JP2005018252A - 財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラム - Google Patents
財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明の目的は、財務会計処理アプリケーションで使用されるデータから、所望の時点の、所望のデータを取得し、利用者の創意工夫を反映した帳票を作成することが可能な、財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法を提供する。
【解決手段】利用者から入力された財務会計データ30に基づいて財務会計書類を作成する財務会計システム20と連動した表計算システム10であって、表計算システム10上で演算処理を行う関数を備え、この関数は財務会計データ30を読み取る処理と、この読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、読み取られたデータと計算処理の結果を表計算システム10のワークシートへ表示する処理と、を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】利用者から入力された財務会計データ30に基づいて財務会計書類を作成する財務会計システム20と連動した表計算システム10であって、表計算システム10上で演算処理を行う関数を備え、この関数は財務会計データ30を読み取る処理と、この読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、読み取られたデータと計算処理の結果を表計算システム10のワークシートへ表示する処理と、を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表計算システムに関し、特に、財務会計システムと連動して、財務会計システムの財務会計データから、日々変化するデータをリアルタイムで取得して、利用者独自の帳票作成をすることが可能な、財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラムに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータ化により、財務会計処理についても、処理を支援するためのアプリケーションソフトが流通している。これらのアプリケーションソフトを利用することにより、会計処理を簡単且つ効率的に行うことが可能となっている。
【0003】
財務会計アプリケーションソフトにより作成されたデータは、インターネット等の通信回線網を利用して、他の場所で出力することも可能であり、情報の共有化を図ることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−133058号公報(第5頁−第6頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、ある特定の時点で財務会計システムが管理しているデータを、合計残高試算表や、部門別集計等の決められた様式で、他の場所で出力することが可能である。しかし、従来の技術では、財務会計データから日々変化するデータを読み込み、使用者の創意工夫を反映した帳票を作成することができないという不都合があった。
【0006】
一方、所定のデータベースから自由に情報を引き出し、利用者の創意工夫を反映した演算を行うことが可能なシステムとして、表計算システムが知られている。これら表計算システムには、様々な演算方法が関数という形で用意されていることが大きな特徴である。
【0007】
従来では、財務会計アプリケーションソフトで処理されたデータを、表計算システムで使用する場合、財務会計アプリケーションソフトで使用されるデータを一旦出力し、出力された帳票類を見ながら、表計算ソフトへ文字・数字等を手入力していた。このため、作業に手間がかかるだけではなく、誤入力を誘発する恐れがあった。
【0008】
或いは、財務会計アプリケーションのなかには、表計算システムに自動的に帳票類のデータを読み込ませる機能を備えたものがある。また、表計算システムは、このようにして取り込んだデータを加工するプログラムやマクロを備えており、これらの機能を利用することにより、手入力の負担を軽減することが可能である。
【0009】
しかし、これらの方法は全て、ある特定の時点で財務会計システムが管理しているデータを、表計算システム上で表現することを可能にしているだけであり、日々変化する財務会計データをリアルタイムで表現するものではなかった。
【0010】
したがって、利用者は、日々の財務会計データに基づいて、独自の帳票類を作成する際には、必ず、財務会計システムを起動し、表計算システムで再加工するために必要なデータを作成し、その上で、表計算システム上でそれらのデータを読み込み、独自に作成したプログラム(またはマクロ等)を利用して、独自の帳票類を作成するという手順を踏まなければならず、労力と手間がかかっていた。
【0011】
また、一般的に、表計算システムでは、表の要素を縦の座標位置と横の座標位置から表し、どの座標に何の値(数字や文字)が入力されているかを把握しなければ正しい計算結果を得ることができない。よって、利用者は、財務会計システムが提供する表計算加工用のデータについて、どの座標にどの科目の、どういう数字が設定されているかを理解していなければならず、理解していない場合には正しく帳票類を作成することができないという問題があった。
【0012】
このため、財務会計システム側では、一般的に良く使われる帳票類の様式をそのままに表計算システム上であらわすことで、利用者の利便性を高めている。これは、データの構造が日常的に目にしている帳票類と同じであることと、すでに財務書類として正しく計算が完了しているため、その利用が比較的容易となるためである。しかし、表示されたデータを加工しようとした場合、科目の追加、削除、および指定する日付によって、座標位置が変更されることになるため、表計算上のプログラム(またはマクロ等)の作成が困難となり、結果として、表計算システム上で独自の帳票の作成を行うことを困難にさせている。
【0013】
以上のように、これまでの財務会計システムと表計算システムの連動における問題点として、1.表計算システムで作成した帳票類に、財務会計システムのデータのある特定の時点のデータしか反映することができないこと、2.財務会計システムのデータを表計算システムに移すための作業が困難であること、3.表計算システムでプログラムまたはマクロ等を使うには、財務会計データの構造を理解した上で、科目の追加や削除に備えた作りにしなければならず、そのためには相応のプログラム知識が必要とされること、4.財務会計システムのデータを利用するためには財務会計特有の計算規則を理解していなければならないこと、等があった。
【0014】
本発明の目的は、財務会計処理アプリケーションで使用されるデータから、所望のタイミングで、所望の時点の所望のデータを取得し、利用者の創意工夫を反映した帳票を作成することが可能な、財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法を実現する、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の請求項1に係る財務会計システムと連動した表計算システムによれば、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算システムであって、前記表計算システム上で演算処理を行う関数を備え、該関数は前記財務会計データを読み取る処理と、該読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、前記読み取られたデータと前記計算処理の結果を前記表計算システムのワークシートへ表示する処理と、を行うことにより解決される。
【0016】
このように、本発明の財務会計システムと連動した表計算システムは、表計算システム上で演算処理を行う関数を備えており、この関数を組合せることで、財務会計システムで利用される財務会計データから、所望のタイミングで、所望のデータを直接読み取ったり、計算することができるように構成されている。すなわち、本発明の表計算システムでは関数を利用し、財務会計データについて、過去の特定の時点の財務会計データではなく、利用者が所定の帳票を作成しようとしている時点での財務会計データから、必要とするデータだけを読み取ったり、計算することが可能である。従って、自由且つ簡単に、利用者の創意工夫を反映した独自の帳票類を作成することが可能となる。
【0017】
また、上記関数は、財務会計計算規則に従って計算する処理も行うことができ、関数を指定するだけで、必要な計算が自動的に行われ、結果が表示されるので、利用者は財務会計特有の計算規則を知らなくても、必要な数字を簡単に得ることが可能となる。
【0018】
前記財務会計データは、具体的には、日付データ、借方科目データ、借方金額データ、貸方科目データ、貸方金額データのいずれかまたは二つ以上の組合せを含む仕訳データを備えている。そして、前記関数のパラメータにコードか、或いは予めコードが設定された前記表計算システムの座標値を対応させることにより、前記財務会計データから指定されたデータが取得されるように構成されている。なお、利用者に予めID及びパスワードを付与しておき、関数によって、各利用者の認証を行う構成としても良い。
【0019】
本発明の財務会計システムと連動した表計算方法は、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算方法であって、前記表計算システム上で演算処理を行う関数が前記財務会計データの読み取りを行う工程と、該読み取られたデータを表示する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
なお、合計値を求めるなど計算が必要な場合は、前記表計算システム上で演算処理を行う関数が前記財務会計データの読み取りを行う工程の後に、前記関数が前記読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って演算を行う工程と、該演算の結果を表示する工程と、を行う。
【0021】
本発明の財務会計システムと連動した表計算装置は、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算装置であって、前記財務会計システムに接続された送受信部と、表計算システム上で演算処理を行う関数と、該関数により読み取られた前記財務会計データと、前記関数による演算結果と、を保持する記憶部と、前記関数に従って、前記送受信部を介して前記財務会計データを読み取る処理と、該読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、を行う演算部と、前記読み取られたデータと、前記計算処理の結果と、を表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
なお、前記送受信部がネットワークに接続され、該ネットワークを介して前記財務会計システムと、前記財務会計データに接続された構成とすることにより、表計算システムと、財務会計システムと、財務会計データとが、それぞれ別の装置に配置されていたとしても、送受信部を介して情報のやりとりを行うことが可能となる。
【0023】
本発明のプログラムは、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動し、表計算システム上で演算を行うプログラムであって、選択された関数を認定する処理と、該関数のパラメータに対して指定されたコードまたはコードが設定された座標値を認定する処理と、前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理と、該読み取られたデータを表示する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
なお、合計値を求めるなど計算が必要な場合は、前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理の後に、該読み取られたデータに基づいて財務会計の計算規則に基づく計算を行う処理と、該計算結果を表示する処理と、がなされる。
【0025】
前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理では、日付データ、借方科目データ、借方金額データ、貸方科目データ、貸方金額データのいずれかまたは二つ以上の組合せを含む仕訳データからデータが読み取られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する処理ステップ,装置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0027】
図1乃至図18は、本発明の構成を示すものであり、図1は本発明のシステムの概要を示す説明図、図2は表計算システム,財務会計システム,財務会計データベースの関係を示すブロック図、図3乃至図5は科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図、図6は関数を組み合わせて使用した例を示す説明図、図7は表計算システムのワークシートに科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図、図8は表計算システムのワークシートに固定資産の各科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図、図9は従来の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図、図10は本例の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図、図11は関数一覧を示す説明図、図12は各コンピュータのハード構成を示す説明図、図13は財務会計データベースを有するコンピュータの記憶部の構成を示す説明図、図14乃至図16は表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャート、図17及び図18は本例の表計算システムにより作成される帳票の一例を示す説明図である。
【0028】
本発明の表計算システム10は、図1に示すように、財務会計システム20と、財務会計データベース30と連動して機能するように構成されている。表計算システム10と、財務会計システム20と、財務会計データベース30とは、1つのコンピュータ装置内に設けられていても良く、或いは、それぞれ別々のコンピュータに設けられた構成であっても良い。
【0029】
財務会計システム20は、財務会計処理アプリケーションに基づいて、予め定められた様式で帳票類を作成するシステムであり、従来公知のものが使用される。財務会計システム20は、利用者より、売上伝票、仕入伝票、入金伝票、出金伝票等に基づく仕訳データが入力されると、この情報に基づいて、合計残高試算表、総勘定元帳、現預金出納帳等の帳票を作成する。
【0030】
上記のように、財務会計システム20で利用者より入力された情報は、財務会計データとして、財務会計データベース30に記録される。財務会計データベース30に格納される財務会計データは、科目データ、金額データ、日付データを少なくとも備えて構成されている。財務会計データベース30には、伝票に基づいて入力された個々のデータや、これらデータの集計値が格納されている。
【0031】
表計算システム10は、ワークシート上で、数値の集計や、表及びグラフの作成等、各種の処理を行うことが可能である。ワークシートは、桝目状に設けられたセルを備えており、このセルは、行と列により位置が指定されている。表計算システム10では、このセルにデータを記録し、上記各処理が行われる。
【0032】
本例の表計算システム10は、財務会計データベース30のデータを読み取る処理を行う関数と、読み取られたデータに基づいて計算を行う関数と、を備えた構成とされている。本例の関数は、利用者が帳票を作成しようとしている時点で、財務会計システム20の財務会計データベース30が保有しているデータから、所定のデータを直接読み取り、財務会計の計算規則に従って計算し、表計算システム10に表示する機能をなすものである。
【0033】
関数には、その関数が行う処理を示す関数名が付されている。関数名として、例えば、「getKamokuMeisyo」、「getKamokuZandaka」等がある。本例では、関数を使用することにより、数字だけではなく、科目名といった文字の情報も表示することができ、関数を組み合わせることで、自由且つ簡単に、利用者の創意工夫が反映された、独自の帳票類を作成することが可能となっている。
【0034】
関数が呼び出されたことを契機として、財務会計データベース30への接続がなされる。本例では図2に示すように、財務会計データベース30への接続は、一般に提供されているデータアクセス手法により行う。財務会計データベース30への接続を行うときには、初期処理として、ODBC名(Open DataBase Connectivity)や、接続文字列、ファイルのパスや定義情報のパスが指定される。財務会計データベース30への接続は、上記ODBCの他に、XML(eXtensible Markup Language)、ADO(ActiveX Data Objects)、RDS(Remote Data Service)、Btree等、種々の手法により行うことが可能である。
【0035】
本例では、財務会計データベース30への接続処理を、関数により行うことができるように構成されている。財務会計データベース30への接続の際には、関数「DataConnect(接続方法,接続情報)」が使用され、接続方法には、ODBCやRDSなどを、接続情報には、ODBC名や接続文字列、ファイルのパスなどを指定することにより、所望の財務会計データベース30への接続が可能となる。
【0036】
以下、本例の表計算システム10における関数について、具体例に基づいて説明する。例えば、表計算システム10において、図3に示すように、「getKamokuMeisyo(パラメータ1)」という関数が指定されたとする。この関数は、財務会計データベース30から科目名称を取り込んで、表計算システム10に表示するものである。ここで、パラメータとは、関数が動作するために必要な情報である。図4に示す画面で、利用者が、パラメータ1として所望の科目コードを指定すると、図5に示すように、財務会計データベース30から指定された科目名が読み取られ、表計算システム10のワークシート上に表示される。
【0037】
関数の他の例として、「getKamokuZandaka(パラメータ1、パラメータ2)」がある。図2に示すように、この関数は、財務会計データベース30から、科目名称と、その科目名称の残高を取り込んで、表計算システム10に表示するものである。利用者が、パラメータに科目コード及び日付を指定することにより、指定された科目名称と、指定された日付の残高とが財務会計データベース30から読み取られ、表計算システム30のワークシート上に表示される。
【0038】
本例の表計算システム10では、上記のように、関数のパラメータにコードを入力することにより、指定された情報が財務会計データベース30から読み取られて表示されるが、この他に、表計算システム10のワークシート上で、予めコードが設定されている座標を用いて、情報の指定を行うことも可能である。
【0039】
例えば、図3において、「getKamokuMeisyo」という関数が指定されているときに、コード101が設定されたワークシート上の座標(A1)がクリックされると、コード101に対応する科目名称が、財務会計データベース30から読み取られて表示される。
【0040】
或いは、図2において、「getKamokuZandaka」という関数が指定されているときに、日付が設定された座標(A2)と、コード101が設定された座標(A3)が特定されると、コード101に対応する科目名称と、指定された日付の残高が、財務会計データベース30から読み取られて表示される。
【0041】
本例の表計算システム10では、関数を組合せることにより、所望の帳票を作成することが可能である。例えば、図6に示すように、科目名称を取得する関数「getKamokuMeisyo」をB欄において指定し、科目残高を取得する関数「getKamokuZandaka」をC欄において指定することにより、図7に示すような結果を表示することが可能となる。
【0042】
本例の表計算システム10における関数は、上記のように、文字情報や数値情報を読み取って表示するだけでなく、財務会計特有の計算規則に基づく計算を行うことも可能である。例えば、図8に示すような表があった場合に、C欄の合計を取りたいことがある。
【0043】
このとき、図9に示すように、従来の表計算システムが有する集計関数(SUMUP)を使用して集計するだけでは、財務会計上の正しい合計値を算出することはできない。図8の例の場合は、固定資産残高の合計値であり、会計規則に則った計算方法によれば、減価償却累計額は固定資産の総額から減じて、固定資産の正味価値を計算する必要があるからである。
【0044】
このように、財務会計処理を行う場合には、財務会計特有の計算規則を理解している必要がある。本例の表計算システム10では、関数が、財務会計特有の計算規則に基づく計算を行えるように設定されている。この例では、図10に示すように、「getKoteiSisanZandaka」という関数を使用する。
【0045】
この関数は、固定資産の総額から、減価償却累計額を減じる計算を行うように構成されている。したがって、「getKoteiSisanZandaka」という関数が指定された場合には、1,000,000+4,000,000−1,500,000=3,500,000という計算が行われ、正しい固定資産残高が求められる。よって、利用者が財務会計特有の計算規則を知らない場合でも、正確な計算結果を得ることが可能となる。
【0046】
本例の表計算システム10は、図11に示すように種々の関数を備えており、利用者の用途に応じて、情報の読み取りや演算を行うことが可能である。
表計算システム10は、指定された科目や残高を表示する関数として、関数「getKamokuMeisyo」(指定された科目の名称の表示)、関数「getKamokuZandaka」(指定された科目、日の残高の表示)、関数「getBumonZandaka」(指定された科目,部門,日の残高の表示)、関数「getHojoZandaka」(指定された科目、補助科目、日の残高の表示)、関数「getHojoMeisyo」(指定された補助科目の名称の表示)、関数「getBumonMeisyo」(指定された部門の名称の表示)を備えている。
【0047】
上記関数は、財務会計データベース30から、指定された科目に属するデータを拾い上げて表示する。また、残高が必要である場合は、拾い上げたデータの貸借区分を参照して集計値を算出する。貸借区分とは、科目の属性を表わす区分のひとつで、当該科目の残高が借方または貸方のいずれにあるものかを示す情報である。例えば、「現金」であれば、貸借区分は借方であり、仕訳のデータ中で借方に現金があれば、それは残高を増加させる要因となり、逆に貸方に現金があれば、残高を減少させる要因となるものである。
【0048】
また、指定された日の、指定された科目分類について、合計残高の読み取りまたは計算並びに表示する関数として、関数「getGenyokinZandaka」(指定された日の現預金の合計残高)、関数「getTouzaSisanZandaka」(指定された日の当座資産の合計残高)、関数「getRyudoSisanZandaka」(指定された日の流動資産の合計残高)、関数「getKoteiSisanZandaka」(指定された日の固定資産の合計残高)、関数「getTanaorosiSisanZandaka」(指定された日の棚卸資産の合計残高)、関数「getKurinobeSisanZandaka」(指定された日の繰延資産の合計残高)、関数「getTousitouZandaka」(指定された日の投資等の合計残高)、関数「getMukeiKoteiSisanZandaka」(指定された日の無形固定資産の合計残高)、関数「getYukeiKoteiZandaka」(指定された日の有形固定資産の合計残高)、関数「getRyudoFusaiZandaka」(指定された日の流動負債の合計残高)、関数「getKoteiFusaiZandaka」(指定された日の固定負債の合計残高)、関数「getSihonkinZandaka」(指定された日の資本金の合計残高)、関数「getToukiMisyobunRieki」(指定された日の当期未処分利益の合計残高)を備えている。
【0049】
上記関数は、財務会計データベース30から、財産の状況(資産、負債、資本)を計算するためのデータを拾い上げ、データの集計値を算出する処理を行う。
【0050】
さらに、指定された日までの、指定された科目分類について、集計値を計算及び表示する関数として、関数「getToukiRieki」(指定された日までの当期利益)、関数「getUriageSouRieki」(指定された日までの売上総利益)、関数「getSouUriageDaka」(指定された日までの総売上高)、関数「getSeizoGenka」(指定された日までの製造原価)、関数「getSouSiireDaka」(指定された日までの総仕入高)、関数「getUriageGenka」(指定された日までの売上原価)、関数「getHanbaihiKanrihi」(指定された日までの販売費・一般管理費)、関数「getEigyoRieki」(指定された日までの営業利益)、関数「getEigyogaiSyueki」(指定された日までの営業外収益)、関数「getEigyogaiHiyo」(指定された日までの営業外費用)、関数「getEigyogaiRieki」(指定された日までの営業外利益)、関数「getKeijyoRieki」(指定された日までの経常利益)、関数「getTokubetuSonsitu」(指定された日までの特別損失)、関数「getTokubetuRieki」(指定された日までの特別利益)、関数「getTokubetuSoneki」(指定された日までの特別損益)、関数「getKeijyogaiRieki」(指定された日までの経常外利益)、関数「getSeizoGenkaSiiredaka」(指定された日までの製造原価(材料仕入高))、関数「getSeizoGenkaGaityuhi」(指定された日までの製造原価(外注費))、関数「getSeizoGenkaRoumuhi」(指定された日までの製造原価(労務費))、関数「getSeizoGenkaKeihi」(指定された日までの製造原価(経費))を備えている。
【0051】
上記関数は、財務会計データベース30から、指定された収益や費用を計算するためのデータを拾い上げ、データの集計値を算出する処理を行う。例えば、関数「getUriageSouRieki」(指定された日までの売上総利益)の場合は、指定された日までの売上高に関するデータと、売上原価に関するデータを拾い上げ、これらデータに基づいて「売上高−売上原価」の演算が行われ、売上総利益が算出される。
【0052】
なお、上記した関数は一例であり、これらに限られるものではない。関数は全ての入力情報について読み取りを行ったり、所定の科目や科目分類について集計値や残高が得られるように設定することが可能である。
【0053】
ここで、図12に基づいて、上記処理を行う表計算システム10と、表計算システム10を取り巻くシステムのハード構成について説明する。本例では、表計算システム10と、財務会計システム20と、財務会計データベース30とが別々のコンピュータから構成されている例に基づいて説明する。ここでは、財務会計システム20が部門別、支社別のように、複数箇所で使用されている例が示されている。財務会計システム20には利用者によって仕訳データが入力され、この財務会計データが、財務会計データベース30に格納される。そして、表計算システム10により、財務会計データベース30から所定の財務会計データを読み取り、各種帳票の作成等が行われる。なお、上記構成に限らず、表計算システム10と、財務会計システム20と、財務会計データベース30とが全て同じコンピュータから構成されていても良く、或いは、これらのうち二つが同じコンピュータから構成されていても良い。
【0054】
表計算システム10は、図12に示すように、CPU111、入力部112、出力部113、記憶部114、送受信部115を備えたコンピュータ110から構成されている。CPU111は、表計算システム10をプログラム及び関数にしたがって制御するものである。入力部112からはデータ入力がなされる。本例では、表計算システム10が設けられているコンピュータ110では、財務会計処理に必要なデータについては、財務会計データ30から読み取られて表示されるため、入力部112は、読み取りデータ以外に入力情報がある場合に使用される。
【0055】
出力部113は、CRTやLCDを含むディスプレイや、紙出力を行うプリンター等からなるものであり、表計算システム10によって作成された帳票が出力される。記憶部114には、表計算システム10で演算処理を行う関数、この関数により財務会計データベース30から読み取られたデータ、関数による演算結果、利用者のID及びパスワード等の情報が格納される。また、記憶部114には、必要に応じて、科目コードと科目名称の対応表、或いは科目分類コードと科目分類の対応表等の情報が記憶される。
【0056】
送受信部115はネットワーク100に接続され、財務会計データベース30を備えたコンピュータ130との間で、データの送受信を行うように構成されている。ネットワーク100は、データを伝送する通信網であり、LAN、WAN、インターネットを含むものである。
【0057】
財務会計システム20は、図12に示すように、CPU121、入力部122、出力部123、記憶部124、送受信部125を備えたコンピュータ120から構成されている。CPU121は、財務会計システム20をプログラムにしたがって制御するものである。CPU121は、財務会計処理アプリケーションプログラムに基づいて、利用者から入力された情報から、合計残高試算表、総勘定元帳、現預金出納帳等の帳票を作成する。
【0058】
入力部122からはデータ入力がなされる。財務会計システム20が設けられているコンピュータ120では、入力部122から、売上伝票、仕入伝票、入金伝票、出金伝票等の伝票情報と、利用者の経理処理に関する基本情報が入力される。伝票情報としては、伝票日付、借方科目コード、借方科目貸借区分、借方科目分類、借方科目分類貸借区分、借方金額、借方科目コード、借方科目貸借区分、貸方科目分類、貸方科目分類貸借区分、貸方金額、が必須の入力情報とされ、これらの情報が入力される。なお、これらの情報は、都度入力者が入力する情報と、一般的にマスタ(科目マスタや会社マスタ等)に登録されているものがあり、都度入力者が入力するのは、一般的に日付、借方科目、借方金額、貸方科目、貸方金額である。また、その他に、借方補助科目、貸方補助科目、借方部門、貸方部門、借方課税区分、貸方課税区分、借方消費税等、貸方消費税等、摘要、証憑番号等が入力される。利用者の経理処理に関する基本情報としては、当期期首日付、当期期末日付、が必須の入力情報とされ、これらの情報が入力されるか、または後述する会社マスタから読み取られる。
【0059】
出力部123は、CRTやLCDを含むディスプレイや、紙出力を行うプリンター等からなるものであり、財務会計処理アプリケーションプログラムにより作成された合計残高試算表、総勘定元帳、現預金出納帳等の帳票が出力される。記憶部124には、財務会計処理アプリケーションプログラム、このプログラムにより作成された帳票データが格納されている。本例では、利用者から入力された伝票情報は、財務会計データベース30に格納されるように構成されているが、コンピュータ120の記憶部124を財務会計データベースとしても良い。送受信部124はネットワーク100に接続され、財務会計データベース30を備えたコンピュータ130との間で、データの送受信を行うように構成されている。
【0060】
財務会計データベース30を備えたコンピュータ130は、図12に示すように、CPU131、入力部132、出力部133、記憶部134、送受信部135を備えている。財務会計データベース30は、記憶部134に形成されている。
【0061】
財務会計データベース30には、利用者から入力された伝票情報が格納されている。伝票には一般に、入力番号、年、月、伝票番号、伝票番号枝番号、伝票日付、決算仕訳、証憑番号、借方科目コード、借方補助科目コード、借方部門コード、借方課税区分コード、借方金額、借方消費税等金額、貸方科目コード、貸方補助科目コード、貸方部門コード、貸方課税区分コード、貸方金額、貸方消費税等金額、摘要上段の項目、摘要下段の項目、等の記載項目が設けられている。
【0062】
これら伝票情報に基づいて入力される情報が、財務会計データベース30に格納される。本例の表計算システム10では、伝票日付、借方科目コード、借方科目貸借区分、借方科目分類、借方科目分類貸借区分、借方金額、貸方科目コード、貸方科目貸借区分、貸方科目分類、貸方科目分類貸借区分、貸方金額、当期期首日付、当期期末日付、の各情報が必須情報として利用される。
【0063】
コンピュータ130の記憶部134には、伝票情報を入力する際に参照したり、表計算システム10を利用する際に参照するために、各種マスタ40が設けられている。マスタ40としては、図13に示すように、科目マスタ41、科目分類マスタ42、科目大分類マスタ43、がある。なお、各伝票に以下の情報が付与されていれば、これらマスタ41〜43を参照する必要はない。
【0064】
科目マスタ41には、科目コード、科目名称、科目名略称、課税区分コード、貸借区分、補助科目有無区分、部門管理区分、繰越区分、科目分類コード、の各情報が格納されている。貸借区分は、科目の属性に応じて、貸借のいずれに残高が残るのかを示す情報であり、例えば現金預金,売掛金であれば借方、買掛金,未払金であれば貸方、のように示される。繰越区分は、科目分類コード等の入力がなく、その仕訳が借方か貸方か判明できない場合に必要な情報となる。
【0065】
科目分類マスタ42には、科目大分類コード、科目分類コード、科目分類名称、科目分類貸借区分、の各情報が格納されている。このうち、科目分類コード、科目分類貸借区分は、表計算システム10で科目分類等の集計を行う際に必要な情報となる。これらの情報は、必ずしもマスタになければならないものではなく、仕訳データ上に同様の情報があれば、その情報を参照すれば良い。
【0066】
科目大分類マスタ43には、科目大分類コード、科目大分類名称、科目区分、科目大分類貸借区分の各情報が格納されている。これらの情報は、科目分類マスタの情報から、科目分類や貸借区分が判断できない場合にのみ使用される。これらの情報は、必ずしもマスタになければならないものではなく、仕訳データ上に同様の情報があれば、その情報を参照すれば良い。
【0067】
さらに、コンピュータ130の記憶部134には、会社マスタ50が設けられている。会社マスタ50には、財務会計システム10を利用し、財務会計データベース30にデータが格納されている全ての会社の情報が格納されている。会社マスタには、会社コード、名称、略称、電話番号、ファクス番号、郵便番号、住所、代表者名、法人区分、課税区分、経理処理情報、端数処理情報、設立日、期、期首、期末、締日、更新済フラグ、開始残高基準日、仮受消費税科目コード、仮払消費税科目コード、当期未処分利益科目コード、前期繰越利益科目コード、課税対象外課税区分コード、割引手形科目コード、裏書手形科目コード、等の情報が入力される。このうち、表計算システム10で必要とされる情報は、当期期首日付、当期期末日付に関する情報である。
【0068】
以下、表計算システムにおける各処理の流れについて説明する。ここでは、認証処理(処理A)、科目名称の読み取り・表示処理(処理B)、残高の読み取り・表示処理(処理C)、について説明する。
【0069】
認証処理(処理A)では、ステップS1で、利用者が表計算システムにアクセスしたことが確認されると、ステップS2で関数「login」が実行され、利用者に対してID番号及びパスワードの入力が要求される。
【0070】
ステップS3では、利用者により入力されたID番号及びパスワードが、記憶部14に登録されているID番号及びパスワードと一致しているか否かが判定される。適正なID及びパスワードであることが確認されたら(ステップS3;Yes)、次いで、ステップS4で利用者へ表計算システムへのアクセスを許可する。ID及びパスワードが適正でないと判定された場合(ステップS3;No)、認証されるまで、ステップS2及びステップS3の処理を繰り返す。
【0071】
科目名称の読み取り・表示処理(処理B)では、ステップS11で、関数「getKamokuMeisyo」が呼び出されたことが確認される。ステップS12では、パラメータに対してコードが指定されたか否かが判定される。パラメータが指定されたことが確認された場合(ステップS12;Yes)、ステップS13に進み、財務会計データベース30を読み取るための初期処理が行われる。本例では、関数「DataConnect」が使用され、利用者より接続方法及び接続情報が指定されることにより、所定の財務会計データベース30への接続が行われる。パラメータが指定されたことが確認されない場合(ステップS12;No)、ステップS14でエラーが表示される。
【0072】
ステップS15では、接続された財務会計データベース30のうち、今回読み取りが行われるデータ(科目データ)がオープンされる。そして、ステップS16で、パラメータで指定されている科目の読み取りが行われる。ステップS17では、科目の読み取りがなされたか否かが判定される。科目の読み取りがなされた場合(ステップS17;Yes)、次のステップに進む。科目の読み取りがなされなかった場合(ステップS17;No)、ステップS19でエラー表示がなされる。
【0073】
ステップS18では、表計算システムのワークシート上に、読み取られた科目の名称が表示される。このとき、科目名称が文字情報で読み取られた場合は、そのまま表示する。また、科目コードのみが読み取られた場合は、記憶部114の科目コードと科目名称の対応表が参照され、科目コードに対応する科目名称が表示される。次いで、ステップS20で科目データがクローズされる。さらに、ステップS21で財務会計データの終了処理がなされる。
【0074】
なお、複数の科目名称を読み取る場合は、ステップS18の処理がなされた後に、ステップS11〜ステップS18の処理を繰り返して行う。また、科目名称の表示以外の処理を行う場合には、ステップS19の処理がなされた後に、別の関数を呼び出し、ステップS11〜ステップS18と同様の処理を行う。
【0075】
残高の読み取り・表示処理(処理C)では、図示しない前提処理として、残高の読み取り・表示処理を行う関数(例えば、「getKamokuZandaka」)が呼び出されたことが確認される。そして、利用者よりパラメータ及び日付が指定されたか否かが判定される。パラメータ及び日付が指定されたことが確認された場合、財務会計データベース30を読み取るための初期処理が行われる。パラメータ及び日付が指定されたことが確認されない場合は、エラーが表示される。
【0076】
残高が初めて読み取られる場合、ステップS31で、変数としての残高が0であることが確認される。ステップS32で財務会計データベース30の読み取りが行われる。ステップS33では、読み取られたデータの日付が、指定された日付よりも前であるか否かが判定される。指定された日付よりも後である場合(ステップS33;No)、ステップS44で次のデータが読み取られる。
【0077】
読み取られたデータの日付が、指定された日付よりも前である場合(ステップS33;Yes)、ステップS34に進み、指定された科目が借方科目であるか否かが判定される。ステップS34で指定された科目が借方科目ではない場合(ステップS34;No)、後述するステップS39に進む。
【0078】
指定された科目が借方科目である場合(ステップS34;Yes)、ステップS35で、指定された借方科目データの情報が読み取られる。次いで、ステップS36で、読み取られた借方科目データの貸借区分が借方であるか否かが判定される。貸借区分が借方である場合(ステップS36;Yes)、ステップS37で、読み取られた金額が残高として加算される。貸借区分が貸方である場合(ステップS36;No)、ステップS38で、読み取られた金額が残高から減算される。
【0079】
ステップS39では、指定された科目が貸方科目であるか否かが判定される。指定された科目が貸方科目である場合(ステップS39;Yes)、ステップS40で、指定された借方科目データの情報が読み取られる。次いで、ステップS41で、読み取られた貸方科目データの貸借区分が貸方であるか否かが判定される。貸借区分が貸方である場合(ステップS41;Yes)、ステップS42で、読み取られた金額が残高として加算される。貸借区分が借方である場合(ステップS41;No)、ステップS43で、読み取られた金額が残高から減算される。
【0080】
ステップS39で指定された科目が貸方科目ではない場合(ステップS39;No)、ステップS44で次のデータが読み取られる。ステップS45では、データの終わりに到達したか否かが判定される。データの終わりに達していない場合(ステップS45;No)、ステップS33に戻り、ステップS33からステップS45までの処理を繰り返す。データの終わりに到達した場合(ステップS45;Yes)、ステップS46で、関数の戻り値として残高が返され、処理を終了する。
【0081】
以上のように、本発明の表計算システム10によれば、表計算システム10において演算処理を行う関数が設けられており、この関数により、財務会計システム10で使用される財務会計データベース30から、利用者の所望の情報を、所望のタイミングで引き出すことが可能となる。
【0082】
図17及び図18は、本例の表計算システム10によって作成された帳票の例を示すものである。図17は、商品別の売上高を月別に集計した表である。表中、A欄には科目コードが示されている。科目コードは、コード401が商品1の売上高に対応し、コード402が商品2の売上高に対応し、コード403が商品3の売上高に対応している。
【0083】
B欄には、関数「getKamokuMeisyo(科目コード)」の処理により、コード401、コード402、コード403に対応して、「商品1の売上高」、「商品2の売上高」、「商品3の売上高」という科目名称がそれぞれ表示される。
【0084】
C欄〜H欄には、月次の売上高が表示される。ここでは、関数「getKamokuZandaka(科目コード、日付)」の処理(図16の処理C)に基づいて、1月から6月までの各月の残高が算出される。例えば、商品1の1月の残高を求める場合には、(コード401、2003/01/31)としてパラメータを指定する。そして、財務会計データベース30から、商品1の売上高に関するデータを順次読み取る。売上高は貸方科目であるため、読み取られたデータの貸借区分が貸方である場合に、読み取られた数値を残高に加算していき、2003年1月1日から1月31日までの売上高が算出される。
【0085】
図18は、図17に示す表に基づいて作成されたグラフである。表計算システム10は一般にグラフ作成機能を備えている。このため、図17に示すような表を作成することにより、この表に基づいて商品別売上グラフを作成することが可能となり、消費動向の分析等に活用することが可能となる。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明の財務会計システムと連動した表計算システムによれば、財務会計処理アプリケーションで使用されるデータから、日々変化するデータをリアルタイムで取得し、利用者の創意工夫を反映した財務内容や経営成績に関する帳票を作成することが可能である。したがって、財務会計データを、財務分析や経営分析、或いはマーケティング戦略に有効に活用することが可能となる。
【0087】
また、上記関数は、財務会計計算規則に従って計算する処理も行うように構成されており、関数を指定するだけで、必要な計算が自動的に行われ、結果が表示される。このため、利用者は財務会計特有の計算規則を知らなくても、必要な数字を簡単に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概要を示す説明図である。
【図2】表計算システム,財務会計システム,財務会計データベースの関係を示すブロック図である。
【図3】科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図である。
【図4】科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図である。
【図5】科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図である。
【図6】関数を組み合わせて使用した例を示す説明図である。
【図7】表計算システムのワークシートに科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図である。
【図8】表計算システムのワークシートに固定資産の各科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図である。
【図9】従来の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図である。
【図10】本例の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図である。
【図11】関数一覧を示す説明図である。
【図12】各コンピュータのハード構成を示す説明図である。
【図13】財務会計データベースを有するコンピュータの記憶部の構成を示す説明図である。
【図14】表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】表計算システムにより作成される帳票の一例を示す説明図である。
【図18】表計算システムにより作成される帳票の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 表計算システム
20 財務会計システム
30 財務会計データベース
40 マスタ
41 科目マスタ
42 科目分類マスタ
43 科目大分類マスタ
50 会社マスタ
110,120,130 コンピュータ
111,121,131 CPU
112,122,132 入力部
113,123,133 出力部
114,124,134 記憶部
115,125,135 送受信部
100 ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、表計算システムに関し、特に、財務会計システムと連動して、財務会計システムの財務会計データから、日々変化するデータをリアルタイムで取得して、利用者独自の帳票作成をすることが可能な、財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラムに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータ化により、財務会計処理についても、処理を支援するためのアプリケーションソフトが流通している。これらのアプリケーションソフトを利用することにより、会計処理を簡単且つ効率的に行うことが可能となっている。
【0003】
財務会計アプリケーションソフトにより作成されたデータは、インターネット等の通信回線網を利用して、他の場所で出力することも可能であり、情報の共有化を図ることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−133058号公報(第5頁−第6頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、ある特定の時点で財務会計システムが管理しているデータを、合計残高試算表や、部門別集計等の決められた様式で、他の場所で出力することが可能である。しかし、従来の技術では、財務会計データから日々変化するデータを読み込み、使用者の創意工夫を反映した帳票を作成することができないという不都合があった。
【0006】
一方、所定のデータベースから自由に情報を引き出し、利用者の創意工夫を反映した演算を行うことが可能なシステムとして、表計算システムが知られている。これら表計算システムには、様々な演算方法が関数という形で用意されていることが大きな特徴である。
【0007】
従来では、財務会計アプリケーションソフトで処理されたデータを、表計算システムで使用する場合、財務会計アプリケーションソフトで使用されるデータを一旦出力し、出力された帳票類を見ながら、表計算ソフトへ文字・数字等を手入力していた。このため、作業に手間がかかるだけではなく、誤入力を誘発する恐れがあった。
【0008】
或いは、財務会計アプリケーションのなかには、表計算システムに自動的に帳票類のデータを読み込ませる機能を備えたものがある。また、表計算システムは、このようにして取り込んだデータを加工するプログラムやマクロを備えており、これらの機能を利用することにより、手入力の負担を軽減することが可能である。
【0009】
しかし、これらの方法は全て、ある特定の時点で財務会計システムが管理しているデータを、表計算システム上で表現することを可能にしているだけであり、日々変化する財務会計データをリアルタイムで表現するものではなかった。
【0010】
したがって、利用者は、日々の財務会計データに基づいて、独自の帳票類を作成する際には、必ず、財務会計システムを起動し、表計算システムで再加工するために必要なデータを作成し、その上で、表計算システム上でそれらのデータを読み込み、独自に作成したプログラム(またはマクロ等)を利用して、独自の帳票類を作成するという手順を踏まなければならず、労力と手間がかかっていた。
【0011】
また、一般的に、表計算システムでは、表の要素を縦の座標位置と横の座標位置から表し、どの座標に何の値(数字や文字)が入力されているかを把握しなければ正しい計算結果を得ることができない。よって、利用者は、財務会計システムが提供する表計算加工用のデータについて、どの座標にどの科目の、どういう数字が設定されているかを理解していなければならず、理解していない場合には正しく帳票類を作成することができないという問題があった。
【0012】
このため、財務会計システム側では、一般的に良く使われる帳票類の様式をそのままに表計算システム上であらわすことで、利用者の利便性を高めている。これは、データの構造が日常的に目にしている帳票類と同じであることと、すでに財務書類として正しく計算が完了しているため、その利用が比較的容易となるためである。しかし、表示されたデータを加工しようとした場合、科目の追加、削除、および指定する日付によって、座標位置が変更されることになるため、表計算上のプログラム(またはマクロ等)の作成が困難となり、結果として、表計算システム上で独自の帳票の作成を行うことを困難にさせている。
【0013】
以上のように、これまでの財務会計システムと表計算システムの連動における問題点として、1.表計算システムで作成した帳票類に、財務会計システムのデータのある特定の時点のデータしか反映することができないこと、2.財務会計システムのデータを表計算システムに移すための作業が困難であること、3.表計算システムでプログラムまたはマクロ等を使うには、財務会計データの構造を理解した上で、科目の追加や削除に備えた作りにしなければならず、そのためには相応のプログラム知識が必要とされること、4.財務会計システムのデータを利用するためには財務会計特有の計算規則を理解していなければならないこと、等があった。
【0014】
本発明の目的は、財務会計処理アプリケーションで使用されるデータから、所望のタイミングで、所望の時点の所望のデータを取得し、利用者の創意工夫を反映した帳票を作成することが可能な、財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法を実現する、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の請求項1に係る財務会計システムと連動した表計算システムによれば、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算システムであって、前記表計算システム上で演算処理を行う関数を備え、該関数は前記財務会計データを読み取る処理と、該読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、前記読み取られたデータと前記計算処理の結果を前記表計算システムのワークシートへ表示する処理と、を行うことにより解決される。
【0016】
このように、本発明の財務会計システムと連動した表計算システムは、表計算システム上で演算処理を行う関数を備えており、この関数を組合せることで、財務会計システムで利用される財務会計データから、所望のタイミングで、所望のデータを直接読み取ったり、計算することができるように構成されている。すなわち、本発明の表計算システムでは関数を利用し、財務会計データについて、過去の特定の時点の財務会計データではなく、利用者が所定の帳票を作成しようとしている時点での財務会計データから、必要とするデータだけを読み取ったり、計算することが可能である。従って、自由且つ簡単に、利用者の創意工夫を反映した独自の帳票類を作成することが可能となる。
【0017】
また、上記関数は、財務会計計算規則に従って計算する処理も行うことができ、関数を指定するだけで、必要な計算が自動的に行われ、結果が表示されるので、利用者は財務会計特有の計算規則を知らなくても、必要な数字を簡単に得ることが可能となる。
【0018】
前記財務会計データは、具体的には、日付データ、借方科目データ、借方金額データ、貸方科目データ、貸方金額データのいずれかまたは二つ以上の組合せを含む仕訳データを備えている。そして、前記関数のパラメータにコードか、或いは予めコードが設定された前記表計算システムの座標値を対応させることにより、前記財務会計データから指定されたデータが取得されるように構成されている。なお、利用者に予めID及びパスワードを付与しておき、関数によって、各利用者の認証を行う構成としても良い。
【0019】
本発明の財務会計システムと連動した表計算方法は、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算方法であって、前記表計算システム上で演算処理を行う関数が前記財務会計データの読み取りを行う工程と、該読み取られたデータを表示する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
なお、合計値を求めるなど計算が必要な場合は、前記表計算システム上で演算処理を行う関数が前記財務会計データの読み取りを行う工程の後に、前記関数が前記読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って演算を行う工程と、該演算の結果を表示する工程と、を行う。
【0021】
本発明の財務会計システムと連動した表計算装置は、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算装置であって、前記財務会計システムに接続された送受信部と、表計算システム上で演算処理を行う関数と、該関数により読み取られた前記財務会計データと、前記関数による演算結果と、を保持する記憶部と、前記関数に従って、前記送受信部を介して前記財務会計データを読み取る処理と、該読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、を行う演算部と、前記読み取られたデータと、前記計算処理の結果と、を表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
なお、前記送受信部がネットワークに接続され、該ネットワークを介して前記財務会計システムと、前記財務会計データに接続された構成とすることにより、表計算システムと、財務会計システムと、財務会計データとが、それぞれ別の装置に配置されていたとしても、送受信部を介して情報のやりとりを行うことが可能となる。
【0023】
本発明のプログラムは、利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動し、表計算システム上で演算を行うプログラムであって、選択された関数を認定する処理と、該関数のパラメータに対して指定されたコードまたはコードが設定された座標値を認定する処理と、前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理と、該読み取られたデータを表示する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
なお、合計値を求めるなど計算が必要な場合は、前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理の後に、該読み取られたデータに基づいて財務会計の計算規則に基づく計算を行う処理と、該計算結果を表示する処理と、がなされる。
【0025】
前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理では、日付データ、借方科目データ、借方金額データ、貸方科目データ、貸方金額データのいずれかまたは二つ以上の組合せを含む仕訳データからデータが読み取られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する処理ステップ,装置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0027】
図1乃至図18は、本発明の構成を示すものであり、図1は本発明のシステムの概要を示す説明図、図2は表計算システム,財務会計システム,財務会計データベースの関係を示すブロック図、図3乃至図5は科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図、図6は関数を組み合わせて使用した例を示す説明図、図7は表計算システムのワークシートに科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図、図8は表計算システムのワークシートに固定資産の各科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図、図9は従来の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図、図10は本例の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図、図11は関数一覧を示す説明図、図12は各コンピュータのハード構成を示す説明図、図13は財務会計データベースを有するコンピュータの記憶部の構成を示す説明図、図14乃至図16は表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャート、図17及び図18は本例の表計算システムにより作成される帳票の一例を示す説明図である。
【0028】
本発明の表計算システム10は、図1に示すように、財務会計システム20と、財務会計データベース30と連動して機能するように構成されている。表計算システム10と、財務会計システム20と、財務会計データベース30とは、1つのコンピュータ装置内に設けられていても良く、或いは、それぞれ別々のコンピュータに設けられた構成であっても良い。
【0029】
財務会計システム20は、財務会計処理アプリケーションに基づいて、予め定められた様式で帳票類を作成するシステムであり、従来公知のものが使用される。財務会計システム20は、利用者より、売上伝票、仕入伝票、入金伝票、出金伝票等に基づく仕訳データが入力されると、この情報に基づいて、合計残高試算表、総勘定元帳、現預金出納帳等の帳票を作成する。
【0030】
上記のように、財務会計システム20で利用者より入力された情報は、財務会計データとして、財務会計データベース30に記録される。財務会計データベース30に格納される財務会計データは、科目データ、金額データ、日付データを少なくとも備えて構成されている。財務会計データベース30には、伝票に基づいて入力された個々のデータや、これらデータの集計値が格納されている。
【0031】
表計算システム10は、ワークシート上で、数値の集計や、表及びグラフの作成等、各種の処理を行うことが可能である。ワークシートは、桝目状に設けられたセルを備えており、このセルは、行と列により位置が指定されている。表計算システム10では、このセルにデータを記録し、上記各処理が行われる。
【0032】
本例の表計算システム10は、財務会計データベース30のデータを読み取る処理を行う関数と、読み取られたデータに基づいて計算を行う関数と、を備えた構成とされている。本例の関数は、利用者が帳票を作成しようとしている時点で、財務会計システム20の財務会計データベース30が保有しているデータから、所定のデータを直接読み取り、財務会計の計算規則に従って計算し、表計算システム10に表示する機能をなすものである。
【0033】
関数には、その関数が行う処理を示す関数名が付されている。関数名として、例えば、「getKamokuMeisyo」、「getKamokuZandaka」等がある。本例では、関数を使用することにより、数字だけではなく、科目名といった文字の情報も表示することができ、関数を組み合わせることで、自由且つ簡単に、利用者の創意工夫が反映された、独自の帳票類を作成することが可能となっている。
【0034】
関数が呼び出されたことを契機として、財務会計データベース30への接続がなされる。本例では図2に示すように、財務会計データベース30への接続は、一般に提供されているデータアクセス手法により行う。財務会計データベース30への接続を行うときには、初期処理として、ODBC名(Open DataBase Connectivity)や、接続文字列、ファイルのパスや定義情報のパスが指定される。財務会計データベース30への接続は、上記ODBCの他に、XML(eXtensible Markup Language)、ADO(ActiveX Data Objects)、RDS(Remote Data Service)、Btree等、種々の手法により行うことが可能である。
【0035】
本例では、財務会計データベース30への接続処理を、関数により行うことができるように構成されている。財務会計データベース30への接続の際には、関数「DataConnect(接続方法,接続情報)」が使用され、接続方法には、ODBCやRDSなどを、接続情報には、ODBC名や接続文字列、ファイルのパスなどを指定することにより、所望の財務会計データベース30への接続が可能となる。
【0036】
以下、本例の表計算システム10における関数について、具体例に基づいて説明する。例えば、表計算システム10において、図3に示すように、「getKamokuMeisyo(パラメータ1)」という関数が指定されたとする。この関数は、財務会計データベース30から科目名称を取り込んで、表計算システム10に表示するものである。ここで、パラメータとは、関数が動作するために必要な情報である。図4に示す画面で、利用者が、パラメータ1として所望の科目コードを指定すると、図5に示すように、財務会計データベース30から指定された科目名が読み取られ、表計算システム10のワークシート上に表示される。
【0037】
関数の他の例として、「getKamokuZandaka(パラメータ1、パラメータ2)」がある。図2に示すように、この関数は、財務会計データベース30から、科目名称と、その科目名称の残高を取り込んで、表計算システム10に表示するものである。利用者が、パラメータに科目コード及び日付を指定することにより、指定された科目名称と、指定された日付の残高とが財務会計データベース30から読み取られ、表計算システム30のワークシート上に表示される。
【0038】
本例の表計算システム10では、上記のように、関数のパラメータにコードを入力することにより、指定された情報が財務会計データベース30から読み取られて表示されるが、この他に、表計算システム10のワークシート上で、予めコードが設定されている座標を用いて、情報の指定を行うことも可能である。
【0039】
例えば、図3において、「getKamokuMeisyo」という関数が指定されているときに、コード101が設定されたワークシート上の座標(A1)がクリックされると、コード101に対応する科目名称が、財務会計データベース30から読み取られて表示される。
【0040】
或いは、図2において、「getKamokuZandaka」という関数が指定されているときに、日付が設定された座標(A2)と、コード101が設定された座標(A3)が特定されると、コード101に対応する科目名称と、指定された日付の残高が、財務会計データベース30から読み取られて表示される。
【0041】
本例の表計算システム10では、関数を組合せることにより、所望の帳票を作成することが可能である。例えば、図6に示すように、科目名称を取得する関数「getKamokuMeisyo」をB欄において指定し、科目残高を取得する関数「getKamokuZandaka」をC欄において指定することにより、図7に示すような結果を表示することが可能となる。
【0042】
本例の表計算システム10における関数は、上記のように、文字情報や数値情報を読み取って表示するだけでなく、財務会計特有の計算規則に基づく計算を行うことも可能である。例えば、図8に示すような表があった場合に、C欄の合計を取りたいことがある。
【0043】
このとき、図9に示すように、従来の表計算システムが有する集計関数(SUMUP)を使用して集計するだけでは、財務会計上の正しい合計値を算出することはできない。図8の例の場合は、固定資産残高の合計値であり、会計規則に則った計算方法によれば、減価償却累計額は固定資産の総額から減じて、固定資産の正味価値を計算する必要があるからである。
【0044】
このように、財務会計処理を行う場合には、財務会計特有の計算規則を理解している必要がある。本例の表計算システム10では、関数が、財務会計特有の計算規則に基づく計算を行えるように設定されている。この例では、図10に示すように、「getKoteiSisanZandaka」という関数を使用する。
【0045】
この関数は、固定資産の総額から、減価償却累計額を減じる計算を行うように構成されている。したがって、「getKoteiSisanZandaka」という関数が指定された場合には、1,000,000+4,000,000−1,500,000=3,500,000という計算が行われ、正しい固定資産残高が求められる。よって、利用者が財務会計特有の計算規則を知らない場合でも、正確な計算結果を得ることが可能となる。
【0046】
本例の表計算システム10は、図11に示すように種々の関数を備えており、利用者の用途に応じて、情報の読み取りや演算を行うことが可能である。
表計算システム10は、指定された科目や残高を表示する関数として、関数「getKamokuMeisyo」(指定された科目の名称の表示)、関数「getKamokuZandaka」(指定された科目、日の残高の表示)、関数「getBumonZandaka」(指定された科目,部門,日の残高の表示)、関数「getHojoZandaka」(指定された科目、補助科目、日の残高の表示)、関数「getHojoMeisyo」(指定された補助科目の名称の表示)、関数「getBumonMeisyo」(指定された部門の名称の表示)を備えている。
【0047】
上記関数は、財務会計データベース30から、指定された科目に属するデータを拾い上げて表示する。また、残高が必要である場合は、拾い上げたデータの貸借区分を参照して集計値を算出する。貸借区分とは、科目の属性を表わす区分のひとつで、当該科目の残高が借方または貸方のいずれにあるものかを示す情報である。例えば、「現金」であれば、貸借区分は借方であり、仕訳のデータ中で借方に現金があれば、それは残高を増加させる要因となり、逆に貸方に現金があれば、残高を減少させる要因となるものである。
【0048】
また、指定された日の、指定された科目分類について、合計残高の読み取りまたは計算並びに表示する関数として、関数「getGenyokinZandaka」(指定された日の現預金の合計残高)、関数「getTouzaSisanZandaka」(指定された日の当座資産の合計残高)、関数「getRyudoSisanZandaka」(指定された日の流動資産の合計残高)、関数「getKoteiSisanZandaka」(指定された日の固定資産の合計残高)、関数「getTanaorosiSisanZandaka」(指定された日の棚卸資産の合計残高)、関数「getKurinobeSisanZandaka」(指定された日の繰延資産の合計残高)、関数「getTousitouZandaka」(指定された日の投資等の合計残高)、関数「getMukeiKoteiSisanZandaka」(指定された日の無形固定資産の合計残高)、関数「getYukeiKoteiZandaka」(指定された日の有形固定資産の合計残高)、関数「getRyudoFusaiZandaka」(指定された日の流動負債の合計残高)、関数「getKoteiFusaiZandaka」(指定された日の固定負債の合計残高)、関数「getSihonkinZandaka」(指定された日の資本金の合計残高)、関数「getToukiMisyobunRieki」(指定された日の当期未処分利益の合計残高)を備えている。
【0049】
上記関数は、財務会計データベース30から、財産の状況(資産、負債、資本)を計算するためのデータを拾い上げ、データの集計値を算出する処理を行う。
【0050】
さらに、指定された日までの、指定された科目分類について、集計値を計算及び表示する関数として、関数「getToukiRieki」(指定された日までの当期利益)、関数「getUriageSouRieki」(指定された日までの売上総利益)、関数「getSouUriageDaka」(指定された日までの総売上高)、関数「getSeizoGenka」(指定された日までの製造原価)、関数「getSouSiireDaka」(指定された日までの総仕入高)、関数「getUriageGenka」(指定された日までの売上原価)、関数「getHanbaihiKanrihi」(指定された日までの販売費・一般管理費)、関数「getEigyoRieki」(指定された日までの営業利益)、関数「getEigyogaiSyueki」(指定された日までの営業外収益)、関数「getEigyogaiHiyo」(指定された日までの営業外費用)、関数「getEigyogaiRieki」(指定された日までの営業外利益)、関数「getKeijyoRieki」(指定された日までの経常利益)、関数「getTokubetuSonsitu」(指定された日までの特別損失)、関数「getTokubetuRieki」(指定された日までの特別利益)、関数「getTokubetuSoneki」(指定された日までの特別損益)、関数「getKeijyogaiRieki」(指定された日までの経常外利益)、関数「getSeizoGenkaSiiredaka」(指定された日までの製造原価(材料仕入高))、関数「getSeizoGenkaGaityuhi」(指定された日までの製造原価(外注費))、関数「getSeizoGenkaRoumuhi」(指定された日までの製造原価(労務費))、関数「getSeizoGenkaKeihi」(指定された日までの製造原価(経費))を備えている。
【0051】
上記関数は、財務会計データベース30から、指定された収益や費用を計算するためのデータを拾い上げ、データの集計値を算出する処理を行う。例えば、関数「getUriageSouRieki」(指定された日までの売上総利益)の場合は、指定された日までの売上高に関するデータと、売上原価に関するデータを拾い上げ、これらデータに基づいて「売上高−売上原価」の演算が行われ、売上総利益が算出される。
【0052】
なお、上記した関数は一例であり、これらに限られるものではない。関数は全ての入力情報について読み取りを行ったり、所定の科目や科目分類について集計値や残高が得られるように設定することが可能である。
【0053】
ここで、図12に基づいて、上記処理を行う表計算システム10と、表計算システム10を取り巻くシステムのハード構成について説明する。本例では、表計算システム10と、財務会計システム20と、財務会計データベース30とが別々のコンピュータから構成されている例に基づいて説明する。ここでは、財務会計システム20が部門別、支社別のように、複数箇所で使用されている例が示されている。財務会計システム20には利用者によって仕訳データが入力され、この財務会計データが、財務会計データベース30に格納される。そして、表計算システム10により、財務会計データベース30から所定の財務会計データを読み取り、各種帳票の作成等が行われる。なお、上記構成に限らず、表計算システム10と、財務会計システム20と、財務会計データベース30とが全て同じコンピュータから構成されていても良く、或いは、これらのうち二つが同じコンピュータから構成されていても良い。
【0054】
表計算システム10は、図12に示すように、CPU111、入力部112、出力部113、記憶部114、送受信部115を備えたコンピュータ110から構成されている。CPU111は、表計算システム10をプログラム及び関数にしたがって制御するものである。入力部112からはデータ入力がなされる。本例では、表計算システム10が設けられているコンピュータ110では、財務会計処理に必要なデータについては、財務会計データ30から読み取られて表示されるため、入力部112は、読み取りデータ以外に入力情報がある場合に使用される。
【0055】
出力部113は、CRTやLCDを含むディスプレイや、紙出力を行うプリンター等からなるものであり、表計算システム10によって作成された帳票が出力される。記憶部114には、表計算システム10で演算処理を行う関数、この関数により財務会計データベース30から読み取られたデータ、関数による演算結果、利用者のID及びパスワード等の情報が格納される。また、記憶部114には、必要に応じて、科目コードと科目名称の対応表、或いは科目分類コードと科目分類の対応表等の情報が記憶される。
【0056】
送受信部115はネットワーク100に接続され、財務会計データベース30を備えたコンピュータ130との間で、データの送受信を行うように構成されている。ネットワーク100は、データを伝送する通信網であり、LAN、WAN、インターネットを含むものである。
【0057】
財務会計システム20は、図12に示すように、CPU121、入力部122、出力部123、記憶部124、送受信部125を備えたコンピュータ120から構成されている。CPU121は、財務会計システム20をプログラムにしたがって制御するものである。CPU121は、財務会計処理アプリケーションプログラムに基づいて、利用者から入力された情報から、合計残高試算表、総勘定元帳、現預金出納帳等の帳票を作成する。
【0058】
入力部122からはデータ入力がなされる。財務会計システム20が設けられているコンピュータ120では、入力部122から、売上伝票、仕入伝票、入金伝票、出金伝票等の伝票情報と、利用者の経理処理に関する基本情報が入力される。伝票情報としては、伝票日付、借方科目コード、借方科目貸借区分、借方科目分類、借方科目分類貸借区分、借方金額、借方科目コード、借方科目貸借区分、貸方科目分類、貸方科目分類貸借区分、貸方金額、が必須の入力情報とされ、これらの情報が入力される。なお、これらの情報は、都度入力者が入力する情報と、一般的にマスタ(科目マスタや会社マスタ等)に登録されているものがあり、都度入力者が入力するのは、一般的に日付、借方科目、借方金額、貸方科目、貸方金額である。また、その他に、借方補助科目、貸方補助科目、借方部門、貸方部門、借方課税区分、貸方課税区分、借方消費税等、貸方消費税等、摘要、証憑番号等が入力される。利用者の経理処理に関する基本情報としては、当期期首日付、当期期末日付、が必須の入力情報とされ、これらの情報が入力されるか、または後述する会社マスタから読み取られる。
【0059】
出力部123は、CRTやLCDを含むディスプレイや、紙出力を行うプリンター等からなるものであり、財務会計処理アプリケーションプログラムにより作成された合計残高試算表、総勘定元帳、現預金出納帳等の帳票が出力される。記憶部124には、財務会計処理アプリケーションプログラム、このプログラムにより作成された帳票データが格納されている。本例では、利用者から入力された伝票情報は、財務会計データベース30に格納されるように構成されているが、コンピュータ120の記憶部124を財務会計データベースとしても良い。送受信部124はネットワーク100に接続され、財務会計データベース30を備えたコンピュータ130との間で、データの送受信を行うように構成されている。
【0060】
財務会計データベース30を備えたコンピュータ130は、図12に示すように、CPU131、入力部132、出力部133、記憶部134、送受信部135を備えている。財務会計データベース30は、記憶部134に形成されている。
【0061】
財務会計データベース30には、利用者から入力された伝票情報が格納されている。伝票には一般に、入力番号、年、月、伝票番号、伝票番号枝番号、伝票日付、決算仕訳、証憑番号、借方科目コード、借方補助科目コード、借方部門コード、借方課税区分コード、借方金額、借方消費税等金額、貸方科目コード、貸方補助科目コード、貸方部門コード、貸方課税区分コード、貸方金額、貸方消費税等金額、摘要上段の項目、摘要下段の項目、等の記載項目が設けられている。
【0062】
これら伝票情報に基づいて入力される情報が、財務会計データベース30に格納される。本例の表計算システム10では、伝票日付、借方科目コード、借方科目貸借区分、借方科目分類、借方科目分類貸借区分、借方金額、貸方科目コード、貸方科目貸借区分、貸方科目分類、貸方科目分類貸借区分、貸方金額、当期期首日付、当期期末日付、の各情報が必須情報として利用される。
【0063】
コンピュータ130の記憶部134には、伝票情報を入力する際に参照したり、表計算システム10を利用する際に参照するために、各種マスタ40が設けられている。マスタ40としては、図13に示すように、科目マスタ41、科目分類マスタ42、科目大分類マスタ43、がある。なお、各伝票に以下の情報が付与されていれば、これらマスタ41〜43を参照する必要はない。
【0064】
科目マスタ41には、科目コード、科目名称、科目名略称、課税区分コード、貸借区分、補助科目有無区分、部門管理区分、繰越区分、科目分類コード、の各情報が格納されている。貸借区分は、科目の属性に応じて、貸借のいずれに残高が残るのかを示す情報であり、例えば現金預金,売掛金であれば借方、買掛金,未払金であれば貸方、のように示される。繰越区分は、科目分類コード等の入力がなく、その仕訳が借方か貸方か判明できない場合に必要な情報となる。
【0065】
科目分類マスタ42には、科目大分類コード、科目分類コード、科目分類名称、科目分類貸借区分、の各情報が格納されている。このうち、科目分類コード、科目分類貸借区分は、表計算システム10で科目分類等の集計を行う際に必要な情報となる。これらの情報は、必ずしもマスタになければならないものではなく、仕訳データ上に同様の情報があれば、その情報を参照すれば良い。
【0066】
科目大分類マスタ43には、科目大分類コード、科目大分類名称、科目区分、科目大分類貸借区分の各情報が格納されている。これらの情報は、科目分類マスタの情報から、科目分類や貸借区分が判断できない場合にのみ使用される。これらの情報は、必ずしもマスタになければならないものではなく、仕訳データ上に同様の情報があれば、その情報を参照すれば良い。
【0067】
さらに、コンピュータ130の記憶部134には、会社マスタ50が設けられている。会社マスタ50には、財務会計システム10を利用し、財務会計データベース30にデータが格納されている全ての会社の情報が格納されている。会社マスタには、会社コード、名称、略称、電話番号、ファクス番号、郵便番号、住所、代表者名、法人区分、課税区分、経理処理情報、端数処理情報、設立日、期、期首、期末、締日、更新済フラグ、開始残高基準日、仮受消費税科目コード、仮払消費税科目コード、当期未処分利益科目コード、前期繰越利益科目コード、課税対象外課税区分コード、割引手形科目コード、裏書手形科目コード、等の情報が入力される。このうち、表計算システム10で必要とされる情報は、当期期首日付、当期期末日付に関する情報である。
【0068】
以下、表計算システムにおける各処理の流れについて説明する。ここでは、認証処理(処理A)、科目名称の読み取り・表示処理(処理B)、残高の読み取り・表示処理(処理C)、について説明する。
【0069】
認証処理(処理A)では、ステップS1で、利用者が表計算システムにアクセスしたことが確認されると、ステップS2で関数「login」が実行され、利用者に対してID番号及びパスワードの入力が要求される。
【0070】
ステップS3では、利用者により入力されたID番号及びパスワードが、記憶部14に登録されているID番号及びパスワードと一致しているか否かが判定される。適正なID及びパスワードであることが確認されたら(ステップS3;Yes)、次いで、ステップS4で利用者へ表計算システムへのアクセスを許可する。ID及びパスワードが適正でないと判定された場合(ステップS3;No)、認証されるまで、ステップS2及びステップS3の処理を繰り返す。
【0071】
科目名称の読み取り・表示処理(処理B)では、ステップS11で、関数「getKamokuMeisyo」が呼び出されたことが確認される。ステップS12では、パラメータに対してコードが指定されたか否かが判定される。パラメータが指定されたことが確認された場合(ステップS12;Yes)、ステップS13に進み、財務会計データベース30を読み取るための初期処理が行われる。本例では、関数「DataConnect」が使用され、利用者より接続方法及び接続情報が指定されることにより、所定の財務会計データベース30への接続が行われる。パラメータが指定されたことが確認されない場合(ステップS12;No)、ステップS14でエラーが表示される。
【0072】
ステップS15では、接続された財務会計データベース30のうち、今回読み取りが行われるデータ(科目データ)がオープンされる。そして、ステップS16で、パラメータで指定されている科目の読み取りが行われる。ステップS17では、科目の読み取りがなされたか否かが判定される。科目の読み取りがなされた場合(ステップS17;Yes)、次のステップに進む。科目の読み取りがなされなかった場合(ステップS17;No)、ステップS19でエラー表示がなされる。
【0073】
ステップS18では、表計算システムのワークシート上に、読み取られた科目の名称が表示される。このとき、科目名称が文字情報で読み取られた場合は、そのまま表示する。また、科目コードのみが読み取られた場合は、記憶部114の科目コードと科目名称の対応表が参照され、科目コードに対応する科目名称が表示される。次いで、ステップS20で科目データがクローズされる。さらに、ステップS21で財務会計データの終了処理がなされる。
【0074】
なお、複数の科目名称を読み取る場合は、ステップS18の処理がなされた後に、ステップS11〜ステップS18の処理を繰り返して行う。また、科目名称の表示以外の処理を行う場合には、ステップS19の処理がなされた後に、別の関数を呼び出し、ステップS11〜ステップS18と同様の処理を行う。
【0075】
残高の読み取り・表示処理(処理C)では、図示しない前提処理として、残高の読み取り・表示処理を行う関数(例えば、「getKamokuZandaka」)が呼び出されたことが確認される。そして、利用者よりパラメータ及び日付が指定されたか否かが判定される。パラメータ及び日付が指定されたことが確認された場合、財務会計データベース30を読み取るための初期処理が行われる。パラメータ及び日付が指定されたことが確認されない場合は、エラーが表示される。
【0076】
残高が初めて読み取られる場合、ステップS31で、変数としての残高が0であることが確認される。ステップS32で財務会計データベース30の読み取りが行われる。ステップS33では、読み取られたデータの日付が、指定された日付よりも前であるか否かが判定される。指定された日付よりも後である場合(ステップS33;No)、ステップS44で次のデータが読み取られる。
【0077】
読み取られたデータの日付が、指定された日付よりも前である場合(ステップS33;Yes)、ステップS34に進み、指定された科目が借方科目であるか否かが判定される。ステップS34で指定された科目が借方科目ではない場合(ステップS34;No)、後述するステップS39に進む。
【0078】
指定された科目が借方科目である場合(ステップS34;Yes)、ステップS35で、指定された借方科目データの情報が読み取られる。次いで、ステップS36で、読み取られた借方科目データの貸借区分が借方であるか否かが判定される。貸借区分が借方である場合(ステップS36;Yes)、ステップS37で、読み取られた金額が残高として加算される。貸借区分が貸方である場合(ステップS36;No)、ステップS38で、読み取られた金額が残高から減算される。
【0079】
ステップS39では、指定された科目が貸方科目であるか否かが判定される。指定された科目が貸方科目である場合(ステップS39;Yes)、ステップS40で、指定された借方科目データの情報が読み取られる。次いで、ステップS41で、読み取られた貸方科目データの貸借区分が貸方であるか否かが判定される。貸借区分が貸方である場合(ステップS41;Yes)、ステップS42で、読み取られた金額が残高として加算される。貸借区分が借方である場合(ステップS41;No)、ステップS43で、読み取られた金額が残高から減算される。
【0080】
ステップS39で指定された科目が貸方科目ではない場合(ステップS39;No)、ステップS44で次のデータが読み取られる。ステップS45では、データの終わりに到達したか否かが判定される。データの終わりに達していない場合(ステップS45;No)、ステップS33に戻り、ステップS33からステップS45までの処理を繰り返す。データの終わりに到達した場合(ステップS45;Yes)、ステップS46で、関数の戻り値として残高が返され、処理を終了する。
【0081】
以上のように、本発明の表計算システム10によれば、表計算システム10において演算処理を行う関数が設けられており、この関数により、財務会計システム10で使用される財務会計データベース30から、利用者の所望の情報を、所望のタイミングで引き出すことが可能となる。
【0082】
図17及び図18は、本例の表計算システム10によって作成された帳票の例を示すものである。図17は、商品別の売上高を月別に集計した表である。表中、A欄には科目コードが示されている。科目コードは、コード401が商品1の売上高に対応し、コード402が商品2の売上高に対応し、コード403が商品3の売上高に対応している。
【0083】
B欄には、関数「getKamokuMeisyo(科目コード)」の処理により、コード401、コード402、コード403に対応して、「商品1の売上高」、「商品2の売上高」、「商品3の売上高」という科目名称がそれぞれ表示される。
【0084】
C欄〜H欄には、月次の売上高が表示される。ここでは、関数「getKamokuZandaka(科目コード、日付)」の処理(図16の処理C)に基づいて、1月から6月までの各月の残高が算出される。例えば、商品1の1月の残高を求める場合には、(コード401、2003/01/31)としてパラメータを指定する。そして、財務会計データベース30から、商品1の売上高に関するデータを順次読み取る。売上高は貸方科目であるため、読み取られたデータの貸借区分が貸方である場合に、読み取られた数値を残高に加算していき、2003年1月1日から1月31日までの売上高が算出される。
【0085】
図18は、図17に示す表に基づいて作成されたグラフである。表計算システム10は一般にグラフ作成機能を備えている。このため、図17に示すような表を作成することにより、この表に基づいて商品別売上グラフを作成することが可能となり、消費動向の分析等に活用することが可能となる。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明の財務会計システムと連動した表計算システムによれば、財務会計処理アプリケーションで使用されるデータから、日々変化するデータをリアルタイムで取得し、利用者の創意工夫を反映した財務内容や経営成績に関する帳票を作成することが可能である。したがって、財務会計データを、財務分析や経営分析、或いはマーケティング戦略に有効に活用することが可能となる。
【0087】
また、上記関数は、財務会計計算規則に従って計算する処理も行うように構成されており、関数を指定するだけで、必要な計算が自動的に行われ、結果が表示される。このため、利用者は財務会計特有の計算規則を知らなくても、必要な数字を簡単に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概要を示す説明図である。
【図2】表計算システム,財務会計システム,財務会計データベースの関係を示すブロック図である。
【図3】科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図である。
【図4】科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図である。
【図5】科目残高を表示するときの画面の一例を示す説明図である。
【図6】関数を組み合わせて使用した例を示す説明図である。
【図7】表計算システムのワークシートに科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図である。
【図8】表計算システムのワークシートに固定資産の各科目名称及び残高が表示された状態を示す説明図である。
【図9】従来の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図である。
【図10】本例の関数を用いて合計値を求めた状態を示す説明図である。
【図11】関数一覧を示す説明図である。
【図12】各コンピュータのハード構成を示す説明図である。
【図13】財務会計データベースを有するコンピュータの記憶部の構成を示す説明図である。
【図14】表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】表計算システムのプログラム処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】表計算システムにより作成される帳票の一例を示す説明図である。
【図18】表計算システムにより作成される帳票の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 表計算システム
20 財務会計システム
30 財務会計データベース
40 マスタ
41 科目マスタ
42 科目分類マスタ
43 科目大分類マスタ
50 会社マスタ
110,120,130 コンピュータ
111,121,131 CPU
112,122,132 入力部
113,123,133 出力部
114,124,134 記憶部
115,125,135 送受信部
100 ネットワーク
Claims (12)
- 利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算システムであって、
前記表計算システム上で演算処理を行う関数を備え、
該関数は前記財務会計データを読み取る処理と、該読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、前記読み取られたデータと前記計算処理の結果を前記表計算システムのワークシートへ表示する処理と、を行うことを特徴とする財務会計システムと連動した表計算システム。 - 前記財務会計データは、日付データ、借方科目データ、借方金額データ、貸方科目データ、貸方金額データのいずれかまたは二つ以上の組合せを含む仕訳データを備えたことを特徴とする請求項1記載の財務会計システムと連動した表計算システム。
- 前記関数のパラメータにコードを対応させることにより、前記財務会計データから指定されたデータが取得されることを特徴とする請求項1記載の財務会計システムと連動した表計算システム。
- 前記関数のパラメータに、予めコードが設定された前記表計算システムの座標値を対応させることにより、前記財務会計データから指定されたデータが取得されることを特徴とする請求項1記載の財務会計システムと連動した表計算システム。
- 前記関数は各利用者に付与されたIDとパスワードの認証を行うことを特徴とする請求項1記載の財務会計システムと連動した表計算システム。
- 利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算方法であって、
前記表計算システム上で演算処理を行う関数が前記財務会計データの読み取りを行う工程と、
該読み取られたデータを表示する工程と、を備えたことを特徴とする、財務会計システムと連動した表計算方法。 - 前記表計算システム上で演算処理を行う関数が前記財務会計データの読み取りを行う工程の後に、
前記関数が前記読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って演算を行う工程と、
該演算の結果を表示する工程と、を備えたことを特徴とする請求項6記載の財務会計システムと連動して計算を行う表計算方法。 - 利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動した表計算装置であって、
前記財務会計システムに接続された送受信部と、
表計算システム上で演算処理を行う関数と、該関数により読み取られた前記財務会計データと、前記関数による演算結果と、を保持する記憶部と、
前記関数に従って、前記送受信部を介して前記財務会計データを読み取る処理と、該読み取られたデータに基づいて財務会計計算規則に従って計算する処理と、を行う演算部と、
前記読み取られたデータと、前記計算処理の結果と、を表示する表示部と、を備えたことを特徴とする財務会計システムと連動した表計算装置。 - 前記送受信部はネットワークに接続され、該ネットワークを介して前記財務会計システムと、前記財務会計データに接続されたことを特徴とする請求項8記載の財務会計システムと連動した表計算装置。
- 利用者から入力された財務会計データに基づいて財務会計書類を作成する財務会計システムと連動し、表計算システム上で演算を行うプログラムであって、
選択された関数を認定する処理と、
該関数のパラメータに対して指定されたコードまたはコードが設定された座標値を認定する処理と、
前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理と、
該読み取られたデータを表示する処理と、をコンピュータに実行させる、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラム。 - 前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理の後に、
該読み取られたデータに基づいて財務会計の計算規則に基づく計算を行う処理と、
該計算結果を表示する処理と、を備えたことを特徴とする請求項10記載の財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラム。 - 前記財務会計データから、前記コードで指定されているデータを読み取る処理では、日付データ、借方科目データ、借方金額データ、貸方科目データ、貸方金額データのいずれかまたは二つ以上の組合せを含む仕訳データからデータが読み取られることを特徴とする請求項10または11記載の財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2003179812A JP2005018252A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 財務会計システムと連動した表計算システム、財務会計システムと連動した表計算方法、財務会計システムと連動した表計算装置、財務会計システムと連動して表計算を行うためのプログラム |
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JP2019091158A (ja) * | 2017-11-13 | 2019-06-13 | 株式会社オービック | 通貨換算装置、通貨換算方法および通貨換算プログラム |
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2003
- 2003-06-24 JP JP2003179812A patent/JP2005018252A/ja active Pending
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