JP2004176258A - 化粧枠および建物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】化粧枠材15は、貫通孔20を形成して中空に構成し、開口3および内部空間8に臨む外表面部分26,27を、耐候性を有するAAS樹脂によって形成する。このような化粧枠材第1および第2嵌合突起が形成される連結部材を用いて、化粧枠材15を連結し、枠組みして化粧枠1を構成し、開口部4に装着する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば窓および出入口などの開口が形成される躯体の開口部に設けられる化粧枠およびこの化粧枠が設けられる建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の外壁には照明などののために窓が形成される。このように窓が形成される外壁の開口部には、美観を向上するために、化粧枠が設けられる。この化粧枠は、複数の化粧枠材から成り、各化粧枠材が開口部に個別に固定されて、開口部に装着される。各化粧枠材は、容易に成形することができるように、合成樹脂によって形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような化粧枠は、太陽光に曝されるので、紫外線によって劣化するおそれがある。また太陽光が照射されると、加熱されて変形してしまう。このように紫外線による劣化および加熱による変形が生じると、化粧枠が開口部から浮き上がり脱落する場合がある。また脱落を免れることができても、劣化によるひび割れおよび変形は、開口部の美観が著しく悪化させ、美観を向上するという本来の目的を達成できなくなってしまう。
また化粧枠は、各化粧枠材を個別に固定しなければならず、手間を要する。
【0004】
本発明の目的は、高い耐久性を有する化粧枠を提供することである。
また本発明の目的は、容易に装着することができる化粧枠を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、建物の躯体に形成される開口部に開口側から設けられる合成樹脂製の化粧枠材を含む化粧枠であって、
化粧枠材は、少なくとも長手方向両端部に凹所が形成される中空平坦状の基部を有する枠材本体を備え、少なくとも開口部に設けられた状態で開口側に配置される表面部分は、耐候性の高い材料から成ることを特徴とする化粧枠である。
【0006】
本発明に従えば、化粧枠を構成する化粧枠材は、基部と端壁部とを有する枠材本体を備えており、端壁部で開口部に対する位置決めをして、厚み方向他方側の表面部を開口に臨ませた状態で開口部に設けることができる。これによって合成樹脂製の化粧枠材の基部によって開口部を開口側から覆い、開口部を剥き出しになることを防止して、美観を向上することができる。しかも開口に臨む基部の厚み方向他方側の表面部分は、耐候性の高い材料から成り、たとえば太陽光に曝されるなど、紫外線暴露されても劣化しにくく、耐久性を高くして良好な美観を長期にわたって維持することができる。
【0007】
また基部は、中空に形成され、厚み方向他方側の部分が、たとえば太陽光の照射によって加熱されても、その熱が厚み方向一方側に伝わりにくく、この厚み方向一方側は、極めて変形しにくい。したがって化粧枠材全体が変形しにくく、変形およびこれに伴う開口部からの浮き上がりによる美観低下が防がれ、さらに浮き上がりの悪化による脱落などの不具合が防がれる。このような観点においても、耐久性を高くして、良好な美観を長期にわたって維持することができる。
【0008】
請求項2記載の本発明は、化粧枠材は、基部の幅方向一端部に連なって厚み方向一方に屈曲する端壁部をさらに有し、
端壁部は、端壁部の幅方向両端部に基部から遠ざかる方向へ突出して先端部が相互に遠ざかる方向へ突出する係合突起を有し、
各係合突起に係合される係合爪を有し、各係合爪を係合突起に係合させて装着され、端壁部を覆うカバー体が設けられることを特徴とする。
【0009】
本発明に従えば、端壁部の各係合突起と、カバー体の各係合爪とを相互に係合させて、カバー体を端壁部に装着して覆うことができる。これによって端壁部を各係合突起間において、ねじ部材などのファスナ部材を用いて開口部に締結し、このファスナ部材をカバー体で覆い隠すことができる。これによって化粧枠材を開口部に強固に固定して耐久性をさらに高くすることができるようにしたうえで、良好な美観を維持することができる。
【0010】
請求項3記載の本発明は、カバー体は、各係合爪のうちいずれか一方がいずれか他方に対して剛性が低くなるように形成され、いずれか一方の係合爪を外側から覆うカバー片を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、カバー体の各係合爪のうちいずれか一方がいずれか他方に対して剛性が低くなるように形成され、カバー体を端壁部に装着した場合に、万一、各係合突起間の寸法と各係合爪間の寸法とに誤差が生じていても、一方の係合爪だけが変形し、他方の係合爪は変形しない。変形する側の一方の係合爪は、カバー片で覆われているので、一方の係合爪の変形が覆い隠され、美観が低下してしまうことがふせがれるうえ、変形した係合爪に他の物品が引っかかるなどの不具合を防ぐことができる。しかもカバー片は、変形しやすい一方の係合爪だけを覆っておけばよく、簡素な構成にできる。
【0012】
請求項4記載の本発明は、複数の化粧枠材が連結部材によって連結されて枠組みされ、
連結部材は、第1方向へ突出し、第1の化粧部材の凹所に嵌合される第1嵌合突起と、第1方向へ交差する第2方向へ突出し、第2の化粧部材の凹所に嵌合される第2嵌合突起とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、複数の化粧枠材を連結部材を用いて連結し、枠組みすることができる。これによって化粧枠は、各化粧枠材を連結して枠組みし、枠組みした状態で、開口部に装着することができる。したがって化粧枠材を個別に固定しながら相互の位置関係を調節するなどの手間を要することなく、容易に化粧枠を取付けることができる。このように化粧枠の取付施工作業を容易にすることができる。
【0014】
請求項5記載の本発明は、連結部材は、
第1嵌合突起が第1の化粧枠材の凹所に嵌合された状態で、第1の化粧枠材の係合突起の延長線上の位置に、この係合突起と同一形状の係合突起を有し、
第2嵌合突起が第2の化粧枠材の凹所に嵌合された状態で、第2の化粧枠材の係合突起の延長線上の位置に、この係合突起と同一形状の係合突起を有することを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、連結部材に、化粧枠材を連結した状態で、化粧枠材の係合突起の延長線上となる位置に、係合突起が形成されており、カバー体を連結部材にも係合した状態で、連結部材を覆うことができる。しかも上述のように第1および第2の両方の化粧枠材の係合突起との延長線上の位置に形成されているので、第1および第2の化粧枠材の任意の一方のカバー体を延ばしても、連結部材を覆うことができる。換言すれば、いわゆる竪勝、横勝および45度斜め止めのいずれの形態にも適用することができる。
【0016】
請求項6記載の本発明は、開口部が形成される躯体と、
枠材本体を有する化粧枠材が、枠組みされて開口部に全周にわたって設けられる化粧枠であって、化粧枠材は、少なくとも長手方向両端部に凹所が形成される中空平坦状の基部と、基部の幅方向一端部に連なって厚み方向一方に屈曲する端壁部とを有し、少なくとも基部の厚み方向他方側の表面部分が耐候性の高い材料から成ることを特徴とする化粧枠とを含むことを特徴とする建物である。
【0017】
本発明に従えば、躯体の開口部に化粧枠が設けられ、美観を向上することができる。化粧枠を構成する化粧枠材は、基部と端壁部とを有する枠材本体を備えており、端壁部で開口部に対する位置決めをして、厚み方向他方側の表面部を開口に臨ませた状態で開口部に設けることができる。これによって合成樹脂製の化粧枠材の基部によって開口部を開口側から覆い、開口部を剥き出しになることを防止して、美観を向上することができる。しかも開口に臨む基部の厚み方向他方側の表面部分は、耐候性の高い材料から成り、たとえば太陽光に曝されるなど、紫外線暴露されても劣化しにくく、耐久性を高くして良好な美観を長期にわたって維持することができる。
【0018】
また基部は、中空に形成され、厚み方向他方側の部分が、たとえば太陽光の照射によって加熱されても、その熱が厚み方向一方側に伝わりにくく、この厚み方向一方側は、極めて変形しにくい。したがって化粧枠材全体が変形しにくく、変形およびこれに伴う開口部からの浮き上がりによる美観低下が防がれ、さらに浮き上がりの悪化による脱落などの不具合が防がれる。このような観点においても、耐久性を高くして、良好な美観を長期にわたって維持することができる。このように長期わたって良好な美観を維持することができる建物を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の化粧枠1の一部を示す断面図であり、図2は、化粧枠1が設けられる開口部4を示す断面図である。建物の躯体である外壁2には、たとえば照明として屋外から採光するために窓などの開口3が形成される開口部4が設けられる。開口部4には、外壁2によって仕切られる一方の空間となる屋外空間5寄りの位置に開口3を開閉するための建具6が、建具枠7に保持されて設けられる。建具枠7の他方空間である屋内空間8側に隣接して、合成樹脂製の化粧枠1が開口部4に設けられ、開口部4が開口3側から覆われる。外壁2は、たとえば外壁面を形成する図示しない外壁本体と、内壁面を形成する壁板9と、外壁本体および壁板9の開口3を外囲する周縁部を連結する胴縁10と、胴縁10に開口側から固定される取付部材11とを含んで構成され、開口部4は、外壁本体および壁板9の周縁部と、胴縁10と、取付部材11とを含んで構成される。
【0020】
化粧枠1は、複数の化粧枠材15を有する。化粧枠材15は、枠材本体16と、カバー体17とを有する。枠材本体16は、図1の紙面に垂直な方向延びる長手状の部材であって、平坦状の基部18と、基部の幅方向一端部から厚み方向一方に略垂直に屈曲する端壁部19とを有する。基部18は、長手方向両端部で開口する凹所、本実施の形態では長手方向へ貫通する複数の貫通孔20が、幅方向へ間隔をあけて形成され、中空に形成される。端壁部19は、端壁部の幅方向両端部に、基部18から遠ざかる方向へ突出して先端部が相互に遠ざかる方向へ突出する係合突起21,22が形成される。
【0021】
カバー体17は、その幅方向両端部に、その厚み方向一方に突出して先端部が相互に近づく方向へ突出する係合爪23,24が形成される。このカバー体17は、枠材本体16の端壁部19に着脱自在であり、各係合爪23,24を、各係合突起21,22にそれぞれ係合することによって、端壁部19に装着することができる。カバー体17を装着することによって、端壁部19が外部に露出しないように、換言すれば、開口3および屋内空間8に露出しないように覆うことができる。
【0022】
このような化粧枠材15は、外部に露出する表面部分、すなわち開口3および屋内空間4に露出する外表面部分26,27は、耐候性の高い材料、たとえばアクリロニトリルアクリルゴムスチレン(略称:AAS)樹脂から成る。本実施の形態では、化粧枠材15は、枠材本体16にカバー体17が装着され、開口部4に設けられた状態で、外部に露出する外表面部分26,27と、残余の部分との2層構造に形成され、この残余の部分は、たとえばアクリロニトリルブタジエンスチレン(略称:ABS)樹脂から成る。
【0023】
基部18の幅方向(図1の左右方向)は、基部18の長手方向(化粧枠材15の長手方向と同一)に垂直な方向であり、基部18の厚み方向(図1の上下方向)は、基部18の長手方向および幅方向へ垂直な方向である。また端壁部19の長手方向は、基部18の長手方向と同一であり、端壁部19の幅方向は、基部18の厚み方向と同一であり、端壁部19の厚み方向は、基部18の幅方向と同一である。さらにカバー体17の長手方向、幅方向および厚み方向は、カバー体17が端壁部19に装着された状態で、端壁部19の長手方向、幅方向および厚み方向とそれぞれ同一である。
【0024】
図3は、枠材本体16の詳細な構成を示す断面図であり、図4は、図3のセクションS4を拡大して示す断面図であり、図5は、図3のセクションS5を拡大して示す断面図である。枠材本体16の基部18は、基部18の厚み方向へ相互に間隔をあけて略平行に配置される2つの平板状部分30,31が、基部の長手方向へ延びる複数の板状連結部分32および複数の筒状連結部分33によって連結されて、略矩形状を成す複数の貫通孔20が形成される。各筒状連結部分33は、星形孔34が形成される高剛性の形状であり、リブとして機能しており、基部18全体の剛性を高くすることができる。
【0025】
端壁部19は、平板状部分35から端壁部19の幅方向へおいて基部18から遠ざかるように係合突起21,22が形成されている。各係合突起21,23は、相互に遠い側の面がS字状の曲面に形成され、先端側部分37,38が基端側部分39,40よりも相互に遠ざかる方向へ突出し、基端側部分39,40に相互に離反する方向へ開放する凹所41,42が形成されている。このような枠材本体16は、基部18の厚み方向他方側の外表面部分26、換言すれば基部の厚み方向他方側に配置される平板状部分30の基部の厚み方向他方側の部分を含む表面部分26が、耐候性を有する上記AAS樹脂によって形成されている。
【0026】
図6は、カバー体17を拡大して示す断面図である。カバー体17は、平板状部分44からカバー体17の幅方向両端部においてカバー体17の厚み方向一方に突出して係合爪23,24が形成されている。各係合爪23,24は、先端側部分50,51が基端側部分52,53よりも相互に近づく方向へ先細状に突出し、基端側部分52,53に相互に離反する方向へ開放する凹所54,55が形成されている。
【0027】
さらに平板状部分44の幅方向一端部においては、この幅方向一端部の係合爪24に対して、幅方向他端部の係合爪23と反対側に間隔をあけて、厚み方向一方に突出するカバー片45が形成され、幅方向一端部の係合爪24を外側から覆っている。このようにカバー体17は、大略的にC字状に形成され、このC字の外側の臨む外表面部分27、換言すれば幅方向他方側の係合爪23のカバー体の幅方向他方側の部分、平板状部分44のカバー体の厚み方向他方側の部分およびカバー片45のカバー体の厚み方向一方側の部分を含む外表面部分27が、耐候性を有する上記AAS樹脂によって形成されている。
【0028】
カバー体17は、各係合爪23,24の先端側部分50,51が、各係合突起21,22の凹所41,42にそれぞれ嵌まり込み、各係合突起21,22の先端部分37,38が、各係合爪23,24の凹所54,55に嵌まり込んで、各係合突起21,22と各係合爪23,24が相互に係合される。
【0029】
各係合爪23,24の基端側部分52,53のカバー体17における幅方向の寸法L52,L53は、各係合突起21,22の基端側部分39,40の端壁部19における幅方向の最小寸法L39,L40(図4参照)よりも小さく、各係合爪23,24の剛性が、各係合突起21,22の係合突起の剛性よりも小さく形成されている。したがってカバー体17を端壁部19に装着するにあたって、各係合爪23,24を変形させて装着することができる。またカバー体17は、長手方向へスライドさせて装着することも可能である。このようにカバー体17の装着にあたって、枠材本体16を変形させないようにするような構成とすることによって、カバー体に比べて大きな部材であり、交換が困難な枠材本体16の損傷を防止することができる。
【0030】
また一端部の係合爪24の基端側部分53のカバー体17における幅方向の寸法L53は、他端部の係合爪23の基端側部分52のカバー体17における幅方向の寸法L52よりも小さく、一端部の係合爪24の剛性が、他端部の係合爪23の剛性よりも小さく形成されている。したがって万一各係合爪23,24の位置誤差および各係合突起21,22の位置誤差などによって、カバー体17を装着した状態で、各係合爪23,24に、相互に遠ざかるような方向へ外力が作用するとき、一端部の係合爪24だけが、図6に仮想線60で示すように変形する。カバー体17は、このように変形しやすい一端部の係合爪24をカバー片45で覆っているので、このように係合爪24が変形しても、覆い隠すことができる。
【0031】
図7は、化粧枠1を示す斜視図であり、図8は、化粧枠を示す分解斜視図である。化粧枠1は、複数の化粧枠材15を枠組みして構成される。四角形状の開口3が形成される開口部4に設ける化粧枠1は、4つの化粧枠材15が、枠材本体16の基部18によって四角筒を形成し、カバー体17が装着された状態で端壁部19が前記四角筒の軸線方向一端部で外方に突出するように、枠組みされる。化粧枠1は、複数の連結部材61をさらに含み、相互に隣接する2つの化粧部材15が各連結部材61によって連結され、各化粧枠材15が四周枠組みされて構成される。
【0032】
図9は、連結部材61を示す斜視図である。連結部材61は、長手棒状の軸部62と、軸部62の軸線方向へ間隔をあけて軸部62から軸部62の軸線に垂直な第1方向Aに突出する複数の第1嵌合突起63と、軸部62の軸線方向へ間隔をあけて軸部62から軸部62の軸線に垂直な第2方向Bに突出する複数の第2嵌合突起64とを有する。第1方向と、第2方向とは、相互に垂直である。
【0033】
また連結部材61は、軸部62の軸線方向一端部に連なって、軸部62の軸線に関して第1および第2嵌合突起63,64が突出する側と反対側に張り出す四角形状の頭部65をさらに有する。頭部65には、軸部62の軸線方向へ突出する係合突起66,67,68,69が略四角形状に並んで形成される。さらに連結部材61の頭部65には、第1方向Aへ突出する第1位置決め片70と、第2方向Bへ突出する第2位置決め片71とが形成される。
【0034】
連結部材61の4つの係合突起66〜69のうち、2つの係合突起66,67は、相互に平行であって、第1方向Aに延びている。これら各係合突起66,67は、化粧枠材15の各係合突起21,22の同様の断面形状および位置関係を有し、先端側部分が基端側部分に比べて相互に遠ざかるように突出する形状であり、相互間の間隔は、化粧枠材15の各係合突起21,22の相互間の間隔と同一である。
【0035】
また連結部材61の4つの係合突起66〜69うち、他の2つの係合突起68,69は、相互に平行であって、第2方向Bに延びている。これら各係合突起68,69は、化粧枠材15の各係合突起21,22の同様の断面形状および位置関係を有し、先端側部分が基端側部分に比べて相互に遠ざかるように突出する形状であり、相互間の間隔は、化粧枠材15の各係合突起21,22の相互間の間隔と同一である。
【0036】
連結部材65は、相互に連結すべき2つの化粧枠材15のうちの第1の化粧枠材15の枠材本体16の貫通孔20に、各第1嵌合片63を嵌合させて係合し、第2の化粧枠材15の枠材本体16の貫通孔20に、各第2係合片63を嵌合させて係合し、2つの化粧枠材15の枠材本体16を、略垂直に配置して相互に連結することができる。このとき第1位置決め片70を第1の化粧枠材15の端壁部19に基部18と反対側から当接させて位置決めし、第2位置決め片を第2の化粧枠材5の端壁部19に基部18と反対側から当接させて位置決めすることができる。2つの枠材本体16が連結された状態で、連結部材61の各係合突起66〜69は、2つの枠材本体16の各係合突起21,22の延長線上の位置に配置される。このようにして、連結部材65は、隣接する2つの化粧枠材15の枠材本体16を、基部18における幅方向の位置を合わせて、相互に連結することができる。
【0037】
このような化粧枠1は、各連結部材65を用いて各化粧枠材15の枠材本体16を相互に連結して筒状に組み、各枠材本体16の端壁部19が内部空間8側に配置される状態で、開口部4にはまり込ませ、基部18によって開口部4を開口側から覆うことができる。この状態で各化粧枠材16の端壁部19が、各係合突起21,22間において、ねじ部材70を用いて開口部4に固定され、さらに建具枠7に内部空間8に向けて突出して形成される押え片71によって、各各化粧枠材16の基部18が、その幅方向他端部(屋外空間5側の端部)で開口3側から押えられ、この押え片71とともにねじ部材72によって開口部4に固定される。
【0038】
このようにして各化粧枠材16が開口部4に固定された状態で、各化粧枠材16の端壁部19にカバー体17が装着され、ねじ部材70が覆われる。化粧枠1では、美観向上のために、連結部材61の頭部65が、カバー体17によって覆われる。具体的に述べると、連結部材61によって連結される2つの枠材本体16のうち少なくともいずれか一方に装着されるカバー体17を延出し、頭部65に装着する。延出されるカバー体17は、連結部材61の各係合突起66〜69のうち少なくともいずれか1つを利用して頭部65に係合装着される。
【0039】
各連結部材61の頭部65をどのカバー体17によって覆うかは、適宜可能であり、たとえば図7および図8に示すように、化粧枠1が開口部4に装着された状態で、鉛直方向に延びるカバー体17を延ばして連結部材61を覆うように、鉛直方向に延びるカバー体17によって水平方向に延びるカバー体17を挟む状態、いわゆる竪勝状態に装着してもよい。また化粧枠1が開口部4に装着された状態で、水平方向に延びるカバー体17を延ばして連結部材61を覆うように、水平方向に延びるカバー体17によって鉛直方向に延びるカバー体17を挟む状態、いわゆる横勝状態に装着してもよい。さらに図10および図11に示すように、各カバー体17の長手方向両端部を、幅方向に関して開口3に近づくにつれて長手方向寸法が小さくなるように45度傾斜させて形成し、1つの連結部材61に関して両方のカバー体17を延出させて、協働して覆う状態に、いわゆる45度止め状態に装着してもよい。
【0040】
このような本実施の形態の化粧枠1によれば、合成樹脂製の化粧枠1によって開口部3を開口側から覆い、開口部4を剥き出しになることを防止して、美観を向上することができる。さらに化粧枠1を構成する化粧枠材15は、外部に露出する部分である外表面部分26,27を、耐候性の高い材料であるAAS樹脂によって形成し、この外表面部分26,27を、開口3および内部空間8に臨ませて設けることができる。したがってたとえば太陽光および照明灯からの光に曝されるなど、紫外線暴露されても劣化しにくく、耐久性を高くして良好な美観を長期にわたって維持することができる。
【0041】
また化粧枠材15の基部18は、中空に形成され、厚み方向他方側、すなわち開口に臨む側の部分が、たとえば太陽光の照射によって加熱されても、その熱が厚み方向一方側、すなわち開口から遠い側の部分に伝わりにくく、この厚み方向一方側の部分は、極めて変形しにくい。したがって化粧枠材15全体が変形しにくく、変形およびこれに伴う開口部からの浮き上がりによる美観低下が防がれ、さらに浮き上がりの悪化による脱落などの不具合が防がれる。このような観点においても、耐久性を高くして、良好な美観を長期にわたって維持することができる。
【0042】
また端壁部19の各係合突起21,22と、カバー体17の各係合爪23,24とを相互に係合させて、カバー体17を端壁部19に装着して覆うことができる。これによって端壁部19をねじ部材70を用いて開口部4に締結し、このねじ部材70をカバー体17で覆い隠すことができる。これによって化粧枠材15を開口部に強固に固定して、化粧枠1の耐久性をさらに高くすることができるようにしたうえで、良好な美観を維持することができる。さらに上述のように基部18を建具枠で押えることによって、より強固に化粧枠1を設けることができる。
【0043】
またカバー体17の各係合爪23,24のうちいずれか一方24がいずれか他方23に対して剛性が低くなるように形成され、カバー体17を端壁部19に装着した場合に、万一、各係合爪23,24の位置誤差および各係合突起21,22の位置誤差などによって、カバー体17を装着した状態で、各係合爪23,24に、相互に遠ざかるような方向へ外力が作用するとき、一端部の係合爪24だけが、変形する。この変形する側の一方の係合爪24は、カバー片45で覆われているので、一方の係合爪24の変形が覆い隠され、美観が低下してしまうことがふせがれるうえ、変形した係合爪24に他の物品が引っかかるなどの不具合を防ぐことができる。しかもカバー片45は、変形しやすい一方の係合爪24だけを覆っておけばよく、幅方向一方に設ければよい簡素な構成にできる。
【0044】
また複数の化粧枠材15を連結部材61を用いて連結し、枠組みすることができる。これによって化粧枠1は、各化粧枠材15を連結して枠組みし、枠組みした状態で、具体的は枠材本体16を枠組みした状態で、開口部4に装着することができる。したがって化粧枠材15を個別に固定しながら相互の位置関係を調節するなどの手間を要することなく、容易に化粧枠1を取付けることができる。このように化粧枠1の取付施工作業を容易にすることができる。
【0045】
また連結部材61に、化粧枠材15の枠材本体16を連結した状態で、枠材本体16の係合突起21,22の延長線上となる位置に、係合突起66〜69が形成されており、カバー体17を連結部材61にも係合した状態で、連結部材61を覆うことができる。しかも上述のように第1および第2の両方の化粧枠材15の係合突起21,22との延長線上の位置に形成されているので、第1および第2の化粧枠材15の任意の一方のカバー体17を延ばしても、連結部材を覆うことができる。したがって上述のようないわゆる竪勝、横勝および45度斜め止めのいずれの形態にも適用することができる。このような化粧枠1を備えることによって、長期わたって良好な美観を維持することができる建物を得ることができる。
【0046】
上述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば本発明の実施の他の形態として、化粧体101は、図12に示すように、各化粧枠材15は、ねじ部材102を用いて相互に連結される構成であってもよい(図12には、対応する構成に同様の符号を付す)。また化粧枠1は、外壁に限らず、たとえば浴室と脱衣室とを仕切る壁の出入口が形成される開口部に設けるようにしてもよい。また寸法および材質などは、適宜変更するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、化粧枠材の開口に臨む基部の厚み方向他方側の表面部分は、耐候性の高い材料から成り、たとえば太陽光に曝されるなど、紫外線暴露されても劣化しにくく、耐久性を高くして良好な美観を長期にわたって維持することができる。また基部は、中空に形成され、化粧枠材全体が変形しにくく、これによって耐久性を高くして、良好な美観を長期にわたって維持することができる。
【0048】
請求項2記載の本発明によれば、化粧枠材を開口部に強固に固定して耐久性をさらに高くすることができるようにしたうえで、良好な美観を維持することができる。
【0049】
請求項3記載の本発明によれば、カバー体を端壁部に装着した場合に、万一、各係合突起間の寸法と各係合爪間の寸法とに誤差が生じていても、係合爪の変形が外部に露出することがない。したがって美観が低下してしまうことがふせがれるうえ、変形した係合爪に他の物品が引っかかるなどの不具合を防ぐことができる。
【0050】
請求項4記載の本発明によれば、化粧枠材を個別に固定しながら相互の位置関係を調節するなどの手間を要することなく、容易に化粧枠を取付けることができる。このように化粧枠の取付施工作業を容易にすることができる。
【0051】
請求項5記載の本発明によれば、第1および第2の化粧枠材の任意の一方のカバー体を延ばして、連結部材を覆うことができる。換言すれば、いわゆる竪勝、横勝および45度斜め止めのいずれの形態にも適用し、美観を向上することができる。
【0052】
請求項6記載の本発明によれば、耐久性が高く、長期わたって良好な美観を維持することができる建物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の化粧枠1の一部を示す断面図である。
【図2】化粧枠1が設けられる開口部4を示す断面図である。
【図3】枠材本体16を示す断面図である。
【図4】図3のセクションS4を拡大して示す断面図である。
【図5】図3のセクションS5を拡大して示す断面図である。
【図6】カバー体17を拡大して示す断面図である。
【図7】カバー体17が竪勝状態で装着される化粧枠1を示す斜視図である。
【図8】カバー体17が竪勝状態で装着される化粧枠を示す分解斜視図である。
【図9】連結部材61を示す斜視図である。
【図10】カバー体17が45度止め状態で装着される化粧枠1を示す斜視図である。
【図11】カバー体17が45度止め状態で装着される化粧枠を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施の他の形態の化粧枠101を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,101 化粧枠
2 外壁
3 開口
4 開口部
5 屋外空間
6 建具
7 建具枠
8 屋内空間
15 化粧枠材
16 枠材本体
17 カバー体
18 基部
19 端壁部
20 貫通孔
21,22;66〜69 係合突起
23,24 係合爪
26,27 外表面部分
61 連結部材
63 第1嵌合突起
64 第2嵌合突起
Claims (6)
- 建物の躯体に形成される開口部に開口側から設けられる合成樹脂製の化粧枠材を含む化粧枠であって、
化粧枠材は、少なくとも長手方向両端部に凹所が形成される中空平坦状の基部を有する枠材本体を備え、少なくとも開口部に設けられた状態で開口側に配置される表面部分は、耐候性の高い材料から成ることを特徴とする化粧枠。 - 化粧枠材は、基部の幅方向一端部に連なって厚み方向一方に屈曲する端壁部をさらに有し、
端壁部は、端壁部の幅方向両端部に基部から遠ざかる方向へ突出して先端部が相互に遠ざかる方向へ突出する係合突起を有し、
各係合突起に係合される係合爪を有し、各係合爪を係合突起に係合させて装着され、端壁部を覆うカバー体が設けられることを特徴とする請求項1記載の化粧枠。 - カバー体は、各係合爪のうちいずれか一方がいずれか他方に対して剛性が低くなるように形成され、いずれか一方の係合爪を外側から覆うカバー片を有することを特徴とする請求項2記載の化粧枠。
- 複数の化粧枠材が連結部材によって連結されて枠組みされ、
連結部材は、第1方向へ突出し、第1の化粧部材の凹所に嵌合される第1嵌合突起と、第1方向へ交差する第2方向へ突出し、第2の化粧部材の凹所に嵌合される第2嵌合突起とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧枠。 - 連結部材は、
第1嵌合突起が第1の化粧枠材の凹所に嵌合された状態で、第1の化粧枠材の係合突起の延長線上の位置に、この係合突起と同一形状の係合突起を有し、
第2嵌合突起が第2の化粧枠材の凹所に嵌合された状態で、第2の化粧枠材の係合突起の延長線上の位置に、この係合突起と同一形状の係合突起を有することを特徴とする請求項4記載の化粧枠。 - 開口部が形成される躯体と、
枠材本体を有する化粧枠材が、枠組みされて開口部に全周にわたって設けられる化粧枠であって、化粧枠材は、少なくとも長手方向両端部に凹所が形成される中空平坦状の基部と、基部の幅方向一端部に連なって厚み方向一方に屈曲する端壁部とを有し、少なくとも基部の厚み方向他方側の表面部分が耐候性の高い材料から成ることを特徴とする化粧枠とを含むことを特徴とする建物。
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