JP2005016213A - 柱脚用ベースプレート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄骨柱11の下端部に固着される少なくとも各隅部にボルト孔を備える略矩形状のベースプレート12であって、降伏点が400N/mm2以上の鋼材からなり、その全幅Bと板厚t、および鉄骨柱の柱径dとの間に、(B/2−d/2t)3≧20、およびB/t≧14が成り立つように設定することにより、ベースプレート12が繰返し曲げモーメントMに対して、圧縮側のみが塑性変形することにより、爪先立ち等の発生を防止して基礎コンクリート13の小型化を可能にする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、充填鋼管コンクリート造などの露出型柱脚構造において、それら鉄骨柱を基礎コンクリートに対して固定するための中間材として、鉄骨柱の下端部に固着される柱脚用ベースプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、露出型鉄骨柱脚のベースプレートには、鋳鋼製あるいは鋼板製のものがあり、いずれも降伏点として235〜325N/mm2程度の鋼材が使用されている。柱脚設計においては、いずれの成形方法で製造されたものであっても設計柱脚耐力の範囲内ではベースプレートが剛体であると想定し、アンカーボルトの軸部がベースプレートよりも先に降伏するアンカーボルト降伏先行型に設計するのが主流である。この場合、柱脚部降伏耐力は引張側アンカーボルトの降伏時であり、また柱脚部最大耐力は理論的には引張側アンカーボルトの破断時である。このような柱脚において、地震等に遭遇して柱脚部に大きな曲げモーメントが作用し、アンカーボルトの降伏が始まると、図17に示すようなベースプレート20の「爪先立ち」が生じる。すなわち、鉄骨柱21に作用する曲げモーメントMの方向に応じて、ベースプレート20を一端側で固定するアンカーボルト22には、引張力Tが作用し、塑性変形をして伸長する。一方、ベースプレート20の他端側では、その周縁部20aを介して下方の基礎コンクリート23の領域23aに対して圧縮力Cが集中的に作用することになる。この場合、他端側の周縁部20aを支点として、図示の状態に持ち上げられるように曲げモーメントMが作用することになる。その結果、図18に示すように、基礎コンクリート23の縁部との間隔Sが小さい部分に大きな圧縮力Cが作用することになるので、ベースプレート20の前記周縁部20aに近い外側部分の基礎コンクリート23に割裂24が生じやすい。
【0003】
このような基礎コンクリートの局部破壊が発生すると、引張側アンカーボルトの破断に至る前の段階で柱脚の最大耐力に到達してしまう。すなわち、引張側アンカーボルトの塑性変形による地震エネルギーの吸収を最大限に活用することが困難になるので、以後の耐力がそれほど増加しないことになる。このため、従来の露出型鉄骨柱脚では基礎コンクリートの断面寸法を大きく設定し、ベースプレートの側面から基礎コンクリートの縁部までの距離(縁空き部分)を大きく確保することによって対応しているのが実情である。しかしながら、基礎コンクリートの拡大は、施工コストの増大を招くばかりでなく、外壁と基礎との納まりが悪くなり、さらに狭小地を対象とする建物設計では大きな制約になるなど、幾つかの問題点が生じるため望ましいことではない。そこで、斯かるベースプレートの爪先立ち現象の解消を目的とした従来例としては、下記の特許文献1及び特許文献2に記載のものが知られている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2580332号公報(第2頁第3欄第38行−同第4欄第43行、第1図及び第6図)
【特許文献2】
特許第2984251号公報(第3頁第6欄第13行−同欄第50行、表1及び表2、図1及び図9)
【0005】
上記特許文献1に記載の技術は、矩形板状ベースプレートの四隅を斜断することにより、柱脚に曲げモーメントが作用した場合に、四隅の斜辺部において基礎コンクリート面に当接するようにしたものである。すなわち、この技術の基本的な考え方は、ベースプレートと基礎コンクリート面との当接状態を四隅のごく狭い部分から幅を持った斜辺部に変えることで、鋭角的な押圧状態の回避を図っている。この場合、ベースプレートの挙動は、実質的に斜辺部の下面側縁部での当接となり、基礎コンクリート面に対して面接触とはならず、線接触に近い状態に止まる。したがって、本技術は、四隅を斜断した効果はそれなりに得られるものの、ベースプレートの爪先立ち現象を完全に阻止するまでには至っていなかった。
【0006】
次に、特許文献2に記載の技術は、露出型鉄骨柱脚において力学的な主要構成部材であるアンカーボルトとベースプレートについて検討したものである。具体的には、ベースプレートの圧縮側の局部変形角が柱脚の曲げ回転角の0.8倍以上の条件を満足するように、アンカーボルトの配置位置、アンカーボルトの軸径とその長さ、ベースプレートの板厚などの寸法諸元を決定している。この技術は、柱脚の終局耐力範囲内において、ベースプレートの圧縮側が全面降伏することで塑性ヒンジが形成され、これにより爪先立ち現象の阻止するものである。しかしながら、実際の地震においては繰返しの曲げモーメントが柱脚に作用する。このため、ベースプレートの一端側(図面では鉄骨柱1の右側)に塑性ヒンジが形成され、面接触状態を実現できたとしても、公報の図9(b)に示されるように、いわゆる「笠折れ」という現象によりベースプレートの他端側(図面では鉄骨柱1の左側)である引張側部分が降伏すると、他端側部分が塑性変形をした状態で基礎コンクリート面に当接し、ベースプレートの周縁部で基礎コンクリートを鋭角的に押圧することになる。この引張側での笠折れ現象を防止するには、ベースプレートの板厚を厚くすることも考えられるが、その場合には図9(a)に示すように、曲げ剛性が高まるために面接触となるほどの大きな塑性変形が起こらず、前述した爪先立ち現象の発生が避けられない。したがって、本技術においてもベースプレートの周囲に余裕が少ないと基礎コンクリートに割裂が生じやすく、結果的には基礎コンクリートの小型化が困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らはこれら従来技術の問題点に鑑み、露出型鉄骨柱脚における力学的特性について鋭意検討を重ねた結果、本発明に想到したのである。すなわち、本発明では、繰返しの曲げモーメントを受けた場合にベースプレートの爪先立ち現象や笠折れ現象が生じ難く、圧縮側となったベースプレートの端部を基礎コンクリートに面接触させ、これにより基礎コンクリートの小型化が可能な柱脚用ベースプレートの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る柱脚用ベースプレートは、上記課題を解決するため、鉄骨柱の下端部に固着され、少なくとも四隅に設けられたボルト孔に対して、基礎コンクリートに定着した複数本のアンカーボルトを挿通し、ナットの締付けにより鉄骨柱を基礎コンクリートに固定する略矩形板状に成形された鋼材からなり、前記鋼材の降伏点が400N/mm2以上であり、その全幅Bと板厚t、および前記鉄骨柱の柱径dとの間に、(B/2t−d/2t)3≧20(関係1)およびB/t≧14(関係2)が成り立つように設定するという技術手段を採用した。
【0009】
上記構成によれば、ベースプレートの素材として降伏点が400N/mm2以上の高強度鋼材を使用することにより、ベースプレートの板厚を薄くしても、保有耐力接合を満足する柱脚を実現できる。そして、板厚を従来のものより薄くすると同時に、(B−d)/2として表せるベースプレートの張出し部分に関わる上記関係1と関係2の条件を満足させることで、本願発明に特有の作用効果が得られる。すなわち、板厚の減少に伴ってベースプレートの撓み量が増加することから、大きな曲げモーメントが作用したとき、ベースプレートはその圧縮側(基礎コンクリートを支圧する側)において曲げ降伏しても、引張側(アンカーボルトの引張力に抵抗する側)では弾性範囲内に止めることができる。そして、ベースプレートの一端側が圧縮により曲げ降伏した状態の柱脚に対して、反対方向の曲げモーメントが作用すると、先に引張側であったベースプレートの他端側が圧縮側となって降伏することになる。このような挙動を示す結果、鉄骨柱が角型鋼管の場合には、略矩形状に成形されたベースプレートの4辺の張出し部分のうちで、柱脚に負荷された繰返し曲げモーメントの方向に対応する対向位置の2辺が、塑性変形により上方に屈曲した形状を実現できる。したがって、従来例のようにベースプレートの爪先立ちや笠折れが生じ難く、基礎コンクリート面に対して広い面積で圧接するようになる。すなわち、ベースプレート下面の支圧面積が増大し、基礎コンクリートを局部的に押圧することがないので、基礎コンクリートに与える影響が低減し、その縮小化が可能になる。
【0010】
さらに、前記ボルト孔は、適用するアンカーボルトの外径よりも十分に大きく、それらの間にグラウト材を充填可能な過大孔とすることができる。この場合には、曲げモーメントに対してベースプレートの圧縮側に想定される仮想塑性ヒンジ線、すなわち角型鋼管からなる鉄骨柱においては、その圧縮側に位置する柱側面の延長線上にボルト孔を配置することにより、圧縮側において曲げ降伏を生じやすくすることができるので、特にベースプレートの張出し部分の幅が狭い場合などに有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るベースプレートは、従来のベースプレートに用いられている鋼材よりも降伏点の高いものを使用するとともに、ベースプレートの爪先立ちや笠折れに関係するその板厚と全幅と張出し部分の幅について、最適条件を見出した点に技術的な特徴がある。これにより、柱脚に曲げモーメントが作用したとき、ベースプレートは、その圧縮側でのみ塑性変形させることができる。したがって、実際の地震において繰返し(正負)の曲げモーメントが柱脚に作用した場合には、ベースプレートが経時的な変化状態として図1の(a)から(c)に向かう挙動を示す。この場合、反時計方向の曲げモーメントを+M、時計方向の曲げモーメントを−Mで示す。まず、図1(a)において、+Mの曲げモーメントが作用すると、引張側に位置する一端側のアンカーボルト10aが降伏するとともに、圧縮側では鉄骨柱11の他端側フランジ直下のベースプレート12が曲げ降伏して塑性ヒンジ12aが形成される。次に、反対方向の曲げモーメント−Mが作用すると、図1(b)の状態を経て図1(c)に示すように、引張側に位置する他端側のアンカーボルト10bが降伏するとともに、圧縮側となるベースプレート12の一端側も曲げ降伏して同様な塑性ヒンジ12bが形成される。
【0012】
そして、正負の繰返し曲げモーメントが柱脚に負荷されると、図2に示すようにベースプレート12は、繰返し曲げモーメントの両方向において、鉄骨柱11の側面からの張出し部分が上方に湾曲し、船底のような形状に塑性変形する。なお、例えば保有耐力接合を満足する柱脚において、さらに大きな曲げモーメントが負荷された場合には、鉄骨柱11の接合部付近の座屈による変形等のため、上記張出し部分の屈曲に止まらず、最終的にベースプレート全体が湾曲した状態に塑性変形することになる。ベースプレート12がこのような形状に変化すると、図3に示すように圧縮応力中心が内方(ベースプレート12の中心線に向かう方向)に変位するので、ベースプレート12の各側面から基礎コンクリート13の縁部までの距離(縁空き部分)を大きく確保する必要がなくなり、基礎コンクリート13を従来に比べて小さくすることが可能になる。
【0013】
本発明においては、上記のような高強度鋼材の使用が重要である。この高強度鋼材は、これまでにベースプレートの材料として使用されたことのない新材料である。その化学成分(単位重量%)は、C<0.12、Si<0.55、Mn<1.60であり、PとSの不純物元素が極めて少ない。これにより、降伏点が400N/mm2以上になり、且つそのバラツキが従来の建築構造用圧延鋼材などに比べて少なくなるばかりか、一般的にベースプレートとして使用される板厚の範囲内(19〜100mm)においては、強度の変化を無視できるという利点がある。なお、斯かる鋼材のベースプレートへの成形方法としては、所要の板厚の圧延鋼板を適宜寸法に切断したもの、あるいは鋳造により略矩形板状にするなど、その成形方法は特に限定されない。また、アンカーボルトが挿通されるボルト孔の位置については、少なくとも四隅にあればよい。例えば、各隅部のみにそれぞれ複数個を設けたもの、さらにそれら隅部間の辺部にも設けたもの、あるいは四辺に沿ってそれぞれ単独で均等配置したものなど、種々の配列状態に適用可能である。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係るベースプレートを露出型鉄骨柱脚に適用し、その力学的特性を解明するために負荷実験を行った。図4は、その実験方法を示した概略説明図である。図示のように、本実験では、鉄骨柱1を基礎コンクリート2に定着させたアンカーボルト3とナット(図示せず)を用いて下方に設けた略矩形状のベースプレート4を締め付けた後、ベースプレート4の下面に無収縮グラウトモルタル7を充填することにより、基礎コンクリート2に対して固定している。なお、アンカーボルト3の下端部には定着板6が装着されている。実験対象は、鉄骨柱1の寸法(柱径)、アンカーボルト3の材質とその径ならびに使用本数と配置状態、ベースプレート4の材質と板厚ならびに隅部と辺部の寸法などに関し、前述の機械的性質(降伏点)と関係1および関係2を満足する種々の形態と、比較例としてそれら関係のいずれかを満足しないものを試験体とした。実験は、鉄骨柱1の適宜の高さに水平方向の外力Fをアクチュエーターの押し引きにより正負交番荷重として繰り返し載荷することにより、所定の曲げモーメントMを鉄骨柱1加える。その時の全体変位δを変位計5によって検出するとともに、アンカーボルト3の軸部やベースプレート4の各隅部と各辺部などの必要部位の表面側や底面側に設置した多数の歪みゲージ(図示せず)により、柱脚部に作用する曲げモーメントMに基づく試験体各部の挙動を克明に検出できるように構成されている。
【0015】
そして、本実験装置により、柱脚部に作用する曲げモーメントMを徐々に増やしながら試験体各部の変位や歪みを検出してその挙動を観察した。図5は、その実験結果に基づいて柱脚部の全体の変位を包絡線にて定性的に示したもので、本発明を適用した場合の柱脚部に対する曲げモーメントMと、全体変位δを回転角θに換算した一般的な関係を実験的に得た特性図であり、各試験体の形態の変化に関わらず共通した特性であることが確認されている。ここで、M1は柱脚部の降伏耐力となる引張側に位置するアンカーボルト3が降伏する際の柱脚部曲げモーメント、M2はベースプレート4の圧縮側部分が曲げ降伏する際の柱脚部曲げモーメント、M3は柱脚部の終局耐力となる引張側に位置するアンカーボルト3が破断する際の柱脚部曲げモーメントである。なお、M4はベースプレート4が引張側で曲げ降伏する際の柱脚部曲げモーメントであるが、最大耐力時においてベースプレート4が引張側で曲げ降伏していないことで確認する。この場合、実施例の多くは図5に示す特性図の関係、すなわちM3>M2>M1を満足したが、一部のものでは引張側に位置するアンカーボルト3の降伏よりもベースプレート4の圧縮側部分での曲げ降伏が先行し、M3>M1>M2の関係となった。ただし、いずれの場合においても図2に示すようなベースプレート4の両側の張出し部分での塑性変形が最終的に見られた。また、この実験結果に基づく特性は、以下に示す各実施例の仕様および材料の機械的性質に基づくFEM解析によってもほぼ一致することが確認されている。
【0016】
図6は、本発明によるベースプレートの一実施例であり、アンカーボルトが8本タイプの形状を示している。なお、鋼材の降伏点および関係1と関係2はもちろん満足するものである。図示のベースプレート30では、8個のボルト孔30a〜30hが、鉄骨柱31のコーナー部31aに引いた45度の接線と平行となるように各隅部に2個ずつ配置される。ところで、図4の実験における柱脚各部に作用する力関係は、図7のようにモデル化することができる。すなわち、柱脚部に曲げモーメントMが作用すると、ベースプレート30の一端側(圧縮側)の隅部や辺部が支点となって他端側(引張側)のアンカーボルト(図示せず)に対して引張力Tが作用する。そして、その引張力Tに等しい圧縮力Cが、ベースプレート30の一端側の隅部や辺部からなる支点部分の下方の基礎コンクリート(図示せず)に対して作用することになる。
【0017】
図8ないし図10は、図6に示す形状で本発明の条件を満足するベースプレートの具体例(実施例)と、同じ形状で本発明の条件を満たさない比較例1,2について、鉄骨柱脚に適用して曲げモーメントMが作用したときのベースプレートの圧縮側部分における圧縮分布を示す特性図である。この特性図は、ベースプレートの圧縮側下面に所定の格子状間隔で多数の歪みゲージを設置し、各位置での圧縮歪みεについて、ベースプレートの端面側からの距離Xとの関係を示している。この場合、歪みゲージは、基礎コンクリート(基礎柱型)上面とベースプレート下面に充填した無収縮グラウトモルタル中に埋設されている。図8の(a)と(b)は、それぞれ図6におけるG線上とF線上での結果を示している。なお、試験体(実施例)の仕様は、下記のとおりである。
柱材(角型鋼管):柱径d400mm、板厚22mm、材質BCR295
ベースプレート:全幅B700mm、板厚t50mm、材質SA440(降伏点440N/mm2)
アンカーボルト:ボルト径D41、定着長15D、材質SD390
基礎柱型:断面寸法900mm角、立上り筋16本(D25,SD345)
したがって、この仕様における関係式(1)と(2)の値は、それぞれ(B/2t−d/2t)3=27≧20と、B/t=14≧14となり、いずれも条件を満足するものである。これとは別に、比較例1として上記実施例と同じ鋼材でその板厚tが60mmの場合、すなわち関係式(1)と(2)の値が、それぞれ=15.6および11.7となるもの、比較例2として実施例と同じ板厚t(関係1と関係2は満足)で降伏点が325N/mm2の鋼材からなるものについても同様な実験を行い、上記歪み測定とともに曲げモーメントを徐々に加えていったときのベースプレートの形状変化を目視により観察し、併せて挙動に変化が見られた時点での鉄骨柱に作用している曲げモーメントを算出した。
【0018】
そして、図8から明らかなように、上記実施例のベースプレートは、長さ150mmの張出し部分において基準位置となるその端面から約100mmの位置で圧縮荷重が最大になっている。この場合、ベースプレートに爪先立ちや笠折れが生じなかった。これに対して、比較例1では図9に示すようにベースプレート端面にそのピークがあり、試験体の状況としてはベースプレートの爪先立ち現象が見られた。また、比較例2のものでは、図10に示すように低荷重時には実施例と似たような挙動を示したが、約132t・mにおいて、ベースプレートの引張側が降伏したことにより笠折れ現象が生じ、ベースプレート端面の近い位置が圧縮のピークとなっている。以上の結果とこれらの圧縮分布を示す特性図からは、すべての条件を満足する実施例のほうが、圧縮荷重のピークが内側に寄り、基礎コンクリートに対して面接触状態になっていることがわかる。すなわち、本発明によるベースプレートは、曲げモーメントが柱脚に作用したときの圧縮中心がベースプレート端面から遠ざかる方向に変位することから、ベースプレート下面の支圧面積が増大し、基礎コンクリートに及ぼす悪影響が減少することを示している。
【0019】
図11ないし図14は、それぞれ別の実施例であって、鋼材の降伏点やベースプレートの全幅と板厚等の上記関係1,2の条件を満足し、形状の異なるベースプレートの平面図である。図11に示すベースプレート40は、図6の実施例と基本構成は同じであるが、各ボルト孔の位置が少し異なっている。すなわち、曲げモーメントが作用したとき、例えば圧縮側となる二個所の隅部にそれぞれ存在する2個のボルト孔40a,40bおよび40h,40gのうちで内側(柱寄り)に位置するボルト孔40b,40gが、圧縮側に想定される仮想塑性ヒンジ線HLc、すなわち鉄骨柱41の圧縮側に位置する柱側面を延長した線上にその孔芯が合致するものである。この場合、ボルト孔40b,40gの部分が断面欠損となるので、ベースプレート40の圧縮側での曲げ降伏がより生じやすくなる。このようにベースプレートの圧縮側に断面欠損部分を位置させることは、ベースプレートの張出し部分の幅が狭い場合、すなわちベースプレート40の全幅Bに対する鉄骨柱41の柱径dの比率が大きいときに有効な手段である。この場合、各ボルト孔40a〜40hの内径が、使用するアンカーボルト外径よりも過大となるようにすれば、その効果をより高めることができ、好ましくは全幅Bに対して15%以上である。なお、過大孔とした場合には、それらの隙間に適宜のグラウト材を充填することが不可欠であり、もちろん本発明の他の実施例にも適用可能である。また、圧縮側に想定される仮想塑性ヒンジ線HLcは、鉄骨柱が角型鋼管の場合では、ベースプレートがいずれの形状であっても圧縮側に位置する柱側面の延長線上に想定することができる。
【0020】
図12に示すベースプレート50は、図6あるいは図11の実施例と同じアンカーボルト8本タイプであるが、各ボルト孔50a〜50hの位置と全体形状が異なる。すなわち、ベースプレート50は正方形状であり、各隅部に1個と隅部間の各辺部にそれぞれ1個ずつ配置されたものである。このようなボルト孔の配置状態は、これに限らずアンカーボルトが12本タイプ、16本タイプなどに適用することはもちろん可能である。また、各隅部に1個のボルト孔が存在する同じタイプのものとしては、図13に示すベースプレート60があり、4個のボルト孔60a〜60dは四隅に配置され、この種の柱脚用ベースプレートとしてはボルト孔の数が最少の形態である。
【0021】
また、図14に示すベースプレート70は、アンカーボルト12本タイプである。ここで、12個のボルト孔70a〜70lは、各隅部に2個とそれら隅部間の辺部にそれぞれ1個ずつ配置されている。このように辺部にもボルト孔が存在するものとしては、アンカーボルト16本タイプあるいはそれ以上のものなどにも適用可能であり、また各隅部に3個以上のボルト孔を設けることも可能である。なお、図6、図11ないし図14に示す各実施例では、ベースプレートの全幅Bに対する鉄骨柱の柱径dの比率を1/2に設定しているが、その比率を1/2以上に設定できることは言うまでもない。
【0022】
次に、図15と図16は、それぞれ露出型鉄骨柱脚に適用されたベースプレートの他の実施例と従来例であって、柱脚に曲げモーメントMが作用した状態を示している。すなわち、図16に示す従来例では、曲げモーメントMが作用したときにベースプレート20に爪先立ち現象が生じることから、基礎コンクリート23の圧壊を阻止するためにベースプレート20の縁空き部分を十分に確保することが必要である。そこで、アンカーボルト22から離れた位置においてそれらを囲むように複数の立上がり筋25を設置し、それらをフープ筋24で囲むのが従来の一般的な施工方法である。
【0023】
これに対して、図15に示す本発明の実施例では、下端部に固着したベースプレート80を介してアンカーボルト82により鉄骨柱81を基礎コンクリート83に固定する点は同じであるが、基礎コンクリート83の内部に埋設されるフープ筋84の設置状態が上記従来例とは異なる。すなわち、本発明では上記構成の採用により、ベースプレート80の周囲に縁空き部分を大きく確保する必要がないので、立上がり筋を省いてこれらアンカーボルト82に対してフープ筋84を直に巻くことができる。これにより、基礎コンクリート83の寸法D1は、従来例の基礎コンクリート23の寸法D2よりも小さくすることが可能になる。
【0024】
なお、上記各実施例では、鉄骨柱として角型鋼管を用いた事例について説明したが、円形鋼管にも適用することは可能であり、その場合には直径が柱径となることは言うまでもない。さらに、ベースプレートの四隅を斜断せずに矩形にしたり、アンカーボルトの本数を増やすなど、この発明の技術思想内での種々の変更実施はもちろん可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るベースプレートは、高強度鋼材の使用に加え、鉄骨柱からの張出し部分の幅と板厚を一定の条件下で選択することにより、地震などの繰返し曲げモーメントが柱脚に作用した場合に、ベースプレートが曲げモーメントの圧縮側でのみ塑性変形をさせることで、爪先立ちや笠折れが生じ難くなった。このため、ベースプレートの周囲に確保すべき縁空き部分が少なくて済むから、基礎コンクリートの縮小化が可能になり、施工の合理化や設計の自由度拡大が図られるなど、本発明の実用上の効果はきわめて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベースプレートを適用した露出型鉄骨柱脚に繰返し曲げモーメントが作用したときの力学的挙動を示す説明図である。
【図2】上記力学的挙動に伴う最終状態の形状を示す説明図である。
【図3】図2の状態の露出型鉄骨柱脚に曲げモーメントが作用したときの基礎コンクリートに対する圧縮状態を示す説明図である。
【図4】実験方法の概略を示した説明図である。
【図5】本発明に係るベースプレートを適用した露出型鉄骨柱脚において、アンカーボルトとベースプレートの力学的状態を曲げモーメントと回転角とに関連させて示した特性図である。
【図6】本発明に係るベースプレートの一実施例を示す平面図である。
【図7】ベースプレートに作用する力関係をモデル化して解析するための説明図である。
【図8】図6の実施例に曲げモーメントを負荷したときの基礎コンクリートに対する圧縮分布を示す特性図である。
【図9】比較例のベースプレートに曲げモーメントを負荷したときの基礎コンクリートに対する圧縮分布を示す特性図である。
【図10】比較例のベースプレートに曲げモーメントを負荷したときの基礎コンクリートに対する圧縮分布を示す特性図である。
【図11】本発明に係るベースプレートの他の実施例を示す平面図である。
【図12】本発明に係るベースプレートの他の実施例を示す平面図である。
【図13】本発明に係るベースプレートの他の実施例を示す平面図である。
【図14】本発明に係るベースプレートの他の実施例を示す平面図である。
【図15】本発明に係るベースプレートを適用した露出型鉄骨柱脚において、曲げモーメントと基礎コンクリート中の配筋状態との関係を示す説明図である。
【図16】従来例において、曲げモーメントと基礎コンクリート中の配筋状態との関係を示す説明図である。
【図17】従来例において、曲げモーメントが作用したときの基礎コンクリートの状態を示す説明図である。
【図18】図17の状態からさらに進行した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61,71,81…鉄骨柱、2,13,23,83…基礎コンクリート、3,10a,10b,22,82…アンカーボルト、4,12,20,30,40,50,60,70,80…ベースプレート、5…変位計、6…定着板、30a〜30h,40a〜40h,50a〜50h,60a〜60d,70a〜70l…ボルト孔
Claims (2)
- 鉄骨柱の下端部に固着され、少なくとも四隅に設けられたボルト孔に対して、基礎コンクリートに定着した複数本のアンカーボルトを挿通し、ナットの締付けにより鉄骨柱を基礎コンクリートに固定する略矩形板状に成形された鋼材からなる柱脚用ベースプレートにおいて、前記鋼材の降伏点が400N/mm2以上であり、その全幅Bと板厚t、および前記鉄骨柱の柱径dとの間に次の関係(1)および(2)が成り立つことを特徴とする柱脚用ベースプレート。
(1)(B/2t−d/2t)3≧20
(2)B/t≧14 - 前記ボルト孔が、前記アンカーボルトとの間にグラウト材を充填可能な過大孔として形成されることを特徴とする請求項1に記載の柱脚用ベースプレート。
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JP2003184530A JP4041434B2 (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 柱脚用ベースプレート |
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