JP2005019289A - 燃料電池搭載機器、及び燃料タンク - Google Patents
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Abstract
【構成】燃料電池16を搭載するデジタルカメラ10では、空気ポンプ37が駆動されて圧縮空気貯留庫39へ空気が貯留され、第3弁69が開かれると、圧縮空気貯留庫39から燃料貯留部12Aへ空気が供給される。これによって、ピストン82が下降して袋体88を加圧し、燃料を燃料貯留部12Aから押し出して燃料電池16へ供給する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池を搭載する機器、及び燃料電池を搭載する機器に装着される燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から燃料電池を搭載する機器が考案されている(例えば、特許文献1、又は2参照)。特許文献1では、回収された副生成物による圧力で燃料貯留部内の燃料を加圧して燃料電池へ供給する構成が開示されている。
【0003】
しかし、副生成物の量が少なければ燃料貯留部内の燃料を加圧することはできず、確実に燃料を燃料電池へ供給できる方法ではない。また、特許文献2では、液体燃料を燃料電池へ供給するための構成は開示されていない。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−213359号公報
【特許文献2】
特開2003−36879号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、燃料を燃料貯留部から燃料電池へ確実に供給できる構成を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の燃料電池搭載機器は、燃料を貯留する燃料貯留部から燃料を供給されて機器で消費される電力を発電する燃料電池と、前記燃料貯留部に空気を供給し空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の燃料電池搭載機器では、空気が給気手段によって燃料貯留部に供給され、燃料貯留部内に貯留された燃料が空気圧によって加圧される。そして、燃料は燃料貯留部から押し出されて燃料電池へ供給される。これによって、機器の向き、及び燃料や副生成物の量に関わらず、燃料貯留部から燃料電池へ確実に燃料を供給できるので、燃料電池は機器で消費される電力を常時発電できる。
【0008】
請求項2に記載の燃料電池搭載機器は、請求項1に記載の燃料電池搭載機器であって、前記給気手段と前記燃料貯留部に連通され、前記給気手段から供給された空気を貯留して内圧を上昇させ、前記燃料貯留部へ空気を供給して前記燃料貯留部内の燃料を加圧する空気貯留室を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の燃料電池搭載機器では、空気貯留室が給気手段と燃料貯留部に連通され、給気手段から供給された空気を貯留する。空気貯留室の内圧は貯留した空気によって上昇され、空気が空気貯留室から燃料貯留部へ供給される。これによって、燃料貯留部内の燃料が加圧され燃料貯留部から押し出されて燃料電池へ供給される。
【0010】
このように、一旦、空気を空気貯留室に貯留するようにしたので、水中等、空気を機器へ供給できない環境でも、空気貯留室に貯留された空気が無くなるまでの時間は燃料を燃料電池へ供給できる。
【0011】
請求項3に記載の燃料電池搭載機器は、請求項2に記載の燃料電池搭載機器であって、前記空気貯留室と前記燃料貯留部との間に設けられた第1弁と、前記空気貯留室と前記給気手段との間に設けられた第2弁と、前記空気貯留室の内圧を計測する圧力計と、前記圧力計によって計測された前記空気貯留室の内圧が所定値P1よりも低い時に前記第1弁を閉じ、前記第2弁を開き、前記給気手段を駆動させて前記空気貯留室の内圧を前記所定値P1まで上昇させ、前記第2弁を閉じ、前記第1弁を開いて前記空記貯留室に貯留された空気を前記空気貯留室の内圧が所定値P2になるまで前記燃料貯留部へ供給させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の燃料電池搭載機器では、第1弁が空気貯留室と燃料貯留部との間に設けられ、第2弁が空気貯留室と給気手段との間に設けられている。また、空気貯留室の内圧は圧力計によって計測される。
【0013】
圧力計によって計測された内圧が所定値P1よりも低い時に、制御手段によって第1弁が閉じられ、第2弁が開かれると共に、給気手段が駆動されて空気貯留室へ空気が供給され空気貯留室の内圧が所定値P1まで上昇される。そして、制御手段によって第2弁が閉じられ、第1弁が開かれ、空気貯留室の内圧が所定値P2になるまで空気貯留室に貯留された空気が、燃料貯留部に供給される。
【0014】
このように、空気貯留室の内圧を一旦所定値P1に設定してから燃料貯留部へ空気を供給するようにしたので、燃料貯留部への空気の供給量の制御が容易になる。
【0015】
請求項4に記載の燃料電池搭載機器は、請求項3に記載の燃料電池搭載機器であって、前記制御手段は、前記空気貯留室の内圧の変化量に基づいて前記第1弁を開く時間を調整することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の燃料電池搭載機器では、圧力計によって計測される空気貯留室の内圧の変化量に基づいて、第1弁を開く時間が調整される。ここで、第1弁が開かれると空気貯留室から燃料貯留部へ空気が供給され、空気貯留室の内圧は低下する。即ち、空気貯留室の内圧の変化量と燃料貯留部への空気の供給量との間には相関関係がある。このため、空気貯留室の内圧の変化量に基づいて第1弁を開く時間を調整することによって、所望の量の空気を燃料貯留部へ供給でき、所望の量の燃料を燃料電池へ供給できる。
【0017】
請求項5に記載の燃料電池搭載機器は、請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池搭載機器であって、前記機器に備えられた駆動部と、前記駆動部と、前記給気手段と、に駆動力を付与する駆動力付与手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段が、機器に備えられた駆動部に駆動力を付与する駆動力付与手段から駆動力を付与されて駆動される。即ち、給気手段の駆動源が、駆動部の駆動源と兼用となっており、給気手段の専用の駆動源が不要となっている。これによって、燃料電池搭載機器が省スペース化され、コストが低減される。
【0019】
請求項6に記載の燃料タンクは、燃料電池を備える機器に装着され、貯留した燃料を前記燃料電池へ供給する燃料タンクであって、燃料を貯留し、前記機器に設けられた給気手段によって空気を供給される燃料貯留部と、前記燃料貯留部の内圧によって前記燃料貯留部内を摺動し、燃料を加圧して前記燃料貯留部から押し出し前記燃料電池へ供給する燃料供給手段と、を有することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の燃料タンクでは、燃料電池を備える機器に装着され、機器に設けられた給気手段によって燃料貯留部へ空気が供給されると、燃料供給手段が、燃料貯留部の内圧によって燃料貯留部内を摺動する。これによって、燃料貯留部に貯留された燃料が加圧され、燃料貯留部から押し出されるので、燃料タンクの向きや燃料の残量、もしくは副生成物の量に関わらず、燃料電池へ供給できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0022】
図1に示すように、燃料電池搭載機器としてのデジタルカメラ10には、メタノール水溶液(CH3OH+H2O)が充填された燃料タンク12が、デジタルカメラ10に設けられた収納部14へ上方から装填される。収納部14の底部には、メタノール水溶液と酸素(O2)の化学反応によって発電を起し、副生成物として水(H2O)、及び二酸化炭素(CO2)を生成するメタノール直接型燃料電池(以下、燃料電池)16が備えられている。
【0023】
燃料タンク12は、燃料を貯留する燃料貯留部12Aと、燃料電池12で生成される水を回収する水回収部12Bとの2槽構造となっている。燃料タンク12と燃料電池16は燃料供給口18を給液口20へ、水回収口22を排水口24へ勘合させることで、水密状態で接続される。図示は省略したが、燃料供給口18、水回収口22には、安全弁が設けられており、この安全弁は、燃料供給口18と給液口20、水回収口22と排水口24とが接続されると開かれる。
【0024】
また、燃料タンク12のケーシング25の上面には、燃料貯留部12Aに面して給気口25Aが設けられている。また、蓋120の裏面には、閉められると給気口25Aに一端部が挿入される給気管29が設けられている。
【0025】
この給気管29は、デジタルカメラ10の上面に他端部を臨ませており、管の途中には空気ポンプ41が設けられている。この空気ポンプ41が作動されると、外気が燃料貯留部12Aに供給されて空気圧によってピストン82(図4参照)が下降して燃料が加圧され、燃料貯留部12A内の燃料が燃料供給口18、給液口20を介して燃料電池16の燃料極130A(図5参照)へ供給される。また、水は、燃料電池16の空気極130B(図5参照)で生成され、排水口24、水回収口22を介して水回収部12Bへ回収される。
【0026】
図2には、本実施形態のデジタルカメラ10の回路構成を示すブロック図が示されている。
【0027】
デジタルカメラ10には、撮影レンズ26、シャッタ28及びCCD撮像素子30が備えられている。撮影レンズ26及びシャッタ28を経由してCCD撮像素子30上に結像された被写体像は、CCD撮像素子30によってアナログ画像信号に変換される。ここで、シャッタ28によって、CCD撮像素子30からアナログ画像信号が読み出される際のスミアの発生が抑制される。
【0028】
また、デジタルカメラ10には、閃光装置32が備えられている。この閃光装置32は、低照度時、又は低照度時以外の必要時に閃光を発光し、被写体に補助光を照射する。
【0029】
また、デジタルカメラ10には、アナログ信号処理部34、A/D変換部36、デジタル信号処理部38、テンポラリメモリ40、圧縮伸長部42、内蔵メモリ(又はメモリカード)44、画像モニタ46、及び駆動回路48が備えられている。
【0030】
CCD撮像素子30は、駆動回路48内のタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミングで駆動され、アナログ画像信号を出力する。また、駆動回路48には、撮影レンズ26のズーム駆動の駆動源であるズームモータ31、撮影レンズ26のフォーカス駆動の駆動源であるフォーカスモータ33、シャッタ28の駆動源であるシャッタモータ35、絞り29の駆動源である絞りモータ37、及びズームモータ31に欠歯ギア106、108(図6参照)を連結させるフラッパーソレノイド116、118等を駆動する駆動回路も含まれている。なお、ズームモータ31は空気ポンプ82の駆動源にもなるがこの点については後述する。
【0031】
CCD撮像素子30から出力されたアナログ画像信号は、アナログ信号処理部34でアナログ信号処理され、A/D変換部36でA/D変換され、そして、デジタル信号処理部38でデジタル信号処理される。デジタル信号処理されたデジタル画像データは、テンポラリメモリ40に一時的に格納される。
【0032】
テンポラリメモリ40に格納されたデジタル画像データは、圧縮伸長部42で圧縮されて内蔵メモリ(又はメモリカード)44に記録される。尚、撮影モードによっては、圧縮の過程を省いて内蔵メモリ44に直接記録しても良い。そして、テンポラリメモリ40に格納されたデジタル画像データは画像モニタ46に読み出され、画像モニタ46に被写体像が映し出される。
【0033】
また、デジタルカメラ10には、デジタルカメラ10全体の制御を司るCPU50、ズーム操作スイッチ等を含む操作スイッチ群52、及びシャッタボタン54が備えられている。操作スイッチ群52を操作して所望の撮影状態に設定し、シャッタボタン54を押下することによって、写真撮影が行われる。
【0034】
また、デジタルカメラ10には、2次電池51、コンバータ53、及び燃料電池16が備えられており、デジタルカメラ10を構成する各部は、2次電池51にバッファされた電気エネルギーで作動される。この2次電池51にバッファされた電気エネルギーが不足していると、CPU50は、コンバータ53を作動させて燃料電池16を発電させる。そして、燃料電池16から電気エネルギーが供給されて2次電池51の充電が完了すると、コンバータ53の作動を停止させて燃料電池16の発電を停止させる。
【0035】
さらに、デジタルカメラ10には、駆動検出部55、パラメータ記憶部57、不揮発メモリ59が備えられている。駆動検出部55は、ズームモータ31、フォーカスモータ33等の駆動部が駆動されたこと、又は画像モニタ46の表示時間等を検出する。
【0036】
パラメータ記憶部57には、ズームモータ31、フォーカスモータ33、又はストロボ等の1度の駆動によって、又は画像モニタ46の所定時間の表示によって消費される電気エネルギーを発電させるだけの燃料の量のパラメータテーブルが記憶されている。
【0037】
不揮発メモリ59には、駆動検出部55によってズームモータ31等の駆動部が駆動されたことが検出されると、各駆動部の駆動回数、及び画像モニタ46の表示時間が記憶される。なお、デジタルカメラ10の電源がオフになっても、不揮発メモリ59から駆動記録が消えることはない。
【0038】
CPU50は、不揮発メモリ59から駆動記録を読み出し、パラメータ記録部57から各駆動部の駆動によって消費される燃料の量を読み出し、これらを乗じて燃料電池16で消費された累積消費量を演算する。
【0039】
そして、CPU50は、この累積消費量が所定量になると、後述する第3弁69を開いて、燃料電池16内で消費された分の燃料をまとめて燃料貯留部12Aから燃料極130Aへ供給させる。
【0040】
図3に示すように、デジタルカメラ10の背面には、ファインダ56、ファインダLED58、撮影/再生モード選択スイッチ60、充電モード選択スイッチ61、撮影モード選択ダイヤル62、マルチファンクションの十字キー64、カメラの動作モードや十字キー64の機能等を文字やアイコンで表示するドットマトリクスの液晶表示機66、バックスイッチ68、メニュー/OKスイッチ70、画像モニタ46、及びスピーカ72等が設けられている。
【0041】
また、デジタルカメラ10の上面には、電源スイッチ74及びシャッターボタン54が設けられ、デジタルカメラ10の側面には、音声/映像(A/V)出力端子76、デジタル(USB)端子78、及びDC入力端子80が設けられている。
【0042】
デジタルカメラ10は、撮影/再生モード選択スイッチ60によって撮影モード、又は再生モードが選択できるようになっており、撮影モード時には撮影モード選択ダイヤル62によってマニュアル撮影、オート撮影、動画、ボイスレコーダー等の各モードが選択できるようになっている。尚、ボイスレコーダは、音声のみを記録するモードである。
【0043】
また、デジタルカメラ10は、充電モード選択スイッチ61によって充電モードが選択できるようになっており、充電モード時には燃料電池16によって発電が行われ、2次電池51が充電される。尚、充電モード時以外にも燃料電池16の発電は行うが、この点については後述する。
【0044】
画像モニタ46は、電子ビューファインダとして使用できると共に、内蔵メモリ(又はメモリカード)44から読み出した再生画像等を表示することができる。また、画像モニタ46は、撮影可能コマ数や再生コマ番号の表示、ストロボ発光の有無、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報も表示され、更に各種のメニュー等がメニュー/OKボタン70や十字キー64の操作に応じて表示される。
【0045】
次に、燃料タンク12の構造について説明する。
【0046】
図4に示すように、燃料タンク12のケーシング25は仕切り板25Bによって仕切られて燃料貯留部12Aと水回収部12Bとの2槽構造となっている。燃料貯留部12Aと水回収部12Bはキャップ27によって封止されている。キャップ27には、燃料貯留部12Aに面して燃料供給口18が設けられ、水回収部12Bに面して水回収口22が設けられている。
【0047】
水回収部12Bには水を回収する袋体86が収納され、口部を水回収口22に取り付けられている。燃料貯留部12Aには燃料を貯留する袋体88が収納され、口部を燃料供給口18に取り付けられている。袋体88はテフロン(登録商標)ゴム等の耐アルコール性材料で、伸縮自在とされている。但し、袋体88は伸縮自在でなくても、後述するピストン82によって押し潰すことができ、且つ押し潰された状態から復元できる柔軟な材料であれば良い。
【0048】
燃料貯留部12Aには、ピストン82、引張コイルバネ84が収納されている。ピストン82は、シリンダとなる燃料貯留部12A内を摺動可能とされ、引張コイルバネ84は、一端部をピストン82の上面に取付けられ、他端部を燃料貯留部12Aの上面に取付けられている。
【0049】
また、ケーシング25の仕切り板25Bと仕切り板25Bと向き合うケーシング25の内壁25Cには、摺動方向に延出するガイドリブ25D、25Eが形成されている。そして、ピストン82には、溝82Aが2個所に形成され、ガイドリブ25D、25Eに嵌合している。
【0050】
給気口25Aから燃料貯留部12Aへ空気が送り込まれると、ピストン82は、空気圧によって押し下げられ、引張コイルバネ84は伸長される。また、蓋120を開き、給気管29が給気口25Aから引き抜かれ、燃料貯留部12Aの内圧が低下すると、ピストン82は、引張コイルバネ84の収縮する力によって上方へ持ち上げられる。
【0051】
これによって、燃料タンク12の向き、及び燃料や副生成物の量に関わらず、袋体88内の燃料が加圧されて袋体88から押し出されて燃料電池16へ供給される。
【0052】
次に、燃料貯留部に空気を供給する機構について説明する。
【0053】
図5に示すように、給気管29の途中には、空気ポンプ41と圧縮空気貯留室39が設けられ、給気管29は、第1給気管29A、第2給気管29B、第3給気管29C、及び第4給気管29Dに分割されている。第1給気管29Aは、一端部をデジタルカメラ10の上面に臨ませ、他端部を空気ポンプ41に接続されている。
【0054】
第2給気管29Bは、一端部を空気ポンプ41に接続され、他端部を圧縮空気貯留室39に接続されている。また、第3給気管29Cは、一端部を圧縮空気貯留室39に接続され、他端部を給気口25Aに挿入されている。さらに、第4給気管29Dは、一端部を圧縮空気貯留室39に接続され、他端部を燃料電池16の空気室128B(後述する)に接続されている。
【0055】
空気ポンプ41は、シリンダ43Aが内部に形成されたケーシング43、シリンダ43A内を摺動するピストン45、ピストン45を往復動させるリンク機構47、及びリンク機構47へ回転運動を伝達するギア49で構成されている。
【0056】
シリンダ43Aの底部43Bには、第1給気管29Aと第2給気管29Bが連通しており、シリンダ43A内に空気が出入する。また、第1給気管29Aには第1弁63が設けられ、第2給気管29Bには第2弁65が設けられている。第1弁63、第2弁65は、リンク機構47に連動している。
【0057】
ピストン45がリンク機構47によって引き戻されるのと同時に、第1弁63が開かれ、第2弁65が閉じられる。これによって、外気が給気管29Aからシリンダ41内に吸入される。
【0058】
そして、ピストン45がリンク機構47によって押し出されるのと同時に、第1弁63が閉じられ、第2弁65が開かれる。これによって、シリンダ43A内に吸入された空気が圧縮空気貯留室39へ供給される。
【0059】
また、ギア49に噛合する欠歯ギア(平歯車)106、欠歯ギア106に駆動力を付与するズームモータ31が設けられている。このズームモータ31はステッピングモータで、正確に駆動を制御できる。
【0060】
欠歯ギア106の周面には、歯車部106Aと欠歯部106Bとが形成されている。欠歯部106Bは対称位置に2箇所形成され、欠歯部106B以外の部分が歯車部106Aとされている。
【0061】
図6(A)に示すように、ズームモータ31のモータギア31Aを間に置いて欠歯ギア106側の反対側には、欠歯ギア108が設けられている。この欠歯ギア108は、撮影レンズ26(図2参照)をズーム駆動させるズームギア110へ、ギア112、ギア114によって連結されている。また、欠歯ギア108は、欠歯ギア106と同じ形状をしており、周面には、歯車部108Aと欠歯部108Bとがそれぞれ2箇所に対称に形成されている。
【0062】
ここで、欠歯ギア106の回転を制止するフラッパーソレノイド116、及び欠歯ギア108の回転を制止するフラッパーソレノイド118が設けられている。欠歯ギア106にはフラッパーソレノイド116のアームチュア116Aが係止する係止部106Cが形成され、欠歯ギア108には、フラッパーソレノイド118のアームチュア118Aが係止する係止部108Cが形成されている。また、欠歯ギア106、108は、図示しないバネによって時計回り方向(図中矢印A方向、及びB方向)に付勢されている。
【0063】
この状態では、欠歯ギア106は欠歯部106Bをモータギア31A、ギア104に対面させており、欠歯ギア106は、モータギア31A、およびギア104に噛合していない。また、欠歯ギア108も同様に、モータギア31A、及びギア110に噛合していない。
【0064】
図6(B)に示すように、フラッパーソレノイド118が励磁されると、アームチュア118Aがコイル118B側に移動され、係止部108Cから外れる。バネによって矢印B方向に付勢されている欠歯ギア108は矢印B方向に回転し、欠歯ギア108の歯車部108Aが、モータギア31A、及びギア110に噛合する。これによって、ズームモータ31が駆動されモータギア31Aが回転すると、駆動力がズームギア110まで伝達されてズーム駆動される。
【0065】
この時、欠歯ギア106はモータギア31Aに噛合していないので、ズームモータ31の駆動力は空気ポンプ41のギア49まで伝達されない。このため、空気ポンプ41を駆動させる必要がない時に駆動させてしまうことはない。
【0066】
また、フラッパーソレノイド118が励磁される前は、欠歯ギア108はギア112に噛合していないので、アームチュア118Aが係止部108Cから外れて欠歯ギア108がバネの不勢力によって回転する時に、ギア112は回転されない。このため、欠歯ギア108がギア112に噛合する時にズームギア110が駆動されてズーム駆動されてしまうことがない。従って、ズーム駆動を正確に制御できる。
【0067】
また、図6(C)に示すように、フラッパーソレノイド116が励磁されると、アームチュア116Aがコイル116B側に移動され、係止部106Aから外れる。バネによって矢印A方向に付勢されている欠歯ギア106は矢印A方向に回転し、欠歯ギア106の歯車部106Aが、モータギア31A、及びギア49に噛合する。これによって、ズームモータ31が駆動されると、駆動力がギア49に伝達されて空気ポンプ41が駆動される。
【0068】
この時、欠歯ギア108はモータギア31Aに噛合していないので、ズームモータ31の駆動力はズームギア110へ伝達されない。このため、ズーム駆動させる必要がない時に、ズーム駆動させてしまうことはない。
【0069】
また、フラッパーソレノイド116が励磁される前は、欠歯ギア106はギア49にも噛合していないので、アームチュア116Aが係止部106Cから外れて欠歯ギア106がバネの不勢力によって回転する時に、ギア49は回転されない。このため、欠歯ギア106がギア104に噛合する時に空気ポンプ41が駆動されてしまうことがない。
【0070】
上述したように、ズームモータ31の駆動力によって空気ポンプ41を駆動させるようにし、空気ポンプ41を駆動させるだけの駆動源が不要となったので、コストダウンできる。尚、デジタルカメラ10では、ズームモータ31を空気ポンプ41の駆動源としたが、これに限らず、フォーカスモータ33やシャッタモータ35、及び絞りモータ37等、デジタルカメラ10に備えられた他の駆動源を用いても良い。
【0071】
そして、図5に示すように、空気ポンプ41によって供給された空気を貯留する圧縮空気貯留室39には、圧力計67が設けられ、圧縮空気貯留室39の内圧が計測されている。また、第3給気管29Cには第3弁69が設けられ、第4給気管29Dには第4弁71が設けられている。
【0072】
第3弁69、第4弁71が閉じられた状態で圧縮空気貯留室39に空気が過供給され、圧縮空気貯留室39内に空気が圧縮された状態で貯留される。この圧縮空気の空気圧が圧力計67によって計測され、所定値P1よりも低い時に、空気ポンプ39が駆動されて圧縮空気貯留室39への給気が行われる。
【0073】
そして、第3弁69が開かれると、圧縮空気貯留室39内の圧縮空気が燃料貯留部12Aへ供給され、空気圧によってピストン82が押し下げられる。これによって、燃料が加圧されて袋体88から押し出されて燃料室128Aに供給される。
【0074】
また、第4弁71が開かれると、空気が第4給気管29Dから空気室128Bに供給される。燃料電池16の発電時に、空気室128B内の空気中の酸素が空気極130Bで水素イオンと結合して水となる。
【0075】
このように、一旦、空気を圧縮空気貯留室39に貯留するようにしたので、水中等、空気を機器へ供給できない環境でも、圧縮空気貯留室39に貯留された空気が無くなるまでの所定時間は燃料を燃料電池16へ供給できる。
【0076】
次に燃料電池16について説明する。
【0077】
図5に示すように、燃料電池16のケーシング128は、電池セル130によって燃料室128Aと空気室128Bに室が分けられている。燃料室128Aと空気室128Bは、燃料タンク12が載置される台座132によって封止されている。
【0078】
台座132には、燃料室128Aに面して給液口20が設けられ、空気室128Bに面して排水口24が設けられ、袋体88から燃料室128Aへ燃料を供給でき、空気室128Bから袋体86へ水を回収できるようになっている。
【0079】
電池セル130は、燃料室128Aの壁面を構成する燃料極130A、空気室128Bの壁面を構成する空気極130B、及び燃料極130Aと空気極130Bに挟まれるプロトン導電膜130Cとで構成されている。
【0080】
燃料タンク12から燃料室128Aへメタノールが供給され、燃料極130Aに電圧が印加されると、メタノールが化学反応式(1)に示すように、二酸化炭素、水素イオン、及び電子に分解される。
【0081】
CH3OH+H2O→CO2+6H++e− …(1)
二酸化炭素は、燃料室128Aの壁面に設けられた気液分離フィルタ134によって燃料室128Aから放出され、水素イオンは、プロトン導電膜130Cを透過して空気極130Bへ移動する。そして、電子は、2次電池51(図2参照)へ向かい、2次電池51を充電させる。
【0082】
空気極130Bへ移動した水素イオンH+は、圧縮空気貯留室39から空気室128Bへ供給された酸素、及び電子と結合して水となる。この水は、排水口24、及び水回収口22を通過して袋体86に回収される。
【0083】
次に、燃料タンク12を着脱させる機構について説明する。
【0084】
図5に示すように、燃料タンク12を収納部14へ出し入れするための開閉式の蓋120が設けられている。蓋120の内面にはコ字状のフック122が設けられている。そして、このフック122にアームチュア124Aを係止させるフラッパーソレノイド124が、デジタルカメラ10の上面の内側に取り付けられている。
【0085】
このフラッパーソレノイド124が励磁されると、アームチュア124Aがコイル124B側に移動し、アームチュア124Aの引掛け部124Cがフック122に係止する。これによって、蓋120がロックされ、開閉できなくなる。
【0086】
また、燃料タンク12のケーシング25の水回収部12B側の側面にはラック25Fが形成されている。このラック25Fにモータギア126Aを噛合させるモータ126が、収納部14に設けられている。
【0087】
燃料タンク12を収納部14から取り出したい時に、取出しスイッチ138(図3参照)が操作されると、フラッパーソレノイド124の励磁が停止され、蓋120のロックが解除される。
【0088】
そして、蓋120が開かれると図示しない図示しない開閉検出スイッチがオンになり、モータ126が駆動される。これによって、燃料タンク12が収納部14から頭を出し、燃料タンク12を掴んで収納部14から取り出すことができる。
【0089】
次に、燃料供給方法について説明する。
【0090】
図7のフローチャートに示すように、デジタルカメラ10の電源が投入されると、本フローが開始され、ステップ201へ進む。ステップ201では、フラッパーソレノイド124が励磁され、蓋120がロックされる。ステップ202では、充電モード選択スイッチ61によって充電モードが選択されたか否かが判定され、肯定されると図8のフローチャートのステップ301へ進み、否定されるとステップ203へ進む。
【0091】
ステップ203では、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動されたことが駆動検出部55によって検出されるまで否定判定が繰り返される。例えば、シャッタボタン54が操作され、閃光発光装置32からフラッシュが発光され、又は撮影/再生モード選択スイッチ60によって撮影モード又は再生モードが選択されて画像モニタ46が表示されると、駆動部検出部55によって検出されて不揮発メモリ59に記憶される。ここで、画像モニタ46の表示に関しては表示時間が記憶され、その他の駆動部に関しては駆動回数が記憶される。
【0092】
そして、ステップ204に進み、燃料の消費量が所定量を超えるまで否定判定が繰り返され、ステップ203へ戻り、繰り返して各駆動部の駆動検出が行われる。ここで、各駆動部が駆動されて2次電池51の電気エネルギーが消費されると燃料電池16の発電は行われ、燃料電池16内の燃料は消費される。この消費量は、例えば、閃光発光装置が駆動された時に多くなり、又は画像モニタ46を長時間表示していると多くなる。
【0093】
このようにデジタルカメラ10の使用状態によって異なる燃料の消費量のパラメータテーブルがパラメータ記憶部57に記憶されている。このパラメータテーブルとは、例えば、シャッタボタンが1回操作されると燃料が1ml消費され、閃光発光装置32が1回駆動されると燃料が5ml消費され、画像モニタ46が1分表示されると燃料が3ml消費されるというようなものである。
【0094】
CPU50は、不揮発メモリ59に累積して記憶されたシャッタボタン54の使用回数、閃光発光装置32の発光回数、又は画像モニタ46の表示時間等を不揮発メモリ57から読み出し、パラメータ記憶部57から各駆動に対応する燃料の消費量を読み出す。そして、CPU50は、これらを乗じてこれまで消費された累積消費量を演算し、燃料の累積消費量が所定量を超えるとステップ205へ進む。
【0095】
ステップ205では、CPU50が、ステップ204で演算された燃料の累積消費量データを駆動回路48へ送信する。駆動回路48はこの累積消費量データを受け取ると、第3弁69を開放する。ここで、圧縮空気貯留室39には圧縮空気が貯留されており、圧縮空気貯留室39の内圧は内圧P1まで上昇されている。
【0096】
このため、第3弁69が開放されると、圧縮空気貯留室39内の圧縮空気が内圧によって圧縮空気貯留室39から押し出されて給気管29Cを通って燃料貯留部12Aへ給気される。そして、燃料貯留部12A内のピストン82が燃料貯留部12A内の空気圧によって押し下げられて袋体88を加圧する。これによって、袋体88内の燃料が袋体88から押し出されて燃料室128Aに供給される。
【0097】
ステップ206では、圧力計67によって圧縮空気貯留室39内の内圧が計測され、所定の内圧P2になるまで否定判定が繰り返される。ここで、所定の内圧P2とは、上記累積消費量の燃料を燃料電池16へ供給させるだけの所定量の空気が、圧縮空気貯留室39から燃料貯留部12Aへ供給された時の内圧である。このように、一旦、圧縮空気貯留室39の内圧を内圧P1に設定してから圧縮空気貯留室39内の空気を噴出するようにしたので、空気の供給速度が一定になり、空気の供給量の制御が容易になる。そして、肯定されるとステップ207へ進む。
【0098】
ステップ207では、第3弁69を閉じ、燃料貯留部12Aへの給気を停止する。これによって、燃料電池16で消費された分だけの燃料が供給され、常時、燃料電池16内の燃料を所定量に維持することができるので、燃料電池16内の燃料切れを防止できる。
【0099】
ここで、第3弁69が開かれると圧縮空気貯留室39から燃料貯留部12Aへ空気が供給され、圧縮空気貯留室39の内圧は低下する。即ち、圧縮空気貯留室39の内圧の変化量と燃料貯留部12Aへの空気の供給量とは相関関係がある。このため、圧縮空気貯留室39の内圧の変化量に基づいて第3弁69を開く時間を調整することによって、所望の量の空気を燃料貯留部12Aへ供給でき、所望の量の燃料を燃料電池16へ供給できる。
【0100】
そして、ステップ208では、図6(C)に示すように、フラッパーソレノイド116を励磁して欠歯ギア106をモータギア31A、及びギア104に噛合させる。
【0101】
そして、ステップ209へ進み、ステッピングモータであるズームモータ31を駆動させて空気ポンプ41を作動させ、第1弁63、及び第2弁65を交互に開閉させる。これによって、圧縮空気貯留室39へ空気が供給され、圧縮空気貯留室39の内圧が上昇する。
【0102】
ステップ210では、圧力計67によって圧縮空気貯留室39の内圧が計測され、内圧P1になるまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ211に進み、第1弁63、及び第2弁65が閉じられると共にズームモータ31の駆動が停止され、圧縮空気貯留室39への給気が停止される。
【0103】
そして、ステップ211では、第4弁71が開かれ、圧縮空気貯留室39から空気室128Bへ空気が供給される。このため、水中や高地等、燃料電池16の化学反応に必要とされる酸素の供給が困難な環境でも、燃料電池16へ酸素を供給でき、発電させることができる。
【0104】
そして、ステップ212では、圧力計67によって圧縮空気貯留室39の内圧が計測され、所定の内圧P3になるまで否定判定が繰り返される。ここで、所定の内圧P3とは、燃料電池16が発電できるだけの所定量の空気が、圧縮空気貯留室39から空気室128Bへ供給された時の内圧である。
【0105】
そして、肯定されると、ステップ213へ進み、第4弁71を閉じ、空気室128Bへの給気を停止する。ステップ214では、ズームモータ31を駆動させて空気ポンプ41を作動させると共に、第1弁63、及び第2弁65を交互に開閉させて圧縮空気貯留室39へ給気する。
【0106】
ステップ215では、圧力計によって圧縮空気貯留室39の内圧が計測され、内圧P1になるまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ216へ進む。ステップ216では、ズームモータ31の駆動を停止すると共に、第1弁、第2弁を閉じ、圧縮空気貯留室39を密閉する。
【0107】
そして、ステップ217では、ズームモータ31を逆回転させて欠歯ギア106とギア104との噛み合いを解除させる共に、フラッパーソレノイド116の励磁を停止してアームチュア116Aを欠歯ギア106の係止部106Cに係止させる。
【0108】
そして、ステップ218に進み、デジタルカメラ10の電源がオフになるまで否定判定が繰り返されてステップ203へ戻り、ステップ203〜218が繰り返し行われる。
【0109】
また、充電モード時には、図8のフローチャートに示すように、ステップ301において、2次電池51の充電が完了しているか否かが判定される。ここで、2次電池51の充電量の検出は、2次電池51の駆動電圧の変動状態を検出する等の公知の検出方法で行われる。
【0110】
ステップ301で肯定されると、ステップ302に進み、液晶表示機66に充電が完了したことを知らせるアイコンを表示する。ステップ301で否定されると、ステップ303に進む。ステップ303では、CPU50によって、ステップ301で検出された2次電池51の充電量に基づいて、2次電池51の充電を完了するために必要な発電量、燃料の量、及び酸素の量が算出される。
【0111】
そして、ステップ304へ進み、CPU50は、ステップ303で算出された燃料の必要量データを駆動回路48へ送信する。駆動回路48はこのデータを受け取ると、第3弁69を開放する。ここで、圧縮空気貯留室39内の内圧は所定の内圧P1に維持されており、第3弁69が開放されると、圧縮空気貯留室39内の圧縮空気が燃料貯留部12Aへ給気される。これによって、ピストン82が下降して袋体88内の燃料を袋体88から押し出して燃料室128Aに供給させる。
【0112】
ステップ305では、圧力計67によって圧縮空気貯留室39内の内圧が計測され、所定の内圧P4になるまで否定判定が繰り返される。ここで、所定の内圧P4とは、上記必要量の燃料を燃料電池16へ供給させるだけの所定量の空気が、圧縮空気貯留室39から燃料貯留部12Aへ供給された時の内圧である。そして、肯定されるとステップ306へ進む。
【0113】
ステップ306では、第3弁69を閉じ、燃料貯留部12Aへの給気を停止する。これによって、上記必要量の燃料が燃料室128Aへ供給される。
【0114】
そして、ステップ307では、図6(C)に示すように、フラッパーソレノイド116を励磁して欠歯ギア106をモータギア31A、及びギア104に噛合させる。
【0115】
そして、ステップ308へ進み、ステッピングモータであるズームモータ31を駆動させて空気ポンプ41を作動させ、第1弁63、及び第2弁65を交互に開閉させる。これによって、圧縮空気貯留室39へ空気が供給され、圧縮空気貯留室39の内圧が上昇する。
【0116】
ステップ309では、圧力計67によって圧縮空気貯留室39の内圧が計測され、内圧P1になるまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ310に進み、第1弁63、及び第2弁65が閉じられると共にズームモータ31の駆動が停止され、圧縮空気貯留室39への給気が停止される。
【0117】
そして、ステップ310では、第4弁71が開かれ、圧縮空気貯留室39から空気室128Bへ空気が供給される。そして、ステップ311では、圧力計67によって圧縮空気貯留室39の内圧が計測され、所定の内圧P5になるまで否定判定が繰り返される。ここで、所定の内圧P5とは、燃料電池16が発電できるだけの所定量の空気が、圧縮空気貯留室39から空気室128Bへ供給された時の内圧である。
【0118】
そして、ステップ312へ進み、第4弁が閉じられ、圧縮空気貯留室39から空気室128Bへの給気が停止される。そして、ステップ313では、ズームモータ31が駆動され、空気ポンプ41が作動されて圧縮空気貯留室39への給気が行われ、ステップ314へ進む。
【0119】
ステップ314では、圧縮空気貯留室39の内圧がP1まで上昇したか否かが判定され、肯定されるとステップ315へ進む。ステップ315では、空気ポンプの駆動が停止されると共に、第1弁63、及び第2弁65が閉じられ、圧縮空気貯留室の内圧がP1に維持される。
【0120】
そして、ステップ316に進み、液晶表示機66に充電が完了したことを知らせるアイコンを表示する。そして、図7のステップ217へ進み、同様に、燃料供給手段82とズームモータ31の連結を解除し、ステップ218で電源がオフになると、本フローが終了する。
【0121】
なお、本フローでは、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動されて消費された燃料を累積して供給するようにした。このため、ズームモータ31を起動させる回数が少なくなり起動電力を節約できる。しかし、これに限らず、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動される度に燃料を供給するようにしても良い。
【0122】
次に、燃料タンク12を収納部14から取り出す方法について説明する。
【0123】
図9のフローチャートに示すように、デジタルカメラ10の電源が投入されると本フローが開始され、ステップ401へ進む。ステップ401では、燃料タンク取出しスイッチ138が操作されるまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ402へ進む。
【0124】
ステップ402では、フラッパーソレノイド116が励磁され、欠歯ギア106とモータギア31A、及びギア104の噛合が解除されるまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ403へ進む。ここで、欠歯ギア106がモータギア31A、及びギア104に噛合していると、ギア104、2段ギア102には回転方向の遊びが無くなる。このため、燃料タンク12を収納部14に挿入した時、燃料タンク12のギア84の歯先と2段ギア102の平歯車102Aの歯先が衝突すると、ギア84と2段ギア102が噛合できない。
【0125】
しかし、欠歯ギア106がモータギア31A、及びギア104に噛合していなければギア104、2段ギア102には回転方向に遊びが生まれる。また、ギア104と2段ギア102の互いに衝突する箇所をテーパ状とすることで、燃料タンク12が挿入される時にギア84と2段ギアの歯先が衝突してもギア84と2段ギア102の双方が逆方向に回転するので、ギア104と2段ギア102は噛合できる。
【0126】
そして、ステップ403では、蓋120をロックしているフラッパーソレノイド124が励磁されて蓋120のロックが解除される。そして、ステップ404へ進み、蓋120が開かれたことが、図示しない開閉検出スイッチによって検出されるまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ405へ進む。
【0127】
ステップ405では、モータ126が駆動されて、燃料供給口18と給液口20、及び水回収口22と排水口24との接続が切り離され、燃料タンク12が収納部14から押し出される。これで本フローが終了する。
【0128】
なお、本実施形態では、外気を圧縮空気貯留室39に一端貯留して、圧縮空気貯留室39から燃料貯留部12A、及び空気室128Bへ給気する構成としたが、外気を直接、燃料貯留部39、及び空気室128Bへ給気する構成としても良い。
【0129】
また、本実施形態では、圧縮空気貯留室39の内圧がP1まで上昇した瞬間に空気ポンプ41の駆動を停止させるようにしたが、圧縮空気貯留室39の内圧がP1を超えた時に、第1弁63、及び第2弁65を開いて圧縮空気貯留室39から余剰な空気を排出するようにしても良い。
【0130】
さらに、本実施形態では、空気ポンプ41の駆動源をズームモータとしたが、他の駆動部のモータを駆動源としても良く、また、空気ポンプ41に専用の駆動源を設けても良い。
【0131】
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0132】
図10に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話100は、キーボードを備える筐体103の側面103Aに開閉式の蓋120が設けられており、燃料タンク105が側面から収納部107へ装填される。燃料タンク105には、キーボード面側に燃料貯留部105Aが設けられ、外面側に水回収部105Bが設けられている。燃料貯留部105Aには給気管29Cが挿入される給気口105Bが設けられている。また、燃料電池109には、キーボード面側に燃料室109Aが設けられ、外面側に空気室109Bが設けられている。
【0133】
また、空気ポンプ41のギア49には、バイブレーション用のモータ(図示省略)のギア111が噛み合っており、空気ポンプ41は、バイブレーション用のモータによって駆動される。
【0134】
さらに、給気管29Aには、圧縮空気ボンベ113を接続可能となっており、水中であっても燃料貯留部105A、及び空気室109Bへ給気可能となっている。
【0135】
なお、第1、第2実施形態では、デジタルカメラ10、カメラ付携帯電話100を例に取って本発明の燃料電池搭載機器を説明したが、これに限らず、アナログカメラや、ノートパソコン等、他の機器に付いても適用可能である。
【0136】
また、メタノール直接型燃料電池について説明したが、他の種類の燃料電池にも適用可能である。
【0137】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、燃料を燃料貯留部から燃料電池へ確実に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】第1実施形態のデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図4】第1実施形態のデジタルカメラの燃料タンクを示す斜視図である。
【図5】第1実施形態のデジタルカメラの燃料電池、燃料タンク、及び駆動力付与機構を示す図である。
【図6】第1実施形態のデジタルカメラの駆動力付与機構を示す図である。
【図7】第1実施形態のデジタルカメラの燃料供給方法を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態のデジタルカメラの燃料供給方法を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態のデジタルカメラの燃料タンクの取出し方法を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態の変形例であるカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ(燃料電池搭載機器)
12 燃料タンク
12A 燃料貯留部
16 燃料電池
31 ズームモータ(駆動力付与手段)
39 圧縮空気貯留室(空気貯留室)
41 空気ポンプ(給気手段)
50 CPU(制御手段)
65 第2弁
67 圧力計
69 第3弁(第1弁)
82 ピストン(燃料供給手段)
100 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
105 燃料タンク
105A 燃料貯留部
109 燃料電池
110 ズームギア(駆動部)
Claims (6)
- 燃料を貯留する燃料貯留部から燃料を供給されて機器で消費される電力を発電する燃料電池と、
前記燃料貯留部に空気を供給し空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段と、を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。 - 前記給気手段と前記燃料貯留部に連通され、前記給気手段から供給された空気を貯留して内圧を上昇させ、前記燃料貯留部へ空気を供給して前記燃料貯留部内の燃料を加圧する空気貯留室を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池搭載機器。
- 前記空気貯留室と前記燃料貯留部との間に設けられた第1弁と、
前記空気貯留室と前記給気手段との間に設けられた第2弁と、
前記空気貯留室の内圧を計測する圧力計と、
前記圧力計によって計測された前記空気貯留室の内圧が所定値P1よりも低い時に前記第1弁を閉じ、前記第2弁を開き、前記給気手段を駆動させて前記空気貯留室の内圧を前記所定値P1まで上昇させ、
前記第2弁を閉じ、前記第1弁を開いて前記空記貯留室に貯留された空気を前記空気貯留室の内圧が所定値P2になるまで前記燃料貯留部へ供給させる制御手段と、を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池搭載機器。 - 前記制御手段は、前記空気貯留室の内圧の変化量に基づいて前記第1弁を開く時間を調整することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池搭載機器。
- 前記機器に備えられた駆動部と、
前記駆動部と、前記給気手段と、に駆動力を付与する駆動力付与手段と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の燃料電池搭載機器。 - 燃料電池を備える機器に装着され、貯留した燃料を前記燃料電池へ供給する燃料タンクであって、
燃料を貯留し、前記機器に設けられた給気手段によって空気を供給される燃料貯留部と、
前記燃料貯留部の内圧によって前記燃料貯留部内を摺動し、燃料を加圧して前記燃料貯留部から押し出し前記燃料電池へ供給する燃料供給手段と、を有することを特徴とする燃料タンク。
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