JP2005014991A - エアゾール容器用の定量噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアゾール容器1本体の内部に設けたハウジング6内に、一端を挿入し他端を外部方向に付勢突出したステム7のオリフィス10を、ステム7の非押圧時にステムガスケット5で閉止するとともに、ハウジング6と連通口14を介して連通する定量室12を設け、この定量室12内に摺動可能なピストン13を連通口14とは反対方向に付勢して装着し、連通口14とはピストン13を介した位置の定量室12に、エアゾール容器1内部と常時接続するとともに、ステム7の非押圧時にはハウジング6内部とも連通する接続口21を連通口14と接続可能に設け、ステム7の押圧時にはピストン13の連通口14側の定量室12と接続口21との連通を遮断するよう形成する。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、頭髪用品、化粧品、消臭・制汗剤、その他の人体用品、殺虫剤、コーティング剤、クリーナー、その他の家庭用品、工業用品、自動車用品、食品などの内容物を、定量的に噴射することを可能とするエアゾール容器用の定量噴射装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平10−305882号公報
【0003】
エアゾール容器内部に収納された内容物を定量噴射可能とするために、従来より定量噴射装置が用いられている。この定量噴射装置は、一般的にエアゾール容器内部のハウジング側に設けられている。そして、定量噴射装置を設けたエアゾール容器を用いて定量噴射を行った場合、エアゾール容器内部に収納されていた内容物は、定量噴射装置を介してエアゾール容器外部に排出される。
【0004】
そのため、エアゾール容器内部に収納していた内容物を、事前に確実に定量噴射装置内に導入しておかなければならない。そこで内容物を容易に定量噴射装置内に導入するために、内袋を用いて定量噴射装置内に確実に内容物の導入を可能としたものや、内袋を用いないものでは、エアゾール容器本体を倒立状態にし、エアゾール容器内部に収納した内容物が重力によって定量噴射装置側に移動することを利用した、倒立噴射方法が用いられている。
【0005】
従来、倒立状態で使用するエアゾール容器の定量噴射装置として、特許文献1に示す発明が知られている。この発明においては、エアゾール容器のステムが非押圧状態にある時は、内容物を収納しているエアゾール容器内部と一定量の内容物を収納する定量室とが導入口を介して連通し、定量室内に定量の内容物を収納している。
【0006】
また、定量噴射時には押釦などを介してステムを押圧することにより、ステムのオリフィスと定量室内を連通し、定量噴射を可能としている。この方式は、ステムの非押圧時には閉止していたステムのオリフィスが、ステムの押圧により開放するとともに、ステムガスケットが弾性変形してハウジングの導入口の開口縁に押圧密着し、導入口とエアゾール容器内部との連通を遮断することにより、エアゾール容器内部と定量室内とを非連通状態とするよう構成している。
【0007】
そのため、エアゾール内容物の倒立噴射においては、押釦などを介してステムを押圧することにより、定量室に収納した内容物がオリフィスを通じて外部に噴出するとともに、ステムガスケットがエアゾール容器内部と連通するハウジングの導入口に密着することにより、エアゾール容器内部と定量室内との連通が遮断されるから、定量室に収納した内容物のみが外部に排出され、定量噴射を可能としている。
【0008】
この定量噴射の完了後、ステムへの押圧を解除すると、ステムは元位置に復帰して導入口を開放するから、定量室内には内容物が流入し、一定量の内容物を再度収納することにより、次の定量噴射に備えることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、定量噴射の完了後にこのエアゾール容器本体を正立状態にすると、内容物は重力に従ってエアゾール容器内部の底面側に移動し、エアゾール容器内部のハウジング側には噴射剤からなる気相のみが存在するものとなる。
【0010】
そのため、この容器を倒立させた状態で定量噴射を完了した直後、または定量室への十分な内容物の収納が行われないうちに、エアゾール容器本体を正立状態に戻すと、エアゾール容器内部のハウジング側に存在する気相が、ハウジングの導入口から連通路を通じて定量室内に導入される。
【0011】
従って、気相が定量室内に導入されると、定量室内には気相のみ又は少量の内容物と気相が滞留し、定量室内に内容物のみを導入することができなくなる。このような状態で再度ステムを押圧しても、定量室内の容積で定められた一定量の内容物を噴射することができないため、定量噴射を行うことは困難となる。
【0012】
本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、エアゾール容器本体を倒立させた状態で噴射を行い、定量噴射完了直後にエアゾール容器本体を正立状態にした場合であっても、定量室内に噴射剤からなる気相を導入することなく内容物のみを導入し、再度ステムを押圧すれば、定量室内の一定量の内容物を、確実に噴射することを可能としようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題を解決するため、エアゾール容器本体のキャップの内面に、ステムガスケットを介してハウジングを接続し、このハウジング内に一端を挿入し他端を外部方向に付勢突出したステムのオリフィスを、ステムの非押圧時にステムガスケットで閉止するとともに、ハウジングと連通口を介して連通する定量室をハウジングに連続して設け、この定量室内に摺動可能なピストンを連通口とは反対方向に付勢して装着し、連通口とはピストンを介した位置の定量室である外側定量室に、エアゾール容器内部と常時接続するとともに、ステムの非押圧時にはハウジング内部とも連通する接続口を連通口と接続可能に設け、ステムの押圧時にはピストンの連通口側の定量室である内側定量室と接続口との連通を遮断し、内側定量室を連通口にのみ接続するよう形成たものである。
【0014】
また、ピストンの付勢は、ハウジングとピストンの間に介装した押圧発条により行うものであってもよい。
【0015】
また、接続口は、定量室の外周を被覆体で被覆し、この被覆体と定量室の外周との間にエアゾール容器内部を常時接続する内容物の接続路を設け、この接続路の先端開口をエアゾール容器のキャップ側に形成したものであってもよい。
【0016】
また、内側定量室と接続口との連通及び遮断は、接続口に設けた弁座に、ステムの外周に設けたシール部をステムの押圧時に当接して遮断するとともに、ステムの非押圧時にシール部と弁座を開放することにより遮断を解除するものであってもよい。
【0017】
【作用】
本発明は、上述の如く構成したものであり、エアゾール容器本体のステムが非押圧状態にある時は、ステムのオリフィスをステムガスケットの内周端面で閉止している。また、連通口とはピストンを介した位置の定量室である外側定量室内とエアゾール容器内部が常時接続するとともに、外側定量室と接続口とを連通している。また、この状態において、連通口と接続口も連通している。
【0018】
従って、ステムの非押圧状態下で定量室内に内容物を収納している場合、外側定量室内と連通口とピストンの間の定量室である内側定量室内の圧力は、平衡状態となっている。そのため、定量室内に設けたピストンは押圧発条の付勢力に従って、連通口と反対の方向に位置している。
【0019】
この状態でエアゾール容器本体を倒立させてステムを押圧すると、ステムはハウジング内を摺動しながらステムガスケットを押圧するため、ステムガスケットがハウジング方向に弾性変形する。そのため、ステムを押圧すれば、ステムガスケットの内周端面に密着することにより閉止していたステムのオリフィスが、ステムガスケットと分離し開放される。
【0020】
これにより、内側定量室内に収納した内容物が外部に噴出可能な状態となるため、エアゾール容器内部に収納された内容物が接続路の先端開口から外側定量室内に流入し、ピストンは外側定量室内に流入した内容物の圧力により、押圧発条の復元力に抗して連通口方向に摺動する。従って、このピストンの圧力、即ち外側定量室内に流入した内容物の圧力により、内側定量室内に収納していた内容物がオリフィスを通じて外部に噴出する。
【0021】
そして、連通口の方向に摺動していたピストンが、ハウジングに衝突するなどして摺動限界に達することにより、一定量の内容物が全て排出されるため、定量噴射が完了する。また定量噴射時において、ステムの押圧によりステムが接続口の方向に移動してハウジングに接続する接続口が閉止するため、内側定量室と接続口との連通が遮断される。
【0022】
このようにステムの押圧時には接続口が閉止するため、外側定量室内に収納した内容物が、接続口を通じて内側定量室内に流入することはない。従って、ステムの非押圧時に内側定量室内に収納していた一定量の内容物のみを、ステムの押圧により確実に噴射することが可能となる。
【0023】
また、内側定量室内に収納していた内容物の噴射が完了した後にステムの押圧を解除すると、ステムはステム発条の付勢力で元位置に復元し、オリフィスはステムガスケットの内周端面によって再び閉止される。これと同時に、ステムが外部方向に移動するため、ステムの一端によって閉止していた接続口が再び開放される。従って、内側定量室と接続口は連通する。
【0024】
このようにステムの押圧を解除することにより、オリフィスが閉止されるとともに内側定量室と接続口が連通するため、内側定量室内と外側定量室内の圧力は再び平衡状態になる。従って、定量噴射の完了時に連通口側に位置していたピストンが、押圧発条の付勢力により元位置に復元する。そして、外側定量室内に収納していた内容物は、元位置に向かって摺動するピストンにより連通口方向に圧力を受けるため、接続口及び連通口を通じて内側定量室内に導入される。
【0025】
従って、エアゾール容器本体を倒立させた状態でステムを押圧し、定量噴射を完了した直後に、エアゾール容器本体を正立状態にした場合であっても、外側定量室内にはすでに一定量の内容物を収納しているため、この内容物がピストンの押圧力で外側定量室から内側定量室内に移送され、エアゾール容器内の気相が更に内側定量室内に流入することはない。
【0026】
本発明は、上述のごとく定量噴射を完了させた後にステムの押圧を解除した時点で、定量室内に一定量の内容物を確実に収納しているため、エアゾール容器の正倒立時期に関係なく、定量噴射完了後に再度ステムを押圧すれば一定量の内容物を噴射することが可能となる。
【0027】
また、ピストンの付勢を、ハウジングの連通口側とピストンの間に介装した押圧発条により行うものとすれば、設計時に合致した押圧発条を選択することは容易であるから、ピストンの付勢力を適度なものとすることが可能となる。
【0028】
また、定量室の外周を被覆体で被覆し、この被覆体と定量室の外周との間にエアゾール容器内部と常時接続する内容物の接続路に接続口を設け、この接続路の先端開口をエアゾール容器のキャップ側に形成するものとすれば、エアゾール容器を倒立状態とした時に内容物がキャップ側に移動するため、この内容物は先端開口から接続路、接続口、連通口を介して内側定量室内に導入され、エアゾール容器内部に収納した内容物の残量を最小限にとどめることが可能となる。
【0029】
また、内側定量室と接続口との連通及び遮断は、ステムの押圧時に接続口に設けた弁座に、ステムの外周に設けたシール部を当接することにより遮断するとともに、ステムの非押圧時にシール部と弁座を開放することにより遮断を解除するものとすれば、簡略な機構によりステムの押圧又は押圧の解除に伴い、内側定量室と接続口との連通又は遮断を、容易かつ確実に行うことが可能となる。
【0030】
また、本発明を構成するエアゾール容器用の定量噴射装置に用いる内容物は、頭髪用品、化粧品、消臭・制汗剤、その他の人体用品、殺虫剤、コーティング剤、クリーナー、その他の家庭用品、工業用品、自動車用品、食品などに用いることができる。
【0031】
また、頭髪用品として、ヘアースプレー、ヘアードレッサーコンディショナー、ヘアーシャンプー・リンス、酸性染毛剤、酸化型2剤タイプ永久染毛剤、カラースプレー、脱色剤、パーマ剤、育毛剤、ヘアーフォーム、ヘアートニック、寝癖直しスプレー、頭髪用フレグランスなどに用いることができる。
【0032】
また、化粧品として、シェービングクリーム、アフターシェーブローション、香水・オーデコロン、洗顔料、日焼け止め、ファンデーション、脱毛・脱色剤、浴用剤、歯磨き、パック剤などに用いることができる。
【0033】
また、消臭・制汗剤としては、制汗剤、消臭剤、ボディーシャンプーなどに用いることができる。また、その他の人体用品としては、筋肉弛緩剤、皮膚疾患剤、水虫薬、害虫忌避剤、清拭剤、口腔剤、傷薬、火傷治療剤などに用いることができる。
【0034】
また、殺虫剤としては、空間殺虫剤、ゴキブリ殺虫剤、園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、不快害虫剤などに用いることができる。また、コーティング剤としては、家庭用塗料、自動車用塗料、アンダーコーティングなどに用いることができる。
【0035】
また、クリーナーとしては、家庭用ガラスクリーナー、絨毯クリーナー、浴用クリーナー、床・家具つや出しクリーナー、靴・皮革クリーナー、ワックスつや出し剤などに用いることができる。また、その他の家庭用品としては、室内消臭剤、トイレ用消臭剤、防水剤、洗濯糊、除草剤、衣類用防虫剤、防炎剤、消火具、除菌剤などに用いることができる。
【0036】
また、工業用としては、潤滑防錆剤、接着剤、金属深傷剤、離型剤、コーキング剤などに用いることができる。また、自動車用としては、防曇剤、解氷剤、パンク修理剤、エンジンクリーナーなどに用いることができる。その他、動物用品、趣味娯楽用品、食品及び飲料、例えば、ホイップドクリーム、しょうゆ、ソース、食用油、ドレッシング、チーズ、コーヒー、お茶、ジュースなどに用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面において説明すれば、(1)はエアゾール容器で、図1に示すごとく、開口部(2)をシールパッキン(3)を介してキャップ(4)により密閉している。なお、本実施例ではキャップ(4)としてマウンテンカップを使用しているが、他の種類のキャップ(4)を使用したものであってもよい。そして、このキャップ(4)の中央内面には、ステムガスケット(5)を介してハウジング(6)の一端を固定している。
【0038】
また、ハウジング(6)内にはステム(7)の一端を挿入している。このステム(7)は、ステム発条(8)の押圧力によりエアゾール容器(1)本体の外部方向に付勢され、ステムガスケット(5)を貫通するとともに、キャップ(4)を介して他端をエアゾール容器(1)の外部に突出している。また、ステム(7)の非押圧時は、このステム(7)に設けたオリフィス(10)をステムガスケット(5)の内周端面(11)によって、閉止している。
【0039】
また、エアゾール容器(1)の内部には、ハウジング(6)に連続して内容物を定量収納するための定量室(12)を設けている。そして、この定量室(12)の内部には、定量室(12)内を摺動可能とするピストン(13)を装着している。また、この定量室(12)とハウジング(6)の側面との間には、連通口(14)を設けて両者を常時連通している。
【0040】
また、ハウジング(6)とピストン(13)との間には、押圧発条(15)を介装し、ピストン(13)を連通口(14)と反対方向に押圧付勢している。また、定量室(12)は前述のごとく、連通口(14)とはピストン(13)を介した位置の定量室(12)を外側定量室(16)とし、ピストン(13)の連通口(14)側の定量室(12)を内側定量室(17)としている。従って、外側定量室(16)と内側定量室(17)は、内容物の噴射に伴うピストン(13)の移動により容積を変化させるものである。
【0041】
また、定量室(12)の外周には、定量室(12)を被覆する被覆体(18)を設け、この被覆体(18)と定量室(12)との間に一定の間隔を設けて接続路(20)を形成し、この接続路(20)のエアゾール容器(1)下底方向を外側定量室(16)に接続している。また、この接続路(20)の一部をハウジング(6)に接続し、この接続部を接続口(21)としている。
【0042】
また、この接続路(20)は、キャップ(4)側に先端開口(22)を設けることによりエアゾール容器(1)内部と常時接続している。そして、この外側定量室(16)から先端開口(22)の区間の接続路(20)を導入路(23)とし、先端開口(22)及び導入路(23)は外側定量室(16)とも常時接続している。
【0043】
また、この先端開口(22)は上述の通り、キャップ(4)側に設けている。そのため、エアゾール容器(1)本体を倒立させた状態において、エアゾール容器(1)本体に収納した内容物の液面が少なくとも先端開口(22)の位置より高ければ、この内容物を、先端開口(22)を通じて定量室(12)内に導入することが可能となる。従って、エアゾール容器(1)内部に収納した内容物の最終的な残量を、最小限に抑えることが可能となる。
【0044】
また、ハウジング(6)内に挿入したステム(7)の一端の外周に、本実施例においてはOリングで形成したシール部(24)を装着するとともに、接続口(21)に弁座(25)を設けている。これにより、ステム(7)を押圧すれば、シール部(24)がこの弁座(25)に当接するため、接続口(21)が閉止する。また、本実施例では、噴射剤として圧縮ガスを使用している。
【0045】
このように構成したものにおいて、図1に示すごとく、エアゾール容器(1)のステム(7)が非押圧の状態にあるときは、ステム(7)のオリフィス(10)は、ステムガスケット(5)の内周端面(11)が密着することにより閉止している。従って、内側定量室(17)とオリフィス(10)との連通が遮断される。
【0046】
また、ステム(7)は、ステム発条(8)の押圧力によって外部方向に付勢し、ステム(7)のシール部(24)も弁座(25)には当接せず、接続口(21)は内側定量室(17)及び連通口(14)と連通するとともに、外側定量室(16)、エアゾール容器(1)内部とも連通している。従って、定量室(12)内の外側定量室(16)と内側定量室(17)の圧力が平衡状態となるため、定量室(12)内に設けたピストン(13)は、押圧発条(15)の付勢力に従って連通口(14)と反対の方向に付勢移動している。そして、図2に示すごとく、エアゾール容器(1)本体を倒立させた状態で押釦(26)などを介してステム(7)を押圧すれば、ステムガスケット(5)は弾性変形してオリフィス(10)を開放する。
【0047】
このオリフィス(10)の開放によって、内側定量室(17)内に収納した内容物が、外部に噴出可能な状態となる。そのため、エアゾール容器(1)内部の内容物が先端開口(22)から導入路(23)を通じて外側定量室(16)内に流入するとともに、ピストン(13)は外側定量室(16)内に流入した内容物の圧力によって連通口(14)方向に押圧されて摺動する。従って、このピストン(13)の圧力、即ち外側定量室(16)内に流入した内容物の圧力により、内側定量室(17)内に収納していた内容物がオリフィス(10)を通じて外側に噴出する。
【0048】
また、上記ステム(7)の押圧により、ステム(7)のシール部(24)が弁座(25)をシールし、接続口(21)を閉止するため、内側定量室(17)と連通口(14)との連通が遮断される。
【0049】
このように、ステム(7)を押圧した状態では接続口(21)が閉止するため、外側定量室(16)内に収納した内容物が、接続口(21)を通じて内側定量室(17)内に流入することはない。そのため、ステム(7)の押圧時には、内側定量室(17)内に収納した内容物のみが、オリフィス(10)を通じて外部に噴出される。従って、ステム(7)を押圧することにより、外側定量室(16)から更に内容物を導入することなく、ステム(7)の非押圧時に内側定量室(17)内に収納していた内容物のみを、確実に噴射することが可能となる。
【0050】
そして図3に示すごとく、外側定量室(16)内に流入した内容物によって押圧され摺動していたピストン(13)が、最終的にハウジング(6)に衝突するなどして摺動限界にまで到達すると、内側定量室(17)に収納した一定量の内容物が全て排出されるため、定量噴射が完了する。
【0051】
この時点で、内容物の噴射が完了したことを作業者が関知し、ステム(7)の押圧を解除することにより、ステム(7)はステム発条(8)の押圧力により元位置に復元する。この復元により、ステム(7)のオリフィス(10)は閉止するとともに、接続口(21)のシール部(24)も弁座(25)から分離する。従って、接続口(21)が開放され、再び内側定量室(17)と接続口(21)とは連通した状態となる。
【0052】
このように、ステム(7)の押圧を解除することにより、オリフィス(10)が閉止されるとともに内側定量室(17)と接続口(21)とが連通するため、外側定量室(16)内と内側定量室(17)内の圧力は平衡状態となる。従って、定量噴射の完了時には連通口(14)側に位置していたピストン(13)が、押圧発条(15)の付勢力によって連通口(14)と反対方向に摺動し、最終的には元位置に復元する。
【0053】
この復元に伴って、定量噴射の完了時に外側定量室(16)内に収納していた内容物は、連通口(14)方向に圧力を受けるため、接続路(20)、接続口(21)、及び連通口(14)を通じて内側定量室(17)内に導入される。
【0054】
また、内容物の定量噴射を完了した直後にエアゾール容器(1)本体を正立させた場合は、図4に示すごとく、エアゾール容器(1)内部に収納された内容物は、重力に従ってエアゾール容器(1)本体の底部に移動し、外側定量室(16)内と常時連通している先端開口(22)付近には、気相のみが滞留する。
【0055】
しかし、前述のごとく定量噴射の終了時には、外側定量室(16)内にはすでに内容物の充填が完了しているから、先端開口(22)付近に滞留した気相が、先端開口(22)から導入路(23)を通じて外側定量室(16)内に流入する余地はない。従って、図5に示すごとく、上記の通りに外側定量室(16)内に充填した内容物が、ピストン(13)の摺動にともなって内側定量室(17)内に流入し、内側定量室(17)への内容物の充填が完了する。
【0056】
従って、内側定量室(17)への内容物の充填が完了した後に、再度押釦(26)などを介してステム(7)を押圧することにより、内側定量室(17)内に収納した一定量の内容物を確実に噴射することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、エアゾール容器本体を倒立させた状態で噴射を行い、定量噴射完了後にエアゾール容器本体を正立状態にしてステムの押圧を解除しても、定量室内に噴射剤からなる気相を導入することなく内容物のみを収納し、再度ステムを押圧すれば、定量室内の一定量の内容物を、確実に噴射することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアゾール容器の倒立状態の断面図。
【図2】内容物の定量噴射状態を示す断面図。
【図3】定量噴射完了状態を示す断面図。
【図4】定量噴射完了直後にエアゾール容器本体を正立した状態を示す断面図。
【図5】内側定量室への内容物の充填が完了した状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 エアゾール容器
4 キャップ
5 ステムガスケット
6 ハウジング
7 ステム
10 オリフィス
12 定量室
13 ピストン
14 連通口
15 押圧発条
16 外側定量室
17 内側定量室
18 被覆体
20 接続路
21 接続口
22 先端開口
24 シール部
25 弁座
Claims (4)
- エアゾール容器本体のキャップの内面に、ステムガスケットを介してハウジングを接続し、このハウジング内に一端を挿入し他端を外部方向に付勢突出したステムのオリフィスを、ステムの非押圧時にステムガスケットで閉止するとともに、ハウジングと連通口を介して連通する定量室をハウジングに連続して設け、この定量室内に摺動可能なピストンを連通口とは反対方向に付勢して装着し、連通口とはピストンを介した位置の定量室である外側定量室に、エアゾール容器内部と常時接続するとともに、ステムの非押圧時にはハウジング内部とも連通する接続口を連通口と接続可能に設け、ステムの押圧時にはピストンの連通口側の定量室である内側定量室と接続口との連通を遮断し、内側定量室を連通口にのみ接続するよう形成したことを特徴とする、エアゾール容器用の定量噴射装置。
- ピストンの付勢は、ハウジングとピストンの間に介装した押圧発条により行うものであることを特徴とする、請求項1のエアゾール容器用の定量噴射装置。
- 接続口は、定量室の外周を被覆体で被覆し、この被覆体と定量室の外周との間にエアゾール容器内部を常時接続する内容物の接続路を設け、この接続路の先端開口をエアゾール容器のキャップ側に形成したことを特徴とする、請求項1のエアゾール容器用の定量噴射装置。
- 内側定量室と接続口との連通及び遮断は、接続口に設けた弁座に、ステムの外周に設けたシール部をステムの押圧時に当接して遮断するとともに、ステムの非押圧時にシール部と弁座を開放することにより遮断を解除することを特徴とする、請求項1のエアゾール容器用の定量噴射装置。
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