JP2005016857A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸気や過熱蒸気によって被加熱調理物を加熱調理する最中に、外部への悪臭の放出を防止できる加熱調理装置を提供する。
【解決手段】加熱調理装置1は、加熱調理の被加熱調理物を収容する収容室4と、加熱された過熱蒸気を生成して収容室4内に送り出す蒸気送出手段5と、収容室4内に熱を与える収容室加熱手段6と、を備え、蒸気送出手段5から送り出されて収容室加熱手段6で再加熱された過熱蒸気により、被加熱調理物を加熱調理するようになっている。収容室4内と本体2の外部とを連通する排気ダクト10が配設されており、この排気ダクト10を通じて収容室4内の過熱蒸気が排出される。排気ダクト10内に脱臭機能を有する酸化触媒を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】加熱調理装置1は、加熱調理の被加熱調理物を収容する収容室4と、加熱された過熱蒸気を生成して収容室4内に送り出す蒸気送出手段5と、収容室4内に熱を与える収容室加熱手段6と、を備え、蒸気送出手段5から送り出されて収容室加熱手段6で再加熱された過熱蒸気により、被加熱調理物を加熱調理するようになっている。収容室4内と本体2の外部とを連通する排気ダクト10が配設されており、この排気ダクト10を通じて収容室4内の過熱蒸気が排出される。排気ダクト10内に脱臭機能を有する酸化触媒を設けた。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気や過熱蒸気によって被加熱調理物を調理する加熱調理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の加熱調理装置は、大きくは、被加熱調理物を収容する収容室と、加熱された過熱蒸気を生成して収容室内に送り出す蒸気送出手段と、収容室内に熱を与える収容室加熱手段と、を備え、蒸気送出手段から送り出されて収容室加熱手段で再加熱された過熱蒸気により、被加熱調理物を加熱調理するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、蒸気送出手段は、給水タンク等から供給された水をヒータ等の熱源で沸騰させて飽和蒸気を生成し、この飽和蒸気をヒータ等の熱源で更に加熱して100℃以上の過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気を被加熱調理物が収容された収容室内に送り出す。続いて、収容室加熱手段は、例えばヒータ等の熱源と送風ファンで構成されていて、熱源を介した送風ファンからの熱風を収容室内に循環させて均等に熱を与える。これにより、収容室内に送り出された蒸気送出手段からの過熱蒸気は所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理される。このような加熱調理、すなわち蒸気送出手段及び収容室加熱手段の駆動は、被加熱調理物に適した所定の時間行われる。
【0004】
このような過熱蒸気を用いた加熱調理装置は、加熱調理中に収容室内が高温の過熱蒸気で満たされることから、被加熱調理物をラップしなくても、潤いのある状態に仕上げることができるため、冷凍食品の解凍や冷めた食品の温め直しに好適であるが、勿論オーブンや蒸し器としても活用できる。また、過熱蒸気は乾燥した加熱空気よりも熱伝達率が高いので、例えば熱風そのものを被加熱調理物に与えて加熱調理するものと比較して、加熱調理の時間を短縮できるという利点がある。更に、加熱調理中の収容室内は無酸素状態に近くなるため、被加熱調理物の酸化を低減できるという利点もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−4849号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような加熱調理装置では、加熱調理中に蒸気送出手段から継続的に新鮮な過熱蒸気が収容室内に送り出されるため、一方では収容室内の過熱蒸気を本体の外部へ排出する必要がある。そのため、従来一般の加熱調理装置では、収容室内と本体の外部とを連通する排気ダクトが設けられていた。しかし、例えば肉や魚といった匂いの強い被加熱調理物を加熱調理する場合、収容室内の過熱蒸気にその被加熱調理物の匂い成分が一部取り込まれてしまうが、この臭気を含む過熱蒸気が排気ダクトからそのまま排出されて放出されると、悪臭となって周囲の環境に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
また、このような加熱調理装置では、加熱調理中に収容室内が高温の過熱蒸気で満たされるため、その過熱蒸気が不用意に外部へ漏出すると、加熱効率が低下するばかりか、極めて危険であるという問題がある。例えば、一般には、収容室へ被加熱調理物を出し入れするための開口が形成された本体の一面(例えば前面)に対し、一側を支軸に回動して開閉される扉が設けられているが、この扉には使用者が直接触れたり顔を近づけたりする機会が多いため、加熱調理中に不用意に開くことなく気密性の高い構造が強く要求される。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、蒸気または過熱蒸気によって被加熱調理物を加熱調理する最中に、外部への悪臭の放出を防止できる加熱調理装置を提供することをその目的とするものである。また本発明の目的は、加熱調理中に高温の過熱蒸気の不用意な漏出を防止できる加熱調理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による加熱調理装置は、被加熱調理物を収容する収容室と、該収容室に蒸気または過熱蒸気を送り出す蒸気送出手段と、前記収容室と本体外部とを連通する排気ダクトと、を備え、前記蒸気送出手段から送り出された蒸気または過熱蒸気により被加熱調理物を調理する加熱調理装置において、前記排気ダクト内に酸化触媒を設けたことを特徴とする。これにより、加熱調理中、臭気を含有した収容室内の蒸気または過熱蒸気が排気ダクトを通じて排出されるが、その臭気が酸化触媒で分解されて脱臭されるため、外部へ悪臭が放出されにくくなる。
【0010】
更に、前記排気ダクトの排気経路における前記酸化触媒の上流に、前記排気ダクト内に外気を導入する外気導入手段を設けたことを特徴とする。排気ダクト内に外気が導入されることにより、臭気含有の蒸気または過熱蒸気は酸素濃度が高められ、酸化触媒の脱臭効率低下が抑制されて、外気を導入しないものに対し脱臭効果が改善される。
【0011】
また上記目的を達成するための本発明の加熱調理装置は、被加熱調理物を収容する収容室と、該収容室に過熱蒸気を送り出す蒸気送出手段と、を備え、前記蒸気送出手段から送り出された過熱蒸気により、被加熱調理物を調理する加熱調理装置において、前記収容室へ被加熱調理物を出し入れするための開口が形成された本体の一面に対し、一側を支軸に回動して開閉される扉が配設され、この扉の内面における縁部にパッキンが敷設されており、前記扉を閉じた際に前記パッキンを本体の前記一面に圧接させるパッキン圧接手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
これにより、加熱調理中、高温の過熱蒸気で満たされた収容室に通じる開口は扉で閉じられるが、その際、開口の形成された本体の一面と扉の内面とが、圧接されたパッキンによって気密にされるため、ここから過熱蒸気が不用意に漏出することはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳述する。先ず、本発明の第1実施形態である加熱調理装置について説明する。図1は第1実施形態の加熱調理装置の外観を示す斜視図、図2はその加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。なお、図中、同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0014】
加熱調理装置1は、直方体状の本体2と、この本体2の前面2aに対して下側を支軸に回動して開閉する扉3と、で外形が構成されている。本体2は、被加熱調理物を収容する収容室4を有しており、この収容室4には本体2の前面2aに形成された開口2bから被加熱調理物が出し入れされる。また、本体2は、加熱された蒸気または過熱蒸気を生成して収容室4内に送り出す蒸気送出手段5と、収容室4内に熱を与える収容室加熱手段6と、を備えている。
【0015】
ここで、蒸気送出手段5は、給水タンク(不図示)から供給された水を熱源である第1のヒータ(不図示)で沸騰させて飽和蒸気を生成し、この飽和蒸気を熱源である第2のヒータ(不図示)で更に加熱して100℃以上の過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気を被加熱調理物が収容された収容室4内に送り出すものである。本実施形態では、蒸気送出手段5からの過熱蒸気は、収容室4の右側壁の上部に形成された吸気口4aから、収容室4内に送り出される。
【0016】
収容室加熱手段6は、収容室4の奥側壁に配設された熱源である第3のヒータ7と送風ファン8で構成されていて、第3のヒータ7を介した送風ファン8からの熱風を収容室4内に循環させて均等に熱を与えるものである。この収容室加熱手段6により、収容室4内に送り出された蒸気送出手段5からの蒸気または過熱蒸気は所定の温度に再加熱され、この蒸気または過熱蒸気によって被加熱調理物が調理される。
【0017】
なお、本体2は、加熱調理装置1全体の運転制御を行う制御部(不図示)を備えていて、この制御部に対する指令は、本体2の前面2aの右端部分に配設された操作パネル9への入力操作によりなされる。
【0018】
また、本体2には、収容室4内と本体2の外部とを連通する排気ダクト10が配設されている。この排気ダクト10は、一端が収容室4の奥側壁の左下隅に形成された排気口4bに連結されて、本体2内における収容室4の奥側壁の裏側で上方に向けて延在し、他端が本体2の上壁から外部に開放されている。更に本実施形態では、図2に示すように、排気ダクト10内には、表面積の大きいハニカム状の酸化触媒11が設けられている。従って、加熱調理中、収容室4内の余剰の過熱蒸気は、排気口4bから排気ダクト10内に引き込まれ、酸化触媒11を経て外部へ排出される。
【0019】
引き続き、このような構成の加熱調理装置1による加熱調理の手順及び動作について説明する。先ず、扉3を開いて本体2の開口2bを開放し、加熱調理する被加熱調理物に適したグリルやラック等の支持具を収容室4の底に載置する。次いで、被加熱調理物をこの支持具上に直接、或いは容器に載せた状態で載置して収容室4に収容し、扉3を閉じる。
【0020】
扉3を閉じた後、操作パネル9で調理条件を入力する。この入力された調理条件に基づいて、制御部は、予めプログラムされている複数の調理法(加熱温度や調理時間等)の中から最適のものを抽出する。次いで、この抽出条件で蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6が駆動されるが、先ず、収容室加熱手段6が駆動されて収容室4内が加熱される。収容室4内の雰囲気が所定の温度に達した後、蒸気送出手段5が駆動されて過熱蒸気が収容室4内に送り出され、加熱調理が開始される。
【0021】
次いで、蒸気送出手段5から送り出された過熱蒸気は、収容室加熱手段6により所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理されていく。この加熱調理中は、蒸気送出手段5から継続的に新鮮な過熱蒸気が収容室4内に送り出され、一方では、収容室4内の余剰の過熱蒸気が排気ダクト10を通じて本体2の外部へ排出される。その際、排気口4bから排気ダクト10内に導入される過熱蒸気は、被加熱調理物の臭気を含有しているが、その臭気が酸化触媒11で分解されて脱臭されながら外部へと排出される。こうして、悪臭が外部へ放出されることがなくなる。なお、酸化触媒11は、臭気を分解する脱臭機能の他に脱煙機能も有することから、排煙が外部へ放出されることもない。
【0022】
そして、所定の時間が経過すると、蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6の駆動が停止され、加熱調理が終了する。その後、扉3を開き、本体2の開口2bを通じて収容室4から被加熱調理物を取り出し、一連の手順が完了する。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は第2実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。なお、図中で図1及び図2と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。後述する第3〜第5実施形態においても同様とする。
【0024】
本第2実施形態の特徴は、主として第1実施形態における酸化触媒11による脱臭効率の向上を図った点にある。つまり本実施形態では、排気ダクト10が熱伝導性の高い金属で成形されてなり、図3に示すように、排気ダクト10の排気経路における酸化触媒11の上流、すなわち排気ダクト10における酸化触媒11に対しての排気口4b側に、熱源であるコイル状の第4のヒータ12が環装されている。この第4のヒータ12は、これが環装されている部分の排気ダクト10を加熱し、その伝導熱によって排気ダクト10内の雰囲気を加熱する排気ダクト加熱手段としての役割を果たす。
【0025】
これにより、加熱調理中、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、酸化触媒11に達する前に、排気ダクト加熱手段で一旦加熱される。そうすると、酸化触媒11に達した過熱蒸気が高温であるため、酸化触媒11による臭気の分解率が高まり、その結果、効率良く脱臭が行える。
【0026】
ここで、排気ダクト加熱手段の熱源である第4のヒータ12が、蒸気送出手段の熱源である第1、第2のヒータと熱の供給源を共用するようになっていることが好ましい。何故ならば、新たな供給源を個別に設ける必要がなくなるため、コストの低減を実現できるからである。これと同様の観点から、第4のヒータ12が、収容室加熱手段6の熱源である第3のヒータ7と熱の供給源を共用するようになっていてもよい。
【0027】
次に、本発明の第3実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は第3実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【0028】
本第3実施形態の特徴は、上記の第2実施形態と同様、主として第1実施形態における酸化触媒11による脱臭効率の向上を図った点にある。つまり本実施形態では、第2実施形態と同様に排気ダクト10が熱伝導性の高い金属で成形されてなり、図4に示すように、排気ダクト10における酸化触媒11の周囲に、熱源であるコイル状の第5のヒータ13が環装されている。この第5のヒータ13は、これが環装されている部分の排気ダクト10を加熱し、その伝導熱によって排気ダクト10内の酸化触媒11を加熱する酸化触媒加熱手段としての役割を果たす。
【0029】
これにより、加熱調理中、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、酸化触媒加熱手段で加熱されている酸化触媒11に達する。そうすると、酸化触媒11そのものが高温であるため、酸化触媒11による臭気の分解率が高まり、その結果、効率良く脱臭が行える。
【0030】
ここで、上記の第2実施形態と同様にコストの低減を図る観点から、酸化触媒加熱手段の熱源である第5のヒータ13が、蒸気送出手段5の熱源である第1、第2のヒータと熱の供給源を共用するようになっていることが好ましい。これと同様の観点から、第5のヒータ13が、収容室加熱手段6の熱源である第3のヒータ7と熱の供給源を共用するようになっていてもよい。
【0031】
なお、酸化触媒11による脱臭効率をより効果的に向上させるために、第2実施形態に酸化触媒加熱手段を付加させても構わない。
【0032】
次に、本発明の第4実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5は第4実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【0033】
本第4実施形態の特徴は、上記した第1〜第3実施形態に対して、酸化触媒11に導入される臭気含有の過熱蒸気の特質を踏まえ、脱臭効率の低下の抑制を図った点にある。これは、酸化触媒11に導入される臭気含有の過熱蒸気は、加熱調理の進行に連れてその酸素濃度が低下していくが、一般に酸素濃度が4%以下になると、酸化触媒11による臭気の分解率が著しく低下し、その結果、脱臭効率が低下してしまうからである。
【0034】
そこで本実施形態では、図5に示すように、排気ダクト10の排気経路における酸化触媒11の上流、すなわち排気口4b側に、外気を排気ダクト10内に導入する外気導入手段14が設けられている。本実施形態において、この外気導入手段14は、一端が排気ダクト10内に開放され他端が本体2の外部に開放された導入管15と、この導入管15の経路中に配設されたポンプ16より構成される。
【0035】
これにより、加熱調理中、制御部からの指令によりポンプ16が駆動され、導入管15を通じて、排気ダクト10内に外気が送り込まれて導入される。そうすると、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、酸化触媒11に達する前に、外気が混合されて酸素濃度が高められる。従って、酸化触媒11に達した過熱蒸気は、酸素濃度が低下していないため、酸化触媒11の脱臭効率低下が抑制される。
【0036】
本実施形態では、外気導入手段14からの外気の導入量が、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量に対応して調整されるようになっている。つまり、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量は、制御部によって抽出条件に基づいて定められるが、これと併せて、制御部により、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量に随時対応する外気導入手段14からの外気の導入量が算出され、この算出値に従って外気導入手段14のポンプ16の駆動電圧が調整される。このようにすると、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気に、過度の外気が送り込まれないため、過熱蒸気の過剰の希釈化が防止され、その結果、酸化触媒11による脱臭を効果的に行える。
【0037】
なお、図5では、外気導入手段14を第3実施形態(図4参照)に付加した態様を図示しているが、勿論、第1実施形態(図2参照)や第2実施形態(図3参照)に付加しても構わない。但し、酸化触媒11による脱臭効率の向上の観点からすると、第3実施形態に外気導入手段14を付加するのが最も望ましく、次いで、第2実施形態における第4のヒータ12の上流に、外気導入手段14を付加するのが好ましい。
【0038】
次に、本発明の第5実施形態について、図6を参照しながら説明する。図6は第5実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【0039】
本第5実施形態の特徴は、上記の第4実施形態における外気導入手段14の構成を変形した点にある。つまり本実施形態では、図6に示すように、排気ダクト10の排気経路における酸化触媒11の上流に、排気ダクト10の内周面に一端が固定され他端が酸化触媒11に向けて先細りとなるノズル17が設けられている。更に、排気ダクト10におけるノズル17の側方部には、複数の貫通孔18が穿設されている。これらのノズル17と各貫通孔18とにより、外気導入手段14が構成される。
【0040】
これにより、加熱調理中、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、ノズル17を経て酸化触媒11に向けて噴射される様相となり、排気ダクト10内の圧力が減圧される。そうすると、吸引作用によって、外気が各貫通孔18から排気ダクト10内に取り込まれて導入され、その結果、酸化触媒11に達する前の過熱蒸気には外気が混合され、酸素濃度が高められる。
従って、上記の第4実施形態と同様、酸化触媒11に達した過熱蒸気は、酸素濃度が低下していないため、酸化触媒11による脱臭効率の低下が抑制される。
【0041】
このように外気導入手段14をノズル17と各貫通孔18とにより構成すると、格別の駆動機構が不要となることから、コストが抑制できるし、故障が少ない点で有利である。また、各貫通孔18からの外気の導入量が、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量に相当するノズル17からの過熱蒸気の噴射量に対応して、自然に調整されるため、格別な制御機構を要すことなく、過熱蒸気の過剰の希釈化を防止できる点でも有利である。
【0042】
次に、本発明の第6実施形態である加熱調理装置について、図面を参照しながら説明する。図7は第6実施形態の加熱調理装置の外観を示す斜視図、図8はその加熱調理装置の要部を示す部分断面図であって、図8(a)は扉を閉じた状態を、図8(b)は扉を開く最中をそれぞれ示す。なお、図中で同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0043】
加熱調理装置1は、直方体状の本体2と、この本体2の前面2aに対して下側を支軸に回動して開閉する扉3と、で外形が構成されている。本体2は、被加熱調理物を収容する収容室4を有しており、この収容室4には本体2の前面2aに形成された開口2bから被加熱調理物が出し入れされる。また、本体2は、加熱された過熱蒸気を生成して収容室4内に送り出す蒸気送出手段5と、収容室4内に熱を与える収容室加熱手段(不図示)と、を備えている。
【0044】
ここで、蒸気送出手段5は、給水タンク等から供給された水をヒータ等の熱源で沸騰させて飽和蒸気を生成し、この飽和蒸気をヒータ等の熱源で更に加熱して100℃以上の過熱蒸気を生成し、収容室4内に送り出すものである。本実施形態では、蒸気送出手段5からの過熱蒸気は、収容室4の右側壁の上部に形成された吸気口4aから、収容室4内に送り出される。
【0045】
収容室加熱手段は、例えば、収容室の奥側壁に配設されたヒータ等の熱源と送風ファンで構成されていて、熱源を介した送風ファンからの熱風を収容室4内に循環させて均等に熱を与えるものである。この収容室加熱手段により、収容室4内に送り出された蒸気送出手段5からの過熱蒸気は所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理される。
【0046】
なお、本体2は、加熱調理装置1全体の運転制御を行う制御部(不図示)を備えていて、この制御部に対する指令は、本体2の前面2aの右端部分に配設された操作パネル9への入力操作によりなされる。
【0047】
また、本体2には、収容室4内と本体2の外部とを連通する排気ダクト10が配設されている。本実施形態では、加熱調理中、収容室4内の余剰の過熱蒸気は、収容室4の奥側壁の左下隅に形成された排気口4bから排気ダクト10内に引き込まれ、この排気ダクト10を通じて外部へ排出される。
【0048】
また、扉3には、この内面における縁部に、耐熱性に優れたパッキン20が敷設されており、このパッキン20は、扉3を閉じた際に本体2における開口2bの周囲の前面2aに圧接される。ここで、扉3の内面における上側であってパッキン20の近傍に、磁性体21が設けられていて、他方本体2の前面2aには、扉3を閉じた際に磁性体21と対向する位置に、制御部からの指令により電流が印加されて駆動する電磁石30が設けられている。本実施形態では、これらの磁性体21と電磁石30とが対になって、扉3を閉じた際にパッキン20を本体2の前面2aに圧接させるパッキン圧接手段を構成する。なお、3aは、扉3を開閉する際に使用者が把持する取手である。
【0049】
引き続き、このような構成の加熱調理装置1による加熱調理の手順及び動作について説明する。先ず、扉3を開いて(図8(b)参照)本体2の開口2bを開放し、加熱調理する被加熱調理物に適したグリルやラック等の支持具を収容室4の底に載置する。次いで、被加熱調理物をこの支持具上に直接、或いは容器に載せた状態で載置して収容室4に収容し、扉3を閉じる。
【0050】
扉3を閉じた後、操作パネル9で調理条件を入力する。この入力された調理条件に基づいて、制御部は、予めプログラムされている複数の調理法(加熱温度や調理時間等)の中から最適のものを抽出する。次いで、制御部により電磁石30に電流が印加され、これと対になる磁性体21が扉3とともに電磁石30の磁力で電磁石30に吸着される(図8(a)参照)。これにより、扉3が本体2に対してロックされ、これと同時に、収容室4に通じる開口2bが形成された本体2の前面2aに、パッキン20が圧接されて収容室4が気密になる。
【0051】
その後、制御部からの抽出条件で蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6が駆動されるが、先ず、収容室加熱手段が駆動されて収容室4内が加熱される。収容室4内の雰囲気が所定の温度に達した後、蒸気送出手段5が駆動されて過熱蒸気が収容室4内に送り出され、加熱調理が開始される。
【0052】
次いで、蒸気送出手段5から送り出された過熱蒸気は、収容室加熱手段により所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理されていく。この加熱調理中は、蒸気送出手段5から継続的に新鮮な過熱蒸気が収容室4内に送り出され、一方では、収容室4内の余剰の過熱蒸気が排気ダクト10を通じて本体2の外部へ排出される。またその際、開口2bの形成された本体2の前面2aと扉3の内面とが、電磁石30の磁力の作用で圧接されたパッキン20によって気密にされるため、ここから高温の過熱蒸気が不用意に漏出することはない。
【0053】
そして、所定の時間が経過すると、蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6の駆動が停止されて加熱調理が終了し、更に、電磁石30への電流印加が停止されて扉3のロック及びパッキン20の圧接が解除される。その後、扉3を開き、本体2の開口2bを通じて収容室4から被加熱調理物を取り出し、一連の手順が完了する。
【0054】
なお、本実施形態では、パッキン圧接手段を構成する磁性体21及び電磁石30が一対よりなるが、これが複数対よりなっても構わない。これにより、複数箇所で吸着が行われるため、扉3のロック状態やパッキン20の圧接による気密状態の確実性がより高まるからである。
【0055】
次に、本発明の第7実施形態について、上記した第6実施形態と共通の図7及び図8を参照しながら説明する。なお、重複する共通の説明は適宜省略する。
【0056】
本第7実施形態の特徴は、図7及び図8に示すように、第6実施形態における磁性体21を磁石22に置き換えた点にある。これにより、扉3を閉じた状態で電磁石30に電流が印加されていなくても、磁石22そのものの磁力によって、磁石22が扉3とともに電磁石30に吸着し、この状態で本体2の前面2aに対するパッキン20の圧接が確保されるようになる。つまり、加熱調理が終了し、電磁石30への電流印加が停止された後は、扉3のロックは解除されるものの、パッキン20の圧接は維持されるため、その際、不用意に高温の過熱蒸気が漏出することはない。
【0057】
次に、本発明の第8実施形態について、図9を参照しながら説明する。図9は第8実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図であって、図9(a)は扉を閉じた状態を、図9(b)は扉を開く最中をそれぞれ示す。なお、図中で図7及び図8と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。後述する第9、第10実施形態においても同様とする。
【0058】
本第8実施形態の特徴は、上記の第6、第7実施形態におけるパッキン圧接手段の構成要素の簡素化を図った点にある。つまり、図9に示すように、第6、第7実施形態における磁性体21や磁石22に代えて、扉3の内面における縁部そのものが磁性体で成形されていて、本体2の前面2aには、扉3を閉じた際にその縁部と対向する位置に、電磁石30が設けられている。本実施形態では、扉の縁部と電磁石30とがパッキン圧接手段を構成する。
【0059】
このような構成のパッキン圧接手段では、扉3を閉じた状態で電磁石30に電流が印加されると、扉3の内面における縁部そのものが電磁石30の磁力で電磁石30に吸着され、これにより、扉3のロックとともにパッキン20の圧接が行える(図9(a)参照)。従って、扉3に第6、第7実施形態のような磁性体21や磁石22を別途設ける必要がないことから、構成が簡素化されコスト低減に有利となる。
【0060】
次に、本発明の第9実施形態について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は第9実施形態の加熱調理装置の外観を示す斜視図、図11はその加熱調理装置の要部を示す部分断面図であって、図11(a)は扉を閉じた状態を、図11(b)は扉を開く最中をそれぞれ示す。
【0061】
本第9実施形態の特徴は、上記の第8実施形態と同様、主としてパッキン圧接手段の構成要素の簡素化を図った点にある。つまり本実施形態では、図10及び図11に示すように、扉3の内面における縁部には、パッキン20’が敷設されており、他方本体2の前面2aには、扉3を閉じた際にパッキン20’と対向する位置に、電磁石30’が設けられている。ここで、パッキン20’は、弾性を有する磁性体で成形されてなる。本実施形態では、パッキン20’と電磁石30’とがパッキン圧接手段を構成する。
【0062】
このような構成のパッキン圧接手段では、扉3を閉じた状態で電磁石30’に電流が印加されると、パッキン20’が扉3とともに電磁石30の磁力で電磁石30’に吸着され、これにより、扉3のロックとともにパッキン20’の圧接が行える(図11(a)参照)。従って、上記の第8実施形態と同様に、扉3に第6、第7実施形態のような磁性体21や磁石22を別途設ける必要がないことから、構成が簡素化されコスト低減に有利となる。しかも、パッキン20’そのものが電磁石30’に吸着されるため、扉3のロック状態やパッキン20の圧接による気密状態の確実性がより高まる点でも有利である。
【0063】
次に、本発明の第10実施形態について、上記した第9実施形態と共通の図10及び図11を参照しながら説明する。なお、重複する共通の説明は適宜省略する。
【0064】
本第10実施形態の特徴は、第7実施形態と同様の観点から、図10及び図11に示すように、第9実施形態における磁性体で成形されてなるパッキン20’を、磁石で成形されてなるパッキン20”に置き換えた点にある。ここで、パッキン20”の材質としては、耐熱性ボンド磁石等が挙げられる。これにより、扉3を閉じた状態で電磁石30に電流が印加されていなくても、パッキン20”そのものの磁力によって、パッキン20”が扉3とともに電磁石30’に吸着し、この状態で本体2の前面2aに対するパッキン20”の圧接が確保されるようになる。
【0065】
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の加熱調理装置によれば、排気ダクト内に酸化触媒を設けているので、加熱調理中に排気ダクトを通じて排出される蒸気または過熱蒸気に含有されている臭気が酸化触媒で分解されて脱臭されるため、外部へ悪臭が放出されにくくなる。
【0067】
更に、排気ダクトの排気経路における前記酸化触媒の上流に、前記排気ダクト内に外気を導入する外気導入手段を設けることにより、臭気含有の蒸気または過熱蒸気は酸素濃度が高められ、酸化触媒の脱臭効率低下が抑制されて、外気を導入しないものに対し脱臭効果が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である加熱調理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図6】本発明の第5実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図7】本発明の第6、第7実施形態である加熱調理装置の外観を示す斜視図である。
【図8】第6、第7実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第8実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図である。
【図10】本発明の第9、第10実施形態である加熱調理装置の外観を示す斜視図である。
【図11】第9、第10実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 加熱調理装置
2 本体
2b 開口
2a 前面
3 扉
4 収容室
4a 吸気口
4b 排気口
5 蒸気送出手段
10 排気ダクト
11 酸化触媒
12 第4のヒータ(排気ダクト加熱手段)
13 第5のヒータ(酸化触媒加熱手段)
14 外気導入手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気や過熱蒸気によって被加熱調理物を調理する加熱調理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の加熱調理装置は、大きくは、被加熱調理物を収容する収容室と、加熱された過熱蒸気を生成して収容室内に送り出す蒸気送出手段と、収容室内に熱を与える収容室加熱手段と、を備え、蒸気送出手段から送り出されて収容室加熱手段で再加熱された過熱蒸気により、被加熱調理物を加熱調理するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、蒸気送出手段は、給水タンク等から供給された水をヒータ等の熱源で沸騰させて飽和蒸気を生成し、この飽和蒸気をヒータ等の熱源で更に加熱して100℃以上の過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気を被加熱調理物が収容された収容室内に送り出す。続いて、収容室加熱手段は、例えばヒータ等の熱源と送風ファンで構成されていて、熱源を介した送風ファンからの熱風を収容室内に循環させて均等に熱を与える。これにより、収容室内に送り出された蒸気送出手段からの過熱蒸気は所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理される。このような加熱調理、すなわち蒸気送出手段及び収容室加熱手段の駆動は、被加熱調理物に適した所定の時間行われる。
【0004】
このような過熱蒸気を用いた加熱調理装置は、加熱調理中に収容室内が高温の過熱蒸気で満たされることから、被加熱調理物をラップしなくても、潤いのある状態に仕上げることができるため、冷凍食品の解凍や冷めた食品の温め直しに好適であるが、勿論オーブンや蒸し器としても活用できる。また、過熱蒸気は乾燥した加熱空気よりも熱伝達率が高いので、例えば熱風そのものを被加熱調理物に与えて加熱調理するものと比較して、加熱調理の時間を短縮できるという利点がある。更に、加熱調理中の収容室内は無酸素状態に近くなるため、被加熱調理物の酸化を低減できるという利点もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−4849号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような加熱調理装置では、加熱調理中に蒸気送出手段から継続的に新鮮な過熱蒸気が収容室内に送り出されるため、一方では収容室内の過熱蒸気を本体の外部へ排出する必要がある。そのため、従来一般の加熱調理装置では、収容室内と本体の外部とを連通する排気ダクトが設けられていた。しかし、例えば肉や魚といった匂いの強い被加熱調理物を加熱調理する場合、収容室内の過熱蒸気にその被加熱調理物の匂い成分が一部取り込まれてしまうが、この臭気を含む過熱蒸気が排気ダクトからそのまま排出されて放出されると、悪臭となって周囲の環境に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
また、このような加熱調理装置では、加熱調理中に収容室内が高温の過熱蒸気で満たされるため、その過熱蒸気が不用意に外部へ漏出すると、加熱効率が低下するばかりか、極めて危険であるという問題がある。例えば、一般には、収容室へ被加熱調理物を出し入れするための開口が形成された本体の一面(例えば前面)に対し、一側を支軸に回動して開閉される扉が設けられているが、この扉には使用者が直接触れたり顔を近づけたりする機会が多いため、加熱調理中に不用意に開くことなく気密性の高い構造が強く要求される。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、蒸気または過熱蒸気によって被加熱調理物を加熱調理する最中に、外部への悪臭の放出を防止できる加熱調理装置を提供することをその目的とするものである。また本発明の目的は、加熱調理中に高温の過熱蒸気の不用意な漏出を防止できる加熱調理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による加熱調理装置は、被加熱調理物を収容する収容室と、該収容室に蒸気または過熱蒸気を送り出す蒸気送出手段と、前記収容室と本体外部とを連通する排気ダクトと、を備え、前記蒸気送出手段から送り出された蒸気または過熱蒸気により被加熱調理物を調理する加熱調理装置において、前記排気ダクト内に酸化触媒を設けたことを特徴とする。これにより、加熱調理中、臭気を含有した収容室内の蒸気または過熱蒸気が排気ダクトを通じて排出されるが、その臭気が酸化触媒で分解されて脱臭されるため、外部へ悪臭が放出されにくくなる。
【0010】
更に、前記排気ダクトの排気経路における前記酸化触媒の上流に、前記排気ダクト内に外気を導入する外気導入手段を設けたことを特徴とする。排気ダクト内に外気が導入されることにより、臭気含有の蒸気または過熱蒸気は酸素濃度が高められ、酸化触媒の脱臭効率低下が抑制されて、外気を導入しないものに対し脱臭効果が改善される。
【0011】
また上記目的を達成するための本発明の加熱調理装置は、被加熱調理物を収容する収容室と、該収容室に過熱蒸気を送り出す蒸気送出手段と、を備え、前記蒸気送出手段から送り出された過熱蒸気により、被加熱調理物を調理する加熱調理装置において、前記収容室へ被加熱調理物を出し入れするための開口が形成された本体の一面に対し、一側を支軸に回動して開閉される扉が配設され、この扉の内面における縁部にパッキンが敷設されており、前記扉を閉じた際に前記パッキンを本体の前記一面に圧接させるパッキン圧接手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
これにより、加熱調理中、高温の過熱蒸気で満たされた収容室に通じる開口は扉で閉じられるが、その際、開口の形成された本体の一面と扉の内面とが、圧接されたパッキンによって気密にされるため、ここから過熱蒸気が不用意に漏出することはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳述する。先ず、本発明の第1実施形態である加熱調理装置について説明する。図1は第1実施形態の加熱調理装置の外観を示す斜視図、図2はその加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。なお、図中、同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0014】
加熱調理装置1は、直方体状の本体2と、この本体2の前面2aに対して下側を支軸に回動して開閉する扉3と、で外形が構成されている。本体2は、被加熱調理物を収容する収容室4を有しており、この収容室4には本体2の前面2aに形成された開口2bから被加熱調理物が出し入れされる。また、本体2は、加熱された蒸気または過熱蒸気を生成して収容室4内に送り出す蒸気送出手段5と、収容室4内に熱を与える収容室加熱手段6と、を備えている。
【0015】
ここで、蒸気送出手段5は、給水タンク(不図示)から供給された水を熱源である第1のヒータ(不図示)で沸騰させて飽和蒸気を生成し、この飽和蒸気を熱源である第2のヒータ(不図示)で更に加熱して100℃以上の過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気を被加熱調理物が収容された収容室4内に送り出すものである。本実施形態では、蒸気送出手段5からの過熱蒸気は、収容室4の右側壁の上部に形成された吸気口4aから、収容室4内に送り出される。
【0016】
収容室加熱手段6は、収容室4の奥側壁に配設された熱源である第3のヒータ7と送風ファン8で構成されていて、第3のヒータ7を介した送風ファン8からの熱風を収容室4内に循環させて均等に熱を与えるものである。この収容室加熱手段6により、収容室4内に送り出された蒸気送出手段5からの蒸気または過熱蒸気は所定の温度に再加熱され、この蒸気または過熱蒸気によって被加熱調理物が調理される。
【0017】
なお、本体2は、加熱調理装置1全体の運転制御を行う制御部(不図示)を備えていて、この制御部に対する指令は、本体2の前面2aの右端部分に配設された操作パネル9への入力操作によりなされる。
【0018】
また、本体2には、収容室4内と本体2の外部とを連通する排気ダクト10が配設されている。この排気ダクト10は、一端が収容室4の奥側壁の左下隅に形成された排気口4bに連結されて、本体2内における収容室4の奥側壁の裏側で上方に向けて延在し、他端が本体2の上壁から外部に開放されている。更に本実施形態では、図2に示すように、排気ダクト10内には、表面積の大きいハニカム状の酸化触媒11が設けられている。従って、加熱調理中、収容室4内の余剰の過熱蒸気は、排気口4bから排気ダクト10内に引き込まれ、酸化触媒11を経て外部へ排出される。
【0019】
引き続き、このような構成の加熱調理装置1による加熱調理の手順及び動作について説明する。先ず、扉3を開いて本体2の開口2bを開放し、加熱調理する被加熱調理物に適したグリルやラック等の支持具を収容室4の底に載置する。次いで、被加熱調理物をこの支持具上に直接、或いは容器に載せた状態で載置して収容室4に収容し、扉3を閉じる。
【0020】
扉3を閉じた後、操作パネル9で調理条件を入力する。この入力された調理条件に基づいて、制御部は、予めプログラムされている複数の調理法(加熱温度や調理時間等)の中から最適のものを抽出する。次いで、この抽出条件で蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6が駆動されるが、先ず、収容室加熱手段6が駆動されて収容室4内が加熱される。収容室4内の雰囲気が所定の温度に達した後、蒸気送出手段5が駆動されて過熱蒸気が収容室4内に送り出され、加熱調理が開始される。
【0021】
次いで、蒸気送出手段5から送り出された過熱蒸気は、収容室加熱手段6により所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理されていく。この加熱調理中は、蒸気送出手段5から継続的に新鮮な過熱蒸気が収容室4内に送り出され、一方では、収容室4内の余剰の過熱蒸気が排気ダクト10を通じて本体2の外部へ排出される。その際、排気口4bから排気ダクト10内に導入される過熱蒸気は、被加熱調理物の臭気を含有しているが、その臭気が酸化触媒11で分解されて脱臭されながら外部へと排出される。こうして、悪臭が外部へ放出されることがなくなる。なお、酸化触媒11は、臭気を分解する脱臭機能の他に脱煙機能も有することから、排煙が外部へ放出されることもない。
【0022】
そして、所定の時間が経過すると、蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6の駆動が停止され、加熱調理が終了する。その後、扉3を開き、本体2の開口2bを通じて収容室4から被加熱調理物を取り出し、一連の手順が完了する。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は第2実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。なお、図中で図1及び図2と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。後述する第3〜第5実施形態においても同様とする。
【0024】
本第2実施形態の特徴は、主として第1実施形態における酸化触媒11による脱臭効率の向上を図った点にある。つまり本実施形態では、排気ダクト10が熱伝導性の高い金属で成形されてなり、図3に示すように、排気ダクト10の排気経路における酸化触媒11の上流、すなわち排気ダクト10における酸化触媒11に対しての排気口4b側に、熱源であるコイル状の第4のヒータ12が環装されている。この第4のヒータ12は、これが環装されている部分の排気ダクト10を加熱し、その伝導熱によって排気ダクト10内の雰囲気を加熱する排気ダクト加熱手段としての役割を果たす。
【0025】
これにより、加熱調理中、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、酸化触媒11に達する前に、排気ダクト加熱手段で一旦加熱される。そうすると、酸化触媒11に達した過熱蒸気が高温であるため、酸化触媒11による臭気の分解率が高まり、その結果、効率良く脱臭が行える。
【0026】
ここで、排気ダクト加熱手段の熱源である第4のヒータ12が、蒸気送出手段の熱源である第1、第2のヒータと熱の供給源を共用するようになっていることが好ましい。何故ならば、新たな供給源を個別に設ける必要がなくなるため、コストの低減を実現できるからである。これと同様の観点から、第4のヒータ12が、収容室加熱手段6の熱源である第3のヒータ7と熱の供給源を共用するようになっていてもよい。
【0027】
次に、本発明の第3実施形態について、図4を参照しながら説明する。図4は第3実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【0028】
本第3実施形態の特徴は、上記の第2実施形態と同様、主として第1実施形態における酸化触媒11による脱臭効率の向上を図った点にある。つまり本実施形態では、第2実施形態と同様に排気ダクト10が熱伝導性の高い金属で成形されてなり、図4に示すように、排気ダクト10における酸化触媒11の周囲に、熱源であるコイル状の第5のヒータ13が環装されている。この第5のヒータ13は、これが環装されている部分の排気ダクト10を加熱し、その伝導熱によって排気ダクト10内の酸化触媒11を加熱する酸化触媒加熱手段としての役割を果たす。
【0029】
これにより、加熱調理中、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、酸化触媒加熱手段で加熱されている酸化触媒11に達する。そうすると、酸化触媒11そのものが高温であるため、酸化触媒11による臭気の分解率が高まり、その結果、効率良く脱臭が行える。
【0030】
ここで、上記の第2実施形態と同様にコストの低減を図る観点から、酸化触媒加熱手段の熱源である第5のヒータ13が、蒸気送出手段5の熱源である第1、第2のヒータと熱の供給源を共用するようになっていることが好ましい。これと同様の観点から、第5のヒータ13が、収容室加熱手段6の熱源である第3のヒータ7と熱の供給源を共用するようになっていてもよい。
【0031】
なお、酸化触媒11による脱臭効率をより効果的に向上させるために、第2実施形態に酸化触媒加熱手段を付加させても構わない。
【0032】
次に、本発明の第4実施形態について、図5を参照しながら説明する。図5は第4実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【0033】
本第4実施形態の特徴は、上記した第1〜第3実施形態に対して、酸化触媒11に導入される臭気含有の過熱蒸気の特質を踏まえ、脱臭効率の低下の抑制を図った点にある。これは、酸化触媒11に導入される臭気含有の過熱蒸気は、加熱調理の進行に連れてその酸素濃度が低下していくが、一般に酸素濃度が4%以下になると、酸化触媒11による臭気の分解率が著しく低下し、その結果、脱臭効率が低下してしまうからである。
【0034】
そこで本実施形態では、図5に示すように、排気ダクト10の排気経路における酸化触媒11の上流、すなわち排気口4b側に、外気を排気ダクト10内に導入する外気導入手段14が設けられている。本実施形態において、この外気導入手段14は、一端が排気ダクト10内に開放され他端が本体2の外部に開放された導入管15と、この導入管15の経路中に配設されたポンプ16より構成される。
【0035】
これにより、加熱調理中、制御部からの指令によりポンプ16が駆動され、導入管15を通じて、排気ダクト10内に外気が送り込まれて導入される。そうすると、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、酸化触媒11に達する前に、外気が混合されて酸素濃度が高められる。従って、酸化触媒11に達した過熱蒸気は、酸素濃度が低下していないため、酸化触媒11の脱臭効率低下が抑制される。
【0036】
本実施形態では、外気導入手段14からの外気の導入量が、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量に対応して調整されるようになっている。つまり、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量は、制御部によって抽出条件に基づいて定められるが、これと併せて、制御部により、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量に随時対応する外気導入手段14からの外気の導入量が算出され、この算出値に従って外気導入手段14のポンプ16の駆動電圧が調整される。このようにすると、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気に、過度の外気が送り込まれないため、過熱蒸気の過剰の希釈化が防止され、その結果、酸化触媒11による脱臭を効果的に行える。
【0037】
なお、図5では、外気導入手段14を第3実施形態(図4参照)に付加した態様を図示しているが、勿論、第1実施形態(図2参照)や第2実施形態(図3参照)に付加しても構わない。但し、酸化触媒11による脱臭効率の向上の観点からすると、第3実施形態に外気導入手段14を付加するのが最も望ましく、次いで、第2実施形態における第4のヒータ12の上流に、外気導入手段14を付加するのが好ましい。
【0038】
次に、本発明の第5実施形態について、図6を参照しながら説明する。図6は第5実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【0039】
本第5実施形態の特徴は、上記の第4実施形態における外気導入手段14の構成を変形した点にある。つまり本実施形態では、図6に示すように、排気ダクト10の排気経路における酸化触媒11の上流に、排気ダクト10の内周面に一端が固定され他端が酸化触媒11に向けて先細りとなるノズル17が設けられている。更に、排気ダクト10におけるノズル17の側方部には、複数の貫通孔18が穿設されている。これらのノズル17と各貫通孔18とにより、外気導入手段14が構成される。
【0040】
これにより、加熱調理中、排気口4bから排気ダクト10内に導入された臭気含有の過熱蒸気は、ノズル17を経て酸化触媒11に向けて噴射される様相となり、排気ダクト10内の圧力が減圧される。そうすると、吸引作用によって、外気が各貫通孔18から排気ダクト10内に取り込まれて導入され、その結果、酸化触媒11に達する前の過熱蒸気には外気が混合され、酸素濃度が高められる。
従って、上記の第4実施形態と同様、酸化触媒11に達した過熱蒸気は、酸素濃度が低下していないため、酸化触媒11による脱臭効率の低下が抑制される。
【0041】
このように外気導入手段14をノズル17と各貫通孔18とにより構成すると、格別の駆動機構が不要となることから、コストが抑制できるし、故障が少ない点で有利である。また、各貫通孔18からの外気の導入量が、蒸気送出手段5からの過熱蒸気の送出量に相当するノズル17からの過熱蒸気の噴射量に対応して、自然に調整されるため、格別な制御機構を要すことなく、過熱蒸気の過剰の希釈化を防止できる点でも有利である。
【0042】
次に、本発明の第6実施形態である加熱調理装置について、図面を参照しながら説明する。図7は第6実施形態の加熱調理装置の外観を示す斜視図、図8はその加熱調理装置の要部を示す部分断面図であって、図8(a)は扉を閉じた状態を、図8(b)は扉を開く最中をそれぞれ示す。なお、図中で同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0043】
加熱調理装置1は、直方体状の本体2と、この本体2の前面2aに対して下側を支軸に回動して開閉する扉3と、で外形が構成されている。本体2は、被加熱調理物を収容する収容室4を有しており、この収容室4には本体2の前面2aに形成された開口2bから被加熱調理物が出し入れされる。また、本体2は、加熱された過熱蒸気を生成して収容室4内に送り出す蒸気送出手段5と、収容室4内に熱を与える収容室加熱手段(不図示)と、を備えている。
【0044】
ここで、蒸気送出手段5は、給水タンク等から供給された水をヒータ等の熱源で沸騰させて飽和蒸気を生成し、この飽和蒸気をヒータ等の熱源で更に加熱して100℃以上の過熱蒸気を生成し、収容室4内に送り出すものである。本実施形態では、蒸気送出手段5からの過熱蒸気は、収容室4の右側壁の上部に形成された吸気口4aから、収容室4内に送り出される。
【0045】
収容室加熱手段は、例えば、収容室の奥側壁に配設されたヒータ等の熱源と送風ファンで構成されていて、熱源を介した送風ファンからの熱風を収容室4内に循環させて均等に熱を与えるものである。この収容室加熱手段により、収容室4内に送り出された蒸気送出手段5からの過熱蒸気は所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理される。
【0046】
なお、本体2は、加熱調理装置1全体の運転制御を行う制御部(不図示)を備えていて、この制御部に対する指令は、本体2の前面2aの右端部分に配設された操作パネル9への入力操作によりなされる。
【0047】
また、本体2には、収容室4内と本体2の外部とを連通する排気ダクト10が配設されている。本実施形態では、加熱調理中、収容室4内の余剰の過熱蒸気は、収容室4の奥側壁の左下隅に形成された排気口4bから排気ダクト10内に引き込まれ、この排気ダクト10を通じて外部へ排出される。
【0048】
また、扉3には、この内面における縁部に、耐熱性に優れたパッキン20が敷設されており、このパッキン20は、扉3を閉じた際に本体2における開口2bの周囲の前面2aに圧接される。ここで、扉3の内面における上側であってパッキン20の近傍に、磁性体21が設けられていて、他方本体2の前面2aには、扉3を閉じた際に磁性体21と対向する位置に、制御部からの指令により電流が印加されて駆動する電磁石30が設けられている。本実施形態では、これらの磁性体21と電磁石30とが対になって、扉3を閉じた際にパッキン20を本体2の前面2aに圧接させるパッキン圧接手段を構成する。なお、3aは、扉3を開閉する際に使用者が把持する取手である。
【0049】
引き続き、このような構成の加熱調理装置1による加熱調理の手順及び動作について説明する。先ず、扉3を開いて(図8(b)参照)本体2の開口2bを開放し、加熱調理する被加熱調理物に適したグリルやラック等の支持具を収容室4の底に載置する。次いで、被加熱調理物をこの支持具上に直接、或いは容器に載せた状態で載置して収容室4に収容し、扉3を閉じる。
【0050】
扉3を閉じた後、操作パネル9で調理条件を入力する。この入力された調理条件に基づいて、制御部は、予めプログラムされている複数の調理法(加熱温度や調理時間等)の中から最適のものを抽出する。次いで、制御部により電磁石30に電流が印加され、これと対になる磁性体21が扉3とともに電磁石30の磁力で電磁石30に吸着される(図8(a)参照)。これにより、扉3が本体2に対してロックされ、これと同時に、収容室4に通じる開口2bが形成された本体2の前面2aに、パッキン20が圧接されて収容室4が気密になる。
【0051】
その後、制御部からの抽出条件で蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6が駆動されるが、先ず、収容室加熱手段が駆動されて収容室4内が加熱される。収容室4内の雰囲気が所定の温度に達した後、蒸気送出手段5が駆動されて過熱蒸気が収容室4内に送り出され、加熱調理が開始される。
【0052】
次いで、蒸気送出手段5から送り出された過熱蒸気は、収容室加熱手段により所定の温度に再加熱され、この過熱蒸気によって被加熱調理物が加熱調理されていく。この加熱調理中は、蒸気送出手段5から継続的に新鮮な過熱蒸気が収容室4内に送り出され、一方では、収容室4内の余剰の過熱蒸気が排気ダクト10を通じて本体2の外部へ排出される。またその際、開口2bの形成された本体2の前面2aと扉3の内面とが、電磁石30の磁力の作用で圧接されたパッキン20によって気密にされるため、ここから高温の過熱蒸気が不用意に漏出することはない。
【0053】
そして、所定の時間が経過すると、蒸気送出手段5及び収容室加熱手段6の駆動が停止されて加熱調理が終了し、更に、電磁石30への電流印加が停止されて扉3のロック及びパッキン20の圧接が解除される。その後、扉3を開き、本体2の開口2bを通じて収容室4から被加熱調理物を取り出し、一連の手順が完了する。
【0054】
なお、本実施形態では、パッキン圧接手段を構成する磁性体21及び電磁石30が一対よりなるが、これが複数対よりなっても構わない。これにより、複数箇所で吸着が行われるため、扉3のロック状態やパッキン20の圧接による気密状態の確実性がより高まるからである。
【0055】
次に、本発明の第7実施形態について、上記した第6実施形態と共通の図7及び図8を参照しながら説明する。なお、重複する共通の説明は適宜省略する。
【0056】
本第7実施形態の特徴は、図7及び図8に示すように、第6実施形態における磁性体21を磁石22に置き換えた点にある。これにより、扉3を閉じた状態で電磁石30に電流が印加されていなくても、磁石22そのものの磁力によって、磁石22が扉3とともに電磁石30に吸着し、この状態で本体2の前面2aに対するパッキン20の圧接が確保されるようになる。つまり、加熱調理が終了し、電磁石30への電流印加が停止された後は、扉3のロックは解除されるものの、パッキン20の圧接は維持されるため、その際、不用意に高温の過熱蒸気が漏出することはない。
【0057】
次に、本発明の第8実施形態について、図9を参照しながら説明する。図9は第8実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図であって、図9(a)は扉を閉じた状態を、図9(b)は扉を開く最中をそれぞれ示す。なお、図中で図7及び図8と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。後述する第9、第10実施形態においても同様とする。
【0058】
本第8実施形態の特徴は、上記の第6、第7実施形態におけるパッキン圧接手段の構成要素の簡素化を図った点にある。つまり、図9に示すように、第6、第7実施形態における磁性体21や磁石22に代えて、扉3の内面における縁部そのものが磁性体で成形されていて、本体2の前面2aには、扉3を閉じた際にその縁部と対向する位置に、電磁石30が設けられている。本実施形態では、扉の縁部と電磁石30とがパッキン圧接手段を構成する。
【0059】
このような構成のパッキン圧接手段では、扉3を閉じた状態で電磁石30に電流が印加されると、扉3の内面における縁部そのものが電磁石30の磁力で電磁石30に吸着され、これにより、扉3のロックとともにパッキン20の圧接が行える(図9(a)参照)。従って、扉3に第6、第7実施形態のような磁性体21や磁石22を別途設ける必要がないことから、構成が簡素化されコスト低減に有利となる。
【0060】
次に、本発明の第9実施形態について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は第9実施形態の加熱調理装置の外観を示す斜視図、図11はその加熱調理装置の要部を示す部分断面図であって、図11(a)は扉を閉じた状態を、図11(b)は扉を開く最中をそれぞれ示す。
【0061】
本第9実施形態の特徴は、上記の第8実施形態と同様、主としてパッキン圧接手段の構成要素の簡素化を図った点にある。つまり本実施形態では、図10及び図11に示すように、扉3の内面における縁部には、パッキン20’が敷設されており、他方本体2の前面2aには、扉3を閉じた際にパッキン20’と対向する位置に、電磁石30’が設けられている。ここで、パッキン20’は、弾性を有する磁性体で成形されてなる。本実施形態では、パッキン20’と電磁石30’とがパッキン圧接手段を構成する。
【0062】
このような構成のパッキン圧接手段では、扉3を閉じた状態で電磁石30’に電流が印加されると、パッキン20’が扉3とともに電磁石30の磁力で電磁石30’に吸着され、これにより、扉3のロックとともにパッキン20’の圧接が行える(図11(a)参照)。従って、上記の第8実施形態と同様に、扉3に第6、第7実施形態のような磁性体21や磁石22を別途設ける必要がないことから、構成が簡素化されコスト低減に有利となる。しかも、パッキン20’そのものが電磁石30’に吸着されるため、扉3のロック状態やパッキン20の圧接による気密状態の確実性がより高まる点でも有利である。
【0063】
次に、本発明の第10実施形態について、上記した第9実施形態と共通の図10及び図11を参照しながら説明する。なお、重複する共通の説明は適宜省略する。
【0064】
本第10実施形態の特徴は、第7実施形態と同様の観点から、図10及び図11に示すように、第9実施形態における磁性体で成形されてなるパッキン20’を、磁石で成形されてなるパッキン20”に置き換えた点にある。ここで、パッキン20”の材質としては、耐熱性ボンド磁石等が挙げられる。これにより、扉3を閉じた状態で電磁石30に電流が印加されていなくても、パッキン20”そのものの磁力によって、パッキン20”が扉3とともに電磁石30’に吸着し、この状態で本体2の前面2aに対するパッキン20”の圧接が確保されるようになる。
【0065】
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の加熱調理装置によれば、排気ダクト内に酸化触媒を設けているので、加熱調理中に排気ダクトを通じて排出される蒸気または過熱蒸気に含有されている臭気が酸化触媒で分解されて脱臭されるため、外部へ悪臭が放出されにくくなる。
【0067】
更に、排気ダクトの排気経路における前記酸化触媒の上流に、前記排気ダクト内に外気を導入する外気導入手段を設けることにより、臭気含有の蒸気または過熱蒸気は酸素濃度が高められ、酸化触媒の脱臭効率低下が抑制されて、外気を導入しないものに対し脱臭効果が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である加熱調理装置の外観を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図3】本発明の第2実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図6】本発明の第5実施形態である加熱調理装置の要部である排気ダクトの斜視図である。
【図7】本発明の第6、第7実施形態である加熱調理装置の外観を示す斜視図である。
【図8】第6、第7実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図である。
【図9】本発明の第8実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図である。
【図10】本発明の第9、第10実施形態である加熱調理装置の外観を示す斜視図である。
【図11】第9、第10実施形態の加熱調理装置の要部を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 加熱調理装置
2 本体
2b 開口
2a 前面
3 扉
4 収容室
4a 吸気口
4b 排気口
5 蒸気送出手段
10 排気ダクト
11 酸化触媒
12 第4のヒータ(排気ダクト加熱手段)
13 第5のヒータ(酸化触媒加熱手段)
14 外気導入手段
Claims (7)
- 被加熱調理物を収容する収容室と、該収容室に蒸気を送り出す蒸気送出手段と、前記収容室と本体外部とを連通する排気ダクトと、を備え、前記蒸気送出手段から送り出された蒸気により被加熱調理物を調理する加熱調理装置において、
前記排気ダクト内に酸化触媒を設けたことを特徴とする加熱調理装置。 - 被加熱調理物を収容する収容室と、該収容室に過熱蒸気を送り出す蒸気送出手段と、前記収容室と本体外部とを連通する排気ダクトと、を備え、前記蒸気送出手段から送り出された過熱蒸気により被加熱調理物を調理する加熱調理装置において、
前記排気ダクト内に酸化触媒を設けたことを特徴とする加熱調理装置。 - 前記排気ダクトの酸化触媒配設部または酸化触媒上流部を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理装置。
- 前記加熱手段の熱源が、前記蒸気送出手段又は収容室加熱手段の熱源の少なくとも1つと供給源を共用することを特徴とする請求項3に記載の加熱調理装置。
- 前記排気ダクトの排気経路における前記酸化触媒の上流に、前記排気ダクト内に外気を導入する外気導入手段を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の加熱調理装置。
- 前記外気導入手段からの前記外気の導入量が、前記蒸気送出手段からの蒸気送出量に対応して調整されることを特徴とする請求項5に記載の加熱調理装置。
- 前記外気導入手段は、前記排気ダクトの排気経路に配設され前記酸化触媒に向けて先細りとなるノズルと、このノズルの側方に設けられ、前記ノズルの噴出流によって吸引される外気を導き入れる外気導入路と、よりなることを特徴とする請求項5に記載の加熱調理装置。
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-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003183720A patent/JP2005016857A/ja active Pending
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