JP2005017194A - ナビゲーション装置およびナビゲーションシステム - Google Patents

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JP2005017194A JP2003184795A JP2003184795A JP2005017194A JP 2005017194 A JP2005017194 A JP 2005017194A JP 2003184795 A JP2003184795 A JP 2003184795A JP 2003184795 A JP2003184795 A JP 2003184795A JP 2005017194 A JP2005017194 A JP 2005017194A
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Abstract

【課題】商品を低い価格で購入できるように地点案内可能なナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置2は、目的地を入力するための入力部3と、目的地を含む経路を探索する経路探索手段9と、センター15の商品の価格データを記憶する価格データベース19から通信部8を介して経路の沿線における価格データを取得し、この価格データを用いて経路の沿線にあって所定の条件(最低の価格)を満たす価格となる地点を決定しその地点の案内情報を作成する地点決定手段12と、この案内情報を表示する出力部7とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリンや軽油などの商品や駐車場などで提供されるサービスの価格が所定の条件を満たす店舗がある地点へ案内することが可能なナビゲーション装置およびナビゲーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両搭載のナビゲーション装置としては、利用者が入力した目的地までの経路を設定する経路設定手段と、道路状況を認識する道路状況認識手段と、道路状況ごとの燃費を求める手段と、燃料残量検出手段で計測した残りの燃料量を基に車両が走行可能な距離を算出する距離算出手段と、給油所の位置を記憶した給油所位置記憶手段と、距離算出手段から走行可能な距離の沿線にある給油所を検索する給油所検索手段とを備え、経路付近で走行可能な範囲にある適切な給油地点を表示するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、別の従来の車両搭載のナビゲーション装置としては、道路を種別ごとに分類し、かつ各道路のノードの経度、緯度および高度のデータを各々記憶したデータ記憶手段と、データ記憶手段の記憶データを用いて目的地に到達できる燃料量を計算する燃料消費量計算手段とを備え、経路の道路状況を考慮してより正確な燃費を算出することにより、目的地まで燃料補給なしに到達できるか否かを知らせるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−297034号公報(第3、4頁、図1、図2)
【特許文献2】
特開平10−197272号公報(第3−5頁、図1、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のナビゲーション装置では、目的地に向かう沿線において走行可能な範囲内にある給油所の所在を知らせるようになっているが、燃料の価格は各給油所で異なっており、より安く燃料を購入するにはどの給油所で給油をすればよいのかが判断できず燃料代が高くつきがちであるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、より安い価格で燃料などの商品を購入あるいは駐車場などで提供されるサービスを受けることができる地点へ案内可能なナビゲーション装置およびナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のナビゲーション装置は、目的地を示す信号を入力する入力手段と、入力手段により入力された信号に応答して目的地までの経路を探索する経路探索手段と、商品が販売されている地点および商品の販売価格が関連づけられた価格データとサービスが提供されている地点およびサービスの提供価格が関連づけられた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶する価格データベースから経路探索手段によって探索された経路の沿線にある地点の価格データを取得する価格データ取得手段と、価格データ取得手段によって取得された価格データに基づいて経路の沿線において所定の条件を満たす価格で商品が販売またはサービスが提供される地点を決定する地点決定手段と、地点決定手段で決定した地点に関する案内情報を表示する案内表示手段とを備えた構成を有している。
この構成により、価格データベースから価格データを取得して、最も低い価格であることなどといった所定の条件を満たす価格で商品を購入あるいはサービスを受けることができる地点を決定してその地点へ案内することが可能なナビゲーション装置を提供することができる。
【0007】
また、本発明のナビゲーション装置は、価格データ取得手段が、価格データを記憶し着脱自在な記憶媒体を介して価格データを取得する構成を有している。
この構成により、外部の価格データベースからパーソナルコンピュータ等を利用して入手しSDメモリカードやCD−Rなどの着脱自在な記憶媒体に記憶させた価格データを、ナビゲーション装置に容易に入力することができる。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置は、価格データ取得手段が、外部に設置されて価格データベースを保持するセンターから通信によって価格データを取得する構成を有している。
この構成により、広範囲、かつ最新の価格データを入手しやすい外部のセンターが保持する価格データベースから、通信を利用して必要な価格データを容易に取得して、ナビゲーション装置に入力することができる。
【0009】
また、本発明のナビゲーション装置は、価格データベースが、価格データを地域および道路ごとに区分して保持し、価格データ取得手段が、経路が通過する地域および道路に応じた価格データを取得する構成を有している。
この構成により、商品やサービスの価格が地域のみならず道路によっても異なるような場合に、所定の条件を満たし、かつ経路が通過する地域および道路で最も安い価格の地点を容易に探索することとができる。
【0010】
また、本発明のナビゲーション装置は、価格データが、燃料の価格データであり、地点決定手段が、最も価格の低くなる給油地点を決定する給油地点決定手段である構成を有している。
この構成により、最も価格が低い給油地点でガソリン等の燃料を給油することができ、燃料代を節約することができる。
【0011】
また、本発明のナビゲーション装置は、給油地点決定手段が、現在地または出発地から目的地までの経路と目的地から自宅までの帰宅経路とを含めた経路中で最も価格が低い給油地点を決定する構成を有している。
この構成により、目的地までの経路だけでなく帰宅経路まで含めた経路のうちで最も価格が低い給油地点を決定でき、自宅付近で良く利用している価格が低い給油地点での利用を給油地点決定の考慮に入れることができる。
【0012】
また、本発明のナビゲーション装置は、燃費を算出する燃費算出手段と、燃費算出手段で算出した燃費に基づいて車両が到達可能な範囲を算出する到達可能範囲算出手段とを備え、給油地点決定手段が到達可能範囲算出手段で算出された到達可能範囲内で最も価格が低い給油地点を決定する構成を有している。
この構成により、車両が残りの燃料でそのまま走行し経路の沿線で最も価格が低い給油地点まで行けなくても、その車両の到達可能範囲内にあり、かつその中で最も価格が低い給油地点を決定することができるので、その地点まで行ってとりあえず安い価格で燃料を給油することができる。
【0013】
また、本発明のナビゲーション装置は、燃費算出手段が、車両に取り付けた燃料タンク中の燃料の残量を計測する残燃料センサと、車両の走行距離を計測する走行距離センサとを備え、残燃料センサにより計測された燃料の残量に基づいて算出した燃料消費量と走行距離センサにより計測された走行距離とを用いて燃費を算出し、到達可能範囲算出手段が、燃費算出手段で算出された燃費と残燃料センサにより計測された燃料の残量とに基づいて到達可能範囲を算出する構成を有している。
この構成により、自車両の燃費および自車両の到達可能範囲を容易に自車両だけで算出することができる。
【0014】
また、本発明のナビゲーション装置は、燃費算出手段が、道路種別、道路勾配、平均走行速度のうちの少なくとも1つに基づいて道路を区分し、区分された道路ごとに燃費を算出する構成を有している。
この構成により、道路状況を考慮したより精度の高い到達可能範囲を算出することができる。
【0015】
また、本発明のナビゲーション装置は、到達可能範囲算出手段が、車速センサにより計測された車両の平均速度および路面センサにより計測された路面状況のうちの少なくとも1つと残燃料センサによって計測された燃料の残量とに基づいて到達可能範囲を逐次更新し、給油地点決定手段が、更新された到達可能範囲を用いて給油地点を逐次更新する構成を有している。
この構成により、道路状況や走行状況を考慮しながら到達可能範囲を逐次算出するので、到達可能範囲の算出精度をさらに高めることができる。
【0016】
また、本発明のナビゲーション装置は、給油地点決定手段が、経路の沿線で最も価格が低い給油地点が到達可能範囲外にあると判定したとき、到達可能範囲内において最も燃料の価格が低い給油地点を決定するとともに、到達可能範囲内における燃料補給により新たな到達可能範囲となる到達可能範囲外の経路の沿線で最も燃料の価格が低い給油地点に到達するために最低限必要な燃料の給油量を算出する給油量算出手段を有し、案内表示手段が、給油量算出手段で決定された給油地点と前記燃料の給油量とを表示する構成を有している。
この構成により、とりあえず到達可能範囲内にありその中で最も燃料の価格が低い給油地点で最低限必要な燃料を給油すれば、ここでの燃料給油により新たに到達可能範囲となる到達可能範囲外の経路の沿線で最も低い価格となる給油地点まで行くことができ、さらに安価な燃料を再補給することが可能となる。
【0017】
また、本発明のナビゲーション装置は、自宅付近の燃料の価格を登録するための燃料価格登録手段を備え、給油地点決定手段が、燃料価格登録手段により自宅付近の燃料の価格の登録があったときは燃料補給なしに帰宅できるか否かを判定し、案内表示手段が、給油地点決定手段によって判定された結果を表示する構成を有している。
この構成により、自宅付近の給油地点で給油可能か否か、また価格的に得か否かを容易に判断することが可能となる。
【0018】
また、本発明のナビゲーション装置は、車両から離れた外部に設置され燃料データベースを保持するセンターとの間で通信する通信手段と、通信手段を介してセンターの燃料データベースから車両の車種に応じた燃費データを取得する燃費データ取得手段を備えた構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置が、燃費算出手段を有しなかったりあるいは走行距離が短く燃費の算出精度がよくなかったりする場合であっても、センターから得た自車両と同種の燃費データを用いることで到達可能範囲を算出でき、最適な給油地点を決定することができる。
一方、自車両で燃費を算出可能なナビゲーション装置の場合にあっても、自車両と同じ車種の車両との間で燃費を比較し、自車両の性能や状態、あるいは運転の良し悪し等を判断することができる。
【0019】
また、本発明のナビゲーションシステムは、商品および前記商品が販売されている地点および前記商品の販売価格を関連づけた価格データとサービスおよび前記サービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格を関連づけた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶する価格データベースを有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置が、目的地を入力するための入力手段と、経路の沿線にある地点での価格データをセンターに要求して取得する価格データ取得手段と、価格データ取得手段で取得した価格データを用いて経路の沿線にあって所定の条件を満たす価格となる地点を決定する地点決定手段と、地点決定手段で決定した地点に関する案内情報を表示する案内表示手段とを有し、センターが、ナビゲーション装置から要求された価格データをナビゲーション装置に送信する通信手段を有する構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置がセンターから価格データを取得して、最も低い価格であることなどといった所定の条件を満たす価格で商品を購入あるいはサービスを受けることができる地点を決定してその地点へ案内することができるナビゲーションシステムを提供することが可能となる。
【0020】
また、本発明のナビゲーションシステムは、燃料の価格データを記憶するための価格データベースを有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置が、経路の沿線の価格データをセンターに要求して取得する価格データ取得手段と、価格データを用いて経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点を決定する給油地点決定手段と、給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、センターが、ナビゲーション装置から要求された価格データをナビゲーション装置に送信する送信手段を有する構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置が、センターから燃料の価格データを取得して、最も低い価格で燃料を購入できることなどといった所定の条件を満たす地点へ案内することができる。
【0021】
また、本発明のナビゲーションシステムは、燃料の価格データを記憶するための価格データベースを有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置が、経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点の情報をセンターに要求して取得する地点情報取得手段と、給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、センターが、価格データベースを用いてナビゲーション装置から要求された所定の条件を満たす価格の給油地点を決定する地点決定手段と、給油地点の案内情報をナビゲーション装置に送信する通信手段を有する構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置が経路の沿線で最も低い価格でなどといった所定の条件を満たす給油地点の情報をセンターに要求すると、センターが燃料の価格データから所定の条件を満たす燃料を購入することが可能な給油地点を決定して、その給油地点の案内情報をナビゲーション装置に送信するので、ナビゲーション装置にてその給油地点へ案内することが可能となる。この場合、価格データから給油地点を決定する処理がセンター側で実行されるので、その分ナビゲーション装置を簡単、コンパクト、かつ安価な構成にすることができる。
【0022】
また、本発明のナビゲーションシステムは、燃料の価格データを記憶するための価格データベースと車種別の燃費データを記憶するための燃費データベースとをそれぞれ有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置が、経路の沿線にある地点の価格データをセンターに要求して取得する価格データ取得手段と、燃費データをセンターに要求して取得する燃費データ取得手段と、燃費データ取得手段により取得した燃費データを用いて車両の到達可能範囲を算出する到達可能範囲算出手段と、価格データ、燃費データおよび到達可能範囲を用いて経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点を決定する給油地点決定手段と、給油地点決定手段により決定された給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、センターが、ナビゲーション装置から要求された価格データおよび燃費データをナビゲーション装置に送信する送信手段を有している構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置が、たとえ燃費を計測することができなくても、センターから燃料の価格データを取得して最も価格の低い燃料を購入できることなどといった所定の条件を満たす給油地点を決定して、その給油地点へ案内することができる。
【0023】
また、本発明のナビゲーションシステムは、燃料の価格データを記憶するための価格データベースと車種別の燃費データを記憶するための燃費データベースとをそれぞれ有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置が、車種情報と残燃料センサで計測された燃料の残量の情報を前記センターに送信するとともに経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点の案内情報をセンターに要求して取得する地点情報取得手段と、地点情報取得手段により取得された給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、センターが、車種情報に基づいて燃料データベースから読み出した燃費データと燃料の残量の情報を用いて車両の到達可能範囲を算出する到達可能範囲算出手段と、価格データ、燃費データおよび到達可能範囲を用いて経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点を決定する給油地点決定手段と、給油地点決定手段により決定された給油地点の案内情報をナビゲーション装置に送信する通信手段とを有する構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置が所定の条件を満たす給油地点の案内情報をセンターに要求すると、センターがその車両の到達できる到達可能範囲を算出し、燃料の価格データからその到達可能範囲内で所定の条件を満たす価格で燃料を購入可能な給油地点を決定し、その給油地点の案内情報をナビゲーション装置に送信するので、ナビゲーション装置にて到達可能範囲内にあり所定の条件を満たす給油地点へ案内することが可能となる。また、燃費データから車両の到達可可能範囲を算出する処理、および価格データからの給油地点を決定する処理がセンター側で実行されるので、その分ナビゲーション装置を簡単、コンパクトかつ安価な構成にすることができる。
【0024】
また、本発明のナビゲーションシステムは、燃料の価格データを記憶するための価格データベースと車種別の燃費データを記憶するための燃費データベースとをそれぞれ有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、ナビゲーション装置が、車種情報と残燃料センサで計測された燃料の残量の情報を前記センターに送信するとともに経路の沿線で最も価格が低い給油地点の案内情報をセンターに要求して取得する地点情報取得手段と、地点情報取得手段により取得された給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、センターが、車種情報に基づいて燃費データベースから読み出した燃費データと燃料の残量の情報を用いて車両の到達可能範囲を算出する到達可能範囲算出手段と、価格データ、燃費データおよび到達可能範囲を用いて経路の沿線でかつ到達可能範囲内にある最も価格が低い給油地点を決定する給油地点決定手段と、経路の沿線で最も価格の低い給油地点が到達可能範囲外にあるとき、到達可能範囲内で給油して到達可能範囲外の最も低い価格となる給油地点に到達するのに最低限必要な燃料の給油量を算出する給油量算出手段と、給油地点決定手段により決定された給油地点および給油量算出手段により算出された燃料給油量に関する案内情報をナビゲーション装置に送信する通信手段を有する構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置が経路の沿線で最も価格が低い給油地点の情報をセンターに要求すると、センターが燃費データからその車両の到達可能範囲を算出し燃料の価格データからその残りの燃料で走行して到達できる到達可能範囲内にあって最も低い価格で購入ことができる給油地点を決定するとともにそのとき最適な燃料給油量を算出して、その給油地点および燃料の給油量に関する情報を通信でナビゲーション装置に送るので、ナビゲーション装置にて到達可能範囲内の給油地点へ案内することができ、かつそのときの最適な燃料給油量を知ることができる。この場合、燃費データから車両の到達可可能範囲を算出する処理、価格データからの給油地点を決定する処理、およびその給油地点で最適となる燃料給油量を算出する処理がセンター側で実行されるので、その分ナビゲーション装置を簡単、コンパクト、かつ安価な構成にすることができる。
【0025】
また、本発明のナビゲーションシステムは、燃費データベースが、車両の種類および形式ごとに区分して燃費データを記憶し、ナビゲーション装置が、自車両で計測して算出した燃費と自車両の車種データとをセンターへ送信し、センターが、受信した燃費データと車種データを用いて燃費データベースに更新する構成を有している。
この構成により、ナビゲーション装置側で計測、算出した燃費データとその車種データをセンターが受信し、センターの燃費データベースを更新することができるので、燃費を計測できない他の多くのナビゲーション装置等でも利用して到達可能範囲の算出等を行うことが可能となる。
【0026】
また、本発明のナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置が、自車両で得た燃料の価格データと給油地点の位置データをセンターに送信し、センターが、ナビゲーション装置から受信した価格データと給油地点の位置データとを用いて価格データベースを更新する構成を有している。
この構成により、センターの価格データベースにおいて最新の価格データへの更新が促進されることとなり、多くの利用者に資することとなる。
【0027】
また、本発明のナビゲーションプログラムは、商品が販売されている地点および前記商品の販売価格が関連づけられた価格データとサービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格が関連づけられた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶する価格データベースから経路沿線の価格データを取得する価格データ取得ステップと、価格データを用いて経路沿線で所定の条件を満たす価格の地点を決定する地点決定ステップと、地点の情報を表示する案内表示ステップとを備えた構成を有している。
この構成により、商品やサービスを最も低い価格でなどといった所定の条件を満たす価格で購入あるいは受けることができる地点に案内可能なナビゲーションプログラムを提供することができる。
【0028】
また、本発明の価格データ記憶媒体は、商品が販売されている地点および前記商品の販売価格が関連づけられた価格データとサービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格が関連づけられた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを地域および道路ごとに区分して保持する構成を有している。
この構成により、商品やサービスを最も低い価格でなどといった所定の条件を満たす価格で購入あるいは受けることができる地点に案内可能なナビゲーションシステムに利用することができ、かつその場合、地域だけでなく通過する予定の道路にも沿った店舗を区別して検索できる価格データ記憶媒体を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム1は、車両に搭載されるナビゲーション装置2と車両から離れた外部に設置されたセンター15とを備えている。
【0030】
まず、ナビゲーション装置2側から説明する。
ナビゲーション装置2は、目的地を示す信号を入力する入力部3と、ナビゲーション装置2の現在位置を検出する現在位置検出部4と、地図データ等を記憶した地図データ記憶部5と、ナビゲーション装置2の各種処理を実行する制御部6と、制御部6で得た経路や地点に関する案内情報を出力する出力部7と、センター15と送受信するための通信部8とを備えている。
なお、入力部3は本発明の入力手段を、出力部7は本発明の案内表示手段を、また通信部8は本発明の通信手段をそれぞれ構成する。
【0031】
制御部6は、各種プログラムを実行し、目的地を含む経路を探索する経路探索手段9と、目的地までの経路を案内する経路案内手段10と、センター15から経路探索手段9で探索して得た経路の沿線における価格データを取得する価格データ取得手段11と、価格データを用いて経路の沿線で所定の条件を満たす価格で商品やサービスを販売している地点を決定する地点決定手段12としても機能する。
また、地点決定手段12は、ここでは、最も価格が低い給油地点を決定する給油地点決定手段13を有している。
なお、上記価格データ取得手段11で取得した価格データは、ここでは地図データ記憶部5の一部に設けた価格データベース14に記憶されるが、他の記憶部(図示せず)に記憶されるようにしてもよい。
【0032】
次に、上記各部と各手段の詳細につき、説明する。
入力部3は、リモートコントロール、タッチセンサ、音声入力センサ、キーボード、マウス、スタイラスペン等の少なくとも1つで構成され、目的地などの探索条件を入力するものである。
現在位置検出部4は、GPS(Global Positioning System)アンテナを備え、GPS衛星から送信されたGPS衛星信号や、車両に設けられた方位センサによって検出された車両の進行方位および走行距離センサによって検出された走行距離に基づいて現在位置を検出するものである。
地図データ記憶部5は、CD−ROMやDVDといった光ディスク、ハードディスク、半導体メモリ等の記録媒体を利用した記録デバイスによって構成され、道路を構成する点列の座標情報や他の交差点接続情報、道路種別といった道路データ等を含む地図データを記憶している。
【0033】
制御部6は、マイクロコンピュータで構成され、入力部3、出力部7、地図データ記憶部5、通信部8をそれぞれ制御するものである。
出力部7は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイなどで構成され、地図、経路案内、給油地点の案内情報等を表示するものである。また、ナビゲーション装置2は、出力部7によって表示される地図や案内情報等と併せて音声を出力する音声出力部を備えていてもよい。
通信部8は、携帯電話やPHS等で構成され、センター15との間でデータ等の授受を行うものである。
【0034】
経路探索手段9は、入力部3に入力された目的地を示す信号に応答し、出発地や現在位置から目的地に至る経路のうち最小到達距離や最短距離を考慮した経路を探索するようになっている。この探索は、地図データ記憶部5から読み出した道路データに基づいて、たとえばダイクストラ法やAスターアルゴリズムなどを用いて行なわれるようになっている。
経路案内手段10は、現在位置検出部4によって検出された現在位置と、地図データ記憶部5から読み出された現在位置付近の地図データと、経路探索手段9によって探索された経路とを利用し、経路に沿って交差点等の案内地点での右左折、分岐、合流の際に進行すべき方向や地点等の経路案内情報を作成するようになっている。
【0035】
価格データ取得手段11は、経路探索手段9で探索された経路の各区間ごとの商品やサービスの価格データをセンター15に通信部8から要求し、要求された各区間に対応するそれぞれの価格データを通信部8で受信して取得し、地図データ記憶部5の価格データベース14に記憶させるようになっている。
地点決定手段12は、価格データ取得手段11によって取得された価格データを用いて経路の沿線で、所定の条件を満たす地点を決定するようになっている。なお、所定の条件は、入力部3に入力するか、あるいは出力部7に表示された複数の選択肢から選択できるようになっている。
給油地点決定手段13は、ここでは、経路の沿線で最も価格が低いガソリンを販売している給油所がある地点を決定するといった所定の条件の下にこの条件を満たす地点を決定するようになっている。
【0036】
一方、車両から離れた外部に設置されたセンター15は、データベース記憶部18および通信部16を制御する制御部17と、地図情報のほかに各地区の商品やサービスに関する価格データベース19を記憶する書き換え可能な記録デバイスで構成したデータベース記憶部18と、ナビゲーション装置2の通信部8との間で各種データ等を送信、受信するための通信部16とを備えている。この通信部16は、本発明の通信手段を構成する。
なお、価格データベース19には、商品および商品が販売されている地点および商品の販売価格を関連づけた価格データと、サービスおよびサービスが提供されている地点およびサービスの提供価格を関連づけた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶し、ここではガソリンなどの燃料につき、地域および道路ごとに区分された価格データを記憶するようになっている。
【0037】
センター15は、ナビゲーション装置2側の通信部8から必要とする商品やサービスの価格データを取得したい旨の要求を発信されると、通信部16にてそれらの要求を受信するようになっている。この場合、センター15は、制御部17が要求に合致した価格データをデータベース記憶部18の価格データベース19より読み出し、通信部16から発信するようになっている。ナビゲーション装置2は、センター15から発信されたデータを通信部8で受信し、その価格データを制御部6が地図データ記憶部5の価格データベース14に記憶させ、後で利用できるようにされている。
【0038】
センター15のデータベース記憶部18に記憶された価格データベース19は、商品の価格分布を考慮してたとえば地域で区分され、このようにして区分した単位ごとにそれぞれの価格データを管理するようになっている。すなわち、価格データは、都道府県、市町村などの地域単位に区分されてそれぞれの価格を記録するようになっている。
ここで、価格データを地域で区別するのは、商品によっては物価が地域によって異なっているものが結構あると考えられるからである。
【0039】
一方、同じ地域であっても、ガソリンのような商品は、どの道路沿いにあるかによって価格が異なることがある。すなわち、同じ市内であっても高速道路のサービスエリア内にあるガソリンスタンドと、幹線道路沿いにあるガソリンスタンドと、郊外にあるガソリンスタンドでは、それぞれ価格が異なることが多い。
このような商品の場合には、地域による区分だけでなく、さらに細かい区分(たとえば、ガソリンの場合には、道路による区分など)を行って価格データを管理すれば、利用者にとって利するところが大きいと考えられる。
【0040】
センター15のデータベース記憶部18の価格データベース19は、図2にその一部を示すように、ガソリンの価格を地域および道路ごとに区分した価格データを記憶するようになっている。同図に示すように、価格データベース19には、それぞれ地域名41、道路名42、ガソリンの価格43をそれぞれ記録した価格データがデータベース化されている。たとえば、最初の1件目の価格データ44では、地域名41として「埼玉県東松山市」、道路名42として「関越自動車道」、ガソリンの価格43として「110から115」(円/リットル)がそれぞれ記録されている。
なお、第1件目の価格データ44以降の各価格データから分かるように、たとえば「埼玉県東松山市」といった同じ地域でも、関越自動車道、国道254号、国道407号、県道47号などの道路によって、ガソリンの価格が異なっている。
【0041】
上記の例では、ガソリンを例にとって価格データベース19の一部を説明したが、他の商品やサービスの場合には、地域および道路ごとにより区別した価格データではなく、別の区分で区分した価格データを価格データベース19に記憶するようにしてもよい。
【0042】
次に、第1の実施の形態のナビゲーションシステム1の動作について説明する。
なお、ここでは、商品やサービスのうち、ガソリンを購入する場合を例にとって、説明する。
【0043】
ナビゲーション装置2にあっては、例えば、目的地までの経路を案内する処理は、以下のように実行される。
まず、入力部3から目的地を示す信号が入力されると、ナビゲーション装置2は、制御部6の経路案内手段9が地図データ記憶部5から経路探索に必要な地図データを読み出し、目的地へ至る経路のうち条件を満たす経路を探索する。
この探索結果を受けた経路案内手段10は、探索した経路につきどの地点で右左折するか、合流するかなどといった経路を案内するための画像データや音声データを加工する。これらのデータは、出力部7へ送られ、出力部7から画像や音声による経路案内情報として出力される。
【0044】
一方、ガソリンを購入する場合に、ナビゲーション装置2で実行される地点案内は、図3に示すフローチャートに沿った手順で実行される。
このフローチャートは、経路探索手段9にて目的地までの経路が決定される度に実行される。すなわち、より具体的には、入力部3への目的地を示す信号が入力されたことにより経路の探索が指示された場合や、車両が経路を外れた際に経路探索手段9にて自動的に経路の再探索が実行される場合などに、このフローチャートが実行される。
【0045】
まず、価格データ取得手段11が、経路の区間分割処理を実行する(ステップS11)。
この処理では、センター15の価格データベース19中にあるガソリンの価格データベースでの区分、すなわち地域名、道路名による区分で、経路探索手段9で得た経路がそれぞれの区間に分割される。
この経路を区間に分割した例を図4に示す。同図に示すように、「東京都青梅市」の現在地51から「新潟県塩沢町」の目的地52までの経路50は、市町村が変わる地点、および道路が変わる地点で分割され、それぞれの区間に一意な区間番号61が付与される。すなわち、経路50は、全部で22の区間に分けられ、それぞれの区間に区間番号61として「1」から「22」までが付与される。
【0046】
次に、価格データ取得手段11が、価格データ取得処理を実行する(ステップS12)。
この処理では、価格データ取得手段11が価格データベース19から各区間ごとのガソリンの価格データを取得する。そのため、まず、ナビゲーション装置2は、上記経路の区間分割処理(ステップS11)で分割された区間それぞれにつき、市町村名と道路名に関する情報を通信部8からセンター15に送信する。
この通信部8からの情報は、センター15の通信部16にて受信される。センター15は、この制御部17で受信した市町村名と道路名に対応するガソリンの価格データをデータベース記憶部18の価格データベース19から読み出し、通信部16からナビゲーション装置2に送信する。
【0047】
このようにしてナビゲーション装置2がセンター15から取得した価格データの例を、図5に示す。
同図に示すように、価格データ62は、区間番号61の「1」から「22」までのそれぞれ対応した22件取得される。価格データ62には、図2に示した価格データベース19の価格データと同様に、各区間番号61に対応して、その地域名、道路名、ガソリンの価格(円/リットル)が記録され、地図データ記憶部5の価格データベース14に記憶される。
【0048】
なお、この価格データ取得処理が終了した段階で、制御部6が上記価格データ62の内容をガソリン価格案内情報として出力部7に画面表示するようにしてもよい。この場合の画面表示例を図6に示す。同図において、表示画面の上段には、地域名として「東京都青梅市」、「埼玉県鶴ヶ島市」、「新潟県塩沢町」を表示する。画面の中段には、上記地域名に対応させて道路名を記したルートを「都道」、「圏央道」、「国道407号」といったように表示する。また、画面の下段には、各ルートの区分に対応させたガソリン価格を表示する。
【0049】
価格データの取得が終了したら、地点決定手段12の給油地点決定手段13が、最適区間決定処理を実行する(ステップS13)。
この処理では、分割された区間の中から、所定の条件を満たす区間を決定する。ここでは、所定の条件として、たとえば経路探索手段9によって決定された経路の沿線で最も低い価格でガソリンを販売している所を決定することが挙げられているものとする。この場合、図5の例では、区間番号61が「7」の「埼玉県鶴ヶ島市」の「国道407号」が選ばれ最適区間として決定されることになる。
【0050】
次に、給油地点決定手段13が、区間内店舗検索処理を実行する(ステップS14)。
この処理では、上記最適区間決定処理で決定した区間にあるガソリンスタンドが検索される。
図5の例では、区間番号61が「7」となる埼玉県鶴ヶ島市の国道407号沿線にある各ガソリンスタンドが検索され、それらのうち最も価格が低いガソリンスタンドが選ばれ最も価格が低い店舗として決定される。
【0051】
以上の処理を終えたら、最後に給油地点決定手段13および出力部7が、案内表示処理を実行する(ステップS15)。
この処理では、区間内店舗検索処理(ステップS14)で決定したガソリンの給油地点に関する案内情報が出力部7にて画面表示される。
【0052】
このときの案内表示画面の例を図7に示す。同図に示すように、案内表示画面70の左半分には、最適区間決定処理(ステップS13)で決定した区間を含む地図71が表示される。すなわち、国道407号を表す道路74を含む地図71上に、区間内店舗検索処理(ステップS14)で検索したガソリンスタンド72が表示される。
また、案内表示画面70の右半分には、ガソリン給油区間に関する情報75や、その区間でのガソリンの価格76、ガソリンの推奨給油量77が表示される。ここでは、経路50の沿線で価格が最も低いガソリンを販売している給油所がある区間が決定できたので、ガソリンの推奨給油量77は「満タン」と表示される。
【0053】
なお、この図7の案内表示画面は、経路探索手段9で目的地までの経路が決定する度に実行され、出力部7に表示されるが、車両が最適区間決定処理(ステップS13)で決定したガソリン給油区間に近づいた場合も再度表示される。
もちろん、車両がガソリン給油区間に近づいた場合のみ、あるいは入力部3から要求があったときのみに表示するようにしてもよい。
図7の例では、自車両がガソリン給油区間にあるガソリンスタンド72の近くまで来ているときの案内表示画面を示してあり、このとき地図71上に自車両73も同時に表示されるが、ガソリン給油区より大きく離れているときには自車両73が表示されないのは言うまでもない。
【0054】
以上は、ガソリンを例に説明したが、ナビゲーション装置2を利用した購入対象は、その他の商品やサービスであってもよい。この場合、商品やサービスによっては、価格データの区分をガソリンの場合と異ならせてもよい。また、所定の条件の利用者やセンターの要求や事情により異ならせてもよい。
【0055】
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置2によれば、商品やサービスを提供する店舗等のうち、経路の沿線で商品やサービスの価格が最も低いなどといった所定の条件を満たす地域や店舗等へ案内することができるので、利用者は出先で割高な買い物をしなくて済む。
特にドライブ旅行等に出かける際には、出先でガソリンを給油せざるを得ないことが多いが、最もガソリン価格が低いガソリンスタンドへ案内することができるので、ガソリン代を節約することができる。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーションシステムにつき、図8から図14までの図面を用いて説明する。
【0057】
本実施の形態のナビゲーションシステム20は、購入対象の商品が車両の燃料の場合に限られる。ここで、車両の具体例としては、自動車や自動二輪車等がある。また、車両を駆動させる燃料としては、ガソリン、軽油、天然ガス、電気自動車用燃料としての電気等があるが、ここではガソリンを購入する場合を例にして説明する。
【0058】
図8に示すように、本実施の形態のナビゲーションシステム20は、ナビゲーション装置21とセンター15とを有する。これらにあっては、図1に示した第1の実施の形態のナビゲーションシステム1と実質的に同一の部分には、同一の番号を付し、それらの説明を省略する。
【0059】
本実施の形態のナビゲーション装置21は、車両に取り付けられた燃料タンク(図示せず)中のガソリンの残量を計測する残燃料センサ22と、車両の走行距離を計測する走行距離センサ23とを備えている点が図1のナビゲーション装置2と相違する。
【0060】
また、本実施の形態のナビゲーション装置21は、図1のナビゲーション装置2の制御部6の地点決定手段12が給油地点決定手段13だけの構成となり、また残燃料センサ22により計測されたガソリンの残量から算出された燃料消費量と走行距離センサ23により計測された走行距離とを用いてその車両の燃費を算出する燃費算出手段24と、残燃料センサ22により計測されたガソリンの残量と燃費算出手段24により計測された燃費とからその車両が到達可能な範囲を算出する到達可能範囲算出手段25と、到達範囲内で給油するとき到達可能範囲外にあって経路の沿線で最も価格が低い給油地点に到達するために到達可能範囲で給油するのに最低限必要なガソリンの給油量を算出する給油量算出手段26と、自宅付近の燃料の価格データを登録するための燃料価格登録手段27とをさらに備えている。
【0061】
なお、本実施の形態のナビゲーション装置20で用いる価格データベース14および価格データベース19は、図2に示す第1の実施の形態に係るナビゲーションシステム1の場合と実質的に同一であるので、ここではその説明を省略する。
【0062】
次に、第2の実施の形態に係るナビゲーション装置21およびセンター15を有するナビゲーションシステム20の動作について説明する。
ここでは、給油地点を決定するため、制御部6で実行される処理を図9に示すフローチャートに基づき説明する。
このフローチャートは、経路探索手段9で目的地までの経路が決定される度に実行される。具体的には、入力部3から経路の探索が指示された場合や、経路探索手段9により車両が経路を外れた際に自動的に経路の再探索が行われる場合などに実行される。
なお、ここでも、所定の条件として最も価格が低いガソリンスタンドを購入できる地点を決定することが挙げられているものとする。
【0063】
まず、価格データ取得手段11が、経路探索手段9で決定した現在地または出発地から目的地までの経路が決定すると、続いて帰宅経路探索処理を実行する(ステップS21)。
この処理では、目的地から自宅までの帰宅経路が探索される。
【0064】
次に、価格データ取得手段11が経路の区間分割処理を実行する(ステップS22)。
この処理では、現在地から目的地までの経路に加えて、帰宅経路探索処理(ステップS21)により決定された自宅までの帰宅経路も含めた経路が、価格データベースでの区分(ここでは、地域と道路による区分)に合わせてそれぞれの区間に分割される。
【0065】
経路53を区間に分割した例を図10に示す。この例は、現在地51が東京都青梅市、目的地52が新潟県塩沢町、自宅54が東京都豊島区である場合を示している。経路53は、市町村が変わる地点、および道路が変わる地点で分割され、全部で47個の区間に分けられる。それぞれの区間には一意な区間番号61が付与される。
【0066】
続いて、価格データ取得手段11が、価格データ取得処理を実行する(ステップS23)。
この処理では、センター15のデータベース記憶部18の価格データベース19から通信により、上記各区間のガソリンの価格データが取得される。
すなわち、ナビゲーション装置21は、経路の区間分割処理(ステップS22)で分割された区間のそれぞれにつき、市町村名と道路名に関する情報を通信部8からセンター15に送信する。センター15は、通信部16で受信した市町村名と道路名に合致する区間のガソリンの価格データを通信部16からナビゲーション装置21に送信する。
ナビゲーション装置21の価格データ取得手段11は、受信した価格データを地図データ記憶部5の価格データベース14に記憶させる。
【0067】
図11に、このようにして価格データ取得手段11が取得した価格データ63の例を示す。図11では全部で47個の区間番号61のそれぞれに対応して、価格データ63が取得されている。そして、価格データ63には、地域名、道路名、価格がそれぞれ記録されている。
【0068】
なお、あらかじめ自宅付近でよく利用するガソリンスタンドのガソリン価格とその給油地点を利用者が入力部3に入力すると、燃料価格登録手段27が、そのガソリン価格や地点に関するデータを価格データベース14に記憶させて登録し、自宅付近の区間については、センター15より受信した価格データに代えて上記登録したガソリン価格を使用するようにしても良い。なお、この場合、燃料価格登録手段27により自宅付近の燃料の価格データが登録されたとき、給油地点決定手段13は、燃料補給なしに帰宅できるか否かを判定し、この結果を出力部7に表示するようになっている。
【0069】
次に、給油地点決定手段13が、最適区間決定処理を実行する(ステップS24)。
この処理は、経路の区間分割処理(ステップS22)により分割された区間の中から、ガソリンの価格が低い区間が最適区間として決定される。ただし、最も価格が低い区間まで残りのガソリンで到達できるとは限らないので、到達可能範囲算出手段25で算出された到達可能な範囲内で最も価格が低い区間が最適区間として決定されるようにしてある。
【0070】
図12に、給油地決定手段13で実行される最適区間決定処理の手順を、より詳細に示したフローチャートを示す。
まず、燃費算出手段24が、残燃料センサ22および走行距離センサ23でそれぞれ計測した信号に基づいて燃費算出処理(ステップS31)を実行する。
すなわち、残燃料センサで計測したガソリンの残量から算出した燃料消費量と走行距離センサで計測した走行距離とを用いて、走行距離を燃料消費量で割り算することで燃費が算出される。
【0071】
次に、可能到達範囲算出手段25が、到達可能距離算出処理を実行する(ステップS32)。
この処理では、燃費算出処理(ステップS31)で算出された燃費に基づき、このままガソリンの補給なしに経路上を走行した場合、残りのガソリンで何キロメートル先まで到達可能かといった到達可能距離を算出する。この到達可能距離は、燃費×ガソリンの残量といった計算式を用いて算出可能である。
【0072】
次に、ガソリン価格が低い順位を表すNが、1に設定される(ステップS33)。
続いて、残りのガソリンでN番目に価格が低い区間に到達できるか否かが判定される(ステップS34)。
そして、現在地からN番目に価格が低い区間までの距離が、到達可能距離算出処理ステップ(ステップS32)で算出した到達可能距離未満であれば、N番目に価格が低い区間を最適区間として決定されて(ステップ35)、処理が終了される。
【0073】
そうでなければ、Nが1だけ増やされて(ステップS36)、再度、残りのガソリンでN番目に価格が低い区間に到達できるかが判定される(ステップS34)。
このように現在地からN番目に価格が低い区間までの距離が到達可能距離未満になるまで、Nを1から1ずつ増やして最も価格が低い区間から次に価格が低い区間へと順次検討していき、到達可能範囲内にある最も価格が低い区間がみつかったら処理が終了される。
【0074】
図11の例では、最もガソリン価格が低いのは「東京都豊島区、環七通り」であるが、残りのガソリンではこの区間(区間番号61が「47」である区間)まで到達できない場合、次にガソリン価格が低い「埼玉県鶴ヶ島市、国道407号」が最適区間としてとりあえず決定される。そして、残りのガソリンでこの区間(区間番号61が「7」である区間)まで到達可能だと判定された場合、この「埼玉県鶴ヶ島市、国道407号」が最適区間として決定される。
【0075】
上記のようにして最適区間決定処理(ステップS24)により最適区間が決定されると、次は最適なガソリンの給油量を得るため、給油量算出手段26が、最適給油量算出処理を実行する(ステップS25)。
この処理では、価格データ取得手段11の最適区間決定処理(ステップS24)で決定された区間内にあるガソリンスタンドで給油するガソリンの給油量が算出される。
【0076】
この場合、最適区間決定処理(ステップS24)で最もガソリン価格が低い区間が決定された場合には、満タンまで給油するように出力部7が表示される。
しかし、最適区間決定処理(ステップS24)で最もガソリン価格が低い区間が到達可能範囲外にあり、その区間の手前にあり最もガソリンの価格が低い区間でない区間が決定された場合、到達可能範囲外でガソリンの補給により新たに到達可能範囲となる経路の沿線で最も低い価格となる区間に到達するのに最低限必要なガソリンの給油量が算出され、その最低限必要なガソリンの給油量が出力部7にて表示される。すなわち、とりあえずガソリンを補給して、さらに価格が低い区間まで行って再給油するのに最低限必要なガソリンの給油量が算出されることになる。
【0077】
この給油量算出手段26で実行する最適給油量算出処理の手順を、より詳細に図13のフローチャートに基づき説明する。
まず、給油量算出手段26は、給油地点決定手段13の最適区間決定処理(ステップS24)により決定された最適区間が、経路上で最も価格が低い区間であるか否かを判定する(ステップS41)。最も価格が低い区間の場合、給油量を満タンにするように決定されて(ステップS42)、処理が終了される。そうでない場合、経路上の最適区間より先の区間が順に調査され、最適区間よりガソリン価格が低い区間を見つける手順に入るようになる。
【0078】
すなわち、最適区間の区間番号Mが1だけ増やされ(ステップS43)、現在調査対象としている区間番号Mのガソリン価格が最適区間のガソリン価格より低いか否かが判定される(ステップS44)。この判定の結果、現在調査対象としている区間番号Mのガソリン価格が最適区間のガソリン価格より低いと判定されたときには、現在地から区間番号Mの区間に到達するために不足しているガソリン量が最適な給油量として決定され(ステップS46)、処理が終了される。
一方、そうでないときには、区間番号Mに1が加えられたものが新たな区間番号Mとされて(ステップS45)調査対象が次の区間に進められ、再び上記判定が行なわれ(ステップS44)、最適な給油量が決まるまでこの判定が繰り返される。
【0079】
この最適給油量算出処理の結果、たとえば、到達範囲外の最も価格が低い区間番号の区間までに到達するために必要な燃料が40リットルであり、ガソリンの現在の残量が30リットルであったとすれば、最適な給油量は10リットルとされる。
図11の例では、最適区間決定処理(ステップS24)で最適区間として区間番号61が「7」の「埼玉県鶴ヶ島市、国道407号」が決定されており、最適給油量算出処理(ステップS25)では区間番号61が「47」の「東京都豊島区、環七通り」まで到達するために不足しているガソリンの量が算出され、最適な給油量となる。
【0080】
次に、給油地点決定手段13が、区間内店舗検索処理(ステップS26)を実行する。
この処理では、最適区間決定処理(ステップS24)により決定された区間内の各ガソリンスタンドが検索される。図11の例では、埼玉県鶴ヶ島市の国道407号沿線にある各ガソリンスタンドが検索され、その中で最も価格が低いガソリンスタンドが決定される。
【0081】
最後に、給油地点決定手段13と出力部7とで案内表示処理(ステップS27)を実行する。
この処理では、給油地点決定手段13で決定したガソリンの給油地点に関する案内情報が出力部7に表示される。
【0082】
この案内表示画面70の例を図14に示す。
同図に示すように、案内表示画面70の左半分には、最適区間決定処理(ステップS24)で決定された区間を含む地図71が出力部7に表示され、地図71上に区間内店舗検索処理(ステップS26)で検索されたガソリンスタンド72が併せて表示される。
また、案内表示画面70の右半分に、ガソリン給油区間に関する情報75や、その区間でのガソリン価格76が表示される。また、推奨給油量10リットルとして、最適給油量算出処理(ステップS25)で算出した最適な給油量が表示される。図14の案内表示画面70は、車両がガソリン給油区間に近づいたときにも再度表示されるようになっている。
【0083】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーションシステム20によれば、ガソリン不足のため経路の沿線で最も価格が低い区間のガソリンスタンドに到達できない場合にも、その手前で必要最低限の量だけガソリンを給油補給し、その後最も価格が低いガソリンスタンドまで走行して再給油することができるので、ガソリン代を節約することができる。
【0084】
次に、本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーションシステムについて、図面を参照しながら説明する。
図15に示すように、本実施の形態に係るナビゲーションシステム30は、ナビゲーション装置28とセンター32を有する。なお、これらにあっては、図8に示した第2の実施の形態のナビゲーションシステム20と実質的に同一の部分には、同一の番号を付し、それらの説明を省略する。
【0085】
本実施の形態のナビゲーションシステム30では、センター32のデータベース記憶部18が車両別の燃費データを記憶する燃費データベース33を備え、かつナビゲーション装置28が、センター32の燃費データベース33から通信によって燃費データを取得する燃費データ取得手段29と、車両の速度を検出する車速センサ31とを備えている点が、図8に示した第2の実施の形態に係るナビゲーションシステム20と異なる。
なお、本実施の形態のナビゲーションシステム30も、購入対象商品が車両の燃料の場合に限られ、ここでもガソリンを購入する場合を例に説明する。
【0086】
価格データベース19は、図2に示した第1の実施の形態のセンター15および第2の実施の形態に係るセンター15の価格データベース19と同一であるので、その説明を省略する。
燃費データベース33は、データベース記憶部18に記憶され、車両メーカー、車種、形式ごとに区分した各車両の燃費データを管理するためのデータベースである。燃費データベース33の例を図16に示す。燃費データには、それぞれ車両のメーカー名81、車種名82、形式83、平均燃費84、高速燃費85、郊外燃費86、市街地燃費87が記録されている。たとえば、第1件目の燃費データ88の場合は、メーカー名81に「A」、車種名82に「C」、形式83に「AC1」、平均燃費84に「13.5」、高速燃費85に「15.2」、郊外燃費86に「14.5」、市街地燃費87に「11.4」がそれぞれ記録されている。
【0087】
次に、第3の実施の形態に係るナビゲーションシステム30の動作について、説明する。
ここでは、ナビゲーション装置28とセンター32とで燃費データや給油情報を利用し合うため、これら間でのデータや情報の送受信や登録等を中心に説明する。
【0088】
ナビゲーション装置28側では、走行により燃費算出手段24で計測して算出した燃費および給油したときに入力部3から入力されたガソリンの価格や給油位置に関する給油情報を、ナビゲーション装置28の通信部8からセンター32へ送信する。センター32は、通信部16で受信した燃費や給油情報を用いて、ガソリン燃料の価格データベース19や燃費データベース33の更新を適宜行う。
すなわち、ナビゲーション装置28では、ガソリンを給油する度に給油情報をセンター32へ登録するようになっている。
【0089】
このナビゲーション装置28とセンター32とで各々実行される給油時のデータ登録につき、図17に示すフローチャートに基づき説明する。
まず、ナビゲーション装置28では、燃費算出手段24が、残燃料センサ22で計測した燃料の残量、走行距離センサ23で計測した走行距離、および車速センサ31で計測した車速に基づいて燃費算出処理を実行する(ステップS51)。
なお、ここでは燃費の算出は、車両の平均速度別に燃費を算出する形態とされている。このように、平均速度別に燃費を算出するのは、平均速度が走行する道路によって一般に異なることから、道路の種別を推測できるからである。
【0090】
すなわち、たとえば、車速センサ31で検出した車速が毎時70キロメートル以上となる区間では、残燃料センサ22と走行距離センサ23とでそれぞれ計測した、この区間の走行距離と同区間を走行した際に減少した燃料の量である燃料消費量とに基づいて、高速走行時の燃費である高速燃費が算出される。
同様に、車速センサが毎時40キロ以上かつ70キロメートル未満の区間では、郊外を走行しているものとして、郊外燃費が算出される。車速センサが毎時30キロメートル未満の区間では、市街地を走行しているものとして、市街地燃費が算出される。
【0091】
これらの燃費データは、ナビゲーション装置28の地図データ記憶部5の一部あるいは他の記憶デバイス(図示せず)に記憶される。このように残燃料センサ22、走行距離センサ23、および車速センサ31等を用いて、車両の走行中に逐次各種燃費を更新して記憶しておけば、燃費算出処理を実行する際には、燃費算出処理をその都度行わなくてもよく、車速センサ31で計測した車速に対応する記憶された燃費データを記憶デバイスから取り出すだけで済み、常時燃費を計測する必要がない。
【0092】
次に、給油情報入力処理を実行する(ステップS52)。
この処理では、入力部3から各種情報が入力される。入力内容には、少なくとも給油量、ガソリン価格、ガソリンスタンドの位置情報が含まれる。なお、ガソリンスタンドの位置情報に関しては、現在位置検出部4で検出した現在位置情報等によって取得し、自動的に入力される構成としても良い。
【0093】
次に、燃料価格登録手段27が、通信部8を利用して給油情報等のデータ送信処理を実行する(ステップS53)。
ここでは、燃料価格登録手段27に燃費算出手段24で算出した燃費も、燃料価格登録手段27を利用してセンター32に送信されるようにする。
すなわち、この処理では、燃費算出処理(ステップS51)で算出された燃費と、給油情報入力処理(ステップS52)で入力された給油量、ガソリン価格、ガソリンスタンドの位置情報と、車両の形式情報および燃費情報とが通信部8からセンター32に送信される。なお、車両の形式情報は、あらかじめナビゲーション装置28に記憶させてある。
以上で、ナビゲーション装置28側の処理が終了する。
【0094】
一方、センター32側では、通信部16によってナビゲーション装置28から送信された燃費データや給油情報等を受け取るため、制御部17がデータ受信処理を実行する(ステップS61)。
【0095】
次に、制御部17が、データベース記憶部18に設けられたデータベース19の燃料価格のデータ更新処理を実行する(ステップS62)。
この処理では、データ受信処理(ステップS61)によって受信された情報のうち、ガソリンスタンドの位置情報から、燃料の価格データベースの地域名と道路名が特定され、同じくデータ受信処理(ステップS61)で受信された給油量とガソリン価格に基づいて、価格データベース19中の対応する価格データが更新される。
【0096】
次に、制御部17が、データベース記憶部18に設けた燃費データベース33の燃費データの更新処理を実行する(ステップ63)。
この処理では、データ受信処理(ステップS61)によって受信された、車両の形式に対応する燃費データが、同じくデータ受信処理(ステップS61)で受信された燃費データに基づいて、たとえばそれまで蓄積した同形式の車両の燃費とで平均処理されて得られる値に更新される。
【0097】
一方、ナビゲーション装置28の給油地点案内手段13は、第2の実施の形態に係るナビゲーション装置21の場合と同様に図9に示したフローチャートの手順を実行する。また、価格データ取得手段11での最適区間決定の処理は、図12示したフローチャートに、給油量算出手段26の最適給油量算出の処理は、図13に示したフローチャートにしたがってそれぞれ実行される。
【0098】
また、ナビゲーション装置28の燃費データ取得手段29は、通信部8から自車両の形式等の情報とともに、その形式に対応する燃費データの要求を送信すると、センター32では通信部16で受信した車両の形式等の情報に基づいて燃費データベース33から対応する燃費データを読み出し通信部16からナビゲーション装置28へ送信する。
その結果、ナビゲーション装置28は、センター32から取得した燃費データと自車両の燃費データとを比較して、自車両の状態や自身の運転方法についての参考とすることができる。また、走行距離が短く燃費の算出が十分でないときにもセンター32から取得した燃費データを利用して到達可能範囲算出手段25で到達可能距離の算出を実行できるようになる。
【0099】
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーション装置28とセンター32を有するナビゲーションシステム30によれば、センター32は、多くのナビゲーション装置から送信されてくるガソリンの価格データや車種別の燃費データに基づいて価格データベース19や燃費データベース33の各データを更新することができるので、ナビゲーション装置28やその他のナビゲーション装置は、常に最新のガソリン価格や燃費データをセンター32から取得することができ、より正確に給油場所や給油量につき案内することができる。
【0100】
なお、本発明のナビゲーションシステムは、上記各実施の形態のナビゲーションシステム1、ナビゲーションシステム20、ナビゲーションシステム30に限られず、以下のような変更や修正をしてもよい。
すなわち、ナビゲーション装置は、車載専用ナビゲーション装置に限られず、GPS付携帯電話やパーソナルコンピュータ等を用いるようにしてもよい。
【0101】
また、第2、第3の実施の形態のナビゲーションシステム20とナビゲーションシステム30の燃費算出手段24は、種々の走行条件ごとの燃費を算出してもよく、経路が通過する道路の道路種別、道路勾配、平均走行速度のうちの少なくとも1つ以上に応じて分類した道路ごとに燃費を算出するようにしてもよい。また、VICS等により、渋滞予測などの情報を入手して渋滞度も考慮しながらそれぞれ状況に応じて算出した燃費を使ってもよく、これらの場合、より精度の高い到達可能距離を算出することができる。
【0102】
また、燃費を算出する方法は、いくつかの形態が考えられ、残燃料センサ22と走行距離センサ23とからの情報を利用して自動的に燃費を算出する形態の他にも、満タン給油時に給油量と走行距離を利用者が入力部3から入力して燃費算出手段24で燃費を算出する形態、ジャイロや上下方向の振動センサなどを利用した路面センサで検出した走行路面状況を考慮したり、また各種センサの情報と地図データを使用して道路種別(高速道路、主要道路、細街路)、道路勾配を考慮したりして、異なる走行状況ごとに燃費をより高い精度で算出する形態などがあり、いずれの方法を用いてもよい。
【0103】
また、第2、第3の実施の形態に係るナビゲーション装置21やナビゲーション装置28と、センター15やセンター32との間の燃費データ、給油情報、価格データ等の授受は、無線の代わりに、センター15やセンター32の外部からパーソナルコンピュータなどを利用してインターネットなどで新たな価格データを転送するようにしてもよい。なお、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置21やナビゲーション装置28との間は、SDメモリカードやCD−Rなどの着脱自在な記憶媒体を利用してもよい。
【0104】
また、上記各実施の形態のナビゲーションシステム1、ナビゲーションシステム20、およびナビゲーションシステム30にあっては、経路探索手段9および経路案内手段10をナビゲーション装置側に設けずに、センター側に設けてナビゲーション装置から受信した目的地などの情報に基づいてセンター側で経路を探索したり、経路案内情報を作成したりしてナビゲーション装置へ送信し、これらをナビゲーション装置が出力するようにしてもよい。
【0105】
また、センター側に、地点決定手段12、給油地点決定手段13、燃費算出手段24、到達可能範囲算出手段25、給油量算出手段26などを設けるとともに、ナビゲーション装置側にはそれらを設けず、代わりに車種情報と残燃料センサで計測された燃料の残量の情報をセンターに送信するとともに燃料が最も低いことなどの所定の条件を満たす給油地点の案内情報を前記センターに要求して取得する地点情報取得手段(図示せず)を設けるようにしてもよい。
この場合、入力部3から目的地、所定の条件、車種情報、燃料残量の情報等を入力し、地点情報取得手段がセンターへ送信すると、経路沿線で所定の条件を満たす商品やサービスを購入可能な地点や燃料の給油量に関する案内情報をセンター側で決定してナビゲーション装置に送信するようにしてもよい。これにより、ナビゲーション装置側を、簡単、コンパクト、かつ安価な構成にすることができる。
【0106】
また、現在位置検出部4もナビゲーション装置側に設けず、ナビゲーション装置が、受信したGPS信号情報や携帯電話での受信電波情報等をセンター側へ送信し、センター側がこれらに基づいて現在位置を演算し、その結果をナビゲーション装置側に送信するようにしてもよい。
また、ナビゲーション装置が現在位置を検出できないものであってもよい。この場合、ナビゲーション装置の入力部3で出発地および目的地などの探索条件を入力してセンター側へ送信し、経路情報や地点案内情報等をセンター側から受信するようにしてもよい。ただし、この場合は現在位置が表示されないことになるが、案内すべき経路や地点案内情報をナビゲーション装置側で表示できるので、その表示情報にしたがってその地点まで移動することができる。
【0107】
また、第3の実施の形態のナビゲーション装置28にあっては、燃費算出手段24を設けなくともよい。この場合、燃費データ取得手段29でセンター32から車両の形式に対応し燃費データを取得すれば、到達可能範囲の算出等に利用することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、より安い価格で商品を購入したり、あるいはサービスを受けることができる地点へ案内可能なナビゲーション装置およびナビゲーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置とセンターとの構成を示すブロック図
【図2】ガソリンの価格データベースの例を示す図
【図3】図1のナビゲーション装置で実行する商品購入地点案内のためのフローチャート
【図4】経路を区分分割した例を示す図
【図5】図1のナビゲーション装置がセンターから取得した価格データの例を示す図
【図6】ガソリン価格案内画面の例を示す図
【図7】地点案内表示画面の例を示す図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーション装置とセンターとの構成を示すブロック図
【図9】図8のナビゲーション装置で実行される給油地点案内のためのフローチャート
【図10】経路を区分分割した例を示す図
【図11】図8のナビゲーション装置がセンターから取得した価格データの例を示す図
【図12】図9のフローチャート中の最適区間決定処理をより詳細に示すフローチャート
【図13】図9のフローチャート中の最適給油量算出処理をより詳細に示すフローチャート
【図14】地点案内表示画面の例を示す図
【図15】本発明の第3の実施の形態に係るナビゲーション装置とセンターとの構成を示すブロック図
【図16】燃費データベースの例を示す図
【図17】ナビゲーション装置からセンターへ燃費データを登録処理するためのフローチャート
【符号の説明】
1、20、30 ナビゲーションシステム
2、21、28 ナビゲーション装置
3 入力部(入力手段)
6 制御部(経路探索手段、経路案内手段、価格データ取得手段、地点決定手段、給油地点決定手段、燃料算出手段、到達可能算出手段、給油量算出手段、燃料価格登録手段、燃費データ取得手段)
7 出力部(案内表示手段)
8 通信部(通信手段)
9 経路探索手段
10 経路案内手段
11 価格データ取得手段
12 地点決定手段
13 給油地点決定手段
14、19 価格データベース
15、32 センター
16 通信部(通信手段)
17 制御部(経路探索手段、経路案内手段、価格データ取得手段、地点決定手段、給油地点決定手段、燃料算出手段、到達可能算出手段、給油量算出手段、燃料価格登録手段、燃費データ取得手段)
22 残燃料センサ
23 走行距離センサ
24 燃費算出手段
25 到達可能範囲算出手段
26 給油量算出手段
27 燃料価格登録手段
29 燃費データ取得手段
33 燃費データベース
50、53 経路
52 目的地
54 自宅
62、63 価格データ

Claims (23)

  1. 目的地を示す信号を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記信号に応答して目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
    商品が販売されている地点および前記商品の販売価格が関連づけられた価格データとサービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格が関連づけられた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶する価格データベースから前記経路探索手段によって探索された経路の沿線にある地点の前記価格データを取得する価格データ取得手段と、
    前記価格データ取得手段によって取得された価格データに基づいて前記経路の沿線において所定の条件を満たす価格で前記商品が販売または前記サービスが提供される地点を決定する地点決定手段と、
    前記地点決定手段で決定した前記地点に関する案内情報を表示する案内表示手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 前記価格データ取得手段は、前記価格データを記憶し着脱自在な記憶媒体を介して前記価格データを取得することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
  3. 前記価格データ取得手段は、外部に設置されて前記価格データベースを保持するセンターから通信によって前記価格データを取得することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
  4. 前記価格データベースは、前記価格データを地域および道路ごとに区分して保持し、前記価格データ取得手段は、前記経路が通過する地域および道路に応じた価格データを取得することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  5. 前記価格データは、燃料の価格データであり、前記地点決定手段は、最も価格が低い給油地点を決定する給油地点決定手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  6. 前記給油地点決定手段は、現在地または出発地から前記目的地までの経路と前記目的地から自宅までの帰宅経路とを含めた経路中で最も価格が低い給油地点を決定することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
  7. 燃費を算出する燃費算出手段と、前記燃費算出手段で算出した燃費に基づいて車両が到達可能な範囲を算出する到達可能範囲算出手段とを備え、前記給油地点決定手段が前記到達可能範囲算出手段で算出された到達可能範囲内で最も価格が低い給油地点を決定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のナビゲーション装置。
  8. 前記燃費算出手段は、車両に取り付けた燃料タンク中の燃料の残量を計測する残燃料センサと、車両の走行距離を計測する走行距離センサとを備え、前記残燃料センサにより計測された燃料の残量に基づいて算出した燃料消費量と前記走行距離センサにより計測された走行距離とを用いて燃費を算出し、前記到達可能範囲算出手段は、前記燃費算出手段で算出された燃費と前記残燃料センサにより計測された燃料の残量とに基づいて前記到達可能範囲を算出することを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。
  9. 前記燃費算出手段は、道路種別、道路勾配、平均走行速度のうちの少なくとも1つに基づいて道路を区分し、前記区分された道路ごとに燃費を算出することを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  10. 前記到達可能範囲算出手段は、車速センサにより計測された車両の平均速度および路面センサにより計測された路面状況のうちの少なくとも1つと残燃料センサによって計測された燃料の残量とに基いて前記到達可能範囲を逐次更新し、前記給油地点決定手段は、前記更新された到達可能範囲を用いて前記給油地点を逐次更新することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  11. 前記給油地点決定手段は、前記経路の沿線で最も価格が低い給油地点が前記到達可能範囲外にあると判定したとき、前記到達可能範囲内において最も燃料の価格が低い給油地点を決定するとともに、前記到達可能範囲内における燃料補給により新たな到達可能範囲となる前記到達可能範囲外の前記経路の沿線で最も燃料の価格が低い給油地点に到達するために最低限必要な燃料の給油量を算出する給油量算出手段を有し、前記案内表示手段は、前記給油量算出手段で決定された給油地点と前記燃料の給油量とを表示することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  12. 自宅付近の燃料の価格を登録するための燃料価格登録手段を備え、前記給油地点決定手段は、前記燃料価格登録手段により前記自宅付近の燃料の価格の登録があったときは前記燃料補給なしに帰宅できるか否かを判定し、前記案内表示手段は、前記給油地点決定手段によって判定された結果を表示することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  13. 車両から離れた外部に設置されて前記燃料データベースを保持するセンターとの間で通信する通信手段と、前記通信手段を介して前記センターの燃料データベースから前記車両の車種に応じた燃費データを取得する燃費データ取得手段を備えたことを特徴とする請求項7から請求項12のいずれかに記載のナビゲーション装置。
  14. 商品が販売されている地点および前記商品の販売価格を関連づけた価格データとサービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格を関連づけた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶する価格データベースを有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、
    前記ナビゲーション装置は、前記目的地を入力するための入力手段と、前記経路の沿線にある地点での価格データを前記センターに要求して取得する価格データ取得手段と、前記価格データ取得手段で取得した前記価格データを用いて前記経路の沿線で所定の条件を満たす価格となる地点を決定する地点決定手段と、前記地点決定手段で決定した地点に関する案内情報を表示する案内表示手段とを有し、
    前記センターは、前記ナビゲーション装置から要求された前記価格データを前記ナビゲーション装置に送信する通信手段を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  15. 燃料の価格データを記憶するための価格データベースを有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、
    前記ナビゲーション装置は、前記経路の沿線の価格データを前記センターに要求して取得する価格データ取得手段と、前記価格データを用いて前記経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点を決定する給油地点決定手段と、前記給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、
    前記センターは、前記ナビゲーション装置から要求された前記価格データを前記ナビゲーション装置に送信する送信手段を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  16. 燃料の価格データを記憶するための価格データベースを有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、
    前記ナビゲーション装置は、前記経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点の案内情報を前記センターに要求して取得する地点情報取得手段と、前記地点情報取得手段により取得した給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、
    前記センターは、前記価格データベースを用いて前記ナビゲーション装置から要求され前記所定の条件を満たす価格の給油地点を決定する給油地点決定手段と、前記給油地点決定手段により決定された給油地点の案内情報をナビゲーション装置に送信する通信手段を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  17. 燃料の価格データを記憶するための価格データベースと車種別の燃費データを記憶するための燃費データベースとをそれぞれ有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、
    前記ナビゲーション装置は、前記経路の沿線にある地点の価格データを前記センターに要求して取得する価格データ取得手段と、前記燃費データを前記センターに要求して取得する燃費データ取得手段と、前記燃費データ取得手段により取得した燃費データを用いて車両の到達可能範囲を算出する到達可能範囲算出手段と、前記価格データ、前記燃費データおよび前記到達可能範囲を用いて前記経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点を決定する給油地点決定手段と、前記給油地点決定手段により決定された給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、
    前記センターは、前記ナビゲーション装置から要求された前記価格データおよび前記燃費データを前記ナビゲーション装置に送信する送信手段を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  18. 燃料の価格データを記憶するための価格データベースと車種別の燃費データを記憶するための燃費データベースとをそれぞれ有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、
    前記ナビゲーション装置は、車種情報と残燃料センサで計測された燃料の残量の情報を前記センターに送信するとともに前記経路の沿線で所定の条件を満たす給油地点の案内情報を前記センターに要求して取得する地点情報取得手段と、前記地点情報取得手段により取得された給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、
    前記センターは、前記車種情報に基づいて前記燃料データベースから読み出した燃費データと前記燃料の残量の情報を用いて車両の到達可能範囲を算出する到達可能範囲算出手段と、前記価格データ、前記燃費データおよび前記到達可能範囲を用いて前記経路の沿線で前記所定の条件を満たす給油地点を決定する給油地点決定手段と、前記給油地点決定手段により決定された給油地点の案内情報をナビゲーション装置に送信する通信手段とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  19. 燃料の価格データを記憶するための価格データベースと車種別の燃費データを記憶するための燃費データベースとをそれぞれ有するセンターと、目的地までの経路を案内するナビゲーション装置とを備え、
    前記ナビゲーション装置は、車種情報と残燃料センサで計測された燃料の残量の情報を前記センターに送信するとともに前記経路の沿線で最も価格が低い給油地点の案内情報を前記センターに要求して取得する地点情報取得手段と、前記地点情報取得手段により取得された給油地点の案内情報を表示する案内表示手段とを有し、
    前記センターは、前記車種情報に基づいて前記燃費データベースから読み出した燃費データと前記燃料の残量の情報を用いて車両の到達可能範囲を算出する到達可能範囲算出手段と、前記価格データ、前記燃費データおよび前記到達可能範囲を用いて前記経路の沿線でかつ前記到達可能範囲内にある最も価格が低い給油地点を決定する給油地点決定手段と、前記経路の沿線で最も価格の低い給油地点が到達可能範囲外にあるとき、到達可能範囲内で給油して前記到達可能範囲外の最も低い価格となる給油地点に到達するのに最低限必要な燃料の給油量を算出する給油量算出手段と、前記給油地点決定手段により決定された給油地点および前記給油量算出手段により算出された燃料給油量に関する案内情報をナビゲーション装置に送信する通信手段を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  20. 前記燃費データベースは、車両の種類および形式ごとに区分して燃費データを記憶し、前記ナビゲーション装置は、自車両で計測して算出した前記燃費データと自車両の車種データとを前記センターへ送信し、前記センターは、受信した前記燃費データと前記車種データを用いて前記燃費データベースを更新することを特徴とする請求項17乃至請求項19のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
  21. 前記ナビゲーション装置は、自車両で得た燃料の価格データと給油地点の位置データを前記センターに送信し、前記センターは、前記ナビゲーション装置から受信した前記燃料の価格データと前記給油地点の位置データとを用いて前記価格データベースを更新することを特徴とする請求項14乃至請求項20のいずれかに記載のナビゲーションシステム。
  22. 商品が販売されている地点および前記商品の販売価格が関連づけられた価格データとサービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格が関連づけられた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを記憶する価格データベースから経路沿線の価格データを取得する価格データ取得ステップと、前記取得した価格データを用いて前記経路沿線で所定の条件を満たす価格の地点を決定する地点決定ステップと、前記地点の案内情報を表示する案内表示ステップとを備えたことを特徴とするナビゲーションプログラム。
  23. 商品が販売されている地点および前記商品の販売価格が関連づけられた価格データとサービスが提供されている地点および前記サービスの提供価格が関連づけられた価格データとのうちの少なくとも一方の価格データを地域および道路ごとに区分して保持することを特徴とする価格データ記憶媒体。
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