法の実施例について説明する。
【0088】
基板11としてシリコンウエハ、下層感光性材料12に波長248nmのKrFエキシマレーザリソグラフィ用のポジ型レジスト、中間層非感光性材料13に膜厚約248nmの酸化シリコン膜、上層感光性材料14に波長193nmのArFエキシマレーザリソグラフィ用のポジ型レジストを用いる。
【0089】
シリコンウエハには反射防止膜を塗布してから下層感光性材料12として用いるレジストを塗布することが好ましい。
【0090】
中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜の厚さは、下層感光性材料12として用いるレジストを感光させるのに使用する波長248nmのKrFエキシマレーザ光が該酸化シリコン膜を通過する間に該酸化シリコン膜がない部分を通過した光線と位相が概ね反転する厚さとする。
【0091】
中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜の屈折率をn2、露光雰囲気の屈折率をn0、下層感光性材料12として用いるレジストを露光するのに用いる光線の波長をλとする時、中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜の膜厚tが、ほぼt=λ/2(n2−n0)となるようにすれば、下層感光性材料2として用いるレジスト露光用の光線が該酸化シリコン膜を通過する時、該酸化シリコン膜のない部分を通過する光と位相が概略反転する。
【0092】
λ=248nm、N=0、n2=1.50、n0=1.00とすれば、位相を反転するのに好適な中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜の膜厚tはt=248nmとなる。
【0093】
下層感光性材料12として用いるレジストおよび上層感光性材料14として用いるレジストとも、必要に応じて塗布後にプリベークを行う。
【0094】
中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜はスパッタ、スピンコートなど任意の方法で付せばよい。スピンコートの場合はベークを加える。
【0095】
まず、上層感光性材料14のパターン14aを形成する。たとえばArFエキシマレーザを光源とする縮小投影露光装置を用いてレチクル上のパターンを上層感光性材料14とするレジスト上に投影露光して現像する。レジストに応じて必要ならば、露光後ベークを施してから現像する。
【0096】
上層感光性材料14のパターン14aを形成する際、露光光線15の一部が上層感光性材料14とするレジストおよび中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜を透過して下層感光性材料12として用いるレジストに到達するが、ArFエキシマレーザリソグラフィ用のポジ型レジストは露光光線15の透過率が低く上層感光性材料14を透過する比率が少ないため、下層感光性材料12として用いるレジストを感光させることはない。
【0097】
次に、形成した上層感光性材料14として用いたArFエキシマレーザリソグラフィ用レジストのパターン14aをエッチングマスクとして、中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜をエッチングし、中間層非感光性材料13のパターン13aを形成する。
【0098】
エッチング後、上層感光性材料14として用いたレジストのパターン14aを除去し、下層感光性材料12として用いるレジスト上に中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜のパターン13aが形成されている状態にする。
【0099】
この後、中間層非感光性材料13として用いる酸化シリコン膜のパターン16が形成されている上から下層感光性材料12が感光する露光光線16として波長248nmのKrFエキシマレーザ光を露光領域全域に照射する。
【0100】
この時、中間層非感光性材料13して用いる酸化シリコン膜のパターン13aは下層感光性材料12の露光光線に対して位相シフタとして働き、パターン13aを透過する下層感光性材料12の露光光線は該パターン13aのない部分を通過した光線に対して位相が概ね反転する。
【0101】
この結果、前記中間層非感光性材料13して用いる酸化シリコン膜のパターン13aの輪郭位置では、位相が逆の光波同士が干渉し合い光強度が低くなる。そして、該パターン13aの輪郭位置以外の下層感光性材料12として用いるKrFエキシマレーザリソグラフィ用レジストを感光させることができる。
【0102】
次に、該中間層非感光性材料13して用いた酸化シリコン膜のパターン13aを緩衝弗酸液に浸漬した後水洗して除去する。
【0103】
そして、下層感光性材料12として用いるKrFエキシマレーザリソグラフィ用レジストに、必要に応じて露光後ベークを加えた後、現像を施せば、未感光部である酸化シリコン膜のパターン13aの輪郭位置に、前記上層感光性材料14のパターン14aや中間層非感光性材料13して用いた酸化シリコン膜のパターン13aの倍密度で下層感光性材料12として用いるKrFエキシマレーザリソグラフィ用レジストの微細パターン12aが形成される。
【0104】
次に、図2に示した下層感光性材料、中間層非感光性材料、上層感光性材料を重ねて付して微細パターンを形成する方法の別の実施例について説明する。
【0105】
基板11としてシリコンウエハ、下層感光性材料12に波長12.4nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光用のポジ型レジスト、中間層非感光性材料13に膜厚約292nmのアモルファスシリコンやポリシリコンなどのシリコン膜、上層感光性材料14に波長193nmのArFエキシマレーザリソグラフィ用のポジ型レジストを用いる。
【0106】
この波長のEUV光用としてKrFエキシマレーザリソグラフィ用のレジストが使用できることが知られているので、下層感光性材料12としてKrFエキシマレーザリソグラフィ用のレジストを用いても良い。
【0107】
シリコンウエハには反射防止膜を塗布してから下層感光性材料12として用いるレジストを塗布することが好ましい。
【0108】
中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜の厚さは、下層感光性材料12として用いるレジストを感光させるのに使用する波長12.4nmのEUV光が該シリコン膜を通過する間に該シリコン膜がない部分を通過した光線と位相が概ね反転する厚さとする。
【0109】
中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜の屈折率をn2、露光雰囲気の屈折率をn0、下層感光性材料12として用いるレジストを露光するのに用いる光線の波長をλとする時、中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜の膜厚tが、ほぼt=λ/2(n2−n0)となるようにすれば、下層感光性材料2として用いるレジスト露光用の光線が該シリコン膜を通過する時、該シリコン膜のない部分を通過する光と位相が概略反転する。
【0110】
λ=12.4nm、N=0、n2=1.0212、n0=1.0000とすれば、位相を反転するのに好適な中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜の膜厚tはt=292nmとなる。
【0111】
下層感光性材料12として用いるレジストおよび上層感光性材料14として用いるレジストとも、必要に応じて塗布後にプリベークを行う。
【0112】
中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜はスパッタなど任意の方法で付せばよい。
【0113】
まず、上層感光性材料14のパターン14aを形成する。たとえばArFエキシマレーザを光源とする縮小投影露光装置を用いてレチクル上のパターンを上層感光性材料14とするレジスト上に投影露光して現像する。レジストに応じて必要ならば、露光後ベークを施してから現像する。
【0114】
上層感光性材料14のパターン14aを形成する際、露光光線は中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜を透過しないので、下層感光性材料12として用いるEUV光用のレジストを感光させることはない。
【0115】
次に、形成した上層感光性材料14として用いたレジストのパターン14aをエッチングマスクとして、中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜をエッチングし、中間層非感光性材料13のパターン13aを形成する。
【0116】
エッチング後、上層感光性材料14として用いたレジストのパターン14aを除去し、下層感光性材料12として用いるレジスト上に中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜のパターン13aが形成されている状態にする。
【0117】
この後、中間層非感光性材料13として用いるシリコン膜のパターン13aが形成されている上から波長12.4nmのEUV光を露光領域全域に照射する。
【0118】
この時、中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜のパターン13aは下層感光性材料12の露光光線に対して位相シフタとして働き、パターン13aを透過する下層感光性材料12の露光光線は該パターン13aのない部分を通過した光線に対して位相が概ね反転する。
【0119】
波長12.4nmのEUV光に対する中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜の線吸収係数はμL=1.79×104cm−1であり、上記膜厚292nmにおける透過率はexp(−0.523)=0.592である。したがって、振幅透過率は0.77である。したがって、中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜のパターン13aは十分下層感光性材料12の露光光線に対して透過位相シフタとして働く。
【0120】
この結果、前記中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜のパターン13aの輪郭位置では、位相が逆の光波同士が干渉し合い光強度が低くなる。そして、該パターン13aの輪郭位置以外の下層感光性材料12として用いるEUV光用のレジストを感光させることができる。
【0121】
次に、該中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜のパターン13をドライエッチングにより除去する。
【0122】
そして、下層感光性材料12として用いるEUV光用のレジストに、必要に応じて露光後ベークを加えた後、現像を施せば、未感光部である前記中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜のパターン13aの輪郭位置に、前記上層感光性材料14のパターン14aおよび該中間層非感光性材料13して用いるシリコン膜のパターン13aの倍密度で下層感光性材料12として用いるEUV光用のレジストの微細パターン12aが形成される。
【0123】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の感光性材料の積層構造および微細パターン形成方法によれば、上層感光性材料のパターンより微細な線幅のパターンを上層感光性材料のパターンの倍密度で形成することができる。
【0124】
上層感光性材料のパターンの輪郭に沿って下層感光性材料のパターンができるので、場合によると不要なパターンまで一緒に形成されることがあるが、その場合には、別途その部分を除去すれば問題ない。
【0125】
半導体集積回路や光デバイスなどを高性能化するためには、微細なパターンを狭い配置間隔で形成することが不可欠であるが、本発明によれば、従来の方法により形成できた上層感光性材料のパターンを基に、上層感光性材料のパターンよりはるかに微細な線幅のパターンを上層感光性材料のパターン配置の倍密度で形成できるため、集積回路や光デバイス回路の大幅な高密度化、高性能化を図ることができる。
【0126】
従来、リソグラフィによりパターンを形成するためには、光源と露光装置が必要であり、真空紫外光やEUV光などの短波長光を用いて露光を行うためには極めて高度な光学系を要するため、露光装置価格は極めて高額である。
【0127】
しかしながら、本発明を用いれば、下層感光性材料のパターン形成時には単に光を露光領域全体に一斉照射または走査照射しさえすればよく、露光を行うための極めて高度な光学系や高精度位置合わせ機構などを何ら要しない。
【0128】
したがって、透過材料が乏しく、反射率もあまり高くとれない真空紫外光やEUV光などの短波長の光を従来に比して遥かに利用し易い。
【0129】
下層感光性材料のパターンの解像度は下層感光性材料を露光する光線の波長に依存し、短波長である程、回折が小さく解像度が良くなるため、本発明を利用してこれらの短波長光を用いれば、極めて高解像が得られる。
【0130】
投影露光の解像度を改善し、パターン密度を上げる方法として、原図とするレチクルに位相シフタを付けた位相シフトマスクが使われており、たとえば応用物理学会編「超微細加工技術」(オーム社、平成9年2月25日発行)の29〜41ページに各種の例が開示されているが、本発明はレチクルではなく被露光基板側の感光性材料表面に位相シフタを付けるという全く別の発想である。
【0131】
したがって、従来の位相シフトマスクを使用した上で本発明を適用することも可能であり、上層感光性材料のパターンを形成する際に従来の位相シフトマスクを用いれば、上層感光性材料のパターンを微細かつ高密度とでき、本発明により該微細かつ高密度な上層感光性材料のパターンに対し、該パターンよりさらに微細にして倍密度のパターンを形成することができる。
【0132】
位相シフトマスク以外の従来考えられている任意の解像度向上方法を本発明と組み合わせることが可能なのは言うまでもなく、任意の解像度向上方法を本発明の上層感光性材料のパターン形成に適用すればよい。
【0133】
たとえば、東木達彦著、光リソグラフィ技術−実践的基礎と課題−(EDリサーチ社、平成14年7月1日発行)の17〜19ページに開示されている変形照明法と組み合わせることが可能である。該変形照明法を用いて上層感光性材料のパターンを形成し、本発明を適用すればよい。
【0134】
また、逆に、本発明で形成した下層感光性材料のパターンを従来の多層レジストの最上層レジストパターンとして利用することも可能であり、本発明で形成した下層感光性材料のパターンを多層レジストの最上層レジストパターンとしてエッチングマスクに使用すれば、順次下の層の材料をエッチングすることにより微細にして高密度なパターンを形成できる。
【0135】
このように本発明で形成した下層感光性材料のパターンを従来の多層レジストの最上層レジストパターンとして利用すれば、本発明を適用する際の下層感光性材料を薄くでき、一般に感光性材料の膜厚を薄くすれば解像性が向上することから、なお一層の高解像化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光性材料の積層構造および微細パターン形成方法の説明図である。
【図2】本発明の別の感光性材料の積層構造および別の微細パターン形成方法の説明図である。
【図3】本発明の感光性材料の積層構造および微細パターン形成方法の実施結果を示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 基板
2 下層感光性材料
3 上層感光性材料
4 上層感光性材料が感光し、下層感光性材料がほとんど感光しない露光光線
5 下層感光性材料が感光する露光光線
11 基板
12 下層感光性材料
13 中間層非感光性材料
14 上層感光性材料
15 上層感光性材料が感光する露光光線
16 下層感光性材料が感光する露光光線
21 レジストのパターン
22 レジストのパターン
Claims (4)
- 露光波長λの下層感光性材料の表面に、露光雰囲気の屈折率をn0、Nを0または正の整数とする時、該露光波長の光に対する屈折率がn1で前記の露光波長λの光に対して透過性の良い上層感光性材料を大略t=(2N+1)λ/2(n1−n0)の膜厚で付したことを特徴とする感光性材料の積層構造
- 下層感光性材料の表面に、該下層感光性材料の露光光線に対して透過性の良い中間層非感光性材料を、前記中間層非感光性材料を該露光波長の光が透過する際に該中間層非感光性材料がない部分を通過する光と大略位相が反転する膜厚で付し、該中間層非感光性材料の上に上層感光性材料を付したことを特徴とする感光性材料の積層構造
- 露光波長λの下層感光性材料の表面に付した、露光雰囲気の屈折率をn0、Nを0または正の整数とする時、該露光波長λの光に対する屈折率がn1で透過性の良い膜厚が大略t=(2N+1)λ/2(n1−n0)の上層感光性材料のパターンを透過位相シフタとして前記下層感光性材料を露光し、前記上層感光性材料のパターンの輪郭位置に下層感光性材料の微細パターンを形成することを特徴とする微細パターン形成方法
- 下層感光性材料の表面に、該下層感光性材料の露光波長の光に対して透過性の良い中間層非感光性材料を、前記中間層非感光性材料を該露光波長の光が透過する際に該中間層非感光性材料がない部分を通過する光と大略位相が反転する膜厚で付し、該中間層非感光性材料の上に前記下層感光性材料と感光波長の異なる上層感光性材料を付した感光性材料の積層構造を用い、前記上層感光性材料を露光・現像して得た該上層感光性材料のパターンをマスキング材として中間層非感光性材料をエッチングして中間層非感光性材料のパターンを形成する工程と、該中間層非感光性材料のパターンを透過位相シフタとして前記下層感光性材料を露光して前記中間層非感光性材料のパターンの輪郭位置に下層感光性材料の微細パターンを形成する工程とを有することを特徴とする微細パターン形成方法
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