JP2005014546A - 窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルム - Google Patents

窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム表面への染料の析出を抑え、曲面などへの施工性と意匠性に優れた窓貼り用として好適な二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】実質的にポリエステルに溶解する染料を含有する層を内層とする、少なくとも3層のポリエステルが共押出積層されたフィルムであり、下記式▲1▼および▲2▼を同時に満足することを特徴とする窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルム。
6.0≦SMD≦20.0 ………▲1▼
0.0≦STD≦10.0 ………▲2▼
(上記式中、SMDは180℃で5分間熱処理時のフィルム縦方向の熱収縮率(%)、STDは180℃で5分間熱処理時のフィルム横方向の熱収縮率(%)を表す)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車の窓、建築物の窓等のガラスに貼り合わせをして使用される窓貼り用として好適な二軸配向積層ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、フィルム表面への染料の析出を抑え、曲面を有するガラス面等への施工性と意匠性に優れた窓貼り用として好適な二軸配向積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の窓や建築物の窓等に、プライバシーの保護、意匠性、日照調整、ガラス飛散防止等の目的で貼り合わされるフィルムには、透明性、耐光性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れているポリエステルフィルムが良く用いられる。遮光性を有する窓貼り用ポリエステルフィルムとしては、例えば、3層以上の積層ポリエステルフィルムの内層に染料を含有させた複合フィルムを用いることが提案されている(特許文献1、2)。
このような遮光フィルムを窓等に貼り合わせる際に、平面な面に貼り合わせるのは容易であるが、曲面を有する面に貼り合わせた場合はシワ等が入りやすく、施工性に関しては不十分である。
【特許文献1】特許第2699397号公報
【特許文献2】特開平10−157040号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フィルム表面への染料の析出を抑え、曲面などへの施工性と意匠性に優れた窓貼り用として好適な二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の積層構成を有するフィルムの収縮率を特定の範囲とすることによれば、上記課題を高度に解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の要旨は、実質的にポリエステルに溶解する染料を含有する層を内層とする、少なくとも3層のポリエステルが共押出積層されたフィルムであり、下記式▲1▼および▲2▼を同時に満足することを特徴とする窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルムに存する。
6.0≦SMD≦20.0 ………▲1▼
0.0≦STD≦10.0 ………▲2▼
(上記式中、SMDは180℃で5分間熱処理時のフィルム縦方向の熱収縮率(%)、STDは180℃で5分間熱処理時のフィルム横方向の熱収縮率(%)を表す)
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、少なくとも3層以上のポリエステル層が積層されたフィルムであることが必要で、さらに詳しくは、全ての層が押出口金から共に溶融押し出しされる、いわゆる共押出法により押し出されたフィルムである。また、フィルムは未延伸の状態や一軸延伸フィルムではなくて、縦方向および横方向の二軸方向に延伸して配向させ、その後に熱固定を施したフィルムであることが必要である。このような積層フィルムは、両面に共押出表層を有し、その間には共押出中間層を有するが、この共押出中間層自体が積層構造となっていてもよい。
【0007】
ポリエステルフィルが単層構成である場合には、添加した染料がフィルム表面に湧き出す現象(ブリードアウト)、およびそれが昇華する現象が発生しやすく、これによってフィルム製膜機の汚染されるため、生産自体ができない場合が多く、仮に作成できたとしても、その表層にはブリードアウトによるフィルム内部からの湧出物が存在して、それによって後加工に悪影響を及ぼすことが多いため、好ましくない。
【0008】
本発明のポリエステルフィルムを構成する各層に用いるポリエステルは、通常、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。これらの中でも、PETは物性とコストのバランスが良好であり、最も良く用いられるポリエステルである。
【0009】
本発明で用いるポリエステルは、合計で10モル%以内、好ましくは5モル%以内であれば第三成分を含有した共重合体であってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】
本発明の二軸配向積層ポリエステルフィルムは、その積層構造の内層(中間層)に、ポリエステルに実質的に溶解する染料を含有する必要がある。本発明で言う実質的に溶解するとは、ポリエステルの溶融状態で混練りしたときに、凝集体などが残らずに均一に混ざることを意味し、これによって後述するフィルムヘーズが通常6.0%以下、好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下となる。用いる染料は、可視光領域(380〜780nm)に吸収を持つものが好ましく、ポリエステルの成型温度で分解が少ないものが好ましい。このような染料は、化学構造的にはアントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾメチン系、複素環系の染料等が好ましく挙げられ、染色処方的には、分散性染料、油溶性染料が好適である。また一般に顔料として分類されているものであっても、上記のように溶融ポリエステル中で溶解するものであれば、本発明では染料として用いることができる。この例としては、フタロシアニン系などの銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロムなどの金属イオンとの錯塩染料などを挙げることができる。
【0011】
上記の染料は、例えばグレー調やブラウン調に調色するために、適宜選択して数種混合して使用されるのが一般的で、また、これらの染料のポリエステル中の含有量は、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5.0重量%の範囲の中から選択することが好ましい。具体的には、フィルム全体の可視光線透過率が3〜75%、さらには5〜50%の範囲となるようにすることが好ましい。
【0012】
本発明の窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルムは、共押出中間層に前述した染料のほかに、公知の紫外線吸収剤あるいはラジカルトラップ剤等を共存させることができる。しかし、添加剤によってはフィルムに濁りを生じる場合が有り、その場合には添加剤を用いるのは好ましくない。
【0013】
本発明で用いる染料およびその他の添加剤をポリエステルに添加する方法は、フィルムを溶融成型する際に、これらの粉体やペーストあるいは液体などとして添加する方法でもよいが、装置の汚染の問題や銘柄切り替えのしやすさを考慮すると、あらかじめ染料等のマスターバッチを作成しておき、フィルムの溶融成型時にこれらのマスターバッチをクリアーレジンで希釈しながら添加することが好ましい。またこれらの溶融成型の際には、ポリエステルに分散良く混練りしながら行うために、特に二軸押出機を用いることが好ましい。
【0014】
本発明のポリエステルフィルムは、表層面の滑り性を確保するために、その両側の共押出表層面に微細な突起を形成させ得るに十分な粒子径と添加量の微粒子を含有させることができる。この目的で使用できる微粒子は、例えば、平均粒径が0.02〜5.0μmの酸化ケイ素、炭酸カルシウム、カオリン、架橋有機高分子微粉体などの一種または二種以上を挙げることができ、添加量は0.001〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%から適宜選択することが、フィルムヘーズを上昇させないで、かつ必要最小限の滑り性を確保することができて好ましい。フィルム表面の平均表面粗さ(Ra)が、0.005〜0.050μmの範囲となるように、上記条件を選択することが好ましい。
【0015】
さらに、この共押出表層を構成するポリエステルには、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を本発明の要旨を越えない範囲の量だけ添加することも可能である。
【0016】
また、共押出表層と内層の積層厚み構成に関しては、フィルム全体の濁り(フィルムヘーズ)を抑えるために、微粒子の添加された共押出表層はできるだけ薄いことが好ましい。一方で、内層に存在する染料や他の添加剤がブリードアウトするのを防止するためには、共押出表層はむしろ厚い方が好ましい。これらを勘案して、本発明の積層フィルムにおいて、各外層の厚さは、フィルム全体の厚みにかかわらず、片側0.5〜5.0μmとすることが好ましい。また、両表層の厚みは同じであっても、異なっていてもよいが、異なる場合にも両者共に上記の厚み範囲内であることが好ましい。
【0017】
最外層の厚さが0.5μm未満の場合は、製膜工程中の熱固定処理の際に中間層中の染料の昇華を十分に抑制できないことがある。また、最外層の厚さが5μmを超える場合は、中間層が薄くなり、高遮光性のフィルムを得るために必要な染料の含有量が多くなりすぎる傾向があり、未溶解の染料の析出によって生じる濁りによりフィルムヘーズが大きくなったり、ポリエステルの極限粘度が低下し、ポリエステル自体の特性が失われたり、中間層の厚さが不均一となって色斑が生じたりすることがある。
【0018】
本発明の積層フィルムは、自動車の曲面ガラスに貼る際の施工性を改良するため、180℃で5分間熱処理した時のフィルム縦方向の熱収縮率(SMD)を6.0〜20.0%、フィルム横方向の熱収縮率(STD)を0.0〜10.0%以下の範囲とする。SMDは6.0〜15%の範囲が好ましく、STDは1.0〜10.0%の範囲が好ましい。SMDが6.0%未満の場合およびSTDが0.0%未満(マイナス=膨張側)の場合は、自動車の曲面ガラスに積層フィルムを貼る際にシワが発生し、好ましくない。また、SMDが20.0%を超えた場合や、STDが15%を超えた場合は、ハードコート加工の際にシワが発生し、好ましくない。
【0019】
本発明のポリエステルフィルムには、窓ガラスに貼り付けた場合に露出する面のキズ防止を目的として、露出する面にアクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体を主成分とした熱硬化あるいはUV硬化性の公知のハードコート層を設けることができる。このハードコート層は、インラインコーティングではなく、配向結晶化が終了した二軸配向積層ポリエステルフィルムの後加工として、通常は有機溶剤を用いて塗布・乾燥して設けられることが好ましい。塗布は、リバースグラビアコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターなどの装置を用いて行うことができる。
【0020】
ハードコート層は、フィルムを窓ガラスに張り付けた時に、露出する面となることから、簡単に擦り傷が発生するのを防止のため、ハードコート層の表面硬度は鉛筆硬度でH以上であることが好ましい。鉛筆硬度でH以上の表面硬度を維持するためには厚い方が良好であるが、ハードコート剤は硬化する際に収縮し、この収縮によりフィルムがカールする問題があるため、カールを防止するためにはコート厚みは薄い好ましい。これらの相反する特徴を同時に満たすには、ハードコート層の厚み(乾燥厚み)を0.5〜5.0μmの範囲に設定することが好ましい。
【0021】
本発明のフィルムは、フィルムを窓ガラス等に貼り合わせるために、公知の粘着材または公知の接着剤等が塗工される。この粘着剤あるいは接着剤をフィルムの塗工する際にも、ハードコート層を塗工する時を同様に配向結晶化が終了した二軸配向積層ポリエステルフィルム上に、後加工として通常は有機溶剤を用いて塗布・乾燥して設けられる。粘着剤または接着剤には、公知の紫外線吸収剤を配合して併用したり、あるいは赤外線吸収剤を公知の配合量で添加したりできる。この粘着剤あるいは接着剤には、例えばシリコーン塗膜による離型処理を施された公知のプラスチックフィルムを、いわゆるセパレーターフィルムとして張り合わせて用いることができる。
【0022】
次に本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムは以下の製造例に何ら限定されるものではない。
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィ−ドブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法を採用することが好ましい。
【0023】
次いで、得られた未延伸フィルムを二軸方向に延伸して二軸配向させる。すなわち、前記の未延伸シートを縦方向にロール延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、横方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0024】
上記の延伸においては、1回の延伸操作で所定倍率まで延伸する方法の他、延伸を2段階以上に振り分けて所定の延伸倍率とする方法を用いることもできる。その場合にも、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0025】
本発明においては、前述したようにフィルムの少なくとも片方の表面に帯電防止塗布層を有することが必要であり、特にインラインコーティングで帯電防止塗布層を付与する場合には、上記プロセスで縦延伸が終了したこの時点で、フィルムの表面には主として水を溶媒とする塗布液を塗布した後、テンター内で乾燥・予熱・横延伸を行い、さらに熱固定を行うことが好ましい。また、このときに用いる塗布方法は、リバースグラビアコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーターなどの装置を用いて塗布することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
【0027】
(1)粘度(IV)
フェノール/テトラクロルエタン=1/1(重量比)の混合溶媒100mlにポリマー1gを溶解し、30℃で測定した。
【0028】
(2)平均粒径
遠心沈降式粒度分布測定装置((株)島津製作所製「SA−CP3型」)を使用し、ストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を平均粒径とした。
【0029】
(3)フィルム各層の厚さ
エポキシ樹脂にてフィルム小片を固定し、ミクロトームで切断し、透過型電子顕微鏡写真にてフィルムの断面を観察した。フィルム表面とほぼ平行な2本の明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
【0030】
(4)フィルムの濁度(フィルムヘーズ)
JIS−K7105に準じ、濁度計NDH300A(日本電色(株)製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定した。
【0031】
(5)可視光線透過率
分光式測色計SE−2000(日本電色(株)製)を用いてD65光源で各波長の光線透過率を測定し、JIS S 3107に従って可視光線透過率を算出した。
【0032】
(6)熱収縮率(SMD、STD)
熱風循環炉(田葉井製作所製)を使用し、厚さ25μmの無張力状態のフィルムを180℃の雰囲気中で5分間熱処理し、フィルム縦方向(SMD)および横方向(STD)の熱処理前後の長さを測定し、下記式にて計算し、5本の試料についての平均値で表した。
熱収縮率(%)=(L0−L1)×100/L0
(上記式中、L0は熱処理前のサンプル長さ(mm)、L1は熱処理後のサンプル長さ(mm)を表す。)なお、L0がL1よりも小さくなる場合(膨張の場合)は−(マイナス)で表した。
【0033】
(7)施工性
自動車の曲面ガラスにフィルムを貼った際のシワおよび周囲の隙間の状態を観察し、下記の基準で施工性を評価した。
○:シワがなく、周囲の隙間も均一の場合
×:シワが入るか、周囲の隙間も不均一の場合
【0034】
(8)テンター汚染
フィルムの製膜した際に、製膜装置のテンターを観察し、下記の基準でフィルムに配合した染料によるテンター汚染を評価した。
○:染料による汚染は観察されない場合
△:染料による汚染が若干観察されたが、実用上問題のない場合
×:染料による汚染が激しく、製膜に支障をきたす場合
【0035】
(9)ハードコート(HC)の加工性
フィルム表面にハードコート層を形成する工程において、加工時のフィルム状態を観察し、下記の基準でハードコートの加工性を評価した。
○:フィルムのシワなく、良好なハードコートフィルムが得られる場合
△:フィルムにシワが入ったが、実用上問題のないハードコートフィルムが得られる場合
×:フィルムにシワが入り、製品としてのハードコートフィルムが得られない場合
【0036】
以下の実施例および比較例で用いたポリエステル原料の製造方法は次のとおりである。
<ポリエステルA> 希釈PET
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエステルの固有粘度は0.70であった。
【0037】
<ポリエステルB> 粒子(1.4μm)含有PET
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径1.4μmのシリカ粒子を1.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
【0038】
<ポリエステルC> 染料10%含有MB
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレジンレッドHS 3.0重量%、同ブルーH3G 5.5重量%、および同イエローF 1.5重量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、染料マスターバッチのポリエステルCを作成した。
【0039】
<ポリエステルDの製造>粒子(2.6μm)含有PET
ポリエステルBの製造において、平均粒径1.4μmのシリカ粒子を平均粒径2.6μmのシリカ粒子に変更した以外は、ポリエステルBの場合と同様の方法でポリエステルDを得た。得られたポリエステルDのシリカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリエステルの固有粘度は0.70であった。
【0040】
実施例1
<ポリエステルフィルムの製造>
ポリエステルA、Cの各チップを92:8の割合で、それぞれ中間層用レジンとして中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを93:7の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、レジンは乾燥すること無しに290℃の溶融温度で押出しを行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で合流して積層した。その後静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して3層構成の積層未延伸シートを得た。得られたシートを83℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き93℃でフィルムを乾燥・予熱した後、横方向に4.0倍延伸し、200℃にて熱固定を行った。さらに幅方向に5%弛緩処理を行って、冷却した後巻き取って二軸配向フィルムのロールを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。
【0041】
<ハードコート層の製造>
上記のフィルムロールを、コーターにセットして、下記の組成のハードコート剤を#20バーで塗布し、90℃で1分間乾燥して除去した後、高圧水銀灯により、出力120w/cm、照射距離15cm、移動速度10m/分の条件下で乾燥して2μmのハードコート層を形成した。
ハードコート組成:
アクリル樹脂(大日精化工業(株)社製「セイカビームEXY−26(S))30重量部:メチルエチルケトン 35重量部:トルエン 35重量部
【0042】
実施例2
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、幅方向の弛緩率を7%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のフィルムを作成した。
【0043】
実施例3
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、熱固定温度を185℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のフィルムを作成した。
【0044】
実施例4
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、表層用レジンとしてポリエステルA、Dの各チップを70:30の割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のフィルムを作成した。
【0045】
実施例5
実施例1において、各層の厚さを0.3μm/21μm/0.3μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のフィルムを作成した。
【0046】
比較例1
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、熱固定温度を225℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のフィルムを作成した。
【0047】
比較例2
実施例1のポリエステルフィルムの製造において、熱固定温度を175℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のフィルムを作成した。
【0048】
比較例3〜6
下記表2に記載のように変更してフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 2005014546
【0050】
【表2】
Figure 2005014546
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、染料の昇華等によって生産機を汚染することがなく、曲面ガラスなどへの施工性に優れると共に透明性に優れた窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。

Claims (1)

  1. 実質的にポリエステルに溶解する染料を含有する層を内層とする、少なくとも3層のポリエステルが共押出積層されたフィルムであり、下記式▲1▼および▲2▼を同時に満足することを特徴とする窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルム。
    6.0≦SMD≦20.0 ………▲1▼
    0.0≦STD≦10.0 ………▲2▼
    (上記式中、SMDは180℃で5分間熱処理時のフィルム縦方向の熱収縮率(%)、STDは180℃で5分間熱処理時のフィルム横方向の熱収縮率(%)を表す)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012224489A (ja) * 2011-04-18 2012-11-15 Mitsubishi Plastics Inc 合わせガラス用着色積層二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2014151480A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Mitsubishi Plastics Inc 積層ポリエステルフィルム

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