JP2005016131A - 可撓性を有する扉 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な可撓性を備え、成形が容易で、製造コストの低減を図る。
【解決手段】可撓性を有する扉を、細長い板片11と、板片11を並列に複数枚並べた状態で各板片11を支持する可撓性シート12と、個々の板片11と可撓性シート12とが重ねられた状態でそれらを互いに固定する固定手段13とから構成した。可撓性シート12は、扉全体を覆う広さに成形した。板片11は、肉厚の短冊状部材で構成した。固定手段13は、板片11及び可撓性シート12側に形成されてそれらを固定する固定部18と、固定部18の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部19とから構成した。摺動部19は楕円状に形成した。固定部18は、位置決め板21と、挟持板22,23と、係止爪24とから構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】可撓性を有する扉を、細長い板片11と、板片11を並列に複数枚並べた状態で各板片11を支持する可撓性シート12と、個々の板片11と可撓性シート12とが重ねられた状態でそれらを互いに固定する固定手段13とから構成した。可撓性シート12は、扉全体を覆う広さに成形した。板片11は、肉厚の短冊状部材で構成した。固定手段13は、板片11及び可撓性シート12側に形成されてそれらを固定する固定部18と、固定部18の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部19とから構成した。摺動部19は楕円状に形成した。固定部18は、位置決め板21と、挟持板22,23と、係止爪24とから構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホームロッカーの前面開口部等を塞ぐ開閉扉として使用される可撓性を有する扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホームロッカーの前面開口部等を塞ぐ開閉扉としては種々のものが用いられるが、スライドさせて開閉するものとしては通常シャッターが用いられる。このシャッタは通常可撓性のある合成樹脂で形成される。具体的には、複数枚並列に配設された短冊状の肉厚部と、各肉厚部の間に設けられ各肉厚部を回動可能に連結してヒンジとして機能する肉薄部とから構成される。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−28131号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のシャッタの場合、肉厚部と肉薄部とが一体成形されるため、撓ませる際に多少硬くなってしまう。十分な強度を持たせるために、ある程度の厚みを持たせる必要がある。このため、ホームロッカー等の側部の回り込んだ部分でシャッタが撓みながら通過する際に、スライドさせるのが多少重くなってしまうという問題点がある。
【0005】
また、シャッタを合成樹脂で一体成形する場合は、金型が必要になり、この金型の分のコストが嵩んでしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、十分な可撓性を備えると共に、成形が容易で、製造コストも低減できる可撓性を有する扉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために第1の発明に係る可撓性を有する扉は、スライドさせて開口部を開閉する可撓性を有する扉において、細長い板片と、当該板片を並列に複数枚並べた状態で各板片を支持する可撓性シートと、上記個々の板片と上記可撓性シートとが重ねられた状態でそれらを互いに固定する固定手段とから構成されたことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、細長い板片を並列に複数枚並べた状態で、各板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで、シャッターと同じ機能を持たせることができる。さらに、可撓性を有する扉を撓ませる機能は可撓性シートに持たせているので、この可撓性シートの柔らかさを調整することで、可撓性を有する扉の柔軟さを調整することができる。また、板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで可撓性を有する扉を成形できるため、可撓性を有する扉の成形が容易になり、製造コストも低減することができる。
【0009】
上記可撓性シートは、扉全体を覆う広さに成形することができる。
【0010】
これにより、各板片をその全面から支持するため、十分な可撓性を持たせることができると共に、十分な強度を持たせることができる。
【0011】
上記可撓性シートは、並列に複数枚並べられた板片の少なくとも両端部を個別に覆うように帯状に成形してもよい。
【0012】
これにより、帯状の可撓性シートで、各板片の少なくとも両端部を支持して可撓性を有する扉を構成することができる。この場合、要求される可撓性及び強度に応じて、帯状の可撓性シートの幅や本数を設定する。
【0013】
上記板片は、肉厚の短冊状部材によって構成してもよい。
【0014】
この場合、十分な可撓性を備えた肉厚の扉を構成することができる。なお、板片の具体的な肉厚や材料等は、用途に応じて適宜変更することができる。
【0015】
上記固定手段は、上記板片及び可撓性シート側に形成されてそれらを固定する固定部と、当該固定部の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部とから構成される。
【0016】
これにより、固定部が板片と可撓性シートとを互いに固定し、摺動部がホームロッカー等のレール溝に摺動可能に嵌合する。これにより、固定手段は、板片と可撓性シートとを支持して、扉をスムーズにスライドさせる。
【0017】
上記摺動部は、その平面形状を楕円状に形成することができる。
【0018】
これにより、摺動部がレール溝に挿入されたときに、スムーズにスライドさせることができる。
【0019】
上記固定部は、上記板片の嵌合溝と上記可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする位置決め板と、当該位置決め板が上記嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で上記可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ2枚の挟持板と、当該挟持板の一方又は両方に設けられ上記板片又は可撓性シートの一方又は両方側の被嵌合部に嵌合する嵌合部とから構成することが望ましい。
【0020】
これにより、位置決め板は、板片の嵌合溝と可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする。挟持板は、位置決め板が嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ。この状態で、嵌合部が板片又は可撓性シートの被嵌合部に嵌合して、板片と可撓性シートとを互いにずれないように確実に支持する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可撓性を有する扉について図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、可撓性を有する扉をホームロッカーに使用する場合を例に説明する。図1は本実施形態に係る可撓性を有する扉を示す斜視図、図2は本実施形態に係るホームロッカーを示す斜視図、図3は本実施形態に係るホームロッカーを示す分解斜視図、図4は本実施形態に係る固定手段を示す斜視図、図5は本実施形態に係る固定手段を示す正面図、図6は本実施形態に係る固定手段を示す側面図、図7は本実施形態に係る固定手段を示す背面図、図8は本実施形態に係る固定手段を示す底面図、図9は本実施形態に係る固定手段を示す平面図、図10は本実施形態に係る固定手段を示す側面断面図、図11は本実施形態に係る固定手段を示す正面断面図、図12は図10の固定手段を他の位置で示す側面断面図である。
【0022】
ホームロッカー1は、図2,3に示すように主に、底板2と、両側板3と、背面板4と、天板5と、可撓性を有する扉6とから構成されている。
【0023】
底板2は、ホームロッカー1の底部を仕切る板材である。底板2はほぼ四角形状に形成されている。底板2は、四角形の枠部2Aと、この枠部2Aの全面に取り付けられた多数の板片2Bとから構成されている。底板2の前面両側の角部は面取りが施されている。底板2の前面部及び両側部には、平面形状がほぼコ字状に配設されたレール溝2Cが設けられている。このレール溝2Cは、断面四角形状(例えば、幅10mm、深さ10mm)に形成されている。2つの角部では、面取りされている部分でなだらかな円弧を描くように形成されている。底板2の両側部の上面には、後述する両側板3の位置決め用突起3Cが嵌合する嵌合穴2Dが対応位置に2つずつ設けられている。底板2の背面部には、後述する背面板4の位置決め用突起4Cが嵌合する嵌合穴(図示せず)が対応位置に設けられている。底板2、両側板3及び背面板4は、各嵌合穴2Dと位置決め用突起3C,4Cとが嵌合した状態でねじ8によって固定される。
【0024】
両側板3は、ホームロッカー1の両側を仕切る板材である。両側板3はほぼ四角形状に形成されている。両側板3は、四角形の枠部3Aと、この枠部3Aの全面に取り付けられた多数の板片3Bとから構成されている。両側板3の下端部には、上記底板2の嵌合穴2Dに嵌合する位置決め用突起3Cが2つ設けられている。両側板3の上端部には、後述する天板5の嵌合穴に嵌合する位置決め用突起3Dが設けられている。これらの位置決め用突起3C,3Dが底板2及び天板5の各嵌合穴に嵌合することで、底板2と両側板3と天板5とが互いに位置決めされるようになっている。両側板3の取り付け位置は、底板2及び天板5の左右両側端部ではなく、少し内側へずらした位置になっている。これは、両側板3の外側に可撓性を有する扉6が位置するためである。このため、底板2のレール溝2Cのうち両側に位置する部分は、両側板3の外側に設けられている。
【0025】
背面板4は、ホームロッカー1の背面を仕切る板材である。背面板4はほぼ四角形状に形成されている。背面板4は、四角形の枠部4Aと、この枠部4Aの全面に取り付けられた多数の板片4Bとから構成されている。背面板4の下端部には、上記底板2の嵌合穴に嵌合する位置決め用突起4Cが2つ設けられている。背面板4の上端部には、後述する天板5の嵌合穴に嵌合する位置決め用突起4Dが2つ設けられている。これらの位置決め用突起4C,4Dが底板2及び天板5の各嵌合穴に嵌合することで、底板2と背面板4と天板5とが互いに位置決めされるようになっている。また、背面板4と両側板3とは、ねじ8によって固定される。
【0026】
天板5は、ホームロッカー1の天井面を仕切る板材である。天板5は、底板2と同様にほぼ四角形状に形成されている。天板5は、枠部5Aと、傾斜板5Bとから構成されている。枠部5Aはほぼコ字状に形成され、両側板3の上端に取り付けられてこれらを支持している。傾斜板5Bは、枠部5Aと一体的に設けられてその全面を覆う屋根部材である。傾斜板5Bは、枠部5Aに支持された状態で、背面側へ向けて下がる傾斜が設けられている。この傾斜は、雨水等の水はけのためである。天板5の下側面には、両側板3の位置決め用突起3D及び背面板4の位置決め用突起4Dに嵌合する嵌合穴(図示せず)が設けられている。さらに、天板5の下側面には、上記レール溝2Cと同様のレール溝(図示せず)が設けられている。
【0027】
上記底板2、両側板3、背面板4及び天板5は、木材やプラスチック等の種々の材料を使用して構成することができる。
【0028】
可撓性を有する扉6は、ホームロッカー1の前面開口部を開閉するための開閉扉である。この扉6は、図1に示すように、板片11と、可撓性シート12と、固定手段13とから構成されている。
【0029】
板片11は細長い短冊状に形成されている。板片11は、木材、合成板材、金属等の種々の材料が使用できる。質感を出すために石材、特に肉厚の石材等を用いてもよい。各種の材料を用いて、任意の厚さに設定できる。板片11の材料や厚さ等は、デザインや用途等に応じて適宜設定する。板片11の上下端部には、嵌合溝15が設けられている。この嵌合溝15は、後述する固定手段13の位置決め板21が嵌合するための溝である。嵌合溝15の両側には、嵌合凹部(図示せず)が設けられている。この嵌合凹部は、後述する固定手段13の係止爪24が嵌合して板片11及び可撓性シート12を固定すると共に固定手段13が抜け落ちないようにするための被嵌合部である。嵌合凹部は、係止爪24とほぼ同じ大きさに設定されている。これにより、係止爪24が嵌合凹部に嵌合することで、板片11と可撓性シート12とが互いにずれないように確実に支持することができるようになっている。
【0030】
可撓性シート12は、板片11を並列に複数枚並べた状態で各板片を支持するためのシートである。可撓性シート12は、扉6全体を覆う広さに成形されている。可撓性シート12の材料としては、種々のものを用いることができる。例えば、ポリエチレン等のプラスチック、布、可撓性を有する金属や木材等を用いることができる。可撓性シート12のうち板片11が支持された状態で嵌合溝15に整合する位置にはスリット16が設けられている。このスリット16は、固定手段13の位置決め板21が嵌合するためのものである。スリット16は、嵌合溝15と同じ形状に形成され、位置決め板21が嵌合溝15とスリット16とに嵌合することで、板片11が可撓性シート12に対して位置決めされるようになっている。スリット16の両側にはシート側嵌合穴17が設けられている。このシート側嵌合穴17は、固定手段13の係止爪24が嵌合して可撓性シート12を固定すると共に固定手段13が抜け落ちないようにするための被嵌合部である。シート側嵌合穴17は、係止爪24とほぼ同じ大きさに設定されている。これにより、係止爪24がシート側嵌合穴17に嵌合することで、可撓性シート12をずれないように確実に支持することができるようになっている。
【0031】
固定手段13は、個々の板片11と可撓性シート12とが重ねられた状態でそれらを互いに固定するための部材である。この固定手段13は、図4〜12に示すように、板片11及び可撓性シート12側に形成されてそれらを固定する固定部18と、固定部18の反対側に設けられて底板2及び天板5のレール溝2Cに摺動可能に嵌合する摺動部19とから構成されている。
【0032】
固定部18は、位置決め板21と、挟持板22,23と、係止爪24とから構成されている。
【0033】
位置決め板21は、板片11の嵌合溝15と可撓性シート12のスリット16とが互いに整合した状態でこれらに嵌合することで、板片11を可撓性シート12に位置決めするための部材である。位置決め板21は、2枚の挟持板22,23の間に掛け渡して設けられ、嵌合溝15及びスリット16に整合する厚さ及び高さに設定されている。
【0034】
挟持板22,23は、位置決め板21が嵌合溝15及びスリット16に嵌合した状態で、板片11及び可撓性シート12を両側から挟み持つための部材である。2枚の挟持板22,23は水平底板25で互いに連結されている。2枚の挟持板22,23の間隔(水平底板25の寸法)は、板片11及び可撓性シート12の厚さに応じて適宜設定される。具体的には、板片11及び可撓性シート12を互いに重ね合わせた厚さよりも少し狭い間隔で2枚の挟持板22,23が配設され、板片11及び可撓性シート12を確実に挟み持つことができるようになっている。一方の挟持板23には、その中央部分に切り欠き26が設けられている。この切り欠き26は、挟持板23と位置決め板21との連結をなくして、係止爪24の嵌合時に挟持板23が撓み得るようにするためである。水平底板25には、水抜き穴28が設けられている。
【0035】
係止爪24は、板片11の嵌合凹部及び可撓性シート12のシート側嵌合穴17に嵌合する嵌合部である。係止爪24は挟持板23の内側に設けられている。この係止爪24が嵌合凹部及びシート側嵌合穴17にそれぞれ嵌合することで、板片11及び可撓性シート12を互いにずれないように確実に支持することができるようになっている。
【0036】
摺動部19は、水平底板25の下側面に一体的に設けられている。摺動部19は、その平面形状を楕円状に形成され、底板2及び天板5のレール溝2Cに嵌合した状態でスムーズに摺動できるようになっている。
【0037】
固定手段13は、摩擦係数の小さいプラスチックで形成され、摺動部19及び水平底板25が底板2及び天板5のレール溝2Cに接触してもスムーズにスライドできるようになっている。
【0038】
扉6を構成する複数の板片11のうち、一方の端部に位置する板片11には取っ手27が設けられている。この取っ手27は、扉6をスライドさせるときに掴む部分である。
【0039】
[動作]
以上のように構成されたホームロッカー1は、次のようにして組み立てる。
【0040】
まず、扉6は次のようにして組み立てる。可撓性シート12上に複数の板片11を並列に並べる。このとき、板片11の嵌合溝15と可撓性シート12のスリット16とが互いに整合するように合わせる。次いで、固定手段13を取り付ける。固定手段13の各挟持板22,23が、板片11及び可撓性シート12を挟み持つように取り付ける。このとき、位置決め板21は嵌合溝15とスリット16に嵌合され、この状態で押し込む。最後まで押し込むと、係止爪24が嵌合凹部及びシート側嵌合穴17に嵌合して、板片11と可撓性シート12とを固定すると共に、固定手段13自身が板片11及び可撓性シート12に固定される。可撓性シート12の左右両端の中央部は、ねじ8で板片11に固定する。
【0041】
次いで、底板2に両側板3及び背面板4を嵌合させてねじ8で固定し、両側板3及び背面板4もねじ8で固定する。次いで、扉6の固定手段13の摺動部19を底板2のレール溝2Cに嵌合する。
【0042】
次いで、天板5の嵌合穴を両側板3及び背面板4の位置決め用突起3D,4Dに嵌合させ、レール溝を扉6の固定手段13の摺動部19に嵌合する。次いで、ねじ8で天板5を両側板3及び背面板4に固定する。
【0043】
扉6を開閉するときは、取っ手27を掴んで左右へスライドさせる。これにより、下側の固定手段13は、その水平底板25がレール溝2Cの上面に接触して扉6をスライド自在に支持する。さらに、固定手段13の摺動部19がレール溝2Cの内面に接触して扉6を案内し、レール溝に沿って扉6を移動させる。
【0044】
天板5側では、固定手段13の摺動部19がレール溝の内面に接触して扉6を案内し、レール溝に沿って扉6を移動させる。
【0045】
これにより、扉6を軽い力でスムーズにスライドさせて開閉させることができる。
【0046】
[効果]
以上により、扉6に十分な可撓性を備えることができるようになる。
【0047】
さらに、扉6は、板片11と可撓性シート12と固定手段13とを組み合わせて構成するので、扉6の成形が容易にある。さらに、金型が不要になり、製造コストを低減することができる。
【0048】
[変形例]
(1) 上記実施形態では、可撓性を有する扉をホームロッカーに用いた場合を例に説明したが、ホームロッカーに限らず、開口部を開閉するための扉として種々のものに用いることができる。この場合も、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0049】
(2) 上記実施形態では、可撓性シート12を、扉6全体を覆うように成形したが、帯状に成形してもよい。例えば、並列に複数枚並べられた板片11の両端部を個別に覆うように2つの帯状の可撓性シートを設け、この可撓性シートを固定手段13で板片11の両端部のみを支持するようにしてもよい。また、板片11の両端部のみに限らず、その中間部分に1又は2以上の帯状の可撓性シートを設けるようにしてもよい。このとき、中間部分に設ける可撓性シートはねじ8で板片11に固定される。この場合、帯状の可撓性シートの幅や本数は、要求される可撓性及び強度に応じて設定する。
【0050】
(3) 上記実施形態では、固定手段13側に係止爪24、板片11側に嵌合凹部を設けたが、これと逆に固定手段13側に嵌合凹部、板片11側に係止爪24を設けてもよい。また、可撓性シート12に係止爪24を設けてもよい。
【0051】
この場合も、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0053】
(1) 細長い板片を並列に複数枚並べた状態で、各板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで、シャッターと同じ機能を持たせることができる。
【0054】
(2) 可撓性シートで複数の板片を支持して扉を構成しているので、この可撓性シートの柔らかさを調整することで、扉に要求される可撓性を確保することができる。
【0055】
(3) 板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで可撓性を有する扉を成形できるため、可撓性を有する扉の成形が容易になる。さらに、金型が不要になり、製造コストも低減することができる。
【0056】
(4) 上記可撓性シートを扉全体を覆う広さに成形したので、各板片をその全面から支持することができ、十分な可撓性を持たせた上で、十分な強度を持たせることができる。
【0057】
(5) 可撓性シートを、並列に複数枚並べられた板片の少なくとも両端部を個別に覆うように帯状に成形することで、可撓性を有する扉を構成することができる。さらに、帯状の可撓性シートの幅や本数を適宜設定することで、要求される可撓性及び強度を容易に実現することができる。
【0058】
(6) 板片を肉厚の短冊状部材によって構成することで、十分な可撓性を備えた肉厚の扉を構成することができる。肉厚や材料を適宜選択することで、用途に応じた最適の扉を構成することができる。
【0059】
(7) 固定手段は、板片及び可撓性シート側に形成されてそれらを固定する固定部と、当該固定部の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部とから構成したので、固定手段で板片と可撓性シートとを支持して、扉をスムーズにスライドさせることができる。
【0060】
(8) 固定手段の摺動部を楕円状に形成したので、扉をスムーズにスライドさせることができる。
【0061】
(9) 固定部を、板片の嵌合溝と可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする位置決め板と、当該位置決め板が上記嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で上記可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ2枚の挟持板と、当該挟持板の一方又は両方に設けられ上記板片又は可撓性シートの一方又は両方側の被嵌合部に嵌合する嵌合部とから構成したので、嵌合部が板片又は可撓性シートの被嵌合部に嵌合して、板片と可撓性シートとを互いにずれないように確実に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る可撓性を有する扉を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るホームロッカーを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るホームロッカーを示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る固定手段を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る固定手段を示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る固定手段を示す側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る固定手段を示す背面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る固定手段を示す底面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る固定手段を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る固定手段を示す側面断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る固定手段を示す正面断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る固定手段を他の位置で示す側面断面図である。
【符号の説明】
1:ホームロッカー、2:底板、2A:枠部、2B:板片、2C:レール溝、2D:嵌合穴、3:両側板、3A:枠部、3B:板片、3C,3D:位置決め用突起、4:背面板、4A:枠部、4B:板片、4C,4D:位置決め用突起、5:天板、5A:枠部、5B:傾斜板、、6:可撓性を有する扉、8:ねじ、11:板片、12:可撓性シート、13:固定手段、15:嵌合溝、16:スリット、17:シート側嵌合穴、18:固定部、19:摺動部、21:位置決め板、22,23:挟持板、24:係止爪、25:水平底板、26:切り欠き、27:取っ手、28:水抜き穴。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホームロッカーの前面開口部等を塞ぐ開閉扉として使用される可撓性を有する扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホームロッカーの前面開口部等を塞ぐ開閉扉としては種々のものが用いられるが、スライドさせて開閉するものとしては通常シャッターが用いられる。このシャッタは通常可撓性のある合成樹脂で形成される。具体的には、複数枚並列に配設された短冊状の肉厚部と、各肉厚部の間に設けられ各肉厚部を回動可能に連結してヒンジとして機能する肉薄部とから構成される。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−28131号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のシャッタの場合、肉厚部と肉薄部とが一体成形されるため、撓ませる際に多少硬くなってしまう。十分な強度を持たせるために、ある程度の厚みを持たせる必要がある。このため、ホームロッカー等の側部の回り込んだ部分でシャッタが撓みながら通過する際に、スライドさせるのが多少重くなってしまうという問題点がある。
【0005】
また、シャッタを合成樹脂で一体成形する場合は、金型が必要になり、この金型の分のコストが嵩んでしまう。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、十分な可撓性を備えると共に、成形が容易で、製造コストも低減できる可撓性を有する扉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために第1の発明に係る可撓性を有する扉は、スライドさせて開口部を開閉する可撓性を有する扉において、細長い板片と、当該板片を並列に複数枚並べた状態で各板片を支持する可撓性シートと、上記個々の板片と上記可撓性シートとが重ねられた状態でそれらを互いに固定する固定手段とから構成されたことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、細長い板片を並列に複数枚並べた状態で、各板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで、シャッターと同じ機能を持たせることができる。さらに、可撓性を有する扉を撓ませる機能は可撓性シートに持たせているので、この可撓性シートの柔らかさを調整することで、可撓性を有する扉の柔軟さを調整することができる。また、板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで可撓性を有する扉を成形できるため、可撓性を有する扉の成形が容易になり、製造コストも低減することができる。
【0009】
上記可撓性シートは、扉全体を覆う広さに成形することができる。
【0010】
これにより、各板片をその全面から支持するため、十分な可撓性を持たせることができると共に、十分な強度を持たせることができる。
【0011】
上記可撓性シートは、並列に複数枚並べられた板片の少なくとも両端部を個別に覆うように帯状に成形してもよい。
【0012】
これにより、帯状の可撓性シートで、各板片の少なくとも両端部を支持して可撓性を有する扉を構成することができる。この場合、要求される可撓性及び強度に応じて、帯状の可撓性シートの幅や本数を設定する。
【0013】
上記板片は、肉厚の短冊状部材によって構成してもよい。
【0014】
この場合、十分な可撓性を備えた肉厚の扉を構成することができる。なお、板片の具体的な肉厚や材料等は、用途に応じて適宜変更することができる。
【0015】
上記固定手段は、上記板片及び可撓性シート側に形成されてそれらを固定する固定部と、当該固定部の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部とから構成される。
【0016】
これにより、固定部が板片と可撓性シートとを互いに固定し、摺動部がホームロッカー等のレール溝に摺動可能に嵌合する。これにより、固定手段は、板片と可撓性シートとを支持して、扉をスムーズにスライドさせる。
【0017】
上記摺動部は、その平面形状を楕円状に形成することができる。
【0018】
これにより、摺動部がレール溝に挿入されたときに、スムーズにスライドさせることができる。
【0019】
上記固定部は、上記板片の嵌合溝と上記可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする位置決め板と、当該位置決め板が上記嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で上記可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ2枚の挟持板と、当該挟持板の一方又は両方に設けられ上記板片又は可撓性シートの一方又は両方側の被嵌合部に嵌合する嵌合部とから構成することが望ましい。
【0020】
これにより、位置決め板は、板片の嵌合溝と可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする。挟持板は、位置決め板が嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ。この状態で、嵌合部が板片又は可撓性シートの被嵌合部に嵌合して、板片と可撓性シートとを互いにずれないように確実に支持する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可撓性を有する扉について図面を参照しながら説明する。なお、ここでは、可撓性を有する扉をホームロッカーに使用する場合を例に説明する。図1は本実施形態に係る可撓性を有する扉を示す斜視図、図2は本実施形態に係るホームロッカーを示す斜視図、図3は本実施形態に係るホームロッカーを示す分解斜視図、図4は本実施形態に係る固定手段を示す斜視図、図5は本実施形態に係る固定手段を示す正面図、図6は本実施形態に係る固定手段を示す側面図、図7は本実施形態に係る固定手段を示す背面図、図8は本実施形態に係る固定手段を示す底面図、図9は本実施形態に係る固定手段を示す平面図、図10は本実施形態に係る固定手段を示す側面断面図、図11は本実施形態に係る固定手段を示す正面断面図、図12は図10の固定手段を他の位置で示す側面断面図である。
【0022】
ホームロッカー1は、図2,3に示すように主に、底板2と、両側板3と、背面板4と、天板5と、可撓性を有する扉6とから構成されている。
【0023】
底板2は、ホームロッカー1の底部を仕切る板材である。底板2はほぼ四角形状に形成されている。底板2は、四角形の枠部2Aと、この枠部2Aの全面に取り付けられた多数の板片2Bとから構成されている。底板2の前面両側の角部は面取りが施されている。底板2の前面部及び両側部には、平面形状がほぼコ字状に配設されたレール溝2Cが設けられている。このレール溝2Cは、断面四角形状(例えば、幅10mm、深さ10mm)に形成されている。2つの角部では、面取りされている部分でなだらかな円弧を描くように形成されている。底板2の両側部の上面には、後述する両側板3の位置決め用突起3Cが嵌合する嵌合穴2Dが対応位置に2つずつ設けられている。底板2の背面部には、後述する背面板4の位置決め用突起4Cが嵌合する嵌合穴(図示せず)が対応位置に設けられている。底板2、両側板3及び背面板4は、各嵌合穴2Dと位置決め用突起3C,4Cとが嵌合した状態でねじ8によって固定される。
【0024】
両側板3は、ホームロッカー1の両側を仕切る板材である。両側板3はほぼ四角形状に形成されている。両側板3は、四角形の枠部3Aと、この枠部3Aの全面に取り付けられた多数の板片3Bとから構成されている。両側板3の下端部には、上記底板2の嵌合穴2Dに嵌合する位置決め用突起3Cが2つ設けられている。両側板3の上端部には、後述する天板5の嵌合穴に嵌合する位置決め用突起3Dが設けられている。これらの位置決め用突起3C,3Dが底板2及び天板5の各嵌合穴に嵌合することで、底板2と両側板3と天板5とが互いに位置決めされるようになっている。両側板3の取り付け位置は、底板2及び天板5の左右両側端部ではなく、少し内側へずらした位置になっている。これは、両側板3の外側に可撓性を有する扉6が位置するためである。このため、底板2のレール溝2Cのうち両側に位置する部分は、両側板3の外側に設けられている。
【0025】
背面板4は、ホームロッカー1の背面を仕切る板材である。背面板4はほぼ四角形状に形成されている。背面板4は、四角形の枠部4Aと、この枠部4Aの全面に取り付けられた多数の板片4Bとから構成されている。背面板4の下端部には、上記底板2の嵌合穴に嵌合する位置決め用突起4Cが2つ設けられている。背面板4の上端部には、後述する天板5の嵌合穴に嵌合する位置決め用突起4Dが2つ設けられている。これらの位置決め用突起4C,4Dが底板2及び天板5の各嵌合穴に嵌合することで、底板2と背面板4と天板5とが互いに位置決めされるようになっている。また、背面板4と両側板3とは、ねじ8によって固定される。
【0026】
天板5は、ホームロッカー1の天井面を仕切る板材である。天板5は、底板2と同様にほぼ四角形状に形成されている。天板5は、枠部5Aと、傾斜板5Bとから構成されている。枠部5Aはほぼコ字状に形成され、両側板3の上端に取り付けられてこれらを支持している。傾斜板5Bは、枠部5Aと一体的に設けられてその全面を覆う屋根部材である。傾斜板5Bは、枠部5Aに支持された状態で、背面側へ向けて下がる傾斜が設けられている。この傾斜は、雨水等の水はけのためである。天板5の下側面には、両側板3の位置決め用突起3D及び背面板4の位置決め用突起4Dに嵌合する嵌合穴(図示せず)が設けられている。さらに、天板5の下側面には、上記レール溝2Cと同様のレール溝(図示せず)が設けられている。
【0027】
上記底板2、両側板3、背面板4及び天板5は、木材やプラスチック等の種々の材料を使用して構成することができる。
【0028】
可撓性を有する扉6は、ホームロッカー1の前面開口部を開閉するための開閉扉である。この扉6は、図1に示すように、板片11と、可撓性シート12と、固定手段13とから構成されている。
【0029】
板片11は細長い短冊状に形成されている。板片11は、木材、合成板材、金属等の種々の材料が使用できる。質感を出すために石材、特に肉厚の石材等を用いてもよい。各種の材料を用いて、任意の厚さに設定できる。板片11の材料や厚さ等は、デザインや用途等に応じて適宜設定する。板片11の上下端部には、嵌合溝15が設けられている。この嵌合溝15は、後述する固定手段13の位置決め板21が嵌合するための溝である。嵌合溝15の両側には、嵌合凹部(図示せず)が設けられている。この嵌合凹部は、後述する固定手段13の係止爪24が嵌合して板片11及び可撓性シート12を固定すると共に固定手段13が抜け落ちないようにするための被嵌合部である。嵌合凹部は、係止爪24とほぼ同じ大きさに設定されている。これにより、係止爪24が嵌合凹部に嵌合することで、板片11と可撓性シート12とが互いにずれないように確実に支持することができるようになっている。
【0030】
可撓性シート12は、板片11を並列に複数枚並べた状態で各板片を支持するためのシートである。可撓性シート12は、扉6全体を覆う広さに成形されている。可撓性シート12の材料としては、種々のものを用いることができる。例えば、ポリエチレン等のプラスチック、布、可撓性を有する金属や木材等を用いることができる。可撓性シート12のうち板片11が支持された状態で嵌合溝15に整合する位置にはスリット16が設けられている。このスリット16は、固定手段13の位置決め板21が嵌合するためのものである。スリット16は、嵌合溝15と同じ形状に形成され、位置決め板21が嵌合溝15とスリット16とに嵌合することで、板片11が可撓性シート12に対して位置決めされるようになっている。スリット16の両側にはシート側嵌合穴17が設けられている。このシート側嵌合穴17は、固定手段13の係止爪24が嵌合して可撓性シート12を固定すると共に固定手段13が抜け落ちないようにするための被嵌合部である。シート側嵌合穴17は、係止爪24とほぼ同じ大きさに設定されている。これにより、係止爪24がシート側嵌合穴17に嵌合することで、可撓性シート12をずれないように確実に支持することができるようになっている。
【0031】
固定手段13は、個々の板片11と可撓性シート12とが重ねられた状態でそれらを互いに固定するための部材である。この固定手段13は、図4〜12に示すように、板片11及び可撓性シート12側に形成されてそれらを固定する固定部18と、固定部18の反対側に設けられて底板2及び天板5のレール溝2Cに摺動可能に嵌合する摺動部19とから構成されている。
【0032】
固定部18は、位置決め板21と、挟持板22,23と、係止爪24とから構成されている。
【0033】
位置決め板21は、板片11の嵌合溝15と可撓性シート12のスリット16とが互いに整合した状態でこれらに嵌合することで、板片11を可撓性シート12に位置決めするための部材である。位置決め板21は、2枚の挟持板22,23の間に掛け渡して設けられ、嵌合溝15及びスリット16に整合する厚さ及び高さに設定されている。
【0034】
挟持板22,23は、位置決め板21が嵌合溝15及びスリット16に嵌合した状態で、板片11及び可撓性シート12を両側から挟み持つための部材である。2枚の挟持板22,23は水平底板25で互いに連結されている。2枚の挟持板22,23の間隔(水平底板25の寸法)は、板片11及び可撓性シート12の厚さに応じて適宜設定される。具体的には、板片11及び可撓性シート12を互いに重ね合わせた厚さよりも少し狭い間隔で2枚の挟持板22,23が配設され、板片11及び可撓性シート12を確実に挟み持つことができるようになっている。一方の挟持板23には、その中央部分に切り欠き26が設けられている。この切り欠き26は、挟持板23と位置決め板21との連結をなくして、係止爪24の嵌合時に挟持板23が撓み得るようにするためである。水平底板25には、水抜き穴28が設けられている。
【0035】
係止爪24は、板片11の嵌合凹部及び可撓性シート12のシート側嵌合穴17に嵌合する嵌合部である。係止爪24は挟持板23の内側に設けられている。この係止爪24が嵌合凹部及びシート側嵌合穴17にそれぞれ嵌合することで、板片11及び可撓性シート12を互いにずれないように確実に支持することができるようになっている。
【0036】
摺動部19は、水平底板25の下側面に一体的に設けられている。摺動部19は、その平面形状を楕円状に形成され、底板2及び天板5のレール溝2Cに嵌合した状態でスムーズに摺動できるようになっている。
【0037】
固定手段13は、摩擦係数の小さいプラスチックで形成され、摺動部19及び水平底板25が底板2及び天板5のレール溝2Cに接触してもスムーズにスライドできるようになっている。
【0038】
扉6を構成する複数の板片11のうち、一方の端部に位置する板片11には取っ手27が設けられている。この取っ手27は、扉6をスライドさせるときに掴む部分である。
【0039】
[動作]
以上のように構成されたホームロッカー1は、次のようにして組み立てる。
【0040】
まず、扉6は次のようにして組み立てる。可撓性シート12上に複数の板片11を並列に並べる。このとき、板片11の嵌合溝15と可撓性シート12のスリット16とが互いに整合するように合わせる。次いで、固定手段13を取り付ける。固定手段13の各挟持板22,23が、板片11及び可撓性シート12を挟み持つように取り付ける。このとき、位置決め板21は嵌合溝15とスリット16に嵌合され、この状態で押し込む。最後まで押し込むと、係止爪24が嵌合凹部及びシート側嵌合穴17に嵌合して、板片11と可撓性シート12とを固定すると共に、固定手段13自身が板片11及び可撓性シート12に固定される。可撓性シート12の左右両端の中央部は、ねじ8で板片11に固定する。
【0041】
次いで、底板2に両側板3及び背面板4を嵌合させてねじ8で固定し、両側板3及び背面板4もねじ8で固定する。次いで、扉6の固定手段13の摺動部19を底板2のレール溝2Cに嵌合する。
【0042】
次いで、天板5の嵌合穴を両側板3及び背面板4の位置決め用突起3D,4Dに嵌合させ、レール溝を扉6の固定手段13の摺動部19に嵌合する。次いで、ねじ8で天板5を両側板3及び背面板4に固定する。
【0043】
扉6を開閉するときは、取っ手27を掴んで左右へスライドさせる。これにより、下側の固定手段13は、その水平底板25がレール溝2Cの上面に接触して扉6をスライド自在に支持する。さらに、固定手段13の摺動部19がレール溝2Cの内面に接触して扉6を案内し、レール溝に沿って扉6を移動させる。
【0044】
天板5側では、固定手段13の摺動部19がレール溝の内面に接触して扉6を案内し、レール溝に沿って扉6を移動させる。
【0045】
これにより、扉6を軽い力でスムーズにスライドさせて開閉させることができる。
【0046】
[効果]
以上により、扉6に十分な可撓性を備えることができるようになる。
【0047】
さらに、扉6は、板片11と可撓性シート12と固定手段13とを組み合わせて構成するので、扉6の成形が容易にある。さらに、金型が不要になり、製造コストを低減することができる。
【0048】
[変形例]
(1) 上記実施形態では、可撓性を有する扉をホームロッカーに用いた場合を例に説明したが、ホームロッカーに限らず、開口部を開閉するための扉として種々のものに用いることができる。この場合も、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0049】
(2) 上記実施形態では、可撓性シート12を、扉6全体を覆うように成形したが、帯状に成形してもよい。例えば、並列に複数枚並べられた板片11の両端部を個別に覆うように2つの帯状の可撓性シートを設け、この可撓性シートを固定手段13で板片11の両端部のみを支持するようにしてもよい。また、板片11の両端部のみに限らず、その中間部分に1又は2以上の帯状の可撓性シートを設けるようにしてもよい。このとき、中間部分に設ける可撓性シートはねじ8で板片11に固定される。この場合、帯状の可撓性シートの幅や本数は、要求される可撓性及び強度に応じて設定する。
【0050】
(3) 上記実施形態では、固定手段13側に係止爪24、板片11側に嵌合凹部を設けたが、これと逆に固定手段13側に嵌合凹部、板片11側に係止爪24を設けてもよい。また、可撓性シート12に係止爪24を設けてもよい。
【0051】
この場合も、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0053】
(1) 細長い板片を並列に複数枚並べた状態で、各板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで、シャッターと同じ機能を持たせることができる。
【0054】
(2) 可撓性シートで複数の板片を支持して扉を構成しているので、この可撓性シートの柔らかさを調整することで、扉に要求される可撓性を確保することができる。
【0055】
(3) 板片と可撓性シートとを固定手段で互いに固定することで可撓性を有する扉を成形できるため、可撓性を有する扉の成形が容易になる。さらに、金型が不要になり、製造コストも低減することができる。
【0056】
(4) 上記可撓性シートを扉全体を覆う広さに成形したので、各板片をその全面から支持することができ、十分な可撓性を持たせた上で、十分な強度を持たせることができる。
【0057】
(5) 可撓性シートを、並列に複数枚並べられた板片の少なくとも両端部を個別に覆うように帯状に成形することで、可撓性を有する扉を構成することができる。さらに、帯状の可撓性シートの幅や本数を適宜設定することで、要求される可撓性及び強度を容易に実現することができる。
【0058】
(6) 板片を肉厚の短冊状部材によって構成することで、十分な可撓性を備えた肉厚の扉を構成することができる。肉厚や材料を適宜選択することで、用途に応じた最適の扉を構成することができる。
【0059】
(7) 固定手段は、板片及び可撓性シート側に形成されてそれらを固定する固定部と、当該固定部の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部とから構成したので、固定手段で板片と可撓性シートとを支持して、扉をスムーズにスライドさせることができる。
【0060】
(8) 固定手段の摺動部を楕円状に形成したので、扉をスムーズにスライドさせることができる。
【0061】
(9) 固定部を、板片の嵌合溝と可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする位置決め板と、当該位置決め板が上記嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で上記可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ2枚の挟持板と、当該挟持板の一方又は両方に設けられ上記板片又は可撓性シートの一方又は両方側の被嵌合部に嵌合する嵌合部とから構成したので、嵌合部が板片又は可撓性シートの被嵌合部に嵌合して、板片と可撓性シートとを互いにずれないように確実に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る可撓性を有する扉を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るホームロッカーを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るホームロッカーを示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る固定手段を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る固定手段を示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る固定手段を示す側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る固定手段を示す背面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る固定手段を示す底面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る固定手段を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る固定手段を示す側面断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る固定手段を示す正面断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る固定手段を他の位置で示す側面断面図である。
【符号の説明】
1:ホームロッカー、2:底板、2A:枠部、2B:板片、2C:レール溝、2D:嵌合穴、3:両側板、3A:枠部、3B:板片、3C,3D:位置決め用突起、4:背面板、4A:枠部、4B:板片、4C,4D:位置決め用突起、5:天板、5A:枠部、5B:傾斜板、、6:可撓性を有する扉、8:ねじ、11:板片、12:可撓性シート、13:固定手段、15:嵌合溝、16:スリット、17:シート側嵌合穴、18:固定部、19:摺動部、21:位置決め板、22,23:挟持板、24:係止爪、25:水平底板、26:切り欠き、27:取っ手、28:水抜き穴。
Claims (7)
- スライドさせて開口部を開閉する可撓性を有する扉において、
細長い板片と、
当該板片を並列に複数枚並べた状態で各板片を支持する可撓性シートと、
上記個々の板片と上記可撓性シートとが重ねられた状態でそれらを互いに固定する固定手段とから構成されたことを特徴とする可撓性を有する扉。 - 請求項1に記載の可撓性を有する扉において、
上記可撓性シートが、扉全体を覆う広さに成形されたことを特徴とする可撓性を有する扉。 - 請求項1に記載の可撓性を有する扉において、
上記可撓性シートが、並列に複数枚並べられた板片の少なくとも両端部を個別に覆うように帯状に成形されたことを特徴とする可撓性を有する扉。 - 請求項1又は3のいずれか1項に記載の可撓性を有する扉において、
上記板片が、肉厚の短冊状部材によって構成されたことを特徴とする可撓性を有する扉。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の可撓性を有する扉において、
上記固定手段が、上記板片及び可撓性シート側に形成されてそれらを固定する固定部と、当該固定部の反対側に設けられて相手側のレール溝に摺動可能に嵌合する摺動部とから構成されたことを特徴とする可撓性を有する扉。 - 請求項5に記載の可撓性を有する扉において、
上記摺動部が、その平面形状を楕円状に形成されたことを特徴とする可撓性を有する扉。 - 請求項5又は6に記載の可撓性を有する扉において、
上記板片の両端部に嵌合溝が設けられると共に、上記可撓性シートのうち上記板片が支持された状態で上記嵌合溝に整合する位置にスリットが設けられ、
上記固定部が、上記板片の嵌合溝と上記可撓性シートのスリットとが互いに整合した状態でこれらに嵌合して板片を可撓性シートに位置決めする位置決め板と、
当該位置決め板が上記嵌合溝及びスリットに嵌合した状態で上記可撓性シート及び板片を両側から挟み持つ2枚の挟持板と、
当該挟持板の一方又は両方に設けられ上記板片又は可撓性シートの一方又は両方側の被嵌合部に嵌合する嵌合部とを備えたことを特徴とする可撓性を有する扉。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2010152424A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Takenaka Engineering Co Ltd | 検知器の樹脂成形カバー |
CN105421955A (zh) * | 2015-12-28 | 2016-03-23 | 常熟市古里镇鑫良铝合金门窗厂 | 一种防盗铝合金窗 |
WO2023135877A1 (ja) * | 2022-01-12 | 2023-07-20 | 株式会社村田製作所 | ケース |
-
2003
- 2003-06-25 JP JP2003181719A patent/JP2005016131A/ja active Pending
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