JP2005016009A - シールド工法における掘削土砂リサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シールド工法において排出される掘削土砂を、シールド工事のための土木資材として施工現場において再生利用する掘削土砂の再利用方法であって、掘削土砂と水からなる泥水と、セメント系固化材と水からなる硬化液と、可塑化材と水からなる可塑化液とを、シールド坑内における使用箇所で混合して埋め戻すように構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法において発生する掘削土砂を、トンネル造成部およびシールド工法と同時並行に行われる開削工事部等の埋め戻し、泥水シールド工法におけるシールドインバート部の埋め戻し、その他の個所に対する埋め戻しに利用するシールド工法における掘削土砂のリサイクル方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルや下水道等の掘削工事には、掘削土壌の性状により泥水式シールド工法、泥土圧シールド工法、気泡シールド工法、TBM工法等が適宜選択されて採用されている。例えば、泥水式シールド工法では、泥水をシールドチャンバーに供給して切羽を安定させながら機械掘りにて掘進するものであるが、発生する掘削土砂は泥水とともに排泥水として流体輸送し、泥水処理設備で掘削土砂を分離して掘削残土として廃棄処理され、土砂を取り除いた泥水を再び循環再利用しつつシールドトンネルを掘進して行く工法である。
【0003】
しかし、この泥水式シールド工法においては、分離された土砂の他、スラリー状の余剰の泥水が廃棄物として生じ、余剰の泥水は粘土分あるいはシルト分と余剰水あるいは濾水とに分離され各々所定の処理を行ってから廃棄処理されている。
このような泥水式シールド工法に限らず、他のシールド工法においても掘削作業により発生する多量の掘削土砂を運搬廃棄するには施工コストが嵩むとともに、周囲の環境に悪影響を与える虞があった。
【0004】
その対策として、シールド工法においては、セグメントと掘削部との間に充填する間隙充填材としての裏込め材に掘削泥水を利用して掘削泥水のリサイクル化を図る方法が行われている。
例えば、シールド掘削残土を固化材、流動化剤で改質し、トンネルセグメントの下部空間に注入充填しインバートを築造するシールド掘削残土のリサイクル工法(特許文献1)、シールド掘削残土を固化材、水、流動化剤で改質しスラリー化した注入材を、トンネルセグメントの内部空間に注入充填する掘削残土利用のシールド工法(特許文献2)、トンネル等の泥水シールド工事において、切羽部から排出される泥水を裏込に最も適した部位から取出して泥水の掘削利用と裏込の確実な施工を行うようにする泥水シールド工事における泥水裏込工法(特許文献3)、泥水シールド工法において掘削土砂をシールド工事のための土木資材として施工現場において再利用する泥水シールド工法における掘削土砂の再利用システム(特許文献4)、泥水式シールド工法において発生した土砂を、一次処理土と、粒径の小さい二次処理土とに分級した後、二次処理土に改質剤を混合した後、一次処理土と混合し再利用する泥水式シールド工法における土砂の処理方法及び改質剤(特許文献5)、シールド掘削残土の再利用方法であって、セグメントと掘削坑との間の間隙に裏込する工法で、掘削した余剰泥水を濃縮サイクロンで分級した泥水を裏込に用いる裏込注入工法(特許文献6)、シールド掘削残土の再利用方法であって、泥水と、セメント系固化材と水とを混練した固化液をそれぞれ泥水配管と固化液配管の別配管系統で圧送し、充填場所にて合流してインバート部等に充填する充填材の充填方法(特許文献7)等がある。
【0005】
【特許文献1】特開平06−2488号公報
【特許文献2】特開平06−2493号公報
【特許文献3】特開平06−42294号公報
【特許文献4】特開平08−105290号公報
【特許文献5】特開2001−40984号公報
【特許文献6】特開2001−90480号公報
【特許文献7】特開2001−193390号公報
【0006】
〔問題点〕
裏込め材として、固化材と可塑化材と水とを混合したA液と、急硬剤液であるB液とを坑内に供給し、掘削泥水と混合して裏込めを行うことが行われていたが、可塑化材混合液は粘性が高く流動性に乏しいものであったため、このような混合液を使用して通常の設備で施工を行うには長距離の圧送は適さなかった。
このため、固化材や可塑化材等の混合液を地上で製造し、トンネル坑内に引き込み、長距離圧送して、シールド機の掘削現場に埋め戻しすることが難しく、余剰土砂の利用が十分にはできなかった。
【0007】
また、泥水式シールド工法では、排泥水に処理工程での土砂あるいは粘土分及びシルト分の分離過程で凝集添加剤が加えられており、排泥水中にも凝集剤が混入しているため、凝集剤が混入している排泥水にセメント系固化材を混入するとゲル化して長距離搬送は難しくなり、このため排泥水の利用範囲には制限を受けていた。
【0008】
さらにまた、排泥水をトンネル造成部およびシールド工法と同時並行に行われる各所の開削工事部の埋め戻し材として広範囲に活用するためには、その埋め戻し材の混合液を製造した位置から所望の位置まで、長距離を含む搬送が必要となってくるが、このような場合の処理方法として、圧送ポンプの能力を上げたり、中継ポンプを設けること等も考えられるが、ポンプの設置条件やコストを考えると現実的ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における前記問題点に鑑みて成されたものであり、これらを解決するため具体的に設定した課題は、長距離圧送可能な可塑性注入剤を選定し利用することにより、所望の距離まで搬送可能にしたシールド工法における掘削土砂のリサイクル方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を効果的に解決できる具体的に構成された手段としての、本発明における請求項1に係るシールド工法における掘削土砂リサイクル方法は、シールド工法において排出される掘削土砂を、シールド工事のための土木資材として施工現場において再生利用する掘削土砂の再利用方法であって、掘削土砂と水からなる泥水と、セメント系固化材と水からなる硬化液と、可塑化材と水からなる可塑化液とを、シールド坑内における使用箇所で混合して埋め戻すことを特徴とするものである。
これにより、泥水と硬化液と可塑化液とを使用箇所で混合して埋め戻すことによって、長距離圧送性に優れた埋戻工法となり、余剰泥水の再利用は、シールド工法による掘削後トンネル内に構築されるインバートの築造やトンネルセグメントの二次覆土、又はトンネルセグメントの一部に利用することによって、現場で発生する余剰残土量を減少させることができ、掘削土砂の効果的なリサイクル方法が実現する。
【0011】
請求項2に係るシールド工法における掘削土砂リサイクル方法は、前記記載の掘削土砂の再利用方法において、掘削土砂と水からなる泥水と、セメント系固化材と水からなる硬化液と、可塑化材と水からなる可塑化液とを、それぞれ別の配管で搬送した後、埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すことを特徴とする。
これにより、泥水と硬化液と可塑化液とをそれぞれ別の配管で搬送し、埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すため、長距離圧送可能となり、掘削土砂の効果的なリサイクル方法が実現する。
【0012】
請求項3に係るシールド工法における掘削土砂リサイクル方法は、前記泥水と前記可塑化液とを混合した埋戻素材と、前記硬化液とを、それぞれ別の配管で搬送した後、埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すことを特徴とする。
これにより、埋戻素材と硬化液とをそれぞれ別の配管で搬送して埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すため、長距離圧送可能となり、掘削土砂の効果的なリサイクル方法が実現する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
なお、この実施の形態は、発明の主旨をより良く理解させるため具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、発明内容を限定するものではない。
【0014】
〔充填装置〕
(3系統装置形態)
セメント系固化材および水からなる硬化液と可塑化材および水からなる可塑化液とをそれぞれ固化液配管と可塑化液配管と、余剰泥水を搬送する泥水配管とを別配管系統で圧送し、これら泥水配管と固化液配管と可塑化液配管とが合流するように設けた混合配管で混合してこれを充填する。
【0015】
(2系統装置形態)
余剰泥水に可塑化材を予め混合して、これを泥水可塑化材液配管で搬送し、セメント系固化材および水からなる硬化液を別配管系統で搬送し、これら泥水可塑化材液配管と固化液配管とを合流する混合配管で混合して、これを充填する。
泥水への可塑化材の添加ではゲル化がみられない場合は、泥水と可塑化材+水の混練物を所定量混合させて同一ポンプ、同一配管にて送ることができ配管系統を1系統減らすことができる。
【0016】
以下、本発明による3系統の充填装置につき具体的な実施形態を図1に示す。
図1中、1は対象埋め戻し部に注入する注入ホースで、埋め戻し材の原料であるセメント系固化材と水との混練品(以下、A液と称する)、可塑化材と水との混練品(以下、B液と称する)、泥水(以下C液と称する)をA液配管3、B液配管4、泥水配管5にて輸送し特殊混合器2にて瞬時に3液を混合し所定の埋め戻し材を得る。
【0017】
上記原料の泥水は、例えば泥水式シールド工法において泥水処理施設で処理された泥水(以下スラッジという)が、日々、または時間によりスラッジ水分率の異なる状態でスラッジ水槽16に送られ一時的にストックされる。スラッジ水槽16の成分が均一になるように充分攪拌された後水分率を測り、当初設計通りの所定水分率内にはいるように水槽18より水をスラッジ水槽16に投入する。所定の水分率になったところでスラッジ圧送ポンプ11にてスラッジ流量計8を通過して所定量のスラッジを配管5,5Aに流し、特殊混合器(特殊スタティクミキサー)2に送られる。
【0018】
スラッジ水槽17は、スラッジ水槽16のスラッジがスラッジ圧送ポンプ11にて圧送されている間スラッジ源よりスラッジの供給を受け、上記スラッジ水槽16と同様に水分調整を行う。スラッジ水槽16にスラッジがなくなった時点で今度はスラッジ水槽17のスラッジがスラッジ圧送ポンプ11により同様に圧送される。このようにして、スラッジ水槽16,17が交互にスラッジの供給をおこない連続的な施工ができる。
【0019】
上記原料のセメント系固化材(A材と称する)は、A材サイロ14にストックされているA材の所定量をA液ミキサ12で水槽18より供給された所定量の水と混練されて所定のA液が生成されA液圧送ポンプ9よりA液流量計6を通して所定のA液が配管3に流し、特殊混合器2に連続的に送られる。
【0020】
上記原料の可塑促進材料(B材と称する)は、B材サイロ15にストックされているB材の所定量をB液ミキサ13で水槽18より供給された所定量の水と混練されて所定のB液が生成されB液圧送ポンプ10よりB液流量計7を通して所定のB液が配管4に流し、特殊混合器2に連続的に送られる。
【0021】
上記原料のスラッジは、該スラッジに含まれている微量成分の変化により可塑促進材料(B材)と事前に混合してもゲル化を起こさず、また長距離搬送に支障が起きない場合には、スラッジ圧送ポンプ11にて圧送され、スラッジ流量計8を通過した後、所定量のスラッジを配管5Aではなく配管5Bを通してB液ミキサ13に送られ、B液と混合され、一緒にB液圧送ポンプ10を通して配管4にて送られるため、配管が1本少なくて済み、2本にて所定の目的が達せられる。
【0022】
上記スラッジの成分は工事現場での土質により多少変化するため、事前に配合試験等を行う必要がある。一旦決定した成分は一つの工事期間中は変化がほとんどないため、変化のある場合は、事前に情報を得るようにしておき、その都度事前配合試験等で確認する。
【0023】
このようなシールド工法における掘削土砂リサイクル方法によれば、例えば泥水式シールド工法における泥水処理施設として排泥水から砂質分を分離処理する一次処理プラント、循環再利用される泥水を除いた一次処理後の余剰排泥水から粘土分及びシルト分を分離処理する二次処理プラント、及び二次処理により分離された余剰水を調整処理する三次処理プラントを備えた掘削土砂の処理システムに、さらに、これらの処理土や処理水からインバートモルタル、裏込注入材等のシールド工事のための土木材料(埋め戻し材)を製造し、搬送距離が300mm以上の長距離移送を可能とし、離れた充填個所にも打設できる再利用システムを構築したものである。
すなわち、この再利用プラントでは、一次処理プラントから給送される一次処理土、二次処理プラントから給送される二次処理土、及び三次処理プラントから給送される三次処理水を土木資材として有効利用し、インバートモルタル、裏込注入材等のシールド工事のための埋め戻し材として製造してシールド坑内において使用する。このため、掘削残土や余剰排泥水の一部を産業廃棄物として搬出することなく土木資材として有効利用すべくシールド坑内に返送することにより、掘削土砂の廃棄量を低減することができるとともに、モルタル等の製造のための砂等の良質土の購入量を低減して、泥水式シールドトンネルの施工を経済的に行うことを可能にする。
【0024】
〔充填材料〕
次に埋め戻し材を構成する充填材料について述べる。
前述のように埋め戻し材は、セメント系ミルクと可塑化材とシールド工法において発生する泥水から成る組成物とする。
すなわちセメント系固化材と水との混練品(A液)、可塑促進材料と水との混練品(B液)、埋め戻し材の原料であるスラッジ(C液)をA液配管3、B液配管4、スラッジ配管5の別配管により搬送してから特殊混合器2にて瞬時に3液を混合し、所定の埋め戻し材を得る。
充填材料は、先ず、A液としてセメントミルク(セメント、水、必要により気泡、各種混和剤を配合)が調製され、これとは別にB液として可塑化材と水の溶液を調整し、必要に応じて分散剤を添加する。分散剤の添加によりB液の流動性は著しく向上し、その圧送が容易となる(例えば500m以上)。
【0025】
A液のセメントミルクには必要に応じて、減水剤、遅延剤、分散剤などの混和剤を添加してもよく、混和剤の添加によっては練り上がり後の可塑性に影響はない。また、減水剤の添加によりA液中の単位水量を削減したり、単位セメント量を増加することが可能なことより、高強度及び軽量化の配合設定の範囲拡大が可能である。遅延剤の添加により輸送配管等の設備内部での硬化を防止して設備の洗浄を軽減することができる。分散剤の添加によりA液の流動性が向上し、配管等による輸送距離を延ばすことができる。
【0026】
適用する泥水は、前述のように、泥水シールド工法において掘削し発生する地山の土砂を含んだ泥水であり、一般にはそのままの状態では送泥できないので、振動篩で土砂を細粒部分と粗粒部分に分離した後の細粒部分が使われる。
【0027】
予め調製したA液、B液をミルク状態として各独立に長距離をパイプで圧送し、シールド坑内の使用箇所にて別途輸送してきたC液とともに混合する。混合個所において、A液のセメントミルクは、水溶液がセメントから遊離されるカルシウムイオンで過飽和の懸濁状態であり、プラスのカルシウムイオンで満たされている。一方、B液は、マイナスイオンに帯電しており、このようなミルク同士の混合によって、可塑化材粒子表面のマイナス荷電をカルシウムプラスイオンが中和することにより、可塑化材粒子の分子間引力による急激な凝集反応が発生し、瞬時に可塑化させることができる。
【0028】
なお、A液の混合割合は、使用目的に応じて適宜決定されるものであるが、A液:(B+C)液= 1:1 〜 1:11(体積比)の範囲が好ましい。(B+C)液の割合が前記の範囲より少ない場合、可塑化性能が低くなり好ましくない。また、(B+C)液の割合が前記の範囲より多い場合、A液と(B+C)液を均一に混合することが困難となり好ましくない。また、相対的にA液の量が少ないため単位セメント量が少なくなるので好ましくない。
【0029】
調製された埋め戻し材のフロー値は日本道路公団規格試験法であるシリンダー法で 80(自立)〜150 mmが好ましく、80〜120 mmがより好ましい。
80〜120 mmでは可塑性注入材として最適であるうえ、水中打設又は流水のある場所でも材料分離が極めて少なく利用可能である。また、120〜150mmでは流水等の影響を受けない場合、十分に可塑性注入材として使用可能であるが、水中打設に使用の場合、濁りや材料に亀裂が生じる可能性がある。150mm以上のものは通常のエアモルタル、エアミルクの流動性の性状に近く、限定注入等には適さない。
【0030】
次に、使用される充填材料について更に詳しく説明する。
A液に用いるセメントは、普通、早強、超早強、白色、耐硫酸塩、中庸熱、低熱などの各種ポルトランドセメント、前記ポルトランドセメントの少なくとも一種と高炉スラグ、フライアッシュなどの少なくとも一種とを混合した混合セメント、ジェットセメント、アルミナセメントなどの特殊セメント、及びセメント系固化材から選ぶことができる。また、セメントミルクに対して砂、レキ、発泡ビーズなどを混入して比重を調整するようにしてもよい。
セメントミルクは、必要に応じて起泡剤を発泡処理した気泡を混合しセメントエアミルクとすることができる。また、セメントミルクに砂、レキ、発泡ビーズなどを混入して比重を調整するようにしてもよい。
【0031】
可塑化材はベントナイト、アタパルジャイト、メタカオリン、フライアッシュから選ばれる1種以上からなる。
さらに、分散剤を加えることは、圧送性を高めるためには望ましい。分散剤には特に制限はなく、一般的な土木材料用の混和剤が使用可能であるが、リン酸系分散剤が好適である。また、可塑化材100重量部に対して分散剤が0.05〜1.2重量部で適用される。
【0032】
利用されるスラッジは、例えば、泥水式シールド工法においては、流体輸送により圧力室から排出された排泥水から砂質分および循環再利用される泥水を除いた余剰排泥水を用いる。
この場合に、余剰泥水に砂質分および分離処理された粘土分を混合処理することも可能である。
【0033】
従って、上記可塑化材に分散剤を添加すること、および可塑化材がベントナイト、アタパルジャイト、メタカオリン、フライアッシュから選ばれる1種以上の可塑化材を使用することによって長距離搬送が可能となる。なお、長距離搬送したのち、各材料を混合した埋め戻し材は、密度が1.0〜1.5g/cm3、ブリージング率が 5%以下、かつ材齢28日の一軸圧縮強度が0.1〜6.0N/mm2に材料配合が調整される。
【0034】
【実施例】
以下、図1に記載している装置を使用して原料を輸送し作成した埋め戻し材について実施例を説明する。
使用原料は、硬化液がセメント系固化材、可塑化材がベントナイト、アタパルジャイト、メタカオリン、フライアッシュから選ばれる1種以上の可塑化材を使用することによる。また更に可塑化材に分散剤を加えた場合とする。
【0035】
埋め戻し材の原料の配合を表1のようにした。
数字は単位数量で1立方メートル当たりのkg重量で各材料の比重は次の通りである。
A材比重:3.05 、B材比重:2.5 、 スラッジ比重:1.14
【0036】
【表1】
【0037】
上記材料の圧送距離は約1000メートルであった。その結果、埋め戻し材としての性状は表2の通りである。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係るシールド工法における掘削土砂リサイクル方法では、泥水と硬化液と可塑化液とを使用箇所で混合して埋め戻すことにより、長距離圧送性に優れた埋戻工法となり、余剰泥水の再利用は、シールド工法による掘削後トンネル内に構築されるインバートの築造やトンネルセグメントの二次覆土、又はトンネルセグメントの一部に利用することにより、現場で発生する余剰残土量を減少させることができ、掘削土砂の効果的なリサイクル方法が実現し、近年ますます多く採用されているトンネル造成シールド工法において発生するスラッジの再利用を促進し、産業廃棄物の軽減、工事費の低減を実現することができる。
【0040】
請求項2に係るシールド工法における掘削土砂リサイクル方法では、泥水と硬化液と可塑化液とをそれぞれ別の配管で搬送し、埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すため、長距離圧送可能となり、掘削土砂の効果的なリサイクル方法を実現することができる。
【0041】
請求項3に係るシールド工法における掘削土砂リサイクル方法では、埋戻素材と硬化液とをそれぞれ別の配管で搬送して埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すため、長距離圧送可能となり、掘削土砂の効果的なリサイクル方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における3系統の搬送配管を設けた充填装置を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
1 ホース
2 特殊混合器
3 A液配管
4 B液配管
5,5A,5B スラッジ配管(C液配管)
6 A液流量計
7 B液流量計
8 スラッジ流量計
9 A液圧送ポンプ
10 B液圧送ポンプ
11 スラッジ圧送ポンプ
12 A液ミキサ
13 B液ミキサ
14 A材サイロ
15 B材サイロ
16 スラッジ水槽
17 スラッジ水槽
18 水槽
Claims (3)
- シールド工法において排出される掘削土砂を、シールド工事のための土木資材として施工現場において再生利用する掘削土砂リサイクル方法であって、
掘削土砂と水からなる泥水と、セメント系固化材と水からなる硬化液と、可塑化材と水からなる可塑化液とを、シールド坑内における使用箇所で混合して埋め戻すことを特徴とするシールド工法における掘削土砂リサイクル方法。 - シールド工法において排出される掘削土砂を、シールド工事のための土木資材として施工現場において再生利用する掘削土砂リサイクル方法であって、
掘削土砂と水からなる泥水と、セメント系固化材と水からなる硬化液と、可塑化材と水からなる可塑化液とを、それぞれ別の配管で搬送した後、埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すことを特徴とするシールド工法における掘削土砂リサイクル方法。 - 前記泥水と前記可塑化液とを混合した埋戻素材と、前記硬化液とを、それぞれ別の配管で搬送した後、埋戻箇所で混合し注入して埋め戻すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシールド工法における掘削土砂リサイクル方法。
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