JP2005015344A - メイクアップ化粧料 - Google Patents
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Abstract
【構成】窒化ホウ素の表面を特定の含フッ素シリコーンおよび金属酸化物で被覆して得られる粉体を配合することにより、メイクアップ化粧料を構成する。このようにして得られた金属酸化物・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素をメイクアップ化粧料に配合することにより、肌のくすみを解消することができ、かつ、厚ぼったい仕上がりになることなく、自然な仕上がりで、明るく健康的な肌に見せることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化ホウ素表面を含フッ素シリコーンおよび金属酸化物で被覆して得られる粉体を配合したメイクアップ化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人の肌の色は、加齢とともに血行不良や色素の沈着などにより、肌の明度が下がって黄色の彩度が上昇する、いわゆる黄ぐすみの状態になることが知られている。そこで、この黄ぐすみを解消するため、酸化チタンなどの隠ぺい力の高い顔料を配合したり、ベンガラを配合して肌の色相を赤味よりに変化させることが従来から行われている。
【0003】
しかしながら、酸化チタンを高配合すると、隠ぺい力が高いためどうしても不自然な仕上がりとなり、白浮き、厚ぼったい仕上がりになるといった問題があった。また、ベンガラも同様に隠ぺい力が高く、かつ、発色が強いため、不自然な仕上がりになるといった問題があった。
【0004】
そこで、このような問題を解決し、明度を上昇させてくすみを解消することを目的として、雲母チタンやベンガラ被覆雲母チタンの配合が検討されている(特許文献1および2)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−17438
【0006】
【特許文献2】
特開平11−139929
【0007】
しかしながら、これらのいわゆるパール剤を配合した場合、白浮きや厚ぼったい仕上がりになるといった問題は解消されるものの、パール剤特有の強い正反射のため、不自然なつやの仕上がりになるという問題があった。
【0008】
このため、滑らかな使用感とともに、適度な隠ぺい力とつや感を有する窒化ホウ素が最近の化粧料ではよく用いられている。すなわち、窒化ホウ素の配合により、滑らかさと自然なつや感が付与され、肌を明るく見せることができる。また、この優れた窒化ホウ素の特長を利用して、自然なつや感とともに、肌になじむ自然な色調を付与するために、窒化ホウ素表面に金属酸化物を被覆した複合粉体が検討されている(特許文献3)。
【0009】
【特許文献3】
特開平5−279594
【0010】
しかしながら、この特許の手法では、窒化ホウ素表面に被覆物が反応あるいは吸着するような酸化物層などの表面官能基がほとんど存在しないため、単に金属酸化物で被覆しても十分に被覆できないという欠点があり、粉体そのものの色調も不均一で部分的にムラが生じやすいものであった。そのため、実際に化粧料に配合しても、黄ぐすんだ肌を明るく健康的な肌に見せる効果はほとんど期待できないのが現状であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、加齢によって黄ぐすんだ肌を、自然な仕上がりで、かつ、明るく健康的な肌に見せることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、窒化ホウ素表面を金属酸化物で被覆する際に、特定の含フッ素シリコーンを併用して処理することにより、含フッ素シリコーンが窒化ホウ素表面でネットワーク構造をとって、窒化ホウ素表面に金属酸化物を均一に被覆することができること、およびこのようにして得られた粉体をメイクアップ化粧料に配合することにより、加齢によって黄ぐすんだ肌を、自然な仕上がりで、かつ、明るく健康的な肌に見せることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、窒化ホウ素表面を一般式(1)[式中、R1は同種または異種の炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、R2は−R5−Rf(式中、R5は炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基を示す。)、R3は−R5−SiX3(式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシル基またはハロゲンを示す。)、R4はR1またはR2またはR3のいずれかであり、l、m、nは整数であって、l=0〜500、m=1〜500、n=1〜500である。]で表される含フッ素シリコーンおよび金属酸化物で被覆して得られる粉体、すなわち、金属酸化物・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を配合したメイクアップ化粧料を提供するものである。
【0014】
【化2】
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる窒化ホウ素としては、六方晶形、ウルツ鉱型構造、立方晶形、菱面体晶形乱、層構造のいずれの結晶形でも良いが、層間の結合力が弱く、良好な使用感を有する六方晶形の窒化ホウ素が最も好ましい。
【0016】
本発明で用いられる窒化ホウ素の平均粒子径は特に制限されないが、0.1〜30μmが好ましい。0.1μmよりも小さいと適度なつや感が損なわれ、また、30μmよりも大きいと滑らかな使用感が損なわれて好ましくない。
【0017】
本発明で用いられる含フッ素シリコーンは一般式(1)[式中、R1は同種または異種の炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基、R2は−R5−Rf(式中、R5は炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基を示す。)、R3は−R5−SiX3(式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシル基またはハロゲンを示す。)、R4はR1またはR2またはR3のいずれかであり、l、m、nは整数であって、l=0〜500、m=1〜500、n=1〜500である。]で表される構造を有する。その中でも特に、l=0、m=1〜50、n=1〜50でmとnの比が9:1〜2:3の構造のものが好ましい。さらに好ましくは、mとnの比が3:1〜1:1である。なお、一般式(1)で表される含フッ素シリコーンの構造単位の配列は、交互でもブロックでもランダムでもよい。具体的には、R1としては、CH3、C2H5、C3H7、CH(CH3)2、C4H9、CH2CH(CH3)CH3、C(CH3)3、C6H13、C6H5などが、R5としては、C2H4、C3H6、C4H8、CH2CH(CH3)CH2、CH2CH2CH(CH3)、C6H12などが、Rfとしては、CF3、C2F5、C4F9、C6F13、C8F17、C12F25などが、Xとしては、OCH3、OC2H5、OC3H7、OCH(CH3)2、OC4H9、OCH2CH(CH3)CH3、OC(CH3)3、Cl、Brなどが挙げられる。
【0018】
【化3】
【0019】
含フッ素シリコーンは、上記化合物のうちそれぞれ1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
含フッ素シリコーンの添加量は、含フッ素シリコーンの種類によって異なるが、窒化ホウ素の重量に対して1〜20重量%が好ましい。1重量%未満では、含フッ素シリコーンが窒化ホウ素表面で十分にネットワーク構造がとれず、従って、窒化ホウ素表面に金属酸化物を均一に被覆することができない。20重量%を越えて処理しても、効果の増強は望めない。
【0021】
本発明で用いられる金属酸化物としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されない。具体的には、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明で用いられる金属酸化物の添加量は、窒化ホウ素の重量に対して1〜100重量%が好ましい。1重量%未満では、化粧料に配合した際に明るく健康的な肌に見せることができない。100重量%を越えて被覆すると、金属酸化物による発色、隠ぺい力が強くなり、化粧料に配合した際に不自然な仕上がりになってしまう。また、窒化ホウ素本来の滑らかな使用感が損なわれてしまう。
【0023】
本発明で用いられる表面処理の方法としては、(a)窒化ホウ素を含フッ素シリコーンと金属酸化物で同時に被覆する方法、(b)あらかじめ窒化ホウ素を含フッ素シリコーンで被覆した後、金属酸化物で被覆する方法、および、(c)先に窒化ホウ素を金属酸化物で被覆した後、含フッ素シリコーンで被覆する方法のいずれでも良いが、窒化ホウ素表面に含フッ素シリコーンのネットワーク構造を形成させ、金属酸化物の均一な被覆を行うためには、(a)と(b)の方法が好ましい。
【0024】
本発明で用いられる、含フッ素シリコーンおよび金属酸化物で被覆した窒化ホウ素、すなわち、金属酸化物・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素のメイクアップ化粧料への配合量としては、0.01〜20重量%が好ましい。0.01重量%未満では肌を明るく健康的な肌に見せる効果が十分ではなく、20重量%を越えて配合しても効果の増強は望めない。
【0025】
本発明のメイクアップ化粧料のその他の成分としては、目的とする化粧料の形態に応じて、通常の化粧料に配合される成分から選択して用いることができる。これらの成分としては、水、油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、アルコール、アルキルグリセリルエーテル、エステル、シリコーン油、フッ素油、多価アルコール、糖類、高分子、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、殺菌・防腐剤、染料、香料、色素、可塑剤、有機溶媒、薬剤、動植物抽出物、体質粉体、有機色材、無機色材、パール顔料、表面処理粉体、複合顔料、油性ゲル化剤、アミノ酸及びペプチド、ビタミンなどが挙げられ、本発明の目的を損なわない範囲内で配合可能である。
【0026】
本発明のメイクアップ化粧料の例としては、例えばパウダーファンデーション、油性ファンデーション、乳化型ファンデーション、ほほ紅、白粉、アイブロウ、アイシャドウ、アイライナー、口紅、化粧下地などが挙げられる。
【0027】
本発明のメイクアップ化粧料は、通常の方法に従って製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を、実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
実施例1
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)をトルエン200gに分散させた後、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約105gにベンガラ10g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0030】
【化4】
【0031】
実施例2
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)およびベンガラ10g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)をトルエン200gに分散させ、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕してベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0032】
【化5】
【0033】
実施例3
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)にベンガラ10g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ被覆窒化ホウ素を得た。その後、得られたベンガラ被覆窒化ホウ素約110gをトルエン200gに分散させた後、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕してベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0034】
【化6】
【0035】
比較例1
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)にベンガラ10g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ被覆窒化ホウ素を得た。
【0036】
実施例1〜3のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素、および比較例1のベンガラ被覆窒化ホウ素について、走査型電子顕微鏡で表面観察を行った。その写真を図1〜図4に示す。
【0037】
図1、2から明らかなように、実施例1および2のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素は、窒化ホウ素表面にベンガラが均一に被覆されていた。一方、図3に示した実施例3で得られたベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素は、窒化ホウ素表面のベンガラがやや不均一であった。
【0038】
このことから、窒化ホウ素をベンガラで被覆する前、あるいはベンガラで被覆するのと同時に、含フッ素シリコーンで被覆することが好ましいと判断できた。それに対して、図4で示す比較例1のベンガラ被覆窒化ホウ素は、窒化ホウ素表面にベンガラがほとんど被覆されておらず、窒化ホウ素とベンガラが別々に存在していた。このことから、含フッ素シリコーンで窒化ホウ素を被覆することの重要性が明らかとなった。
【0039】
実施例4
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)をトルエン200gに分散させた後、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約105gにベンガラ1g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0040】
【化7】
【0041】
実施例5
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)をトルエン200gに分散させた後、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約105gにベンガラ100g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0042】
【化8】
【0043】
実施例6
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)をトルエン200gに分散させた後、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約105gにベンガラ0.5g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0044】
【化9】
【0045】
実施例7
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)をトルエン200gに分散させた後、式(2)に示す構造を有する含フッ素シリコーン5gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約105gにベンガラ150g(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0046】
【化10】
【0047】
実施例1〜7のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素および比較例1のベンガラ被覆窒化ホウ素について、肌に塗布した際の仕上がり(くすみ感のなさ)、および平滑性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
<肌に塗布した際の仕上がり(くすみ感のなさ)>
10人の専門パネラーにより官能評価を行い、(1)の評価基準を用いて7段階に評価し、その平均値を(2)に示す基準で評価した。
(1)
7点:非常に良い
6点:良い
5点:やや良い
4点:普通
3点:やや悪い
2点:悪い
1点:非常に悪い
(2)
◎:6点以上
○:4点以上6点未満
△:3点以上4点未満
×:3点未満
<平滑性>
10人の専門パネラーにより官能評価を行い、次の基準で示した。
〇:8人以上が良いと感じた
△:4〜7人が良いと感じた
×:4人未満が良いと感じた
【0049】
【表1】
【0050】
表1から、実施例1、2、4、5のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素は、窒化ホウ素本来の滑らかな使用感を損なわずに、肌のくすみを解消する効果が高いことが明らかとなった。比較例1では、肌のくすみを解消する効果が期待できず、このことから窒化ホウ素表面にベンガラが被覆されていることの必要性が明らかとなった。一方、実施例3のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素は、肌のくすみを解消する効果がやや弱い傾向があった。このことから、肌のくすみを解消するためには、窒化ホウ素をベンガラで被覆する前、あるいはベンガラで被覆するのと同時に、含フッ素シリコーンで被覆することが好ましいと判断できた。また、実施例6では、肌のくすみを解消する効果がやや弱い傾向にあり、実施例7では、窒化ホウ素本来の滑らかな使用感がやや損なわれやすい傾向が認められた。このことから、ベンガラの被覆量は、窒化ホウ素に対して1〜100重量%が好ましいことが明らかとなった。
【0051】
実施例8
窒化ホウ素100g(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−3)をトルエン200gに分散させた後、式(3)に示す構造を有する含フッ素シリコーン20gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約120gに酸化チタン30g(テイカ製、酸化チタンMT−600B)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、酸化チタン・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0052】
【化11】
【0053】
実施例9
窒化ホウ素100g(東レ製、トレセラムT−BN−LB)をトルエン200gに分散させた後、式(4)に示す構造を有する含フッ素シリコーン1gを加え、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧留去し、乾燥、粉砕して含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。続いて、得られた含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素約101gにベンガラ5g(チタン工業製、タロックスR−516−L)を加えて、ヘンシェルミキサー中で3500回転/分で2分撹拌した。同様の操作を合計4回行い、ベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を得た。
【0054】
【化12】
【0055】
次に、本発明で得られる金属酸化物・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を配合したメイクアップ化粧料の実施例について説明する。なお、成分の配合割合は重量%である。
【0056】
実施例10(パウダーファンデーション)
実施例1のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。製法は次の通りである。
【0057】
(製法)
実施例1のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素および残りの成分を均一に混合したものを粉砕してふるいに通した。これを金皿に圧縮成型してパウダーファンデーションを得た。
【0058】
実施例11(パウダーファンデーション)
実施例8の酸化チタン・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、実施例10と同様の方法で表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。
【0059】
実施例12(パウダーファンデーション)
実施例8の酸化チタン・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、実施例10と同様の方法で表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。
【0060】
実施例13(パウダーファンデーション)
実施例9のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、実施例10と同様の方法で表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。
【0061】
比較例2(パウダーファンデーション)
窒化ホウ素(水島合金鉄製、セラムブランシュSHP−4)およびベンガラ(JFEケミカル製、微粒酸化鉄JC−FH04)を使用し、実施例10と同様の方法で表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。
【0062】
比較例3(パウダーファンデーション)
TIMIRON SUPER RED(メルク製)を使用し、実施例10と同様の方法で表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。
【0063】
比較例4(パウダーファンデーション)
FLAMENCO SATIN RED(エンゲルハード製)を使用し、実施例10と同様の方法で表2に示す組成のパウダーファンデーションを製造した。
【0064】
次に、上記のようにして得られた実施例10〜13および比較例2〜4のパウダーファンデーションについて、化粧の仕上がり(くすみ感のなさ、自然な仕上がり)について評価した。その結果を表3に示す。
【0065】
<化粧の仕上がり(くすみ感のなさ、自然な仕上がり)>
10人の専門パネラーにより官能評価を行い、(1)の評価基準を用いて7段階に評価し、その平均値を(2)に示す基準で評価した。
(1)
7点:非常に良い
6点:良い
5点:やや良い
4点:普通
3点:やや悪い
2点:悪い
1点:非常に悪い
(2)
◎:6点以上
○:4点以上6点未満
△:3点以上4点未満
×:3点未満
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
表3から明らかなように、本発明のパウダーファンデーション(実施例10〜13)は、本発明で得られる金属酸化物・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を配合することにより、自然な仕上がりで、肌のくすみを解消することのできるものであった。比較例2のパウダーファンデーションは、肌のくすみを解消する効果が弱く、窒化ホウ素に金属酸化物を被覆することの必要性が明らかとなった。比較例3、4の雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタンを配合したパウダーファンデーションは、肌のくすみはある程度解消できるものの、パール剤特有のギラツキによる不自然な仕上がりとなってしまった。このことから、本発明で得られる金属酸化物・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を配合することの必要性が明らかとなった。
【0069】
実施例14(乳化型ファンデーション)
実施例1のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、目的の乳化型ファンデーションを得た。
(製法)
油相を室温にて均一溶解した後、これに粉体を添加し、ホモミキサーで分散させる。これに水相を撹拌しながら添加して乳化し、乳化型ファンデーションを得た。
【0070】
実施例15(ほほ紅)
実施例1のベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、実施例10と同様にして目的のほほ紅を得た。
【0071】
実施例16 白粉
実施例8の酸化チタン・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素を使用し、実施例10と同様にして目的の白粉を得た。
【0072】
実施例14〜16で得られたメイクアップ化粧料は、いずれも自然な仕上がりで、肌のくすみを解消し、肌を明るく健康的に見せる効果が高いものであった。
【0073】
【発明の効果】
本発明のメイクアップ化粧料は、窒化ホウ素表面を特定の含フッ素シリコーンおよび金属酸化物で被覆した粉体を配合することにより、自然な仕上がりで、肌のくすみを解消し、明るく健康的な肌に見せるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られたベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素の電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で得られたベンガラ・含フッ素シリコーン被覆窒化ホウ素の電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例1で得られたベンガラ被覆窒化ホウ素の電子顕微鏡写真である。
Claims (4)
- 一般式(1)の構造中、l=0、m=1〜50、n=1〜50で、mとnの比が9:1〜2:3である請求項1記載のメイクアップ化粧料。
- 一般式(1)の構造中、l=0、m=1〜50、n=1〜50で、mとnの比が3:1〜1:1である請求項1記載のメイクアップ化粧料。
- 金属酸化物が、酸化チタン、酸化鉄、またはこれらの混合物である請求項1〜3記載のメイクアップ化粧料。
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