JP2008063759A - 流動化処理土の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】土の流動化処理工法における流動化処理土の製造方法であって、被処理土に水を加えた泥水を、ミキサー車で流動化処理土の打設現場まで運搬する工程と、打設現場で所定の固化材スラリーを前記ミキサー車に投入して撹拌混合する工程と、を有する。固化材スラリーは、セメントミルク又はセメントモルタルであり、打設現場でミキサーにより製造される。固化材をスラリーにすることで、液体同士の混合となり、ミキサー車でのほぼ均一な撹拌混合が可能となる。
【選択図】図1
Description
路面下空洞充填の施工例であり、定置式流動化処理プラントにおいて、原料土1に水2を加え、ミキサー車(「トラックミキサー車」、「アジテータ」ともいう)4に投入し、撹拌する。更に固化材3を添加、混練して流動化処理土を製造する。流動化処理土はミキサー車に積載して目的地の打設現場(サイト)まで運搬する。コンクリートポンプ車5を用いて注入孔から流動化処理土を空洞に圧送する。
被処理土に水を加えた泥水を、ミキサー車で流動化処理土の打設現場まで運搬する工程と、
打設現場で所定の固化材スラリーを前記ミキサー車に投入して撹拌混合する工程と、を有することを特徴とする。
静岡県内で行われた施工事例について説明する。
路面下空洞充填の施工例であり、泥水製造プラントにおいて、被処理土である原料土1に水2を加えて泥水を製造する。泥水はミキサー車4に積載して打設現場まで運搬する。現場にてミキサー車4に固化材スラリー7を投入し、混練して流動化処理土を製造する。コンクリートポンプ車5を用いて注入孔から流動化処理土を空洞に圧送する。
小麦粉を水で溶くと小麦粉はダマ状になって上手く混ざらないが、同じように泥水に
セメント粉体を混ぜても上手く混ざらない。このため撹拌能力の高い混練装置が必要になるが、現場に設置するには費用がかかる。そこで施工法を工夫する。具体的には、泥水と
セメントミルクは、セメントミキサー車程度のミキシング機能で混ざることが実験により検証されたので、セメント粉体の代わりにセメントミルクを加えてミキサー車で混ぜて流動化処理土を作る。粉とセメントミルクでは水分量が異なるので、所定の配合を考慮して運搬する泥水の水の量を減らしてその分の量をセメント粉体に加える。
セメントモルタルは、現場でミキサー車により作成してもよいが、生コンプラントで購入してもよい。流動化処理プラントは、全国に数える程度しかないが、生コンプラントは日本全国に多数あり、セメントモルタルは、何時でもどこでも購入できる。流動化処理土は、セメントと水と土(粘度や砂)からなる。そこで、流動化処理土で指定された配合に沿って、まず、セメントモルタルを生コンプラントから現場に配送する。このとき生コンプラントのセメントと砂と水の混合割合を指定する。一方、現場にミキサー車で泥水を運ぶ。流動化処理土にとって、泥水に含まれる粘度・シルトの細粒土は粘性を保つために必要であり、配合で示された状態(水と細粒土からなる泥水比重)を確保しておく。
なお、ブリーディング率は、1%未満である必要がある。泥水中の砂が沈降したり、水が浮き上がるとセメント成分が溶出して、品質が低下する。ただし、小口径の下水管の埋戻しのような場合、2%程度まで許容される。発注者の要求で1%未満にする場合は、ミキサーの回転時間を長くするような施工をするが、作業効率が低下し、その結果、コストが高くなる。品質とコストのかねあいでブリーディング率を決めている。
図2は、流動化処理土の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
配合設計の基本的な考え方は、密度が大きい泥水をミキサー車で現場へ運搬し、別途現場で製造した固化材スラリーを車上で混合し流動化処理土を製造する。この時泥水中に含まれる水量を算出し、スラリー製造に使用する水量を制御することで、製造後の流動化処理土の品質を確保することにある。
泥水中に含まれる空気は無視できるほど少ないと考えて以下の方法で求めた。
VW・ρW+VS・ρS=W
ここで、VW:泥水1m3中の水の体積(m3)
VS:泥水1m3中の土粒子の体積(m3)
ρW:水の密度(1,000kg/m3)
ρS:土粒子の密度(kg/m3)
W:泥水1m3の質量(kg)
土粒子の密度ρSは、予め推定されている既知の値である。
(3―2)配合設計
図4は、流動化処理土を配合するための説明図である。
泥水の(スラリーの混練水を含んだ)最終密度
:1.55g/cm3(1550kg/m3)以上
固化材添加量(出来上がり流動化処理土に対し外掛けで)
:100kg/m3
出荷泥水密度:1.65g/cm3=1,650kg/m3
土粒子の密度:2.67g/cm3=2,670kg/m3
出荷泥水1m3に含まれる水の量
Vw0=(1.0ρS−W)/(ρS−ρW)
=(1.0×2670−1650)/(2670−1000)
=0.611(m3)
・ 最終泥水(スラリーの混練水を含んだ)1m3に含まれる水の量
Vw1=(1.0ρS−W)/(ρS−ρW)
=(1.0×2670−1550)/(2670−1000)
=0.671(m3)
ここで、処理土1m3を製造するのに必要な泥水量をxm3、固化材スラリーを全て水とみたてたときの量をym3とすと、以下の連立方程式より解が得られる。
・ 611x+y=0.671
これらより、x=0.846(m3) y=0.154(m3)
したがって、密度1.6g/cm3の流動化処理土1.0m3を製造するために、密度1.65g/cm3の泥水0.846m3に、0.154m3の水と100kgの固化材で製造したスラリーを撹拌混合し製造する。
2…水
3…固化材
4…ミキサー車
5…コンクリートポンプ車
6…混合槽
7…固化材スラリー
Claims (4)
- 土の流動化処理工法における流動化処理土の製造方法であって、
被処理土に水を加えた泥水を、ミキサー車で流動化処理土の打設現場まで運搬する工程と、
打設現場で所定の固化材スラリーを前記ミキサー車に投入して撹拌混合する工程と、を有することを特徴とする流動化処理土の製造方法。 - 土の流動化処理工法における流動化処理土の製造方法であって、
被処理土に水を加えた泥水を、ミキサー車で流動化処理土の打設現場まで運搬する工程と、
打設現場で前記泥水と所定の固化材スラリーを空のミキサー車に投入して撹拌混合する工程と、を有することを特徴とする流動化処理土の製造方法。 - 土の流動化処理工法における流動化処理土の製造方法であって、
被処理土に水を加えた泥水を、ミキサー車で流動化処理土の打設現場まで運搬する工程と、
打設現場で前記泥水を所定の固化材スラリーを製造するミキサー車に投入して撹拌混合する工程と、を有することを特徴とする流動化処理土の製造方法。 - 前記固化材スラリーは、セメントミルク又はセメントモルタルであることを特徴とする請求項1ないし3に記載の流動化処理土の製造方法。
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