JP2005019538A - 薄層セラミック板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】煩雑な粉末除去のための洗浄工程を必要とせず、継続的に薄層セラミック板を安定に得ることができ、該セラミック板の劣化が生じ難く、かつ表面平滑性に優れ、反りや特性ばらつきが生じ難い薄層セラミック板を得る方法を提供する。
【解決手段】セラミックグリーンシートを導電ペーストからなる未焼結の金属膜と交互に積層することにより積層体を得、該積層体を焼成して焼結体1を得、焼結体1と電極8とアルカリ溶液7に浸漬した後、セラミック焼結体中の金属膜5,6に負電位が与えられるように、金属膜5,6と電極8との間に通電し、金属膜5,6と薄層セラミック板2〜4とを分離する、薄層セラミック板の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】セラミックグリーンシートを導電ペーストからなる未焼結の金属膜と交互に積層することにより積層体を得、該積層体を焼成して焼結体1を得、焼結体1と電極8とアルカリ溶液7に浸漬した後、セラミック焼結体中の金属膜5,6に負電位が与えられるように、金属膜5,6と電極8との間に通電し、金属膜5,6と薄層セラミック板2〜4とを分離する、薄層セラミック板の製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック板の製造方法に関し、特に、厚みの薄いセラミック板を得ることを可能とする製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、IC基板やコンデンサなどのセラミック電子部品の薄型化及び小型化が進んできている。そのため、電子部品を構成するためのセラミック板として、より薄いセラミック板が要求されている。
【0003】
このような要求を満たす製造方法の一例が、下記の特許文献1に開示されている。すなわち、この特許文献1に記載の方法では、まず、セラミックスの焼成温度よりも高い融点の酸化物が樹脂に含有された樹脂シートを用意する。この樹脂シートと、セラミックグリーンシートとを交互に積層することにより積層体が得られ、該積層体が焼成される。焼成により、セラミックグリーンシートがセラミック板となり、かつ樹脂シート中の樹脂は飛散する。従って、残存する未焼結の酸化物層からセラミック板を分離することにより、薄いセラミック板が得られる。
【0004】
また、特許文献1には、その他の方法として、セラミックスの焼成温度よりも高い融点を有する酸化物を樹脂に分散させてなる樹脂ペーストを用いる方法も開示されている。すなわち、まず樹脂ペーストをセラミックグリーンシートに塗布し、樹脂ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を用意する。そして、この積層体を上記と同様にして焼成することにより、残存する未焼結の酸化物層からセラミック板を分離することができるとされている。
【0005】
また、下記の特許文献2には、図3(a)及び(b)に示すセラミックシートの製造方法が開示されている。すなわち、まず図3(a)に示すように、未焼結の金属膜11,12と、セラミックグリーンシート13,14,15とを交互に積層してなる積層体10を用意する。そして積層体10を焼成して焼結体を得る。その後、図3(b)に示すように、上記のようにして得られた焼結体10Aを、電解液16中に浸漬し、金属膜11,12に正電位を与えることにより金属膜11,12を電気分解して金属膜11,12を溶解する。このようにして、金属膜11,12が溶解されるため、薄いセラミック板が得られる。
【0006】
また、特許文献2には、その他の方法として、金属膜を溶解し得る酸に焼結体を浸漬することにより金属膜が溶解される方法も開示されている。
また、従来、セラミックスラリーから板状の成形体を得た後、板状の成形体を積み重ねて焼成するに際し、成形体同士の付着を防止するために、板状成形体間にセラミック粉末が介在された状態で焼成が行われる方法が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−169244号公報
【特許文献2】
特開平8−267438号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の方法では、セラミック板同士を分離するために、上記酸化物が樹脂に分散されている樹脂シートまたは樹脂ペーストが用いられる。しかしながら、樹脂は焼成に際して飛散するが、酸化物は焼成後においても、未焼結であるため得られたセラミック板に付着して残留し、その残留酸化物を容易に取り除くことはできない。そのため、得られたセラミック板に付着している酸化物を取り除くために、煩雑な洗浄工程を実施しなければならなかった。また、洗浄を行ったとしても、除去し得ない酸化物が残存しがちであった。そのため、得られたセラミック板の表面の平滑性が十分でなかった。
【0009】
他方、特許文献2に記載の方法では、金属膜を溶解することにより、薄いセラミック板が焼結体から分離されるが、電気分解により金属膜が溶解されはじめると、電気分解のための電力供給ラインと金属膜との電気的接続が途中で遮断されるため、連続的に金属膜の溶解を進めることができなかった。
【0010】
さらに、金属膜を溶解するために、金属膜を溶解する塩酸や硝酸などの無機酸を用いた方法では、使用できる酸が限られる。また、このような無機酸を用いた場合、得られたセラミック板が酸により劣化することもあった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、煩雑な洗浄工程を要することなく、かつ継続的に薄層セラミック板を安定に得ることができるとともに、得られたセラミック板の劣化が生じ難く、表面平滑性に優れた薄層セラミック板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法は、セラミックグリーンシートと、導電ペーストにより形成された未焼結の金属膜とを交互に積層してなる積層体を得る第1の工程と、前記積層体を焼結して前記金属膜と前記セラミックグリーンシートが焼成されて得られた薄層セラミック板が一体化されてなる焼結体を得る第2の工程と、前記焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることによって、薄層セラミック板を得る第3の工程とを備え、前記第3の工程において、前記焼結体をアルカリ溶液中に電極とともに浸漬させた後、前記金属膜に負電位を与えるようにして、前記金属膜と前記電極との間に通電し、前記焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る薄層セラミック板の製造方法のある特定の局面では、前記第3の工程において、前記アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液が用いられる。
【0014】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記第3の工程において、前記電極として白金が用いられる。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0015】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法では、先ず、第1の工程においては、セラミックグリーンシートと、導電ペーストにより形成された未焼結の金属膜とが交互に積層されてなる積層体が得られる。第1の工程において上記積層体を得る具体的な方法については、特に限定されない。すなわち、セラミックグリーンシートの上面に、導電ペーストをスクリーン印刷等を用いて付与し、導電ペーストが付与された該セラミックグリーンシートを複数枚積層する方法、あるいは積層ステージ上において、セラミックグリーンシートと、未焼結の金属膜とを交互に積層し、積層体を得る方法などを用いることができる。
【0016】
また、上記セラミックグリーンシートを構成するセラミック材料についても特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスなどのような圧電セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックスのような誘電体セラミックスなどを適宜用いることができる。また、未焼結の金属膜を構成する導電ペーストに含有される金属粉末についても特に限定されず、Cu、Ni、Ag、Pd、Ptまたはこれらの合金を用いることができる。
【0017】
第2の工程では、積層体が焼結され、前記金属膜と、前記セラミックグリーンシートが焼成されて得られた薄層セラミック板とが一体化されてなる焼結体が得られる。第2の工程における焼結条件についても特に限定されず、使用するセラミックグリーンシートに応じて適宜定められる。得られた焼結体では、セラミックグリーンシートが焼成されて薄層セラミック板とされるとともに、該薄層セラミック板が焼結された金属膜を介して積層されている。
【0018】
そして、第3の工程においては、焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることによって薄層セラミック板が得られる。本発明においては、より具体的には、焼結体をアルカリ溶液中に電極とともに浸漬させた後に、金属膜に負電位を与えるようにして金属膜と電極との間に通電する。通電により、焼結体中の金属膜と薄層セラミック板は互いに分離され、従って、薄層セラミック板を得ることができる。
【0019】
本発明において、上記通電により金属膜が薄層セラミック板から分離されるのは、以下の理由によると考えられる。
一般に金属の電気分解に際しては、陽極及び陰極で、次の反応が生じる。
【0020】
陽極:酸化反応、金属の溶解、酸素の発生
陰極:還元反応、金属の析出、水素の発生
前述した特許文献2に記載の方法では、中性の電解液に焼結体が浸漬され、焼結体中の金属膜が陽極に接続されて電極が陰極に接続される。従って、陽極及び陰極では以下の反応が生じる。
【0021】
陽極:Ni→Ni2++2e−
陰極:陽イオン+2e−→陽イオンからの金属析出物
上記の反応により、陽極に接続された金属膜が溶解することとなる。
【0022】
しかしながら、前述したように、特許文献2に記載の方法では、金属膜の溶解に伴って、通電が行われなくなり、連続して金属膜の溶解を進めることが困難であるという問題がある。
【0023】
他方、特許文献2に記載の方法で、中性の電解液に代えてアルカリ溶液を用いると、陽極における金属のイオン化が進行せず、焼結体中の金属膜の溶解が非常に遅くなり、実用的ではない。
【0024】
これに対して、本発明では、焼結体中の金属膜が負電位を与えられるようにして金属膜と電極との間で通電が行われる。すなわち、焼結体中の金属膜が陰極、電極が陽極とされて通電が行われる。
【0025】
他方、上記焼結体における金属膜と薄層セラミック板との結合は酸素を介した化学的な結合によると考えられ、従って、酸素が介在した両者の間の結合を解くことにより、金属膜と薄層セラミック板を分離することができると考えられる。この薄層セラミック板と、金属膜との結合を模式的に表わすと、セラミックス−O−金属で表わされる。
【0026】
セラミックスとして、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス)、金属膜としてAg−Pd合金を用いた場合、陽極及び陰極における反応は、以下のように進行すると考えられる。
【0027】
陽極:酸化反応、2OH−→(1/2)O2+H2O+2e−
陰極:還元反応、PZT−O−Ag/Pd+2e−→PZT+Ag/Pd+(1/2)O2
すなわち、本発明では、アルカリ溶液が用いられるため、陽極において、OH−イオンが十分な量存在するため、OH−イオンにより、電子が生成する。これに対して、アルカリ溶液に代えて中性の電解液や酸を用いた場合には、OH−イオンが存在しないため、陽極において上記酸化反応は行らず、すなわち電子が生成せず、よって陰極において還元反応が行われなくなる。
【0028】
従って、本発明では、上記のようにアルカリ溶液を用いることにより、陽極として用いられる電極において、上記酸化反応が生じ、電子が生成する。よって、セラミック焼結体中の金属膜(陰極)側において上記還元反応が進行し、セラミックスとセラミック焼結体中の金属膜との酸素を介した結合が解かれ、それによって積層セラミック板と金属膜との分離が行われると考えられる。
【0029】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法では、上記のように、アルカリ溶液中に焼結体を浸漬し、金属膜に負電位を与えるように金属膜と電極との間に通電するだけで、セラミック焼結体中の薄層セラミック板と金属膜とを容易に分離することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより本発明を明らかにする。
(第1の実施例)
Pb3O4、TiO2、ZrO2及びSrCO3の各セラミック粉末を用意した。このセラミック粉末を、Pb0.98Sr0.02(Zr0.45Ti0.55)O3の組成のセラミックスを得るように秤量し、ボールミルで湿式混合し、混合粉末を得た。
【0031】
上記のようにして得られた混合粉末を800℃で2時間仮焼し、粉砕することにより仮焼粉末を得た。
上記仮焼粉末に、バインダー及び可塑剤を混合し、セラミックスラリーを得た。このセラミックスラリーをドクターブレード法により成形し、厚み30μmのセラミックグリーンシートを得た。
【0032】
上記セラミックグリーンシートを所望の大きさにカットして得られた矩形状のセラミックグリーンシート上にAg粉末及びPd粉末を重量比で70:30の割合で含む導電ペーストをスクリーン印刷により付与し、上記矩形状のセラミックグリーンシートの上面の全面に未焼結の金属膜を形成した。このようにして未焼結の金属膜が形成された複数枚の矩形状のセラミックグリーンシートを積層し、60℃の温度で196MPaの圧力で熱圧着し、未焼結の金属膜を介して積層された未焼結のセラミックからなる板状の成形体を得た。
【0033】
得られた成形体を500℃の温度で加熱し、セラミックグリーンシートに含まれているバインダーを除去し、しかる後、1050℃で焼成し、板状の焼結体を得た。図2に、このようにして得られた焼結体を略図的に示す。焼結体1では、上記セラミックグリーンシートが焼成することにより得られた薄層セラミック板2〜4と、未焼結の金属膜が焼結することにより得られた金属膜5,6とが交互に積層されている。
【0034】
次に、図1に示すように、上記焼結体1を、NaOH水溶液7中にPtからなる電極8とともに浸漬した。そして、焼結体1中の金属膜5,6を負電位に、電極8を正電位に接続し、通電を行った。通電量は、1A×10分である。この通電後、金属膜5,6と薄層セラミック板2〜4とが互いに分離され、セラミック焼結体1から薄層セラミック板2〜4を取出すことができた。
【0035】
(比較例1)
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。このようにして得たセラミックグリーンシートを熱圧着し、30μmの厚みの板状の成形体(未焼結の成形体)を得た。次に、複数個の上記成形体間にZrO2(酸化ジルコニア)からなる粉末を均一に分散されるように挿入した状態で複数個の成形体を積み重ね、実施例1と同様の条件で脱バインダー及び焼成を行った。その後、複数個の薄層セラミック板を取り出し、表面に付着している上記粉末を超音波洗浄機により除去した。
【0036】
(実施例1及び比較例1の結果)
実施例1で得られた積層セラミック板は、平滑であり、反りがなかったのに対し、比較例1で得られたセラミック板では超音波処理を行った後でも、酸化ジルコニア粉末が付着していた。また、該酸化ジルコニア粉末が凝集しており、セラミック板の表面の平滑性が不十分であった。
【0037】
従って、上記実施例1及び比較例1の比較からも明らかなように、実施例1によれば、厚み20μmと薄く、かつ表面平滑性に優れ、反りのない平板状の薄層セラミック板の得られることがわかる。
【0038】
(実施例2)
出発原料として、Pb3O4、TiO2、ZrO2、NiO及びNb2O5の各セラミック粉末を用意した。このセラミック粉末を、Pb1.0(Ni1/2Nb1/2)0.20−(Zr0.35Ti0.45)O3の組成を実現するように秤量した。このようにして形成された出発原料を用いたことを除いては、実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0039】
上記のようにして得られた焼結体を用いたことを除いては、実施例1と同様にして通電し、金属膜と薄層セラミック板とを分離した。実施例1と同様に、厚み20μmの平滑な薄層セラミック板を得ることができた。
【0040】
なお、電極としては、Pt以外の金属からなるものを用いてもよい。もっとも、耐腐食性に優れているので、Ptが好ましい。
また、アルカリ溶液として、NaOH水溶液以外のKOH水溶液などの強アルカリ水溶液を用いてもよく、さらに強アルカリ水溶液以外のアルカリ溶液を用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る薄層セラミック板の製造方法では、未焼結の金属膜とセラミックグリーンシートとが交互に積層された積層体を焼成し、得られた焼結体を電極とともにアルカリ溶液中に浸漬し、焼結体中の金属膜に負電位が接続されるように金属膜と電極との間に通電を行うだけで、セラミックグリーンシートの焼成により得られた薄層セラミック板が金属膜から分離される。また、金属膜とセラミックグリーンシートとが交互に積層されているため、得られた上記積層体では、薄層セラミック板に反りや歪みが生じ難い。よって、本発明の製造方法を用いれば、反りがなく、かつ表面平滑性に優れた薄層セラミック板を容易に得ることができる。
【0042】
また、従来のセラミック板相互の分離ための粉末をセラミックグリーンシート間に介在させた方法では、粉末の除去に煩雑な工程を必要としたのに対し、本発明では、このような煩雑な粉末除去工程を実施する必要はない。従って、薄層セラミック板の生産性を高めることもできる。
【0043】
さらに、上記粉末により薄層セラミック板を分離する従来法では、粉末を確実に除去できず、セラミック板に残存しがちであったのに対し、本発明の製造方法では、上記粉末を用いないため、得られた薄層セラミック板の表面に粉末が付着したりすることがなく、従来法に比べて平滑性に優れた薄層セラミック板を提供することができる。
【0044】
よって、本発明によれば、例えば20μm以下の平滑性に優れた薄層セラミック板を安定に供給することが可能となる。
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法において、アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を用いた場合には、強アルカリであるため、陽極における酸化反応が十分に進行して、電子の生成が促進される。従って、陰極、すなわちセラミック焼結体中の金属膜側における還元反応が十分に進行し、金属膜と、薄層セラミック板との分離がより一層確実に促進される。
【0045】
第3の工程において、電極として白金からなる電極を用いた場合には、白金がアルカリにより腐食され難いため、長期間にわたり、本発明に従って薄層セラミック板の金属膜からの分離を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において、焼結体中の金属膜に負電位を与え、金属膜と電極との間に通電を行う工程を説明するための模式的正面断面図。
【図2】本発明の一実施例において用意されるセラミック焼結体を示す模式的正面断面図。
【図3】(a)及び(b)は、従来の薄層セラミック板の製造方法において用意されるセラミック焼結体及びセラミック焼結体の金属膜に通電し、金属膜を溶解する工程を説明するための各断面図。
【符号の説明】
1…セラミック焼結体
2〜4…薄層セラミック板
5,6…金属膜
7…NaOH溶液
8…電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック板の製造方法に関し、特に、厚みの薄いセラミック板を得ることを可能とする製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、IC基板やコンデンサなどのセラミック電子部品の薄型化及び小型化が進んできている。そのため、電子部品を構成するためのセラミック板として、より薄いセラミック板が要求されている。
【0003】
このような要求を満たす製造方法の一例が、下記の特許文献1に開示されている。すなわち、この特許文献1に記載の方法では、まず、セラミックスの焼成温度よりも高い融点の酸化物が樹脂に含有された樹脂シートを用意する。この樹脂シートと、セラミックグリーンシートとを交互に積層することにより積層体が得られ、該積層体が焼成される。焼成により、セラミックグリーンシートがセラミック板となり、かつ樹脂シート中の樹脂は飛散する。従って、残存する未焼結の酸化物層からセラミック板を分離することにより、薄いセラミック板が得られる。
【0004】
また、特許文献1には、その他の方法として、セラミックスの焼成温度よりも高い融点を有する酸化物を樹脂に分散させてなる樹脂ペーストを用いる方法も開示されている。すなわち、まず樹脂ペーストをセラミックグリーンシートに塗布し、樹脂ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を用意する。そして、この積層体を上記と同様にして焼成することにより、残存する未焼結の酸化物層からセラミック板を分離することができるとされている。
【0005】
また、下記の特許文献2には、図3(a)及び(b)に示すセラミックシートの製造方法が開示されている。すなわち、まず図3(a)に示すように、未焼結の金属膜11,12と、セラミックグリーンシート13,14,15とを交互に積層してなる積層体10を用意する。そして積層体10を焼成して焼結体を得る。その後、図3(b)に示すように、上記のようにして得られた焼結体10Aを、電解液16中に浸漬し、金属膜11,12に正電位を与えることにより金属膜11,12を電気分解して金属膜11,12を溶解する。このようにして、金属膜11,12が溶解されるため、薄いセラミック板が得られる。
【0006】
また、特許文献2には、その他の方法として、金属膜を溶解し得る酸に焼結体を浸漬することにより金属膜が溶解される方法も開示されている。
また、従来、セラミックスラリーから板状の成形体を得た後、板状の成形体を積み重ねて焼成するに際し、成形体同士の付着を防止するために、板状成形体間にセラミック粉末が介在された状態で焼成が行われる方法が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−169244号公報
【特許文献2】
特開平8−267438号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の方法では、セラミック板同士を分離するために、上記酸化物が樹脂に分散されている樹脂シートまたは樹脂ペーストが用いられる。しかしながら、樹脂は焼成に際して飛散するが、酸化物は焼成後においても、未焼結であるため得られたセラミック板に付着して残留し、その残留酸化物を容易に取り除くことはできない。そのため、得られたセラミック板に付着している酸化物を取り除くために、煩雑な洗浄工程を実施しなければならなかった。また、洗浄を行ったとしても、除去し得ない酸化物が残存しがちであった。そのため、得られたセラミック板の表面の平滑性が十分でなかった。
【0009】
他方、特許文献2に記載の方法では、金属膜を溶解することにより、薄いセラミック板が焼結体から分離されるが、電気分解により金属膜が溶解されはじめると、電気分解のための電力供給ラインと金属膜との電気的接続が途中で遮断されるため、連続的に金属膜の溶解を進めることができなかった。
【0010】
さらに、金属膜を溶解するために、金属膜を溶解する塩酸や硝酸などの無機酸を用いた方法では、使用できる酸が限られる。また、このような無機酸を用いた場合、得られたセラミック板が酸により劣化することもあった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、煩雑な洗浄工程を要することなく、かつ継続的に薄層セラミック板を安定に得ることができるとともに、得られたセラミック板の劣化が生じ難く、表面平滑性に優れた薄層セラミック板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法は、セラミックグリーンシートと、導電ペーストにより形成された未焼結の金属膜とを交互に積層してなる積層体を得る第1の工程と、前記積層体を焼結して前記金属膜と前記セラミックグリーンシートが焼成されて得られた薄層セラミック板が一体化されてなる焼結体を得る第2の工程と、前記焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることによって、薄層セラミック板を得る第3の工程とを備え、前記第3の工程において、前記焼結体をアルカリ溶液中に電極とともに浸漬させた後、前記金属膜に負電位を与えるようにして、前記金属膜と前記電極との間に通電し、前記焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る薄層セラミック板の製造方法のある特定の局面では、前記第3の工程において、前記アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液が用いられる。
【0014】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記第3の工程において、前記電極として白金が用いられる。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0015】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法では、先ず、第1の工程においては、セラミックグリーンシートと、導電ペーストにより形成された未焼結の金属膜とが交互に積層されてなる積層体が得られる。第1の工程において上記積層体を得る具体的な方法については、特に限定されない。すなわち、セラミックグリーンシートの上面に、導電ペーストをスクリーン印刷等を用いて付与し、導電ペーストが付与された該セラミックグリーンシートを複数枚積層する方法、あるいは積層ステージ上において、セラミックグリーンシートと、未焼結の金属膜とを交互に積層し、積層体を得る方法などを用いることができる。
【0016】
また、上記セラミックグリーンシートを構成するセラミック材料についても特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスなどのような圧電セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックスのような誘電体セラミックスなどを適宜用いることができる。また、未焼結の金属膜を構成する導電ペーストに含有される金属粉末についても特に限定されず、Cu、Ni、Ag、Pd、Ptまたはこれらの合金を用いることができる。
【0017】
第2の工程では、積層体が焼結され、前記金属膜と、前記セラミックグリーンシートが焼成されて得られた薄層セラミック板とが一体化されてなる焼結体が得られる。第2の工程における焼結条件についても特に限定されず、使用するセラミックグリーンシートに応じて適宜定められる。得られた焼結体では、セラミックグリーンシートが焼成されて薄層セラミック板とされるとともに、該薄層セラミック板が焼結された金属膜を介して積層されている。
【0018】
そして、第3の工程においては、焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることによって薄層セラミック板が得られる。本発明においては、より具体的には、焼結体をアルカリ溶液中に電極とともに浸漬させた後に、金属膜に負電位を与えるようにして金属膜と電極との間に通電する。通電により、焼結体中の金属膜と薄層セラミック板は互いに分離され、従って、薄層セラミック板を得ることができる。
【0019】
本発明において、上記通電により金属膜が薄層セラミック板から分離されるのは、以下の理由によると考えられる。
一般に金属の電気分解に際しては、陽極及び陰極で、次の反応が生じる。
【0020】
陽極:酸化反応、金属の溶解、酸素の発生
陰極:還元反応、金属の析出、水素の発生
前述した特許文献2に記載の方法では、中性の電解液に焼結体が浸漬され、焼結体中の金属膜が陽極に接続されて電極が陰極に接続される。従って、陽極及び陰極では以下の反応が生じる。
【0021】
陽極:Ni→Ni2++2e−
陰極:陽イオン+2e−→陽イオンからの金属析出物
上記の反応により、陽極に接続された金属膜が溶解することとなる。
【0022】
しかしながら、前述したように、特許文献2に記載の方法では、金属膜の溶解に伴って、通電が行われなくなり、連続して金属膜の溶解を進めることが困難であるという問題がある。
【0023】
他方、特許文献2に記載の方法で、中性の電解液に代えてアルカリ溶液を用いると、陽極における金属のイオン化が進行せず、焼結体中の金属膜の溶解が非常に遅くなり、実用的ではない。
【0024】
これに対して、本発明では、焼結体中の金属膜が負電位を与えられるようにして金属膜と電極との間で通電が行われる。すなわち、焼結体中の金属膜が陰極、電極が陽極とされて通電が行われる。
【0025】
他方、上記焼結体における金属膜と薄層セラミック板との結合は酸素を介した化学的な結合によると考えられ、従って、酸素が介在した両者の間の結合を解くことにより、金属膜と薄層セラミック板を分離することができると考えられる。この薄層セラミック板と、金属膜との結合を模式的に表わすと、セラミックス−O−金属で表わされる。
【0026】
セラミックスとして、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックス)、金属膜としてAg−Pd合金を用いた場合、陽極及び陰極における反応は、以下のように進行すると考えられる。
【0027】
陽極:酸化反応、2OH−→(1/2)O2+H2O+2e−
陰極:還元反応、PZT−O−Ag/Pd+2e−→PZT+Ag/Pd+(1/2)O2
すなわち、本発明では、アルカリ溶液が用いられるため、陽極において、OH−イオンが十分な量存在するため、OH−イオンにより、電子が生成する。これに対して、アルカリ溶液に代えて中性の電解液や酸を用いた場合には、OH−イオンが存在しないため、陽極において上記酸化反応は行らず、すなわち電子が生成せず、よって陰極において還元反応が行われなくなる。
【0028】
従って、本発明では、上記のようにアルカリ溶液を用いることにより、陽極として用いられる電極において、上記酸化反応が生じ、電子が生成する。よって、セラミック焼結体中の金属膜(陰極)側において上記還元反応が進行し、セラミックスとセラミック焼結体中の金属膜との酸素を介した結合が解かれ、それによって積層セラミック板と金属膜との分離が行われると考えられる。
【0029】
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法では、上記のように、アルカリ溶液中に焼結体を浸漬し、金属膜に負電位を与えるように金属膜と電極との間に通電するだけで、セラミック焼結体中の薄層セラミック板と金属膜とを容易に分離することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例を説明することにより本発明を明らかにする。
(第1の実施例)
Pb3O4、TiO2、ZrO2及びSrCO3の各セラミック粉末を用意した。このセラミック粉末を、Pb0.98Sr0.02(Zr0.45Ti0.55)O3の組成のセラミックスを得るように秤量し、ボールミルで湿式混合し、混合粉末を得た。
【0031】
上記のようにして得られた混合粉末を800℃で2時間仮焼し、粉砕することにより仮焼粉末を得た。
上記仮焼粉末に、バインダー及び可塑剤を混合し、セラミックスラリーを得た。このセラミックスラリーをドクターブレード法により成形し、厚み30μmのセラミックグリーンシートを得た。
【0032】
上記セラミックグリーンシートを所望の大きさにカットして得られた矩形状のセラミックグリーンシート上にAg粉末及びPd粉末を重量比で70:30の割合で含む導電ペーストをスクリーン印刷により付与し、上記矩形状のセラミックグリーンシートの上面の全面に未焼結の金属膜を形成した。このようにして未焼結の金属膜が形成された複数枚の矩形状のセラミックグリーンシートを積層し、60℃の温度で196MPaの圧力で熱圧着し、未焼結の金属膜を介して積層された未焼結のセラミックからなる板状の成形体を得た。
【0033】
得られた成形体を500℃の温度で加熱し、セラミックグリーンシートに含まれているバインダーを除去し、しかる後、1050℃で焼成し、板状の焼結体を得た。図2に、このようにして得られた焼結体を略図的に示す。焼結体1では、上記セラミックグリーンシートが焼成することにより得られた薄層セラミック板2〜4と、未焼結の金属膜が焼結することにより得られた金属膜5,6とが交互に積層されている。
【0034】
次に、図1に示すように、上記焼結体1を、NaOH水溶液7中にPtからなる電極8とともに浸漬した。そして、焼結体1中の金属膜5,6を負電位に、電極8を正電位に接続し、通電を行った。通電量は、1A×10分である。この通電後、金属膜5,6と薄層セラミック板2〜4とが互いに分離され、セラミック焼結体1から薄層セラミック板2〜4を取出すことができた。
【0035】
(比較例1)
実施例1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。このようにして得たセラミックグリーンシートを熱圧着し、30μmの厚みの板状の成形体(未焼結の成形体)を得た。次に、複数個の上記成形体間にZrO2(酸化ジルコニア)からなる粉末を均一に分散されるように挿入した状態で複数個の成形体を積み重ね、実施例1と同様の条件で脱バインダー及び焼成を行った。その後、複数個の薄層セラミック板を取り出し、表面に付着している上記粉末を超音波洗浄機により除去した。
【0036】
(実施例1及び比較例1の結果)
実施例1で得られた積層セラミック板は、平滑であり、反りがなかったのに対し、比較例1で得られたセラミック板では超音波処理を行った後でも、酸化ジルコニア粉末が付着していた。また、該酸化ジルコニア粉末が凝集しており、セラミック板の表面の平滑性が不十分であった。
【0037】
従って、上記実施例1及び比較例1の比較からも明らかなように、実施例1によれば、厚み20μmと薄く、かつ表面平滑性に優れ、反りのない平板状の薄層セラミック板の得られることがわかる。
【0038】
(実施例2)
出発原料として、Pb3O4、TiO2、ZrO2、NiO及びNb2O5の各セラミック粉末を用意した。このセラミック粉末を、Pb1.0(Ni1/2Nb1/2)0.20−(Zr0.35Ti0.45)O3の組成を実現するように秤量した。このようにして形成された出発原料を用いたことを除いては、実施例1と同様にして焼結体を得た。
【0039】
上記のようにして得られた焼結体を用いたことを除いては、実施例1と同様にして通電し、金属膜と薄層セラミック板とを分離した。実施例1と同様に、厚み20μmの平滑な薄層セラミック板を得ることができた。
【0040】
なお、電極としては、Pt以外の金属からなるものを用いてもよい。もっとも、耐腐食性に優れているので、Ptが好ましい。
また、アルカリ溶液として、NaOH水溶液以外のKOH水溶液などの強アルカリ水溶液を用いてもよく、さらに強アルカリ水溶液以外のアルカリ溶液を用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る薄層セラミック板の製造方法では、未焼結の金属膜とセラミックグリーンシートとが交互に積層された積層体を焼成し、得られた焼結体を電極とともにアルカリ溶液中に浸漬し、焼結体中の金属膜に負電位が接続されるように金属膜と電極との間に通電を行うだけで、セラミックグリーンシートの焼成により得られた薄層セラミック板が金属膜から分離される。また、金属膜とセラミックグリーンシートとが交互に積層されているため、得られた上記積層体では、薄層セラミック板に反りや歪みが生じ難い。よって、本発明の製造方法を用いれば、反りがなく、かつ表面平滑性に優れた薄層セラミック板を容易に得ることができる。
【0042】
また、従来のセラミック板相互の分離ための粉末をセラミックグリーンシート間に介在させた方法では、粉末の除去に煩雑な工程を必要としたのに対し、本発明では、このような煩雑な粉末除去工程を実施する必要はない。従って、薄層セラミック板の生産性を高めることもできる。
【0043】
さらに、上記粉末により薄層セラミック板を分離する従来法では、粉末を確実に除去できず、セラミック板に残存しがちであったのに対し、本発明の製造方法では、上記粉末を用いないため、得られた薄層セラミック板の表面に粉末が付着したりすることがなく、従来法に比べて平滑性に優れた薄層セラミック板を提供することができる。
【0044】
よって、本発明によれば、例えば20μm以下の平滑性に優れた薄層セラミック板を安定に供給することが可能となる。
本発明に係る薄層セラミック板の製造方法において、アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を用いた場合には、強アルカリであるため、陽極における酸化反応が十分に進行して、電子の生成が促進される。従って、陰極、すなわちセラミック焼結体中の金属膜側における還元反応が十分に進行し、金属膜と、薄層セラミック板との分離がより一層確実に促進される。
【0045】
第3の工程において、電極として白金からなる電極を用いた場合には、白金がアルカリにより腐食され難いため、長期間にわたり、本発明に従って薄層セラミック板の金属膜からの分離を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において、焼結体中の金属膜に負電位を与え、金属膜と電極との間に通電を行う工程を説明するための模式的正面断面図。
【図2】本発明の一実施例において用意されるセラミック焼結体を示す模式的正面断面図。
【図3】(a)及び(b)は、従来の薄層セラミック板の製造方法において用意されるセラミック焼結体及びセラミック焼結体の金属膜に通電し、金属膜を溶解する工程を説明するための各断面図。
【符号の説明】
1…セラミック焼結体
2〜4…薄層セラミック板
5,6…金属膜
7…NaOH溶液
8…電極
Claims (3)
- セラミックグリーンシートと、導電ペーストにより形成された未焼結の金属膜とを交互に積層してなる積層体を得る第1の工程と、
前記積層体を焼結して前記金属膜と前記セラミックグリーンシートが焼成されて得られた薄層セラミック板が一体化されてなる焼結体を得る第2の工程と、
前記焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることによって、薄層セラミック板を得る第3の工程とを備え、
前記第3の工程において、前記焼結体をアルカリ溶液中に電極とともに浸漬させた後、前記金属膜に負電位を与えるようにして、前記金属膜と前記電極との間に通電し、前記焼結体中の金属膜と薄層セラミック板とを分離させることを特徴とする、薄層セラミック板の製造方法。 - 前記第3の工程において、前記アルカリ溶液として、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液を用いることを特徴とする、請求項1に記載の薄層セラミック板の製造方法。
- 前記第3の工程において、前記電極として白金を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の薄層セラミック板の製造方法。
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JP2003179830A JP2005019538A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 薄層セラミック板の製造方法 |
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JPWO2006134673A1 (ja) * | 2005-06-14 | 2009-01-08 | 株式会社村田製作所 | セラミック板の製造方法 |
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-
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- 2003-06-24 JP JP2003179830A patent/JP2005019538A/ja active Pending
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