JP2967150B2 - 位相シフトマスク及びその製造方法並びに露光装置 - Google Patents

位相シフトマスク及びその製造方法並びに露光装置

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JP2967150B2 JP29473790A JP29473790A JP2967150B2 JP 2967150 B2 JP2967150 B2 JP 2967150B2 JP 29473790 A JP29473790 A JP 29473790A JP 29473790 A JP29473790 A JP 29473790A JP 2967150 B2 JP2967150 B2 JP 2967150B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、縮小投影露光装置で使用するフォトマスク
(レチクル)であって、特に、パターンを通過する露光
光に位相差を付与することにより、高解像度のパターン
転写を可能にした位相シフトマスク及びその製造方法並
びにこの位相シフトマスクを用いた露光装置に関する。
[従来の技術] この種の位相シフトマスクとしては、例えば、特公昭
62−50811号公報に記載されたものが知られている。こ
の公報に記載されている位相シフトマスクは、透明基板
上に遮光部と透光部とからなるパターンを形成すると共
に、このパターンにおける遮光部を挾んで両側に形成さ
れた透光部の一方を通過する露光光の位相に対して他方
の透光部を通過する露光光の位相をシフトさせる位相シ
フト層を設けたものである。これによれば、例えば、位
相シフト量を180゜に設定すると、遮光部を挾んで隣り
合う透光部を通じて投影される露光光の位相が互いに18
0゜ずれることになる。したがって、遮光部の幅(線
幅)が露光光の波長レベルに近い場合に、透光部から回
折によって遮光部に回り込んだ光が互いに打ち消しあう
から、回折による線幅の細り現象を除去して露光分解能
を著しく向上させることができる。
ここで、上述した位相シフトマスクにおいては、位相
差を引き起こす位相シフト層の縁が透光部に位置する場
合には、この縁を境にして両側を透過する露光光の位相
が互いにずれることになる。例えば、位相シフト層によ
る位相シフト量を180゜とすると、縁を境にして位相が1
80゜ずれた露光光が隣接して投影されることになる。そ
の結果、この隣接する露光光は互いに打ち消しあってそ
の部分の光強度をほぼ0にしてしまい、本来、露光光が
透過しなければならない部位において、露光光が透過し
なくなるという問題があった。
この様な問題点を解決すべく提案された発明として、
例えば、特開平2−34854号公報に記載されたものがあ
る。この位相シフトマスクは、位相シフト層の縁が透光
部に位置する場合には、その縁の近傍の膜厚を縁に至る
につれて段階的に、あるいは連続的に薄くなるようにし
て、急激な位相ずれが生じないようにして、光強度の低
下を防止したものである。
[発明が解決しようとする課題] ところで、上述の位相シフトマスクの位相シフト部材
として用いることができる光学特性を備えた光学薄膜の
なかには、所定以上の膜厚にしないと、通常の使用に対
する耐久性が得られず、基板から剥離したり、あるいは
表面が荒れたりして所定の光学特性が得られないものが
ある。そのような例としては、例えば、レジストがあ
る。レジストは本来は所定のパターンのエッチングを施
す際のマスク材として用いられるものであるが、位相シ
フト部材に必要な光学特性も備えており、かつ、膜形成
が極めて容易であることから、これを位相シフト部材と
して用いることができれば、位相シフトマスクの製造が
著しく容易になる。しかし、このレジストが位相シフト
部材に要求される所定の耐久性を備えるためには所定以
上の厚さに形成する必要がある。
ところが、上述の特開平2−34854号公報に記載され
た位相シフトマスクを構成しようとすると、透光部に位
置する位相シフト層の縁を極めて薄くしなければならな
い。すなわち、透光部に位置する縁は、上述のように、
縁の近傍から縁に至るにつれて徐々に膜厚を薄くしてい
くものであるから、縁の厚さが極めて薄くなってしま
う。このため、位相シフト層をレジストで構成した場合
には、この縁の厚さがレジストの耐久性を維持するに必
要な厚さ以下になってしまうという問題があった。この
様な問題は、位相シフト層としてレジストに類似する性
質を有する他の膜部材を採用しようとする場合にも生ず
る。
本発明は上述の背景のもとでなされたものであり、位
相シフト層の縁が透光部に位置する場合に、例えば、こ
の縁の近傍から縁に至る位相シフト層の膜厚を徐々に薄
くするようにした位相シフトマスクにおいても、この縁
の厚さを厚く形成できるようにして、位相シフト層を構
成する膜部材の選択の幅を広げて製造の容易な位相シフ
トマスク及びこの位相シフトマスクの製造方法並びにこ
の位相シフトマスクを用いた露光装置を提供することを
目的としたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、以下の各構成とすることにより上述した課
題を解決している。
(1)透明基板上に遮光部と透光部とからなるパターン
を形成すると共に、このパターンにおける遮光部を挾ん
で両側に形成された透光部の一方を通過する露光光の位
相に対して他方の透光部を通過する露光光の位相をシフ
トさせる位相シフト層を設けた位相シフトマスクにおい
て、 前記遮光部を挾んで両側に形成された透光部の両方に
所定の耐久性を維持できる最低膜厚以上の膜厚の位相シ
フト層を形成し、 一方の膜厚を他方の膜厚よりも厚くして前記2つの透
光部を通過する露光光に所定の位相差を生じさせるよう
にし、 さらに、透光部において、位相シフト層の縁または位
相シフト層の膜厚が変化する部位の膜厚を徐々に変化さ
せて急激な位相ズレが生じないようにすると共に、これ
らの部位における最も膜厚が薄い部分の膜厚を所定の耐
久性を維持できる最低膜厚以上に確保できるようにした
ことを特徴とする構成。
(2)構成(1)に記載の位相シフトマスクにおいて、 前記位相シフト層がレジストからなることを特徴とし
た構成。
(3)請求項(1)または(2)のいずれかに記載の位
相シフトマスクを製造する位相シフトマスクの製造方法
であって、 透明基板上に所定のパターンの遮光膜を形成する工程
と、 この所定のパターンを有する遮光膜が形成された透明
基板上に位相シフト部材からなる母材膜を形成する工程
と、 前記遮光膜のパターンにおける遮光膜の両側に形成さ
れた透光部の一方または両方に位置する母材膜の一部を
除去して互いの膜厚を異ならしめてこれら膜を通過した
露光光に所定の位相差が生じるようにし、さらに、これ
ら膜の縁または膜厚が変化する部位が透光部に位置する
場合にそれらの一部を除去して膜厚が徐々に変化するよ
うにして位相シフト層を形成する工程とを含むことを特
徴とした構成。
(4)露光光をパターンが形成された露光用マスクを通
して被露光体に照射することにより、微細パターンの露
光を行う露光装置において、 前記露光用マスクとして構成(1)または(2)のい
ずれかに記載の位相シフトマスクを用いたことを特徴と
する構成。
[作用] 上述の構成(1)によれば、遮光部の両側の透光部に
位相シフト層に要求される耐久性を維持できる最低膜厚
以上の位相シフト層を形成し、一方の膜厚を他方の膜厚
より厚く形成し、これらの厚さの差に対応して両透光部
を通過する露光光に位相差を付与しているから、高い露
光分解能を得るこができる。
また、透光部において、位相シフト層の縁または位相
シフト層の膜厚が変化する部位の膜厚を徐々に変化させ
て急激な位相ズレが生じないようにしているから、位相
シフト層の膜厚が急激に変化して急激な位相ズレを生じ
て本来露光光が透過すべき部位の光強度が弱くなる等の
不都合を除去できる。
また、その場合、遮光部の両側の透光部に位相シフト
層に要求される所定の耐久性を維持できる最低膜厚以上
の膜厚の位相シフト層を形成したことにより、上述の膜
厚を徐々に変化させた部位における最も膜厚の薄い部分
の膜厚を前記所定の耐久性を維持できる最低膜厚以上の
膜厚とすることができる。すなわち、例えば、遮光部の
両側の透光部に形成される位相シフト層の膜厚を薄くし
たほうを位相シフト量が0゜の基準とし、厚いほうを18
0゜の位相シフト量が得られる部分とする。そのとき、
厚く形成した部分をその膜厚を維持したままで延長した
部位に縁が位置する場合に、この膜厚は、前記最低膜厚
に、所定の位相シフト量が得られるだけの膜厚を加算し
た厚いものである。それゆえ、この厚い膜から急激な位
相ズレが生じないように縁に至るにつれて徐々に薄くし
ていった場合においても、膜厚が基も薄くなる縁の厚さ
を前記最低厚さ以上の厚さに確保することができる。ま
た、逆に、基板表面の略全面に厚い位相シフト層を形成
し、この厚い層を位相シフト量が0゜の基準とし、位相
シフトを施す部分の膜の一部を除去して薄くすることに
よりその部分を180゜の位相シフト量が得られる部分と
した場合には、厚く形成した部分から薄く形成した部分
に膜厚が変化する部位を急激な膜厚変化とせずに膜厚を
徐々に変化させるが、その際の最も薄くなる部分でも前
記最低膜厚以上の膜厚に設定することができる。
したがって、例えば、構成(2)のように、位相シフ
ト部材としてレジスト等を使用しても必要な耐久性を得
るに十分な厚さを確保できる。また、構成(3)によれ
ば、構成(1)または(2)の位相シフトマスクを比較
的容易に製造することができる。さらに、構成(4)に
よれば、構成(1)または(2)の位相シフトマスクの
特徴を生かして高分解能の露光装置を得ることができ
る。
[実施例] 第1実施例 第1図は第1実施例の位相シフトマスクの平面図、第
2図は第1図におけるII−II線断面図、第3図は第1図
におけるIII−III線断面図、第4図は第1図のX部拡大
図、第5図は第1実施例の位相シフトマスクの製造工程
説明図である。なお、この実施例は、位相シフト層とし
てネガレジストを用い、遮光部の一方に形成される膜厚
の薄いほうを位相シフト量0の基準となる厚さ部分と
し、厚いほうを位相シフト量180゜してこの厚いほうの
位相シフト層を延長した部位に縁が位置する場合に、こ
の縁の近傍を縁に近づくにしたがって徐々に薄くなるよ
うに形成し、縁の厚さを前記基準厚さにした位相シフト
マスクの例である。
これらの図面に示されるように、本実施例の位相シフ
トマスクは、透明基板1と、この透明基板1上の全域に
亘って形成された透明導電膜2と、この透明導電膜2上
に形成され、膜の一部を選択的に除去して透光部と遮光
部とからなる所定のパターンを形成した遮光膜3と、透
明導電膜2の外部に露出した面上と遮光膜2上とに形成
された位相シフト層4とから構成される。
透明基板1は、主表面を鏡面研磨した石英ガラスから
なり、縦127mm、横127mm、厚さ2.29mmの外形をなしてい
る。
透明導電膜2は、酸化スズにアンチモンを5wt%含有
させたアンチ・スタティク膜(膜案500Å)である。
遮光膜3は、クロムをスパッタリングにより成膜し、
しかる後、公知のフォトリソグラフィ法を施し、ライン
・アンド・スペース状にパターン化したクロム膜(膜厚
100Å)である。
位相シフト層4は、クロロメチルスチレン等からなる
電子線ネガレジスト(東ソー(株)製CMS−EX(SS))
からなる。この位相シフト層4は、第2図に示すよう
に、遮光膜3を横切る方向においては、該遮光膜3を挾
んでその両側に遮光膜3が形成されていない第1透光部
31と第2透光部32とを各々透過する露光光の間で位相差
がπとなるように膜厚が選定されている。すなわち、第
1透光部31上に設けられた位相シフト部4aは膜厚が5516
Åであり、また、第2透光部32上に設けられた基準膜厚
部4bの膜厚は2000Åとなっている。
一方、遮光膜3と長手方向においては、第3図に示す
ように、位相シフト層4の縁の近傍において該位相シフ
ト層4の縁に近づくにしたがって膜厚が徐々に薄くなる
ように段階状に形成されている。すなわち、遮光膜3及
び第2透光部32を覆う領域Aの膜厚は5516Åとされ、こ
の領域Aから縁に移行する間に順次形成される領域B、
領域C、領域D、及び領域Eの膜厚は各々tB=4637Å、
tC=3758Å、tD=2879Å、及びtE=2000Åとなってい
る。ここで、領域Eの膜厚tEは基準膜厚部4bの膜厚と等
しい。従って、領域Aの位相シフト部4aを透過する露光
光は、領域Eを透過する露光光に対して位相差がπとな
り、この領域Eを透過する露光光に対して領域B、C、
Dを透過する露光光は各々位相差が3/4π、π/2、π/4
となる。このように段階的に位相差を変えることによ
り、位相シフト層4の縁を境にして両側を透過する露光
光の位相差を小さく(位相差π/4)してこの部分の透過
光(投影光=露光光)の光強度の低下を抑制することが
できる。同時に、位相シフト層4の最も膜厚が薄い領域
Eにおいても2000Åの膜厚があることから、膜剥離の防
止、並びに位相シフト層の光学的特性の劣化を防止する
ことができる。
なお、前述した領域B〜Dの幅は10μmとしている。
また、基準膜厚tEは正確に2000Åである必要はなく、そ
の近傍の厚さであれば良い。
上述の実施例によれば、遮光膜3の両側の透光部31,3
2の一方に基準厚さの位相シフト部4bが形成され、他方
の透光部にこの基準厚さより厚い位相シフト部4aが形成
されているから、これらの厚さの差に対応して両透光部
を通過する露光光に位相差を付与することができる。し
かも、位相シフト層4の縁が透光部に位置するとき、該
縁の近傍の位相シフト層の膜厚を縁に至るにつれて徐々
に薄くなるようにした場合において、この縁の厚さを基
準厚さにできるから、位相シフト部材としてレジスト等
を使用しても必要な耐久性を得るに十分な厚さを確保で
きる。これにより、位相シフト層の形成を極めて容易に
行うことができ、したがって位相シフトマスクを比較的
容易に製造することを可能にする。
次に、第5図を参照して、上述の一実施例の位相シフ
トマスクの製造方法について説明する。
第5図(a)に示すように、まず、透明基板1の一主
表面の全域に亘って、スパッタリングにより、酸化スズ
に5wt%のアンチモンを含有させたスパッタ・ターゲッ
トを用いて膜厚500Åに成膜して透明導電膜2を形成
し、次に、クロムをスパッタ・ターゲットとして膜厚10
00Åのクロム膜を形成し、次いで、このクロム膜の公知
のフォトリソグラフ法によって所定のパターンに沿って
クロム膜の一部を除去し、所定のパターンを有する遮光
膜3を形成する。
次に、第5図(b)に示すように、スピンコート法に
よって電子線ネガレジスト(東ソー(株)製CMS−EX(S
S))を6000Åの厚さに塗布する。その後、120〜130℃
で、プリベーク処理を行う。
次に、第1図に示すアライメントマーク10を基準とし
てアライメント露光を電子線描画装置により行う。な
お、この電子線描画装置としては、例えば、日本電子製
(JBX−6A III MV:加速電圧;20KV)を用いることができ
る。その場合、上述のように、ネガレジストを位相シフ
ト層として用いた場合、2000Å以下の膜厚では、位相シ
フト層として必要な耐久性が得られず、安定した膜が得
られないので、最低の厚さが2000Åとなるような露光を
施す。この露光は次のようにして行う。
まず、第5図(c)に示されるように、予め、レジス
トの全領域に、電子線ネガレジストが2000Åの厚さにな
るように、露光D0を施し、次いで、この上の所定の部分
に所定の位相差が生ずるような厚さとなるような露光量
D1〜D4で描画する。
この場合、上述の電子線描画装置で加速電圧が20KVの
場合における露光ドーズ量と膜厚6000Åのネガレジスト
CMS−EX(SS)の残膜値との既知の関係から、膜厚2000
Åを得るためのドーズ量D0を求めると、D0=0.75μc/cm
2であった。
また、上述のネガレジストの露光に用いる露光光であ
るg−line(波長λ=436nm)における屈折率は、1.62
であるから、180゜(π)に位相差を与えるために必要
な厚さdは、 d=λ/{1(n−1)} の関係式から約3516Åとすれば良いことがわかる。この
結果から、得られる位相差と厚さの関係は以下のように
なる。
45゜………879Å 90゜…… 1758Å 135゜…… 2637Å 180゜…… 3516Å この実施例の場合は、基準厚さとして最低2000Åのネ
ガレジストを形成し、この厚さのときに位相シフト量が
ゼロとなるように膜厚を設定する必要があるから、この
基準厚さに対して45゜、90゜、135゜、180゜の位相差を
得るための膜厚とその膜厚を得るためにD0に重ねて施す
露光のドーズ量は以下のようになる。
45゜:膜厚;2879Å ドーズ量;1.0−0.75=0.25μc/cm2 90゜;膜厚;3758Å ドーズ量;1.2−0.75=0.45μc/cm2 135゜;4637Å ドーズ量;1.6−0.75=0.85μc/cm2 180゜;5516Å ドーズ量;3.0−0.75=2.25μc/cm2 すなわち、以下の結果から、上述のドーズ量D1〜D4を
以下のように設定すれば良いことがわかる。
D1=0.25μc/cm2 D2=0.45μc/cm2 D3=0.85μc/cm2 D4=2.25μc/cm2 このように露光処理を行った後、現像液、リンス液を
スピンコート法により、順次、供給し、しかるのち、12
0℃でベークして第5図(d)に示す位相シフト層4を
得た。
なお、位相シフト層の材質をネガレジストとした場
合、後述するポジレジストの場合より膜厚制御が容易に
行えるという利点がある。
第2実施例 この実施例は、位相シフト層4としてポジレジストを
用い、基板表面の略全面に厚い位相シフト層を形成し、
この厚い層を位相シフト量が0の基準厚さ部分とし、位
相シフトを施す部分の膜の一部を除去して薄くすること
によりその部分を180゜の位相シフト量が得られる部分
としたほかは上述の第1実施例と同じ構成を有する位相
シフトマスクの例である。それゆえ、第1実施例と同一
を部分には同一の符号を付し、位相シフトマスクの構成
については異なる部分のみについて説明してその詳細説
明は省略し、以下では、第2実施例にかかる位相シフト
マスクの製造方法を中心にして説明する。
第6図は第2実施例にかかる位相シフトマスクの製造
工程の説明図である。
まず、第6図(a)に示されるように、透明基板1の
一主表面の全域に亘って、上述の第1実施例と同様の方
法により遮光膜3を形成する。なお、第6図において
は、位相シフトマスクの一部分の断面図を示す。
次に、第6図(b)に示すように、電子線ポジレジス
ト4をスピンコート法により7000Åの厚さに塗布する。
用いたレジストは、トリフルオロエチルクロロアクリレ
ート等からなり、PMMAの一種である電子線ポジレジスト
EBR−9 HS31(東レ(株))である。この後180〜190
℃でプリベークを行う。
ここで、EBR−9 HS31のg−line(436nm)における
屈折率は1.50であるから180゜の位相差を得るために必
要な膜厚は第1実施例で用いた式から4360Åである。こ
れにより、第1実施例の場合と同様にして位相差と膜厚
及びこの膜厚を得るためのドーズ量を求めると以下の通
りになる。なお、この場合、ドーズ量と残膜の関係を示
すデータとしては、所定現像液で80sec現像を行った場
合のデータを用いた。
*所定の位相差を得るに必要な膜厚 45゜……1090Å 90゜……2180Å 135゜……3270Å 180゜……3516Å *膜厚6900Åのときに位相シフト量が0゜とした場合に
これに対して所定の位相をシフトさせるに必要な膜厚 45゜…6900−1090=5810(Å) 90゜…6900−2180=4720(Å) 135゜…6900−3270=3630(Å) 180゜…6900−4360=2540(Å) *ドーズ量 0゜…0μc/cm2 45゜…D1=約1.6μc/cm2 90゜…D2=約3.0μc/cm2 135゜…D3=約4.3μc/cm2 180゜…D4=約5.5μc/cm2 第6図(c)は、この露光の様子を示すものである。
次に、第1実施例と同様、現像、リンス、ベーク処理
を施して第6図(d)に示す位相シフト層4を得た。
第7図はこうして得られた位相シフトマスクの部分平
面図、第8図は第7図のVIII−VIII線断面図である。
上述の本第2実施例において、位相シフト層4は第6
図(d)に示すように位相シフトの基準となる基準膜厚
部(位相シフト量が0゜となる部分;領域E)の膜厚の
ほうを厚くするように設定したが、第1実施例のように
基準となる部分の厚膜を薄くしてもよい。
また、第1実施例及び第2実施例ともに位相差を段階
的にπ/4毎とに変化させたが、この度合いは細かくした
方が好ましい。また、段階的でなくとも連続的に変化さ
せてもよい。
また、第1実施例及び第2実施例のいずれの場合も、
透明基板上に透明導電膜を形成しているが、これは電子
線露光の際のチャージアップ防止のために設けたもので
他のチャージアップ防止策(例えば、レジストに導電層
を設ける)を講じた場合には設けなくてもよい。
また、位相シフト層としてレジストを用いた場合に
は、耐久性及び光学的特性を十分得るために、その膜厚
を1500Å〜4500Åの範囲内に納めることが好ましい。15
00Å以下だと十分な耐久性、光学的特性が得られず、ま
た、4500Å以上になると透過率が低下するためである。
さらに、上述の各実施例に用いたレジストのほかに、
ネガ型レジストとしては、例えば、フォトレジスト形、
シリコーン樹脂系、エポキシ高分子系が、また、ポジ型
レジストとしてはポリメタクリル酸アルキル、ポリオレ
フィンスルホン、もしくは、第2実施例に掲げたPMMAの
他にPMMAの他の共重合体等を使用できる。
また、位相シフト層の材料としては、レジストのほか
にSiO2、SOG(スピン・オン・グラス)もしくはSi3N4
を使用できる。
第3実施例 この実施例は、露光用マスク(レチクル)として上述
の第1もしくは第2実施例の位相シフトマスクを用いた
露光装置の例である。
以下、第9図を参照にしながらこの実施例の露光装置
について説明する。
第9図において、符号100は水銀ランプ、符号21,22,2
4は反射鏡、符号23はインテグレータ、符号25はコンデ
ンサレンズ、符号26は位相シフトマスク(マスク)、符
号27は縮小レンズ、符号28は被露光体、符号29aはZ,θ
テーブル、符号29bはX,Yテーブル、符号29cは防振台で
ある。
この露光装置は、要するに、位相シフトマスク26に形
成された集積回路等のパターンを縮小レンズ27によって
縮小して微細化し、この微細パターンを表面にレジスト
が塗布されたシリコンウエハ等の被露光体28に転写する
ものである。
すなわち、水銀ランプ100から射出されたg線を含む
光は図示しないフィルタによってg線に単色化された
後、反射鏡21,22を通じてインテグレータ23に導かれて
強度分布を平均化され、反射鏡24によってコンデンサレ
ンズ25に導かれて所定の集光が施されて位相シフトマス
ク26に照射される。
この位相シフトマスク26には、遮光部と透過部とで所
定のパターンが形成されているから、裏面に透過・不透
過の像が形成される。この像は、縮小レンズ27によって
縮小されて被露光体28の表面に結像され、露光が行われ
る。なお、被露光体28は、該被露光体28の高さ位置と回
転方向を変えるZ,θテーブル29a並びにX,Y方向の位置を
変えるX,Yテーブル29b上に固定されて、露光位置の設定
・移動・調整ができるようになっている。また、これら
Z,θテーブル29a及びX,Yテーブル29bは防振台29c上に設
置されて、外部振動の影響を受けないようになってい
る。
この露光装置によれば、露光用マスク(レチクル)と
して、上述の第1または第2実施例の位相シフトマスク
を用いていることから、極めて分解能の良い露光を行う
ことができる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の位相シフトマスクによ
れば、 遮光部の両側の透光部に位相シフト層に要求される耐
久性を維持できる最低膜厚以上の膜厚の位相シフト層を
形成し、一方の膜厚を他方の膜厚より厚く形成し、これ
らの厚さの差に対応して両透光部を通過する露光光に位
相差を付与しているから、高い露光分解能を得ることが
できる。
また、透光部において、位相シフト層の縁または位相
シフト層の膜厚が変化する部位の膜厚を徐々に変化させ
て急激な位相ズレが生じないようにしているから、位相
シフト層の膜厚が急激に変化して急激な位相ズレを生じ
て本来露光光が透過すべき部位にの光強度が弱くなる等
の不都合を除去できる。
また、その場合、遮光部の両側の透光部に位相シフト
層に要求される所定の耐久性を維持できる最低膜厚以上
の膜厚の位相シフト層を形成したことにより、上述の膜
厚を徐々に変化させた部位における最も膜厚の薄い部分
の膜厚を前記所定の耐久性を維持できる最低膜厚以上の
膜厚とすることができる。
したがって、例えば、位相シフト部材としてレジスト
等を使用しても必要な耐久性を得るに十分な厚さを確保
できる。
また、本発明の位相シフトマスクの製造方法によれ
ば、本発明の位相シフトマスクを比較的容易に製造する
ことができる。
さらに、本発明の露光装置によれば、露光用マスクと
して本発明の位相シフトマスクを用いていることから、
極めて分解能の高い露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例の位相シフトマスクの平面図、第2
図は第1図におけるII−II線断面図、第3図は第1図に
おけるIII−III線断面図、第4図は第1図のX部拡大
図、第5図は第1実施例の位相シフトマスクの製造工程
説明図、第6図は第2実施例の位相シフトマスクの製造
工程説明図、第7図は第2実施例の位相シフトマスクの
平面図、第8図は第7図におけるVIII−VIII線断面図、
第9図は本発明の第3実施例としての露光装置の構成を
示す図である。 1……透明基板、2……透明導電膜、3……遮光膜、4
……位相シフト層、4a……位相シフト層、4b……基準膜
厚部、21,22,24……反射鏡、23……インテグレータ、25
……コンデンサレンズ、26……位相シフトマスク(マス
ク)、27……縮小レンズ、28……被露光体、29a……Z,
θテーブル、29b……X,Yテーブル、29c……防振台、31
……第1透光部、32……第2透光部、100……水銀ラン
プ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に遮光部と透光部とからなるパ
    ターンを形成すると共に、このパターンにおける遮光部
    を挾んで両側に形成された透光部の一方を通過する露光
    光の位相に対して他方の透光部を通過する露光光の位相
    をシフトさせる位相シフト層を設けた位相シフトマスク
    において、 前記遮光部を挾んで両側に形成された透光部の両方に所
    定の耐久性を維持できる最低膜厚以上の膜厚の位相シフ
    ト層を形成し、 一方の膜厚を他方の膜厚よりも厚くして前記2つの透光
    部を通過する露光光に所定の位相差を生じさせるように
    し、 さらに、透光部において、位相シフト層の縁または位相
    シフト層の膜厚が変化する部位の膜厚を徐々に変化させ
    て急激な位相ズレが生じないようにすると共に、これら
    の部位における最も膜厚が薄い部分の膜厚を所定の耐久
    性を維持できる最低膜厚以上に確保できるようにしたこ
    とを特徴とする位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載の位相シフトマスクに
    おいて、前記位相シフト層がレジストからなることを特
    徴とした位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)のいずれかに記
    載の位相シフトマスクを製造する位相シフトマスクの製
    造方法であって、 透明基板上に所定のパターンの遮光膜を形成する工程
    と、 この所定のパターンを有する遮光膜が形成された透明基
    板上に位相シフト部材からなる母材膜を形成する工程
    と、 前記遮光膜のパターンにおける遮光膜の両側に形成され
    た透光部の一方または両方に位置する母材膜の一部を除
    去して互いの膜厚を異ならしめてこれら膜を通過した露
    光光に所定の位相差が生じるようにし、さらに、これら
    膜の縁または膜厚が変化する部位が透光部に位置する場
    合にそれらの一部を除去して膜厚が徐々に変化するよう
    にして位相シフト層を形成する工程とを含むことを特徴
    とした位相シフトマスクの製造方法。
  4. 【請求項4】露光光をパターンが形成された露光用マス
    クを通して被露光体に照射することにより、微細パター
    ンの露光を行う露光装置において、 前記露光用マスクとして請求項(1)または(2)のい
    ずれかに記載の位相シフトマスクを用いたことを特徴と
    する露光装置。
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