JP2005018916A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネル絶縁膜の厚さによらず、最適なレファレンス電圧を得る。
【解決手段】メモリセルMC及びレファレンスセルRCは、MTJ素子から構成される。レファレンスセルRCは、メモリセルMCのデータを判断する基準を作る。レファレンスセルRCに対しては、それぞれ、独立に、データの書き込み/読み出しが可能である。レファレンスセルRCは、第1及び第2状態をとることができ、第1状態のレファレンスセルの数と第2状態のレファレンスセルの数は、異なっていてもよい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果(Magneto Resistive)を利用する磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM: Magnetic Random Access Memory)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル磁気抵抗効果(TMR: Tunneling Magneto Resistive)を利用する磁気ランダムアクセスメモリが、例えば、Roy Scheuerlein et.alによって提案されている(非特許文献1参照)。
【0003】
TMRを示すMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子は、2つの磁性体の間に薄い絶縁体が配置される構造を有する。ここで、MTJ素子は、2つの状態をとることができる。一つは、2つの磁性体の磁化が互いに同じ方向を向いている場合であり、これを、平行状態と定義する。他の一つは、2つの磁性体の磁化が互いに逆向きである場合であり、これを、反平行状態と定義する。
【0004】
MTJ素子の磁化の向きが平行状態である場合、絶縁体にトンネル電流が流れるときのその絶縁体の抵抗値は、最も低くなり、例えば、これを、“1”状態と定義する。また、MTJ素子の磁化の向きが反平行状態である場合、絶縁体にトンネル電流が流れるときのその絶縁体の抵抗値は、最も高くなり、例えば、これを、“0”状態と定義する。
【0005】
選択されたワード線と選択されたデータ選択線との交点に配置されるMTJ素子にデータを書き込むときには、例えば、選択されたワード線に、向きが固定された書き込み電流を流し、選択されたデータ選択線に、書き込みデータに応じた向きを有する書き込み電流を流す。
【0006】
その結果、これらワード線及びデータ選択線に流れる書き込み電流により発生する磁界がMTJ素子に作用し、かつ、その磁界の強さがMTJ素子の記憶層の磁化反転閾値を超え、MTJ素子にデータが書き込まれる。
【0007】
一方、MTJ素子に記憶されたデータを読み出すときには、MTJ素子に読み出し電流を流し、MTJ素子の抵抗値を読み取ればよい。
【0008】
(1) レファレンス電流/電圧に関して
非特許文献1の磁気ランダムアクセスメモリでは、1ビットデータを2セルで記憶している。これに対し、ダイナミックRAMや、フラッシュメモリなどにおいては、1ビットデータを1セルで記憶している。従って、同一のCMOSプロセスを使用すれば、後者のメモリは、前者のそれに比べて、大きなメモリ容量を確保できる。
【0009】
このようなことから、磁気ランダムアクセスメモリの分野においても、1ビットデータを1セルで記憶するための技術が、例えば、Peter K. Naji et.alによって提案されている(非特許文献2参照)。
【0010】
この技術によれば、セルデータを読み出すに当たって、データ値の判定の基準になるレファレンス電流/電圧を生成しなければならない。
【0011】
まず、バイアス電圧発生器(Self−Calibrating Reference Bias Voltage Generator)を用いて、元となる電圧Vbiasに基づいて、バイアス電圧Vbiasrefを生成する。バイアス電圧Vbiasrefは、抵抗値Rmaxを有するMTJ素子(“1”状態)と抵抗値Rminを有するMTJ素子(“0”状態)から生成される。
【0012】
Vbiasref = (Vbias/2)×(1+Rmin/Rmax)
ここで、レファレンスセルが“0”状態(抵抗値Rmin)であると、レファレンスセルには、次に示すレファレンス電流Irefが流れる。
Iref = Vbiasref/Rmin
= (Vbias/2)×(1/Rmin+1/Rmax)
= 1/2 × (Vbias/Rmin+Vbias/Rmax)
一方、メモリセルが“1”状態(抵抗値Rmax)であると、メモリセルには、次に示す電流Iminが流れる。
Imin = Vbias/Rmax
また、メモリセルが“0”状態(抵抗値Rmin)であると、メモリセルには、次に示す電流Imaxが流れる。
Imax = Vbias/Rmin
なお、レファレンス電流Irefの値は、ImaxとIminの半分となるため、読み出し時におけるデータ判定の基準としての役割を果たす。
【0013】
ここで、一つ問題がある。MTJ素子は、トンネル絶縁膜としての絶縁体を介して電流が流れる構造になっているので、その抵抗値は、トンネル絶縁膜の膜厚の変化に対して、指数関数的に変化する。
【0014】
つまり、非特許文献2に基づいてレファレンス電位を生成したとしても、例えば、NOR型フラッシュメモリで採用しているようなレファレンス電位を用いる差動センスアンプ方式による読み出し原理を採用すると、MTJ素子のトンネル絶縁膜の厚さのばらつきにより、MTJ素子の抵抗値にばらつきが発生し、データを読み取れなくなる場合がある。
【0015】
従って、これを防止するため、例えば、TMRによる磁気抵抗変化率(MR比: Magneto Resistive ratio )で決まるMTJ素子の抵抗変動分ΔRの半分(マージン)を、同一状態のレファレンスセルとメモリセルの抵抗値のばらつきよりも大きくしなければならない。
【0016】
しかし、一般的には、MR比は、20〜40%であるため、量産段階での製造マージン、歩留まりなどを考慮すると、十分なマージンを確保できない可能性がある。
【0017】
例えば、非特許文献2におけるバイアス電圧発生器(Self−Calibrating Reference Bias Voltage Generator)内のレファレンスセルの抵抗値Rmin,Rmaxと“0”状態のメモリセルの抵抗値R’minとが互いに異なった場合を想定する。
【0018】
R’min > 10×Rmax
R’min < 10×Rmin
となった場合は、一般的には、20〜40%程度であるMR比では、レファレンスとしての役割を果たし得ない。
【0019】
Rmin < R’min < Rmax として、
R’min = Rmin +δRmin とすると、
Figure 2005018916
【0020】
MR比を“MR”と表すと、
Rmax = Rmin × (1+MR) であるから、
Figure 2005018916
【0021】
従って、TMRによる磁気抵抗変化率(MR比)で決まるメモリセル(MTJ素子)の抵抗値の変動量の半分以上、メモリセルとレファレンスセルとの間で抵抗値のばらつきが生じると(MR/2 < δRmin/Rmin)、抵抗値がRmaxであるメモリセルとレファレンスセルとの比較ができなくなる。また、かかる場合には、抵抗値がRminであるメモリセルとレファレンスセルとの比較もできなくなる。
【0022】
具体的には、
Figure 2005018916
つまり、
MR/2 × 1/(1+MR) > |δRmin/Rmin|
を満たす必要がある。MR比が、20〜40%の範囲内であれば、抵抗値のばらつきは、MR比により決まる抵抗値の変動量の8.3〜14.2%未満である必要がある。
【0023】
(2) バイアス電圧に関して
MR比は、MTJ素子の両端子間に印加される電位差が増加するに従って減少する特性がある。この特性については、例えば、M. Durlam et.alによって確認されている(非特許文献3参照)。
【0024】
これを考慮しつつ、MTJ素子に対するバイアス電圧の最適値を求める。
【0025】
MTJ素子に対するバイアス電流を、Icとし、“0”状態のMTJ素子の抵抗値をRc(0)とし、“1”状態のMTJ素子の抵抗値をRc(1)とし、バイアス電流Icを与えたときに“0”状態のMTJ素子の両端子間に生じる電位差をV(0)とし、バイアス電流Icを与えたときに“1”状態のMTJ素子の両端子間に生じる電位差をV(1)とすると、
V(1) = Ic×Rc(1)、V(0) = Ic×Rc(0)
となる。
【0026】
また、MR比のバイアス電圧依存性を、
MR(V) = MR(0)−k×V
(但し、V は、MTJ素子に印加するバイアス電圧、MR(V)は、MTJ素子にバイアス電圧Vを印加したときのMR比、MR(0)は“0”状態のMTJ素子のMR比、MR(1)は“1”状態のMTJ素子のMR比、kは、定数である。)
と表すと、
Figure 2005018916
となる。
【0027】
従って、
V(1) = {1+MR(0)}÷[k+1/{Ic×Rc(0)}] より
V(1)−V(0)が最大になるIcを求めると、
d{V(1)−V(0)}/dIc
= [1+MR(0)−{Ic×Rc(0)×k+1}2]×Rc÷{Ic×Rc(0)×k+1}2
より、
Ic = [√{1+MR(0)}−1]/{Rc(0)×k}
となる。
【0028】
MR(0)は、現在、0.5を越えたという報告はない。
√{1+MR(0)}−1 ≒ MR(0)/2と近似する。また、MRは、MR(0)の半分になる電圧をVhとすると、Vh = MR(0)/(2×k)となる。
【0029】
つまり、
Ic = [√{1+MR(0)}−1]/{Rc(0)×k} ≒ Vh/Rc(0)
となる。
【0030】
従って、バイアス電圧は、Vh近傍が望ましいことになる。
【0031】
例えば、非特許文献4に開示される回路において、MOSトランジスタの抵抗がMTJ素子の抵抗よりも十分に小さいならば、バイアス電圧の値を、Vhに設定することになる。
【0032】
この回路においては、レファレンスセル(MTJ素子)とオペアンプを使用してバイアス電圧を生成しているが、このレファレンスセルの抵抗値にばらつきが発生すると、メモリセルに対するバイアス電圧がVhにならなくなる。非特許文献4に使用されている記号を使うと、SL及びbSLの電圧値がVhからずれることになる。
【0033】
例えば、バイアス電圧が高くなると、MR比が小さくなり、“1”と“0”の信号差も小さくなる。また、バイアス電圧が低くなると、バイアス電圧の差が小さくなるため、読み出しマージンが落ちる。
【0034】
(3) バイアス電流に関して
MTJ素子に対するバイアス電流に関しては、センス回路を、図32に示すような簡単な構成でモデル化する。即ち、負荷抵抗R1とメモリセル(MTJ素子)の抵抗Rcとの差を出力電圧Voとして読み出す。以下の考察によれば、負荷抵抗R1をメモリセルの抵抗Rcと同じ程度にすることで、“1”と“0”の信号差を大きくできることが分かる。
【0035】
非特許文献4における回路では、定電流源がこの負荷抵抗に相当する。ここで、この定電流源をMTJ素子で構成すると面積効率が良くなる。例えば、この定電流源を1つのMTJ素子とカレントミラー回路とにより構成する。
【0036】
但し、上記議論と同様、この定電流源を1つのMTJ素子から構成すると、この1つのMTJ素子の抵抗値が、メモリセル(MTJ素子)の抵抗値からずれている場合、信号電圧差は、理想値よりも小さくなる。例えば、この定電流源を、メモリセルアレイが配置される領域とは異なる別の領域にレイアウトした場合、リソグラフィなどの加工バラツキにより、MTJ素子の抵抗値に差異が生じる可能性が充分にある。
【0037】
例えば、図32に示す回路において、Vo(1)とVo(0)の差が大きくなるようなRlの値を求める。
【0038】
ここで、Vo(1) は、MTJ素子が“1”状態のときの出力電圧、Vo(0) は、MTJ素子が“0”状態のときの出力電圧、Rc(1) は、“1”状態のMTJ素子の抵抗値、Rc(0) は、“0”状態のMTJ素子の抵抗値とする。
【0039】
Vo(1) = Vc×Rc(1)/[Rc(1)+Rl]
Vo(0) = Vc×Rc(0)/[Rc(0)+Rl]
Vo(1)−Vo(0) = Vc×{Rc(1)/[Rc(1)+Rl]−Rc(0)/[Rc(0)+Rl]}
従って、
Figure 2005018916
Rc(1)>Rc(0)より、Vo(1)>Vo(0)>0であり、Rl>0の条件から、Vo(1)−Vo(0)が最も大きくなるRlは、
Rl = √(Rc(1)×Rc(0)
となる。
【0040】
この時、
Vo(1)−Vo(0) = Vc×{1/[1+Rl/Rc(1)]−1/[1+Rl/Rc(0)]}
= Vc×{1/[1+√{Rc(0)/Rc(1)}]−1/[1+√{Rc(1)/Rc(0)}]}
= Vc×[Rc(1)−Rc(0)]/[√Rc(1)+√Rc(0)]^2
となる。
【0041】
Rc(0)=Rc、Rc(1)=Rc+ΔRcを代入して、
Rl = √[Rc×(Rc+ΔRc)]
ΔRc<Rcから、√を近似すると、
Rl = Rc×√(1+ΔRc/Rc)
≒ Rc×(1+ΔRc/2×Rc)
= Rc+ΔRc/2 ⇒ Rc(1)とRc(0)の中間値
Vo(1)−Vo(0) = Vc×ΔRc/[2Rc+ΔRc+2Rc×√(1+ΔRc/Rc)]
≒ Vc×ΔRc/[2×(2×Rc+ΔRc)]
となる。
【0042】
以上のように、レファレンスセル及び定電流源を使用し、かつ、バイアス電圧の値を設定するためにMTJ素子を使用する理由は、MTJ素子の抵抗及びMR比に温度依存性やバイアス依存性があり、また、MTJ素子は、MOSトランジスタに対して、特性が大きく異なるためである。MR比の温度依存性に関しては、例えば、非特許文献3に記載されている。
【0043】
(4) 寄生容量に関して
MTJ素子のトンネル絶縁膜の厚さは、数nm程度しかない。つまり、トンネル絶縁膜の厚さは、それを構成する物質の分子の大きさの10倍もなく、たかが数倍程度であり、これ以上のさらなる薄膜化は難しい。微細化技術により、MTJ素子のサイズは、縮小される方向にあるため、トンネル絶縁膜の薄膜化を実現できないとなると、MTJ素子の抵抗は、微細化により、増大することになる。
【0044】
読み出しにより、ビット線には、読み出し電位が現れるが、この電位は、読み出し電流の値とメモリセル(MTJ素子)の抵抗値とにより決定される。電位が安定するまでの時間は、おおまかには、MTJ素子の抵抗と、ビット線などの読み出しに関わる配線の寄生容量との積に比例して増大する。
【0045】
この寄生容量は、微細化により配線間の距離が短くなっているため、配線幅が変わらないとすると、単位長さあたりの容量は、増大する傾向にある。また、微細化により、ビット線の幅が狭くなることが考えられるが、磁気ランダムアクセスメモリの場合には、ビット線には、書き込みのための磁界を発生させるため、数mA程度の電流を流す必要がある。つまり、エレクトロマイグレーションを考慮すると、線幅を減らした場合、線の厚みを増やす必要がある。
【0046】
従って、磁気ランダムアクセスメモリでは、微細化により、単位長さあたりの寄生容量は、さらに増大することになる。
【0047】
【特許文献1】
USP6,081,445、「Method to Write/Read MRAM Arrays」
【0048】
【非特許文献1】
ISSCC2000 Technical Digest p.128,「A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell」
【0049】
【非特許文献2】
ISSCC2001 Technical Digest p.122,「A 256kb 3.0V 1T1MTJ Nonvolatile Magnetoresistive RAM」
【0050】
【非特許文献3】
ISSCC2000 Technical Digest p.130「Nonvolatile RAM based on Magnetic Tunnel Junction Elements」, Slide Supplement (p.96)
【0051】
【非特許文献4】
Roy Scheuerlein et.al, 「A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell」,Figure 7.2.5
【0052】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、MTJ素子のトンネル絶縁膜に厚さのばらつきが生じても、最適なレファレンス電圧を生成すること、MTJ素子の微細化によってその抵抗値が増大しても、読み出し速度の低下を招かないようにすること、さらに、MTJ素子に対する最適な書き込み電流の値、供給タイミングを見出すことにある。
【0053】
【課題を解決するための手段】
本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリは、磁気抵抗効果素子から構成されるメモリセルと、前記メモリセルのデータを判断する基準を作るための複数のレファレンスセルとを備え、前記複数のレファレンスセルに対しては、それぞれ、独立に、データの書き込み/読み出しが可能となっている。
【0054】
本発明の例に関わる読み出し方法は、メモリセル及び複数のレファレンスセルを構成する複数の磁気抵抗効果素子の特性を検査し、前記複数の磁気抵抗効果素子の特性に基づいて、前記複数のレファレンスセルの各々に、個別に、データを書き込み、前記メモリセルのデータを読み出す際に、前記複数のレファレンスセルを用いて、前記メモリセルのデータを判断する基準を作る、というものである。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリについて詳細に説明する。
【0056】
1. 第1実施の形態
図1は、本発明の第1実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの読み出し回路の主要部を示している。
【0057】
レファレンス電位Vrefを生成するためのレファレンス電位生成回路10は、メモリセル(MTJ素子)MCと同じ構造を有する複数のレファレンスセル(MTJ素子)RCから構成される。複数のレファレンスセルRCの各々に対しては、個別に、所定のデータを書き込むことができるように、レファレンス電位生成回路10内には、書き込みに必要な回路が配置されている。
【0058】
MTJ素子に使用されるトンネル絶縁膜は、一般的には、Al(アルミナ)である。ここで、このトンネル絶縁膜は、その厚さのばらつきを抑えるために、通常、Al(アルミ)を自然酸化することにより形成される。しかし、製造プロセス上の理由などから、トンネル絶縁膜の厚さにばらつきが生じない、ということは、現実的にはあり得ない。
【0059】
従って、データ“1”を読み出すときに生じる電位とデータ“0”を読み出すときに生じる電位とのちょうど中間の値を有するレファレンス電位Vrefを生成するためには、複数のレファレンスセルRCのうち、データ“1”のセル数とデータ“0”のセル数を半々(同数)とするだけでは、不十分である。
【0060】
つまり、トンネル絶縁膜の厚さのばらつきに依存して、複数のレファレンスセルRCのうち、データ“1”のセル数とデータ“0”のセル数とを自由に変えられることが要求される。例えば、データ“1”を読み出すときに生じる電位とデータ“0”を読み出すときに生じる電位とのちょうど中間の値を有するレファレンス電位Vrefを生成するためには、データ“1”のセル数とデータ“0”のセル数とを、積極的に異ならせなければならない場合もある。
【0061】
つまり、
Rmax > 1/n × ΣRref > Rmin の条件で、
Rmax −1/n × ΣRref = 1/n × ΣRref − Rmin
が実現できるように、n(nは、複数)個のレファレンスセルRCの抵抗値Rrefを調整する。
【0062】
レファレンスセルRCに与えるバイアス電流は、メモリセルMCに与えるバイアス電流のn倍(本実施の形態では、n=8)として、1/nを実現する。このために、カレントミラー回路を使用する。通常、“1”状態のレファレンスセル数と“0”状態のレファレンスセル数とは、等しくするが、ここでは、MTJ素子の抵抗値のばらつきに応じて、例えば、“1”状態のレファレンスセル数を減少させ、“0”状態のレファレンスセル数を増加させるなど、“1”状態のレファレンスセル数と“0”状態のレファレンスセル数とを異ならせる。
【0063】
トンネル絶縁膜の厚さが理想値から極端にはずれているレファレンスセル(MTJ素子)RCについては、それをレファレンスセルとして使用しないように排除する。この場合、レファレンスセルRCの総数nから排除したレファレンスセルの数を引いた数に相当する分だけ、メモリセルMCに流すバイアス電流を増やす。
【0064】
不良のレファレンスセルを排除する方法については、半導体メモリの分野で、良く行われているリダンダンシィ技術を適用する。例えば、レーザカット法により、不良のレファレンスセルのアドレスを記憶素子(フューズ、MTJ素子など)にプログラミングし、そのプログラミングしたアドレスと指定アドレスが一致した場合、カラムデコーダを非選択とし、かつ、バイアス電流を削減して、レファレンス電流/電位を生成する。
【0065】
図1の読み出し回路の具体的な構成について説明する。
ビット線BL<i>には、メモリセルMCとしてのMTJ素子が接続される。メモリセルMCの一端は、読み出し選択トランジスタRSTを経由して、接地点に接続される。
【0066】
読み出し選択トランジスタRSTのゲートは、読み出しワード線WLnに接続される。デコーダとしてのアンド回路AD<WLn>は、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のときに、ロウアドレス信号RD<WLn>に基づいて、読み出し選択トランジスタRSTのオン/オフを制御する。つまり、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のときに、ロウアドレス信号RD<WLn>の全ビットが“H”になると、読み出しワード線WLnが“H”となり、読み出し選択トランジスタRSTがオンとなる。
【0067】
ビット線BL<i>の一端は、転送トランジスタN<BLi>を経由して、データ線DLに接続される。転送トランジスタN<BLi>のオン/オフは、デコーダとしてのアンド回路AD<BLi>の出力信号により制御される。例えば、カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のときに、カラムアドレス信号CD<BLi>の全ビットが“H”になると、転送トランジスタN<BLi>は、オンとなる。
【0068】
データ線DLには、ノードN1を、所定電位にクランプするためのクランプ回路が接続される。クランプ回路は、プラス側入力端子にクランプ電位Vclamp が入力され、マイナス側入力端子にノードN1の電位が入力されるオペアンプOP1と、ゲートにオペアンプOP1から出力される出力信号OUTが入力されるNチャネルMOSトランジスタQN1とから構成される。
【0069】
センスアンプS/Aは、レファレンス電位生成回路10から出力されるレファレンス電位Vrefと、データ線DLの電位とを比較し、メモリセルMCのデータを判定する。センスアンプS/Aは、メモリセルMCのデータを、読み出しデータSAOUTとして出力する。
【0070】
レファレンス電位生成回路10は、メモリセルMCと同じMTJ素子から構成されるn(nは、複数)個のレファレンスセルRCを有している。レファレンスセルRCの各々に対しては、個別に、所定のデータを書き込むことができるように、レファレンス電位生成回路10内には、書き込みに必要な回路が配置されている。
【0071】
レファレンスセルRCの一端は、読み出し選択トランジスタRSTを経由して、接地点に接続される。読み出し選択トランジスタRSTのゲートは、読み出しワード線WLnに接続される。アンド回路AD<WLn>は、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のとき、ロウアドレス信号RD<WLn>に基づいて、読み出し選択トランジスタRSTのオン/オフを制御する。
【0072】
例えば、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のとき、ロウアドレス信号RD<WLn>の全ビットが“H”になると、読み出しワード線WLnが“H”となり、読み出し選択トランジスタRSTがオンとなる。
【0073】
レファレンスセルビット線rBL<0>,rBL<1>,・・・rBL<7>の一端は、転送トランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>を経由して、レファレンスセルデータ線rDLに接続される。転送トランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>のオン/オフは、デコーダとしてのアンド回路AD<0>,AD<1>,・・・AD<7>の出力信号により制御される。
【0074】
例えば、カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のとき、カラムアドレス信号CD<0>,CD<1>,・・・CD<7>の全ビットが“H”になると、転送トランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>は、オンとなる。
【0075】
レファレンスセルデータ線rDLには、ノードN2を、所定電位にクランプするためのクランプ回路が接続される。クランプ回路は、プラス側入力端子にクランプ電位Vclamp が入力され、マイナス側入力端子にノードN2の電位が入力されるオペアンプOP2と、ゲートにオペアンプOP2から出力される出力信号OUTが入力されるNチャネルMOSトランジスタQN2とから構成される。
【0076】
バイアス電流供給回路CS1は、PチャネルMOSトランジスタQP3、NチャネルMOSトランジスタQN3,QN4及び定電流源I1から構成される。
【0077】
バイアス電流供給回路CS1により生成されたバイアス電流I1は、PチャネルMOSトランジスタQP1,QP3からなるカレントミラー回路により、データ線DL及びビット線BL<i>を経由して、メモリセルMCに供給される。
【0078】
また、バイアス電流I1は、PチャネルMOSトランジスタQP1,QP2からなるカレントミラー回路により、レファレンスデータ線rDL及びレファレンスビット線rBL<0>,rBL<1>,・・・rBL<7>を経由して、レファレンスセルRCに供給される。
【0079】
図2は、図1の読み出し回路の応用例である。この読み出し回路は、図1の読み出し回路に、不良レファレンスセルを排除するためのシステムを搭載した点に特徴を有する。
【0080】
アドレスコンパレータ1は、レファレンスセルRCの数と同じ数だけ設けられている。本実施の形態では、レファレンスセルRCの数は、8個であるため、アドレスコンパレータ1も、レファレンスセルRCの各アドレスに対応して、8個だけ設けられている。
【0081】
アドレスコンパレータ1は、記憶素子(例えば、フューズ、MTJ素子など)に記憶された不良レファレンスセルのアドレスと、レファレンス電流/電圧を生成するために供給されるレファレンスセルをアクセスするためのアドレスとを比較する。
【0082】
そして、アドレスコンパレータ1は、両アドレスが一致する場合に、一致信号MATCH<0>,MATCH<1>,・・・MATCH<7>を“H”にする。
【0083】
例えば、レファレンスビット線rBL<3>に接続されるレファレンスセル(MTJ素子)RCが不良であった場合を考える。この場合、レファレンスビット線rBL<3>に接続されるレファレンスセルを指定するアドレスが、アドレスコンパレータ<3>に対応する記憶素子に記憶される。
【0084】
アドレスコンパレータ<3>は、レファレンス電流/電圧を生成する際に、記憶素子に記憶された不良アドレスと、レファレンス電流/電圧を生成するために供給されるアドレスとを比較する。アドレスコンパレータ<3>は、両アドレスが一致すると、一致信号MATCH<3>を“H”にする。
【0085】
この時、PチャネルMOSトランジスタP3は、オフ状態となる。また、デコーダ<3>は、非動作状態となり、その出力は、アドレス信号にかかわらず、常に、“L”となる。このため、NチャネルMOSトランジスタN3は、オフ状態となる。
【0086】
従って、レファレンスビット線rBL<3>に接続されるレファレンスセル(MTJ素子)は、排除され、レファレンス電流/電圧を生成する際に使用されることがない。この時、残りのレファレンスビット線rBL<0>,・・・rBL<2>,rBL<4>,・・・rBL<7>に接続される7個のレファレンスセルにバイアス電流I1が供給される。
【0087】
なお、図2の回路は、不良のレファレンスセルを単に排除する場合の例であるが、リダンダンシイ回路のように、別途、冗長のレファレンスセルを設けておいて、不良のレファレンスセルを冗長のレファレンスセルに置き換える、という技術を採用してもよい。
【0088】
また、1つのレファレンスセルに単独にアクセスできるようなアドレスを割り当てておき、各々のレファレンスセルに流れる電流を外部からモニタできるようなモニタ回路を付加してもよい。
【0089】
図3は、図2のアドレスコンパレータの回路例を示している。
アドレスコンパレータ<j>(j=0,1,・・・7)は、アドレスのビット数に相当する数のk個のエクスクルーシブノア回路Ex−NOR<0>,・・・Ex−NOR<k>と、アンド回路AD1とから構成される。
【0090】
エクスクルーシブノア回路Ex−NOR<0>,・・・Ex−NOR<k>には、記憶素子に記憶された不良アドレスAfuse<0>,・・・Afuse<k>及びアクセスのためのアドレスAref<0>,・・・Aref<k>が入力される。
【0091】
不良アドレスAfuse<0>,・・・Afuse<k>とアクセスのためのアドレスAref<0>,・・・Aref<k>の全ビットが完全に一致する場合には、全てのエクスクルーシブノア回路Ex−NOR<0>,・・・Ex−NOR<k>の出力信号が“H”となるため、アンド回路AD1から出力される一致信号MATCH<j>は、“H”となる。
【0092】
一方、不良アドレスAfuse<0>,・・・Afuse<k>とアクセスのためのアドレスAref<0>,・・・Aref<k>の少なくとも1つのビットが不一致である場合には、その不一致のビットが入力されたエクスクルーシブノア回路の出力信号が“L”となるため、アンド回路AD1から出力される一致信号MATCH<j>は、“L”となる。
【0093】
図4及び図5は、図2のデコーダの回路例を示している。
デコーダ<j>(j=0,1,・・・7)は、インバータI1と、アンド回路AD2とから構成される。
【0094】
アンド回路AD2には、一致信号MATCH<j>がインバータI1を経由した後に入力される。また、アンド回路AD2には、カラムアドレスイネーブル信号CDenable及びカラムアドレス信号CD<j>が入力される。
【0095】
一致信号MATCH<j>が“L”のときは、カラムアドレスイネーブル信号CDenable及びカラムアドレス信号CD<j>に基づいて、デコーダ<j>の出力信号の値が決定される。つまり、カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のとき、カラムアドレス信号CD<j>の全てのビットが“H”であると、デコーダ<j>の出力信号は、“H”になる。
【0096】
これに対し、一致信号MATCH<j>が“H”のときは、カラムアドレスイネーブル信号CDenable及びカラムアドレス信号CD<j>の値にかかわらず、デコーダ<j>の出力信号は、常に“L”となる。
【0097】
デコーダ<BLi>は、アンド回路AD3から構成される。アンド回路AD3には、カラムアドレスイネーブル信号CDenable及びカラムアドレス信号CD<BLi>が入力される。
【0098】
カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のとき、カラムアドレス信号CD<j>の全てのビットが“H”であると、デコーダ<BLi>の出力信号は、“H”になる。これに対し、カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“L”のときは、カラムアドレス信号CD<j>にかかわらず、デコーダ<BLi>の出力信号は、常に“L”になる。
【0099】
図6は、図3のアドレスコンパレータをさらに具体的に示したものである。
【0100】
本例では、アドレスコンパレータ<j>は、不良アドレスを記憶する記憶素子を含んでいる。記憶素子は、例えば、プログラム可能なMTJ素子 MTJ(Afuse<0>), MTJ(bAfuse<0>), ・・・MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) から構成される。
【0101】
なお、MTJ素子 MTJ(Afuse<0>), MTJ(bAfuse<0>), ・・・MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) に対するプログラムは、磁化状態(平行又は反平行)ではなく、トンネル絶縁膜を破壊するか否かで行う。従って、記憶素子は、レーザ溶断フューズや、電気的にプログラム可能な電気的フューズ (E−fuse) などであってもよい。
【0102】
エクスクルーシブノア回路Ex−NOR<0>,・・・Ex−NOR<k>は、例えば、1つのレファレンスセルRCを選択するために必要なアドレスのビット数に相当するだけの数、本例では、(k+1)個だけ存在する。
【0103】
全てのエクスクルーシブノア回路Ex−NOR<0>,・・・Ex−NOR<k>の構成は、同じであるため、以下では、例えば、エクスクルーシブノア回路Ex−NOR<k>について、その構成を説明する。
【0104】
MTJ素子MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) の一端は、PチャネルMOSトランジスタQP4及びNチャネルMOSトランジスタQN5’を経由して、電源端子Vddに接続される。MOSトランジスタQP4のゲートには、プログラム信号PROG<k>が与えられ、MOSトランジスタQN5’のゲートには、クランプ信号Vclampが与えられる。
【0105】
また、MTJ素子MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) の一端は、PチャネルMOSトランジスタQP5を経由して、電源端子Vddに接続される。MOSトランジスタQP5のゲートには、プログラム信号PROG<k>の反転信号bPROG<k>が与えられる。
【0106】
MTJ素子MTJ(Afuse<k>) の他端は、NチャネルMOSトランジスタQN5を経由して、接地端子Vssに接続される。MOSトランジスタQN5のゲートには、レファレンスセルを選択するためのアドレス信号bAref<k>が入力される。
【0107】
また、MTJ素子MTJ(bAfuse<k>) の他端は、NチャネルMOSトランジスタQN6を経由して、接地端子Vssに接続される。MOSトランジスタQN6のゲートには、レファレンスセルを選択するためのアドレス信号Aref<k>が入力される。アドレス信号bAref<k>は、アドレス信号Aref<k>の反転信号である。
【0108】
プログラム信号bPROG<k>は、不良アドレスをMTJ素子MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) に書き込むときに“L”となる信号である。
【0109】
なお、MTJ素子MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) は、不良アドレスを書き込む以前は、全て、“1”状態、トンネル絶縁膜が破壊されていない状態になっている。
【0110】
例えば、MTJ素子MTJ(Afuse<k>) に“0”、MTJ素子MTJ(bAfuse<k>) に“1”を書き込む場合、アドレス信号bAref<k>を“H”、アドレス信号Aref<k>を“L”にし、かつ、プログラム信号bPROG<k>を“L”にする。この時、MTJ素子MTJ(Afuse<k>) に過大電圧が印加され、そのトンネル絶縁膜が破壊されて、“0”が書き込まれる。
【0111】
また、MTJ素子MTJ(bAfuse<k>) に“0”、MTJ素子MTJ(Afuse<k>) に“1”を書き込む場合、アドレス信号Aref<k>を“H”、アドレス信号bAref<k>を“L”にし、かつ、プログラム信号bPROG<k>を“L”にする。この時、MTJ素子MTJ(bAfuse<k>) に過大電圧が印加され、そのトンネル絶縁膜が破壊されて、“0”が書き込まれる。
【0112】
MTJ素子MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) のトンネル絶縁膜の厚さを1〜2nmとすると、このトンネル絶縁膜を破壊するために必要な電圧は、1〜5Vである。現在のMOS型半導体メモリにおいては、電源電圧の値は、約2.5Vであるため、この場合、チップ内に、専用の内部昇圧回路を設けることなく、プログラム動作を実行できる。
【0113】
インバータI2の入力端子は、MTJ素子MTJ(Afuse<k>), MTJ(bAfuse<k>) の一端に接続され、その出力端子からは、エクスクルーシブノア回路Ex−NOR<k>の出力信号OUT<k>が得られる。
【0114】
そして、エクスクルーシブノア回路Ex−NOR<0>,・・・Ex−NOR<k>の出力信号OUT<0>,・・・OUT<k>は、アンド回路AD1に入力される。一致信号MATCH<j>は、アンド回路AD1から出力される。
【0115】
なお、図6の回路は、通常のメモリセルアレイ内における不良セルを救済するためのリダンダンシィ回路に適用することもできる。即ち、図6の回路により、入力アドレスと不良アドレスとが一致するか否かを検出し、両者が一致する場合には、不良セルを冗長セルに置き換える。
【0116】
図7は、図1及び図2のオペアンプの回路例を示している。
このオペアンプOP1,OP2は、入力信号を受けるためのPチャネルMOSトランジスタQP6,QP7と、カレントミラー接続されるNチャネルMOSトランジスタQN7,QN8と、オペアンプの活性/非活性を決めるイネーブル信号Enableを受けるためのNチャネルMOSとトランジスタQN9とから構成される。
【0117】
このオペアンプOP1,OP2は、2つの入力信号(+,−)の差に応じた出力信号Outを出力する。2つの入力信号(+,−)の値が等しいとき、オペアンプOP1,OP2の出力信号は、零になる。
【0118】
図8は、図1及び図2のセンスアンプの回路例を示している。
このセンスアンプS/Aは、入力信号を受けるためのNチャネルMOSトランジスタQN10,QN11と、出力端子に接続されるPチャネルMOSトランジスタQP8,QP10と、クロスカップル接続されるPチャネルMOSトランジスタQP9,QP11と、センスアンプの活性/非活性を決めるイネーブル信号Enableを受けるためのNチャネルMOSとトランジスタQN12とから構成される。
【0119】
このセンスアンプS/Aは、2つの入力信号(+,−)の差を増大し、これを出力信号SAOUT,bSAOUTとして出力する。
【0120】
2. 第2実施の形態
図2は、本発明の第2実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの読み出し回路の主要部を示している。
【0121】
MTJ素子のトンネル絶縁膜の厚さは、数nm程度であり、そのトンネル絶縁膜を構成する物質の分子の大きさの数倍程度である。このため、これ以上のトンネル絶縁膜の薄膜化は、難しい状況となっている。
【0122】
メモリセルの微細化の進行に併せて、MTJ素子のサイズも縮小される傾向にあるため、仮に、トンネル絶縁膜を薄膜化できないことになると、メモリセルの微細化に伴って、MTJ素子の抵抗値が増大することになる。
【0123】
ところで、磁気ランダムアクセスメモリでは、読み出し時に、ビット線に読み出し電位が現れる。この読み出し電位は、読み出し電流とMTJ素子の抵抗値とにより生成される。読み出し電位が安定するまでの時間は、大まかに、MTJ素子の抵抗値と、ビット線などの読み出し動作に関わる配線の寄生容量との積に比例して増大する。
【0124】
この寄生容量は、メモリセルの微細化により増大する傾向にある。なぜなら、メモリセルの微細化により、ビット線などの読み出し動作に関わる配線同士の間隔が狭くなるからである。仮に、配線幅が変わらないとすると、配線同士の間隔が狭くなることにより、単位長さ当たりの容量は、増大する。
【0125】
メモリセルの微細化により、ビット線などの読み出し動作に関わる配線が短くなることが考えられるが、磁気ランダムアクセスメモリの場合、例えば、ビット線は、書き込み電流を流すための書き込み線としても使用される。つまり、そのビット線には、書き込みのための磁界を発生させるために、数mAの電流を流す必要がある。これを考慮すると、エレクトロマイグレーションの防止などのため、配線の断面積を縮小させることができない。
【0126】
従って、例えば、配線幅を減らした場合には、その代わりに、厚さを増やし、配線の断面積を縮小させないことが重要となる。結果として、メモリセルの微細化により、ビット線などの読み出し動作に関わる配線の単位長さあたりの寄生容量は増大する。
【0127】
以上のことから、読み出し速度の低下を防ぐため、選択セル(MTJ素子)MCとは別に、選択セルMCと同じ構造の複数のダミーセルDCをチップ内に設ける。そして、選択セルMCに対して並列に、これら複数のダミーセルDCを接続し、読み出し動作時におけるビット線の電流ドライブ能力を上げる。
【0128】
このダミーセルDCに対しても、レファレンスセルRCと同様に、プログラムが可能となるように、書き込みのための回路を付加しておく。このように、選択セルMCとダミーセルDCとを組み合わせることにより、レファレンスセルRCとのバランスを確保できるため、センスアンプS/Aに対する最適な入力電圧を生成できる。
【0129】
図9の読み出し回路の具体的な構成について説明する。
ビット線BL<i>には、メモリセルMCが接続される。また、データ線DLには、メモリセルMCと同じ構成を有する(n−1)個(nは、複数)のダミーセルDCからなるダミーセル回路3が接続される。ダミーセルDCの各々に対しては、個別に、所定のデータを書き込むことができるように、ダミーセル回路3A内には、書き込みに必要な回路が配置される。
【0130】
メモリセルMC及びダミーセルDCの一端は、それぞれ、読み出し選択トランジスタRSTを経由して、接地点に接続される。
【0131】
読み出し選択トランジスタRSTのゲートは、読み出しワード線WLnに接続される。デコーダとしてのアンド回路AD<WLn>は、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のときに、ロウアドレス信号RD<WLn>に基づいて、読み出し選択トランジスタRSTのオン/オフを制御する。つまり、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のときに、ロウアドレス信号RD<WLn>の全ビットが“H”になると、読み出しワード線WLnが“H”となり、読み出し選択トランジスタRSTがオンとなる。
【0132】
ビット線BL<i>の一端は、転送トランジスタN<BLi>を経由して、データ線DLに接続される。転送トランジスタN<BLi>のオン/オフは、デコーダとしてのアンド回路AD<BLi>の出力信号により制御される。例えば、カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のときに、カラムアドレス信号CD<BLi>の全ビットが“H”になると、転送トランジスタN<BLi>は、オンとなる。
【0133】
データ線DLとダミーセルDCとの間には、複数の転送トランジスタN<DL>が接続される。転送トランジスタN<DL>のオン/オフは、カラムアドレスイネーブル信号CDenableにより制御される。カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のとき、転送トランジスタN<DL>がオンとなり、メモリセルMCに並列に、ダミーセルDCが接続される。
【0134】
データ線DLには、ノードN1を、所定電位にクランプするためのクランプ回路が接続される。クランプ回路は、プラス側入力端子にクランプ電位Vclamp が入力され、マイナス側入力端子にノードN1の電位が入力されるオペアンプOP1と、ゲートにオペアンプOP1から出力される出力信号outが入力されるNチャネルMOSトランジスタQN1とから構成される。
【0135】
センスアンプS/Aは、レファレンス電位生成回路10から出力されるレファレンス電位Vrefと、データ線DLの電位とを比較し、メモリセルMCのデータを判定する。センスアンプS/Aは、メモリセルMCのデータを、読み出しデータSAOUTとして出力する。
【0136】
レファレンス電位生成回路10は、メモリセルMCと同じMTJ素子から構成されるn(nは、複数)個のレファレンスセルRCを有している。レファレンスセルRCの各々に対しては、個別に、所定のデータを書き込むことができるように、レファレンス電位生成回路10内には、書き込みに必要な回路が配置されている。
【0137】
レファレンスセルRCの一端は、読み出し選択トランジスタRSTを経由して、接地点に接続される。読み出し選択トランジスタRSTのゲートは、読み出しワード線WLnに接続される。アンド回路AD<WLn>は、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のとき、ロウアドレス信号RD<WLn>に基づいて、読み出し選択トランジスタRSTのオン/オフを制御する。
【0138】
例えば、ロウアドレスイネーブル信号RDenableが“H”のとき、ロウアドレス信号RD<WLn>の全ビットが“H”になると、読み出しワード線WLnが“H”となり、読み出し選択トランジスタRSTがオンとなる。
【0139】
レファレンスセルビット線rBL<0>,rBL<1>,・・・rBL<7>の一端は、転送トランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>を経由して、レファレンスセルデータ線rDLに接続される。転送トランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>のオン/オフは、デコーダとしてのアンド回路AD<0>,AD<1>,・・・AD<7>の出力信号により制御される。
【0140】
例えば、カラムアドレスイネーブル信号CDenableが“H”のとき、カラムアドレス信号CD<0>,CD<1>,・・・CD<7>の全ビットが“H”になると、転送トランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>は、オンとなる。
【0141】
レファレンスセルデータ線rDLには、ノードN2を、所定電位にクランプするためのクランプ回路が接続される。クランプ回路は、プラス側入力端子にクランプ電位Vclamp が入力され、マイナス側入力端子にノードN2の電位が入力されるオペアンプOP2と、ゲートにオペアンプOP2から出力される出力信号outが入力されるNチャネルMOSトランジスタQN2とから構成される。
【0142】
バイアス電流供給回路CS1は、PチャネルMOSトランジスタQP3、NチャネルMOSトランジスタQN3,QN4及び定電流源I1から構成される。
【0143】
バイアス電流供給回路CS1により生成された電流I1は、PチャネルMOSトランジスタQP1,QP3からなるカレントミラー回路により、データ線DL及びビット線BL<i>を経由して、メモリセルMCに供給される。
【0144】
また、電流I1は、PチャネルMOSトランジスタQP1,QP2からなるカレントミラー回路により、レファレンスデータ線rDL及びレファレンスビット線rBL<0>,rBL<1>,・・・rBL<7>を経由して、レファレンスセルRCに供給される。
【0145】
図10は、図9の読み出し回路の変形例である。
この変形例では、レファレンスセルRCと同様に、各々のダミーセルDCにアドレスを振り分け、ダミーセル回路3A内の転送トランジスタN<DL>のオン/オフを、カラムアドレス信号CD<0>,CD<1>,・・・CD<7>に基づいて個別に制御するようにしたものである。
【0146】
なお、図9及び図10の例では、メモリセルMCとダミーセルDCの合計数は、レファレンスセルRCの数と等しくなっている。
【0147】
この場合には、負荷用のPチャネルMOSトランジスタQP1,QP2のチャネル幅、及び、クランプ用のNチャネルMOSトランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>,N<BLi>,N<DL>のチャネル幅は、全て、等しくてよい。
【0148】
これに対し、メモリセルMCとダミーセルDCの合計数が、レファレンスセルRCの数と異なる場合には、負荷用のPチャネルMOSトランジスタQP1,QP2のチャネル幅、及び、クランプ用のNチャネルMOSトランジスタN<0>,N<1>,・・・N<7>,N<BLi>,N<DL>のチャネル幅を、それらセル数の比に合わせて、変えればよい。
【0149】
3. 第3実施の形態
図11は、本発明の第3実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリに使用する定電流源を示している。
【0150】
この実施の形態に関わる定電流源I1は、図1、図2、図9及び図10における磁気ランダムアクセスメモリに適用できる。
【0151】
本実施の形態では、メモリセルやレファレンスセルなどに電流バイアスを与えるための定電流源I1に関しても、メモリセル(MTJ素子)と同じ構造の電流源用セル(MTJ素子)RC2から構成する。このようにするのは、定電流源I1を、例えば、BGR回路により構成した場合、このBGR回路は、温度特性を持たないため、メモリセルを構成するMOSトランジスタやMTJ素子などの温度特性を反映しなくなるからである。
【0152】
定電流源I1を構成する電流源用セルRC2は、メモリセルと同じ構造とし、かつ、複数用意する。また、定電流源I1を構成する電流源用セルRC2に対しては、個別に、プログラムが行えるように、定電流源I1内には、書き込みのための回路を設けておく。
【0153】
電流源用セルRC2は、通常のメモリセルアレイと同じセルアレイ内に配置する。電流値の早期安定を図るため、電流源用セルRC2に対しては、メモリセルに対する読み出し動作前にアクセスするか、又は、書き込みモード、スタンバイモード、低消費電力モードなどのモード時以外においては、常に、アクセス状態とあるようにしておくことが望ましい。
【0154】
この場合、書き込みワード線に関しては、通常のメモリセルアレイ内のメモリセルと定電流源I1を構成する電流源用セルRC2とは、共通化しても構わないが、読み出しワード線に関しては、メモリセルに対するもの、レファレンスセルに対するもの、及び、電流源用セルに対するものとは、それぞれ、分離して設けておく。
【0155】
また、例えば、初期設定モードにおいて、各々の電流源用セルが個別に選択可能となるように、アドレスを割り振っておいてもよい。
【0156】
4. 第4実施の形態
図12は、本発明の第4実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの読み出し回路の主要部を示している。
【0157】
本実施の形態における磁気ランダムアクセスメモリは、セル電流を直接モニタするモードを備える点に特徴を有する。
【0158】
セル電流を直接モニタするモードでは、バイアス電流供給回路CS1が非活性化される。このために、バイアス電流供給回路CS1内には、新たに、バイアス電流供給回路CS1の動作を制御するためのNチャネルMOSトランジスタQN3’,QN4’が配置される。セル電流を直接モニタするモードになると、モニタ制御信号Imonが“H”、その反転信号bImonが“L”になり、バイアス電流供給回路CS1は、非動作状態となる。
【0159】
また、セル電流を直接モニタするモードにおいて、PチャネルMOSトランジスタQP1,QP2のゲートにバイアス電圧を与え、これらトランジスタをオフ状態にしておくためのPチャネルMOSトランジスタQP12が設けられる。MOSトランジスタQP12は、電源端子VddとMOSトランジスタQP1,QP2のゲートとの間に接続され、モニタ制御信号Imonの反転信号bImonにより制御される。
【0160】
さらに、電源端子VddとMOSトランジスタQN1のゲート(オペアンプOP1の出力端子)との間には、PチャネルMOSトランジスタQN13が接続される。MOSトランジスタQP13のゲートには、モニタ制御信号Imonの反転信号bImonが入力される。また、センスアンプS/Aのプラス側入力端子は、NチャネルMOSトランジスタ(トランスファーゲート)QN13を経由して、出力ピンに接続される。MOSトランジスタQN13は、モニタ制御信号Imonにより制御される。
【0161】
モニタ制御信号Imonが“H”のとき、さらに、NチャネルMOSトランジスタN<BLi>,RSTをオン状態にすれば、MOSトランジスタQN13の一端に接続される出力ピンをテスタに繋いで、セル電流をモニタすることができる。
【0162】
ここで、パッケージング後にセル電流をモニタする場合には、例えば、MOSトランジスタQN13の一端に接続される出力ピンは、独自のものではなく、通常動作時には、所定の機能を有する機能ピンとしても働くように、共用されたものであってもよい。但し、ピン数に余裕がある場合などは、その出力ピンは、当然に、モニタ時のみに使用するピンであってもよい。
【0163】
また、パッケージング前にセル電流をモニタするような場合には、センスアンプS/Aのプラス側入力端子は、MOSトランジスタQN13を経由して、テスト専用パッドに接続してもよい。この場合には、パッケージング時、そのテスト専用パッドは、出力ピンに接続されない。
【0164】
本実施の形態によれば、テストモードにおいて、セル電流の直接モニタや、レファレンスセルなどのメモリセル以外のセルに対するアクセスを可能にする。
【0165】
NAND型フラッシュメモリについて考えると、例えば、図13及び図14に示すように、テストコマンドを受けた後に、制御信号CLEに基づいて、セル電流の直接モニタ動作にエントリーしたり、メモリセル以外のセルに対するアクセスを可能にする。アドレスは、例えば、制御信号ALEに基づいて、通常のアドレスピンからチップ内部に取り込む。
【0166】
なお、図13において、♯77(16進数で77を意味する)は、セル電流の直接モニタに関するコマンドコードであり、図14において、♯55(16進数で55を意味する)は、メモリセル以外のセルに対するアドレス取り込み(エクストラアドレスエントリー)のコマンドコードである。
【0167】
また、例えば、図15に示すように、RDRAMのようなインターフェースの場合には、入力パケット内のコマンドコードとして、セル電流の直接モニタや、メモリセル以外のセル(エクストラセル)に対するアクセスなどをエントリーし、パケット内のアドレスコードによりエクストラアドレスを指定する。
【0168】
この技術は、メモリセル以外のセル、例えば、レファレンスセルに流れるセル電流をモニタする場合などに応用できる。
【0169】
5. 第5実施の形態
M Durlam et.alによって提案された非特許文献3に見られるように、MR比は、バイアス電圧を上昇させると、低下する。このため、メモリセル(MTJ素子)に対するバイアス電圧を制御電圧Vclampによって制御し、最適なMR比を得る。
【0170】
ところで、例えば、特許文献1に示されているように、MTJ素子の磁化方向を有利に書き換える方法が存在する。例えば、MTJ素子の磁化方向を決定する磁界を発生するための書き込み電流に関しては、最適な供給タイミング、電流波形、電流値などが存在し、また、MTJ素子に関しては、最適な形状などが存在する。
【0171】
本実施の形態では、書き込み電流の供給タイミング、電流波形、電流値などを、最適な値に設定(プログラミング)するための書き込み電流制御回路と、実際に、予め決められた条件の下で、MTJ素子に対する書き込み動作を実行するための書き込みのための回路を提案する。
【0172】
図16は、本発明の第5実施の形態に関わる磁気ランダムアクセスメモリの概要を示している。
【0173】
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)11は、それ自体で1つのメモリチップを構成していてもよいし、また、特定機能を有するチップ内の1つのブロックであってもよい。
【0174】
メモリセルアレイ(データセル)12及びレファレンスセルアレイ13は、例えば、図17に示すような構成を有している。メモリセルアレイ12は、実際に、データを記憶する機能を有し、レファレンスセルアレイ13は、読み出し動作時に、読み出しデータの値を判定するための基準を決める機能を有する。
【0175】
メモリセルアレイ12及びレファレンスセルアレイ13からなるセルアレイのY方向(Easy−Axis方向)の2つの端部のうちの1つには、ロウデコーダ&ドライバ(ロウデコーダ&書き込みワード線ドライバ,ロウデコーダ&読み出しワード線ドライバ)14が配置され、他の1つには、書き込みワード線シンカー15が配置される。
【0176】
ロウデコーダ&ドライバ14は、書き込み動作時、例えば、ロウアドレス信号に基づいて、複数の書き込みワード線のうちの1つを選択し、かつ、選択された1つの書き込みワード線に、書き込み電流を供給する機能を有する。書き込みワード線シンカー15は、書き込み動作時、例えば、選択された1つの書き込みワード線に供給された書き込み電流を吸収する機能を有する。
【0177】
ロウデコーダ&ドライバ14は、読み出し動作時、例えば、ロウアドレス信号に基づいて、複数の読み出しワード線(書き込みワード線と一体化されていてもよい)のうちの1つを選択し、かつ、選択された1つの読み出しワード線に、読み出し電流を流す機能を有する。センスアンプ20は、例えば、この読み出し電流を検出して、読み出しデータを判定する。
【0178】
メモリセルアレイ12のX方向(Hard−Axis方向)の2つの端部のうちの1つには、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aが配置され、他の1つには、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー(カラムトランスファゲート、カラムデコーダを含む)17Aが配置される。
【0179】
カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16A,17Aは、書き込み動作時、例えば、カラムアドレス信号に基づいて、複数の書き込みビット線(又はデータ選択線)のうちの1つを選択し、かつ、選択された1つの書き込みビット線に、書き込みデータに応じた向きを有する書き込み電流を流す機能を有する。カラムトランスファゲート及びカラムデコーダは、読み出し動作時、カラムアドレス信号により選択されたデータ選択線をセンスアンプ20に電気的に接続する機能を有する。
【0180】
レファレンスセルアレイ13のX方向の2つの端部のうちの1つには、レファレンスセル用カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Bが配置され、他の1つには、レファレンスセル用カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー(カラムトランスファゲート、カラムデコーダを含む)17Bが配置される。
【0181】
レファレンスセル用カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16B,17Bは、レファレンスセルアレイ13にレファレンスデータを記憶させる機能を有する。カラムトランスファゲート及びカラムデコーダは、読み出し動作時、レファレンスデータを読み出し、これをセンスアンプ20に転送する機能を有する。
【0182】
アドレスレシーバ18は、アドレス信号を受け、例えば、ロウアドレス信号を、ロウデコーダ&ドライバ14に転送し、カラムアドレス信号を、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16A,17Aに転送する。データ入力レシーバ19は、書き込みデータを、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16A,17Aに転送する。また、出力ドライバ21は、センスアンプ20で検出された読み出しデータを、磁気ランダムアクセスメモリ11の外部へ出力する。
【0183】
制御回路22は、/CE(Chip Enable)信号、/WE(Write Enable)信号及び/OE(Output Enable)信号を受け、磁気ランダムアクセスメモリ11の動作を制御する。
【0184】
例えば、制御回路22は、書き込み動作時、書き込み信号WRITEを、書き込み電流制御回路24に与える。書き込み電流制御回路24は、書き込み信号WRITEを受けると、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRV、書き込みワード線シンク信号WWLSNK、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKを生成する。
【0185】
書き込みワード線ドライブ信号WWLDRVは、ロウデコーダ&ドライバ14に供給され、書き込みワード線シンク信号WWLSNKは、書き込みワード線シンカー15に供給される。書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKは、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16A,17Aに供給される。
【0186】
設定回路23は、プログラミング素子を有しており、そのプログラミング素子には、書き込みワード/ビット線電流の電流波形を決定するための設定データがプログラムされる。プログラミング素子としては、例えば、レーザ溶断型フューズ、MTJ素子(MTJ)や、MTJ素子のトンネルバリアを破壊するアンチフューズなどを使用することができる。
【0187】
設定回路23は、書き込み動作時、設定データに基づいて、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>、及び、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>を生成する。
【0188】
書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>は、書き込み電流制御回路24を経由して(書き込み電流制御回路24を経由しなくてもよい)、ロウデコーダ&ドライバ14に与えられる。
【0189】
書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>は、書き込み電流制御回路24を経由して、又は、経由しないで、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aに与えられ、書き込みビット線電流波形信号CP<4>〜CP<7>は、書き込み電流制御回路24を経由して、又は、経由しないで、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aに与えられる。
【0190】
ロウデコーダ&ドライバ14は、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRVが“H”、書き込みワード線シンク信号WWLSNKが“H”のとき、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>に基づいて、ロウアドレス信号により選択された書き込みワード線に流れる書き込み電流の値(大きさ)を決定する。
【0191】
同様に、書き込みワード線シンカー15及びカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16A,17Aは、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRVが“H”、書き込みビット線シンク信号WBLSNKが“H”のとき、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>に基づいて、カラムアドレス信号により選択された書き込みビット線に流れる書き込み電流の値(大きさ)を決定する。
【0192】
書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>は、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aからカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aに向かう書き込み電流を流すときに、その書き込みビット線電流の値を決定する。
【0193】
書き込みビット線電流波形信号CP<4>〜CP<7>は、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aからカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aに向かう書き込み電流を流すときに、その書き込みビット線電流の値を決定する。
【0194】
書き込み電流の電流吸収タイミングに関しては、例えば、シンク信号WWLSNK,WBLSNKが“H”から“L”になるタイミングを、ドライブ信号WWLDRV,WBLDRVが“H”から“L”になるタイミングよりも遅らせることにより、書き込みワード/ビット線の電位を完全に0Vにする、といった効果を得ることができる。
【0195】
磁気ランダムアクセスメモリのテストモードにおいては、例えば、データ入出力端子から入力される設定データD<j>に基づいて、MTJ素子に対する書き込みテストを実施することもできる。この書き込みテストにより、メモリセルアレイ12内のMTJ素子の書き込み特性を把握し、通常の書き込み動作時における書き込みワード/ビット線電流の値(合成磁界Hx,Hyの強さ)を決定する。
【0196】
なお、このテストモードにおいて、設定データD<j>は、アドレス端子から入力させるようにしてもよい。
【0197】
テストモードの結果を受けて、この後、設定データのプログラミング動作が行われる。このプログラミング動作は、テストモードの結果、即ち、書き込みワード/ビット線電流の値を、設定回路23内のプログラミング素子にプログラミングする動作のことである。
【0198】
プログラミング動作時には、プログラム信号PROGが“H”になる。そして、データ入出力端子又はアドレス端子から入力される設定データD<j>の値を制御し、通常の書き込み動作時における書き込みワード/ビット線電流の値を、設定回路23内のプログラミング素子にプログラミングする。
【0199】
▲2▼ ロウデコーダ&書き込みワード線ドライバ/シンカー
図18は、ロウデコーダ&書き込みワード線ドライバ/シンカーの回路例を示している。
【0200】
ロウデコーダ&書き込みワード線ドライバ(1ロウ分)14は、ANDゲート回路AD1、NANDゲート回路NDWS0〜NDWS3及びPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3から構成される。PチャネルMOSトランジスタWSi(i=0,1,2,3)のゲートは、NANDゲート回路NDWSiの出力端子に接続され、そのソースは、電源端子VDDに接続され、そのドレインは、書き込みワード線WWLi(i=1,・・・)の一端に接続される。
【0201】
NANDゲート回路NDWSiの2つの入力端子の一方には、書き込みワード線電流波形信号RP<i>が入力され、他方には、ANDゲート回路AD1の出力信号が入力される。ANDゲート回路AD1には、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRV及び複数ビットから構成されるロウアドレス信号(ロウiごとに異なる)が入力される。
【0202】
書き込みワード線シンカー(1ロウ分)15は、NチャネルMOSトランジスタTN1から構成される。NチャネルMOSトランジスタTN1のソースは、接地端子VSSに接続され、そのドレインは、書き込みワード線WWLiの他端に接続される。NチャネルMOSトランジスタTN1のゲートには、書き込みワード線シンク信号WWLSNKが入力される。
【0203】
書き込み動作時、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRVが“H”になると共に、選択されたロウiでは、ロウアドレス信号の全てのビットが“H”となる。即ち、選択されたロウiでは、アンド回路AD1の出力信号が“H”となるため、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>の値に応じて、所定の値(大きさ)を有する書き込みワード線電流が書き込みワード線WWLiに供給される。
【0204】
書き込みワード線シンク信号WWLSNKが“H”になると、NチャネルMOSトランジスタTN1がオン状態となるため、書き込みワード線WWLiに流れる書き込み電流は、NチャネルMOSトランジスタTN1を経由して、接地点VSSに吸収される。
【0205】
このようなロウデコーダ&書き込みワード線ドライバ/シンカーによれば、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>の値を制御することにより、選択されたロウi内の書き込みワード線WWLiに対する書き込み電流の大きさ(電流波形)を制御することができる。
【0206】
また、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRVを“L”に設定した後、書き込みワード線シンク信号WWLSNKを“L”に設定すれば、書き込み動作後の書き込みワード線WWLiの電位を完全に0Vにすることができ、初期化に好都合である。
【0207】
なお、書き込みワード線電流の値(大きさ)を制御するに当たっては、第一に、複数のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3のサイズ(チャネル幅)、即ち、駆動能力を、全て同じ値に設定し、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>を用いて、オン状態のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3の数を変える、という制御方法を使用できる。
【0208】
第二に、複数のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3のサイズ(チャネル幅)、即ち、駆動能力を、互いに異なる値に設定し、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>を用いて、複数のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3のうちの1つを選択的にオン状態にする、という制御方法を使用できる。
【0209】
第三に、これら第一及び第二の方法を組み合せた制御方法、即ち、PチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3のサイズを変え、かつ、オン状態のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3の数を変えて、書き込み電流の値(大きさ)を制御する、という制御方法を使用できる。
【0210】
▲3▼ カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー
図19は、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカーの回路例を示している。
【0211】
カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー(1カラム分)16Aは、NANDゲート回路NDBS0〜NDBS3、ANDゲート回路AD2,AD3、PチャネルMOSトランジスタBS0〜BS3及びNチャネルMOSトランジスタBN0から構成される。
【0212】
PチャネルMOSトランジスタBSi(i=0,1,2,3)のゲートは、NANDゲート回路NDBSiの出力端子に接続され、そのソースは、電源端子VDDに接続され、そのドレインは、共通に、書き込みビット線WBLi(i=1,・・・)の一端に接続される。
【0213】
NANDゲート回路NDBSi(i=0,1,2,3)の2つの入力端子の一方には、書き込みワード線電流波形信号CP<i>が入力され、他方には、ANDゲート回路AD2の出力信号が入力される。ANDゲート回路AD2には、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV、複数ビットから構成されるカラムアドレス信号(カラムiごとに異なる)及び書き込みデータDATAが入力される。
【0214】
NチャネルMOSトランジスタBN0のゲートは、ANDゲート回路AD3の出力端子に接続され、そのソースは、接地端子VSSに接続され、そのドレインは、書き込みビット線WBLi(i=1,・・・)の一端に接続される。ANDゲート回路AD3には、書き込みビット線シンク信号WBLSNK、複数ビットから構成されるカラムアドレス信号(カラムiごとに異なる)及び書き込みデータの反転信号bDATAが入力される。
【0215】
同様に、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー(1カラム分)17Aは、NANDゲート回路NDBS4〜NDBS7、ANDゲート回路AD4,AD5、PチャネルMOSトランジスタBS4〜BS7及びNチャネルMOSトランジスタBN1から構成される。
【0216】
PチャネルMOSトランジスタBSi(i=4,5,6,7)のゲートは、NANDゲート回路NDBSiの出力端子に接続され、そのソースは、電源端子VDDに接続され、そのドレインは、共通に、書き込みビット線WBLi(i=1,・・・)の他端に接続される。
【0217】
NANDゲート回路NDBSi(i=4,5,6,7)の2つの入力端子の一方には、書き込みワード線電流波形信号CP<i>が入力され、他方には、ANDゲート回路AD4の出力信号が入力される。ANDゲート回路AD4には、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV、複数ビットから構成されるカラムアドレス信号(カラムiごとに異なる)及び書き込みデータの反転信号bDATAが入力される。
【0218】
NチャネルMOSトランジスタBN1のゲートは、ANDゲート回路AD5の出力端子に接続され、そのソースは、接地端子VSSに接続され、そのドレインは、書き込みビット線WBLi(i=1,・・・)の他端に接続される。ANDゲート回路AD5には、書き込みビット線シンク信号WBLSNK、複数ビットから構成されるカラムアドレス信号(カラムiごとに異なる)及び書き込みデータDATAが入力される。
【0219】
書き込み動作時、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKが共に“H”となり、かつ、選択されたカラムiでは、カラムアドレス信号の全てのビットが“H”となる。
【0220】
従って、選択されたカラムiでは、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>により、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aからカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aに向かって流れる書き込み電流の値(大きさ)が決定される。
【0221】
また、書き込みビット線電流波形信号CP<4>〜CP<7>により、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aからカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aに向かって流れる書き込み電流の値(大きさ)が決定される。
【0222】
書き込みビット線WBLiに流れる書き込み電流の向きは、書き込みデータDATAの値により決まる。
【0223】
例えば、書き込みデータDATAが“1”(=“H”)のときには、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>により、少なくとも1つのPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS3がオン状態になり、また、NチャネルMOSトランジスタBN1も、オン状態となる。このため、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aからカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aに向かう書き込み電流が流れる。
【0224】
また、書き込みデータDATAが“0”(=“L”)のときには、書き込みビット線電流波形信号CP<4>〜CP<7>により、少なくとも1つのPチャネルMOSトランジスタBS4〜BS7がオン状態となり、また、NチャネルMOSトランジスタBN0がオン状態となる。このため、カラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー17Aからカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカー16Aに向かう書き込み電流が流れる。
【0225】
このようなカラムデコーダ&書き込みビット線ドライバ/シンカーによれば、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>の値を制御することにより、選択されたカラムi内の書き込みビット線WBLiに対する書き込み電流の大きさ(電流波形)を制御することができる。
【0226】
また、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRVを“L”に設定した後、書き込みビット線シンク信号WBLSNKを“L”に設定すれば、書き込み動作後の書き込みビット線WBLiの電位を完全に0Vにすることができ、初期化に好都合である。
【0227】
なお、書き込みビット線電流の値(大きさ)を制御するに当たっては、第一に、複数のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7のサイズ(チャネル幅)、即ち、駆動能力を、全て同じ値に設定し、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>を用いて、オン状態のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7の数を変える、という制御方法を使用できる。
【0228】
第二に、複数のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7のサイズ(チャネル幅)、即ち、駆動能力を、互いに異なる値に設定し、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>を用いて、複数のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7のうちの1つを選択的にオン状態にする、という制御方法を使用できる。
【0229】
第三に、これら第一及び第二の方法を組み合せた制御方法、即ち、PチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7のサイズを変え、かつ、オン状態のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7の数を変えて、書き込み電流の値(大きさ)を制御する、という制御方法を使用できる。
【0230】
▲4▼ 書き込み電流制御回路
次に、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRV、書き込みワード線シンク信号WWLSNK、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKを生成する書き込み電流制御回路の例について説明する。
【0231】
図20及び図21は、書き込み電流制御回路の例を示している。
【0232】
書き込み電流制御回路(その1)24は、書き込み信号WRITEに基づいて、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRV及び書き込みワード線シンク信号WWLSNKを生成する。書き込み電流制御回路(その1)24は、インバータ回路IV0,IV1、ナンド回路NAND1、遅延回路WDL0,・・・WDL4及び複数のトランスファゲート回路から構成される。
【0233】
複数のトランスファゲート回路の各々は、NチャネルMOSトランジスタとPチャネルMOSトランジスタとから構成され、制御信号WS<0>,・・・WS<3>,/WS<0>,・・・/WS<3>により制御される。制御信号/WS<0>,・・・/WS<3>は、制御信号WS<0>,・・・WS<3>の反転信号である。
【0234】
書き込み電流制御回路(その2)24は、書き込み信号WRITEに基づいて、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKを生成する。書き込み電流制御回路(その2)24は、インバータ回路IV2,IV3、ナンド回路NAND2、遅延回路BDL0,・・・BDL4及び複数のトランスファゲート回路から構成される。
【0235】
複数のトランスファゲート回路の各々は、NチャネルMOSトランジスタとPチャネルMOSトランジスタとから構成され、制御信号BS<0>,・・・BS<3>,/BS<0>,・・・/BS<3>により制御される。制御信号/BS<0>,・・・/BS<3>は、制御信号BS<0>,・・・BS<3>の反転信号である。
【0236】
▲5▼ 設定回路
次に、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>及び書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>を生成する設定回路について説明する。
【0237】
図22は、設定回路の例を示している。
設定回路23は、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>を生成する第1部分と、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>を生成する第2部分とから構成される。
【0238】
第1部分は、書き込みワード線電流の電流波形(大きさ)を決定する設定データがプログラムされるレジスタ<0>,<1>と、レジスタ<0>,<1>の出力信号TD<0>,TD<1>,bTD<0>,bTD<1>をデコードして、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>を出力するデコーダRP<0>〜RP<3>とを有している。
【0239】
第2部分は、書き込みビット線電流の電流波形(大きさ)を決定する設定データがプログラムされるレジスタ<2>〜<4>と、レジスタ<2>〜<4>の出力信号TD<2>〜TD<4>,bTD<2>〜bTD<4>をデコードして、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>を出力するデコーダCP<0>〜CP<7>とを有している。
【0240】
本例では、チップごと、又は、セルアレイごとに、書き込みワード線/ビット線電流を設定することを前提とする。チップごとに、書き込みワード線/ビット線電流を設定する場合には、チップ内には、設定回路23が1個だけ設けられる。チップ内に複数のセルアレイが存在し、セルアレイごとに、書き込みワード線/ビット線電流を設定する場合には、チップ内には、セルアレイの数と同じ数の設定回路23が設けられる。
【0241】
レジスタ<0>,<1>には、書き込みワード線電流の電流波形を決定する設定データがプログラムされる。書き込みワード線電流の電流波形は、図18に示すように、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>により制御される。本例では、レジスタ<0>,<1>に登録される2ビットの設定データにより、書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>のうちの1つが“H”となる。
【0242】
つまり、図18のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3のサイズを変えることにより、4通りの電流波形を実現できる。
【0243】
なお、レジスタ<0>,<1>に登録される2ビットの設定データにより、“H”となる書き込みワード線電流波形信号RP<0>〜RP<3>の数を制御するようにしてもよい。この場合、図18のPチャネルMOSトランジスタWS0〜WS3のサイズを同じにしても、4通りの電流波形を実現できる。
【0244】
D<0>,D<1>は、テストモード時に、磁気ランダムアクセスメモリ(チップ)の外部から入力される設定データである。テストモード時には、この設定データに基づいて、書き込みワード線電流の電流波形を決定し、MTJ素子の特性をテストすることができる。
【0245】
また、D<0>,D<1>は、設定データの登録時に、磁気ランダムアクセスメモリ(チップ)の外部から入力される設定データでもある。設定データの登録時には、この設定データに基づいて、電気的に、レジスタ<0>、<1>内の記憶素子に設定データをプログラムすることができる。
【0246】
レジスタ<2>〜<4>には、書き込みビット線電流の電流波形を決定する設定データがプログラムされる。書き込みビット線電流の電流波形は、図19に示すように、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<3>により制御される。本例では、レジスタ<2>〜<4>に登録される3ビットの設定データにより、書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>のうちの1つがH”となる。
【0247】
つまり、図19のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS3のサイズを変えることにより、書き込みビット線ドライバ16Aから書き込みビット線シンカー17Aに向かう書き込みビット線電流の電流波形を4通りだけ用意することができる。また、PチャネルMOSトランジスタBS4〜BS7のサイズを変えることにより、書き込みビット線ドライバ17Aから書き込みビット線シンカー16Aに向かう書き込みビット線電流の電流波形を4通りだけ用意することができる。
【0248】
なお、レジスタ<2>〜<4>に登録される3ビットの設定データにより、“H”となる書き込みビット線電流波形信号CP<0>〜CP<7>の数を制御するようにしてもよい。この場合、図19のPチャネルMOSトランジスタBS0〜BS7のサイズを同じにしても、書き込みビット線電流の各向きに対して、4通りの電流波形を実現できる。
【0249】
D<2>〜D<4>は、テストモード時に、磁気ランダムアクセスメモリ(チップ)の外部から入力される設定データである。テストモード時には、この設定データに基づいて、書き込みビット線電流の電流波形を決定し、MTJ素子の特性をテストすることができる。
【0250】
また、D<2>〜D<4>は、設定データの登録時に、磁気ランダムアクセスメモリ(チップ)の外部から入力される設定データでもある。設定データの登録時には、この設定データに基づいて、電気的に、レジスタ<2>〜<4>内の記憶素子に設定データをプログラムすることができる。
【0251】
▲6▼ レジスタ<j>
図22の設定回路23内のレジスタ<j>の回路例について説明する。
【0252】
図23は、レジスタの回路例を示している。
本例のレジスタ<j>では、設定データを記憶するための素子として、MTJ素子を使用する。
【0253】
プログラムデータ出力回路29は、設定データを記憶するためのMTJ素子MTJを有している。ここで、MTJ素子MTJには、設定データを、MTJ素子の磁化状態、即ち、固定層の磁化方向と記憶層の磁化方向との関係(平行又は反平行)で記憶することができるが、本例では、そのような方法を用いない。
【0254】
なぜなら、設定データの値に関しては、一度、MTJ素子MTJに書き込んだ後に、再び、それを書き換えるということがない。
【0255】
また、MTJ素子MTJのMR比が20〜40%であることを考慮すると、パワーオンと同時に、MTJ素子MTJのデータを出力する設定回路では、設定データの読み出し時に、MTJ素子MTJの両端に大きな電圧が印加され、誤読み出しする可能性があるからである。
【0256】
MTJ素子MTJは、MTJ素子MTJの両端にかかるバイアス電圧が大きくなるにつれて、MR比が小さくなる、という特性を有している。このため、設定データをMTJ素子の磁化状態で記憶した場合、大きな読み出し信号量を得るために、バイアス電圧を大きくすると、MR比(“1”データと“0”データの読み出し信号差)が小さくなり、誤読み出しの可能性が大きくなる。
【0257】
従って、設定データを記憶するためのMTJ素子MTJに対しては、固定層の磁化方向と記憶層の磁化方向との関係ではなく、トンネルバリアを絶縁破壊するか否かで、設定データをプログラムする。
【0258】
MTJ素子MTJの絶縁破壊を利用した設定データのプログラム方法では、半永久的に、設定データを記憶しておくことができる。
【0259】
MTJ素子MTJの一端は、PチャネルMOSトランジスタP1及びNチャネルMOSトランジスタN1を経由して電源端子VDDに接続され、その他端は、NチャネルMOSトランジスタN2を経由して接地端子VSSに接続される。
【0260】
PチャネルMOSトランジスタP1のゲートは、接地端子VSSに接続され、NチャネルMOSトランジスタN2のゲートは、電源端子VDDに接続されるため、これらMOSトランジスタP1,N2は、常に、オン状態となっている。
【0261】
NチャネルMOSトランジスタN1のゲートには、クランプ電位Vclampが入力される。クランプ電位Vclampを適切な値に設定することにより、設定データの読み出し時に、MTJ素子MTJの電極間に高電圧が印加されるのを防止することができる。
【0262】
なお、クランプ電位Vclampを生成するVclamp生成回路の例を、図22に示す。本例のVclamp生成回路31では、クランプ電位Vclampは、BGR回路の出力電圧を抵抗分割することにより得ている。クランプ電位Vclampは、0.3〜0.5Vとなる。
【0263】
NANDゲート回路ND4及びPチャネルMOSトランジスタP2は、MTJ素子MTJの絶縁破壊を利用した設定データのプログラム方法を採用する場合に必要となる要素である。
【0264】
設定データのプログラム時には、プログラム信号PROGが“H”となる。そして、例えば、MTJ素子MTJに設定データ“1”を書き込む場合には、外部端子(データ入力端子、アドレス端子、専用端子など)から、設定データD<j>として、“1”(=“H”)を入力する。
【0265】
この時、NANDゲート回路ND4の出力信号は、“L”となり、PチャネルMOSトランジスタP2は、オン状態となる。従って、MTJ素子MTJの両端には、大きな電圧が印加され、MTJ素子MTJのトンネルバリアが破壊され、結果として、MTJ素子MTJに、設定データ“1”がプログラムされる。この場合、TD<j>は、“L”、bTD<j>は、“H”となる。
【0266】
一方、例えば、MTJ素子MTJに設定データ“0”を書き込む場合には、外部端子(データ入力端子、アドレス端子、専用端子など)から、設定データD<j>として、“0”(=“L”)を入力する。
【0267】
この時、NANDゲート回路ND4の出力信号は、“H”となり、PチャネルMOSトランジスタP2は、オフ状態となる。従って、MTJ素子MTJの両端には、大きな電圧が印加されることがないため、MTJ素子MTJのトンネルバリアが破壊されずに、結果として、MTJ素子MTJに、設定データ“0”がプログラムされる。この場合、TD<j>は、“H”、bTD<j>は、“L”となる。
【0268】
PチャネルMOSトランジスタP1とNチャネルMOSトランジスタN1の接続点は、インバータI9及びトランスファゲートTG4を経由して、インバータI7の入力端に接続される。インバータI7の出力信号は、bTD<j>となり、インバータI8の出力信号は、TD<j>となる。
【0269】
なお、Vclamp生成回路31の一例を、図24に示す。本例では、BGR回路の出力電圧を抵抗分割することにより、クランプ電位として、Vclamp = 0.3〜0.5Vを得る。
【0270】
▲7▼ デコーダRP<0>〜RP<3>,CP<0>〜CP<7>
図22の設定回路23内のデコーダRP<0>〜RP<3>,CP<0>〜CP<7>の回路例について説明する。
【0271】
図25は、デコーダの回路例を示している。
デコーダRP<0>〜RP<3>,CP<0>〜CP<7>は、それぞれ、NANDゲート回路ND3及びインバータI10から構成される。
【0272】
NANDゲート回路ND3には、3つの入力信号A,B,Cが入力され、その出力信号は、インバータI10に入力される。インバータI10の出力信号Dは、書き込みワード/ビット線電流波形信号RP<0>〜RP<3>,CP<0>〜CP<7>となる。
【0273】
デコーダRP<0>〜RP<3>,CP<0>〜CP<7>のデコーディング表(入力信号と出力信号との関係)を、表1に示す。
【0274】
【表1】
Figure 2005018916
【0275】
▲8▼ 動作波形例
図26は、図18の書き込みワード線ドライバ/シンカーの動作波形例を示している。
【0276】
書き込み信号WRITEが“H”になると、これを受けて、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRV及び書き込みワード線シンク信号WWLSNKが“H”になる。書き込みワード線ドライブ信号WWLDRV及び書き込みワード線シンク信号WWLSNKを“H”にするタイミングは、制御信号WS<0>〜WS<3>,/WS<0>〜/WS<3>により制御される。
【0277】
書き込み信号WRITEが“L”になると、これを受けて、まず、書き込みワード線ドライブ信号WWLDRVが“L”になる。そして、それから図20の遅延回路WDL4の遅延時間により決まる一定期間が経過した後、書き込みワード線シンク信号WWLSNKが“L”になる。この一定期間は、書き込み動作終了後、書き込みワード線WWLiの電位を0Vにするための期間である。
【0278】
図27は、図19の書き込みビット線ドライバ/シンカーの動作波形例を示している。
【0279】
書き込み信号WRITEが“H”になると、これを受けて、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKが“H”になる。書き込みビット線ドライブ信号WBLDRV及び書き込みビット線シンク信号WBLSNKを“H”にするタイミングは、制御信号BS<0>〜BS<3>,/BS<0>〜/BS<3>により制御される。
【0280】
書き込み信号WRITEが“L”になると、これを受けて、まず、書き込みビット線ドライブ信号WBLDRVが“L”になる。そして、それから図21の遅延回路BDL4の遅延時間により決まる一定期間が経過した後、書き込みビット線シンク信号WBLSNKが“L”になる。この一定期間は、書き込み動作終了後、書き込みビット線WBLiの電位を0Vにするための期間である。
【0281】
▲9▼ まとめ
以上、説明したように、本例の磁気ランダムアクセスメモリによれば、書き込みワード/ビット線に対する書き込み電流の電流波形(大きさ)を、チップごと、又は、メモリセルアレイごとに、プログラミングにより設定できる。また、書き込みワード線電流の電流波形と書き込みビット線電流の電流波形を、互いに独立に、決定できる。さらに、書き込みビット線電流に関しては、書き込みデータの値(書き込み電流の向き)に対しても、個別に、書き込みビット線電流の電流波形を決定できる。
【0282】
6. 第6実施の形態
次に、本発明の第6実施の形態に関わるデータ読み出し方法について説明する。
【0283】
図28は、本発明の第1実施の形態に関わる読み出し回路を利用した読み出し方法の例を示している。
【0284】
この読み出し方法では、まず、メモリセル及び複数のレファレンスセルを構成する複数のMTJ素子の特性を検査する(ステップST1)。次に、複数のMTJ素子の特性に基づいて、複数のレファレンスセルの各々に、個別に、“0”データ又は“1”データを書き込む(ステップST2)。
【0285】
ここで、例えば、複数のレファレンスセルのうち、“0”データが書き込まれるセルの数と“1”データが書き込まれるセルの数とは、同数の場合もあるし、異なる場合もある。
【0286】
そして、選択されたメモリセルのデータを読み出す際には、これら複数のレファレンスセルを用いてレファレンス電流/電位を生成し、データ値を判定する際の基準とする(ステップST3)。
【0287】
なお、図29に示すように、メモリセルのデータを読み出す際に、アドレス信号に基づいて、複数のレファレンスセルのうちから少なくとも1つのセル(複数又は全てのセルでもよい)をアクセスし、アクセスされたレファレンスセルに基づいて、レファレンス電流/電位を生成してもよい(ステップST2’)。
【0288】
図30は、本発明の第2実施の形態に関わる読み出し回路を利用した読み出し方法の例を示している。
【0289】
この読み出し方法では、まず、メモリセル、複数のレファレンスセル及び複数のダミーセルを構成する複数のMTJ素子の特性を検査する(ステップST1)。次に、複数のMTJ素子の特性に基づいて、複数のレファレンスセル及び複数のダミーセルの各々に対して、個別に、“0”データ又は“1”データを書き込む(ステップST2)。
【0290】
この後、アドレス信号に基づいて、複数のレファレンスセルのうちから少なくとも1つのセル(複数又は全てのセルでもよい)をアクセスし、アクセスされたレファレンスセルに基づいて、レファレンス電流/電位を生成する(ステップST2’)。
【0291】
この時、レファレンスセル側の各MTJ素子に流れる電流とメモリセル側の各MTJ素子に流れる電流とを合わせるため、ダミーセルに対するアクセス動作を行い、レファレンスセル側の電流駆動力とメモリセル側の電流駆動力との調整を図る(ステップST2”)。
【0292】
そして、このようにして生成されたレファレンス電流/電位を、メモリセルのデータ値を判定する際の基準とする(ステップST3)。
【0293】
なお、本例の読み出し方法の場合、各MTJ素子に流れる電流値をほぼ等しくするため、メモリセルとそれに並列接続されたダミーセルの合計数が、複数のレファレンスセルのうちアクセスされるセルの数に等しくなるようにする。
【0294】
図31は、本発明の第3実施の形態に関わる読み出し回路を利用した読み出し方法の例を示している。
【0295】
この読み出し方法では、まず、メモリセル、複数のレファレンスセル及び複数のダミーセルを構成する複数のMTJ素子の特性を検査する(ステップST1)。次に、複数のMTJ素子の特性に基づいて、複数のレファレンスセル、複数のダミーセル及び電流源内の複数のMTJ素子の各々に対して、個別に、“0”データ又は“1”データを書き込む(ステップST2)。
【0296】
この後、アドレス信号に基づいて、電流源内の複数のMTJ素子に対するアクセス動作を行う(ステップST2a)。
【0297】
また、複数のレファレンスセルのうちから少なくとも1つのセルをアクセスし、アクセスされたレファレンスセルに基づいて、レファレンス電流/電位を生成する(ステップST2’)。また、ダミーセルに対するアクセス動作を行い、レファレンスセル側の電流駆動力とメモリセル側の電流駆動力との調整を図る(ステップST2”)。
【0298】
そして、このようにして生成されたレファレンス電流/電位を、メモリセルのデータ値を判定する際の基準とする(ステップST3)。
【0299】
7. その他
このように、本発明の例に関わる磁気ランダムアクセスメモリによれば、アクセス時に、選択されたメモリセル(データセル)以外のセル、例えば、レファレンスセルにもアクセスし、書き込み動作、読み出し動作や、モニタ動作などを行うことができる。
【0300】
また、読み出し動作時に、データ値の判定の基準となるレファレンス電流/電圧を生成する元となる複数のレファレンスセルについては、“1”状態のものと“0”状態のものとが同数である必要がなく、例えば、MTJ素子の抵抗値のばらつきに応じて、最適なレファレンス電流/電圧を生成できるように、“1”状態のものと“0”状態のものとの割合を任意に決定できる。
【0301】
さらに、素子の微細化により、MTJ素子の抵抗値が上昇しても、メモリセル(MTJ素子)とは異なるダミーセル(MTJ素子)を駆動することにより、ビット線やデータ線に対する駆動能力を上げることができる。
【0302】
また、セル電流をモニタするためのモニタ回路を読み出し回路内に設けているため、予め、メモリセルのセル電流をモニタしておくことができる。MTJ素子に与える読み出し電流を生成する電流源についても、MTJ素子から構成することができる。電流源内のMTJ素子については、各々、独立に、データ書き込みができる。
【0303】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上記実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0304】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の磁気ランダムアクセスメモリによれば、MTJ素子のトンネル絶縁膜に厚さのばらつきが生じても、最適なレファレンス電圧を生成でき、また、MTJ素子の微細化によってその抵抗値が増大しても、読み出し速度の低下がなく、さらに、MTJ素子に対する最適な書き込み電流の値、供給タイミングを見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に関わる読み出し回路の主要部を示す図。
【図2】図1の読み出し回路の応用例を示す図。
【図3】アドレスコンパレータの例を示す図。
【図4】デコーダ<j>の例を示す図。
【図5】デコーダ<BLi>の例を示す図。
【図6】図3のアドレスコンパレータの回路例を示す図。
【図7】オペアンプの回路例を示す図。
【図8】センスアンプの回路例を示す図。
【図9】本発明の第2実施の形態に関わる読み出し回路の主要部を示す図。
【図10】図9の読み出し回路の変形例を示す図。
【図11】本発明の第3実施の形態に関わる電流源を示す図。
【図12】本発明の第4実施の形態に関わる読み出し回路の主要部を示す図。
【図13】NAND型フラッシュメモリの動作例を示す図。
【図14】NAND型フラッシュメモリの動作例を示す図。
【図15】RDRAMの動作例を示す図。
【図16】本発明の第5実施の形態に関わるMRAMの概要を示す図。
【図17】メモリセルアレイの回路例を示す図。
【図18】書き込みワード線ドライバの回路例を示す図。
【図19】書き込みビット線ドライバ/シンカーの回路例を示す図。
【図20】書き込み電流制御回路の回路例その1を示す図。
【図21】書き込み電流制御回路の回路例その2を示す図。
【図22】設定回路の回路例を示す図。
【図23】レジスタ<j>の回路例を示す図。
【図24】Vclamp生成回路の回路例を示す図。
【図25】デコーダRP<0>〜RP<3>,CP<0>〜CP<7>の回路例を示す図。
【図26】図16のMRAMの動作波形の例を示す図。
【図27】図16のMRAMの動作波形の例を示す図。
【図28】本発明の第6実施の形態に関わる読み出し方法を示す図。
【図29】本発明の第6実施の形態に関わる読み出し方法を示す図。
【図30】本発明の第6実施の形態に関わる読み出し方法を示す図。
【図31】本発明の第6実施の形態に関わる読み出し方法を示す図。
【図32】センス回路をモデル化した図。
【符号の説明】
1: アドレスコンパレータ、 2: デコーダ、 10: レファレンス電位生成回路、 11: MRAM、 12: メモリセルアレイ、 13: レファレンスセルアレイ: 14: ロウデコーダ&ワード線ドライバ、 15:ロウデコーダ&ワード線ドライバ/シンカー、 16A,16B,17A,17B: カラムデコーダ&ビット線ドライバ/シンカー、 18: アドレスレシーバ、 19: データ入力レシーバ、 20: センスアンプ、 21: データ出力ドライバ、 22: 制御回路、 23: 設定回路、 24: 書き込み電流制御回路、 CS1: バイアス電流供給回路、 OP1,OP2:オペアンプ、 S/A: センスアンプ、 QP1,・・・QP10: PチャネルMOSトランジスタ、 QN1,・・・QN12: NチャネルMOSトランジスタ、 MC: メモリセル、 RC: レファレンスセル、 I1: 電流源、 AD<BLi>,AD<0>,・・・AD<7>: アンド回路、 RST: 読み出し選択トランジスタ。

Claims (21)

  1. 磁気抵抗効果素子から構成されるメモリセルと、前記メモリセルのデータを判断する基準を作るための複数のレファレンスセルとを具備し、前記複数のレファレンスセルに対しては、それぞれ、独立に、データの書き込み/読み出しが可能であることを特徴とする磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 前記複数のレファレンスセルは、それぞれ、磁気抵抗効果素子から構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 前記複数のレファレンスセルは、それぞれ、第1及び第2状態をとることができ、前記第1状態のレファレンスセルの数と前記第2状態のレファレンスセルの数は、異なることを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 前記メモリセルを有するメモリセルアレイと前記レファレンスセルを有するレファレンスセルアレイとは、隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 前記複数のレファレンスセルのうち不良セルを排除又は救済するためのシステムをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 前記不良セルのアドレスを記憶する複数の記憶素子をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 前記メモリセルに並列に接続される複数のダミーセルをさらに具備し、前記メモリセルと前記ダミーセルとを足した数は、前記レファレンスセルの数に等しいことを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 前記複数のダミーセルに対しては、それぞれ、独立に、データの書き込み/読み出しが可能であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 前記複数のダミーセルは、それぞれ、磁気抵抗効果素子から構成されることを特徴とする請求項7に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. 読み出し時に、前記メモリセルにバイアス電流を与える電流源を具備し、前記電流源は、前記メモリセルを構成する磁気抵抗効果素子と同じ形状の複数の磁気抵抗効果素子から構成されることを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  11. 前記電流源内の磁気抵抗効果素子に対しては、それぞれ、独立に、データの書き込み/読み出しが可能であることを特徴とする請求項10に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  12. 前記電流源内の磁気抵抗効果素子に対するアクセスは、前記メモリセルに対するアクセス以前に始められることを特徴とする請求項11に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  13. 前記メモリセルに流れる電流をモニタするモニタ回路をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  14. 前記メモリセルに対する書き込み動作中に、書き込み電流波形の変化を制御する書き込み電流制御回路をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  15. 前記書き込み電流波形の変化を半永久的に記憶する設定回路をさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  16. 前記書き込み電流波形の変化は、磁気抵抗効果素子により記憶されることを特徴とする請求項15に記載の磁気ランダムアクセスメモリ。
  17. メモリセル及び複数のレファレンスセルを構成する複数の磁気抵抗効果素子の特性を検査し、前記複数の磁気抵抗効果素子の特性に基づいて、前記複数のレファレンスセルの各々に、個別に、データを書き込み、前記メモリセルのデータを読み出す際に、前記複数のレファレンスセルを用いて、前記メモリセルのデータを判断する基準を作ることを特徴とする読み出し方法。
  18. 前記メモリセルのデータを読み出す際に、前記複数のレファレンスセルの中からアクセスするセルを選択することにより、前記複数の磁気抵抗効果素子の特性に基づいた前記基準を作ることを特徴とする請求項17に記載の読み出し方法。
  19. 前記メモリセルのデータを読み出す際に、前記メモリセルに複数のダミーセルのうちの少なくとも1つを並列接続し、前記メモリセルとそれに並列接続されたダミーセルの合計数が、前記複数のレファレンスセルのうちアクセスされるセルの数に等しくなるようにすることを特徴とする請求項18に記載の読み出し方法。
  20. 前記メモリセルのデータを読み出す際に、前記複数のダミーセルの中からアクセスするセルを選択することを特徴とする請求項19に記載の読み出し方法。
  21. 前記複数のレファレンスセルのうちアクセスされるセルの数に基づいて、前記メモリセルに与える電流値を決定することを特徴とする請求項18に記載の読み出し方法。
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